JP4378031B2 - ファクシミリ装置、ファクシミリ装置の制御方法、およびファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面情報を読み取り送信するファクシミリ装置、その制御方法、およびその制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ITU−T勧告T4、あるいはT30などに規定されたファクシミリ装置は、片面原稿を送信する構成が基本となっている。すなわち、送信機側の原稿も片面情報であり、受信機側においても受信した画情報は記録紙の片面に記録していた。
【0003】
一方で、最近は省資源化に関する意識が高まっており、プリンタや複写機などにおいては、1枚の紙の表面と裏面に記録を行なういわゆる両面記録方式を有するものが増えつつある。これに伴ない、近年ではファクシミリ装置においても、両面原稿を読取り、送信するハードウェア構成および通信手順が提案されている。
【0004】
両面画情報の伝送方式としては、原稿表面の画像、裏面の画像を各ページについて交互に送信する両面交互伝送、あるいは原稿表面の画像全部を送信し、続いて裏面の画像全部を送信する両面連続伝送などが知られている。
【0005】
ITU−T勧告T30、あるいはその試案においては、両面伝送に関する通信手順が提案されており、この勧告に提案されている方式では、原稿表面あるいは裏面の1面の画情報それ自体は旧来の片面伝送の場合の1ページの画像とほぼ同様のファクシミリメッセージとして送信し、ポストメッセージ信号にページ番号や面(サイド)の情報を付加して送信する。
【0006】
両面伝送に関する送受信機の機能は、DCS信号やDIS信号により通知することになっており、受信機の両面記録に関する機能はDIS信号により通知される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の両面伝送を行なうファクシミリ装置では、両面伝送を行なうか、片面伝送を行なうかはユーザの明示的な通信モード指定操作により決定されていた。たとえば、通信モードを恒久的に両面伝送モードにしてしまうのは現実的ではないので、デフォルトモードを片面通信モードとし、通信ごとに必要に応じて両面伝送モードを明示的な操作により設定するような構成が一般的である。
【0008】
しかし、原稿が両面原稿であるか否かの設定操作を行なう、あるいは両面伝送モードを明示的に設定する操作を通信ごとに毎回実行しなければならないのは非常に面倒である。
【0009】
また、片面/両面のモード設定を誤ると、ユーザの本来の意図とは異なる伝送が起きる問題がある。すなわち、原稿が両面原稿であるにもかかわらず両面伝送モードを指定するのを忘れてしまうと、片面伝送が行なわれるために本来送信されるべき裏面の情報を受信側に伝達できない、という問題を生じ、逆に片面原稿を両面伝送してしまった場合には無駄に裏面の白紙の情報を送信してしまう問題を生じる。
【0010】
本発明の課題は上記の問題を解決し、面倒な操作を必要とせず、片面、あるいは両面伝送モードを自動的に選択することができ、無駄な通信を防止し、原稿に応じて適切に片面、あるいは両面伝送モードを選択して、ユーザの意図した画像通信を適切に実行できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明においては、両面原稿の画情報を読み取り送信するファクシミリ装置、その制御方法、およびその制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、
原稿の両面の画像を読み取り、読み取った原稿の両面の画情報を記憶し、読み取った原稿の両面に有効な画情報が含まれているか否かを判定し、判定手段の判定結果とともに読み取られた画情報の表面と裏面を対にして管理する管理情報を記憶し、記憶されたその判定結果とファクシミリ手順のDIS信号で相手装置から通知された両面伝送モードの有無に応じて、少なくとも1枚、両面に有効な画情報が含まれている原稿が存在し相手側装置が両面伝送モードを有すると判定された場合は両面伝送モードを選択し、それ以外の場合は片面伝送モードを選択し、両面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により両面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、記憶された画情報を前記管理情報とともに両面伝送モードで送信し、片面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により片面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定手段の判定結果に基づいて有効な画情報があるページを片面伝送モードで画情報を送信する制御を行なう構成を採用した。
