以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の遊技機用基板ボックスの一実施例である基板ボックス1が配設されたパチンコ機50の裏面図である。図1に示すように、基板ボックス1は、薄板鋼材等で構成された薄皿状の取付部材53により、遊技機の一種であるパチンコ機50の遊技盤51の裏面に設けられた入賞球集合カバー52に取り付けられている。基板ボックス1は、パチンコ機50の遊技内容に関する制御プログラムやデータを記憶したROM等の電子部品(制御部品)が搭載された回路基板7(図2参照)を被包して封印するためのものであり、主に、ボックス本体2と、そのボックス本体2に覆設されるボックス蓋体3とを備えている。尚、図1では、後述する位置決め部材4,6、仕切部材5及びROM等の電子部品を搭載した回路基板7を省略して図示している。
次に、図1から図7を参照して、基板ボックス1の詳細について説明する。図2は、基板ボックス1の分解斜視図であり、図3は、ボックス本体2に合致されたボックス蓋体3がスライドされて結合される以前の状態における基板ボックス1の側断面図である。尚、図2及び図3中の矢印Aは、ボックス蓋体3をボックス本体2に結合するために、ボックス蓋体3をボックス本体2に対して相対的にスライドさせる方向を示している。
図2に示すように、ボックス本体2およびボックス蓋体3は、いずれも略矩形皿状に形成されており、後述する回路基板7をボックス本体2内に収容(設置)した状態で、互いの開口面(開放部分)を対向させ合致(合体)させることにより、ボックス本体2にボックス蓋体3が覆設されて、回路基板7を基板ボックス1内に被包することができる。尚、図2では、ボックス蓋体3を裏面(後面)側から斜視しており、回路基板7の部品面71(図2の裏側面)に搭載される電子部品を省略して図示している。
ボックス本体2は、後述する回路基板7が設置される略平板状の底板2aと、その底板2aの長手方向(図2の上下方向)における両端から前方(図2の手前側)へ立設された一対の壁板2b,2cとを備えている。このボックス本体2には、その壁板2b,2cの外面にボックス封印具10の封印ユニット20がそれぞれ配設されている。尚、ボックス封印具10の封印ユニット20についての説明は後述する。
ボックス本体2には、上述した底板2aおよび一対の壁板2b,2cによって、回路基板7を収容するための空間である収容空間2jが構成されている。この収容空間2jは、その長手方向(図2の上下方向)幅、即ち、一対の壁板2b,2cの対向面間幅が幅長L1に形成されており、回路基板7の長手方向(図2の上下方向)における幅長L2より大きく形成されている(L1>L2)。
しかも、収容空間2jの幅長L1及び回路基板7の幅長L2は、その方向がボックス蓋体3のスライド方向(図2の矢印A方向)と一致している。このため、図3に示すように、ボックス蓋体3とボックス本体2とが合致され、かつ、ボックス蓋体3が矢印A方向へスライドされる以前の状態では、収容空間2jの壁板2cとその壁板2cと対向する回路基板7端部(図2及び図3の下側端)との間に幅長L1と幅長L2の差分長さの空隙L3(=L1−L2)を設けることができる。よって、かかる空隙L3が設けられることにより、回路基板7は、後述するように、ボックス蓋体3の矢印A方向へ向けたスライドに伴って、収容空間2j内を矢印A方向へスライドすることができるのである。
図2に示すように、収容空間2jには、その底板2a前面における切欠部2d側縁部の壁板2c側隅(図2の左下側)に略円柱状のスペーサ2a1が突設されており、その底板2a前面の壁板2c側縁部略中央に略板状のスペーサ2a2が底板2a及び壁板2cに跨って突設されている。また、収容空間2jには、その底板2a前面の切欠部2h側縁部(図2の右側)に底板2aの長手方向(図2の上下方向)へ向けて連続した略板状のスペーサ2a3が立設されている。
更に、図3に示すように、収容空間2jには、その底板2a前面における切欠部2d側縁部の壁板2b側隅(図3の上側)であって、上述したスペーサ2a1の上方位置に略円柱状のスペーサ2a4が突設されており、その底板2aの壁板2b側縁部であって、上述したスペーサ2a2の上方位置に略板状のスペーサ2a5が底板2a及び壁板2bに跨って突設されている。尚、スペーサ2a4は、スペーサ2a1と上下対称に形成され、スペーサ2a5はスペーサ2a2と上下対称に形成されている。
これらのスペーサ2a1〜2a5は、ボックス本体2内に回路基板7が収容される場合に、回路基板7の半田面72側縁部(図2の手前側面)に当接して回路基板7を支持するものであり、回路基板7と底板2aとの間に隙間を設けて、その半田面72と底板2aとの接触を防止することができる。よって、収容空間2j内で回路基板7をボックス蓋体3と共にスライドさせる場合には、回路基板7と底板2aとの間に隙間により、回路基板7の半田面72から底板2aへ向けて突出する電子部品等の接続用ピン(図示せず)などが底板2aに引っ掛かることが防止されるので、回路基板7を収容空間2j内で円滑にスライドさせることができる。しかも、これらのスペーサ2a1〜2a5は、底板2aからの突出高さが略等しくされており、回路基板7を収容空間2j内にガタつかせずに収容することができる。
尚、図2では、スペーサ2a4及びスペーサ2a5を省略して図示し、図3では、スペーサ2a3を省略して図示している。
図2に示すように、ボックス本体2の底板2aの一側縁部(図2の左側)には、側面視略コ字状に開口された切欠部2dが形成されており、その切欠部2dの底板2a側縁部には、略同一形状の矩形枠状体に形成された4つの係止枠2d1が底板2aの長手方向(図2の上下方向)に略等間隔で設けられている。この4つの係止枠2d1は、後述するボックス蓋体3の4つの係止爪3d1を回動可能かつ摺動可能に係止するためのものであり、各係止枠2d1には各係止爪3d1が挿入可能な係止溝2d2がそれぞれ穿設されている。
これらの各係止溝2d2は、ボックス蓋体3の4つの係止爪3d1をボックス本体2の長手方向へ向けて摺動可能に係止するために、ボックス本体2の長手方向、即ち、底板2aの長手方向幅が幅長W1の長溝状にそれぞれ形成されている。しかも、これらの各係止溝2d2の長手方向両端側には、ボックス蓋体3の各係止爪3d1の摺動位置を制限する制限壁2d3がそれぞれ設けられている。よって、これらの各制限壁2d3により、ボックス蓋体3がボックス本体2に対して相対的にスライドする際に、ボックス蓋体3の各係止爪3d1の摺動量が制限され、ボックス蓋体3の相対的なスライドが規制されるのである。
ボックス本体2の壁板2bには矩形板状のロック板2eが外方(図2の上方)へ向けて突設される一方、ボックス本体2の壁板2cには後述するボックス蓋体3のロック板3eが係止される矩形平板状の結合板2fが配設されている。この結合板2fには後述するロック板3eが挿入可能な結合口2gが穿設されており、ボックス本体2に合致されたボックス蓋体3を矢印A方向へスライドさせると、かかる結合口2gへロック板3eを挿入することができる。その結果、ボックス蓋体3のロック板3eはボックス本体2の結合板2fに係止され、ボックス本体2およびボックス蓋体3が結合されるので、かかる結合状態で、ボックス蓋体3が各係止枠2d1及び後述する各係止爪3d1を介して回動され開放されることを防止することができるのである。
また、ボックス本体2の底板2aの他側縁部(図2の右側)には、側面視略コ字状に開口された切欠部2hが形成されており、この切欠部2hは、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設された場合に、基板ボックス1に収納された回路基板7に接続されるケーブル(配線部材)を導出するための導出口を構成する。
ボックス蓋体3は、ボックス本体2の底板2aに対向してボックス本体2の開口面(図2の手前側)を覆う略平板状の天板3aと、その天板3aの長手方向(図2の上下方向)における両端に立設された一対の壁板3b,3cと、天板3aの一側縁部(図2右側)から外方へ傾斜した傾斜壁板3dとを備えている。このボックス蓋体3には、前記したボックス本体2に配設される封印ユニット20に対向して封印ユニット30がその側壁3b,3cにそれぞれ配設されている。尚、ボックス封印具10の封印ユニット30についての説明は後述する。
ボックス蓋体3の傾斜壁板3dは、天板3aの一側縁部(図2の右側)から傾斜しつつ延出されており、その延出部分の長手方向(図2の上下方向)縁部に上述した各係止枠2d1に対応しつつ略等間隔で4つの係止爪3d1がそれぞれ設けられている。これらの各係止爪3d1の先端部分は略J字状にそれぞれ屈曲されて形成されており、かかる係止爪3d1の先端部分を係止枠2d1の係止溝2d2に挿入することにより、各係止爪3d1が各係止枠2d1に係止されるのである。また、各係止爪3d1の長手方向幅は幅長W2に形成され、各係止溝2d2の幅長W1より幅狭に形成されている(W1>W2)。このため、図3に示すように、各係止爪3d1が係止された各係止溝2d2内には、係止爪3d1と係止溝2d2の長手方向における差分長さ分の空隙W3(=W1−W2)が設けられている。
