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JP4380818B2 - 透水性アスファルト舗装構造 - Google Patents

透水性アスファルト舗装構造 Download PDF

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JP4380818B2
JP4380818B2 JP29335898A JP29335898A JP4380818B2 JP 4380818 B2 JP4380818 B2 JP 4380818B2 JP 29335898 A JP29335898 A JP 29335898A JP 29335898 A JP29335898 A JP 29335898A JP 4380818 B2 JP4380818 B2 JP 4380818B2
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roadbed
asphalt pavement
retaining
permeable asphalt
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保徳 香川
廣美 浜野
清志 山下
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Obayashi Road Corp
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Obayashi Road Corp
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Publication date
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透水性アスファルト舗装構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のアスファルト舗装は、雨水を下方の路盤に通さない水密性を備えたアスファルト舗装が一般型であるが、雨水を地下に還元すること等を目的とした透水性アスファルト舗装も年々多く採用されてきている。
【0003】
透水性アスファルト舗装は、粗骨材を主体とした構成を有することにより、例えば15〜25%程度の高い空隙率と、例えば1×10 -1 〜1×10 -2 cm/sec程度の大きな透水係数を有し、舗装面に降り注いだ雨水を容易に透過させ、路盤や路床に浸透させてこの雨水を地下に還元することができる。
【0004】
また、この透水性アスファルト舗装によれば、その透水機能によって、雨天時等における水はねや、水しぶきによるスモーキング現象、滑り抵抗の低下によるハイドロプレーニング現象等を緩和することができるとともに、その高い空隙率によって、走行時にタイヤが路面に接する際の破裂音であるタイヤポンピング音を吸収軽減することができ、車両の快適な走行性と、沿道の環境改善を図ることが可能になる。
【0005】
しかしながら、従来の透水性アスファルト舗装によれば、水密性を備えた一般型のアスファルト舗装と同様に、特に夏期の晴天時に、太陽熱の影響によって、昼間は例えば60゜C程度の高温状態を呈することになり、また夜間においては昼間に吸収した熱を徐々に放出することによって、熱帯夜を助長することになる。
【0006】
すなわち、従来の透水性アスファルト舗装によれば、雨天時においては、その透水機能によって種々の有益な作用効果を奏する一方で、晴天時においては、多くの空隙を備える透水性アスファルト舗装の利点が十分に生かされておらず、太陽熱によって極めて高温状態となるという課題を解決するまでには至っていなかった。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、晴天時における舗装面の温度を低下させることにより沿道の環境改善を容易に図ることのできる透水性アスファルト舗装構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
また、本発明は、建設汚泥を有効利用して廃棄物のリサイクルを図ることのできる透水性アスファルト舗装構造を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その要旨は、保水性骨材を主材料とする路盤材料により形成された保水性路盤と、該保水性路盤の上方に敷設された透水性アスファルト舗装とからなることを特徴とする透水性アスファルト舗装構造にある。
【0010】
また、本発明は、上記保水性骨材として、廃ベントナイト、廃泥水、泥状の掘削土等の建設汚泥に、セメントを主成分とする固化剤と、分散機能を有するポリマーからなる混和薬剤とを加えて攪拌することにより形成した混合土を、加圧成形して塊体とし、該塊体を養生後に破砕して得られる保水性人工骨材を使用する。
【0011】
ここで、保水性骨材とは、10〜90%の保水率を有する粗骨材又は細骨材を意味する。保水率とは、石材の水飽和重量と強制乾燥重量との差の強制乾燥重量に対する割合を示す吸水率と等価である。保水率が10%よりも小さいと保水量が少なく打水的効果の継続性が乏しくなり、保水率が90%よりも大きいと骨材自身あるいは層としての強度が小さくなるためいずれも好ましくない。
【0012】
一方、保水性骨材を主材料とする路盤材料とは、上記保水性骨材を、重量比で5%以上含有する路盤材料を意味する。
【0013】
そして、本発明の透水性アスファルト舗装構造によれば、雨天時においては、降り注いだ雨水を下方の保水性路盤に通過させて雨水の地下還元を図りつつ、上記従来の透水性アスファルト舗装と同様の作用効果を奏するとともに、保水性路盤の高い保水機能によって、当該保水性路盤に相当の水分を保持することになる。
【0014】
一方、晴天時においては、太陽熱等によるアスファルト舗装の温度の上昇に伴って、保水性路盤に保持された水分が徐々に蒸発し、気化した水分が透水性アスファルト舗装の空隙を介して上方の大気中に拡散してゆくとともに、その気化熱等によりアスファルト舗装に蓄えられた熱量を奪うことになる。
【0015】
すなわち、本発明によれば、従来の透水性アスファルト舗装の路盤材料として用いられていた、1.0〜1.5%程度の保水性しか有さない一般の粒調砕石や切込砕石等の路盤材料による路盤に代えて、あるいはこれらの路盤に追加して、廃ベントナイト、廃泥水、泥状の掘削土等の建設汚泥に、セメントを主成分とする固化剤と、分散機能を有するポリマーからなる混和薬剤とを加えて攪拌することにより形成した混合土を、加圧成形して塊体とし、該塊体を養生後に破砕して得られる保水性人工骨材を主材料とする路盤材料による保水性路盤を透水性アスファルト舗装の下方に形成することにより、かかる保水性路盤に保持された水分によって、上述の水分の蒸発による打ち水的効果が発揮されることになり、舗装の温度を低下させることが可能になる。
