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JP4363429B2 - 偏光板及び液晶装置、並びに電子機器 - Google Patents

偏光板及び液晶装置、並びに電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、垂直配向モード(Vertical Aligned)で駆動される液晶を用いた液晶装置に用いられる偏光板、及びそのような偏光板を備えた液晶装置、並びに液晶プロジェクタ或いは直視型ディスプレイ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の液晶装置では、例えば、光の偏光を規定するPVA(ポリビニルアルコール)等からなる偏光膜と、当該偏光膜の両面の夫々に配置されたTAC(トリアセチルセルロース)等からなる保護層とを備える偏光素子と、これらを支持する支持基板とを含んで構成された偏光板が液晶パネルの両面の夫々に配置される。液晶パネルの光入射側に配置された偏光板は、当該偏光板に入射した入射光のうち偏光膜の透過軸に平行な振幅成分を有する直線偏光を透過させ、且つ当該直線偏光を液晶パネルに出射する。液晶パネルの光出射側に配置された偏光板は、液晶パネルから出射された出射光のうち所定の振幅方向を有する直線偏光を選択的に液晶装置の表示領域に出射する。
このような液晶装置では、偏光板の製造時、或いはアライメント精度が十分でないことに起因して、偏光膜の透過軸及び保護層の光学軸が互いにずれる軸ずれが生じる場合が多い。このような軸ずれによれば、液晶装置のコントラストが低下してしまうため、通常、TAC層等の保護層を薄く形成し、当該保護層のリタデーション値を低くすることによって、保護層の光学軸が液晶装置のコントラスト低下に及ぼす影響を抑制している(例えば、特許文献1参照。)。
特許3327410号公報
しかしながら、TAC等の有機材料からなる保護層を備えた偏光板においては、熱や機械的応力等の外的要因により保護層自体が歪み、当該歪みに起因して保護層内で互いに異なる方向に沿った複数の光学軸を発生させてしまう。このような複数の光学軸は、保護層の各領域で当該保護層の複屈折率を変化させてしまい、当該偏光板を備えた液晶装置のコントラストを低下させてしまう問題点がある。
より具体的には、例えば、互いに透過軸が直交するように偏光板を配置したクロスニコル配置の状態で液晶装置の透過率を測定した場合、偏光膜の透過軸と、保護層の遅相軸、若しくは進相軸等の光学軸との角度を合致させて配置したときの理論的な透過率は0%になるが、偏光膜の透過軸及び保護層の光学軸が僅かでもずれると透過率は上昇する。即ち、保護層であるTACが歪む事により様々な角度の光学軸がTACに発生してしまい、クロスニコル状態での透過率が高くなってしまうことになる。このような偏光板を液晶装置と組合せた場合、液晶装置における黒表示の状態で透過率が高くなり、コントラストが低下してしまう。そして、このようなコントラストの低下は、保護層の歪みに起因するため、TAC等の保護層の膜厚が薄くなるほど顕著になる。また、このようなコントラストの低下はノーマリーブラックモードで画像が表示される垂直配向型の表示方式(VAモード)でより顕著である。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば偏光膜による光の偏光に極力影響を与えない保護層を備えた偏光板、及び、このような偏光板を備えることによって高いコントラストで高品位の画像を表示可能な液晶装置、並びにこのような液晶装置を備えた液晶プロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る偏光板は上記課題を解決するために、偏光膜と、前記偏光膜の一方の面側に配置された第1保護層と、前記偏光膜の他方の面側に配置された第2保護層とを備え、且つ液晶装置に用いられる偏光板であって、前記第1保護層及び前記第2保護層の少なくとも一方は、所定の光学軸を有したサファイア又は水晶からなる支持基板で構成されており、該支持基板は前記所定の光学軸が前記偏光膜の透過軸に沿うように前記偏光膜の表面に接着されていると共に、前記偏光膜の表面のうち表示領域に対応する部分を囲むように枠状に形成されたシール材によって前記偏光膜の表面に接着されている。