よって、図3に示すように、ボックス蓋体3は、各係止爪3d1が係止溝2d2に挿入された場合に、係止溝2d2および係止爪3d1の空隙W3分だけ、その長手方向下側(図2の矢印A方向)へ向けてボックス本体2に対してスライドすることができる。即ち、空隙W3は、ボックス蓋体3のボックス本体2に対する相対的なスライド量と一致するのである。
しかも、ボックス蓋体3のボックス本体2に対するスライド量と一致する係止溝2d2および係止爪3d1の空隙W3は、上述したボックス本体2の収容空間2jと回路基板7との空隙L3より小さくされている(L3>W3)。よって、図3に示す状態からボックス蓋体3と共に回路基板7を矢印A方向への空隙W3の長さ分スライドさせる場合に、回路基板7における壁板2cとの対向端(図3の下側)がボックス本体2の壁板2bと衝突して破損することを防止することができるのである。
図2に示すように、ボックス蓋体3の壁板3cには矩形板状のロック板3eが外方(図2の下方)へ向けて突設される一方、ボックス蓋体3の壁板3bには上述したボックス本体2のロック板2eが係止される矩形平板状の結合板3fが配設されている。この結合板3fには上述したロック板2eが挿入可能な結合口3gが穿設されており、ボックス本体2に合致されたボックス蓋体3を矢印A方向へスライドさせると、かかる結合口3gへロック板2eを挿入することができる。その結果、ボックス本体2のロック板2eはボックス蓋体3の結合板3fに係止され、ボックス本体2およびボックス蓋体3が結合されるので、かかる結合状態で、ボックス蓋体3が各係止枠2d1及び後述する各係止爪3d1を介して回動され開放されることを防止することができるのである。
ボックス蓋体3の壁板3cの内側面には略L字板状の内壁板3hが隣接して形成されている。この内壁板3hは、天板3aから回路基板7側へ向けて立設されており、その端部が壁板3cの端部より突出して形成されている。このため、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設された場合に、内壁板3hの端部はボックス本体2の壁板2c前端より底板2a側へ突出するのである。
よって、ボックス本体2に覆設されたボックス蓋体3を矢印A方向へスライドした場合に、内壁板3h端部をボックス本体2の壁板2c前端に引っ掛けることができる。このように、内壁板3hが壁板2cに引っ掛かることにより、ボックス蓋体3の矢印A方向へのスライドを停止させることができ、ボックス蓋体3をボックス本体2に確実に合致させることができる。
また、上述した傾斜壁板3dにおけるボックス蓋体3の長手方向両側近傍には、天板3a側端(図2左側)から係止爪3d1側端(図2右側)へ向けて略円柱状の位置決め部材4,4がそれぞれ立設されている。この一対の位置決め部材4,4は、後述する回路基板7をボックス蓋体3の所定位置に位置決めするためのものである。位置決め部材4,4は、ボックス蓋体3に一体成形されており、ボックス蓋体3と同様に、耐衝撃性を有するポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等で構成されている。
位置決め部材4,4は、その先端(図2の右側)に略円柱状の位置決め突起4a,4aがそれぞれ突設されている。これらの位置決め突起4a,4aは、その外形が後述する回路基板7に穿設される位置決め穴7g,7gの開口形状に適合して形成されており、かかる位置決め穴7g,7gに嵌合可能に形成されている。よって、位置決め突起4a,4aが回路基板7の位置決め穴7g,7gに嵌合することにより、回路基板7をボックス蓋体3に位置決めすることができる。しかも、かかる位置決め部材4,4が回路基板7の各位置決め穴7g,7gに嵌合することにより、回路基板7はボックス蓋体3に引っ掛けられるので、ボックス蓋体3がスライドされる場合に、ボックス蓋体3と共に回路基板7をボックス本体2の収容空間2j内で矢印A方向へ向けてスライドさせることができるのである。
また、各位置決め部材4,4の各位置決め突起4a,4aは、その突出長さが回路基板7の板厚より小さく形成されており、回路基板7の位置決め穴7g,7g内に嵌合される場合に、回路基板7の半田面72側から突出することが防止されている(図3参照)。よって、ボックス蓋体3と共に回路基板7をボックス本体2の収容空間2j内でスライドさせる場合に、位置決め部材4,4の各位置決め突起4a,4aがボックス本体2の底板2aなどに引っ掛かることが防止されるので、回路基板7を収容空間2j内で円滑にスライドさせることができるのである。
ボックス蓋体3における傾斜壁板3dの反対側縁部(図2の左側)には、その長手方向(図2の上下方向)のほぼ全域に、天板3aから回路基板7側へ向けて仕切部材5が立設されている。この仕切部材5は、ボックス本体2と一体成形されており、ボックス本体2と同様に、耐衝撃性を有するポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等で構成されている。
仕切部材5は、ボックス蓋体3の天板3aに対して略直角方向へ向けて連接されつつ立設される略板状の遮蔽壁5aと、その遮蔽壁5aにおける天板3aの反対側端部からボックス蓋体3の外方(図2の左方)へ向けて略直角に延出される略平板状の覆設板5bとを備えている。仕切部材5は、基板ボックス1内に回路基板7が収納された場合に、回路基板7におけるコネクタ7b〜7f配置側縁部に配置されるように構成されており、その遮蔽壁5aにより基板ボックス1の内外部を仕切り、基板ボックス1の外部からの回路基板7への接触行為を防止することができる。
遮蔽壁5aは、その長手方向(図2の上下方向)両側に、ボックス蓋体3をボックス本体2に固定するビス9,9が挿入可能な通穴5c,5cがそれぞれ穿設されている。各通穴5c,5cは、ボックス蓋体3の天板3a外面(図2の裏側面)から仕切部材5の覆設板5b側端面(図2の手前側面)に貫通してそれぞれ穿設されるとともに、後述する回路基板7の各通穴7a,7aにそれぞれ対応して穿設されている。よって、基板ボックス1内に回路基板7が収納された場合には、図4に示すように、ビス9,9を各通穴5c,5cにそれぞれ挿入することにより、これらのビス9,9のねじ部先端は、回路基板7の各通穴7a,7aを通過しボックス本体2の底板2aに到達するので、各ビス9,9をボックス本体2の底板2aにねじ込み、仕切部材5を介してボックス蓋体3及び回路基板7をボックス本体2にまとめてねじ止めすることができる。
また、図2に示すように、仕切部材5の覆設板5bには、回路基板7との当接面(図2手前側面)に正面視略矩形状に形成された5つのコネクタ口5d〜5hが穿設されている。この各コネクタ口5d〜5hは、その断面形状が後述する回路基板7に配置された5つのコネクタ7b〜7fの外形に適合してそれぞれ形成されており、かかるコネクタ7b〜7fが挿嵌可能に形成されている。
よって、図4に示すように、仕切部材5が回路基板7の縁部(図4の右側)に配置される場合には、回路基板7の各コネクタ7b〜7fを仕切部材5の各コネクタ口5d〜5hに挿嵌された各コネクタ7b〜7fを基板ボックス1の外部に露出させることができるのである。しかも、覆設板5bは、その各コネクタ口5d〜5hの断面形状が各コネクタ7b〜7fの外形に適合して形成されているので、各コネクタ口5d〜5hから回路基板7における各コネクタ7b〜7f以外の部分を覆い隠して、回路基板7への接触行為を防止することができる。
また、これらのコネクタ口5d〜5hは、その断面形状が回路基板7の各コネクタ7b〜7fの外形に適合して形成されているので、これらの各コネクタ7b〜7fが挿嵌されることにより、回路基板7を仕切部材5の所定位置に位置決めすることもできる。しかも、回路基板7は、そのコネクタ7b〜7f及び覆設板5bのコネクタ口5d〜5hを介して、仕切部材5に引っ掛けられるので、ボックス蓋体3がスライドされる場合に、ボックス蓋体3及び仕切部材5と共に回路基板7をボックス本体2の収容空間2j内で矢印A方向へ向けてスライドさせることができるのである。
仕切部材5の長手方向(図2の上下方向)両側近傍には、天板3a側端(図2の左側)から覆設板5b側端(図2の右側)へ向けて略円柱状の位置決め部材6,6がそれぞれ立設されている。この一対の位置決め部材6,6は、後述する回路基板7を仕切部材5の所定位置に位置決めするためのものである。位置決め部材6,6は、ボックス蓋体3及び仕切部材5に一体成形されており、ボックス蓋体3及び仕切部材5と同様に、耐衝撃性を有するポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等で構成されている。
