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JP4359187B2 - 電磁ブレーキ装置及びエレベーター巻上機の電磁ブレーキ装置 - Google Patents

電磁ブレーキ装置及びエレベーター巻上機の電磁ブレーキ装置 Download PDF

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JP4359187B2
JP4359187B2 JP2004156247A JP2004156247A JP4359187B2 JP 4359187 B2 JP4359187 B2 JP 4359187B2 JP 2004156247 A JP2004156247 A JP 2004156247A JP 2004156247 A JP2004156247 A JP 2004156247A JP 4359187 B2 JP4359187 B2 JP 4359187B2
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Description

本発明は、二組のブレーキ機構を有する電磁ブレーキ装置、特に、エレベーター用巻上機に用いられて好適なエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置に関するものである。
例えば、電磁ブレーキ装置として、一端側が回動支持される二組の制動腕に保持される制動片が被制動体としてのブレーキドラムの制動面に当接し、他端側を制動ばねで押圧するとともに、電磁コイル、ケースを兼用した継鉄、2個の可動鉄心を対向配置して構成され、この2個の可動鉄心の電磁吸引動作を制動腕の多端側を制動ばねに抗して動作させるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、ブレーキ装置として、被制動体としての駆動綱車の内周面を制動面とし、二組の制動腕、制動片及び制動ばねと一組の電磁装置とで構成されると共に、制動片及び制動ばねが駆動綱車の内側に配置され、制動腕の一端が駆動綱車の内側に枢持されて他端が駆動綱車の外側に配置され、電磁装置が駆動綱車の外側に配置される電磁ブレーキ装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
また,エレベーター用巻上機として、電動機の回転子と駆動綱車が一体的に形成された椀状回転体が枠体内に装備されると共に、被制動体としての上記椀状回転体の内周面を制動面とする電磁ブレーキ装置が椀状回転体内に配置されたものが提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2003−343608号公報(段落番号0007参照) 特開平10−203761号公報(実施の形態1、図1参照) 特開2001−322781号公報(段落番号0007参照)
上記特許文献1に提案された電磁ブレーキ装置は、制動を付加する機構は二組あるが、この制動を解除する機構は一組であり二組の制動付加機構に対して共通に用いられている。すなわち、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成でない。したがって、制動機としての機能を二組必要な場合には適用できないという問題点があった。
また、上記特許文献2で提案されたブレーキ装置は、駆動綱車の内周面を制動面とし、二組の制動腕、制動片及び制動ばねと制動を解除する一組の電磁装置とで構成されると共に、制動片及び制動ばねが駆動綱車の内側に配置され、制動腕の一端が駆動綱車の内側に枢持されて制動腕の他端が駆動綱車の外側に配置され、電磁装置が駆動綱車の外側に配置されたものであるが、制動ばねが回転体である駆動綱車の内側に設置されている。このため特許文献1の提案と同様に、制動機としての機能を二組必要な場合には適用できないという問題点があった。
更に、上記特許文献3に提案されたエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置においては、制動機が制動腕方式であり、制動腕の一端を支持板にピン支持し、制動腕の中間に制動片を具備する可動鉄片としてのアーマチャを配置し、制動腕の回動端と支持板間に制動ばねを配置して、このアーマチャを電磁吸引するように電磁石が配置されている。すなわち、制動腕、制動ばね及び電磁装置としての電磁石など、制動機としての構成部品が回転体である椀状回転体の内側に設置されている。このため限られた場所に高密度に設置されてコンパクトであるが、制動機としての部品の組立て、制動片のストローク調整、アーマチャと電磁石のストローク調整、ばね力の調整など、組立て、調整作業に時間を要するという問題点があった。
本発明の目的は、制動機としての機能が二組必要な場合にも適用可能な電磁ブレーキ装置を提供するにある。
また、本発明の他の目的は、組立て、調整作業の容易な電磁ブレーキ装置を提供するにある。
本発明の請求項1では、被制動体の制動面に配置される制動片を備え一端部が回転支持される第一及び第二の制動腕と、上記制動片が上記制動面を押圧し上記被制動体を制動するように上記第一及び第二の制動腕の他端部に設けた制動ばねと、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に動作するように配置し、継鉄及び電磁コイルからなる電磁石、この電磁石の磁極面に対向して設けられた鉄片からなり、電磁石への通電時の電磁吸引力により上記制動ばねのばね力に対抗して上記第一及び第二の制動腕を駆動し、上記制動片の押圧力を解除し上記被制動体の制動を解除する電磁装置とで構成される電磁ブレーキ装置において、上記電磁装置は1個の固定電磁石と2個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動鉄片を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記電磁石は2個の電磁コイルとこの2個の電磁コイルに対して共通的に用いられる継鉄からなることを特徴とする。
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られる。
