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JP4354629B2 - Rake合成回路 - Google Patents

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JP4354629B2 JP2000401202A JP2000401202A JP4354629B2 JP 4354629 B2 JP4354629 B2 JP 4354629B2 JP 2000401202 A JP2000401202 A JP 2000401202A JP 2000401202 A JP2000401202 A JP 2000401202A JP 4354629 B2 JP4354629 B2 JP 4354629B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散方式を利用した移動通信システムで用いられるRAKE合成回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スペクトル拡散方式を利用した移動通信システムでは、異なる通信路(パス)を経て受信した複数の受信データをフィンガーと呼ばれる回路で復調し、これらの受信データを合成して通信品質を向上させるRAKE受信方式という手法が用いられている。RAKE受信方式では、合成の際に、各フィンガーからの出力信号に何らかの方法で重み付けが行われている。一般的には、受信データのパワーに基づいて重み付けが行われる場合が多い。
【0003】
図6は、従来のRAKE合成回路の一例の構成概略図である。
同図に示すRAKE合成回路50は、受信データを復調する3つのフィンガー(Figer0,Figer1,Figer2)52a,52b,52cと、これら3つのフィンガー52a,52b,52cに各々対応して設けられた3つの乗算器54a,54b,54cと、これら3つの乗算器54a,54b,54cからの出力信号を加算する加算器56とを備えている。
【0004】
図示例のRAKE合成回路50では、各パスの受信データは、各々のフィンガー52a,52b,52cにより復調される。前述のように、復調後の各パスの受信データには、各々対応する乗算器54a,54b,54cにより、受信データのパワーに基づいて生成された重み係数W0,W1,W2が乗算されて重み付けされ、その後、加算器56により加算されて合成され、信号SYMOUTとして出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、受信データのパワーに基づいて重み付けを行う場合、受信データの中にランダムノイズ成分や干渉成分等が含まれる場合があるので、正確に期待される信号成分の比で合成されるとは限らない。また、フェージング等の影響により受信データ自体の位相が回転している可能性もある。一般的には、パイロットシンボルを用いて位相のずれを推定し、これに応じて受信データを補正する処理が施されるが、この際、その推定値自体に誤差が生じる可能性もある。
【0006】
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、位相誤差や受信レベルの劣化等を考慮して各パスの受信データに重み付けを行うことができるRAKE合成回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、パイロットシンボルおよび受信データの復調回路であって、復調後の1つのパイロットシンボルの位相のずれに応じて、このパイロットシンボル自身の位相を補正した瞬時パイロットシンボル値、および、復調後の複数のパイロットシンボルで平均化した位相のずれに応じて、前記瞬時パイロットシンボル値に対応する同じパイロットシンボルの位相を補正したパイロットシンボル値を出力する少なくとも2つのフィンガーと、前記瞬時パイロットシンボル値と前記パイロットシンボル値との間の直線距離ないしはマンハッタン距離、或いは、これらの直線距離およびマンハッタン距離以外の前記瞬時パイロットシンボル値と前記パイロットシンボル値とを入力とする関数により計算される値(距離)に基づいて、各々の前記フィンガーから出力される復調後の受信データに対応する重み係数を生成する重み係数生成回路と、この重み係数生成回路から出力される重み係数を用いて、各々の前記フィンガーから出力される復調後の受信データを重み付けして合成する合成回路とを備えることを特徴とするRAKE合成回路を提供するものである。
【0008】
ここで、前記重み係数生成回路は、関数式ないしはLUTを用いて、前記直線距離ないしは前記マンハッタン距離、或いは前記関数により計算される値(距離)から前記重み係数を生成するのが好ましい。
