以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の遊技機用基板ボックス封印具の一実施例であるボックス封印具10を有する基板ボックス1が配設されたパチンコ機50の裏面図である。図1に示すように、ボックス封印具10を有する基板ボックス1は、遊技機の一種であるパチンコ機50の遊技盤51の裏面に設けられた入賞球集合カバー52に取り付けられている。基板ボックス1は、パチンコ機50の遊技内容に関する制御プログラムやデータを記憶したROM等の電子部品(制御部品)が搭載された制御回路基板4(図2参照)を被包するためのものであり、主に、ボックス本体2と、そのボックス本体2に覆設されるボックス蓋体3とを備えている。
このボックス本体2およびボックス蓋体3は、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する透明な合成樹脂等でそれぞれ構成されている。この基板ボックス1の互いに対向する上下壁面には(図1上側および下側)、制御回路基板4(図2参照)への不正行為を防止するために基板ボックス1を封印する一対のボックス封印具10が一体成形されており、このボックス封印具10は基板ボックス1の一部を構成している。尚、図1では、基板ボックス1により被包される制御回路基板4を省略して図示している。
図2は、ボックス封印具10を有する基板ボックス1の分解斜視図であり、図2中の矢印は、ボックス本体2にボックス蓋体3を結合するため、ボックス本体2に対してボックス蓋体3をスライドさせる方向を図示している。図2に示すように、ボックス本体2およびボックス蓋体3は、いずれも略矩形皿状に形成されており、制御回路基板4をボックス本体2内に収納した状態で、互いの開口面を対向させ合致(合体)させることにより、制御回路基板4を基板ボックス1内に被包することができる。尚、図2では、ボックス封印具10における封印ユニット20,30の封印部材21,31の外形を概略的に図示している。
ボックス本体2は、制御回路基板4が載置される略平板状の底板2aと、その底板2aの長手方向における両端部に上方へ向けて立設された一対の側壁2b,2cとを備えている。また、ボックス蓋体3は、ボックス本体2の底板2aに対向しつつボックス本体2の上部を覆う略平板状の天板3aと、その天板3aの長手方向における両端部に下方へ向けて立設された一対の側壁3b,3cと、天板3aの後側縁部から外方へ向け下降傾斜して形成された傾斜壁3dとを備えている。尚、図2では、制御回路基板4に搭載されるROM等の電子部品を省略して図示している。
ボックス本体2の底板2aの後側縁部分(図2の後側)には、矩形状の開口された切欠部2dが形成されており、その切欠部2dの下方縁部分には、矩形枠状に形成された4つの係合枠2d1が底板2aの長手方向に略等間隔で形成されている。この各係合枠2d1はボックス蓋体3の各係合爪3d1と係合するためのものであり、各係合枠2d1には係合爪3d1が挿入可能な挿入穴2d2がそれぞれ穿設されている。係合爪3d1は、ボックス蓋体3の傾斜壁3dの下方に配設されており、上述した各係合枠2d1に対応しつつ略等間隔で4つ隣接配設されている。この各係合爪3d1の先端部分は略J字状にそれぞれ屈曲されて形成されており、かかる係合爪3d1の先端部分を係合枠2d1の挿入穴2d2に挿入することにより、各係合爪3d1が各係合枠2d1に係合されるのである。
また、各係合爪3d1の長手方向幅は、各挿入穴2d2の長手方向幅より幅狭に形成されているので、各係合爪3d1が挿入穴2d2に挿入された場合に、挿入穴2d2および係合爪3d1の長手方向幅の差分長さだけ、ボックス本体2に対してボックス蓋体3をその長手方向へスライドさせることができる。
ボックス本体2の底板2aの前側縁部(図2の手前側)には、矩形状に開口された切欠部2eが形成されており、この切欠部2eは、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設された場合に、基板ボックス1に収納された制御回路基板4に接続されるケーブルを導出するための導出口を形成する。また、ボックス本体2の側壁2b,2cの上部にはボックス封印具10の封印ユニット20がそれぞれ配設されており、ボックス蓋体3の側壁3b,3cには各封印ユニット20に対向して封印ユニット30がそれぞれ配設されている。尚、ボックス封印具10の封印ユニット20,30についての説明は後述する。
ボックス本体2の側壁2bおよびボックス蓋体3の側壁3cには矩形板状のロック板2f,3fが外方へ向けて突設されており、ボックス本体2の側壁2cおよびボックス蓋体3の側壁3bにはロック板3f,2fが係合される矩形平板状の係合板2g,3gが配設されている。この係合板2g,3gにはロック板3f,2fが挿入可能な挿入口2h,3hが穿設されており、ボックス本体2に合致されたボックス蓋体3を矢印方向へスライドさせると、かかる挿入口2h,3hへロック板3f,2fをそれぞれ挿入することができる。その結果、ロック板2f,3fおよび係合板3g,2gが係合され、ボックス本体2およびボックス蓋体3を結合することができる。
ボックス蓋体3の上面には略矩形状の凹部3eが2箇所に凹設されており、各凹部3eには木ねじ等が挿入される通穴3e1がそれぞれ穿設されている。この各通穴3e1は、制御回路基板4に配置される仕切板5の上面に凹設された2つのねじ穴5aに対応して穿設されており、ボックス本体2にボックス蓋体3を覆設した場合に、各通穴3e1へ挿入された木ねじ等を各ねじ穴5aにねじ込むことにより、ボックス蓋体3と仕切板5とを連結することができる。
各凹部3eは封印シールを貼付するための部分であり、封印シールが貼付された場合に、封印シールがボックス蓋体3の上面より一段低い部分に貼付されることとなるので、貼付された封印シールが何かに引っかかり剥がれてしまうことが防止され、封印シールを位置決めしつつ貼付することができる。
尚、封印シールは、特殊な粘着部が塗布されたシール材で構成されており、この封印シールが貼付された後に剥がされると、シール材から粘着部が剥がれてしまう。よって、一度剥がされた封印シールを再度貼付することができないので、封印シールが不正に剥がされた場合には、かかる不正行為を容易に発見することができるのである。