また,請求項2では、被制動体の制動面に配置される制動片を備え一端部が回転支持される第一及び第二の制動腕と、上記制動片が上記制動面を押圧し上記被制動体を制動するように上記第一及び第二の制動腕の他端部に設けた制動ばねと、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に動作するように配置し、継鉄及び電磁コイルからなる電磁石、この電磁石の磁極面に対向して設けられた鉄片からなり、電磁石への通電時の電磁吸引力により上記制動ばねのばね力に対抗して上記第一及び第二の制動腕を駆動し、上記制動片の押圧力を解除し上記被制動体の制動を解除する電磁装置とで構成される電磁ブレーキ装置において、
上記電磁装置は2個の可動電磁石と1個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動電磁石を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記2個の電磁石はそれぞれ電磁コイルと継鉄からなり、この2個の電磁石が前記固定鉄片に対向するようにしたことを特徴とする。
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られる。
また、請求項では、請求項1又は2において、上記電磁装置は上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向或いは押出す方向に電磁吸引力を出力するようにしたことを特徴とする。
これにより、請求項1又は2同様に、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、制動ばねのばね力が上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側から見て、制動腕に対して押出す方向或いは引込む方向に付加される場合に有効となる。
また、請求項では、請求項において、上記電磁装置に上記第一及び第二の制動腕を結ぶ方向に対して引込む方向或いは押出す方向に電磁吸引力を出力する出力ロッドを設け、この出力ロッドで上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする。
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、被制動体の内周制動面を制動し、制動ばねのばね力が上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側から見て、制動腕に対して押出す方向或いは引込む方向に付加される場合に有効となる。
また、請求項では、請求項において、上記電磁装置に上記第一及び第二の制動腕を結ぶ方向に対して押出す方向或いは引込む方向に電磁吸引力を出力する出力ロッドを設け、この出力ロッドから回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする。
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、被制動体の内周制動面を制動し、制動ばねのばね力が上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側から見て、制動腕に対して引込む方向或いは押出す方向に付加される場合に有効となる。また、回転レバーを介することにより制動片と制動面間のストローク及びアーマチャと電磁石間のストローク調整が制動ばねのばね力に影響されないでできるので、調整作業が容易にできる。
また、請求項では、請求項において、上記出力ロッドは上記電磁石の外側に配置したことを特徴とする。
これにより、制動解除機構としての電磁装置の出力ロッドが電磁吸引力を発生する磁極面内に設けられる穴を貫通しないため、有効磁極面積が減少せず、出力としての電磁吸引力が減少しない。
また、請求項7では、請求項3において、上記電磁装置に上記第一及び第二の制動腕を結ぶ方向に対して引込む方向或いは押出す方向に電磁吸引力を出力する回転レバーを設け,この回転レバーで上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、被制動体の内周制動面を制動し、制動ばねのばね力が上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側から見て、制動腕に対して押出す方向或いは引込む方向に付加される場合に有効となる。
また、請求項では、開口縁部内周面に固定子巻線が設けられた椀状の枠体と、この枠体の底面から凹所側に突出するように設けられた主軸と、上記枠体の椀状内に配置され、上記主軸に枢持される駆動綱車を有する椀状回転体と、この椀状回転体の外輪部の外周に、上記固定子巻線に対向して配置された電機子と、上記外輪部の内周面に設けられた制動面と、縁部が上記枠体の開口縁部に装着された支持板と、上記制動面を制動する電磁ブレーキ装置とからなるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置において、上記電磁ブレーキ装置の電磁装置は1個の固定電磁石と2個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動鉄片を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記電磁石は2個の電磁コイルとこの2個の電磁コイルに対して共通的に用いられる継鉄からなり、上記電磁ブレーキ装置の第一及び第二の制動腕の一端部を上記支持板に枢持ピンで枢持し、他端部を上記開口縁部端を越えて上記枠体の外部に配置し、かつ、制動ばね及び電磁装置は上記枠体の外部に配置して、互いに反対方向に制動動作する二組によって構成し、上記制動ばねの力によって制動片を上記制動面に圧接させて制動し、電磁装置によって制動腕の他端部を駆動させて制動片を制動面から離間させて制動を解除するようにしたことを特徴とする。
これにより、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置を備えると共に、組立作業が簡単で、かつ、調整作業が容易にできるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置が得られる。