また、前記重み係数は、前記直線距離ないしは前記マンハッタン距離、或いは前記関数により計算される値(距離)の逆比であるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、添付の図面に示す好適実施例に基づいて、本発明のRAKE合成回路を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明のRAKE合成回路の一実施例の構成概略図である。
同図に示すRAKE合成回路10は、パイロットシンボルに基づいて2つの受信データを重み付けして合成するもので、2つのフィンガー(FINGER0,FINGER1)12a,12bと、重み係数生成回路(Weight GEN)14と、それぞれのフィンガー12a,12bに対応して設けられた2つの乗算器16a,16bと、加算器18とを備えている。
【0011】
図示例のRAKE合成回路10では、通信情報であるデータ列と共に、ビットパターンや位相が既知の複数種類のパイロットシンボルを受信し、このパイロットシンボルの既知の位相と実際に受信したパイロットシンボルの位相との間のずれを算出し、瞬時パイロットシンボル値(パイロットシンボルのパワーと等価)とこれに対応するパイロットシンボル値との差分に基づいて、各フィンガー12a,12bからの出力信号の重み付けを行う。
【0012】
ここで、瞬時パイロットシンボル値とは、復調後の1つのパイロットシンボルでチャネル推定を行い、その位相のずれに応じて、このパイロットシンボル自身の位相を補正したものである。また、パイロットシンボル値とは、復調後の複数のパイロットシンボルを用いてチャネル推定を行い、複数のパイロットシンボルで平均化した位相のずれに応じて、瞬時パイロットシンボル値に対応する同じパイロットシンボルの位相を補正したものである。
【0013】
図示例のRAKE合成回路10において、まず、フィンガー12a,12bは、パイロットシンボルおよび受信データの復調回路であって、フィンガー(FINGER0)12aに代表的に示すように、受信データの逆拡散回路(DataDesp.)20と、パイロットシンボルの逆拡散回路(Pilot Desp.)22と、位相計算回路(COS/SIN)24と、平均化回路(AVE)26と、遅延回路(Delay)28と、3つの乗算器30,32a,32bとを備えている。
【0014】
ここで、受信データの逆拡散回路20は受信データ(Data Chip)を逆拡散して復調するもので、復調された後の受信データは乗算器32bへ供給される。同じように、パイロットシンボルの逆拡散回路22は、パイロットシンボル(PILOT Chip)を逆拡散して復調するもので、復調された後のパイロットシンボルは、位相計算回路24、遅延回路28および乗算器30へ供給される。
【0015】
続いて、位相計算回路24は、復調後のパイロットシンボルの位相計算を行う。言い換えると、位相が既知のパイロットシンボルを、実際に受信した時の位相のずれ(差分)を計算するもので、その位相計算結果は、平均化回路26および乗算器30へ供給される。なお、位相計算回路24から出力される位相計算結果は、位相角θの形式でもよいが、本実施例の場合には、COSθ(コサイン)/SINθ(サイン)の形式で出力される。
【0016】
平均化回路26は、複数のパイロットシンボルの位相計算結果の平均化を行うもので、平均化後の位相計算結果は乗算器32a,32bへ供給される。また、遅延回路28は、前述のように、平均化回路26が複数のパイロットシンボルの位相計算結果の平均化を行う間の時間、復調後のパイロットシンボルを遅延させて、平均化後の位相計算結果とのタイミングを調整するもので、その遅延出力信号は乗算器32aへ供給される。
【0017】
図示例のフィンガー12a,12bでは、乗算器30により、パイロットシンボルの逆拡散回路22から供給される復調後のパイロットシンボルと位相計算回路24から出力される復調後のパイロットシンボルの位相計算結果とが乗算され、復調後のパイロットシンボルの瞬時パイロットシンボル値(Iinst,Qinst)が算出される。フィンガー12a,12bから出力される瞬時パイロットシンボル値は共に重み係数生成回路14へ供給される。
【0018】
また、乗算器32aにより、遅延回路28から出力される遅延出力信号と平均化回路26から出力される平均化後の位相計算結果とが乗算され、遅延出力信号、すなわち、復調後にタイミング調整のために遅延されたパイロットシンボルの位相が補正され、そのパイロットシンボル値(Idemod ,Qdemod )が算出される。フィンガー12a,12bから出力されるパイロットシンボル値も共に重み係数生成回路14へ供給される。
【0019】
同じように、乗算器32bにより、受信データの逆拡散回路20から出力される復調後の受信データと平均化回路26から出力される平均化後の位相計算結果とが乗算され、復調後の受信データの位相が補正される。フィンガー12a,12bから出力される補正後の復調後の受信データは、各々対応する乗算器16a,16bへ供給される。