また、各凹部3eに貼付される封印シールは、ボックス本体2に跨って貼付され、基板ボックス1の開封を防止するように貼付される。この場合、各封印シールは各通穴3e1に覆い被さるように貼付されるので、各通穴3e1に挿入された木ねじ等の抜き取り行為を防止することができる。更に、各封印シールはロック板2f,3fが係合された係合板3g,2gに跨って貼付される。よって、各封印シールを剥がさずに、基板ボックス1を開封するには、各封印シールを3カ所ずつ切断する必要がある。即ち、一方の封印シールについては、係合板3gの下端部分と挿入口3hに挿入されたロック板2fの上下端面部分の3カ所を、また、他方の封印シールについては係合板2gの上端部分と挿入口2hに挿入されたロック板3fの上下端面部分の3カ所を切断しなければならない。よって、基板ボックス1を不正に開封し、かかる開封行為を隠蔽する場合、封印シールの複数の切断箇所を接合する必要があり、隠蔽作業を容易に行うことができない。その結果、基板ボックス1の不正な開封行為を防止することができる。
ボックス蓋体3の側壁3cの内側面には略L字板状の内壁板3jが隣接して形成されている。この内壁板3jは、天板3a下面から下方へ向けて立設されており、その下端が側壁3cの下端より下側に位置するように形成されている。即ち、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設された場合に、内壁板3jの下端はボックス本体2の側壁2cの上端より下方へ突出するのである。よって、ボックス本体2に覆設されたボックス蓋体3を矢印方向へスライドした場合に、内壁板3jの下端部分をボックス本体2の側壁2cの上端部分に引っ掛けることができる。このように、内壁板3jが側壁2cに引っ掛かることにより、ボックス蓋体3の矢印方向へのスライドを停止させることができ、ボックス蓋体3をボックス本体2に確実に合致させることができる。
制御回路基板4は矩形薄板状に形成されており、その前側両端部分には制御回路基板4をボックス本体2にねじ止めするための木ねじ等を挿入可能な2つの通穴4aが穿設されている。仕切板5は、耐衝撃性を有するポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等で構成されており、制御回路基板4の前側縁部分に配置され制御回路基板4と共にボックス本体2に取着可能に形成されている。よって、ボックス本体2とボックス蓋体3とを合体させた場合に、仕切板5により基板ボックス1の内外部を仕切ることができるので、基板ボックス1の外部からの制御回路基板4への接触行為を防止することができるのである。尚、図2では、制御回路基板4の上面に搭載されるROM等の電子部品を省略して図示している。
仕切板5上面の長手方向両端部には、木ねじ等(図示せず)がねじ込まれるねじ穴5aがそれぞれ穿設されている。各ねじ穴5aは、ボックス蓋体3と仕切板5とを連結するためのものであり、ボックス蓋体3の上面に穿設された2つの通穴3e1に対応して穿設されている。各ねじ穴5aの前側部分には、仕切部材5をボックス本体2にねじ止めするための木ねじ等を挿入可能な凹部5bが凹設されており、その各凹部5bの内部下端には、制御回路基板4の各通穴4aに対応して木ねじ等を挿入可能な穴部(図示せず)がそれぞれ穿設されている。よって、制御回路基板4をボックス本体2内に載置し、その制御回路基板4の前側縁部に仕切板5を配置した後、各凹部5bから各凹部5bの穴部および制御回路基板4の各通穴4aへ木ねじ等を挿入し、その木ねじ等をボックス本体2の底板2aへねじ込むことにより、制御回路基板4および仕切板5をボックス本体2にねじ止めすることができる。
また、ボックス本体2の底板2aの下面には、遊技機50に配設された薄板鋼材等で構成された薄皿状の取付部材53(図1参照)に基板ボックス1を掛止するためのボックスロック板6が取着される。このボックスロック板6は透明なABS樹脂等の合成樹脂等で略台形薄板状に形成されており、ボックス本体2の底板2aの下面にねじ止め等により取着される。
図3は、基板ボックス1に配設されたボックス封印具10の拡大斜視図である。図3に示すように、上述したボックス封印具10は、基板ボックス1を封印するための封印ねじ11と、その封印ねじ11が螺入されるナット12と、封印ねじ11を係止するためのストッパ部材(抜け止め手段)13と、ナット12およびストッパ部材13が配置される4つの封印部材21を有する封印ユニット20と、各封印部材21に対向してボックス蓋体3に配設される4つの封印部材31を有する封印ユニット30と、封印ねじ11の予備用の部材である予備ねじ111とを備えている。
封印ねじ11は、封印ユニット20,30における各封印部材21,31を連結するためのものであり、ステンレス鋼材等の金属材料で構成されている。封印ねじ11は、封印部材21,31に挿入される略円柱状の軸部11aを備え、その軸部11aの先端部11cにはストッパ部材13の内孔13bを押し広げるための先細状のテーパ部T1が形成され、そのテーパ部T1の上部にはストッパ部材13の内孔13bが填り込み可能な係止溝11fが周設されている。
この係止溝11fの上部にはおねじの螺刻されたおねじ部11dが形成されており、おねじ部11dはナット12内に螺刻されためねじ部12cに螺合可能に形成されている。また、おねじ部11dの上部には円柱状の非おねじ部11eが形成されており、非おねじ部11eの外径はナット12のめねじ部12cの内径より小さく形成されている。よって、封印ねじ11がナット12に螺入され基板ボックス1が封印された場合、封印ねじ11の非おねじ部11eをナット12のめねじ部12c内に挿設することができる(図5参照)。
軸部11aの上端には略半球状の頭部11bが一体成形されている。頭部11bは、その外径が軸部11aの外径より大きく形成され、封印部材31の係合穴31aに係合可能に形成されている。また、頭部11bの上面には、スクリュードライバ等のねじ回し工具が係合可能な上面視略十字状の係合溝11gが凹設されている。よって、この係合溝11gにスクリュードライバ等のねじ回し工具を係合させることにより、封印ねじ11をねじ込み方向および反ねじ込み方向の双方に回転することができる。尚、封印ねじ11と予備ねじ111は略同一形状に形成されているので、予備ねじ111の説明は省略する。