【0016】
また、保水性骨材として、建設汚泥から得られた保水性人工骨材を使用することにより、廃棄物のリサイクルを図るとともに、骨材資源の確保と自然環境の保護を図ることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態の透水性アスファルト舗装構造10は、図1示すように、砂質土等を埋め立てて形成された路床11の上方に設けられるもので、保水性骨材を主材料とする路盤材料により形成された保水性路盤12と、この保水性路盤12の上方に敷設された透水性アスファルト舗装13とによって構成される。
【0018】
保水性路盤12は、後述する保水性人工骨材を用いて形成された、40cm程度の厚さを備える路盤であって、例えば仕上がり厚さが20cm程度の二層構造となるように、ブルドーザーを用いて敷均した後、小型振動ローラや大型タイヤローラ、大型鉄輪ローラ等を用いて十分に締め固めて、所定の路盤高さとなるように仕上げることにより形成される。
【0019】
保水性路盤12の直上に敷設される透水性アスファルト舗装13は、透水性アスファルトコンクリートからなる5cm程度の厚さの基層14と、同じく透水性アスファルトコンクリートからなる5cm程度の厚さの表層15とからなり、保水性路盤12や基層14の表面にプライムコートやタックコートを施しながら、混合プラントにおいて混合製造された透水性アスファルトコンクリートを、アスファルトフィニッシャを用いて敷均し、大型鉄輪ローラや大型タイヤローラ等を用いて十分に締め固めることによって形成される。
【0020】
ここで、保水性骨材としては、例えば保水性人工骨材である商品名「ポリナイト」(大阪ベントナイト事業協同組合製)を用いることができる。この「ポリナイト」は、特開平10−34191号公報に示される方法、すなわち、廃ベントナイト、廃泥水、泥状の掘削土等の建設汚泥を、攪拌・混合を行う高速攪拌器へ汚泥脱水物として計量供給するとともに、セメントを主成分とする固化剤を計量供給し、さらに分散剤,結合剤等の混和剤として水溶性ポリマーないし油性エマルジョン型ポリマーからなる薬剤を計量供給し、高速攪拌機における高速度の攪拌作用および薬剤の薬理作用によって、固化剤のセメント粒子と汚泥脱水物の土粒子とが一様に分散する混合土を形成し、この混合土を加圧装置により適当な載荷圧力下で脱余剰水及び脱気泡を行って塊体を形成し、この塊体を養生後に解砕する方法によって容易に得ることができる。
【0021】
この「ポリナイト」は、20〜40%程度の相当の保水率を備え、また解砕方法や固化剤等の供給量を適宜選定することなどによって、その破砕後の粒度や強度等を調整することができ、例えば表−1の試料1又は試料2に示すような、路盤材料としての相当の強度特性を有する好ましい物理性状を備えたものとして、容易に得ることができる。
【0022】
【表1】
Figure 0004380818
【0023】
また、透水性アスファルト舗装13を構成する透水性アスファルトコンクリートは、骨材間隙が大きくなるようにその粒度が調整された骨材を使用し、敷設後の舗装が水分を通過させ得る多くの間隙を有するように、骨材と、フィラーと、アスファルトと、必要に応じて添加されるその他の添加剤とを加熱混合して製造されるもので、透水性アスファルトコンクリートとして知られる公知の種々のアスファルトコンクリートを使用することができる。
【0024】
そして、本実施形態の透水性アスファルト舗装構造10によれば、保水性人工骨材からなる保水性路盤12と、この保水性路盤12の上方に敷設された透水性アスファルト舗装13とによって構成されるので、透水性アスファルト舗装13の透水機能によって、雨天時等における水はねや、スモーキング現象、ハイドロプレーニング現象等を緩和することができ、またその高い空隙率によってタイヤポンピング音を効果的に吸収軽減することができるとともに、保水性路盤12が保水機能を有することにより、太陽熱等によるアスファルト舗装13の温度の上昇に伴って、保持された水分を徐々に蒸発させ、その気化熱等によりアスファルト舗装に蓄えられた熱量を奪うことにより、舗装の温度を低下させることが可能になる。
【0025】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々に変更して採用することができる。例えば、本実施形態では、保水性路盤を全て保水性骨材によって構成したが、保水性骨材を主体とした路盤材料であれば、その他の砕石等を混合したものを使用することもできる。また、保水性路盤の下層に、その他の路盤材料からなる路盤層を介在させて路盤を形成することもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の透水性アスファルト舗装構造によれば、保水性骨材を主材料とする路盤材料により形成された保水性路盤と、該保水性路盤の上方に敷設された透水性アスファルト舗装とからなるので、晴天時における舗装面の温度を低下させることにより沿道の環境改善を容易に図ることができる。
【0027】
また、保水性骨材として、建設汚泥に、セメントを主成分とする固化剤と、分散機能を有するポリマーからなる混和薬剤とを加えて攪拌することにより形成した混合土を、加圧成形して塊体とし、該塊体を養生後に破砕して得られる保水性人工骨材を用いているので、建設汚泥を有効利用して廃棄物のリサイクルを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る透水性アスファルト舗装構造を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 透水性アスファルト舗装構造
11 路床
12 保水性路盤
13 透水性アスファルト舗装
14 基層
15 表層

Claims (1)

  1. 廃ベントナイト、廃泥水、泥状の掘削土等の建設汚泥に、セメントを主成分とする固化剤と、分散機能を有するポリマーからなる混和薬剤とを加えて攪拌することにより形成した混合土を、加圧成形して塊体とし、該塊体を養生後に破砕して得られる保水性人工骨材を主材料とする路盤材料により形成された保水性路盤と、該保水性路盤の上方に敷設された透水性アスファルト舗装とからなることを特徴とする透水性アスファルト舗装構造。
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