【0020】
続いて、RAKE合成回路10において、重み係数生成回路14は、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との差分に基づいて、各フィンガー12a,12bから出力される復調後の受信データに重み付けを行う重み係数W0,W1を生成するもので、それぞれの重み係数W0,W1は乗算器16a,16bに供給される。これにより、位相誤差、受信レベルの劣化等が補正された精度の高い最大比合成が実現可能である。
【0021】
図1に示すRAKE合成回路10において、乗算器16a,16bおよび加算器18は、各々のフィンガー12a,12bからの出力信号の合成回路を構成する。この合成回路では、乗算器16a,16bにより、フィンガー12a,12bから出力される復調後の受信データと重み係数生成回路14から出力される重み係数W0,W1とが乗算されて重み付けされ、加算器18により加算されて合成され、信号SYMOUTとして出力される。
【0022】
次に、重み係数生成回路14について説明する。
【0023】
まず、図2は、本発明に係る重み係数生成回路の一実施例の構成概略図である。同図に示す重み係数生成回路14aは、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間の差分として直線距離を求め、その逆比を算出することにより重み係数W0,W1を生成するもので、各々のフィンガー12a,12bに対応して設けられた差分生成回路34a,34bと、逆比生成回路36とを備えている。
【0024】
ここで、差分生成回路34a,34bは、図3のグラフに示すように、例えば下記式(1)により、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間の直線距離を算出するもので、その算出結果α、βは逆比生成回路36へ供給される。ここで、算出結果α、βは、その値、すなわち、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間のずれが大きいほど信頼性が低く、小さいほど信頼性が高いと判断することができる。
【0025】
(Idemod −Iinst2 +(Qdemod −Qinst2 …(式1)
【0026】
また、逆比生成回路36は、差分生成回路34a,34bから出力される算出結果α、βに基づいて、各々フィンガー12a,12bに対応する重み係数W0,W1を生成する。本実施例の場合、逆比生成回路36は、例えば関数式等により、算出結果α、βから、その逆比β/(α+β)、α/(α+β)を算出する。これにより、信頼性の低いフィンガー12aの重みを低くし、信頼性の高いフィンガー12bの重みを高くすることができる。なお、関数式の内容は何ら限定されない。
【0027】
また、図4は、本発明に係る重み係数生成回路の別の実施例の構成概略図である。同図に示す重み係数生成回路14bは、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間のマンハッタン距離(差分)に基づいて、その逆比を算出することにより重み係数W0,W1を生成するもので、各々のフィンガー12a,12bに対応して設けられた差分生成回路38a,38bと、係数変換回路40とを備えている。
【0028】
ここで、差分生成回路38a,38bは、図5のグラフに示すように、例えば下記式(2)により、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間の差分としてマンハッタン距離を算出するもので、その算出結果α’、β’は係数変換回路40へ供給される。このように、直線距離ではなく、マンハッタン距離を算出することにより、計算を簡略化することができ、ハードウェアコストを削減することができる。
【0029】
ABS(Idemod −Iinst)+ABS(Qdemod −Qinst)…(式2)
【0030】
また、係数変換回路40は、差分生成回路38a,38bから出力される算出結果α’、β’を、各々フィンガー12a,12bに対応する重み係数W0,W1に変換する。本実施例の場合、係数変換回路40は、関数式等により重み係数W0,W1を算出するのではなく、LUT(ルックアップテーブル)を用いて、算出結果α’、β’に対応する重み係数W0,W1変換する。なお、LUTの内容(重み付けの方法)は何ら限定されない。
【0031】
重み係数生成回路14a,14bでは、複数の関数式やLUTを用意しておき、例えば回路動作を制御するDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等で動作するソフトウェアの制御により、必要に応じて関数式やLUTの内容を随時変更することも可能である。これにより、例えば電波状況に応じて各パスの重み付けを行うこともできる。例えば、ある一定レベルに達しないパスの重み係数を0にすれば、RAKE合成時に不要な演算が行われず、低消費電力化が図れる。