位置決め部材6,6は、その先端(図2の右側)に略円柱状の位置決め突起6a,6aがそれぞれ突設されている。これらの位置決め突起6a,6aは、その外形が後述する回路基板7に穿設される位置決め穴7h,7hの開口形状に適合して形成されており、かかる位置決め穴7h,7hに嵌合可能に形成されている。よって、位置決め突起6a,6aが回路基板7の位置決め穴7h,7hに嵌合することにより、回路基板7を仕切部材5の所定位置に位置決めすることができる。しかも、かかる位置決め部材6,6が回路基板7の各位置決め穴7h,7hに嵌合することにより、回路基板7はボックス蓋体3及び仕切部材5に引っ掛けられるので、ボックス蓋体3及び仕切部材5がスライドされる場合に、これらと共に回路基板7をボックス本体2の収容空間2j内で矢印A方向へ向けてスライドさせることができるのである。
このように、仕切部材5が一体成形されたボックス蓋体3によれば、上述した位置決め部材4,4及び位置決め部材6,6により、回路基板7の四隅が位置決めされるので、回路基板7をガタつかせることなくボックス蓋体3に仮止めすることができるのである。
しかも、かかる位置決め部材4,4及び位置決め部材6,6は、その位置決め突起4a,4a及び位置決め突起6a,6aが回路基板7の各位置決め穴7g,7g及び位置決め穴7h,7hにそれぞれ嵌合され、回路基板7の四隅を位置決めするので、ボックス蓋体3がボックス本体2に対して相対的にスライドされる場合に、収容空間2j内でスライドされる回路基板7がそのスライド方向に対して傾きズレることを防止して、円滑にスライドさせることができる。
また、各位置決め部材6,6の各位置決め突起6a,6aは、その突出長さが回路基板7の板厚より小さく形成されており、回路基板7の位置決め穴7h,7h内に嵌合される場合に、回路基板7の半田面72側から突出することが防止されている。よって、ボックス蓋体3と共に回路基板7をボックス本体2の収容空間2j内でスライドさせる場合に、位置決め部材6,6の各位置決め突起6a,6aがボックス本体2の底板2aなどに引っ掛かることが防止されるので、回路基板7を収容空間2j内で円滑にスライドさせることができるのである。
回路基板7は、ボックス蓋体3の天板3aと対向する部品面71にパチンコ機50の遊技内容に関する制御プログラムやデータを記憶したROM等の電子部品(図示せず)が搭載されるものであり、矩形薄板状に形成されている。この回路基板7は、仕切部材5に対向する縁部(図2の左側)における長手方向(図2の上下方向)両端近傍に上述したビス9,9が挿入可能な2つの通穴7a,7aがそれぞれ穿設されている。また、回路基板7の部品面71における仕切部材5との対向部分(図2の左側)には複数(5個)の雄型のコネクタ7b〜7fが配置されている。これらのコネクタ7b〜7fは、図4に示すように、仕切部材5が回路基板7の右側縁部に配置される場合に、仕切部材5の各コネクタ口5d〜5hに挿嵌可能にそれぞれ形成されている。よって、かかる各コネクタ7b〜7fを仕切部材5の各コネクタ口5d〜5hに挿嵌することにより、各コネクタ7b〜7fを基板ボックス1の外部に露出させることができるのである。
また、図2に示すように、回路基板7の上部に配置されるコネクタ7bは、アース線(配線部材)の一端に配設される雌型のコネクタBが嵌合可能に形成されている。また、他のコネクタ7c〜7fには、フラットケーブル(配線部材)の一端に配設される雌型のコネクタC〜Fが嵌合可能に形成されている。尚、図2では、アース線およびフラットケーブルの図示を省略している。
また、回路基板7の一側縁部(図2右側)には、上述した位置決め部材4,4の各位置決め突起4a,4aに対応して、開口形状が略円形状の位置決め穴7g,7gがそれぞれ突設される一方、回路基板7の他側縁部(図2左側)には、上述した位置決め部材6,6の各位置決め突起6a,6に対応して、開口形状が略円形状の位置決め穴7h,7hがそれぞれ突設されている。位置決め穴7g,7gは、その開口形状が上述した位置決め突起4a,4aの外形に適合して形成されており、かかる位置決め突起4a,4aを嵌合可能に形成されている。一方、位置決め穴7h,7hは、その開口形状が上述した位置決め突起6a,6aの外形に適合して形成されており、かかる位置決め突起6a,6aを嵌合可能に形成されている。
また、ボックス本体2の底板2aの裏面には、遊技機50に配設される取付部材53(図1参照)に基板ボックス1を掛止するためのボックスロック板8が取着される。このボックスロック板8は透明なABS樹脂等の合成樹脂等で略台形薄板状に形成されており、ボックス本体2の底板2aの裏面(図2の奥側)にねじ止め等により取着されている。
図4は、基板ボックス1の組立後の外観斜視図である。図4に示すように、ボックス蓋体3の前面上下部分には上述したビス9,9が挿入可能な5c,5cがそれぞれ穿設されている。この各通穴5c,5cは、上述した回路基板7の各通穴7a,7aに対応して穿設されており、ボックス本体2にボックス蓋体3を覆設した場合に、ボックス蓋体3の天板3a外面側(図4の手前側面)から各通穴5c,5cへそれぞれ挿入されたビス9,9を回路基板7の各通穴7a,7aを通過させてボックス本体2の底板2aにねじ込み、ボックス蓋体3、仕切部材5及び回路基板7をボックス本体2にまとめて固定することができる。
ボックス蓋体3における各通穴5c,5cが穿設された部分には、封印シール10,10が貼付されている。この封印シール10,10は、特殊な粘着材が塗布されたシール材で構成されており、この封印シール10,10が貼付された後に剥がされると、シール材から粘着材が剥がれてしまう。よって、一度剥がされた封印シール10,10を再度貼付することができないので、封印シール10,10が不正に剥がされた場合には、かかる不正行為を容易に発見することができるのである。
また、封印シール10,10は、ボックス本体2とボックス蓋体3とに跨って貼付され、基板ボックス1の開封を防止するように貼付される。この場合、各封印シール10,10は各通穴5c,5cに覆い被さるように貼付されるので、各通穴5c,5cに挿入されたビス9,9の抜き取り行為を防止することができるのである。
次に、図5から図7を参照して基板ボックス1に配設されたボックス封印具10について説明する。図5は、基板ボックス1に配設されたボックス封印具10の拡大斜視図である。図5に示すように、ボックス封印具10は、基板ボックス1を封印するための封印ねじ11と、その封印ねじ11が螺入されるナット12と、封印ねじ11を係止するための係止座金(抜け止め手段)13と、ナット12および係止座金13が配置される4つの封印部材21を有する封印ユニット20と、各封印部材21に対向してボックス蓋体3に配設される4つの封印部材31を有する封印ユニット30と、封印ねじ11の予備用の部材である予備ねじ14とを備えている。
封印ねじ11は、封印ユニット20,30における各封印部材21,31を連結するためのものであり、ステンレス鋼材等の金属材料で構成されている。封印ねじ11は、封印部材21,31に挿入される略円柱状の軸部11aを備え、その軸部11aの先端部11cには係止座金13の内孔13bを押し広げるための先細状のテーパ部T1が形成され、そのテーパ部T1の上部には係止座金13の内孔13bが填り込み可能な係止溝11fが周設されている。
この係止溝11fの上部にはおねじの螺刻されたおねじ部11dが形成されており、おねじ部11dはナット12内に螺刻されためねじ部12cに螺合可能に形成されている。また、おねじ部11dの上部には円柱状の非おねじ部11eが形成されており、非おねじ部11eの外径はナット12のめねじ部12cの内径より小さく形成されている。よって、封印ねじ11がナット12に螺入され基板ボックス1が封印された場合、封印ねじ11の非おねじ部11eをナット12のめねじ部12c内に挿設することができる(図7参照)。
軸部11aの上端には略半球状の頭部11bが一体成形されている。頭部11bは、その外径が軸部11aの外径より大きく形成され、封印部材31の係合穴31aに係合可能に形成されている。また、頭部11bの上面には、スクリュードライバ等のねじ回し工具が係合可能な上面視略十字状の係合溝11gが凹設されている。よって、この係合溝11gにスクリュードライバ等のねじ回し工具を係合させることにより、封印ねじ11をねじ込み方向および反ねじ込み方向の双方に回転することができる。尚、封印ねじ11と予備ねじ14は略同一形状に形成されているので、予備ねじ14の説明は省略する。
