[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4359549B2 - インク受像紙の製造方法 - Google Patents

インク受像紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4359549B2
JP4359549B2 JP2004286731A JP2004286731A JP4359549B2 JP 4359549 B2 JP4359549 B2 JP 4359549B2 JP 2004286731 A JP2004286731 A JP 2004286731A JP 2004286731 A JP2004286731 A JP 2004286731A JP 4359549 B2 JP4359549 B2 JP 4359549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
ink
layer
foamed
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004286731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006095951A (ja
Inventor
功 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2004286731A priority Critical patent/JP4359549B2/ja
Publication of JP2006095951A publication Critical patent/JP2006095951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4359549B2 publication Critical patent/JP4359549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

本発明は、基材シートと、熱可塑性樹脂層中に含まれる加熱発泡剤が加熱されることで発泡形成された発泡樹脂層と、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡面調整樹脂層と、インクを受像するインク受像層とを含むインク受像紙の製造方法に関する。
インクジェットプリンタの印刷に用いられるインクジェット紙等のインク受像紙が知られている。インク受像紙は、例えば建築物の外装や内装、建具、家具、乗用車の内装等に用いられる表面装飾用の壁紙として用いられる。このような壁紙は、壁紙用インクジェット紙にインクジェットプリンタにより、所望の絵柄をプリントされて製造される。製造された壁紙は用途に応じて使用される。壁紙用などのインク受像紙のうちいくつかは、表面処理として発泡・エンボス加工をし、表面に凹凸模様を形成させて製造される。
従来、この種の壁紙としては、紙基材の上に塩化ビニル樹脂層を形成したいわゆる塩ビ壁紙が広く利用されていた。しかし、近年、塩化ビニルは燃焼廃棄時にダイオキシンを発生させやすいという問題があるため、使用を控えられる傾向にある。この代替えとして、例えば、水性エマルジョンを利用し、水性エマルジョンコート層を形成させた壁紙がある。
特許文献1では、出願人に係る発明者が開発を行っていた発泡工程を含む化粧シートが開示されている。この化粧シートは、予め工場等の製造ラインにおいて、未発泡樹脂層、樹脂層を塗布形成し、さらに絵柄印刷を行った後に発泡させ、発泡樹脂層を形成して製造されている。この出願に係る発明は、発泡工程により印刷した絵柄が影響されるので、その影響を抑制することができ、製造ラインで大量生産する際にも良好な絵柄が印刷できるとしたものである。
ところが、特許文献1の出願時には、インクジェットプリンタが普及していなかったが、その後インクジェットプリンタが普及した。このインクジェットプリンタの普及により、化粧シートの絵柄をより個人の好みに併せて印刷するユーザ・ニーズが強くなる傾向にある。よって、インクジェットプリンタにより化粧シートの発泡樹脂層上に絵柄をより個人の好みに併せて印刷するという新たな技術的課題が生じている。
その技術的課題としては、水性エマルジョンコート層を形成させた壁紙では、非発泡の水性エマルジョンコート層の上に絵柄がインクジェットプリンタにより印刷されるインク受像層を設け、加熱エンボス加工を施した場合、ボリューム感がなくシャープなエンボスが入らない場合がある点である。そこで、その点を防止するべく、未発泡のカプセル発泡剤を含有した水性エマルジョンコート層の上に絵柄印刷を行ったものを加熱発泡してエンボス加工し、凹凸模様を付加し、ボリューム感がありシャープなエンボスを形成している。このようなインク受像紙が、下記特許文献2に報告されている。
