JP4360114B2 - 炭化珪素半導体装置の製造装置及び当該製造装置を用いた炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素半導体装置の製造装置及び当該製造装置を用いた炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、本発明者らが提案した熱処理装置及びこの熱処理装置を用いた半導体基板の熱処理方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6にこの熱処理装置の断面図を示す。図6中に示す熱処理装置は、石英チューブ1と、石英チューブ1の内側に配置された断熱材2及びホットウォール3と、石英チューブ1の外側に配置されたRFコイル4とを備えている。また、ホットウォール3の内部にウェハ5を保持するサセプタ6を備えている。このサセプタ6は図示しない搬送アームが取り付けられており、搬送アームは上下に移動可能な構成となっている。
【0004】
SiCウェハ5に対して熱処理を行うときでは、RFコイル4の通電によりホットウォール3を加熱する。これにより、ホットウォール3に挟まれた領域(空間)7を予め所望の温度に温めておく。そして、ウェハ5を保持させたサセプタ6を下降させ、高温領域7の内部にウェハ5が留まるように停止させる。これにより、ウェハ5に対して所望の時間の熱処理を行う。その後、サセプタ6を引き上げ、高温領域7からウェハ5を出し、サセプタ6とウェハ5を同時に冷却する。このようにして、ウェハ5の熱処理を行う。
【0005】
この熱処理方法では、ウェハ5にはホットウォール3からの輻射熱が直接当たって温度が上がるため、ホットウォール3を用いず、サセプタを加熱し、このサセプタが暖まってからウェハの温度を上げる熱処理方法よりも、昇温速度が速く、短時間で熱処理を行うことができる。
【0006】
この熱処理方法は、例えば、炭化珪素(SiC)半導体装置を製造するときに用いることができる。半導体装置を製造する工程では、SiC基板にイオン注入により不純物を導入し、熱処理により導入された不純物を活性化させることで、SiC基板に不純物層を形成する工程がある。このとき、SiC中においてp型不純物は熱処理を行っても活性化しにくいため、Si基板を用いる場合よりも熱処理温度を高くし、活性化率を向上させる必要がある。
【0007】
ところが、熱処理温度を高くした場合、表面荒れが発生する。これは、SiC構成元素のSiが高温時に抜けることによるマイグレーション(再結晶化)が原因である。このため、表面荒れを抑制するために、高温での熱処理を短時間で行うことが必要となる。
【0008】
そこで、上記した熱処理装置を用いた熱処理方法によれば、高温での熱処理を短時間にて行うことが可能であるため、イオン注入後の活性化熱処理にて、表面荒れの発生を抑制しながら、不純物を十分に活性化させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2003−77855号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した熱処理方法では、ウェハ5を上から下へ搬送し、熱処理後、ウェハ5を下から上へ搬送している。このように、高温領域7へのウェハ5の搬入方向と高温領域7からのウェハ5の搬出方向とが逆方向である場合、搬入のときにウェハ5で一番最初に高温領域7に入った場所は、搬出のときに一番最後に高温領域7から出ることになる。このため、ウェハ5の面内の温度分布のばらつきが大きくなるという問題がある。
【0011】
なお、このような問題はウェハ5を加熱するときだけでなく、チップ等の小さなサンプル状の半導体基板を用いた場合においても同様に発生する。
【0012】
本発明は上記点に鑑みて、半導体基板の熱処理の際、半導体基板の面内温度分布のばらつきを抑制することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、炭化珪素半導体基板(5)を保持する保持手段(6)と、予め1500〜2300℃に加熱された高温領域(7)を生成する高温領域生成手段(3、4)とを備え、保持手段(6)と高温領域生成手段(3、4)の少なくとも一方を相対的に一方向にのみ移動させることで、高温領域生成手段(3、4)により生成された高温領域(7)内に保持手段(6)に保持された半導体基板(5)を入れ、かつ、半導体基板(5)を入れる向きと同一の向きにて高温領域(7)から半導体基板(5)を出すようにした構成であり、