ナット12は、封印ねじ11およびストッパ部材13を封印部材21内に保持するためのものであり、封印部材21に嵌合可能に形成されている。ナット12は、真鍮等の金属材料から構成されており、略円盤状に形成されたナット頭部12aと、そのナット頭部12aより外径が小さく形成された略円柱状の円筒部12bと、封印ねじ11のおねじ部11dに螺合可能なめねじが形成されためねじ部12cと、そのめねじ部12cに連通して穿設された保持穴12d(図5参照)とを備えている。
ナット頭部12aは、封印部材21の嵌合穴21aに嵌合可能に形成されており、そのナット頭部12aの下方に形成された円筒部12bは、封印部材21の嵌合穴21bに嵌合可能に形成されている。この円筒部12bの外周面にはローレット切りが施されているので、嵌合穴21bに嵌合された際に円筒部12bの外周面を嵌合穴21bの内壁に引っ掛かけることができる。よって、ナット12を嵌合穴21b内に保持することができ、ナット12の抜き取りを抑制することができる(図5参照)。
ストッパ部材13は、封印ねじ11の係止溝11fを介して、封印ねじ11を封印部材21内に係止するためのものであり、バネ鋼材等を用いて上面視略O字形に形成されたプッシュナットである。ストッパ部材13は、その略中央部分に略すり鉢状に凹設された受け部13aを有しており、この受け部13aの略中央部分には、略円形状の内孔13bが穿設されている。このため、このストッパ部材13の受け部13aは、封印ねじ11の先端部11cを、内孔13bへと案内することができる。
受け部13aには、複数の切欠が略等配分で設けられており、かかる切欠は内孔13bに連通して形成されている。よって、ストッパ部材13の内孔13bに封印ねじ11の先端部11cが挿入された場合に、先端部11cのテーパ部T1を介して受け部13aを弾性変形させて、ストッパ部材13の内孔13bを押し広げることができるのである。尚、ストッパ部材13は、封印部材21の嵌合穴21b内であって、ナット12の下方に配置される(図5参照)。
封印ユニット20は、封印ねじ11および封印ユニット30を介して、基板ボックス1を封印するためのものである。封印ユニット20は、ボックス本体2と同様に、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する透明な合成樹脂材料で形成されており、ボックス本体2の側壁2b,2cにそれぞれ配設されている(図2参照)。この封印ユニット20は、ナット12およびストッパ部材13が配置される4つの封印部材21と、各封印部材21とボックス本体2の側壁2b(側壁2c)とを互いに連結する4つの連結部材22と、封印ねじ11の予備用の部材である予備ねじ111を保持するために設けられた3つの予備ねじ保持部材23とを備えている。
封印部材21は、略円柱状に形成されており、その一部が平板状の連結部材22によりボックス本体2の側壁2bに連結されている。連結部材22により連結された封印部材21とボックス本体2の側壁2bとの間には、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことが可能な間隔が形成されており、連結部材22を切断して封印部材21を除去する場合に、ニッパ等の工具を用いて連結部材22を容易に切断することができる。尚、図2に示すように、ボックス本体2の側壁2cにも同様に、連結部材22により封印部材21が連結されている。
ボックス本体2の側壁2bに配設された4つの封印部材21のうち、後側(図3の右側)に配設された3つの封印部材21の外周面の前側(図3の左側)には、略板状の予備ねじ保持部材23がそれぞれ一体に形成されている。この予備ねじ保持部材23は、予備ねじ111を保持するためのものであり、その上面には、予備ねじ111を挿入可能に形成された予備ねじ保持穴23aが穿設されている。予備ねじ保持穴23aは略C字形に形成されており、その一部には切欠が設けられている。よって、予備ねじ保持穴23a内への予備ねじ111の挿入に伴って、予備ねじ保持穴23aの内径を拡大することができる。尚、図2に示すように、ボックス本体2の側壁2cに配設された封印ユニット20にあっては、4つの封印部材21のうち、前側(図2の左側)に配設された3つの封印部材21の外周面の後側(図2の右側)に、予備ねじ保持部材23がそれぞれ一体に形成されている。
封印部材21の上面部分、即ち、封印部材31との当接面(対向面)であって、側壁2b側の半周部分には、上面視略C字状の周壁24が上方へ向けて凸設されている。この周壁24は封印部材31の下面外周に凹設された嵌合溝35(図4参照)に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、かかる周壁24を封印部材31の嵌合溝35に填め込むことができる。また、封印部材21の上面部分であって、反側壁2b側の半周部分には、上面視略C字状の段差である嵌合溝25が凹設されている。この嵌合溝25は封印部材31の下面外周に凸設された周壁34に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、かかる嵌合溝25に封印部材31の周壁34を填め込むことができる。
尚、ボックス本体2の側壁2cに配設された封印ユニット20の各封印部材21では、周壁24は、封印部材31との当接面であって、反側壁2c側の半周部分に凸設され、かつ、嵌合溝25は封印部材31との当接面であって、側壁2c側の半周部分に凹設されている。
封印ユニット30は、封印ねじ11と封印ユニット20とを介して、基板ボックス1を封印するためのものである。封印ユニット30は、ボックス蓋体3と同様に、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する透明な合成樹脂材料で形成されており、基板ボックス1のボックス蓋体3の側壁3b、3cにそれぞれ配設されている。この封印ユニット30は、封印ねじ11が係合される4つの封印部材31と、各封印部材31とボックス蓋体3の側壁3b(側壁3c)とを互いに連結するための4つの連結部材32と、予備ねじ111の頭部11bの上方を覆う3つの予備ねじ保持板33とを備えている。