【0012】
あるいはさらに、両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも、相手の受信機が両面伝送モードを有していない場合は、片面伝送手順を用いて表面、裏面の順で有効な画情報を含む面のみ送信する構成を採用した。
【0013】
あるいはさらに、原稿表面の画像のみを読み取る強制表面読取モードが選択されている場合には、両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも原稿の表面のみ読み取り、読み取った画情報を片面伝送する構成を採用した。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明を採用したファクシミリ装置のハードウェア構成を示している。図1において符号2は、NCU(網制御装置)で、電話網をデータ通信等に使用するためにその回線の端末に接続し、電話交換網の接続制御を行なったり、データ通信路への切り替えを行なったり、ループの保持を行なうものである。NCU2は、バス26からの制御に応じて電話回線2aを電話機4側に接続する(CMLオフ)か、電話回線2aをファクシミリ装置側に接続する(CMLオン)。通常状態では、電話回線2aは電話機4側に接続されている。
【0016】
符号6は、ハイブリッド回路で、送信系の信号と受信系の信号とを分離し、加算回路12からの送信信号をNCU2経由で電話回線2aに送出し、相手側からの信号をNCU2経由で受け取り、信号線6a経由で、変復調器8に送る。
【0017】
符号8は、ITU−T勧告V.8,V.21,V.27ter,V.29,V.17,V.34に基づいた変調及び復調を行なう変復調器であり、バス26の制御により、各伝送モードが指定される。変復調器8はバス26からの送信信号を入力し変調データを信号線8aに出力し、信号線6aに出力されている受信信号を入力し、復調データをバス26に出力する。
【0018】
符号10は、発呼回路であり、バス26からの制御に応じて電話番号情報を入力し、信号線10aにDTMFの選択信号を出力する。
【0019】
符号12は、送信信号を加算する加算回路であり、信号線8aの情報と信号線10aの情報を入力し、加算した結果を信号線12aに出力する。
【0020】
符号14、16は画像読取および記録系を示すが、これらの回路は両面伝送に対応するために、原稿の表裏両面の読取り、および記録紙の表裏両面への記録を行なえるようになっている。
【0021】
すなわち、符号14は原稿搬送系、光学読み取り素子などから成る読取回路であり、原稿から読取った画像データをバス26に出力する。読取回路14は内蔵された原稿反転機構により原稿を反転することなどにより原稿裏面の画情報を読み取ることができるものとする。
【0022】
本実施形態においては、原稿裏面に関してはその全てを読み取り、後述のように、有効情報が含まれているか否かを判断することにより送信の制御を変更する。
【0023】
また、符号16は、電子写真方式、インクジェット方式など所定の記録方式による記録回路であり、バス26に出力されている情報を順次1ライン毎に記録する。記録回路16が記録紙の表面ないし裏面のいずれに記録を行なうかはバス26を介して制御することができるものとする。
【0024】
符号18はメモリ回路であり、ROM、RAM、あるいはハードディスクなどの任意の記憶装置から構成され、種々のデータの記憶に用いられる。たとえばメモリ回路18は、フラグやカウンタを割り付けるため、ワーク用のメモリとして、あるいは読取りデータの生情報あるいは符号化した情報を格納したり、また受信情報あるいは復号化した情報等を格納するために用いられる。
【0025】
また、メモリ回路18には、強制表面読取を行なうか否かを登録するための記憶領域が設けられており、操作部20の所定の操作により、強制表面読取を行なうか否かを設定登録できるようになっている。
【0026】
符号20は、操作部であり、そのキーボードにはワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、テンキー、*キー、#キー、セットキー、スタートキー、ストップキー、その他ファンクションキーが設けられ、これらのキーの操作情報は、バス26を介してCPU22に出力される。また、操作部20にはLCDパネルなどから構成された表示部が設けられており、バス26に出力されている情報を入力し表示する。
【0027】
符号22は、CPU(中央処理装置)であり、本ファクシミリ装置全体の制御、および、ファクシミリ伝送制御手順を実行する。本発明の制御手順はCPU22の制御プログラムとしてROM24に格納される。