特許文献2に記載される表面に凹凸模様を形成させたインク受像紙は、基材シートとなる裏打基材上に熱可塑性樹脂中に加熱発泡剤を含有させ、この加熱発泡剤を加熱することで発泡形成されてなる発泡樹脂層が形成され、発泡樹脂層上に印刷時にインクジェットプリンタから付加される印刷インクを受像するインク受像層が形成される積層構造から構成されている。
特許文献2では、このインク受像紙の製造方法が開示されている。特許文献2に記載されるインク受像紙の製造方法では、発泡樹脂層を発泡させた後、エンボス加工による凹凸模様を付加することまたはインク受像層を形成することが開示されている。
特開平10−157045号公報 特許第3084275号明細書
しかし、上記特許文献2に記載されるインク受像紙では印字適正に不具合を生じる場合がある。例えば、印刷された画像を構成する色調が暗く、鮮明な色調により画像を形成することが難しい場合がある。
しかし、近年では印字適正の向上がインク受像紙のユーザによって望まれており、さらなる印字適正の向上を図る必要がある。本発明者は、上記出願よりもさらに印字適正等の品質を向上させるインク受像紙を製造する工程の改善について鋭意検討した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、より印字適正、密着性、折り曲げ特性等の品質を向上できるインク受像紙の製造方法を提供することをその目的とする。
本発明の基材シートと、熱可塑性樹脂層中に含まれる加熱発泡剤が加熱されることで発泡形成された発泡樹脂層と、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡面調整樹脂層と、インクを受像するインク受像層とを含むインク受像紙の製造方法は、前記基材シート上に加熱発泡前の未発泡樹脂層を形成する未発泡樹脂層形成工程と、前記未発泡樹脂層形成後に、前記発泡面調整樹脂層を前記未発泡樹脂層上に形成する発泡面調整樹脂層形成工程と、前記発泡面調整樹脂層形成後に、前記未発泡樹脂層中の加熱発泡剤を加熱して発泡樹脂層を形成する発泡樹脂層形成工程と、前記発泡樹脂層形成後に、前記発泡面調整樹脂層上にインクを受像するインク受像層を形成する受像層形成工程とを含むことを特徴とする。
前記発泡樹脂層形成後であって、前記インク受像層形成前に、少なくとも前記発泡面調整樹脂層表面に凹凸形状を付加して凹凸模様層を形成する凹凸模様層形成工程を含むと好適である。
前記発泡樹脂層形成後であって、前記インク受像層形成前に、少なくとも前記発泡面調整樹脂層表面にエンボス加工を行うエンボス加工工程を含むと好適である。
より印字適正、密着性、折り曲げ特性等の品質を向上できるインク受像紙の製造方法を提供できる。
以下に発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態については、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。本実施形態ではインク受像紙として建築物の内壁面を装飾する絵柄と凹凸模様を有し、インクジェットプリンタによる印刷に用いられる壁紙用インクジェットインク受像紙の製造方法を例示し、図面を用いて説明する。なお、本図面おいては模式的な断面説明図であり、例えば、本来は発泡が大きく、インク受像層の表面に発泡の痕跡が現れる場合が多いが図示を省略している。
「インク受像紙の層構成および層構成方法」
図1に断面図が示される本実施形態の製造方法によって製造される壁紙用インクジェットインク受像紙100は、図3に断面図が示される加熱発泡前の壁紙用インクジェットインク受像紙300を加熱発泡・エンボス加工し、図2に断面図が示される凹凸模様が表面に形成されたインク受像層形成前の壁紙用インクジェットインク受像紙200を経て、この表面にインク受像層16を形成して製造される。形成される各層は当業者にとって通常の層形成方法を用いて形成することができる。
図1に示される製造された壁紙用インクジェットインク受像紙100は、裏打部材10/発泡熱可塑性樹脂層12/発泡面調整樹脂層14/インク受像層16の構造を有し、基材となる裏打部材10と、加熱発泡させられて樹脂中に気泡が分散した発泡熱可塑性樹脂層12と、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡面調整樹脂層14とインクジェットプリンタによるインクを受像するインク受像層16と、を有している。