本発明に係る偏光板は、例えば液晶装置が備える液晶パネルの光入射側及び光出射側の少なくとも一方に配置される偏光板であり、当該液晶パネルに入射する入射光或いは液晶パネルによって変調された変調光の振幅方向を規定する。第1保護層は、光学軸として第1光学軸を有しており、第1光学軸が偏光膜の透過軸に沿うように、偏光膜の両面の一方の面側に配置されている。ここで、偏光膜及び第1保護層は、例えば、リタデーション値が実質的に無視できる接着剤等の接着手段を介して相互に接着されている。
本発明に係る偏光板が、例えば、液晶パネルの光出射側において、第1保護層が当該液晶パネルに臨むように配置された場合、液晶パネルから出射された変調光は、第1保護層において偏光されることなく第1偏光膜に入射し、偏光膜の透過軸に沿った振幅成分のみが偏光膜を介して出射される。したがって、液晶パネルによって変調された変調光は、第1保護層において殆ど偏光されることなく第1偏光膜に入射し、偏光膜の透過軸に沿った振幅成分のみを有する光が第1偏光膜を介して出射される。他方、変調光が偏光膜の透過軸に直交する振幅成分を有している場合には、当該変調光は第1偏光膜を透過しない。
また、本発明に係る偏光板は、例えば、液晶パネルの光入射側において、第1保護層が当該液晶パネルに臨むように配置された場合、偏光膜によって偏光された光が第1保護層によって偏光されることなく液晶パネルに入射する。したがって、液晶層による偏光が直線偏光を基に設計通りに行われる。このような偏光板によれば、例えばVAモードの液晶層による光の変調が行う前段階の光、或いは液晶層によって光が変調された変調光の位相が第1保護層によって乱されることがないため、液晶装置のコントラストを高めることが可能である。また、本発明に係る偏光板によれば、別途支持基板を備えずとも、熱膨張及び収縮等の外的応力が偏光膜に加わることを低減でき、偏光板の変形を防止できる。加えて、本発明に係る偏光板によれば、TACからなる保護層を用いないため、TACに起因して偏光膜が黄変することを防止でき、偏光膜の膜質が経時的に変化することを防止することが可能である。
本発明に係る偏光板の一の態様では、所定の第2光学軸を有する第2保護層を更に備え、前記第2保護層は、前記第2光学軸が前記透過軸に沿うように前記偏光膜の他方の面側に配置されていてもよい。
この態様によれば、偏光膜に入射する光、或いは偏光膜によって偏光された光の位相が乱されることがなく、偏光膜の透過軸に沿った振幅を有する光のみを当該偏光板を介して出射できる。
本発明に係る偏光膜の他の態様では、前記第1保護層及び前記第2保護層の少なくとも一方が、前記偏光膜を支持する支持基板を兼ねていてもよい。
この態様によれば、別途支持基板を備えずとも、熱膨張及び収縮等の外的応力が偏光膜に加わることを低減でき、偏光板の変形を防止できる。
本発明に係る偏光膜の他の態様では、前記第1保護層及び前記第2保護層は、前記偏光膜を挟持しており、且つ枠状のシール材を介して相互に接着されていてもよい。
この態様では、偏光膜の表示領域に対応する部分が、シール材に直接接触しないので、偏光膜に外的応力が加わらず、偏光膜の変形を防止することができる。
本発明に係る偏光膜の他の態様では、前記第1保護膜及び前記第2保護層の少なくとも一方は、サファイア又は水晶からなっていてもよい。
この態様によれば、TACからなる保護層を用いないため、TACに起因して偏光膜が黄変することを防止でき、偏光膜の膜質が経時的に変化することを防止することが可能である。
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された入射側偏光板と、前記液晶層の光出射側に配置された出射側偏光板とを備え、前記出射側偏光板は、第1偏光膜と、所定の第1光学軸を有する第1保護層とを有し、前記第1保護層は、前記第1光学軸が前記第1偏光膜の透過軸に沿うように、前記第1偏光膜に対して前記液晶層の側に配置されている。
本発明に係る液晶装置によれば、第1偏光膜は、例えばPVA等の有機膜であり、フィルム状に成形されている。第1偏光膜は、当該第1偏光膜を介して入射する光を直線偏光のまま出射する。
第1保護層は、第1光学軸を有しており、第1光学軸が第1偏光膜の透過軸に沿うように、第1偏光膜から見て液晶層の側に配置されている。ここで、第1偏光膜及び第1保護層は、例えば、リタデーション値が実質的に無視できる接着剤等の接着手段によって相互に接着されている。