ナット12は、封印ねじ11および係止座金13を封印部材21内に保持するためのものであり、封印部材21に嵌合可能に形成されている。ナット12は、真鍮等の金属材料から構成されており、略円盤状に形成されたナット頭部12aと、そのナット頭部12aより外径が小さく形成された略円柱状の円筒部12bと、封印ねじ11のおねじ部11dに螺合可能なめねじが形成されためねじ部12cと、そのめねじ部12cに連通して穿設された保持穴12d(図7参照)とを備えている。
ナット頭部12aは、封印部材21の嵌合穴21aに嵌合可能に形成されており、そのナット頭部12aの下方に形成された円筒部12bは、封印部材21の嵌合穴21bに嵌合可能に形成されている。この円筒部12bの外周面にはローレット切りが施されているので、嵌合穴21bに嵌合された際に円筒部12bの外周面を嵌合穴21bの内壁に引っ掛かけることができる。よって、ナット12を嵌合穴21b内に保持することができ、ナット12の抜き取りを抑制することができる(図7参照)。
係止座金13は、封印ねじ11の係止溝11fを介して、封印ねじ11を封印部材21内に係止するためのものであり、バネ鋼材等を用いて上面視略O字形に形成されたプッシュナットである。係止座金13は、その略中央部分に略すり鉢状に凹設された受け部13aを有しており、この受け部13aの略中央部分には、略円形状の内孔13bが穿設されている。このため、この係止座金13の受け部13aは、封印ねじ11の先端部11cを、内孔13bへと案内することができる。
受け部13aには、複数の切欠が略等配分で設けられており、かかる切欠は内孔13bに連通して形成されている。よって、係止座金13の内孔13bに封印ねじ11の先端部11cが挿入された場合に、先端部11cのテーパ部T1を介して受け部13aを弾性変形させて、係止座金13の内孔13bを押し広げることができるのである。尚、係止座金13は、封印部材21の嵌合穴21b内であって、ナット12の下方に配置される(図7参照)。
封印ユニット20は、封印ねじ11および封印ユニット30を介して、基板ボックス1を封印するためのものである。封印ユニット20は、ボックス本体2と同様に、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する透明な合成樹脂材料で形成されており、ボックス本体2の側壁2b,2cにそれぞれ配設されている(図2参照)。この封印ユニット20は、ナット12および係止座金13が配置される4つの封印部材21と、各封印部材21とボックス本体2の側壁2b(側壁2c)とを互いに連結する4つの連結部材22と、封印ねじ11の予備用の部材である予備ねじ14を保持するために設けられた3つの予備ねじ保持部材23とを備えている。
封印部材21は、略円柱状に形成されており、その一部が平板状の連結部材22によりボックス本体2の側壁2bに連結されている。連結部材22により連結された封印部材21とボックス本体2の側壁2bとの間には、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことが可能な間隔が形成されており、連結部材22を切断して封印部材21を除去する場合に、ニッパ等の工具を用いて連結部材22を容易に切断することができる。尚、図2に示すように、ボックス本体2の側壁2cにも同様に、連結部材22により封印部材21が連結されている。
図5に示すように、ボックス本体2の側壁2bに配設された4つの封印部材21のうち、図5の右側に配設された3つの封印部材21の外周面の一側(図5の左側)には予備ねじ保持部材23がそれぞれ一体に形成されている。この予備ねじ保持部材23は、予備ねじ14を保持するためのものであり、その上面には、予備ねじ14を挿入可能に形成された予備ねじ保持穴23aが穿設されている。予備ねじ保持穴23aは略C字形に形成されており、その一部には切欠が設けられている。よって、予備ねじ保持穴23a内への予備ねじ14の挿入に伴って、予備ねじ保持穴23aの内径を拡大することができる。尚、図2に示すように、ボックス本体2の側壁2cに配設された封印ユニット20にあっては、4つの封印部材21のうち、右側(図2の右側)に配設された3つの封印部材21の外周面の左側(図2の左側)に、予備ねじ保持部材23がそれぞれ一体に形成されている。
封印部材21の上面部分、即ち、封印部材31との当接面(対向面)であって、側壁2b側の半周部分には、上面視略C字状の周壁24が上方へ向けて凸設されている。この周壁24は封印部材31の下面外周に凹設された嵌合溝35(図6参照)に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、かかる周壁24を封印部材31の嵌合溝35に填め込むことができる。また、封印部材21の上面部分であって、側壁2bと反対側の半周部分には、上面視略C字状の段差である嵌合溝25が凹設されている。この嵌合溝25は封印部材31の下面外周に凸設された周壁34に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、かかる嵌合溝25に封印部材31の周壁34を填め込むことができる。
尚、ボックス本体2の側壁2cに配設された封印ユニット20の各封印部材21では、周壁24は、封印部材31との当接面であって、側壁2cの反対側の半周部分に凸設され、かつ、嵌合溝25は封印部材31との当接面であって、側壁2c側の半周部分に凹設されている。
封印ユニット30は、封印ねじ11と封印ユニット20とを介して、基板ボックス1を封印するためのものである。封印ユニット30は、ボックス蓋体3と同様に、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する透明な合成樹脂材料で形成されており、基板ボックス1のボックス蓋体3の側壁3b、3cにそれぞれ配設されている。この封印ユニット30は、封印ねじ11が係合される4つの封印部材31と、各封印部材31とボックス蓋体3の側壁3b(側壁3c)とを互いに連結するための4つの連結部材32と、予備ねじ14の頭部11bの上方を覆う3つの予備ねじ保持板33とを備えている。
各封印部材31は、それぞれ略円柱状に形成されており、封印ユニット20の各封印部材21のそれぞれと対向しつつ、連結部材32によりボックス蓋体3の側壁3bに連結されている。また、連結部材32により連結された封印部材31とボックス蓋体3の側壁3bとの間には、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことが可能な間隔が形成されている。よって、連結部材32を切断して封印部材31を除去する場合に、ニッパ等の工具を用いて連結部材32を容易に切断することができる。尚、図2に示すように、ボックス蓋体3の側壁3cにも同様に、連結部材32により封印部材31が連結されている。
各封印部材31の上面には、封印ねじ11の頭部11bと係合される係合穴31aと、その係合穴31aに連通した挿入穴31b(図7参照)とが穿設されている。係合穴31aの内径は、封印ねじ11の頭部11bの外径より大きく形成されており、その深さ、即ち、封印部材31の上面から係合穴31aの底面までの長さは、封印ねじ11の頭部11bの長さより大きく形成されている。よって、封印ねじ11の頭部11bを封印部材31の上面から突出させることなく、封印部材31の係合穴31a内に係合させることができる(図7参照)。
図5に示すように、ボックス蓋体3の側壁3bに配設された4つの封印部材31のうち、図5の左側に配設された3つの封印部材31の外周面の一側(図5の右側)には、略平板状の予備ねじ保持板33がそれぞれ一体に形成されている。この予備ねじ保持板33は、予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ14の頭部11bを上方から押さえるためのものである。各予備ねじ保持板33の上面には、「2」から「4」までの番号表示Kがそれぞれ表示されている。各番号表示Kは、封印ユニット30の成形と同時に型枠を用いて形成されており、各一対の封印部材21,31が封印される順番を表している。尚、この各番号表示Kを付す方法としては、「2」から「4」の数字を印刷した合成樹脂等のシート等を各予備ねじ保持板33の上面に貼付等したりしても良い。
各予備ねじ保持板33は、それらが形成されている各封印部材31に対向する封印部材21の右側に隣接する封印部材21の予備ねじ保持部材23に保持されている予備ねじ14を上方から押さえることができる。例えば、「2」の番号表示Kが付された予備ねじ保持板33は、その右側に隣接する(側壁3bの最も右側に位置する)封印部材31と対向する封印部材21の予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ14の頭部11bの上方に覆設され、予備ねじ14を押さえることができる。