半導体基板(5)として半導体ウェハを用い、半導体基板(5)を高温領域(7)内に入れる方向における高温領域(7)の幅(7a)は半導体ウェハ(5)の直径よりも小さいことを特徴としている。
【0014】
このように、半導体基板を高温領域内に入れる向きと高温領域内から半導体基板を出す向きとが同一である製造装置を用いて、炭化珪素半導体基板の熱処理を行うことで、熱処理時における半導体基板の面内温度分布のばらつきを抑制することができる。
さらに、高温領域の大きさを半導体ウェハ全面が収まらない大きさとすることで、高温領域生成手段若しくは保持手段の移動距離を短くできる。また、この場合、壁材もコンパクトにすることができることから、壁材を加熱するために必要な加熱電源として、能力の小さいものを用いることができる。これにより、製造装置をコンパクトにすることができる。
【0015】
なお、保持手段と高温領域生成手段の少なくとも一方を相対的に一方向にのみ移動させるとは、例えば、請求項2に示すように高温領域生成手段を一方向にのみ移動させたり、また、保持手段を一方向にのみ移動させたりすることを意味する。また、高温領域生成手段と保持手段とを互いにそれぞれ逆方向に移動させることも含む。
【0016】
請求項2に記載の発明では、炭化珪素半導体基板(5)を保持する保持手段(6)と、予め1500〜2300℃に加熱された高温領域(7)を生成する高温領域生成手段(3、4)とを備え、高温領域生成手段(3、4)を一方向にのみ移動させることで、高温領域生成手段(3、4)により生成された高温領域(7)内に保持手段(6)に保持された半導体基板(5)を入れ、かつ、半導体基板(5)を入れる向きと同一の向きにて高温領域(7)から半導体基板(5)を出すようにした構成であり、
半導体基板(5)として半導体ウェハを用い、半導体基板(5)を高温領域(7)内に入れる方向における高温領域(7)の幅(7a)は半導体ウェハ(5)の直径よりも小さいことを特徴としている。
【0017】
このように、半導体基板を高温領域内に入れる向きと高温領域内から半導体基板を出す向きとが同一である製造装置を用いて、炭化珪素半導体基板の熱処理を行うことで、熱処理時における半導体基板の面内温度分布のばらつきを抑制することができる。
さらに、高温領域の大きさを半導体ウェハ全面が収まらない大きさとすることで、高温領域生成手段若しくは保持手段の移動距離を短くできる。また、この場合、壁材もコンパクトにすることができることから、壁材を加熱するために必要な加熱電源として、能力の小さいものを用いることができる。これにより、製造装置をコンパクトにすることができる。
【0018】
請求項3に示すように、高温領域生成手段(3、4)を筒状の壁材(3)及び該壁材(3)を加熱する加熱手段(4)により構成し、加熱手段(4)により加熱された壁材(3)の輻射熱により、壁材(3)に囲まれた領域に高温領域(7)を生成させることができる。
【0019】
このように壁材からの輻射熱を用いて半導体基板を加熱すれば、高温領域が均一な温度であれば、輻射される熱量も均一であるため、半導体基板を加熱したとき、半導体基板の面内温度分布のばらつきを抑制することができる。
【0020】
なお、加熱手段としては、ランプ、ヒーター線、又は請求項4に示すようにRFコイルを用いることができる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明では、高温領域(7)を通過した半導体基板(5)に対してガスを流すことで冷却を行う冷却手段を有することを特徴としている。
【0024】
なお、高温領域を通過した半導体基板に対する冷却方法としては、自然冷却が可能である。しかし、ガスによる冷却手段を用いて冷却することで、自然冷却よりも冷却時間を短縮でき、熱処理工程にかかる時間を短縮することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造装置を用い、予め1500〜2300℃に加熱された高温領域(7)に炭化珪素半導体基板(5)を入れ、かつ、前炭化珪素半導体記基板(5)を入れる向きと同一の向きにて高温領域(7)から炭化珪素半導体基板(5)を出すことで、炭化珪素半導体基板(5)の熱処理を行うことを特徴としている。