また、請求項9では、開口縁部内周面に固定子巻線が設けられた椀状の枠体と、この枠体の底面から凹所側に突出するように設けられた主軸と、上記枠体の椀状内に配置され、上記主軸に枢持される駆動綱車を有する椀状回転体と、この椀状回転体の外輪部の外周に、上記固定子巻線に対向して配置された電機子と、上記外輪部の内周面に設けられた制動面と、縁部が上記枠体の開口縁部に装着された支持板と、上記制動面を制動する電磁ブレーキ装置とからなるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置において、上記電磁ブレーキ装置の上記電磁装置は2個の可動電磁石と1個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動電磁石を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記2個の電磁石はそれぞれ電磁コイルと継鉄からなり、この2個の電磁石が前記固定鉄片に対向するようにし、上記電磁ブレーキ装置の第一及び第二の制動腕の一端部を上記支持板に枢持ピンで枢持し、他端部を上記開口縁部端を越えて上記枠体の外部に配置し、かつ、制動ばね及び電磁装置は上記枠体の外部に配置して、互いに反対方向に制動動作する二組によって構成し、上記制動ばねの力によって制動片を上記制動面に圧接させて制動し、電磁装置によって制動腕の他端部を駆動させて制動片を制動面から離間させて制動を解除するようにしたことを特徴とする。
これにより、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置を備えると共に、組立作業が簡単で、かつ、調整作業が容易にできるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置が得られる。
本発明によれば、制動機として独立に機能する二組の制動付加及び解除機構を備えた電磁ブレーキ装置を提供することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の第1の実施形態になる内周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図、図2、3は図1に示した電磁装置のそれぞれ別々の電磁装置を示す正面図である。
図1において、1は被制動体としてのブレーキドラムで、このブレーキドラム1の内周制動面1aにはそれぞれ制動片2a、2bが当接するようになっている。3a、3bは一対の制動腕で、上記制動片2a、2bを備え一端部3cを可回転的に支持されている。4a、4bは制動ばねで、上記制動片2a、2bが制動面1aに押圧力を付加するように制動腕3a、3bの他端部3dに配置される。この制動ばね4a、4bのばね力は制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側から見て、制動腕3a、3bに対して押出す方向に付加される。
5は電磁装置で、上記制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bとで構成される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bは上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1aを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面に可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1aから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して引込む方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b可動鉄片7a、7bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。なお、上記電磁装置5は図2に示すように、図1の2個の電磁コイル9A、9bを まとめて1個の電磁コイル9としても良い。
さらにまた、上記電磁装置5は図3に示すように、2個の可動電磁石6a、6bと1個の固定された鉄片7とで構成しても良い。図1と同様に、上記電磁装置5は、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、上記電磁石6a、6bは継鉄8a、8bと電磁コイル9a、9bからなり、電磁石6a、6bの磁極面10a、10bに対向して固定鉄片7が配置される。上記電磁石6a、6bに通電すると磁束を発生し、上記固定鉄片7に電磁吸引力が作用し電磁石6a、6bが吸引される。上記可動電磁石6a、6bによって上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して引込む方向に上記電磁石6a、6bの電磁吸引力が出力されるようになっている。
図4乃至図6は、本発明の第2の実施形態で、図4は本発明の第2の実施形態になる内周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図、図5、6は図4に示した電磁装置のそれぞれ別々の電磁装置を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同一部分については同一符号を付して必要に応じ説明を省略する。
5は電磁装置で、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bとロッド11a、11bとで構成される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。 また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bはロッド11a、11bと連結される。このロッド11a、11bは電磁石6の外側を迂回して設けられ、可動鉄片7a、7bの動作がそれぞれ反対側の可動鉄片7a、7b側に出力される。そして、ロッド11a、11bはそれぞれ回転レバー12a、12bを介して上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1aを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、ロッド11a、11b、回転レバー12a、12bを介して、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1aから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して押出す方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7b、ロッド11a、11b、回転レバー12a、12bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、上記電磁装置5は図5に示すように、図4の2個の電磁コイル9a、9bを まとめて1個の電磁コイル9としても良い。