【0028】
ここで、図2〜図7を参照して両面原稿を両面伝送するための通信手順の概略につき説明する。ここでは、現在提案されているITU−T勧告T30の試案に記載されている一般的な両面伝送を示す。
【0029】
両面伝送の通信モードとしては、交互モード(両面交互伝送モード)と連続モード(両面連続伝送モード)の2つが存在する。前者は1ページ目の表面、裏面、2ページ目の表面、裏面…と原稿1枚づつその表面、裏面を交互に伝送するモードである。また、後者は1ページ目の表面、2ページ目の表面…とまず原稿の表面のみページ順に全部伝送し、しかる後に1ページ目の裏面、2ページ目の裏面…と原稿の裏面をページ順に全部伝送するモードである。ファクシミリ装置は、製品の仕様や動作モードに応じていずれかのモードを使用することができる。
【0030】
次に、図2に、DIS(デジタル識別:画像受信局から送信される)、DTC(デジタル送信命令:画像送信局から送信される)、およびDCS(デジタル命令:画像送信局から送信される)の各信号のFIF(ファクシミリ情報フィールド)における両面伝送を指定する情報の構成を表形式で示す。
【0031】
図2に示すように、DIS/DTC信号では、FIFのxビット目(このビット数は正式に決定されておらず便宜上「x」により示す)により、交互モードでの両面記録機能の有無を表し、FIFのx+1ビット目により、連続モードでの両面記録機能の有無を表す。また、DCS信号においては、FIFのxビット目により、交互モードでの両面送信を指定し、FIFのx+1ビット目により、連続モードでの両面送信を指定する。
【0032】
また、両面受信/片面受信に拘らず、送受信可能な解像度の情報はDCS/DIS信号により交換することができる。図2では不図示であるが、送受信可能な解像度の情報はたとえばDCS/DIS信号のビット17およびビット33以降が用いられる。
【0033】
図3は、ノーマルG3伝送でのQ信号(具体的にはEOP(ページ終了)あるいは、MPS(マルチページ)、あるいはEOM(メッセージ終了)信号など)、また、ECM(エラー訂正モード)伝送でのPPS−Q信号(具体的には、PPS−EOP、あるいは、PPS−MPS、あるいはPPS−EOM、あるいはPPS−NULLなどのポストメッセージ信号)のフレーム構成を示している。
【0034】
図3のように、これらのポストメッセージ信号では、Flag(フラグ)、Address(アドレス)、Control(制御データ)、FCF(ファクシミリ制御フィールド)に続き、ファクシミリ情報が送信される。ファクシミリ情報の先頭では、ECMの場合のみPC(ページカウンタ)、BC(ブロックカウンタ)、FC(フレームカウンタ)の3つのフィールドが送信され、その後に両面伝送関係のファクシミリ情報が続く。両面伝送関係のファクシミリ情報は、Length(レングス:当該ページのデータサイズ(オクテット数単位)でこのフィールドのデータ幅は1オクテット)、Page number(ページナンバー:2オクテット)、Page information(ページ情報)が続き、その後にFCS(フレームチェックシーケンス)、Flag(フラグ)が続く。
【0035】
上記のうち、Page number(ページナンバー)は、規約上、両面原稿をページ順に表面、裏面と送信する際、表、裏の各面ごとにP1からの1ページずつ加算されることになっている。また、Page information(ページ情報)は、データ幅1オクテットで、その面の画情報が表であるか裏であるかを示し、bit0により表面(0)か裏面(1)を表現する。当面、ビット1〜6は予約ビットで機能は定義されておらず、ビット7は拡張ビットとして常時0にセットされる。
【0036】
上記のポストメッセージ信号のファクシミリ情報のうち、Length、Page number、Page informationの3つが、両面伝送のために新たに追加となったフィールドである。
【0037】
図4は、ノーマルG3モードにおける交互モードでの両面伝送の様子を、図5はECM通信モードにおける交互モードでの両面伝送の様子を、図6はノーマルG3モードにおける連続モードでの両面伝送の様子を、図7はECM通信モードにおける連続モードでの両面伝送の様子を示している。
【0038】
図4〜図7のように、DIS信号のxおよびx+1ビットにより受信機の両面伝送機能(交互および連続のいずれも可)が示され、DCS信号のxおよびx+1ビットにより、送信機がこれから実行しようとする両面伝送モードが宣言される。図6、図7の連続モードでは、DCS信号のx+1ビットを1とすることにより連続モードでの送信を行なうことが宣言されている。
【0039】