図2に示されるインク受像層形成前の壁紙用インクジェットインク受像紙200は、裏打部材10/発泡熱可塑性樹脂層12/発泡面調整樹脂層14の構造を有し、基材となる裏打部材10と、加熱発泡させられて樹脂中に気泡が分散した発泡熱可塑性樹脂層12と、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡面調整樹脂層14とを有し、発泡面調整樹脂層14表面および発泡熱可塑性樹脂層12の表面にエンボス加工によって付加された凹凸形状が形成され、これらが凹凸模様層を形成している。
図3に示される加熱発泡前の壁紙用インクジェットインク受像紙300は、裏打部材10/未発泡樹脂層22/発泡面調整樹脂層14の構造を有し、基材となる裏打部材10と、樹脂中に発泡する前の加熱発泡剤が分散した未発泡樹脂層22と、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡面調整樹脂層14とを有している。
裏打部材10は、未発泡樹脂層22を支持する支持面を未発泡樹脂層22との接触面に有し、一方で未発泡樹脂層22との接触面との対面には建築物の内壁との接着に用いられる接着剤が塗布される接着面を有している。裏打基材12は、材料として紙、織布、不織布、合成紙、チタン紙、ガラス不織布等を用いることができる。紙において好ましくは、壁紙用の難燃紙、水酸化アルミニウム紙、無機質紙、一般紙で、坪量が50〜300g/m2 、望ましくは70〜150g/m2 のものが使用される。未発泡樹脂層22の樹脂として水溶性樹脂エマルジョンを用い、エマルジョンコート時における水の影響による伸縮等を考慮する場合は、基材シートの少なくとも表面に耐水性を上げ、透湿性を下げるコート層を設けておいてもよい。
未発泡樹脂層22は、熱可塑性樹脂、可塑剤、安定剤、発泡剤、滑剤、酸化防止剤、充填剤、界面活性剤等を混合した塗布層である。未発泡樹脂層22は、実際には上記剤をすべて含有する必要はなく、熱可塑性樹脂とこれに含有される発泡剤とを少なくとも有していればよい場合がある。これらの混合物は加熱発泡の温度・時間の条件で十分な発泡効果を得られるように混合比等が決められる。例えば、180℃〜230℃の温度で数10秒から2分程度の加熱によって十分な発泡状態となるように混合比が決められる。これら諸条件により適切な割合の混合物を含む未発泡樹脂層22は、裏打部材10上に、未発泡樹脂層22が乾燥させられてゲル化した塗膜がある程度の厚さ(例えば0.3mm程度)となるように塗工される。
熱可塑性樹脂は、発泡剤を含有可能であって、裏打部材上に形成可能な樹脂が選択される。水性エマルジョン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、樹脂合成ゴム等が用いることができる。ポリエチレン樹脂は廃棄物とし燃焼させた時にダイオキシンを発生させにくく、環境面に与える害が少ないなどの利点を有し、好適である。最も好ましくは水性エマルジョン樹脂である。水性エマルジョン樹脂としては、各種の非塩ビ系エマルジョンが使用できるが、一般的な、エチレン−酢ビ、アクリル系樹脂の単体又はブレンド、共重合が好ましい。同樹脂は、未発泡樹脂層、発泡面調整樹脂層、盛上げ印刷層ともに共通して使用できる。各樹脂には、無機質充填剤、顔料、カプセル発泡剤(発泡面調整樹脂層にはほとんどあるいは全く含有させない)の他、各種の消泡剤、増粘剤、分散剤、乾燥遅延剤、難燃剤、防腐剤、防カビ剤等を添加して塗料化する。エマルジョン塗料の塗布方法は、コンマコート、ドクターコート、ロールコート等各種の方式が可能である。基材シート上に塗布した後、例えば、熱風炉乾燥機により120℃で1分間程度の乾燥を行って未発泡のベースコート原反を作製する。未発泡樹脂層の水性エマルジョン塗布量は、50〜250g/m2 (乾燥時)で、望ましくは80〜200g/m2 (乾燥時)とすると好適である。
充填剤は、テクスチャーや白色度を得ることに対応して好適であるものが選択される。炭酸カルシウム、充填剤は、難燃性の無機質充填剤又は炭酸カルシウム等の一般無機質充填剤を用いることができる。特に壁紙は建築物の内壁に使用されるため、防火性能が必要であるが、エマルジョン樹脂は可燃性であるので特に好適である。難燃効果を持つ無機質充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、無機質球状体、有機質中空球状体、メタホウ酸バリウム等がある。また、一般無機質充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カリオン、クレー等がある。未発泡樹脂層、発泡面調整樹脂層は、樹脂100に対して充填剤を50〜200部程度添加すると好ましい。また、印刷を行うには平滑性が必要なため、平均粒径を10μm以下、望ましくは5μm以下にすると好適である。