また、予備ねじ保持板33及び予備ねじ保持部材23により保持された予備ねじ14を取り出す場合には、封印ねじ11により連結された封印部材21,31における連結部材22及び連結部材32を切断すると、その封印部材21,31が基板ボックス1から外され、その封印部材21の予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ14が予備ねじ保持板33から離れる。その結果、切断された封印部材21の予備ねじ保持穴23aから予備ねじ14を容易に取り外すことができるとともに、かかる予備ねじ14を用いて、別の封印部材21,31を連結して、基板ボックス1を再度封印することができる。
尚、図2に示すように、ボックス蓋体3の側壁3cに配設された封印ユニット30にあっては、4つの封印部材31のうち、右側(図2の右側)に配設された3つの封印部材31の外周面の左側(図2の左側)に、予備ねじ保持板33がそれぞれ一体に形成されている。
図6は、天板3aを下方へ向けた状態のボックス蓋体3の部分的拡大図である。図6に示すように、封印部材31の上面部分、即ち、封印部材21との当接面(対向面)であって、側壁3bと反対側の半周部分には、上面視略C字状の周壁34が上方へ向けて凸設されている。この周壁34は封印部材21に凹設された嵌合溝25(図5参照)に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、かかる周壁34を封印部材31の嵌合溝25に填め込むことができる。また、封印部材31の上面部分であって、側壁3b側の半周部分には、上面視略C字状の段差である嵌合溝35が凹設されている。この嵌合溝35は封印部材21に凸設された周壁24に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、封印部材21の周壁24を填め込むことができるのである。
尚、ボックス蓋体3の側壁3cに配設された封印ユニット30の各封印部材31では、周壁34は封印部材21との当接面であって、側壁3c側の半周部分に凸設され、かつ、嵌合溝35は封印部材21との当接面であって、側壁3cと反対側の半周部分に凹設されている。
図7は、基板ボックス1を封印した状態におけるボックス封印具10の部分断面図であり、図中の矢印Aはボックス蓋体3のスライド方向を示している。図7に示すように、上述したナット12および係止座金13は、封印部材21の内部に配置されており、ナット12の円筒部12bの下方にストッパ材13が配置されている。ナット12のめねじ部12cの内径は、封印ねじ11の非おねじ部11eの外径と比較して大きく形成されており、めねじ部12c内に非おねじ部11eを挿設することができる。また、保持穴12dは、めねじ部12cと連通して穿設されており、その内径は封印ねじ11のおねじ部11dの外径より大きく形成されている。よって、封印ねじ11がナット12のめねじ部12cに螺入されて基板ボックス1が封印された場合、封印ねじ11のおねじ部11dを保持穴12d内に挿設することができる。
封印部材21の内部には、内径の異なる複数の同心状の嵌合穴21a,21b,21cが連通してそれぞれ形成されており、これらの内径は嵌合穴21a,21b,21cの順に大きく形成されている。嵌合穴21aは、封印部材21の上面に形成されており、ナット12のナット頭部12aが嵌合可能に形成されている。この嵌合穴21aの深さ、即ち、封印部材21の上面から嵌合穴21aの底面までの長さはナット12のナット頭部12aの厚さ(軸方向長さ)と略同一に形成されている。よって、嵌合穴21aに嵌合されたナット12の上端部が封印部材21の上面から突出することを防止することができる。従って、ボックス蓋体3をボックス本体2に対して矢印A方向へスライドさせる際に、封印部材31の下面部分がナット12の上端部分に引っ掛かることが防止されるので、ボックス蓋体3を滑らかにスライドさせて、封印部材21,31を合致させることができる。
嵌合穴21bは、嵌合穴21aに連通して形成されており、ナット12の円筒部12bが嵌合可能に形成されている。この嵌合穴21bの深さ、即ち、嵌合穴21aの底面から嵌合穴21bの底面までの長さは、ナット12の円筒部12bの軸方向長さより大きく形成されており、円筒部12bの下面と嵌合穴21bの底面との間に係止座金13を保持する空間を形成することができる。また、嵌合穴21bと嵌合穴21cとの連結部分には、面取り部Cが形成されており、係止座金13の受け部13aが嵌合される。よって、係止座金13は、面取り部Cを介して嵌合穴21bの底面に位置決めされるとともに、ナット12の円筒部12b下面により押さえ付けられることがない。従って、係止座金13の内孔13b内に封印ねじ11の先端部11cを容易に挿入することができるとともに、係止座金13を容易に弾性変形させることができる。
嵌合穴21cは、嵌合穴21bに連通して形成されており、封印ねじ11の先端部11cが嵌合可能に形成されている。この嵌合穴21cの深さ、即ち、嵌合穴21bの底面から嵌合穴21cの底面までの長さは、封印ねじ11の先端部11cの軸方向長さより大きく形成されており、嵌合穴21cの底面に封印ねじ11の先端部11c下面を当接させてしまうことがない。
また、上述した封印部材31の挿入穴31bの内径は、封印ねじ11の頭部11bの外径より小さく形成されるとともに、封印ねじ11のおねじ部11dの外径より大きく形成されている。よって、封印ねじ11のおねじ部11dを挿入穴31bを貫通させて、ナット12のめねじ部12cに螺合させることができる。また、封印ねじ11の係止溝11fが係止座金13により係止されて封印ねじ11が封印部材21内に取り外し不可能な状態で保持された場合、封印ねじ11の頭部11bは係合穴31a内に係合される。従って、封印部材21,31は封印ねじ11により分離不可能に連結され、基板ボックス1は開封不可能な状態で封印することができるのである。
図7に示すように、封印部材21,31が対向しつつ合致され封印ねじ11により連結された場合、封印部材21の上面部分に凸設された周壁24は、封印部材31の下面部分に凹設された嵌合溝35に填り込み、封印部材31の下面部分に凸設された周壁34は、封印部材21の上面部分に凹設された嵌合溝25に填り込んでいる。よって、封印部材21,31の当接面の間、即ち、周壁24と嵌合溝35との当接面の間、又は、周壁34と嵌合溝25との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11をナット12および係止座金13ごと封印部材21から引き抜き、基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が周壁24,34又は嵌合溝25,35に引っ掛かるので、その差し込みを防止することができる。
例えば、図7の右側部分における嵌合溝25と周壁34との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込んで、封印ねじ11をナット12および係止座金13ごと封印部材21から引き抜き、基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が嵌合溝25に当たるので、薄板状の工具等の差し込みを防止することができる。従って、基板ボックス1のこじ開けが防止されて、基板ボックス1に収納された回路基板7からROM等を取り外して交換し、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができるのである。
図8は、予備ねじ14を保持した状態におけるボックス封印具10の部分断面図である。図8に示すように、上述した予備ねじ保持部材23の予備ねじ保持穴23aは、予備ねじ保持部材23の上端面側の内径(上端側内径)より、予備ねじ保持部材23の下端面側の内径(下端側内径)を小さくしたテーパ部T2を有しており、その上端側内径は、予備ねじ14のおねじ部11dの外径と比較して大きく形成されている。よって、このテーパ部T2を介して、予備ねじ14を予備ねじ保持穴23a内へ容易に挿入することができる。また、予備ねじ保持穴23aの下端側内径は、予備ねじ14のおねじ部11dの外径と比較して小さく形成されている。よって、予備ねじ14を予備ねじ保持穴23aへ挿入した場合、予備ねじ14の頭部11bの下端面と予備ねじ保持部材23の上端面とが当接するまで、予備ねじ14が押し込まれると、予備ねじ保持穴23aの下端部分と予備ねじ14のおねじ部11dとが係合して、予備ねじ14を予備ねじ保持穴23a内に取り外し可能な状態で保持することができる。