また、図4、図6に示すように、ノーマルモードの場合はポストメッセージ信号としてMPS信号が、また、図5、図7に示すように、ECMの場合はポストメッセージ信号としてPPS−MPS信号が用いられている。
【0040】
ここでは3枚の両面原稿が送信されており、各図中の「PN」は上記のPage Numberを示している。
【0041】
たとえば、図4(交互モード)に符号41で示したMPS信号は、「MPS(PN=1,0(front side))」と図示されているが、これは、ページ番号1(PN=1)、表面(0(front side))の画情報を送信したことを示している(図4以降のMPSあるいはPPS−MPS信号の表記は上記と同趣である)。
【0042】
すなわち、図4および図5の交互モードでは、1枚目(PN=1)の表(0)、1枚目(PN=2)の裏(1)、2枚目(PN=3)の表(0)、2枚目(PN=4)の裏(1)、3枚目(PN=5)の表(0)、3枚目(PN=6)の裏(1)の順で原稿の画情報が送信されている。
【0043】
また、図6および図7の連続モードでは、1枚目(PN=1)の表(0)、2枚目(PN=3)の表(0)、3枚目(PN=5)の表(0)、1枚目(PN=2)の裏(1)、2枚目(PN=4)の裏(1)、3枚目(PN=6)の裏(1)の順で原稿の画情報が送信されている。
【0044】
以上が一般的な両面伝送手順であるが、本発明においては、原稿情報の表面および原稿情報の裏面を読み取り、原稿両面の画像の状態、特に裏面に有効な画像が存在するか否かに応じて、送信原稿情報の中に1ページでも両面原稿情報があれば両面伝送を実行し、一方、送信原稿の表面のみにしか画像が存在しない場合は両面伝送を実行せず、片面伝送を行なう。また、強制表面読取モードの選択状態に応じ、強制表面読取モードが選択されていれば裏面に情報があっても両面伝送を実行せず、片面伝送を行なう。
【0045】
図8〜11に上記の通信制御の流れをフローチャート図として示す。図8〜11の同一番号の個所はそれぞれの位置で連続しているものとする。
【0046】
図8において、ステップS0は所定のリセット操作などにより開始される処理の始めを示している。
【0047】
ステップS2は、バス26を介してメモリ回路18をイニシャライズし、ステップS4では、バス26を介して、操作部の表示部をクリアする。
【0048】
ステップS6では、バス26を介して、NCU2のCMLをオフとし、回線2aを電話機4側に接続する。
【0049】
ステップS8では、バス26を介して操作部20の情報を入力し、ファクシミリ送信が選択されたか否かを判断し、ファクシミリ送信が選択されるとステップS12に進み、ファクシミリ送信が選択されていなければ、ステップS10に進み、その他の処理(原稿のコピーなど)を実行する。
【0050】
ステップS12では、読取り物理ページカウンタに1をセットし、ステップS14では面に表面をセットする。この読取り物理ページカウンタはメモリ回路18の所定領域などに割り付けられるものとする。
【0051】
ステップS16では、読取回路14により画像読取を行なう。原稿の両面の画像を読み取り、メモリ回路18の所定領域などに割り付けられた画像メモリに記憶させるとともに、このときの読取り物理ページカウンタおよび、表面の画像か裏面の画像かを示す面情報を管理情報エリアに画像データと関連づけて記憶する。
【0052】
また、ステップS16では、原稿のその読取面における有効画情報の有無も合わせて管理情報エリアに記憶する。有効な画情報の検出は、たとえばその面が全白状態(あるいは黒ドットの占有比率が所定のパーセンテージ以下、など)である場合には有効な画情報無し、と判定するような方法により行なうことができる。この方法は最も簡単な方法であるが、さらに有効な画情報を検出するために適当な検出条件を追加して、より厳密な判定を行なってもよい。
【0053】
ステップS18では、現在処理中の原稿面は表面であるか否かを判断し、ステップS18が肯定された場合にはステップS20に進み、否定された場合には図9のステップS24に進む。現在処理中の原稿面の判定はメモリ回路18の所定領域などに割り付けられた面フラグにより行なう。
【0054】
ステップS20では、バス26を介して、操作部20の情報を入力し、強制表面読取モードが選択されているか否かを判断する。強制表面読取モードが選択されている場合にはステップS24に進む。また、強制表面読取モードが選択されていなければステップS22に進み、面フラグに裏面をセットする。
【0055】
なお、強制表面読取モードの選択状態の判定は、最初の1回目の画像読取ループ(後述のステップS26まで)のみ操作部より設定状態を読み込んで記憶するが、2回目以降の画像読取ループではメモリ回路18の所定領域に記憶された選択状態を示す情報により判定するものとする。また、後述のステップS32の判定でもメモリ回路18の所定領域に記憶された選択状態を示す情報により強制表面読取モードの選択状態を判定するものとする。