各封印部材31は、それぞれ略円柱状に形成されており、封印ユニット20の各封印部材21のそれぞれと対向しつつ、連結部材32によりボックス蓋体3の側壁3bに連結されている。また、連結部材32により連結された封印部材31とボックス蓋体3の側壁3bとの間には、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことが可能な間隔が形成されている。よって、連結部材32を切断して封印部材31を除去する場合に、ニッパ等の工具を用いて連結部材32を容易に切断することができる。尚、図2に示すように、ボックス蓋体3の側壁3cにも同様に、連結部材22により封印部材21が連結されている。
各封印部材31の上面には、封印ねじ11の頭部11bと係合される係合穴31aと、その係合穴31aに連通した挿入穴31b(図5参照)とが穿設されている。係合穴31aの内径は、封印ねじ11の頭部11bの外径より大きく形成されており、その深さ、即ち、封印部材31の上面から係合穴31aの底面までの長さは、封印ねじ11の頭部11bの長さより大きく形成されている。よって、封印ねじ11の頭部11bを封印部材31の上面から突出させることなく、封印部材31の係合穴31a内に係合させることができる(図5参照)。
ボックス蓋体3の側壁3bに配設された4つの封印部材31のうち、前側(図3の左側)に配設された3つの封印部材31の外周面の後側(図3の右側)には、略平板状の予備ねじ保持板33がそれぞれ一体に形成されている。この予備ねじ保持板33は、予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ111の頭部11bを上方から押さえるためのものである。各予備ねじ保持板33の上面には、「2」から「4」までの番号表示Kがそれぞれ表示されている。各番号表示Kは、封印ユニット30の成形と同時に型枠を用いて形成されており、各一対の封印部材21,31が封印される順番を表している。尚、この各番号表示Kを付す方法としては、「2」から「4」の数字を印刷した合成樹脂等のシート等を各予備ねじ保持板33の上面に貼付等したりしても良い。
各予備ねじ保持板33は、それらが形成されている各封印部材31に対向する封印部材21の後側に隣接する封印部材21の予備ねじ保持部材23に保持されている予備用封印部材111を上方から押さえることができる。例えば、「2」の番号表示Kが付された予備ねじ保持板33は、その後側に隣接する(側壁3bの最も後側に位置する)封印部材31と対向する封印部材21の予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ111の頭部11bの上方に覆設され、予備ねじ111を押さえることができる。
また、予備ねじ保持板33を介して予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ111を取り出す場合には、連結部材22または連結部材32のいずれかを切断すると、予備ねじ保持板33による予備ねじ111の覆設が解除される。その結果、予備ねじ111を予備ねじ保持穴23aから容易に取り外すことができるとともに、かかる予備ねじ111を用いて、封印部材21,31を連結して、基板ボックス1を再度封印することができる。
尚、図2に示すように、ボックス蓋体3の側壁3cに配設された封印ユニット30にあっては、4つの封印部材31のうち、後側(図2の右側)に配設された3つの封印部材21の外周面の前側(図2の左側)に、予備ねじ保持板33がそれぞれ一体に形成されている。
図4は、天板3aを下方へ向けた状態のボックス蓋体3の部分的拡大図である。図4に示すように、封印部材31の上面部分(図2では下面部分である)、即ち、封印部材21との当接面(対向面)であって、反側壁3b側の半周部分には、上面視略C字状の周壁34が上方へ向けて凸設されている。この周壁34は封印部材21に凹設された嵌合溝25(図3参照)に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、かかる周壁34を封印部材31の嵌合溝25に填め込むことができる。また、封印部材31の上面部分であって、側壁3b側の半周部分には、上面視略C字状の段差である嵌合溝35が凹設されている。この嵌合溝35は封印部材21に凸設された周壁24に適合して形成されており、ボックス蓋体3がボックス本体2に覆設され封印部材21,31が合致された場合に、封印部材21の周壁24が填め込むことができる。
尚、ボックス蓋体3の側壁3cに配設された封印ユニット30の各封印部材31では、周壁34は封印部材21との当接面であって、側壁3c側の半周部分に凸設され、かつ、嵌合溝35は封印部材21との当接面であって、反側壁3c側の半周部分に凹設されている。
図5は、基板ボックス1を封印した状態におけるボックス封印具10の部分断面図であり、図中の矢印はボックス蓋体3のスライド方向を示している。図5に示すように、上述したナット12およびストッパ部材13は、封印部材21の内部に配置されており、ナット12の円筒部12bの下方にストッパ材13が配置されている。ナット12のめねじ部12cの内径は、封印ねじ11の非おねじ部11eの外径と比較して大きく形成されており、めねじ部12c内に非おねじ部11eを挿設することができる。また、保持穴12dは、めねじ部12cと連通して穿設されており、その内径は封印ねじ11のおねじ部11dの外径より大きく形成されている。よって、封印ねじ11がナット12のめねじ部12cに螺入されて基板ボックス1が封印された場合、封印ねじ11のおねじ部11dを保持穴12d内に挿設することができる。
封印部材21の内部には、内径の異なる複数の同心状の嵌合穴21a,21b,21cが連通してそれぞれ形成されており、これらの内径は嵌合穴21a,21b,21cの順に大きく形成されている。嵌合穴21aは、封印部材21の上面に形成されており、ナット12のナット頭部12aが嵌合可能に形成されている。この嵌合穴21aの深さ、即ち、封印部材21の上面から嵌合穴21aの底面までの長さはナット12のナット頭部12aの厚さ(軸方向長さ)と略同一に形成されている。よって、嵌合穴21aに嵌合されたナット12の上端部が封印部材21の上面から突出することを防止することができる。従って、ボックス蓋体3をボックス本体2に対して(図2の矢印方向へ)スライドさせる際に、封印部材31の下面部分がナット12の上端部分に引っ掛かることが防止されるので、ボックス蓋体3を滑らかにスライドさせて、封印部材21,31を合致させることができる。