本発明に係る液晶装置は、液晶層から見て光出射側に配置され、且つ第1偏光膜から見て液晶層の側に第1保護層が位置するように配置されているので、液晶層によって変調された変調光が第1偏光膜から直線偏光として出射される。このような偏光板によれば、例えばVAモードの液晶層によって変調された変調光のうち第1偏光膜の透過軸に沿った振幅成分のみを有する光のみが液晶装置の表示領域から出射される。逆に言えば、変調光のうち第1偏光膜の透過軸に直交する振幅成分を有する光は、第1偏光膜によって吸収されるため光漏れが生じることなく、液晶装置の表示領域に、低い階調の沈んだ黒表示が行われる。したがって、本発明に係る液晶装置によれば、黒表示がより低い階調で表示されるため、液晶装置のコントラストが相対的に高められることになる。
本発明に係る液晶装置の一の態様では、前記出射側偏光板は、前記第1偏光膜に対して前記液晶層の側とは反対側に配置された第2保護層を更に備え、前記第2保護層は、所定の第2光学軸を有し、且つ当該第2光学軸が前記第1偏光膜の透過軸に沿うように配置されていてもよい。
この態様によれば、第1偏光膜に入射する光の位相が乱されることがなく、第1偏光膜の透過軸に沿った振幅を有する光のみを当該出射側偏光板を介して出射できる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記第1保護層、及び前記第2保護層の少なく
とも一方が、前記第1偏光膜を支持する支持基板を兼ねていてもよい。
この態様によれば、別途支持基板を備えずとも、熱膨張及び収縮等の外的応力が第1偏光膜に加わることを低減でき、出射側偏光板の変形を防止できる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記第1保護層、及び前記第2保護層の少なくとも一方が、サファイア又は水晶からなっていてもよい。
この態様によれば、TACからなる第1保護層及び第2保護層を用いなくてもよいため、TACに起因して第1偏光膜が黄変することを防止でき、第1偏光膜の膜質が経時的に変化することを防止することが可能である。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記入射側偏光板は、第2偏光膜と、所定の第3光学軸を有する第3保護層とを有し、前記第3保護層は、前記第3光学軸が前記第2偏光膜の透過軸に沿うように、前記第2偏光膜に対して前記液晶層の側に配置されていてもよい。
この態様によれば、第2偏光膜によって偏光された光の位相が第3保護層によって乱されることがなく、第2偏光膜の透過軸に沿った振幅を有する光のみを当該液晶層に出射できる。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記入射側偏光板は、前記第2偏光膜に対して前記液晶層の側とは反対側に配置された第4保護層を更に備え、前記第4保護層は、所定の第4光学軸を有し、且つ当該第4光学軸が前記第2偏光膜の透過軸に沿うように配置されていてもよい。
この態様によれば、第2偏光膜に入射する光の位相が乱されることがなく、第2偏光膜の透過軸に沿った振幅を有する光のみを当該出射側偏光板を介して出射できる。
この態様では、前記第3保護層及び前記第4保護層の少なくとも一方が、前記第2偏光膜を支持する支持基板を兼ねていてもよい。
この態様によれば、別途支持基板を備えずとも、熱膨張及び収縮等の外的応力が第2偏光膜に加わることを低減でき、入射側偏光板の変形を防止できる。
この態様では、前記第3保護層及び前記第4保護層の少なくとも一つが、サファイア又は水晶からなっていてもよい。
この態様によれば、TACからなる第3及び第4保護層を用いなくてもよいため、TACに起因して第2偏光膜が黄変することを防止でき、第2偏光膜の膜質が経時的に変化することを防止することが可能である。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記液晶層は、誘電率異方性が負の液晶分子を有しており、前記入射側偏光板及び前記出射側偏光板は、互いの透過軸が相互に直交するように配置されていてもよい。
この態様によれば、垂直配向(VA)モードで液晶分子が駆動され、且つ入射側偏光膜
の透過軸及び出射側偏光膜の透過軸が相互に直交するように、即ち入射側偏光板及び出射側偏光板がクロスニコル配置されているため、ノーマリーブラックモードで画像が表示される。特に、この態様によれば、コントラストに対するリタデーション値の影響が大きい誘電率異方性が負の液晶を備える液晶装置であっても、高いコントラストで画像を表示できる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の液晶装置を具備してなる。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る偏光板、液晶装置及び電子機器の各実施形態を説明する。