【0056】
すなわち、本実施形態では、強制表面読取モードは、送信1回ごとにその送信のモードとしてユーザにより設定されるべきものであるが、もちろん、半恒久的に(次回設定登録が行なわれるまで)メモリ回路18の所定領域に登録可能とする(送信1回ごとに選択しなくてもよいようにする)ような仕様も考えられる。
【0057】
図9のステップS24では、読み取るべき次ページがあるか否かが判断され、読み取るべき次ページがあれば、ステップS26に進み、読み取り物理ページカウンタの値を1つインクリメントし、次ページがないとステップS28に進む。
【0058】
ステップS28では、バス26を介して、NCU2のCMLをオンとし、回線2aをファクシミリ装置側に接続する。
【0059】
ステップS30では、バス26を介して、発呼回路10を使用して、指定された宛先を発呼する。
【0060】
ステップS32では、ステップS20での判定時に記憶した情報に基づいて、強制表面読取モードが選択されているか否かを判断し、強制表面読取モードが選択されている場合はステップS34に進み、強制表面読取モードが選択されていなければ図10のステップS40に進む。
【0061】
ステップS34では、ファクシミリ前手順を実行する。ここで、DCS信号のFIFのxビット、x+1ビットをともに0として両面伝送は指定しない。
【0062】
ステップS36は、読取り物理ページカウンタの順にメモリ回路18の画像メモリ領域に記憶された表面情報のみを送信し、ステップS38でファクシミリ後手順を実行した後、図8のステップS6に復帰する。
【0063】
ステップS32で強制表面読取モードでなかった場合、図10のステップS40において、ステップS16で管理情報エリアに記憶した各管理情報に基づき、送信原稿の中に1ページでも両面情報があるか否かを判断する。もちろん、両面情報があるか否かの判定は、当該原稿の裏面に有効な画情報が存在するか否かを調べることにより行なう。送信原稿の中に1ページでも両面情報がある場合はステップS42に進み、送信原稿の中に1ページも両面情報が存在しない場合はステップS34に進む。
【0064】
ステップS42ではファクシミリ前手順を実行し、ステップS44では、受信機から送信されたDIS信号のFIFのxビットは1であるか、すなわち交互モードでの両面受信機能があるか否かを判断する。受信機が両面受信機能を有している場合には、ステップS46に進み、受信機が両面受信機能を有していない場合には、図11のステップS52に進む。
【0065】
ステップS46は残りのファクシミリ前手順を実行する。ここでは、受信機に送信するDCS信号のFIFのxビットを1、x+1ビットを0として交互モードでの両面伝送を指定する。
【0066】
ステップS48は、読取り物理ページカウンタの順に、表面、裏面とすべての情報を送信し、ステップS50においてファクシミリ後手順を実行した後、図8のステップS6に復帰する。
【0067】
一方、ステップS44で受信機が両面受信機能を有していない場合は、図11のステップS52において、残りのファクシミリ前手順を実行する。ここでは、受信機に送信するDCS信号のFIFのxビットおよびx+1ビットはともに0として、両面伝送は指定しない。
【0068】
ステップS54では、読取り物理ページカウンタの順に、表面、裏面の順で有効な画情報を含む面のみ送信する。ステップS56ではファクシミリ後手順を実行し、図8のステップS6に復帰する。ここで送信された表裏面の画像情報は受信機において片面情報として順次記録される。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、少なくとも1枚、両面に有効な画情報が含まれている原稿が存在する場合は原稿の両面から読み取った画情報の両面伝送を実行し、それ以外の場合は原稿の表面から読み取った画情報の片面伝送を実行する構成を採用しているので、ユーザーは両面原稿であるか、片面原稿であるかを気にする必要がなく、面倒な両面/片面伝送モード設定を必要とせず、原稿をセットして送信操作を行なうだけで、確実に適切な両面伝送または片面伝送モードを自動的に選択して送信でき、送信の失敗を防止できる、という優れた効果がある。
【0070】
もちろん、従来のように、片面/両面伝送モードを指定するのを忘れ片面伝送が行なわれるために本来送信されるべき裏面の情報を受信側に伝達できなくなったり、逆に片面原稿を両面伝送し、無駄に裏面の白紙の情報を送信してしまうなどの問題を生じることはない。
【0071】