【0026】
このように上記した請求項1〜5のいずれか1つに記載の製造装置を用いて熱処理を行うことで、請求項1〜5に記載の発明が有する効果と同様の効果を有する。
【0027】
この熱処理工程としては、例えば、炭化珪素半導体基板にイオン注入により導入された不純物の活性化熱処理を行う工程が該当する。
【0028】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態における熱処理装置の断面図を示す。なお、図6と同様の構成部には同一の符号を付している。なお、この熱処理装置が、特許請求の範囲に記載の炭化珪素半導体装置の製造装置に相当する。
【0030】
図1に示す熱処理装置が図6に示す熱処理装置と主に異なる点は、高温領域7を移動させることができる構成となっている点である。
【0031】
本実施形態の熱処理装置は、石英チューブ1及びホットウォール3が略円筒形状となっている。ホットウォール3は半導体ウェハ等を輻射熱で加熱するための壁材であり、SiCウェハ3にイオン注入された不純物の活性化熱処理が行われる温度領域(1500℃〜2300℃)よりも高い融点を持つ材料にて構成されている。具体的には、ホットウォール3をW、Ta、SiC又はCにて構成することができる。
【0032】
高温領域生成手段としてのホットウォール3及びRFコイル4は、図示しないモータ等で構成された駆動機構により上下に移動可能に構成されており、ホットウォール3及びRFコイル4を同時に移動させることができるようになっている。これにより、高温領域7を移動させることができる。なお、本実施形態では、RFコイル4が加熱手段である。また、断熱材2は、石英チューブ1の内側のうち、ホットウォール3及びRFコイル4が移動する領域に配置されている。
【0033】
また、図1に示すように、サセプタ6の形状は、底面が4角形である6面体形状であり、立方体の上面を底面より小さくして、側面の傾斜角度を水平面に対して70°から85°の範囲(例えば80°)にした形状となっている。これにより、SiCウェハ5の搬送中の落下等を防止することができる。
【0034】
また、側面の4面それぞれにSiCウェハ5の大きさに合わせたざぐりを入れたSiCウェハ5の載置部を設けている。この載置部にSiCウェハ5を載置することで4枚のSiCウェハ5を同時に処理することができる。なお、ここでは底面を4角形とした場合を例示したが、例えば6角形にすれば6枚、8角形にすると8枚のウェハを同時に処理することができる。このようにサセプタ6のSiCウェハ5を載せる部分の立体形状を工夫すると、さらに多くのウェハを同時に処理することができる。
【0035】
また、この熱処理装置は、低温のガスを流すことができる構造となっている。
【0036】
次にこのような構成の熱処理装置を用いて熱処理方法を説明する。本実施形態でも従来技術の欄にて説明したのと同様に、SiCウェハにイオン注入された不純物の活性化熱処理を行う工程を例として説明する。
【0037】
イオン注入後のSiCウェハ5をサセプタ6に保持させる。石英チューブ1の内部を不活性ガス雰囲気とし、RFコイル4の通電により、ホットウォール3を加熱する。これにより、ホットウォール3に挟まれた領域に高温領域7を生成する。このとき、不活性ガスとしては、Ar、Heまたはそれらの混合ガスを用いることができる。雰囲気圧力は、665hPa以上とする。高温領域7の温度は1500℃〜2300℃の範囲の所望の温度(熱処理の目的に応じた温度)とする。
【0038】
そして、例えば、サセプタ6の位置を図1に示すように図中の中央の位置に固定した状態で、ホットウォール3及びRFコイル4を図中の矢印のように同時に移動させる。すなわち、ホットウォール3及びRFコイル4をサセプタ6よりも図中下側の位置から、サセプタ6を通り越し、サセプタ6よりも図中上側の位置に同時に移動させる。つまり、サセプタ6に保持されたSiCウェハ5を高温領域7に通過させることにより、SiCウェハ5に対して熱処理を行う。
【0039】