また、上述した封印部材31の予備ねじ保持板33は、予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ14の頭部11bの上方に覆設されており、予備ねじ保持板33の下面と予備ねじ14の頭部11bの頂部とは当接している。よって、予備ねじ14の頭部11bは予備ねじ保持板33により押さえられているので、予備ねじ14の抜け落ちが防止され、予備ねじ14の紛失を防止することができる。また、予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ14の頭部11bを掴んで、予備ねじ14を上方へ抜き取る不正行為等を防止することができる。尚、図8中の矢印Aはボックス蓋体3のスライド方向を示している。
次に、上記のように構成された基板ボックス1による回路基板7の収納方法について説明する。まず、ボックス蓋体3の仕切部材5形成側面(図2の手前側面)と回路基板7の部品面71側(図2の裏側面)とを対向させて、回路基板7の位置決め穴7g,7gに位置決め部材4,4の位置決め突起4a,4aを対向させる一方、回路基板7の位置決め穴7h,7hに位置決め部材6,6の位置決め突起6a,6aを対向させる。その後、回路基板7の位置決め穴7g,7gに位置決め突起4a,4aをそれぞれ嵌合させる一方、回路基板7の位置決め穴7h,7hに位置決め突起6a,6aをそれぞれ嵌合させて、回路基板7をボックス蓋体3及び仕切部材5の所定位置に位置決めする。
この位置決め部材4,4,6,6による位置決めに伴って、回路基板7は、そのコネクタ7b〜7fが仕切部材5のコネクタ口5d〜5hに挿嵌され、その部品面71におけるコネクタ7b〜7fの配置側縁部(図2の左側)が、長手方向(図2の上下方向)全域に亘って仕切部材5の覆設板5bにより覆われる(図4参照)。よって、かかる仕切部材5の覆設板5bにより回路基板7におけるコネクタ7b〜7f配置側縁部への接触行為を防止することができるのである。
一方、ボックス本体2の側壁2b,2cにそれぞれ配設された各封印部材21の嵌合穴21b内に係止座金13を挿入し、その後ナット12を嵌合穴21a,21b内にそれぞれ嵌合させる。また、各封印ユニット20の各封印部材21に設けられた予備ねじ保持穴23a内に予備ねじ14をそれぞれ挿入する。各予備ねじ14が各予備ねじ保持穴23a内に完全に挿入された後、ボックス蓋体3の回路基板7側面にボックス本体2を対向させる。
ボックス本体2をボックス蓋体3に対向させた後、ボックス蓋体3の各係止爪3d1の先端部分をボックス本体2の各係止枠2d1の各係止溝2d2へ挿入して、各係止枠2d1に係止爪3d1を係止して、ボックス本体2とボックス蓋体3との互いの開口面を合致させる。この合致により、ボックス本体2の底板2aに対してボックス蓋体3の天板3aが対向されて、ボックス本体2にボックス蓋体3が覆設され、ボックス本体2の収容空間2j内に回路基板7が収容される。この収容により、回路基板7は、位置決め部材4,6とボックス本体2のスペーサ2a1〜2a5との間に挟み込まれる。
また、ボックス蓋体3とボックス本体2とが合致され、かつ、ボックス蓋体3が矢印A方向へスライドされる以前の状態では、図3に示すように、収容空間2jの壁板2cとその壁板2cと対向する回路基板7端部(図3の下側端)との間に空隙L3が設けられる一方、ボックス本体2の各係止枠2d1におけるボックス蓋体3のスライド方向側(図3の下側)に設けられた各制限壁2d3と各係止溝2d2に係止されたボックス蓋体3の各係止爪3d1との間には、係止爪3d1と係止溝2d2の長手方向における差分長さ分の空隙W3(=W1−W2)が設けられる。
ボックス蓋体3は、これらの空隙L3,W3を介して、ボックス本体2及びボックス蓋体3の合致後、ボックス本体2に対して相対的に矢印A方向へ向けてスライドされるのである。かかる場合に、収容空間2j内に収容された回路基板7は、その位置決め穴7g,7g,7h,7hに位置決め部材4,4,6,6の各位置決め突起4a,4a,6a,6aが嵌合されボックス蓋体3に引っ掛けられているので、ボックス蓋体3のスライドに伴って、スペーサ2a1〜2a5との当接しつつ収容空間2j内をスライドされる。
ボックス蓋体3は、その各係止爪3d1が各係止溝2d2内を矢印A方向へ向けて摺動することに伴って、ボックス本体2に対して矢印A方向へスライドされる。かかるスライドを続けると、各係止爪3d1が各係止溝2d2内を矢印A方向へ向けて空隙W3の長さ分摺動され、各係止枠2d1の各制限壁2d3と当接して摺動位置が制限されて、ボックス蓋体3のスライドが停止される。一方、ボックス蓋体3のスライドに伴って、ロック板2e,3eが結合板3f,2fの結合口3g,2gにそれぞれ挿入され、ロック板2e,3eが結合板3f,2fに係止されてボックス本体2とボックス蓋体3とが結合される。
また、ボックス蓋体3が矢印A方向へスライドされると、封印部材21に凸設された周壁24は、封印部材31に凹設された嵌合溝35に填り込み、封印部材31に凸設された周壁34は、封印部材21に凹設された嵌合溝25に填り込み、封印部材21,31が合致される。
このように合致された封印部材21,31によれば、その当接面(対向面)の間、即ち、周壁24と嵌合溝35との当接面の間、又は、周壁34と嵌合溝25との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11がナット12および係止座金13ごと封印部材21から引き抜き基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が周壁24,34又は嵌合溝25,35に引っ掛かるので、その差し込みが防止される。一方、封印部材21,31が合致されると、各予備ねじ保持板33は、各予備ねじ保持部材23に保持された各予備ねじ14の頭部11b上方に覆設される。
ボックス本体2とボックス蓋体3とが結合され、封印部材21,31が合致された後、ボックス蓋体3に穿設された各通穴5c,5cにビス9,9をそれぞれ挿入すると、これらのビス9,9のねじ部先端が回路基板7の各通穴7a,7aを通過してボックス本体2の底板2aに到達する。各ビス9,9のねじ部先端の底板2aへの到達後、各ビス9,9がボックス本体2の底板2aにねじ込まれ、仕切部材5を介してボックス蓋体3及び回路基板7をボックス本体2にまとめてねじ止めにより固定される。その後、各通穴5c,5cから底板2aにねじ込まれたビス9,9を覆いつつ、ボックス本体2及びボックス蓋体3に跨るようにして、封印シール10,10がそれぞれ貼付される(図4参照)。
次に、図4に示すように、各ボックス封印具10の封印部材31のうち、ボックス蓋体3の側壁3bの最も左側に配設された封印部材31、及び、ボックス蓋体3の側壁3cの最も右側に配設された封印部材31の内部へ封印ねじ11を挿入する。具体的には、図7に示すように、上述した2つの封印部材31の各挿入穴31b内に封印ねじ11の先端部11cをそれぞれ挿入する。封印ねじ11挿入後、封印ねじ11の係合溝11gにスクリュードライバ等のねじ回し工具を係合し、封印ねじ11をナット12にねじ込む。封印ねじ11がねじ込まれると、封印ねじ11のおねじ部11dは、ナット12のめねじ部12cに螺入される。封印ねじ11のねじ込みが続行されると、封印ねじ11の先端部11cは、ナット12の下方に配置された係止座金13の受け部13aに到達し、内孔13bへと案内される。封印ねじ11の先端部11cが内孔13bへ案内され挿入されると、先端部11cのテーパ部T1により、係止座金13の内孔13aが押し広げられ、係止座金13の受け部13aが弾性変形する。
封印ねじ11が更にねじ込まれると、封印ねじ11のおねじ部11dとナット12のめねじ部12cとの螺合が解除され、おねじ部11dおよび非おねじ部11eはそれぞれ保持穴12dおよびめねじ部12c内に挿設され、封印ねじ11の係止溝11fが係止座金13により係止され、封印ねじ11が封印部材21内にて抜き取り不可能な状態で保持される。一方、封印ねじ11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31a内に係合される。
その結果、封印ねじ11を反ねじ込み方向へ回転させた場合、封印ねじ11のおねじ部11dは、ナット12の保持穴12d内にて空回し、封印ねじ11を封印部材21内から抜き取り不可能にすることができる。更に、封印ねじ11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31aに係合されているので、基板ボックス1のボックス本体2とボックス蓋体3とが開封不可能に連結され、基板ボックス1を確実に封印することができる(図7参照)。よって、基板ボックス1に被包された回路基板7の制御用ROM等を不適法に取り外して、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。また、封印部材21,31を破壊、切断等すれば基板ボックス1を開封することができるが、その場合には、基板ボックス1が開封された痕跡を確実に残すことができる。即ち、不正行為が行われたか否かを即座に発見することができる。