さらにまた、上記電磁装置5は図6に示すように、2個の可動電磁石6a、6bと1個の固定された鉄片7とで構成しても良い。図4と同様に、上記電磁装置5は、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、上記電磁石6a、6bは継鉄8a、8bと電磁コイル9a、9bからなり、電磁石6a、6bの磁極面10a、10bに対向して固定鉄片7が配置される。上記電磁石6a、6bに通電すると磁束を発生し、上記固定鉄片7に可動電磁石6a、6bが電磁吸引される。上記可動電磁石6a、6bはロッド11a、11bと連結され、このロッド11a、11bは可動電磁石6a、6bの外側を迂回して設けられる。そして可動電磁石7a、7bの動作がそれぞれ反対側の可動電磁石6a、6b側に出力され、回転レバー12a、12bを介して上記制動腕3a、3bの他端部3dを駆動する。上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して押込む方向に上記電磁石6a、6bの電磁吸引力が出力されるようになっている。
図7は本発明の第3の実施形態になる外周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図である。
なお、第1の実施形態と同一部分については同一符号を付して必要に応じ説明を省略する。
図7において、1は被制動体としてのブレーキドラムで、このブレーキドラム1の外周制動面1bにはそれぞれ制動片2a、2bが当接するようになっている。3a、3bは一対の制動腕で、上記制動片2a、2bを備え一端部3cを可回転的に支持されている。4a、4bは制動ばねで、上記制動片2a、2bが制動面1a、1bに押圧力を付加するように制動腕3a、3bの他端部3dに配置される。この制動ばね4a、4bのばね力は制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側から見て、制動腕3a、3bに対して引込む方向に付加される。
5は電磁装置で、上記制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bとロッド11a、11bとで構成される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bはロッド11a、11bと連結される。このロッド11a、11bは電磁石6の外側を迂回して、可動鉄片7a、7bの動作がそれぞれ反対側の可動鉄片7b、7a側に出力される。そして、ロッド11a、11bは上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1bを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、ロッド11b、11aを介して、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1bから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して押出す方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7b、ロッド11a、11bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、上記電磁装置5は第2の実施形態の図6に示した2個の可動電磁石6a、6bと1個の固定された鉄片7とで構成しても良い。
図8は、本発明の第4の実施形態になる外周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図である。なお、図7の第3の実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
5は電磁装置で、上記制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bとで構成される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bはそれぞれ回転レバー12a、12bを介して上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1bを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面に可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、回転レバー12a、12bを介して、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1bから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して引込む方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。なお、上記電磁装置5は第1の実施形態の図3に示した2個の可動電磁石6a、6bと1個の固定された鉄片7とで構成しても良い。
図9乃至図12は、本発明の第5の実施形態で、図9は第1の実施形態の内周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の正面図、図10は図9のA−A断面図、図11は図9の電磁ブレーキの電磁装置部分を示す平面図、図12は図9の電磁ブレーキの電磁装置の別な形態を示す図11相当図である。
図9〜図11において、21は椀状の凹所21aを有する枠体で、この凹所21aの開口縁部22、凹所21aの底面23、下側に形成された脚部24、この脚部24を貫通して凹所21aに連通した主索25の吊設孔26が設けられている。27は支持板で、下部に凸状部28を有し、この凸状部28に制動腕29の一端部29aが枢持され、凸状部28を内側にして枠体21の開口縁部22全体を覆うように設けられている。30は締結具で、支持板27の縁部に挿通されて枠体21の開口縁部22にねじ込まれたボルトから構成されている。
31は主軸で、枠体21の底面23から凹所21a側に突出するよう設けられている。32は固定子巻線で、枠体21の開口縁部22の内周面に設けられる。33は椀状回転体で、上記枠体21の凹所21aと相似形の椀状をなすと共に、上記椀状回転体33には一体的に駆動綱車34が設けられ、この駆動綱車34は主軸31の外周部に軸受34aを介して枢持されている。