<1:偏光板>
先ず、図1乃至図3を参照しながら、本発明に係る偏光板の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る偏光板の一部を破断して示した図式的破断図である。図2は、各保護層の光学軸及び偏光膜の透過軸の向きを示した図式的斜視図である。図3は、本実施形態に係る偏光板の一変形例を示した図式的平面図である。本実施形態に係る偏光板200は、例えば液晶プロジェクタのライトバルブ等の液晶装置に応用される偏光板である。また、例えば、VAモードで駆動され、初期配向状態が垂直配向を呈するとともに誘電率異方性が負の液晶からなる液晶層から見て当該液晶層から出射光が出射される光出射側及び液晶層に入射光が入射する光入射側の少なくとも一方の側に配置される偏光板である。
図1及び図2において、液晶装置に配置する前の偏光板200は、第1コート層202、本発明の「第1保護層」の一例である第1支持基板203、偏光膜204、本発明の「第2保護層」の一例である第2支持基板205、第2コート層206及び保護フィルム207を備えて構成されている。
第1コート層202および第2コート層206は、その表面に反射防止膜を設け、透過率を向上させると共に、反射光による迷光、再帰反射等を防止する。また、最表面には、ハードコートなどの保護膜を設け、表面の保護を兼ねている。
保護フィルム207は、偏光板200を液晶装置に配置する際に、当該液晶装置が備えるTFTアレイ基板或いは対向基板に偏光板200を固定するが、製造工程内などにおける一時的な保護のために、第2支持基板205の表面を保護する部材である。尚、偏光板200は、保護フィルム207が剥がされた状態で固定される。
偏光膜204は、例えばPVA等の有機膜であり、フィルム状に成形されている。偏光膜204は、偏光膜204に入射する光を直線偏光として出射する。
第1支持基板203及び第2支持基板205は、偏光膜204が温度や湿度等による環境の変化によって劣化することを防止する。そして、第1支持基板203は、例えば、サファイア、或いは水晶等の一軸結晶からなる透明基板、又は延伸された透明フィルム等の光学材料から構成されており、光学軸として第1光学軸153のみを有している。第1支持基板203は、第1光学軸153が偏光膜204の透過軸154に沿うように、偏光膜204の一方の面に接着されている。ここで、偏光膜204及び第1支持基板203は、例えば、リタデーション値が実質的に無視できる接着剤や粘着材等の不図示の接着手段によって相互に接着されている。
偏光板200が、液晶層から見て、液晶層によって変調された変調光が出射される光出射側に配置されている場合には、偏光膜204から見て液晶層側に第1支持基板203が位置する。
この場合、第1支持基板203に入射した変調光は、第1光学軸153が偏光膜204の透過軸154に沿っていることから、第1支持基板203において変調されることなくそのまま第1支持基板203を透過する。そのため、偏光膜204において意図しない光の吸収がないため、より具体的には透過軸154以外の方向に沿った振幅成分を有する光が偏光膜204に吸収されないため、液晶装置の輝度を無駄に低下させることがない。加えて、光吸収によって偏光膜204の膜質が低下することを低減でき、偏光板200の寿命を向上させることが可能である。
他方、偏光板200が、液晶層の光入射側に配置され、偏光膜204から見て液晶層側に第1支持基板203が配置されている場合、偏光膜204によって偏光された光が第1支持基板203に入射する。ここで、第1光学軸153が偏光膜204の透過軸154に沿っていることから、偏光膜204によって偏光された光は、第1支持基板203において位相が乱れない。つまり、偏光膜204から出射された直線偏光がそのまま第1支持基板203を透過して液晶層に出射され、液晶層による光の変調が偏光膜204によって偏光された直線偏光に対して行われる。特に、偏光板200が、VAモードで駆動される液晶分子を備えた液晶層を有する液晶パネルに使用される場合、液晶分子の複屈折に基づく光変調が行われる前段階で光の位相が乱されることがない。従って、偏光膜と液晶層との間に位相差を発生させる媒質が存在しないため、位相差により黒表示時に黒の透過率が浮くことが無く、表示画像のコントラストを高めることが可能である。