可塑剤は、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系、リン酸エステル系、塩素化脂肪酸エステル系、塩素化パラフィン系、エポキシ系、ポリエステル系、アジピン酸エステル系の可塑剤を用いることができる。
安定剤は、発泡剤の分解温度すなわち発泡温度を制御することに好適なものが選択して選定される。カドミウム・バリウム・亜鉛等の複合系安定剤、鉛系安定剤、錫系安定剤、カルシウム系安定剤等を用いることができる。
発泡剤は、加熱により発泡する加熱発泡剤であればよく、熱分解型発泡剤、カプセル発泡剤のいずれも用いることができる。発泡剤の成分としては、ニトロペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、トルエンスルホニルヒドラジン、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジン等を用いることができる。カプセル発泡剤は、低沸点溶剤を熱可塑性高分子材料の被膜或いは殻で包み込んだ粒径10〜30μmの微小球である。シェル材料としては、アクリロニトリル・塩化ビニリデン共重合体やアクリロニトリル・アクリル系共重合体、ニトリル系共重合体等が使用され、内包ガスとしてはペンタン、イソペンタン、イソブタン、ブタン等がある。そして、カプセル発泡剤としては、140(160)〜190℃で1分加熱して最高倍率となる高温発泡剤であって、シェル材料がニトリル系共重合体で内包ガスがペンタンのものが好適である。
滑剤は、エンボス加工の加工性を向上させることに好適であるものが選択される。ポリオレフィン系、ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリルアルコール、ワセリン、脂肪酸のポリグリコールエステル等を用いることができる。
界面活性剤は、熱可塑性樹脂をエマルジョン化することに対して好適であるものが選択される。燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエイト、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリレート等を添加できる。
発泡面調整樹脂層14は、発泡剤を含まない熱可塑性樹脂一般を用いることができる。好ましくは水溶性樹脂エマルジョン、より好ましくは水溶性ウレタンエマルジョンである。インク受像層16とともに水溶性ウレタンエマルジョンを用いると、インク受像層16と発泡面調整樹脂層14とが密着し、密着性が向上し、好適である。全体でボリュームを出すには、塗布量の少ない方がよいが、塗布量が少なすぎると発泡時における気泡の表面露出の影響を受けてしまい、発泡樹脂層表面が破壊される。塗布量は1〜20g/m2、好ましくは2〜10g/m2である。発泡面調整樹脂層14のコート方法は未発泡樹脂層と同様であるが、未発泡樹脂層を乾燥被膜としてから、その上にコートを行う他、未発泡樹脂層と発泡面調整樹脂層をウェット状態で2層重ねてから乾燥させることもできる。
インク受像層16は、インクの受像に好適な受像層を選択できる。インクジェットプリンタによるインクは染料インクと顔料インクとが挙げられるが、例えば、顔料インクを用いた場合には、顔料インクの溶剤を吸収し、顔料粒子が脱落しないように保持される多孔質状態であると好適である。インク受像層16は、1〜30μmの空孔寸法を有し、その空孔体積率は20〜70%であると好適である。このような多孔質のインク受像層16は、シリカ、アルミナ等の微粒子を単独または混合した混合粒子に、樹脂(アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、あるいはメチルメタクリレートとアミド樹脂の共重合体樹脂、ポリエステル樹脂等の非水溶性バインダ樹脂等)中に分散させた液を塗布乾燥して作られる。インク受像層16はこの乾燥状態で適切な膜厚、例えば5〜40μmとすることができる。ここで膜厚は、インク受像の容易性とエンボス加工を行う場合には凹凸模様層が適切に表現できる膜厚のバランスを比較考量して決めることができる。例えば、凹凸模様を際だたせたい場合には、厚さは5〜25μm程度の薄層とする態様をとることができる。インク受像層16を形成する印刷インキとしては、溶剤系、水系を問わず各種の印刷インキが使用できる。