35は、枠体21の開口縁部22側の外周面に設けられた固定子巻線32に対向するように、椀状回転体33の外輪部33aの外周に配置された電機子で、この電機子35と固定子巻線32とによって電動機を構成する。36は椀状回転体 33の外輪部33aの内周に設けられた制動面である。
37は電磁ブレーキで、主軸31を中心に左右対称形態に二組配置され、互いに反対方向に制動動作する。上記制動腕29は一端部29aが上記支持板27の凸状部28に枢持ピン28aで枢持され、制動腕29の他端部29bが支持板27の内側に設けた溝部27aを通し、上記開口縁部22端を越えて上記枠体21の外部に配置される。27bは支持板27の溝部27aと制動腕29の隙間をカバーするゴム等の柔軟な弾性体からなるカバー部材であり、塵埃などの混入防止用である。38は制動片で、上記椀状回転体33の凹所21a内に配置されて上記制動腕29の中間部29cに球面支持されるとともに、この制動片38の両端部あるいはいずれか一方で支持ばね39により支持されて、制動面36を押圧するように配置される。上記支持ばね39は制動片38の傾きを調整し、制動面36との隙間を調整するものである。
40は制動ばねで、枠体21上部に設けた支持台41を貫通して制動腕29の他端部29bに連結して設けたばねロッド43と上記支持台41間に設けられ、ばね押え44とナット45で固定される。すなわち、制動ばね40のばね力は制動腕29の他端部29bを結ぶ側から見て、制動腕29に対して押出す方向に付加され、制動片38が制動面36を押圧するようになっている。46は電磁装置で、第1の実施形態の図1乃至図3で説明したものが設置される。
すなわち、上記電磁装置46は上記制動ばね40の押圧力を解除するように、上記制動腕29の他端部29b近辺に設けられ、1個の固定された電磁石47と2個の可動鉄片48a、48bとで構成される。上記電磁石47は枠体21上部に直接あるいは支持台49を介して設置される。また上記電磁石47は2個の電磁コイル50a、50bとこの電磁コイル50a、50bに対して共通的に用いられる継鉄51からなり、この継鉄51は2箇所に磁極面55a、55bを有し、各々の磁極面55a、55bに対して電磁コイル50a、50bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。この磁極面55a、55bに対向して2個の可動鉄片48a、48bが配置され、この可動鉄片48a、48bはそれぞれ個別にロッド52に螺結され止ナット53で固定される。このロッド52の一端は制動腕29の他端部29bに結合し、ロッド52の他端は電磁石47の中心部に設けた軸受54に摺動支持される。上記電磁石47に通電すると磁束を発生し、上記可動鉄片48a、48bに電磁吸引力が作用し可動鉄片48a、48bが吸引される。上記可動鉄片48a、48bによって上記制動腕29の他端部29bが駆動される。すなわち、上記電磁装置46は上記制動腕29の他端部29bを結ぶ方向に対して引込む方向に上記電磁石47の電磁吸引力が出力されるようになっている。
制動ばね40のばね力の調整はナット45を回して制動ばね40のたわみを調整して行う。また、可動鉄片48a、48bを回転することにより、可動鉄片48a、48bが電磁石47方向に移動し、可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1を調整できると同時に、制動片38と制動面36間のストロークS2の調整ができる。すなわち、可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1を規定すると、制動片38と制動面36間のストロークS2が可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1に制動腕29の作用長さ比(l1/l2)を考慮して設定される。逆に制動片38と制動面36間のストロークS2を規定すると可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1が設定される。
要するに、制動片38、制動腕29を介して制動ばね40による制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、電磁石47、可動鉄片48a、48bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
上記のように構成されたエレベーター用巻上機において、枠体21の脚部24を介してエレベーター昇降路の固定部に据付けられ、また主索25が吊設孔26に挿通されて駆動綱車34に巻掛けられて吊設される。そして、電磁石47が付勢されて制動ばね40の押圧力に抗して可動鉄片48a、48bが吸引され、制動腕29を介して制動片38が椀状回転体33の制動面36から離間して駆動綱車34の制動が解除され、固定子巻線32と電機子35によって構成された電動機が付勢されると、駆動綱車34が回転して摩擦力により主索25が駆動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりを互いに反対方向に昇降させる。
また、電磁石47が消勢されて制動ばね40の押圧力によって制動片38が椀状回転体33の制動面36に押圧されて駆動綱車34が制動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりが停止保持される。
このように構成されたエレベーター用巻上機は、電磁ブレーキ37が、上記椀状回転体33の凹所21a内に配置され上記制動面36を押圧する制動片38と、この制動片38を支持し一端部29aが上記支持板27に枢持ピン28aで枢持される制動腕29と、この制動腕29の他端部29bを押圧する制動ばね40と、この制動ばね40の力に対抗する電磁装置とで構成され、制動腕29の他端部29b、制動ばね40及び電磁装置46が上記枠体21の外部に配置される。
これにより、制動腕29の他端部29b、制動ばね40及び電磁装置46が上記枠体21の外部オープンスペースに設置されるため、また、椀状回転体33の内側には制動片38及び制動腕29の一端部29aが配置されるだけで作業スペースが広くなるため、電磁ブレーキ37としての部品の組立作業、制動片のストロークS2の調整作業、可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1の調整作業、ばね力の調整作業が容易になる。