また、強制表面読取モードが選択されている場合には、両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも原稿の表面のみ読み取り、読み取った画情報を片面伝送するようにしているので、両面伝送を行なえない受信機とも問題なく通信できる。
【0072】
また、原稿裏面に有効画像が含まれているが、表面のみ送信すれば足りるような場合を考慮し、強制表面読取モードを選択できるようにしてあるので、原稿の両面に画像が含まれているが、表面のみ送信すれば足りる場合において、強制表面読取モードを利用して必要な原稿面の画情報のみを片面送信することができる、という優れた効果がある。
【0073】
以上では、ファクシミリ専用機の構成を示したが、本発明はファクシミリ専用機のみならず、他の形態のファクシミリ装置に実施できるのはいうまでもない。たとえば、本発明は、パーソナルコンピュータのような汎用の端末にFAXモデムなどを外付け/内蔵し、ソフトウェア制御によりファクシミリ通信を行なう構成においても実施することができる。その場合、本発明の制御プログラムは、前述のROM24のみならず、ハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、光磁気ディスクやメモリカードなどのあらゆるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して供給することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、両面情報を読み取り送信するファクシミリ装置、その制御方法、およびその制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、原稿の両面の画像を読み取り、読み取った原稿の両面の画情報を記憶し、読み取った原稿の両面に有効な画情報が含まれているか否かを判定し、判定手段の判定結果とともに読み取られた画情報の表面と裏面を対にして管理する管理情報を記憶し、記憶されたその判定結果とファクシミリ手順のDIS信号で相手装置から通知された両面伝送モードの有無に応じて、少なくとも1枚、両面に有効な画情報が含まれている原稿が存在し相手側装置が両面伝送モードを有すると判定された場合は両面伝送モードを選択し、それ以外の場合は片面伝送モードを選択し、両面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により両面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、記憶された画情報を前記管理情報とともに両面伝送モードで送信し、片面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により片面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定手段の判定結果に基づいて有効な画情報があるページを片面伝送モードで画情報を送信する制御を行なう構成を採用しているので、ユーザは両面原稿であるか、片面原稿であるかを気にする必要がなく、面倒な両面/片面伝送モード設定を必要とせず、原稿をセットして送信操作を行なうだけで、確実に適切な両面伝送または片面伝送モードを自動的に選択して送信でき、送信の失敗を防止し、ユーザの意図した画像通信を適切に実行できる、という優れた効果がある。
【0075】
あるいはさらに、両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも、相手の受信機が両面伝送モードを有していない場合は、片面伝送手順を用いて表面、裏面の順で有効な画情報を含む面のみ送信する構成を採用することにより、両面伝送を行なえない受信機とも問題なく通信できる、という優れた効果がある。
【0076】
あるいはさらに、原稿表面の画像のみを読み取る強制表面読取モードを選択可能とし、強制表面読取モードが選択されている場合には、両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも原稿の表面のみ読み取り、読み取った画情報を片面伝送する構成を採用すれば、原稿の両面に画像が含まれているが、表面のみ送信すれば足りる場合において、強制表面読取モードを利用して必要な原稿面の画情報のみを片面送信することができる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したファクシミリ装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図2】両面伝送で用いられるDIS/DTCおよびDCS信号のFIFを示した表図である。
【図3】両面伝送で用いられるポストメッセージ信号のフォーマットを示した説明図である。
【図4】非ECM通信モードにおける交互モードでの両面伝送の様子を示した説明図である。