なお、SiCウェハ5を高温領域7に単に通過させるだけでなく、図1中に実線にて示しているように、高温領域7内にSiCウェハ5が留まるように停止させることで、所望の時間(熱処理の目的に応じた時間)、熱処理を行こともできる。
【0040】
その後、高温領域7を通過したSiCウェハ5に対して低温のガスをSiCウェハ5へ吹き付けることで強制的SiCウェハ5を冷却する。なお、高温領域7を通過したSiCウェハ5を放置することで自然に冷却させることもできるが、ガスにより冷却することで、自然冷却よりも冷却時間を短縮することができる。これにより、熱処理工程全体にかかる時間を短縮することができる。
【0041】
このようにして、SiCウェハ5にイオン注入された不純物の活性化熱処理を行うことができる。
【0042】
本実施形態では、不純物の活性化のための熱処理工程において、ホットウォール3及びRFコイル4を同時に移動させることができる熱処理装置を用い、ホットウォール3及びRFコイル4を一方向にのみ移動させてSiCウェハ5の熱処理を行っている。
【0043】
このように高温領域7へのSiCウェハ5の搬入の向きと、高温領域7からのSiCウェハ5の搬出の向きとを同一としていることから、ウェハ5の面内におけるホットウォール3から受ける輻射熱量を均一とすることができる。これにより、SiCウェハ5の面内温度分布のばらつきを抑えることができる。
【0044】
なお、実施形態では、ホットウォール3及びRFコイル4を下から上方向に移動させる場合を説明したが、上から下方向に移動させることで、SiCウェハ5が高温領域7を通過するようにすることもできる。
【0045】
また、ホットウォール3及びRFコイル4を上に移動させ、SiCウェハ5が高温領域7を通過した後、ホットウォール3及びRFコイル4を下に移動させ、再度、SiCウェハ5が高温領域7を通過するようにして、SiCウェハ5を加熱することもできる。このように、SiCウェハ5を高温領域7に一回だけ通過させるだけでなく、複数回通過させることで、複数回熱処理を行うこともできる。
【0046】
(第2実施形態)
図2に第2実施形態における熱処理装置の断面図を示す。
【0047】
本実施形態の熱処理装置は、図1の熱処理装置におけるサセプタ6の形状を変更したものであり、その他の構成部は図1と同様であるため、ここでは図1と異なるところについてのみ説明し、図1と同様の構成部には同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0048】
図2に示すように、サセプタ6は、SiCウェハ5をセットした際に、SiCウェハ5の両面から、ホットウォール3からの輻射熱を受けるような構成となっている。すなわち、サセプタ6にはSiCウェハ5のサイズと略同一サイズの貫通孔が設けられており、SiCウェハ5がこの貫通孔内にセットされた際に倒れないようにするためのガイド機構(例えばウェハの厚さと略同等の厚さの溝)が設けられている。
【0049】
本実施形態では、このような形状のサセプタ6にSiCウェハ5を保持させ、第1実施形態と同様にSiCウェハ5の熱処理を行う。これにより、熱処理のとき、SiCウェハ5は、両面から輻射熱を受けるため、第1実施形態と比較して、昇温速度を高めることができる。
【0050】
(第3実施形態)
図3に第3実施形態における熱処理装置の断面図を示す。
【0051】
本実施形態の熱処理装置は、図1に示す熱処理装置に対して、ホットウォール3及びRFコイル4の大きさを変更したものであり、その他の構成部は図1と同様であるため、ここでは図1と異なるところについてのみ説明し、図1と同様の構成部には同一の符号を付すことで説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、図3に示すように、図中上下方向におけるホットウォール3の幅3aの大きさをSiCウェハ5の直径よりも小さくしている。具体的には、SiCウェハ5の直径は一般的に50mmであるため、ホットウォール3の幅3aを50mm以下とする。
【0053】
また、RFコイル4の図中上下方向の幅も図1に示す熱処理装置よりも小さくなっており、ホットウォール3の幅3aを加熱するのに必要な分だけ配置されている。高温領域7の図中上下方向の幅7aは、ホットウォール3の幅3aと同じであり、50mm以下となる。なお、図中上下方向とは、ホットウォール3及びRFコイル4の移動方向であり、言い換えると、SiCウェハ5を高温領域7に入れる方向である。