なお、上記説明では電磁装置46で電磁コイルを2個有する電磁石47を固定し、鉄片48a、48bを可動に配置したが、第1の実施形態の図2で説明したように、図11で示した2個の電磁コイル50a、50bを まとめて1個の電磁コイルとしても良い。
また、図12に示すように、第1の実施形態の図3で説明したように、図11における可動鉄片48a、48bと電磁石47とを逆配置して、2個の可動鉄片48a、48bを1個の鉄片48として固定し、1個の電磁石47を2個にして可動に配置しそれぞれ電磁コイル50a、50bを備えた電磁石47a、47bとしても良い。すなわち、上記電磁石47a、47bは継鉄51a、51bと電磁コイル50a、50bからなり、電磁石47a、47bの磁極面55a、55bに対向して固定鉄片48が配置される。この電磁石47a、47bはそれぞれ個別にロッド52に螺結され止ナット53で固定される。このロッド52の一端は制動腕29の他端部29bに結合し、ロッド52の他端は固定鉄片48の中心部に設けた軸受54に摺動支持される。
上記電磁石47a、47bに通電すると磁束を発生し、上記固定鉄片48に電磁吸引力が作用し電磁石47a、47bが吸引される。上記可動電磁石47a、47bによって上記制動腕29の他端部29bが駆動される。
上記電磁装置46は上記制動腕29の他端部29bを結ぶ方向に対して引込む方向に上記電磁石47a、47bの電磁吸引力が出力されるようになっている。
図13乃至図24は、本発明の第6の実施形態で、図13は、図9とは異なる実施形態の内周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の正面図、図14は図13のB−B断面図、図15は図13の平面図、図16は図13の電磁ブレーキの電磁装置部分を示す正面図、図17は図16の側面図、図18は図17のC−C視図、図19は図17のD−D視図、図20は図13の電磁ブレーキの電磁装置の別な形態を示す図15相当図、図21は図20の電磁ブレーキの電磁装置部分を示す正面図、図22は図21の側面図、図23は図22のE−E視図、図24は図22のF−F視図である。なお、第5の実施形態の図9乃至12と同一部分については同一符号を付す。
37は電磁ブレーキで、制動ばね40、制動腕29、制動片38による制動力付加機構は上記第5の実施形態と同様であるので説明を省略する。40は制動ばねで、枠体21上部に設けた支持台42を貫通して一端部が枢持ピン42aで枢持され他端部が制動腕29の他端部29bに連結して設けたばねロッド43と上記支持台42間に設けられ、ばね押え44とナット45で固定される。すなわち、制動ばね40のばね力は制動腕29の他端部29bを結ぶ側から見て、制動腕29に対して押出す方向に付加され、制動子38が制動面36を押圧するようになっている。 46は電磁装置で、基本的に第2の実施形態の図4乃至図6で説明したものが設置される。
すなわち、上記電磁装置46は上記制動ばね40の押圧力を解除するように、上記制動腕29の他端部29b近辺に設けられ、1個の固定された電磁石47と2個の可動鉄片48a、48bとロッド61a、61bと押し板63a、63bとで構成される。上記電磁石47は枠体21上部に直接あるいは支持台62を介して設置される。また上記電磁石47は2個の電磁コイル49a、49bとこの電磁コイル49a、49bに対して共通的に用いられる継鉄51からなり、この継鉄51は2箇所に磁極面55a、55bを有し、各々の磁極面55a、55bに対して電磁コイル49a、49bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。この磁極面55a、55bに対向して2個の可動鉄片48a、48bが配置され、この可動鉄片48a、48bは電磁石47の外側を迂回して設けられるロッド61a、61bの一端と連結され、このロッド61a、61bの他端が押し板63a、63bに結合され、可動鉄片48a、48bの動作がそれぞれ反対側の可動鉄片48b、48a側に出力される。66は支持台42に設けられる回転レバーで、一端部には接触ロッド67を螺結して止ナット68で固定し、接触ロッド67が上記押し板63a、63bに連接する。この回転レバー68の他端部は上記制動腕29の他端部29bに連接する。すなわち、押し板63a、63bはそれぞれ回転レバー66を介して上記制動腕29の他端部29bに連結されて駆動するようになっている。
64はばねで、可動鉄片48a、48bを結合するロッド61a、61bのガタツキ防止のためのもので、支持台62との間に装着される。65は上記支持台に設けられる支持ロッドで、上記可動鉄片48a、48bはこの支持ロッド65に摺動支持される。
上記電磁石47に通電すると磁束を発生し、上記可動鉄片48a、48bに電磁吸引力が作用し可動鉄片48a、48bが吸引され、ロッド61a、61b、押し板63a、63b、回転レバー66を介して上記制動腕29の他端部29bが駆動される。すなわち、上記電磁装置46は上記制動腕29の他端部29bを結ぶ方向に対して押出す方向に上記電磁石47の電磁吸引力が出力されるようになっている。
制動ばね40のばね力の調整はナット45を回して制動ばね40のたわみを調整して行う。また、接触ロッド67の長さを調整することにより、可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1を調整できると同時に、制動片38と制動面36間のストロークS2の調整ができる。すなわち、可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1を規定すると、制動片38と制動面36間のストロークS2が可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1に制動腕29の作用長さ比(l1/l2)を考慮して設定される。逆に制動片38と制動面36間のストロークS2を規定すると可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1が設定される。
要するに、制動片38、制動腕29を介して制動ばね40による制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、電磁石47、可動鉄片48a、48bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