嵌合穴21bは、嵌合穴21aに連通して形成されており、ナット12の円筒部12bが嵌合可能に形成されている。この嵌合穴21bの深さ、即ち、嵌合穴21aの底面から嵌合穴21bの底面までの長さは、ナット12の円筒部12bの軸方向長さより大きく形成されており、円筒部12bの下面と嵌合穴21bの底面との間にストッパ部材13を保持する空間を形成することができる。また、嵌合穴21bと嵌合穴21cとの連結部分には、面取り部Cが形成されており、ストッパ部材13の受け部13aが嵌合される。よって、ストッパ部材13は、面取り部Cを介して嵌合穴21bの底面に位置決めされるとともに、ナット12の円筒部12b下面により押さえ付けられることがない。従って、ストッパ部材13の内孔13b内に封印ねじ11の先端部11cを容易に挿入することができるとともに、ストッパ部材13を容易に弾性変形させることができる。
嵌合穴21cは、嵌合穴21bに連通して形成されており、封印ねじ11の先端部11cが嵌合可能に形成されている。この嵌合穴21cの深さ、即ち、嵌合穴21bの底面から嵌合穴21cの底面までの長さは、封印ねじ11の先端部11cの軸方向長さより大きく形成されており、嵌合穴21cの底面に封印ねじ11の先端部11c下面を当接させてしまうことがない。
また、上述した封印部材31の挿入穴31bの内径は、封印ねじ11の頭部11bの外径より小さく形成されるとともに、封印ねじ11のおねじ部11dの外径より大きく形成されている。よって、封印ねじ11のおねじ部11dを挿入穴31bを貫通させて、ナット12のめねじ部12cに螺合させることができる。また、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13により係止されて封印ねじ11が封印部材21内に取り外し不可能な状態で保持された場合、封印ねじ11の頭部11bは係合穴31a内に係合される。従って、封印部材21,31は封印ねじ11により分離不可能に連結され、基板ボックス1は開封不可能な状態で封印することができるのである。
図5に示すように、封印部材21,31が対向しつつ合致され封印ねじ11により連結された場合、封印部材21の上面部分に凸設された周壁24は、封印部材31の下面部分に凹設された嵌合溝35に填り込み、封印部材31の下面部分に凸設された周壁34は、封印部材21の上面部分に凹設された嵌合溝25に填り込んでいる。よって、封印部材21,31の当接面の間、即ち、周壁24と嵌合溝35との当接面の間、又は、周壁34と嵌合溝25との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11をナット12およびストッパ部材13ごと封印部材21から引き抜き、基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が周壁24,34又は嵌合溝25,35に引っ掛かるので、その差し込みを防止することができる。
例えば、図5の右側部分における嵌合溝25と周壁34との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込んで、封印ねじ11をナット12およびストッパ部材13ごと封印部材21から引き抜き、基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が嵌合溝25に当たるので、薄板状の工具等の差し込みを防止することができる。従って、基板ボックス1のこじ開けが防止されて、基板ボックス1に収納された制御回路基板4からROM等を取り外して交換し、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができるのである。
図6は、予備ねじ111を保持した状態におけるボックス封印具10の部分断面図である。図6に示すように、上述した予備ねじ保持部材23の予備ねじ保持穴23aは、予備ねじ保持部材23の上端面側の内径(上端側内径)より、予備ねじ保持部材23の下端面側の内径(下端側内径)を小さくしたテーパ部T2を有しており、その上端側内径は、予備ねじ111のおねじ部11dの外径と比較して大きく形成されている。よって、このテーパ部T2を介して、予備ねじ111を予備ねじ保持穴23a内へ容易に挿入することができる。また、予備ねじ保持穴23aの下端側内径は、予備ねじ111のおねじ部11dの外径と比較して小さく形成されている。よって、予備ねじ111を予備ねじ保持穴23aへ挿入した場合、予備ねじ111の頭部11bの下端面と予備ねじ保持部材23の上端面とが当接するまで、予備ねじ111が押し込まれると、予備ねじ保持穴23aの下端部分と予備ねじ111のおねじ部11dとが係合して、予備ねじ111を予備ねじ保持穴23a内に取り外し可能な状態で保持することができる。
また、上述した封印部材31の予備ねじ保持板33は、予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ111の頭部11bの上方に覆設されており、予備ねじ保持板33の下面と予備ねじ111の頭部11bの頂部とは当接している。よって、予備ねじ111の頭部11bは予備ねじ保持板33により押さえられているので、予備ねじ111の抜け落ちが防止され、予備ねじ111の紛失を防止することができる。また、予備ねじ保持部材23に保持された予備ねじ111の頭部11bを掴んで、予備ねじ111を上方へ抜き取る不正行為等を防止することができる。尚、図6中の矢印はボックス蓋体3のスライド方向を示している。