言い換えれば、偏光板200が備える支持基板のリタデーション値に応じた光の位相ずれを低減でき、光の位相ずれに起因するコントラストの低下を抑制できる。
第2支持基板205は、第1支持基板203と同様の光学材料から構成されており、第2光学軸155のみを有している。加えて、第2支持基板205は、第2光学軸155が偏光膜204の透過軸154に沿うように偏光膜204の他方の面に接着されている。したがって、偏光膜204による光の偏光に影響を及ぼすことがなく、且つ偏光膜204を保護できる。
偏光板200は、第1支持基板203及び第2支持基板205としてTACを採用していないため、温度や湿度等による環境変化の影響から、TACの化学変化による黄変の心配が無く、長期に渡り偏光板の透過率や色味が変化することを防止できる。
このような偏光板200によれば、偏光板200の劣化を防止することができると共に、当該偏光板200を備えた液晶装置によって表示される画像の表示品位、より具体的にはコントラストを高めることが可能である。
(変形例)
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る偏光板の変形例を説明する。図3(a)は、本例に係る偏光板300を第1支持基板203側から見た平面図であり、図3(b)は、他の変形例において、偏光板300を第2支持基板205側から見た平面図である。尚、以下では、偏光板200と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図3(a)において、偏光板300が備える第1支持基板203は、表示領域10aの外側の領域で第1支持基板203の縁を規定する各辺に沿って形成された枠状のシール部210Aによって偏光膜204と相互に接着されている。ここで、表示領域とは、偏光板300を液晶装置に組み込んだ際に、当該液晶装置の画素が配列されてなる画像表示領域と重なる領域を意味する。
偏光板300によれば、偏光膜204の表示領域に対応する部分が、接着層であるシール材に直接接触しないので、偏光膜204の表示領域に外的応力が加わらないため、偏光膜204の変形を防止することができる。
図3(b)において、偏光板300が備える第2支持基板205は、第2支持基板205の縁を規定する各辺に沿って形成された枠状のシール部210Bによって第1支持基板203と相互に接着されている。シール部210Bによれば、シール部210Aと同様に、偏光膜204に生じる変形を防止できる。このように、シール部は、第1支持基板203側に設けられてもよいし、第2支持基板205側に設けられてもよい。
<2:液晶装置>
次に、図4乃至図6を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置を説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置を、各構成要素と共に対向基板側から見た平面図である。図5は、図4のV−V´断面図である。本実施形態では、液晶装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げる。
液晶装置1は、TFTアレイ基板10、対向基板20、液晶層50、偏光板200A及び200Bを備えている。尚、本実施形態では、図5に示すようにブロック部材250によって液晶パネル及び偏光板が一体とされており、不図示のFPC等の接続手段によって外部回路に電気的に接続されている場合を例に挙げるが、液晶パネル及び偏光板は、互いに空間を隔てて相対するように配置されていてもよい。このような場合、偏光板は、固定具等により回転調整可能に固定される。
TFTアレイ基板10は、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板等からなり、対向基板20は、例えば、石英基板、ガラス基板等からなる。TFTアレイ基板10及び対向基板20は、複数の画素が配列されてなる、表示領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域52aに設けられたシール材52により相互に貼り合わされており、シール材52及び液晶封止部156により、TFTアレイ基板10及び対向基板20間にVAモードで駆動される液晶層50が封止されている。特に、液晶供給口160では、液晶供給口160に供給された液晶が漏れないように液晶封止部156によって液晶供給口160が封止されている。