上記のように構成されたエレベーター用巻上機において、枠体21の脚部24を介してエレベーター昇降路の固定部に据付けられ、また主索25が吊設孔26に挿通されて駆動綱車34に巻掛けられて吊設される。そして、電磁石47が付勢されて制動ばね40の押圧力に抗して可動鉄片48a、48bが吸引され、制動腕29を介して制動片38が椀状回転体33の制動面36から離間して駆動綱車34の制動が解除され、固定子巻線32と電機子35によって構成された電動機が付勢されると、駆動綱車34が回転して摩擦力により主索25が駆動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりを互いに反対方向に昇降させる。
また、電磁石47が消勢されて制動ばね40の押圧力によって制動片38が椀状回転体33の制動面36に押圧されて駆動綱車34が制動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりが停止保持される。
このように構成されたエレベーター用巻上機は、電磁ブレーキ37が、上記椀状回転体33の凹所21a内に配置され上記制動面36を押圧する制動片38と、この制動片38を支持し一端部29aが上記支持板27に枢持ピン28aで枢持される制動腕29と、この制動腕29の他端部29bを押圧する制動ばね40と、この制動ばね40の力に対抗する電磁装置とで構成され、制動腕29の他端部29b、制動ばね40及び電磁装置46が上記枠体21の外部に配置される。
これにより、制動腕29の他端部29b、制動ばね40及び電磁装置46が上記枠体21の外部オープンスペースに設置されるため、また、椀状回転体33の内側には制動片38及び制動腕29の一端部29aが配置されるだけで作業スペースが広くなるため、電磁ブレーキ37としての部品の組立作業、制動片のストロークS2調整作業、可動鉄片48a、48bと電磁石47間のストロークS1調整作業、ばね力の調整作業が容易になる。
なお、上記説明では電磁装置46で電磁コイルを2個有する電磁石47を固定し、鉄片48a、48bを可動に配置したが、実施例2の図6で説明したように2個の電磁コイル49a、49bを まとめて1個の電磁コイルとしても良い。
また、図20乃至24に示すように、第2の実施形態2の図6及び第5の実施形態の図12で説明したように、図15における可動鉄片48a、48bと電磁石47とを逆配置して、2個の可動鉄片48a、48bを1個の鉄片48として固定し、1個の電磁石47を2個にして可動に配置しそれぞれ電磁コイル49a、49bを備えた電磁石47a、47bとしても良い。すなわち、上記電磁石47a、47bは継鉄50a、50bと電磁コイル49a、49bからなり、電磁石47a、47bの磁極面55a、55bに対向して固定鉄片48が配置される。上記可動電磁石47a、47bは固定鉄片48a、48bの外側を迂回して設けられるロッド61a、61bの一端と連結され、ロッド61a、61bの他端が押し板63で結合され、可動電磁石47a、47bの動作がそれぞれ反対側の可動電磁石47b、47a側に出力される。そして、押し板63a、63bはそれぞれ回転レバー62を介して上記制動腕29の他端部29bに連接されて駆動するようになっている。上記可動電磁石47b、47aは図15と同様に支持ロッド65に摺動支持される。
上記電磁石47a、47bに通電すると磁束を発生し、上記固定鉄片48a、48bに電磁吸引力が作用し可動電磁石47a、47bが吸引され、ロッド61a、61b、押し板63a、63b、回転レバー66を介して上記制動腕29の他端部29bが駆動される。すなわち、上記電磁装置46は上記制動腕29の他端部29bを結ぶ方向に対して押出す方向に上記電磁47の電磁吸引力が出力されるようになっている。
本発明の第1の実施形態になる内周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図である。 図1に示した電磁装置の別の電磁装置を示す正面図である。 図1に示した電磁装置の更に別の電磁装置を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態になる内周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図である。 図4に示した電磁装置の別の電磁装置を示す正面図である。 図4に示した電磁装置の更に別の電磁装置を示す正面図である。 図7は本発明の第3の実施形態になる外周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図である。 本発明の第4の実施形態になる外周面制動式電磁ブレーキ装置の正面図である。 第1の実施形態の内周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の正面図である。 図9のA−A断面図である。 図9の電磁ブレーキの電磁装置部分を示す平面図である。 図9の電磁ブレーキの電磁装置の別な形態を示す図11相当図である。 図9とは異なる実施形態の内周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の正面図である。 図13のB−B断面図である。 図13の平面図である。 図13の電磁ブレーキの電磁装置部分を示す正面図である。 図16の側面図である。 図17のC−C視図である。 図17のD−D視図である。 図13の電磁ブレーキの電磁装置の別な形態を示す図15相当図である。 図20の電磁ブレーキの電磁装置部分を示す正面図である。 図21の側面図である。 図22のE−E視図である。 図22のF−F視図である。
符号の説明
1a、1b、36 制動面
2a、2b、38 制動片
3a、3b、29 制動腕
3d、29b 制動腕の他端部
4a、4b、40 制動ばね
8、8a、8b 継鉄
9a、9b 電磁コイル
6、6a、6b、47 電磁石
10a、10b、55a、55b 磁極面
7、7a、7b、48、48a、48b 鉄片
11a、11b、61a、61b 出力ロッド
12a、12b、66 回転レバー
22 開口縁部
32 固定子巻線
21 枠体
21a 凹所
31 主軸
34 駆動綱車
33 椀状回転体
35 電機子
27 支持板
37 電磁ブレーキ装置
28a 枢持ピン
46 電磁装置

Claims (9)

  1. 被制動体の制動面に配置される制動片を備え一端部が回転支持される第一及び第二の制動腕と、上記制動片が上記制動面を押圧し上記被制動体を制動するように上記第一及び第二の制動腕の他端部に設けた制動ばねと、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に動作するように配置し、継鉄及び電磁コイルからなる電磁石、この電磁石の磁極面に対向して設けられた鉄片からなり、電磁石への通電時の電磁吸引力により上記制動ばねのばね力に対抗して上記第一及び第二の制動腕を駆動し、上記制動片の押圧力を解除し上記被制動体の制動を解除する電磁装置とで構成される電磁ブレーキ装置において、