次に、図2および図5を参照して、制御回路基板4の基板ボックス1への収納方法について説明する。まず、制御回路基板4をボックス本体2内に載置し、その制御回路基板4の前側縁部に仕切板5を配置した後、各凹部5bから各凹部5bの穴部(図示せず)および制御回路基板4の各通穴4aへ木ねじ等が挿入される。木ねじ等の挿入後、その木ねじ等がボックス本体2の底板2aへねじ込まれ、制御回路基板4および仕切板5がボックス本体2にねじ止めされて、制御回路基板4および仕切板5がボックス本体2に取着される。一方、ボックス本体2の側壁2b,2cにそれぞれ配設された各封印部材21の嵌合穴21b内にストッパ部材13を挿入し、その上方からナット12を嵌合穴21a,21b内にそれぞれ嵌合させる。その後、各封印ユニット20の各封印部材21に設けられた予備ねじ保持穴23a内に予備ねじ111をそれぞれ挿入する。
各予備ねじ111が各予備ねじ保持穴23a内に完全に挿入された後、ボックス蓋体3の各係合爪3d1の先端部分をボックス本体2の各係合枠2d1の挿入口2d2へ挿入して、各係合枠2d1と係合爪3d1とを係合させて、ボックス本体2とボックス蓋体3との互いの開口面を合致させ、ボックス本体2の底板2aに対してボックス蓋体3の天板3aを対向させつつ、ボックス本体2の上方にボックス蓋体3を覆設させる。
ボックス蓋体3の覆設後、図2または図5の矢印方向へボックス蓋体3をスライドさせると、ロック板2f,3fが係合板3g,2gの挿入口3h,2hにそれぞれ挿入され、ロック板2f,3fおよび係合板3g,2gが係合されてボックス本体2とボックス蓋体3とが結合される。一方、ボックス蓋体3が図2または図5の矢印方向へスライドされると、封印部材21の上面部分に凸設された周壁24は、封印部材31の下面部分に凹設された嵌合溝35に填り込み、封印部材31の下面部分に凸設された周壁34は、封印部材21の上面部分に凹設された嵌合溝25に填り込み、封印部材21,31が合致される。
このように合致された封印部材21,31によれば、その当接面(対向面)の間、即ち、周壁24と嵌合溝35との当接面の間、又は、周壁34と嵌合溝25との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11がナット12およびストッパ部材13ごと封印部材21から引き抜き基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が周壁24,34又は嵌合溝25,35に引っ掛かるので、その差し込みが防止される。一方、封印部材21,31が合致されると、各予備ねじ保持板33は、各予備ねじ保持部材23に保持された各予備ねじ111の頭部11b上方に覆設される。
ボックス本体2とボックス蓋体3とが結合され、封印部材21,31が合致されると、ボックス蓋体3に穿設された各通穴3e1と仕切板5に凹設された各ねじ穴5aとが対向しつつ合致する。その後、各通穴3e1を介して仕切板5の各ねじ穴5aへ木ねじ等をねじ込み、ボックス本体2、ロック板2f,3f、係合板3g,2gおよびボックス蓋体3の各凹部3eに跨るようにして、ボックス蓋体3の各凹部3eに封印シールをそれぞれ貼付する。
次に、各ボックス封印具10の封印部材31のうち、ボックス蓋体3の側壁3bの最も後側に配設された封印部材31、及び、ボックス蓋体3の側壁3cの最前側に配設された封印部材31の各挿入穴31b内に封印ねじ11の先端部11cをそれぞれ挿入する。封印ねじ11挿入後、封印ねじ11の係合溝11gにスクリュードライバ等のねじ回し工具を係合し、封印ねじ11をナット12にねじ込む。封印ねじ11がねじ込まれると、封印ねじ11のおねじ部11dは、ナット12のめねじ部12cに螺入される。封印ねじ11のねじ込みが続行されると、封印ねじ11の先端部11cは、ナット12の下方に配置されたストッパ部材13の受け部13aに到達し、内孔13bへと案内される。封印ねじ11の先端部11cが内孔13bへ案内され挿入されると、先端部11cのテーパ部T1により、ストッパ部材13の内孔13aが押し広げられ、ストッパ部材13の受け部13aが弾性変形する。
封印ねじ11が更にねじ込まれると、封印ねじ11のおねじ部11dとナット12のめねじ部12cとの螺合が解除され、おねじ部11dおよび非おねじ部11eはそれぞれ保持穴12dおよびめねじ部12c内に挿設され、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13により係止され、封印ねじ11が封印部材21内にて抜き取り不可能な状態で保持される。一方、封印ねじ11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31a内に係合される。
その結果、封印ねじ11を反ねじ込み方向へ回転させた場合、封印ねじ11のおねじ部11dは、ナット12の保持穴12d内にて空回し、封印ねじ11を封印部材21内から抜き取り不可能にすることができる。更に、封印ねじ11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31aに係合されているので、基板ボックス1のボックス本体2とボックス蓋体3とが開封不可能に連結され、基板ボックス1を確実に封印することができる(図5参照)。よって、基板ボックス1に被包された制御回路基板4の制御用ROM等を不適法に取り外して、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。また、封印部材21,31を破壊、切断等すれば基板ボックス1を開封することができるが、その場合には、基板ボックス1が開封された痕跡を確実に残すことができる。即ち、不正行為が行われたか否かを即座に発見することができる。
また、このようにして基板ボックス1が封印されると、各予備ねじ保持穴23aに保持された各予備ねじ111は、各予備ねじ保持板33により、確実に係止され、各予備ねじ保持穴23a内に抜き取り不可能な状態で保持される。よって、予備ねじ111が予備ねじ保持穴23aから抜け落ちることが防止されるので、予備ねじ111の紛失を防止することができる。また、予備ねじ111の不正な抜き取りを防止することができる。