【図5】ECM通信モードにおける交互モードでの両面伝送の様子を示した説明図である。
【図6】非ECM通信モードにおける連続モードでの両面伝送の様子を示した説明図である。
【図7】ECM通信モードにおける連続モードでの両面伝送の様子を示した説明図である。
【図8】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図9】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図10】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図11】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【符号の説明】
2 NCU
4 電話機
6 ハイブリッド回路
8 変復調器
10 発呼回路
12 加算回路
14 読取回路
16 記録回路
18 メモリ
20 操作部
22 CPU
24 ROM
26 バス
Claims (9)
- 両面原稿の画情報を読み取り送信するファクシミリ装置において、
原稿の両面の画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取った原稿の両面の画情報を記憶する記憶手段と、
前記読取手段により読み取った原稿の両面に有効な画情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果とともに前記読取手段により読み取られた画情報の表面と裏面を対にして管理する管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、
前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定手段の判定結果とファクシミリ手順のDIS信号で相手装置から通知された両面伝送モードの有無に応じて、少なくとも1枚、両面に有効な画情報が含まれている原稿が存在し相手側装置が両面伝送モードを有すると判定された場合は両面伝送モードを選択し、それ以外の場合は片面伝送モードを選択する選択手段と、
前記選択手段により両面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により両面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、記憶手段に記憶された画情報を前記管理情報とともに両面伝送モードで送信し、前記選択手段により片面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により片面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定手段の判定結果に基づいて有効な画情報があるページを片面伝送モードで送信する制御手段を有することを特徴とするファクシミリ装置。 - 両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも、相手の受信機が両面伝送モードを有していない場合、前記制御手段は、片面伝送を実行することを相手装置へ通知して片面伝送モードを用いて表面、裏面の順で有効な画情報を含む面のみ送信することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 原稿表面の画像のみを読み取る強制表面読取モードを指定する操作手段を有し、該操作手段により前記強制表面読取モードが選択されている場合には、前記読取手段は、原稿の裏面を読み取ることなく原稿の表面のみ読み取り、前記制御手段は、片面伝送を実行することを相手装置へ通知して、読み取った画情報を、片面伝送モードを用いて片面伝送することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 両面原稿の画情報を読み取り送信するファクシミリ装置の制御方法において、
原稿の両面の画像を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取った原稿の両面の画情報を記憶する記憶工程と、
前記読取工程により読み取った原稿の両面に有効な画情報が含まれているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程の判定結果とともに前記読取工程により読み取られた画情報の表面と裏面を対にして管理する管理情報を記憶する管理情報記憶工程と、
前記管理情報記憶工程に記憶された前記判定工程の判定結果とファクシミリ手順のDIS信号で相手装置から通知された両面伝送モードの有無に応じて、少なくとも1枚、両面に有効な画情報が含まれている原稿が存在し相手側装置が両面伝送モードを有すると判定された場合は両面伝送モードを選択し、それ以外の場合は片面伝送モードを選択する選択工程と、