【0054】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、SiCウェハ5に対して熱処理を行うことができる。
【0055】
本実施形態では、ホットウォール3及びRFコイル4を図中の下から上に移動させたとき、高温領域7からSiCウェハ5がはみ出るようになっており、SiCウェハ5の一部のみが高温領域7中に位置するようになっている。ずなわち、高温領域7は、高温領域7中にSiCウェハ5の全面が収まらない広さとなっている。
【0056】
このように、高温領域7の広さをSiCウェハ5の全面が収まらない広さとすることで、SiCウェハ5を高温領域7に入れ、高温領域7からSiCウェハ5を出すときに必要なホットウォール3及びRFコイル4の移動距離を短くすることができる。また、第1実施形態と比較して、ホットウォール3の幅3aが小さいため、ホットウォール3を加熱するためのRFコイル4をより能力の小さいもので代用できる。これらのことから、本実施形態によれば、第1実施形態に示す熱処理装置よりも熱処理装置をコンパクトにすることできる。
【0057】
なお、本実施形態においても、図4に示すように、サセプタ6の形状を第2実施形態と同様に、SiCウェハ5の両面から、ホットウォール3からの輻射熱を受けるような構成とすることもできる。
【0058】
(第4実施形態)
上記した各実施形態では、ホットウォール3及びRFコイル4を一方向に移動させることで、すなわち、高温領域7を一方向に移動させることで、SiCウェハ5を加熱する場合を説明したが、図5に示すように、SiCウェハ5を一方向に移動させることもできる。
【0059】
図5に第4実施形態における熱処理装置の断面図を示す。本実施形態の熱処理装置は、図6に示す熱処理装置に対してサセプタ6(搬送アーム)の移動方向を変更した構成となっている。
【0060】
本実施形態におけるSiCウェハ5の熱処理方法は、上記従来技術の欄にて説明した方法に対して、サセプタ6の移動方向を変更させたものである。すなわち、SiCウェハ5を保持させたサセプタ6を下降させ、高温領域7の内部にウェハ5入れる。そして、サセプタ6をさらに下降させることで、高温領域7からSiCウェハ5を出し、サセプタ6とウェハ5を同時に冷却する。このようにして、SiCウェハ5の熱処理を行う。
【0061】
本実施形態においても、このように高温領域7へのSiCウェハ5の搬入の向きと、高温領域7からのSiCウェハ5の搬出の向きとを同一としていることから、ウェハ5の面内におけるホットウォール3から受ける輻射熱量を均一とすることができる。これにより、SiCウェハ5の面内温度分布のばらつきを抑えることができる。
【0062】
(他の実施形態)
第1〜第4実施形態の図1〜5では円形のウェハ5を示しているが、SiCウェハ5の代わりに小さいチップ型のサンプルも側面にチップサイズに合うくぼみを用意することで、このようなチップ状の半導体基板に対しても熱処理することができる。
【0063】
また、上記した各実施形態では、不活性ガス雰囲気下での熱処理を行う場合を説明したが、SiC雰囲気中(例えば、SiH4+H2雰囲気など)で行ってもよい。このようにした場合、SiCウェハ5の内部と雰囲気との間でSiの平衡状態が実現され、SiCウェハ5の表面からのSi抜けを抑えることができ、表面荒れの発生をさらに抑制できる。また、反応性のエッチングガス雰囲気中(例えば、H2、HCl雰囲気など)で熱処理を行ってもよく、その様にした場合、SiCウェハ5の表面のエッチングが行われて、表面荒れの発生をさらに抑制することができる。
【0064】
また、第1〜3実施形態では、SiCウェハ5を固定した状態で、高温領域7を一方向にのみ移動させることで熱処理を行う場合を説明し、第4実施形態では、反対に高温領域7を固定した状態でSiCウェハ5を一方向にのみ移動させることで熱処理を行う場合を説明したが、SiCウェハ5と高温領域7とを同時に逆方向に移動させることもできる。
【0065】
要するに、相対的にSiCウェハ5と高温領域7とを一方向にのみ移動させることで、高温領域7へのSiCウェハ5の搬入方向と、高温領域7からのSiCウェハ5の搬出方向とを同一にすることでも、上記した各実施形態と同様の効果を有する。