また、このようにして基板ボックス1が封印されると、各予備ねじ保持穴23aに保持された各予備ねじ14は、各予備ねじ保持板33により、確実に係止され、各予備ねじ保持穴23a内に抜き取り不可能な状態で保持される。よって、予備ねじ14が予備ねじ保持穴23aから抜け落ちることが防止されるので、予備ねじ14の紛失を防止することができる。また、予備ねじ14の不正な抜き取りを防止することができる。
以上説明したように、本実施例の基板ボックス1によれば、回路基板7とボックス蓋体3との間に立設される仕切部材5はボックス蓋体3と一体成形され、かつ、ボックス蓋体3及び回路基板7はビス9,9によりボックス本体2の底板2aにまとめて固定されるので、ボックス蓋体3、仕切部材5及び回路基板7をボックス本体2に固定する一連の作業を、ビス9,9によりまとめて1度に行うことができる。よって、基板ボックス1の組立作業は簡素化されるので、基板ボックス1の組立コストを低減するすることができる。しかも、ボックス蓋体3と仕切部材5とを連結し固定するビスなども不要となるので、その分、基板ボックス1の製造コストを低減することができる。
また、回路基板7は、ビス9,9によって、ボックス本体2に固定される以前に、位置決め部材4,4,6,6によりボックス蓋体3及び仕切部材5の所定位置に位置決めされるので、ボックス蓋体3にボックス本体2を被せる場合にガタ付いて位置ズレすることを防止することができる。よって、回路基板7のボックス蓋体への位置決め作業を円滑に行うことができ、基板ボックス1の組立作業の作業性を向上することができる。
また、基板ボックス1によれば、コネクタ7b〜7fに接続されるフラットケーブルやアース線は導出口から導出されるので、その回路基板7と他の回路基板(図示せず)等とを電気的に接続することができる。また、図4に示すように、仕切部材5の遮蔽壁5aは、ボックス本体2に形成された導出口を遮蔽して塞ぐとともに、回路基板7上のコネクタ7b〜7fより内側位置であって、回路基板7に搭載された電子部品より外側位置に立設されているので、電子部品への接触行為を防止するとともに、電子部品への不正行為を防止することができる。
更に、ボックス封印具10は、封印ねじ11によって連結された封印部材21,31の当接面(対向面)の外周に周壁24,34が凸設され、かつ、その周壁34,24に適合して形成された嵌合溝25,35が凹設されている。よって、封印部材21,31の当接面の間、即ち、周壁24と嵌合溝35との当接面の間、又は、周壁34と嵌合溝25との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11をナット12および係止座金13ごと封印部材21から引き抜き、基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が周壁24,34又は嵌合溝25,35に引っ掛かるので、その差し込みを防止することができる。従って、基板ボックス1のこじ開けが防止されて、基板ボックス1に収納された回路基板7からROM等を取り外して交換し、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。
図9は、第2実施例のボックス封印具110の部分的な側断面図であり、図中の矢印Aはボックス蓋体3のスライド方向を示している。第2実施例のボックス封印具110は、上述した第1実施例のボックス封印具10に対して、封印部材21,31の当接面の形状を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
第1実施例のボックス封印具10の封印部材21,31の当接面(対向面)には、周壁24,34が凸設され、かつ、その周壁34,24に適合して形成された嵌合溝25,35が凹設された。しかしながら、第2実施例のボックス封印具110では、図9に示すように、封印部材21の上面右側縁部分に外方へ向けて下降傾斜した傾斜面部124が形成され、封印部材31の下面右側縁部分に外方へ向けて下降傾斜した傾斜面部134が封印部材21の傾斜面部124に適合して形成されている。
このように封印部材21,31の当接面(対向面)を構成することにより、薄板状の工具等を用いてボックス封印具110をこじ開ける場合、かかる薄板状の工具等を傾斜面部124,134に沿わせて傾斜させて差し込む必要がある。この場合、薄板状の工具等の先端部分は、封印部材21,31の水平な当接面に引っ掛かり、深く差し込むことができない。よって、封印部材21,31の当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11をナット12および係止座金13ごと封印部材21から引き抜き基板ボックス1を開封することができず、基板ボックス1に収納された回路基板7からROM等を取り外して交換し、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。
図10は、第3実施例のボックス封印具210の部分的な正面断面図である。第3実施例のボックス封印具210は、上述した第1実施例のボックス封印具10に対して、まず、封印部材21,31の当接面の形状が変更されている。即ち、第1実施例では、封印部材21,31の当接面には、周壁24,34が凸設され、かつ、その周壁34,24に適合して形成された嵌合溝25,35が凹設された。しかしながら、第3実施例では、図10のに示すように、封印部材21,31の当接面211,311がそれぞれ鋸歯状に形成されている。当接面211,311は互いに歯合可能に形成されており、図10の前後方向、即ち、図10の紙面に対して垂直方向にスライド可能に形成されている。よって、封印部材21,31を合致させるために、ボックス蓋体3をボックス本体2に対して、図10の前後方向へスライドさせることができるのである。
このように、封印部材21,31の当接面211,311を鋸歯状に形成することにより、薄板状の工具等を当接面211,311の間へ差し込んでボックス封印具210により封印された基板ボックス1をこじ開け開封しようとしても、薄板状の工具等は鋸歯状に形成された当接面211,311に引っ掛かり、その差し込みを防止することができる。
また、鋸等の工具を用いて封印部材21,31を連結する封印ねじ11を切断し基板ボックス1を開封する場合には、封印部材21,31の当接面211,311付近を切断しなければならない。よって、不正行為を行った者が、不正行為を隠蔽する場合には、切断部分に接着剤等を塗布し、当接面211,311の鋸歯形状を修復する必要がある。しかしながら、かかる鋸歯形状の当接面211,311を修復して切断の痕跡を隠蔽することは容易ではなく、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為が早期に発見されるとともに、かかる不正行為を抑制することができる。
また、ボックス封印具210の互いに対向する封印部材21,31は異なる色に着色されている。ところで封印部材21,31を連結する封印ねじ11を鋸等の工具を用いて切断して基板ボックス1を開封する場合に、封印部材21と封印部材31との当接面211,311付近を切断しなければならないが、封印部材21,31は互いに異なる色に着色されているので、ボックス封印具210の切断部分を接着剤等を用いてを修復し、その切断を隠蔽するためには、切断部分の色彩を再現する必要がある。しかしながら、かかる切断部分の色彩を再現することは困難であり、切断の痕跡を隠蔽することは容易ではない。従って、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為を早期に発見できると共に、かかる不正行為を抑制することができる。
尚、ボックス封印具210の着色パターンとしては、上下対向する封印部材21,31の色が異なっていれば良く、例えば、封印ユニット20の各封印部材21の全てを1の色(例えば、赤色)に着色し、その封印ユニット20に対向する封印ユニット30の各封印部材31の全てを他の色(例えば、緑色)に着色しても良い。また、封印ユニット20の4つの封印部材21のそれぞれを異なる色、例えば、赤色、青色、黄色、緑色に着色し、その赤色の封印部材21に対向する封印部材31を緑色、青色の封印部材21に対向する封印部材31を黄色、黄色の封印部材21に対向する封印部材31を青色、緑色の封印部材21に対向する封印部材31を赤色に着色しても良い。