前記選択工程により両面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により両面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、記憶工程に記憶された画情報を前記管理情報とともに両面伝送モードで送信し、前記選択工程により片面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により片面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定手段の判定結果に基づいて有効な画情報があるページを片面伝送モードで送信する制御工程を有することを特徴とするファクシミリ装置の制御方法。 - 両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも、相手の受信機が両面伝送モードを有していない場合、前記制御工程は、片面伝送を実行することを相手装置へ通知して片面伝送モードを用いて表面、裏面の順で有効な画情報を含む面のみ送信することを特徴とする請求項4に記載のファクシミリ装置の制御方法。
- 原稿表面の画像のみを読み取る強制表面読取モードを指定する操作工程を有し、該操作工程により前記強制表面読取モードが選択されている場合には、前記読取工程は、原稿の裏面を読み取ることなく原稿の表面のみ読み取り、前記制御工程は、片面伝送を実行することを相手装置へ通知して、読み取った画情報を、片面伝送モードを用いて片面伝送することを特徴とする請求項4に記載のファクシミリ装置の制御方法。
- 両面原稿の画情報を読み取り送信するファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、
原稿の両面の画像を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取った原稿の両面の画情報を記憶する記憶工程と、
前記読取工程により読み取った原稿の両面に有効な画情報が含まれているか否かを判定する判定工程と、
前記判定手段の判定結果とともに前記読取工程により読み取られた画情報の表面と裏面を対にして管理する管理情報を記憶する管理情報記憶工程と、
前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定工程の判定結果とファクシミリ手順のDIS信号で相手装置から通知された両面伝送モードの有無に応じて、少なくとも1枚、両面に有効な画情報が含まれている原稿が存在し相手側装置が両面伝送モードを有すると判定された場合は両面伝送モードを選択し、それ以外の場合は片面伝送モードを選択する選択工程と、
前記選択工程により両面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により両面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、記憶工程に記憶された画情報を前記管理情報とともに両面伝送モードで送信し、前記選択工程により片面伝送モードが選択された場合、ファクシミリ手順のDCS信号により片面伝送モードを実行することを相手装置へ通知して、前記管理情報記憶手段に記憶された前記判定手段の判定結果に基づいて有効な画情報があるページを片面伝送モードで送信する制御工程を格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。 - 両面に有効な画情報が含まれている原稿が少なくとも1枚存在する場合でも、相手の受信機が両面伝送モードを有していない場合、前記制御工程は、片面伝送を実行することを相手装置へ通知して片面伝送モードを用いて表面、裏面の順で有効な画情報を含む面のみ送信することを特徴とする請求項7に記載のファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
- 原稿表面の画像のみを読み取る強制表面読取モードを指定する操作工程を有し、該操作工程により前記強制表面読取モードが選択されている場合には、前記読取工程は、原稿の裏面を読み取ることなく原稿の表面のみ読み取り、前記制御工程は、片面伝送を実行することを相手装置へ通知して、読み取った画情報を、片面伝送モードを用いて片面伝送することを特徴とする請求項4に記載のファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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