【0066】
なお、上記した各実施形態では、ホットウォール3を加熱する加熱手段として、RFコイル4を用いる場合を説明したが、RFコイル4の代わりに、ランプやヒーター線を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における熱処理装置の断面図である。
【図2】第2実施形態における熱処理装置の断面図である。
【図3】第3実施形態の第1の例における熱処理装置の断面図である。
【図4】第3実施形態の第2の例における熱処理装置の断面図である。
【図5】第4実施形態における熱処理装置の断面図である。
【図6】従来における熱処理装置の断面図である。
【符号の説明】
1…石英チューブ、2…断熱材、3…ホットウォール、4…RFコイル、
5…SiCウェハ、6…サセプタ、7…高温領域、8…搬送アーム。
Claims (6)
- 炭化珪素半導体基板(5)を保持する保持手段(6)と、
予め1500〜2300℃に加熱された高温領域(7)を生成する高温領域生成手段(3、4)とを備え、
前記保持手段(6)と前記高温領域生成手段(3、4)の少なくとも一方を相対的に一方向にのみ移動させることで、前記高温領域生成手段(3、4)により生成された前記高温領域(7)内に前記保持手段(6)に保持された前記半導体基板(5)を入れ、かつ、前記半導体基板(5)を入れる向きと同一の向きにて前記高温領域(7)から前記半導体基板(5)を出すようにした構成であり、
前記半導体基板(5)として半導体ウェハを用い、前記半導体基板(5)を前記高温領域(7)内に入れる方向における前記高温領域(7)の幅(7a)は前記半導体ウェハ(5)の直径よりも小さいことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造装置。 - 炭化珪素半導体基板(5)を保持する保持手段(6)と、
予め1500〜2300℃に加熱された高温領域(7)を生成する高温領域生成手段(3、4)とを備え、
前記高温領域生成手段(3、4)を一方向にのみ移動させることで、前記高温領域生成手段(3、4)により生成された前記高温領域(7)内に前記保持手段(6)に保持された前記半導体基板(5)を入れ、かつ、前記半導体基板(5)を入れる向きと同一の向きにて前記高温領域(7)から前記半導体基板(5)を出すようにした構成であり、
前記半導体基板(5)として半導体ウェハを用い、前記半導体基板(5)を前記高温領域(7)内に入れる方向における前記高温領域(7)の幅(7a)は前記半導体ウェハ(5)の直径よりも小さいことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造装置。 - 前記高温領域生成手段(3、4)は筒状の壁材(3)及び該壁材(3)を加熱する加熱手段(4)により構成され、前記加熱手段(4)により加熱された前記壁材(3)の輻射熱により、前記壁材(3)に囲まれた領域に前記高温領域(7)を生成させることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造装置。
- 前記加熱手段はRFコイル(4)であることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の製造装置。
- 前記高温領域(7)を通過した前記半導体基板(5)に対してガスを流すことで冷却を行う冷却手段を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造装置。
- 前記炭化珪素半導体基板(5)に熱処理を行う熱処理工程を有する炭化珪素半導体装置の製造方法において、
前記熱処理工程では、請求項1〜5のいずれか1つに記載の前記炭化珪素半導体装置の製造装置を用い、予め1500〜2300℃に加熱された高温領域(7)に炭化珪素半導体基板(5)を入れ、かつ、前炭化珪素半導体記基板(5)を入れる向きと同一の向きにて前記高温領域(7)から前記炭化珪素半導体基板(5)を出すことで、前記炭化珪素半導体基板(5)の熱処理を行うことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
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