図4において、シール材52が配置されたシール領域52aの内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域52aの外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域52aよりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
TFTアレイ基板10上には、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線が形成されている。
図5において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層にITO膜からなる画素電極9aが設けられている。画素電極9a上には、配向膜が形成されている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23上に、画素電極9aと同様にITO膜からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成されている。対向電極21上には配向膜が形成されている。また、液晶層50は、VAモードで駆動される誘電率異方性が負の液晶を含んで構成されており、一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。尚、本実施形態では、入射光は、対向基板20側からTFTアレイ基板10側に向かって液晶装置1に入射する。つまり、図中上側から下側に向けて液晶装置1に入射する。
また、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
次に、図6を参照しながら、偏光板200A及び200Bの夫々が備える保護層の光学軸、並びに偏光膜の透過軸の相対的な方向の関係を説明する。図6は、偏光板200A及び200Bの夫々が備える光学軸、並びに偏光膜の透過軸の相対的な方向の関係を示した液晶装置の概念図である。尚、偏光板200A及び200Bは、上述した偏光板200と同様の構成である。尚、以下では、偏光板200A及び200Bの夫々が、本発明に係る液晶装置の「入射側偏光板」及び「出射側偏光板」の夫々一例である。また、支持基板203A及び205Aの夫々が、本発明に係る液晶装置の「第3保護層」及び「第4保護層」の夫々一例であり、支持基板203B及び205Bの夫々が、本発明に係る液晶装置の「第1保護層」及び「第2保護層」の夫々一例である。
図6において、液晶装置1は、偏光板200A及び200B、並びに液晶層50を備えている。偏光板200Aは、偏光膜204A、支持基板203A及び支持基板205Aを備えている。偏光板200Bは、偏光膜204B、支持基板203B及び支持基板205Bを備えている。偏光板200A及び200Bは、偏光膜204Aの透過軸154Aと、偏光膜204Bの透過軸154Bが互いに直交するようにクロスニコル配置されている。尚、本発明に係る液晶装置は、駆動方式の違いにより、図6で示されている軸方向とは90度逆の軸方向の場合も含んでいることに留意されたい。
液晶層50は、VAモードで駆動される、即ち垂直配向型の液晶分子を有している。液晶装置1は、非駆動状態で画像表示領域10aに黒が表示されるノーマリーブラックモードで画像を表示する。
支持基板203Bは、第1光学軸153Bのみを有し、第3光学軸153Bが偏光膜204Bの透過軸154Bに沿うように、偏光膜204Bにおける液晶層50に臨む一方の面側に配置されている。
液晶装置1の動作時において、液晶層50から支持基板203Bに出射された変調光は、支持基板203Bにおいて位相が乱されることなく透過する。したがって、直線偏光を維持したまま検光される。そのため、クロスニコル状態における透過率を低くすることができ、低輝度の黒を得ることができる。また、表示の明るさの低下を防止することができる。さらに、液晶装置1によれば、楕円偏光が発生しないため、その動作時において偏光膜204Bに余分に吸収される光の熱エネルギーに応じて偏光膜204Bの温度が上昇することを低減でき、偏光膜204Bの熱による歪みや劣化が生じることを防止できる。
加えて、支持基板203B及び支持基板205Bに、サファイアや水晶を用いることにより、TAC等からなる支持基板が黄変することを防止でき、偏光板の透過率や色味が経時的に変化することを低減することが可能である。