    上記電磁装置は1個の固定電磁石と2個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動鉄片を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記電磁石は2個の電磁コイルとこの2個の電磁コイルに対して共通的に用いられる継鉄からなることを特徴とする電磁ブレーキ装置。
  2. 被制動体の制動面に配置される制動片を備え一端部が回転支持される第一及び第二の制動腕と、上記制動片が上記制動面を押圧し上記被制動体を制動するように上記第一及び第二の制動腕の他端部に設けた制動ばねと、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に動作するように配置し、継鉄及び電磁コイルからなる電磁石、この電磁石の磁極面に対向して設けられた鉄片からなり、電磁石への通電時の電磁吸引力により上記制動ばねのばね力に対抗して上記第一及び第二の制動腕を駆動し、上記制動片の押圧力を解除し上記被制動体の制動を解除する電磁装置とで構成される電磁ブレーキ装置において、
    上記電磁装置は2個の可動電磁石と1個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動電磁石を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記2個の電磁石はそれぞれ電磁コイルと継鉄からなり、この2個の電磁石が前記固定鉄片に対向するようにしたことを特徴とする電磁ブレーキ装置。
  3. 上記電磁装置は上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向或いは押出す方向に電磁吸引力を出力するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の電磁ブレーキ装置。
  4. 上記電磁装置に上記第一及び第二の制動腕を結ぶ方向に対して引込む方向或いは押出す方向に電磁吸引力を出力する出力ロッドを設け、この出力ロッドで上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする請求項3記載の電磁ブレーキ装置。
  5. 上記出力ロッドから回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする請求項4記載の電磁ブレーキ装置。
  6. 上記出力ロッドは上記電磁石の外側に配置したことを特徴とする請求項5記載の電磁ブレーキ装置。
  7. 上記電磁装置に上記第一及び第二の制動腕を結ぶ方向に対して引込む方向或いは押出す方向に電磁吸引力を出力する回転レバーを設け,この回転レバーで上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする請求項3記載の電磁ブレーキ装置。
  8. 開口縁部内周面に固定子巻線が設けられた椀状の枠体と、この枠体の底面から凹所側に突出するように設けられた主軸と、上記枠体の椀状内に配置され、上記主軸に枢持される駆動綱車を有する椀状回転体と、この椀状回転体の外輪部の外周に、上記固定子巻線に対向して配置された電機子と、上記外輪部の内周面に設けられた制動面と、縁部が上記枠体の開口縁部に装着された支持板と、上記制動面を制動する電磁ブレーキ装置とからなるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置において、
    上記電磁ブレーキ装置の電磁装置は1個の固定電磁石と2個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動鉄片を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記電磁石は2個の電磁コイルとこの2個の電磁コイルに対して共通的に用いられる継鉄からなり、上記電磁ブレーキ装置の第一及び第二の制動腕の一端部を上記支持板に枢持ピンで枢持し、他端部を上記開口縁部端を越えて上記枠体の外部に配置し、かつ、制動ばね及び電磁装置は上記枠体の外部に配置して、互いに反対方向に制動動作する二組によって構成し、上記制動ばねの力によって制動片を上記制動面に圧接させて制動し、電磁装置によって制動腕の他端部を駆動させて制動片を制動面から離間させて制動を解除するようにしたことを特徴とするエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置。
  9. 開口縁部内周面に固定子巻線が設けられた椀状の枠体と、この枠体の底面から凹所側に突出するように設けられた主軸と、上記枠体の椀状内に配置され、上記主軸に枢持される駆動綱車を有する椀状回転体と、この椀状回転体の外輪部の外周に、上記固定子巻線に対向して配置された電機子と、上記外輪部の内周面に設けられた制動面と、縁部が上記枠体の開口縁部に装着された支持板と、上記制動面を制動する電磁ブレーキ装置とからなるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置において、
    上記電磁ブレーキ装置の上記電磁装置は2個の可動電磁石と1個の可動鉄片で構成するとともに、上記可動電磁石を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動し、上記2個の電磁石はそれぞれ電磁コイルと継鉄からなり、この2個の電磁石が前記固定鉄片に対向するようにし、上記電磁ブレーキ装置の第一及び第二の制動腕の一端部を上記支持板に枢持ピンで枢持し、他端部を上記開口縁部端を越えて上記枠体の外部に配置し、かつ、制動ばね及び電磁装置は上記枠体の外部に配置して、互いに反対方向に制動動作する二組によって構成し、上記制動ばねの力によって制動片を上記制動面に圧接させて制動し、電磁装置によって制動腕の他端部を駆動させて制動片を制動面から離間させて制動を解除するようにしたことを特徴とするエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置。
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