【0032】
なお、図1に示すRAKE合成回路10では、フィンガーの個数を2個としたが、これに限定されず、必要に応じてフィンガーの個数を決めればよい。また、図2および図4に示す重み係数生成回路14a,14bでは、逆比生成回路36および係数変換回路40として、それぞれ関数式およびLUTを例示したが、これとは逆に、重み係数生成回路14aで係数変換回路40を使用し、重み係数生成回路14bで逆比生成回路36を使用してもよい。
【0033】
また、パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間の差分の算出手段として、上記実施例では、直線距離およびマンハッタン距離を例示したが、これも限定されず、これら以外の手段で差分を算出するようにしてもよい。また、差分生成回路34a,34b,38a,38bの具体的な回路構成についても何ら限定されず、同一機能を実現するものであれば、どのような回路構成であってもよい。
【0034】
本発明のRAKE合成回路は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明のRAKE合成回路について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明のRAKE合成回路は、瞬時パイロットシンボル値およびパイロットシンボル値を算出し、これらの瞬時パイロットシンボル値とパイロットシンボル値との差分に基づいて重み係数を生成し、この重み係数を用いて、各々のフィンガーから出力される復調後の受信データを重み付けして合成するようにしたものである。
これにより、本発明のRAKE合成回路によれば、位相誤差や受信レベルの劣化等を考慮して各パスの受信データに重み付けを行うことができ、より正確に各パスの受信データを合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のRAKE合成回路の一実施例の構成概略図である。
【図2】 重み係数生成回路の一実施例の構成概略図である。
【図3】 パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間の関係を表す一実施例のグラフである。
【図4】 重み係数生成回路の別の実施例の構成概略図である。
【図5】 パイロットシンボル値と瞬時パイロットシンボル値との間の関係を表す別の実施例のグラフである。
【図6】 従来のRAKE合成回路の一例の構成概略図である。
【符号の説明】
10,50 RAKE合成回路
12a,12b,52a,52b,52c フィンガー
14,14a,14b 重み係数生成回路
16a,16b,30,32a,32b,54a,54b,54c 乗算器
18,56 加算器
20 受信データの逆拡散回路
22 パイロットシンボルの逆拡散回路
24 位相計算回路
26 平均化回路
28 遅延回路
34a,34b 差分生成回路
36 逆比生成回路
34a,34b,38a,38b 差分生成回路
36 逆比生成回路
40 係数変換回路

Claims (3)

  1. パイロットシンボルおよび受信データの復調回路であって、復調後の1つのパイロットシンボルの位相のずれに応じて、このパイロットシンボル自身の位相を補正した瞬時パイロットシンボル値、および、復調後の複数のパイロットシンボルで平均化した位相のずれに応じて、前記瞬時パイロットシンボル値に対応する同じパイロットシンボルの位相を補正したパイロットシンボル値を出力する少なくとも2つのフィンガーと、前記瞬時パイロットシンボル値と前記パイロットシンボル値との間の直線距離ないしはマンハッタン距離、或いは、これらの直線距離およびマンハッタン距離以外の前記瞬時パイロットシンボル値と前記パイロットシンボル値とを入力とする関数により計算される値(距離)に基づいて、各々の前記フィンガーから出力される復調後の受信データに対応する重み係数を生成する重み係数生成回路と、この重み係数生成回路から出力される重み係数を用いて、各々の前記フィンガーから出力される復調後の受信データを重み付けして合成する合成回路とを備えることを特徴とするRAKE合成回路。
  2. 前記重み係数生成回路は、関数式ないしはLUTを用いて、前記直線距離ないしは前記マンハッタン距離、或いは前記関数により計算される値(距離)から前記重み係数を生成することを特徴とする請求項に記載のRAKE合成回路。
  3. 前記重み係数は、前記直線距離ないしは前記マンハッタン距離、或いは前記関数により計算される値(距離)の逆比であることを特徴とする請求項1または2に記載のRAKE合成回路。
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