支持基板205Bは、第4光学軸155Aのみを有し、且つ第4光学軸155Aが偏光膜204Aの透過軸154に沿うように、偏光膜204Aにおける液晶層50とは反対側に配置されている。よって、偏光膜204Bを透過した光の輝度が低下することなく、当該光がそのまま出射される。
支持基板203Aは、第1光学軸153Aのみを有し、且つ、第1光学軸が偏光膜204Aの透過軸154Aに沿うように、偏光膜204Aにおける液晶層50側に配置されている。
支持基板203Aによれば、偏光膜204Aから出射された直線偏光がそのまま支持基板203Aを透過して液晶層50に出射される。したがって、液晶層50によって変調された変調光の偏光が直線偏光を基に設計通りに行われる。偏光板200Aによれば、例えばVAモードの複屈折率に基づいて光の変調が行われる前段階で光の位相が乱されることがなく、液晶装置1によって表示される画像のコントラストを高めることが可能である。言い換えれば、偏光膜204A及び液晶層50間に介在するTAC等のリタデーション値に応じた光の位相ずれを低減でき、光の位相ずれに起因するコントラストの低下を抑制できる。
支持基板205Aは、第2光学軸155Aのみを有し、且つ第2光学軸155Aが偏光膜204Aの透過軸154Aに沿うように、偏光膜204Aにおける液晶層50とは反対側に配置されている。これによれば、液晶プロジェクタに見られる偏光変換素子から出射された偏光を、効率よく透過することができ、偏光膜の偏光度を高めることができる。また、支持基板203A及び205Aによれば、偏光膜204Aを保護でき、支持基板203A及び205Aの少なくとも一方がサファイア或いは水晶から形成されているため、偏光膜204Aへ熱による応力が加わることを防止できる。
本実施形態に係る液晶装置1によれば、上述したように偏光膜204A及び204Bと、液晶層50との間に、複数の光学軸を備えたTAC等の光学層が配置されていないため、液晶装置1によって表示される画像のコントラストを高めることが可能である。加えて、光吸収による偏光膜の膜質劣化を低減できるため、液晶装置の寿命を向上させることが可能である。
尚、液晶装置1が備える偏光板200A及び200Bの夫々では、上述した偏光板300と同様に、各支持基板が、偏光膜の縁を規定する各辺に沿って設けられたシール部によって相互に接着されていてもよいことは言うまでもない。また、液晶層が、VAモード以外の駆動モードで駆動される液晶分子を備えている場合であっても、VAモードと同様の効果が得られることは言うまでもない。
<3:電子機器>
次に、図7を参照しながら、上述した液晶装置を電子機器の一例であるプロジェクタに適用した場合を説明する。上述した液晶装置は、プロジェクタのライトバルブとして用いられている。図7は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。図7に示すように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等の構成を有しており、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。このようなプロジェクタ1100によれば、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gを備えているため、高品位の画像を表示できる。
次に、上述した液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図8は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を応用した液晶表示ユニット1206とから構成されている。このようなパーソナルコンピュータ1200によれば、液晶表示ユニット1206に高品位の画像を表示可能である。
さらに、上述した液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図9は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図9において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、上述した液晶装置を応用した反射型の液晶装置1305を備える。液晶装置1305にあっては、必要に応じてその前面及び後面の少なくとも一方にフロントライトが設けられ、外光がない状況でも高品位の画像表示が可能である。