主な樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、セルロース系、カゼイン系等の非塩ビ系の樹脂が挙げられる。顔料は、有機、無機を問わず各種のものが使用できる。また、アルミニウム、真鍮、蒸着粉、パール顔料(ホワイト、ゴールド等各色)等の光輝性顔料は、発泡面調整樹脂層14に設けることにより効果がでやすい。印刷方式としては、コンマコート、グラビア、オフセット、フレキソ、シルク等の各種印刷方式が適用できる。インク受像層16は、艶調整のためにその表面に透明コート層を設けてもよく、溶剤系、水系を問わず各種の塗料が使用できる。艶消剤としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。凹凸模様層は発泡面調整樹脂層14および発泡樹脂層12の表面にも形成されることが通常であるが、凹凸模様層は少なくとも発泡面調整樹脂層14のみに形成されることでも本実施形態は実施可能である。
「発泡製造工程」
上記加熱発泡前のインクジェット受像紙300を用いて、受像層形成前のインクジェット受像紙200を経て、壁紙用インクジェット受像紙100を製造する工程について説明する。
図1に記載される加熱発泡前のインクジェット受像紙300は、第一に加熱工程により、未発泡樹脂層22が加熱され、未発泡樹脂層22中の加熱発泡剤を加熱により発泡させる加熱発泡工程を行い、発泡熱可塑性樹脂層12を形成する。この加熱発泡工程後に、発泡熱可塑性樹脂層12表面にエンボス加工を施し、凹凸模様を形成し、インク受像層16の形成前の壁紙用インクジェット受像紙200が製造される。なお、エンボス加工等の凹凸模様層形成工程が含まれる製造工程において、後述の点でより好ましいが、凹凸模様層形成工程は必須となる工程ではなく、省略しても本実施形態は実施可能である。エンボス加工を行うことが好ましいのは、例えば、カプセル発泡剤を用いた場合には、発泡工程において、突発的な発泡により大きな気泡が生じる場合などがあり、気泡の均一性を確保することが難しい場合などである。この場合のエンボスという概念は凹凸を賦形するとことにとどまらず、比較的フラットなロールや梨地が彫刻されたロールで押すという概念も含むものである。
加熱発泡工程は、未発泡樹脂層22中の加熱発泡剤を加熱発泡できる装置等を用いればよい。例えば、加熱オーブンを用いることができる。この加熱オーブン内部に加熱発泡前のインクジェット受像紙200を導入し、内部加熱することにより、180℃から230℃の温度にて、数十秒から2分程度の間、連続加熱することにより未発泡樹脂層22を加熱発泡させる。この加熱によって未発泡熱可塑性樹脂層22は3〜5倍程度の厚さの発泡樹脂層12となる。
エンボス加工は、表面に凹凸模様を付加できる一般的工程を用いることができる。例えば、加熱したエンボスローラやエンボスプレートをインク受像層16側から加熱押圧し、表面に凹凸形状を付加し、凹凸模様層を形成することができる。すなわち、エンボス加工において、加熱発泡により生じた発泡面調整樹脂層14下の発泡樹脂層12中に分散する多数の空孔とエンボスローラやエンボスプレートの凹凸とを対応させやすく、発泡樹脂層12表面に凹凸模様を忠実に転写したインク受像層形成前の壁紙用インクジェット受像紙200が製造される。凹凸模様を形成できるのであればエンボス加工でなくてもよい。
インク受像層形成前の壁紙用インクジェット受像紙200の表面にインク受像層16が
形成されて壁紙用インクジェット受像紙100が製造される。この壁紙用インクジェット受像紙100のインク受像層16の表面をインクジェットプリンタによって顔料インクを壁紙の模様となるパターン状に噴射し、噴射された顔料インクがインク受像層16に取り込まれて必要となる絵柄を形成する。
上記本実施形態のインクジェット受像紙100を用いることで印字適正、密着性、折り曲げ性ともに向上させることができる。
従来のインク受像層の形成と加熱発泡工程の工程順を前後させ、インク受像層を加熱発泡工程の前に層形成したインク受像紙の製造方法と加熱発泡工程の後に層形成したインク受像紙の製造方法について、インクジェットプリンタによる印字適正試験を行った。この結果、インク受像層を加熱発泡工程の前に層形成した製造方法においては、印字適正が十分でなく、画像を構成する色調が暗く、鮮明な色調により画像を形成することが難しいことが判明した。
この理由としては下記実施例から一例として考察するに、印字適正を確保するためには、インク受像層はプリントの際にはある程度の表面平滑性が要求される。しかし、発泡前にインク受像層を塗布すると、発泡の影響によりインク受像層の表面が荒れることにより、インク受像に必要な平滑性を確保できない場合がある。そこで予め、発泡面調整層を発泡樹脂層上に形成し、発泡後、ある程度の平滑性を保った発泡をさせた後にさらにインク受像層を塗布することよって、インク受像層を構成する成分が本来持つ受像能に加え、さらに適度な表面平滑性も与える。これにより、印字適性がさらに向上すると考えられる。