更に、第3実施例のボックス封印具210は、封印部材21および封印部材31の外周面(外周)に針金材等で構成されたワイヤ部材212,312が格子状に略等間隔で周設されているので、鋸等の工具を用いてボックス封印具210を切断して基板ボックス1を開封する場合に、鋸等の工具の歯がワイヤ部材212やワイヤ部材312に引っ掛かる。よって、鋸等の工具による切断が行われると、ワイヤ部材212,312によって切断部分以外の封印部材21,31の各部分が破壊されて、切断の痕跡を残すことができる。このように破壊された封印部材21,31を修復して切断の痕跡を隠蔽することは容易ではなく、不正行為の隠蔽を確実に行うことができない。よって、不正行為が早期に発見されると共に、かかる不正行為を抑制することができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
尚、以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機用基板ボックスにおいて、前記仕切部材または覆設部材における前記回路基板との対向部分に設けられ、その回路基板を所定位置に位置決めする位置決め部材と、その位置決め部材により位置決めされる前記回路基板およびボックスカバーを前記ボックスカバーにまとめて固定する固定部材とを備えていることを特徴とする遊技機用基板ボックス1。
この遊技機用基板ボックス1によれば、ボックスカバーに立設された仕切部材と回路基板とを合わせて、位置決め部材により回路基板を仕切部材または覆設部材に位置決めする。回路基板の位置決め後、ボックスカバーにボックスベースを被せ、そのボックスベースの開放部分からボックスベース内に回路基板を収容して回路基板を被包する。回路基板の被包後、固定部材によって、ボックスカバー及び回路基板がボックスベースにまとめて固定され、回路基板の収納が完了する。回路基板は、固定部材によって、ボックスベースに固定される以前に、位置決め部材により仕切部材または覆設部材に位置決めされているので、ボックスカバーにボックスベースを被せる際に回路基板がガタ付いて位置ズレすることを防止して、遊技機用基板ボックス1の組立作業を円滑に行うことができる。
ところで、従来の遊技機用基板ボックスでは、仕切部材をボックスカバー及び回路基板に複数箇所でねじ止めする必要があるので、遊技機用基板ボックスの組立作業に時間が掛かり、その組立コストが増加する一方、仕切部材をボックスカバーにねじ止めする分のビスが必要となるので、その分、遊技機用基板ボックスの製造コストが増加してしまっていた。
しかしながら、遊技機用基板ボックス1では、その仕切部材はボックスカバーと一体成形され、かつ、ボックスカバー及び回路基板は固定部材によりボックスベースにまとめて固定されるので、従来のボックスカバーと仕切部材とが別体で設けられた遊技機用基板ボックスのように、ボックスベースに回路基板を固定し、その回路基板に仕切部材を固定し、更に、その仕切部材をボックスカバーに固定する一連の作業を、固定部材によってまとめて行うことができる。よって、遊技機用基板ボックス1の組立作業は簡素化されるので、その組立コストを低減するすることができる。しかも、ボックスカバーと仕切部材とを連結し固定するビスなども不要となるので、その分、遊技機用基板ボックス1の製造コストを低減することができる。
遊技機用基板ボックス1において、前記位置決め部材は、前記仕切部材または回路基板に設けられる位置決め穴と、その位置決め穴に嵌合可能に形成されるとともに、その位置決め穴に対応して前記仕切部材または回路基板に設けられる位置決め突起とを備えていることを特徴とする遊技機用基板ボックス2。
遊技機用基板ボックス2において、前記位置決め穴は前記回路基板に穿設されており、前記位置決め突起は、前記位置決め穴に対応して前記仕切部材から前記回路基板へ向けて突出して設けられており、その位置決め突起の突出部分長さ(突出量)は、前記回路基板の肉厚より小さく形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス3。
遊技機用基板ボックス1から3のいずれかにおいて、前記ボックスカバーには、その前記仕切部材が立設された部分の反対側部分に前記回路基板を所定位置に位置決めする第2位置決め部材が設けられていること特徴とする遊技機用基板ボックス4。
遊技機用基板ボックス4において、前記第2位置決め部材は、前記ボックスカバー又は回路基板に設けられる第2位置決め穴と、その第2位置決め穴に嵌合可能に形成されるとともに、その第2位置決め穴に対応して前記ボックスカバー又は回路基板に設けられる第2位置決め突起とを備えていることを特徴とする遊技機用基板ボックス5。
遊技機用基板ボックス5において、前記第2位置決め穴は前記回路基板に穿設されており、前記第2位置決め突起は、前記第2位置決め穴に対応して前記ボックスカバーから前記回路基板へ向けて突出して設けられており、その第2位置決め突起の突出部分長さ(突出量)は、前記回路基板の肉厚より小さく形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス6。
遊技機用基板ボックス1から6のいずれかにおいて、又は、請求項1記載の遊技機用基板ボックスにおいて、前記ボックスベース又はボックスカバーの一方に設けられる係止突起と、前記ボックスベース又はボックスカバーの他方に設けられ前記係止突起を回動可能、かつ、摺動可能に係止する係止部とを有し、その係止部に前記係止突起が係止されることにより、前記ボックスカバーを前記ボックスベースに対して相対的に開閉可能、かつ、スライド可能に連結する開閉部材と、前記ボックスベース又はボックスカバーの一方に設けられる結合部と、前記開閉部材を介して前記ボックスカバーが前記ボックスベースに被せられる場合に、前記結合部に対向して前記ボックスベース又はボックスカバーに設けられ、前記係止突起の前記係止部内での摺動に伴って前記結合部に係止される結合突起とを有し、その結合突起の前記結合部による係止により前記ボックスカバーを前記ボックスベースに結合して、そのボックスカバーの開放方向へ向けた回動を制限する結合部材とを備えていることを特徴とする遊技機用基板ボックス7。
遊技機用基板ボックス7において、前記ボックスベースは、前記回路基板が収容可能に形成された収容空間を備えており、その収容空間は、前記回路基板より前記ボックスカバーのスライド方向における幅長が大きく形成されるとともに、前記回路基板における前記ボックスカバーのスライド方向側端面とその回路基板の端面と対向する前記収容空間の端面との間に空隙が設けられており、前記回路基板は、前記収容空間内で前記ボックスカバーのスライドに伴ってスライド可能に形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス8。
遊技機用基板ボックス7,8において、前記開閉部材の係止部は、前記係止突起を摺動可能に係止する係止溝を備えており、その係止溝のうち、前記結合部材を介した前記ボックスベース及びボックスカバーの結合時における前記開閉部材の係止突起の摺動方向側には、その係止突起の摺動位置を制限する制限壁が設けられていることを特徴とする遊技機用基板ボックス9。
遊技機用基板ボックス9において、前記ボックスベースは、前記回路基板が収容可能に形成された収容空間を備えており、その収容空間は、前記回路基板より前記ボックスカバーのスライド方向における幅長が大きく形成されるとともに、前記回路基板における前記ボックスカバーのスライド方向側端面とその回路基板の端面と対向する前記収容空間の端面との間に空隙が設けられており、前記回路基板は、前記収容空間内で前記ボックスカバーのスライドに伴ってスライド可能に形成されており、更に、前記空隙は、前記制限壁により制限される前記係止突起の摺動量より大きく形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス10。
遊技機用基板ボックス7から10のいずれかにおいて、前記ボックスベースに配設される第1封印部材と、その第1封印部材に対向し前記ボックスカバーに配設される第2封印部材と、その第2封印部材および第1封印部材を連結し、前記ボックスベース及びボックスカバーを封印する連結封印部材とを備え、前記第1封印部材および第2封印部材は、その互いに対向する端面が適合した形状に形成されており、その第2封印部材の端面は、前記結合部材を介した前記ボックスベース及びボックスカバーの結合時における前記ボックスカバーのスライドに伴って、前記第1封印部材の端面に当接しつつスライド可能に形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス11。
遊技機用基板ボックス11において、前記第1封印部材および第2封印部材の対向する端面には、その外形が互いに適合した凹凸部が形成されており、その凹凸部は前記ボックスカバーのスライド方向へ連続して設けられていることを特徴とする遊技機用基板ボックス12。