尚、本発明に係る液晶装置は、先に説明した電子機器の他にも、テレビジョン受像機や、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などに適用可能である。
また、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う偏光板及び液晶装置、並びに電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
なお、上記実施例において、各支持基板を保護層として利用し、他の支持基板に接着する構成としても良い。このような偏光板であっても、液晶パネルに対して、光学軸を有する保護層が偏光板の液晶パネル側に配置されるように偏光板を設けることにより、上記各実施例と同様の効果を奏する。
<4:ライトバルブ>
次に、図10を参照しながら、上述した液晶装置を電子機器の一例であるプロジェクタのライトバルブに適用した場合を説明する。図10では、ライトバルブ1010がブロック部材3100によりブロック化されている。このライトバルブ1010は、プロジェクタにおける投射光学系のライトバルブに当たる部分を分離したような構成をしている。このようなライトバルブ1010は、複板式プロジェクタに適宜用いる他、単板式プロジェクタに適用することができる。液晶パネル2000に接続されたフレキシブルプリント配線板は、ブロック部材3100の液晶パネル2000に対応する位置に形成されたスリット5000から外に引き出されている。
なお、図10の例では、光学部品として液晶パネル2000と偏光板1000及び3000とが空間を隔てて相対する例を示したが、液晶パネルと偏光板とが一対である構成としてもよい。その場合も、液晶パネルと偏光板とは空間を隔てて相対するように配置される。なお、本発明の液晶装置としては、ライトバルブとして偏光板を含む液晶装置の他に、ライトバルブである液晶パネルと、それに対して空間を隔てて相対するように配置される偏光板とを備えた投射光学システムとしての液晶装置であっても良い。
本実施形態に係る偏光板の一部を破断して示した図式的破断図である。 各支持基板の光学軸及び偏光膜の透過軸の向きを示した図式的斜視図である。 本実施形態に係る偏光板の一変形例を示した図式的平面図である。 本実施形態に係る液晶装置を各構成要素と共に対向基板側から見た平面図である。 図4のV−V´断面図である。 偏光板200A及び200Bの夫々が備える光学軸、並びに偏光膜204の透過軸の相対的な方向の関係を示した液晶装置の概念図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態に係る液晶プロジェクタの構成を表す断面図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態である直視型表示装置を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯型端末を示す斜視図である。 本発明に係る液晶装置の一実施形態に係るライトバルブの構成を表す斜視図である。
符号の説明
1・・・液晶装置、10・・・TFTアレイ基板、20・・・対向基板、200,200A,200B,300・・・偏光板

Claims (3)

  1. 偏光膜と、前記偏光膜の一方の面側に配置された第1保護層と、前記偏光膜の他方の面側に配置された第2保護層とを備え、且つ液晶装置に用いられる偏光板であって、
    前記第1保護層及び前記第2保護層の少なくとも一方は、所定の光学軸を有したサファイア又は水晶からなる支持基板で構成されており、該支持基板は前記所定の光学軸が前記偏光膜の透過軸に沿うように前記偏光膜の前記一方の面又は前記他方の面に接着されていると共に、前記偏光膜の面のうち表示領域に対応する部分を囲むように枠状に形成されたシール材によって前記偏光膜の前記一方の面又は前記他方の面に接着されていることを特徴とする偏光板。
  2. 請求項1に記載の偏光板を、液晶層の光入射側に配置された入射側偏光板及び前記液晶層の光出射側に配置された出射側偏光板の少なくともいずれか一方として備えたことを特徴とする液晶装置。
  3. 前記偏光板の前記支持基板は、前記偏光膜に対して前記液晶層側とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶装置。
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