さらに、発泡後に発泡面調整層を塗布しさらにインク受像層を形成した場合(例えば、下記実施例中の比較例3)も密着性試験により比較した。その結果、印字適性が十分でないことに加えて密着性が得られにくく、剥がれやすいことがわかった。これはインキ受像層を形成するのが発泡(エンボス)の加工後であり、発泡工程による発泡樹脂層内の脆弱化に伴い、凝集破壊してしまうことに起因するものと考えられる。また、発泡樹脂層とインキ受像層の間に発泡面調整層を設けなかった場合(例えば、下記実施例中の比較例2)は発泡工程による発泡樹脂層内の脆弱化にともなう凝集破壊やインク受像層の剥離が生じるものと考えられる。
上記をふまえ、本実施形態(実施例)により製造された壁紙用インクジェット受像紙(発泡エンボスタイプ)と従来の壁紙用インクジェット受像紙(比較例)との比較による印字適正、密着性、折り曲げ特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004359549
「製造方法」
「実施例1」
裏打ち紙にEVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)がコーティングされている原反に、コンマコートもしくはロールコートにて下記組成Aを1〜10gドライコートして発泡面調整樹脂層を形成した。
<組成A> ポリウレタン樹脂100%。コーティング時は水性エマルジョン(固形分10〜20%、水80〜90%)状の塗工液。
この発泡面調整樹脂層を設けた後、発泡炉にて170℃×1分相当の熱にて加熱発泡させた後、赤外線ヒータにて表面温度を170〜200℃にしてエンボス加工を施した。その後、その上に下記組成Bをコンマコートにて20g/mでインク受像層を形成し、製造した。
<組成B>
ポリウレタン樹脂100重量部、マイクロシリカ50重量部コーティング時は水性エマルジョン(固形分15〜30%、水70〜80%)状の塗工液。
「実施例2」
実施例2は実施例1とエンボス加工後の、上記組成Bによるインク受像層の形成方法のみが異なる。実施例2では、エンボス加工後、その上に上記組成Bをコンマコートにて30g/mでインク受像層を形成し、製造した。
「比較例1」
裏打ち紙にEVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)がコーティングされている原反に、コンマコートもしくはロールコートにてゴム質系樹脂100%を5〜25gドライコートしてインク受像層を形成した。
このインク受像層を設けた後、発泡炉にて170℃×1分相当の熱にて加熱発泡させた後、赤外線ヒータにて表面温度を170〜200℃にしてエンボス加工を施し、製造した。
「比較例2」
裏打ち紙にEVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)がコーティングされている原反を発泡炉にて170℃×1分相当の熱にて加熱発泡させた後、赤外線ヒータにて表面温度を170〜200℃にしてエンボス加工を施した。
エンボス加工後、その上に上記組成Bをコンマコートにて30g/mでインク受像層を形成し、製造した。
「比較例3」
裏打ち紙にEVA(エチレンー酢酸ビニル共重合体)がコーティングされている原反を発泡炉にて170℃×1分相当の熱にて加熱発泡させた後、赤外線ヒータにて表面温度を170〜200℃にしてエンボス加工を施した。エンボス加工後、コンマコートもしくはロールコートにて上記組成Aを1〜10gドライコートして発泡面調整樹脂層を形成した。
発泡面調整樹脂層形成後に、上記組成Bをコンマコートにて30g/mでインク受像層を形成し、製造した。
「評価方法」
・印字適正については、エプソン社製「MC−9000」、ローランドDG製「FJ500」、ヒューレットパッカード製「DJ5000PS UV」の3種の水性インクジェットプリンタにて印字し、画像鮮明度とインクのにじみについて評価を行った。
印字適正の評価基準は以下の通りである。
◎:画像鮮明度、インクのにじみについて極めて良好であること
○:画像鮮明度、インクのにじみについて良好であること
△:画像鮮明度、インクのにじみのどちらか一方に不具合があること
×:画像鮮明度、インクのにじみの両方に不具合があること
・密着性については、セロテープ(登録商標)(ニチバン社製)をエアが入らないように貼り付け、スキージで10往復こすりつけて、印字された受像層表面に密着させ、印字された受像層表面から45度の角度で素早く剥がし、発泡樹脂層またはインク受像層の凝集破壊による剥がれが起こるかどうかで評価した。