このように本実施例のボックス封印具10によれば、封印ねじ11によって連結された封印部材21,31の当接面(対向面)の外周には、周壁24,34が凸設され、かつ、その周壁34,24に適合して形成された嵌合溝25,35が凹設されている。よって、封印部材21,31の当接面の間、即ち、周壁24と嵌合溝35との当接面の間、又は、周壁34と嵌合溝25との当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11をナット12およびストッパ部材13ごと封印部材21から引き抜き、基板ボックス1を開封しようとしても、薄板状の工具等の先端部分が周壁24,34又は嵌合溝25,35に引っ掛かるので、その差し込みを防止することができる。従って、基板ボックス1のこじ開けが防止されて、基板ボックス1に収納された制御回路基板4からROM等を取り外して交換し、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。
図7は、第2実施例のボックス封印具110の部分的な側断面図であり、図中の矢印はボックス蓋体3のスライド方向を示している。第2実施例のボックス封印具110は、上述した第1実施例のボックス封印具10に対して、封印部材21,31の当接面の形状を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
第1実施例のボックス封印具10の封印部材21,31の当接面(対向面)には、周壁24,34が凸設され、かつ、その周壁34,24に適合して形成された嵌合溝25,35が凹設された。しかしながら、第2実施例のボックス封印具110では、図7のに示すように、封印部材21の上面右側縁部分に外方へ向けて下降傾斜した傾斜面部124が形成され、封印部材31の下面右側縁部分に外方へ向けて下降傾斜した傾斜面部134が封印部材21の傾斜面部124に適合して形成されている。
このように封印部材21,31の当接面(対向面)を構成することにより、薄板状の工具等を用いてボックス封印具110をこじ開ける場合、かかる薄板状の工具等を傾斜面部124,134に沿わせて傾斜させて差し込む必要がある。この場合、薄板状の工具等の先端部分は、封印部材21,31の水平な当接面に引っ掛かり、深く差し込むことができない。よって、封印部材21,31の当接面の間へ薄板状の工具等を差し込み、封印ねじ11をナット12およびストッパ部材13ごと封印部材21から引き抜き基板ボックス1を開封することができず、基板ボックス1に収納された制御回路基板4からROM等を取り外して交換し、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。
図8は、第3実施例のボックス封印具210の部分的な正面断面図である。第3実施例のボックス封印具210は、上述した第1実施例のボックス封印具10に対して、まず、封印部材21,31の当接面の形状が変更されている。即ち、第1実施例では、封印部材21,31の当接面には、周壁24,34が凸設され、かつ、その周壁34,24に適合して形成された嵌合溝25,35が凹設された。しかしながら、第3実施例では、図8のに示すように、封印部材21,31の当接面211,311がそれぞれ鋸歯状に形成されている。当接面211,311は互いに歯合可能に形成されており、図8の前後方向、即ち、図8の紙面に対して垂直方向にスライド可能に形成されている。よって、封印部材21,31を合致させるために、ボックス蓋体3をボックス本体2に対して、図8の前後方向へスライドさせることができるのである。
このように、封印部材21,31の当接面211,311を鋸歯状に形成することにより、薄板状の工具等を当接面211,311の間へ差し込んでボックス封印具210により封印された基板ボックス1をこじ開け開封しようとしても、薄板状の工具等は鋸歯状に形成された当接面211,311に引っ掛かり、その差し込みを防止することができる。
また、鋸等の工具を用いて封印部材21,31を連結する封印ねじ11を切断し基板ボックス1を開封する場合には、封印部材21,31の当接面211,311付近を切断しなければならない。よって、不正行為を行った者が、不正行為を隠蔽する場合には、切断部分に接着剤等を塗布し、当接面211,311の鋸歯形状を修復する必要がある。しかしながら、かかる鋸歯形状の当接面211,311を修復して切断の痕跡を隠蔽することは容易ではなく、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為が早期に発見されるとともに、かかる不正行為を抑制することができる。
また、ボックス封印具210の互いに対向する封印部材21,31は異なる色に着色されている。ところで封印部材21,31を連結する封印ねじ11を鋸等の工具を用いて切断して基板ボックス1を開封する場合に、封印部材21と封印部材31との当接面211,311付近を切断しなければならないが、封印部材21,31は互いに異なる色に着色されているので、ボックス封印具210の切断部分を接着剤等を用いてを修復し、その切断を隠蔽するためには、切断部分の色彩を再現する必要がある。しかしながら、かかる切断部分の色彩を再現することは困難であり、切断の痕跡を隠蔽することは容易ではない。従って、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為を早期に発見できると共に、かかる不正行為を抑制することができる。
尚、ボックス封印具210の着色パターンとしては、上下対向する封印部材21,31の色が異なっていれば良く、例えば、封印ユニット20の各封印部材21の全てを1の色(例えば、赤色)に着色し、その封印ユニット20に対向する封印ユニット30の各封印部材31の全てを他の色(例えば、緑色)に着色しても良い。また、封印ユニット20の4つの封印部材21のそれぞれを異なる色、例えば、赤色、青色、黄色、緑色に着色し、その赤色の封印部材21に対向する封印部材31を緑色、青色の封印部材21に対向する封印部材31を黄色、黄色の封印部材21に対向する封印部材31を青色、緑色の封印部材21に対向する封印部材31を赤色に着色しても良い。
更に、第3実施例のボックス封印具210は、封印部材21および封印部材31の外周面(外周)に針金材等で構成されたワイヤ部材212,312が格子状に略等間隔で周設されているので、鋸等の工具を用いてボックス封印具210を切断して基板ボックス1を開封する場合に、鋸等の工具の歯がワイヤ部材212やワイヤ部材312に引っ掛かる。よって、鋸等の工具による切断が行われると、ワイヤ部材212,312によって切断部分以外の封印部材21,31の各部分が破壊されて、切断の痕跡を残すことができる。このように破壊された封印部材21,31を修復して切断の痕跡を隠蔽することは容易ではなく、不正行為の隠蔽を確実に行うことができない。よって、不正行為が早期に発見されると共に、かかる不正行為を抑制することができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
ボックスベースとボックスカバーとを有する遊技機用基板ボックス内に回路基板を被包して封印するための遊技機用基板ボックス封印具において、前記ボックスベースに配設される第1封印部材と、その第1封印部材に対向し前記ボックスカバーに配設される第2封印部材と、その第2封印部材および第1封印部材を連結し前記遊技機用基板ボックスを封印する連結封印部材とを備え、前記第1封印部材および第2封印部材の対向面にはそれぞれ適合した傾斜面が形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス封印具1。
この遊技機用基板ボックス封印具1によれば、回路基板をボックスベースまたはボックスカバー内に収納し、ボックスベースに配設された第1封印部材とボックスカバーに配設された第2封印部材とを対向させつつ、ボックスベースにボックスカバーを合致させることにより、回路基板が遊技機用基板ボックスにより被包される。回路基板の被包後、連結封印部材によって第1封印部材と第2封印部材とを連結することにより、遊技機用基板ボックス内に被包された回路基板が封印される。この第1封印部材と第2封印部材との対向面にはそれぞれ適合した傾斜面が形成されている。よって、かかる各対向面の間へ薄板状の工具等を差し込んで遊技機用基板ボックス封印具1をこじ開け開封しようとしても、薄板状の工具等は各封印部材の対向面に形成された傾斜面に引っ掛かるので、その差し込みを防止することができる。従って、遊技機用基板ボックスのこじ開けを防止して、遊技機用基板ボックスに収納された回路基板への不正行為を防止することができる。
ボックスベースとボックスカバーとを有する遊技機用基板ボックス内に回路基板を被包して封印するための遊技機用基板ボックス封印具において、前記ボックスベースに配設される第1封印部材と、その第1封印部材に対向し前記ボックスカバーに配設される第2封印部材と、その第2封印部材および第1封印部材を連結し前記遊技機用基板ボックスを封印する連結封印部材とを備え、前記第1封印部材および第2封印部材の対向面はそれぞれ適合した鋸歯形状に形成されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス封印具2。
この遊技機用基板ボックス封印具2によれば、回路基板をボックスベースまたはボックスカバー内に収納し、ボックスベースに配設された第1封印部材とボックスカバーに配設された第2封印部材とを対向させつつ、ボックスベースにボックスカバーを合致させることにより、回路基板が遊技機用基板ボックスにより被包される。回路基板の被包後、連結封印部材によって第1封印部材と第2封印部材とを連結することにより、遊技機用基板ボックス内に被包された回路基板が封印される。この第1封印部材と第2封印部材との対向面はそれぞれ適合した鋸歯形状に形成されている。よって、かかる各対向面の間へ薄板状の工具等を差し込んで遊技機用基板ボックス封印具2をこじ開け開封しようとしても、薄板状の工具等は各封印部材の鋸歯形状に形成された対向面に引っ掛かるので、その差し込みを防止することができる。従って、遊技機用基板ボックスのこじ開けを防止して、遊技機用基板ボックスに収納された回路基板への不正行為を防止することができる。
また、鋸等の工具を用いて各封印部材を連結する連結封印部材を切断し遊技機用基板ボックスを開封する場合には、第1封印部材と第2封印部材との対向面付近を切断しなければならない。よって、不正行為を行った者が、不正行為を隠蔽するためには、切断部分に接着剤等を塗布し、対向面の鋸歯形状を修復する必要がある。しかしながら、かかる鋸歯形状の対向面を修復して切断の痕跡を隠蔽することは容易ではなく、不正行為の隠蔽を確実に行うことができない。従って、不正行為を早期に発見できると共に、かかる不正行為を抑制することができる。
遊技機用基板ボックス封印具1,2、又は、請求項1記載の遊技機用基板ボックス封印具において、前記第1封印部材および第2封印部材は異なる色に着色されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス封印具3。この遊技機用基板ボックス封印具3によれば、鋸等の工具を用いて各封印部材を連結する連結封印部材を切断し遊技機用基板ボックスを開封する場合には、第1封印部材と第2封印部材との対向面付近を切断しなければならない。各封印部材は互いに異なる色に着色されているので、遊技機用基板ボックス封印具3の切断部分を接着剤等を用いて修復し、その切断を隠蔽するためには、切断部分の色彩を再現する必要がある。しかしながら、かかる切断部分の色彩を再現することは困難であり、切断の痕跡を隠蔽することは容易ではない。従って、不正行為の隠蔽を確実に行うことができないので、不正行為を早期に発見できると共に、かかる不正行為を抑制することがきる。
遊技機用基板ボックス封印具1から3のいずれか、又は、請求項1記載の遊技機用基板ボックス封印具において、前記第1封印部材および第2封印部材の外周には針金材が格子状に周設されていることを特徴とする遊技機用基板ボックス封印具4。この遊技機用基板ボックス封印具4によれば、各封印部材の外周には針金材が格子状に周設されているので、鋸等の工具を用いて遊技機用基板ボックス封印具4を切断して遊技機用基板ボックスを開封する場合に、鋸等の工具の歯が針金材に引っ掛かる。よって、鋸等の工具による切断が行われると、針金材によって切断部分以外の封印部材の各部分が破壊されて、切断の痕跡を残すことができる。このように破壊された各封印部材を修復して切断の痕跡を隠蔽することは容易ではなく、不正行為の隠蔽を確実に行うことができない。従って、不正行為を早期に発見できると共に、かかる不正行為を抑制することができる。