密着性の評価基準は以下の通りである。
○:ほとんど、あるいは全くないこと
△:剥がれが、一部に起きること
×:剥がれが、全面的に起きること
・折り曲げ特性については、印字された受像層表面側を山側にして180°または90°に折り曲げて評価した。
折り曲げ特性の評価基準は以下の通りである。
◎:印字部の割れ(下地の白い部分面積)がほとんど目立たないこと
○:印字部の割れ(下地の白い部分面積)が目立たないこと
△:印字部の割れ(下地の白い部分面積)が目立つこと
×:印字部の割れ(下地の白い部分面積)が著しく目立つこと
「結果および考察」
「実施例1」および「実施例2」
印字適正、密着性、折り曲げ特性ともに十分な特性を得ることができた。
「比較例1」
印字適正、密着性、折り曲げ特性が十分に得られなかった。印字適正が十分に得られなかったことの一要因は、発泡面調整樹脂層による発泡時の発泡制御効果が得られなかったことや、発泡・エンボス工程後で形成された、凹凸形状がインク印刷面にむき出しになり、インク印刷時に要求される表面平滑性を得ることが十分でなかったことによるものと考えられる。密着性および折り曲げ特性を十分に得ることができなかった一要因は、発泡面調整樹脂層の存在によるインク受像層と発泡樹脂層をより接着させるバインダ効果を得られなかったためと考えられる。
「比較例2」
印字適正が十分に得られず、密着性および折り曲げ特性については芳しくない結果となった。印字適正が十分得られなかった一要因は、発泡面調整樹脂層による発泡時の発泡制御効果が得られなかったことによるものと考えられる。密着性および折り曲げ特性が芳しくなかった一要因は、発泡面調整樹脂層の存在によるインク受像層と発泡樹脂層をより接着させる接着効果を得られなかったためと考えられる上、受像層形成工程がエンボス工程の後段にあることにより、エンボス工程による厚着・接合効果を得られなかったためと考えられる。
「比較例3」
印字適正および密着性が十分に得られず、折り曲げ特性については芳しくない結果となった。印字適正が十分得られなかった一要因は、発泡面調整樹脂層による発泡時の発泡制御効果が得られなかったことによるものと考えられる。印字適正および密着性が十分に得られなかった一要因は、発泡面調整樹脂層形成工程、受像層形成工程がエンボス工程の後段にあることにより、エンボス工程による厚着・接合効果を得られなかったためと考えられる。
「評価」
本実施例においては、発泡前に形成した発泡面調整樹脂層による発泡形成時における発泡制御効果により、綿密な発泡が生じるように制御され、エンボス加工による凹凸模様が均一化し、かつ、形成された凹凸形状上に受像層が形成されることで表面が平滑化したことによる印字適正のよいインク受像紙が得られるものと一考察する。
また、本実施例においては、エンボス加工による厚着効果を発泡面調整樹脂層について得られ、また、受像層は発泡面調整樹脂層による接着作用によって接着されるので密着性および折り曲げ特性が向上したものと一考察する。また、発泡調整層により、綿密な気泡を生じさせることができ、発泡樹脂層の内面の脆弱性が減少し、上記セロハンテープによる剥がしによる評価方法に対しても凝集破壊が起こりにくくなり密着性および折り曲げ特性が向上したものと一考察する。
製造された壁紙用インクジェットインク受像紙の断面図である。 インク受像層形成前の壁紙用インクジェットインク受像紙の断面図である。 発泡形成前の壁紙用インクジェットインク受像紙の断面図である。
符号の説明
10 基材シート
12 発泡樹脂層
14 発泡面調整樹脂層
16 インク受像層
22 未発泡樹脂層
100,200,300 インク受像紙

Claims (3)

  1. 基材シートと、熱可塑性樹脂層中に含まれる加熱発泡剤が加熱されることで発泡形成された発泡樹脂層と、熱可塑性樹脂を主成分とする発泡面調整樹脂層と、インクを受像するインク受像層とを含むインク受像紙の製造方法であって、
    前記基材シート上に加熱発泡前の未発泡樹脂層を形成する未発泡樹脂層形成工程と、
    前記未発泡樹脂層形成後に、前記発泡面調整樹脂層を前記未発泡樹脂層上に形成する発泡面調整樹脂層形成工程と、
    前記発泡面調整樹脂層形成後に、前記未発泡樹脂層中の加熱発泡剤を加熱して発泡樹脂層を形成する発泡樹脂層形成工程と、
    前記発泡樹脂層形成後に、前記発泡面調整樹脂層上にインクを受像するインク受像層を形成する受像層形成工程とを含むインク受像紙の製造方法。
  2. 請求項1に記載のインク受像紙の製造方法であって、
    前記発泡樹脂層形成後であって、前記インク受像層形成前に、少なくとも前記発泡面調整樹脂層表面に凹凸形状を付加して凹凸模様層を形成する凹凸模様層形成工程を含むインク受像紙の製造方法。
  3. 請求項1に記載のインク受像紙の製造方法であって、
    前記発泡樹脂層形成後であって、前記インク受像層形成前に、少なくとも前記発泡面調整樹脂層表面にエンボス加工を行うエンボス加工工程を含むインク受像紙の製造方法。
JP2004286731A 2004-09-30 2004-09-30 インク受像紙の製造方法 Expired - Fee Related JP4359549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004286731A JP4359549B2 (ja) 2004-09-30 2004-09-30 インク受像紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004286731A JP4359549B2 (ja) 2004-09-30 2004-09-30 インク受像紙の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006095951A JP2006095951A (ja) 2006-04-13
JP4359549B2 true JP4359549B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=36236220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004286731A Expired - Fee Related JP4359549B2 (ja) 2004-09-30 2004-09-30 インク受像紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4359549B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006095951A (ja) 2006-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0647875A (ja) 装飾シートおよびその製造方法
CA1197147A (en) Transfer sheets and production of decorative articles therewith
JPH09109303A (ja) 発泡エンボス化粧シート及びその製造方法
JP2002067068A (ja) 化粧材の製造方法
US6409333B1 (en) Ink jet printing medium for an embossed interior decorating member
JP3864604B2 (ja) 発泡化粧材の製造方法
JP7234500B2 (ja) 発泡壁紙、及び発泡壁紙の製造方法
JP2000211049A (ja) 発泡化粧材
JP3084275B2 (ja) エンボス加工壁紙
JP6866568B2 (ja) 発泡壁紙、及び発泡壁紙の製造方法
JPH1076587A (ja) 発泡シート
JP6930066B2 (ja) 発泡壁紙、及び発泡壁紙の製造方法
JP4359549B2 (ja) インク受像紙の製造方法
JP3036795B2 (ja) 光沢−艶消効果を有する発泡凹凸壁紙の製造方法および発泡凹凸壁紙
JP2002200717A (ja) 化粧材
JP2006264209A (ja) インク受像紙の製造方法
JPH10175280A (ja) 化粧シート
JPH09174788A (ja) ケミカルエンボス化粧シート
JP2018051960A (ja) 発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2009263581A (ja) 水性樹脂エマルジョン組成物、発泡化粧材およびその製造方法
JPH09277482A (ja) 表面凹凸を有する発泡化粧材及びその製造方法
JP2000233461A (ja) 発泡シート
JP2018122575A (ja) パール意匠化粧用シート
JPS5851180A (ja) 転写紙及びこれを用いた化粧材の製造法
JP2018145621A (ja) 壁紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4359549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees