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JP4346118B2 - 内燃機関の触媒温制御装置 - Google Patents

内燃機関の触媒温制御装置 Download PDF

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空燃比リーン領域でのリーン燃焼を行わせ、リーン燃焼時に発生する排ガス中の窒素酸化物(NOx )を浄化するためのNOx 吸蔵還元型触媒を有する内燃機関の空燃比制御装置に適用され、前記触媒の温度を所定の温度域に保持するための触媒温制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年における内燃機関の空燃比制御装置では、燃費改善を図るべく理論空燃比よりもリーン側で燃料を燃焼させる、いわゆるリーンバーン制御を実施する技術が多用化されつつある。こうしたリーン燃焼を行わせる場合、内燃機関から排出される排ガスにはNOx が多く含まれ、このNOx を浄化するためのリーンNOx 触媒が必要となる。例えば特許番号第2600492号公報の「内燃機関の排気浄化装置」には、排ガスの空燃比がリーンである時にNOx を吸収すると共に、排ガスの酸素濃度が低下された時に、すなわちリッチ化された時に前記吸収したNOx を放出するNOx 吸収剤(NOx 吸蔵還元型触媒)が開示されている。
【0003】
またこの種のNOx 触媒を有するシステムにおいて、NOx 浄化能力を良好に維持するには触媒温を所定の温度域に保つ必要がある。そこで、触媒温を制御する装置として、特許番号第2605556号公報には、触媒温が高い時にはエア又は冷却水で触媒を冷却し、触媒温が低い時には触媒ケーシング内で燃料を燃焼させるか若しくはヒータの加熱により触媒温を昇温させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来公報(特許番号第2605556号公報)の技術では、触媒温を低下させるためのエアインジェクタや、触媒温を上昇させるためのフューエルインジェクタ、電熱ヒータなどの部材をNOx 触媒に付与する必要がある。そのため、構成部品が増えてしまい、高コスト化を招くという問題があった。また、エンジン排気系に燃料を噴射供給して燃焼させる場合、安全性を十分に考慮した上で燃料配管の設置位置などを設計しなくてはならず、設計工程での煩雑化を招く。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、簡易な手法にて精度良く触媒温を制御することができる内燃機関の触媒温制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の触媒温制御装置はその前提として、内燃機関に供給する混合気の目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定してその目標空燃比に基づきリーン燃焼を行わせると共に、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOx をリーンNOx 触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的にリッチに制御して前記吸蔵したNOx をリーンNOx 触媒から放出するようにした内燃機関の空燃比制御装置に適用される。
【0007】
そして、請求項1に記載の発明では、リーンNOx触媒の温度が該リーンNOx触媒の活性温度である所定の温度域より外れた場合において、空燃比をリーン・リッチで交互に制御するための空燃比制御パラメータとしてのリッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比を可変に設定し触媒温を所定の温度域に調整する(触媒温調整手段)。リーンNOx触媒の温度が所定の温度域より大きくなったときには、所定温度域内のときに比べ、リッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比が大きくなるように設定することで、リーンNOx触媒での反応熱を減少させる降温制御を実行し、リーンNOx触媒の温度が所定の温度域より小さくなったときには、所定温度域内のときに比べ、リッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比が小さくなるように設定することで、リーンNOx触媒での反応熱を増加させる昇温制御を実行する
【0008】
要するに、NOx 触媒の温度が低い場合、リッチ燃焼の割合が大きくなるよう空燃比制御パラメータを設定する。このとき、排ガス中の未燃成分(HC,CO)が増え、未燃成分の反応熱が増加することで触媒温が上昇する。また、NOx 触媒の温度が高い場合、リーン燃焼の割合が大きくなるよう空燃比制御パラメータを設定する。このとき、排ガス中の未燃成分(HC,CO)が減り、未燃成分の反応熱が減少することで触媒温が低下する。
【0009】
上記構成によれば、従来公報(特許番号第2605556号公報)のようにフューエルインジェクタやエアインジェクタといった、触媒を昇温又は降温させるための付加的構成をNOx 触媒に付与する必要もない。その結果、簡易な手法にて精度良く触媒温を制御することができる。
【0011】
また併せて、リーン燃焼時のストイキに対するリーン度合又はリッチ燃焼時のストイキに対するリッチ度合を空燃比制御パラメータとし、当該パラメータにより触媒温を調整する(請求項2)ようにしてもよい。かかる場合、触媒温が低い時には、リッチ燃焼時のリッチ度合を大きくする(或いは、リーン燃焼時のリーン度合を小さくする)。また、触媒温が高い時には、リッチ燃焼時のリッチ度合を小さくする(或いは、リーン燃焼時のリーン度合を大きくする)。
【0012】
また、請求項3に記載の発明では、機関の高負荷、低負荷の状態を検出し、該検出した機関の高負荷、低負荷の状態に基づいてリーンNOx触媒が降温制御が必要な降温期にあるか若しくは昇温制御が必要な昇温期にあるかを判定する(触媒温判定手段)。上記の判定結果を用いれば、NOx触媒の昇温制御が必要か、或いは降温制御が必要かが特定でき、より一層適切な触媒温制御が実施できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について説明する。本実施の形態における空燃比制御システムでは、内燃機関に供給する混合気の目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定し、その目標空燃比に基づいてリーン燃焼を行わせる、いわゆるリーンバーン制御を実施する。同システムの主たる構成として、内燃機関の排気通路の途中にはNOx 吸蔵還元型触媒(以下、NOx 触媒という)が設けられ、そのNOx 触媒の上流側には限界電流式空燃比センサ(A/Fセンサ)が配設されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(以下、ECUという)は、前記空燃比センサによる検出結果を取り込み、そのセンサ検出結果に基づいてリーン空燃比でのフィードバック制御を実施する。以下、図面を用いてその詳細な構成を説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態における空燃比制御システムの概要を示す全体構成図である。図1において、内燃機関は4気筒4サイクルの火花点火式エンジン(以下、単にエンジン1という)として構成されており、エンジン1には吸気管2と排気管3とが接続されている。吸気管2には、アクセルペダル4に連動するスロットル弁5が設けられており、同スロットル弁5の開度はスロットル開度センサ6により検出される。また、吸気管2のサージタンク7には吸気圧センサ8が配設されている。
【0016】
エンジン1の気筒を構成するシリンダ9内には図の上下方向に往復動するピストン10が配設されており、同ピストン10はコンロッド11を介して図示しないクランク軸に連結されている。ピストン10の上方にはシリンダ9及びシリンダヘッド12にて区画された燃焼室13が形成されており、燃焼室13は、吸気バルブ14及び排気バルブ15を介して前記吸気管2及び排気管3に連通している。
【0017】
排気管3には、排ガス中の酸素濃度(或いは、未燃ガス中の一酸化炭素などの濃度)に比例して広域で且つリニアな空燃比信号を出力する、限界電流式空燃比センサからなるA/Fセンサ16が設けられている。また、排気管3においてA/Fセンサ16の下流側には、NOx 浄化機能を有するNOx 触媒19が配設されている。このNOx 触媒19は、NOx 吸蔵還元型触媒として知られており、リーン空燃比の状態下でNOx を吸蔵し、リッチ空燃比の状態下で前記吸蔵したNOx をCOやHCで還元し放出する。
【0018】
エンジン1の吸気ポート17には電磁駆動式のインジェクタ18が設けられており、このインジェクタ18には図示しない燃料タンクから燃料(ガソリン)が供給される。本実施の形態では、吸気マニホールドの各分岐管毎に1つずつインジェクタ18を有するマルチポイントインジェクション(MPI)システムが構成されている。この場合、吸気管上流から供給される新気とインジェクタ18による噴射燃料とが吸気ポート17にて混合され、その混合気が吸気バルブ14の開弁動作に伴い燃焼室13内(シリンダ9内)に流入する。
【0019】
シリンダヘッド12に配設された点火プラグ27は、イグナイタ28からの点火用高電圧により発火する。イグナイタ28には、点火用高電圧を各気筒の点火プラグ27に分配するためのディストリビュータ20が接続され、同ディストリビュータ20にはクランク軸の回転状態に応じて720°CA毎にパルス信号を出力する基準位置センサ21と、より細かなクランク角毎(例えば、30°CA毎)にパルス信号を出力する回転角センサ22とが配設されている。
【0020】
NOx 触媒19の下流側には、当該触媒19の温度を検出するための触媒温センサ24が配設されている。また、シリンダ9(ウォータジャケット)には、冷却水温を検出するための水温センサ23が配設されている。
【0021】
ECU30は、周知のマイクロコンピュータシステムを中心に構成され、CPU31、ROM32、RAM33、バックアップRAM34、A/D変換器35、入出力インターフェース(I/O)36等を備える。前記スロットル開度センサ6、吸気圧センサ8、A/Fセンサ16、水温センサ23及び触媒温センサ24の各検出信号は、A/D変換器35に入力され、A/D変換された後にバス37を介してCPU31に取り込まれる。また、前記基準位置センサ21及び回転角センサ22のパルス信号は、入出力インターフェース36及びバス37を介してCPU31に取り込まれる。
【0022】
CPU31は、前記各センサの検出信号に基づいてスロットル開度TH、吸気圧PM、空燃比(A/F)、冷却水温Tw、基準クランク位置(G信号)及びエンジン回転数Neなどのエンジン運転状態を検知する。また、CPU31は、エンジン運転状態に基づいて燃料噴射量や点火時期等の制御信号を演算し、その制御信号をインジェクタ18やイグナイタ28に出力する。
【0023】
次に、上記の如く構成される空燃比制御システムの作用を説明する。
図2は、CPU31により実行される燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャートであり、本ルーチンは各気筒の燃料噴射毎(本実施の形態では180°CA毎)に実行される。
【0024】
さて、図2のルーチンがスタートすると、CPU31は、先ずステップ101でエンジン運転状態を表すセンサ検出結果(エンジン回転数Ne、吸気圧PM、冷却水温Tw等)を読み込み、続くステップ102でROM32内に予め格納されている基本噴射マップを用いてその時々のエンジン回転数Ne及び吸気圧PMに応じた基本噴射量Tpを算出する。また、CPU31は、ステップ103で周知の空燃比F/B条件が成立しているか否かを判別する。ここで、空燃比F/B条件とは、冷却水温Twが所定温度以上であること、高回転・高負荷状態でないこと、A/Fセンサ16が活性状態にあることなどを含む。
【0025】
ステップ103が否定判別されれば(F/B条件不成立の場合)、CPU31は、ステップ104に進んで空燃比補正係数FAFを「1.0」とする。FAF=1.0とすることは、空燃比がオープン制御されることを意味する。また、ステップ103が肯定判別されれば(F/B条件成立の場合)、CPU31は、ステップ200に進んで目標空燃比λTGの設定処理を実施する。目標空燃比λTGの設定処理は後述する図3及び図4のルーチンに従い行われる。
【0026】
その後、CPU31は、ステップ105でその時々の実際の空燃比λ(センサ計測値)と目標空燃比λTGとの偏差に基づいて空燃比補正係数FAFを設定する。本実施の形態では、現代制御理論に基づく空燃比F/B制御を実施することとしており、そのF/B制御に際し、A/Fセンサ16の検出結果を目標空燃比に一致させるための空燃比補正係数FAFを次の(1),(2)式を用いて算出する。なお、このFAF値の設定手順については特開平1−110853号公報に詳細に開示されている。
【0027】
Figure 0004346118
上記(1),(2)式において、λはA/Fセンサ16による限界電流の空燃比変換値を、K1 〜Kn+1 はF/B定数を、ZIは積分項を、Kaは積分定数をそれぞれ表す。また、添字1〜n+1はサンプリング開始からの制御回数を示す変数である。
【0028】
FAF値の設定後、CPU31は、ステップ106で次の(3)式を用い、基本噴射量Tp、空燃比補正係数FAF及びその他の補正係数FALL(水温、エアコン負荷等の各種補正係数)から最終の燃料噴射量TAUを算出する。
【0029】
TAU=Tp・FAF・FALL …(3)
燃料噴射量TAUの算出後、CPU31は、そのTAU値に相当する制御信号をインジェクタ18に出力して本ルーチンを一旦終了する。
【0030】
次に、上記ステップ200の処理に相当するλTG設定ルーチンについて、図3及び図4を用いて説明する。なお当該ルーチンでは、リーン燃焼の実施途中において一時的にリッチ燃焼が行われるよう、目標空燃比λTGが適宜設定される。すなわち、燃料噴射毎に計数される周期カウンタの値を基に、所定の時間比となるようにリーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとが設定され、それら各噴射回数TL,TRに応じてリーン燃焼とリッチ燃焼とが交互に実施される。
【0031】
図3において、CPU31は、先ずステップ201で前記触媒温センサ24により検出されたNOx 触媒19の温度(触媒温)を読み込む。また、CPU31は、続くステップ202で前記読み込んだ触媒温に応じて目標空燃比λTGのリーン制御値とリッチ制御値とを設定する。このとき、目標空燃比λTGのリーン制御値とリッチ制御値は、その時々のエンジン回転数Neや吸気圧PMに応じて可変に設定されると共に、図5の関係に従い適宜補正される。つまり、図5に示すように、触媒温が所定の温度範囲(本実施の形態では、触媒活性化温度の200〜400℃)にある時のリーン制御値とリッチ制御値とを基準として、触媒温が200℃よりも低い場合には、リーン制御値のリーン度合を小さくすると共に、リッチ制御値のリッチ度合を大きくする。また、触媒温が400℃よりも高い場合には、リーン制御値のリーン度合を大きくすると共に、リッチ制御値のリッチ度合を小さくする。
【0032】
但し、触媒温<200℃、又は触媒温>400℃の温度域において、触媒温に応じて目標空燃比λTGを変更するのは、リーン制御値又はリッチ制御値のいずれか一方だけとしてもよい(リーン制御値又はリッチ制御値のいずれかを固定値とする)。
【0033】
その後、リーンカウンタ及びリッチカウンタが「0」にクリアされていることを条件に(ステップ203がYES)、CPU31はステップ204に進み、前記読み込んだ触媒温に応じてリーン・リッチの変動周期、すなわちリーン噴射回数TL及びリッチ噴射回数TRを設定する。このとき、図6の関係に従いリーン,リッチ噴射回数TL,TRが設定される。つまり、図6に示すように、触媒温=200〜400℃を基準として、それよりも低温側では各噴射回数の比(=TL/TR)を小さくし、高温側では各噴射回数の比(=TL/TR)を大きくする。
【0034】
より具体的には図6において、
・触媒温<200℃の温度域では、その時のリーン噴射回数L1とリッチ噴射回数R1との比を「L1:R1=5:1」程度とし、
・触媒温=200〜400℃の温度域では、その時のリーン噴射回数L2とリッチ噴射回数R2との比を「L2:R2=100:1」程度とし、
・触媒温>400℃の温度域では、その時のリーン噴射回数L3とリッチ噴射回数R3との比を「L3:R3=300:1」程度とする。
【0035】
なお図6では、触媒温の高温側ほど、リッチ噴射回数R1,R2,R3を大きくしたが、R1=R2=R3であっても問題ない。要は、触媒温が低い場合にリーン・リッチの変動周期を短くし、触媒温が高い場合にリーン・リッチの変動周期を長くするものであればよい。
【0036】
因みに、上記図5及び図6では、NOx 触媒19でのNOx 吸蔵可能量を考慮し、リーン制御時にはNOx 吸蔵可能量以下の値で制御パラメータが設定され、リッチ制御時には吸蔵NOx を還元・放出可能な値で制御パラメータが設定されるようになっている。
【0037】
その後、CPU31は、ステップ205で前記設定したリーン噴射回数TL及びリッチ噴射回数TRを触媒温制御の継続時間に基づき補正する。ここで触媒温制御の継続時間とは、触媒温が200〜400℃の温度域外となり前記図5や図6の関係に基づくリーン制御やリッチ制御が実施される時の継続時間のことを言う。このとき、図7(a),(b)の関係に従い補正係数が求められ、
TL←TL×リーン補正係数
TR←TR×リッチ補正係数
として、最終のリーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとが決まる。
【0038】
図7(a)によれば、触媒温が低く触媒の昇温制御を行う場合において、触媒温制御が所定時間よりも長引くと、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比(=TL/TR)が大きくなるよう、リーン,リッチ補正係数が決定される。また図7(b)によれば、触媒温が高く触媒の降温制御を行う場合において、触媒温制御が所定時間よりも長引くと、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比(=TL/TR)が小さくなるよう、リーン,リッチ補正係数が決定される。
【0039】
上記ステップ204,205の処理後、CPU31は、図4のステップ206に進む。一方、前記ステップ203がNOの場合(リーン,リッチカウンタ≠0の場合)、CPU31はステップ204,205の処理を読み飛ばし、そのままステップ206に進む。
【0040】
そして、ステップ206では、CPU31は今現在、リーン制御中であるか否か、すなわち目標空燃比λTGがリーン制御値であるか否かを判別する。リーン制御中であれば、CPU31はステップ207に進み、リーンカウンタを「1」インクリメントする。
【0041】
また、CPU31は、続くステップ208でリーンカウンタの値が前記設定したリーン噴射回数TLに達したか否かを判別する。リーン噴射回数TLに達していなければ(ステップ208がNOの場合)、CPU31は、ステップ209で前記設定したリーン制御値を目標空燃比λTGとし、その後元の図2のルーチンに戻る。かかる場合、上述のステップ209で設定したλTG値が前記図2のステップ105でFAF値の演算に用いられ、このFAF値により空燃比がリーン制御される。
【0042】
リーンカウンタの値がリーン噴射回数TLに達すると(ステップ208がYESの場合)、CPU31は、ステップ210でリーンカウンタを「0」にクリアする。続いて、CPU31は、ステップ211で前記設定したリッチ制御値を目標空燃比λTGとし、その後元の図2のルーチンに戻る。かかる場合、上述のステップ211で設定したλTG値が前記図2のステップ105でFAF値の演算に用いられ、このFAF値により空燃比がリッチ制御される。
【0043】
一方、目標空燃比λTGがリーン制御値からリッチ制御値に切り換えられ(ステップ211)、ステップ206が否定判別されると、CPU31はステップ212に進み、リッチカウンタを「1」インクリメントする。また、CPU31は、続くステップ213でリッチカウンタの値が前記設定したリッチ噴射回数TRに達したか否かを判別する。リッチ噴射回数TRに達していなければ(ステップ213がNOの場合)、CPU31は、ステップ214で前記設定したリッチ制御値を目標空燃比λTGとし、その後元の図2のルーチンに戻る。すなわち空燃比のリッチ制御を継続する。
【0044】
リッチカウンタの値がリッチ噴射回数TRに達すると(ステップ213がYESの場合)、CPU31は、ステップ215でリッチカウンタを「0」にクリアする。続いて、CPU31は、ステップ216で前記設定したリーン制御値を目標空燃比λTGとし、その後元の図2のルーチンに戻る。すなわち、リッチ制御から元のリーン制御に切り換える。これにより、次回の処理時には新たなリーンリッチ噴射回数TL,TRが設定されると共に、リーン制御が再開される。
【0045】
図8は、上記図2〜図4のルーチンによる制御動作を説明するためのタイムチャートである。同図の期間T1は、例えばエンジン始動時やアイドル運転時などにおいて触媒温が200℃を下回る場合を示し、期間T2は、例えば車両加速時や高負荷運転時などにおいて触媒温が400℃を上回る場合を示す。
【0046】
図8において、触媒温が200〜400℃の温度域にある期間(図のT1,T2以外の期間)では、エンジン回転数Neや吸気圧PMに対応する所定のリーン制御値及びリッチ制御値により空燃比(A/F)が制御される。このとき、リーン制御とリッチ制御との時間比は「100:1」程度となっている。
【0047】
これに対し、触媒温が低下する期間T1では、リーン制御時のリーン度合を小さくすると共に、リッチ制御時のリッチ度合を大きくするように空燃比が制御される(前記図5参照)。併せて、リーン制御とリッチ制御との時間比が「5:1」程度にまで短縮される(前記図6参照)。このとき、リーン燃焼に対してリッチ燃焼の割合が大きくなることで排ガス中の未燃HCが増える。これは、NOx 触媒19で未燃HCが酸化反応する際に生じる熱量が増え、触媒温が上昇側に制御されることを意味する。従って、期間T1の後期には触媒温が上昇し、200〜400℃の温度域に戻る。
【0048】
一方、触媒温が上昇する期間T2では、リーン制御時のリーン度合を大きくすると共に、リッチ制御時のリッチ度合を小さくするように空燃比が制御される(前記図5参照)。併せて、リーン制御とリッチ制御との時間比が「300:1」程度にまで伸ばされる(前記図6参照)。このとき、リーン燃焼に対してリッチ燃焼の割合が小さくなることで排ガス中の未燃HCが減る。これは、NOx 触媒19で未燃HCが酸化反応する際に生じる熱量が減り、触媒温が下降側に制御されることを意味する。従って、期間T2の後期には触媒温が下降し、200〜400℃の温度域に戻る。
【0049】
なお本実施の形態では、前記図3のルーチンが請求項記載の触媒温調整手段に相当する。また、図3のステップ202で設定した空燃比のリーン制御値及びリッチ制御値と、同ステップ204で設定したリーン噴射回数TL及びリッチ噴射回数TRとがそれぞれ空燃比制御パラメータに相当する。
【0050】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)本実施の形態では、NOx 触媒19の温度が所定の温度域外となった場合において、空燃比をリーン・リッチで交互に制御するための空燃比制御パラメータを可変に設定し、それにより触媒温を調整するようにした。つまり、リーン燃焼⇔リッチ燃焼の周期と、リーン,リッチ燃焼時の空燃比度合とを空燃比制御パラメータとし、これらのパラメータにより触媒温を調整するようにした(前記図5及び図6参照)。
【0051】
要するに、触媒温が低い場合、リッチ燃焼の割合が大きくなるよう空燃比制御パラメータを設定する。このとき、排ガス中の未燃成分(HC,CO)が増え、未燃成分の反応熱が増加することで触媒温が上昇する。また、触媒温が高い場合、リーン燃焼の割合が大きくなるよう空燃比制御パラメータを設定する。このとき、排ガス中の未燃成分(HC,CO)が減り、未燃成分の反応熱が減少することで触媒温が低下する。
【0052】
上記構成によれば、従来公報(特許番号第2605556号公報)の装置のようにフューエルインジェクタやエアインジェクタといった、触媒を昇温又は降温させるための付加的構成をNOx 触媒に付与する必要もない。その結果、簡易な手法にて精度良く触媒温を制御することができる。
【0053】
(b)触媒温の制御期間において、当該制御の継続時間に応じて空燃比制御パラメータを適宜変更するようにした(前記図3のステップ205)。つまり、温度制御の継続時間から触媒温が所定の温度域に復帰したと推定できる場合において、触媒温制御のためのリーン・リッチ制御を中止する方向に空燃比制御パラメータを変更する。これにより、過剰な触媒温制御が抑制できる。因みに、既述の形態では、温度制御の継続時間に応じて噴射回数TL,TRを補正したが、これを変更し、リーン制御値又はリッチ制御値を補正するように構成することも可能である。
【0054】
(c)特に、前記図5及び図6に基づく空燃比制御では、NOx 触媒19でのNOx 吸蔵可能量を考慮し、リーン時には吸蔵可能量以下の値で、リッチ時には吸蔵NOx を還元・放出可能な値で、それぞれリーン・リッチ制御が実施される。そのため、好適なる触媒温制御を継続しつつ、NOx 触媒19の排ガス浄化率を適正レベルに保つことができる。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に、本発明における第2の実施の形態を図9〜図11を用いて説明する。但し、第2の実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
上記第1の実施の形態では、エンジン排気管3に触媒温センサ24を設け、当該センサ24の検出結果を用いて触媒温を直接的に求めていたが、本実施の形態では、エンジン運転状態を表すエンジン負荷の積算値を触媒温の推定パラメータとする。そして、この推定パラメータ(エンジン負荷の積算値)に基づいてリーン・リッチの変動周期(リーン噴射回数,リッチ噴射回数)を設定し、その変動周期によりNOx 触媒19を昇温又は降温制御することとしている。
【0057】
図9は、負荷積算ルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは各気筒の燃料噴射毎(180°CA毎)にCPU31により実施される。
図9において、CPU31は、先ずステップ301でエンジン負荷としての吸入空気量Qaを読み込む。吸入空気量Qaはその時々のエンジン回転数Neと吸気圧PMとから演算される。また、CPU31は、続くステップ302,303で前記読み込んだ吸入空気量Qaからエンジン1の負荷レベルを判定する。すなわち、
・ステップ302では、吸入空気量Qaが所定値KQ1未満であるか否かを、
・ステップ303では、吸入空気量Qaが所定値KQ2未満であるか否かを、
それぞれ判別する。但し、KQ1<KQ2である。
【0058】
エンジンの定常運転時には、ステップ302,303が共に否定判別され、CPU31は、ステップ304に進む。ステップ304では、CPU31は、吸入空気量Qaの積算値(以下、Qa積算値という)を「0」にクリアする。また、CPU31は、ステップ305で昇温側ディレイカウンタを所定の設定値にセットすると共に、続くステップ306で降温側ディレイカウンタに所定の設定値をセットし、その後本ルーチンを一旦終了する。
【0059】
エンジン始動時やアイドル運転時などには、前記ステップ302が肯定判別され、CPU31はステップ307に進む。そして、CPU31は、ステップ307で昇温側ディレイカウンタを「1」デクリメントする。なおこのとき、ディレイカウンタの値がマイナス値にならないよう当該カウンタ値を「0」でガードしておく。
【0060】
その後、CPU31は、ステップ308で前記ディレイカウンタの値が「0」であるか否かを判別する。カウンタ≠0であれば、CPU31は、ステップ309でQa積算値を「0」にクリアし、カウンタ=0であれば、ステップ310で前記読み込んだ吸入空気量QaとQa積算値の前回値とからQa積算値の今回値を求める(Qa積算値の今回値=前回値+Qa)。ステップ309又は310の処理後、CPU31は本ルーチンを一旦終了する。
【0061】
一方、車両加速時やエンジンの高負荷運転時などには、前記ステップ303が肯定判別され、CPU31はステップ311に進む。そして、CPU31は、ステップ311で降温側ディレイカウンタを「1」デクリメントする。なおこのとき、ディレイカウンタの値がマイナス値にならないよう当該カウンタ値を「0」でガードしておく。
【0062】
その後、CPU31は、ステップ312で前記ディレイカウンタの値が「0」であるか否かを判別する。カウンタ≠0であれば、CPU31は、ステップ313でQa積算値を「0」にクリアし、カウンタ=0であれば、ステップ314で前記読み込んだ吸入空気量QaとQa積算値の前回値とからQa積算値の今回値を求める(Qa積算値の今回値=前回値+Qa)。ステップ313又は314の処理後、CPU31は本ルーチンを一旦終了する。
【0063】
そして、上記の如くQa積算値が求められると、当該Qa積算値を触媒温の推定パラメータとして、図10の関係に従いリーン噴射回数TL及びリッチ噴射回数TRが設定される。図10(a)は、触媒の昇温制御時におけるリーン,リッチ噴射回数TL,TRの検索マップを示し、図10(b)は、触媒の降温制御時におけるリーン、リッチ噴射回数の検索マップを示す。なお図10に基づく噴射回数TL,TRの設定処理は、前記図3のステップ204の処理(前記図6に基づく噴射回数の設定処理)に置き換えて実施される。
【0064】
図10(a)によれば、
・Qa積算値が所定値R1以下の場合、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が、「100:1」程度となるように、
・Qa積算値が所定値R1〜R2の場合、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が、「5:1」程度となるように、
・Qa積算値が所定値R2以上の場合、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TLとの比が、「50:1」程度となるように、
それぞれにTL,TRが設定される。
【0065】
また、図10(b)によれば、
・Qa積算値が所定値R3以下の場合、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が、「100:1」程度となるように、
・Qa積算値が所定値R3〜R4の場合、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が、「300:1」程度となるように、
・Qa積算値が所定値R4以上の場合、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が、「200:1」程度となるように、
それぞれにTL,TRが設定される。
【0066】
因みに上記図10(a),(b)において、Qa積算値がR1以下又はR3以下の時に噴射回数の比が「100:1」となることは、実質上それまでのリーン・リッチの変動周期(通常時のリーン・リッチ制御)が継続されることを意味する。
【0067】
また、図10(a),(b)中に二点鎖線で示すように、Qa積算値が所定値Ra,Rb以上となる場合において、各噴射回数TL,TRの比を通常時の「100:1」程度に復帰させるようにしてもよい。
【0068】
図11は、本実施の形態における作用を説明するためのタイムチャートである。但し、同図にはNOx 触媒19の昇温制御時における事例を示し、図の時刻t1〜t5の期間がエンジン1の低負荷運転期間に相当する。
【0069】
さて、時刻t1で吸入空気量Qaが所定値KQ1未満になると、昇温側ディレイカウンタが所定の設定値からカウントダウンされ始める(前記図9のステップ307)。このとき、吸入空気量Qaの低下に伴い次第に触媒温が低下し、やがて200℃を下回る。そして、カウンタ=0となる時刻t2では、Qa積算値の加算が始まる(図9のステップ310)。
【0070】
その後、Qa積算値≧R1となる時刻t3では、前記図10(a)の関係に従い、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比がそれまでの「100:1」程度から「5:1」程度に変更される(時刻t3〜t4)。このとき、リーン時間に対してリッチ時間が長くなることで排ガス中の未燃HCによる反応熱が増え、触媒温が徐々に上昇する。これにより触媒温が所定の温度域(200〜400℃)に復帰する。
【0071】
さらにその後、Qa積算値≧R2となる時刻t4では、前記図10(a)の関係に従い、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が「50:1」程度に変更される(時刻t4〜t5)。
【0072】
そして、時刻t5でエンジン1の低負荷運転が終わり、吸入空気量Qaが所定値KQ1以上になると、リーン噴射回数TLとリッチ噴射回数TRとの比が通常時の「100:1」程度に戻される。またこのとき、Qa積算値が「0」にクリアされると共に、昇温側ディレイカウンタに所定の設定値がセットされる(図9のステップ304,305)。
【0073】
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、簡易な手法にて精度良く触媒温を制御することができる。また、既述の効果に加えて、次の効果が得られる。
・本実施の形態では、エンジン負荷状態を検出し、該検出したエンジン負荷状態(Qa積算値)に応じてNOx 触媒19が降温期にあるか若しくは昇温期にあるかを判定するようにした。上記の判定結果を用いれば、NOx 触媒19の昇温制御が必要か、或いは降温制御が必要かが特定でき、より一層適正な触媒温制御が実施できる。
・また、昇温制御時及び降温制御時の各々においてQa積算値を大小異なる2つのしきい値(前記図10(a)のR1,R2、図10(b)のR3,R4)にて判定し、その判定結果に応じてリーン,リッチ噴射回数TL,TRを変更するようにした。そのため、例えばエンジン1の低負荷状態が長時間継続される場合において、触媒温の昇温制御が過剰に実施されるなどの不具合が回避できる。
・さらにエンジン負荷状態に基づいて触媒温を推定することで、触媒温センサ24が省略できるという構成上のメリットもある。
【0074】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて実現できる。
上記第1の実施の形態における図5及び図6の特性を変更する。図5及び図6では、触媒温<200℃、触媒温=200〜400℃、触媒温>400℃の3つの領域について、空燃比制御パラメータ(λTG値のリーン,リッチ制御値、及びリーン,リッチ噴射回数)を個々に設定していたが、各領域のパラメータの値をそれぞれ多段階に設定してもよい。また、図12及び図13に示すように、触媒温=200〜400℃の温度域外にて各パラメータを徐変させるよう設定してもよい。かかる構成によれば、触媒温制御のために空燃比制御パラメータを変更する際において、トルク変動の発生をより確実に抑制することができる。
【0075】
上記第1の実施の形態では、リーン燃焼⇔リッチ燃焼の周期と、リーン,リッチ燃焼時の空燃比度合とを空燃比制御パラメータとし、これらのパラメータにより触媒温を調整していたが、これを変更する。例えば前記2種類の制御パラメータのうち一方のみを可変に設定して触媒温制御を実施する。つまり、リーン燃焼⇔リッチ燃焼の周期を可変に設定することだけで触媒温を制御をする。又は、リーン,リッチ燃焼時の空燃比度合(リーン度合又はリッチ度合の少なくとも一方)を可変に設定することだけで触媒温を制御する。かかる形態においても、既述の実施の形態と同様に、本発明の目的が達せられる。要は、リーン燃焼とリッチ燃焼との割合を空燃比制御パラメータとして可変に設定し、それにより触媒温を所定の温度域に調整できる構成であればよい。
【0076】
上記第2の実施の形態では、Qa積算値からエンジン負荷状態をモニタし、その負荷状態に応じて触媒温を推定してリーン,リッチ噴射回数を適宜変更していたが、この構成を変更する。例えば触媒温の推定結果に応じて空燃比制御のリーン度合とリッチ度合とを適宜変更する。また、Qa積算値に代えて、吸気圧の積算値やスロットル開度、アクセル開度の積算値を用いる。またさらに、過去数回分のエンジン負荷データ(吸入空気量Qaなど)のなまし値(又は平均値)を演算し、該演算したなまし値からNOx 触媒が降温期にあるか若しくは昇温期にあるかを判定する。
【0077】
上記各実施の形態では、目標空燃比λTGをリーン制御値とリッチ制御値とで切り換えることにより、リーン燃焼とリッチ燃焼とを行わせるようにしていたが、これを変更する。例えば空燃比補正係数FAFをリーン補正側とリッチ補正側とで切り換え、それによりリーン燃焼とリッチ燃焼とを行わせるようにしてもよい。
【0078】
上記各実施の形態における空燃比制御システムでは、現代制御理論を用い、目標空燃比と実際に検出した空燃比(実空燃比)との偏差に応じて空燃比をフィードバック制御していたが、この構成を変更する。例えばPI制御により空燃比をフィードバック制御したり、空燃比をオープン制御したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるエンジンの空燃比制御システムの概要を示す全体構成図。
【図2】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図3】λTG設定ルーチンを示すフローチャート。
【図4】図3に続き、λTG設定ルーチンを示すフローチャート。
【図5】触媒温に応じてλTG値のリーン制御値とリッチ制御値とを設定するためのグラフ。
【図6】触媒温に応じてリーン噴射回数とリッチ噴射回数とを設定するためのグラフ。
【図7】温度制御の継続時間に応じてリーン補正係数とリッチ補正係数とを設定するためのグラフ。
【図8】第1の実施の形態における作用を説明するためのタイムチャート。
【図9】負荷積算ルーチンを示すフローチャート。
【図10】Qa積算値に応じてリーン噴射回数とリッチ噴射回数とを設定するためのグラフ。
【図11】第2の実施の形態における作用を説明するためのタイムチャート。
【図12】他の実施の形態において、触媒温に応じてλTG値のリーン制御値とリッチ制御値とを設定するためのグラフ。
【図13】他の実施の形態において、触媒温に応じてリーン噴射回数とリッチ噴射回数とを設定するためのグラフ。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、19…NOx 触媒(NOx 吸蔵還元型触媒)、24…触媒温センサ、30…ECU(電子制御装置)、31…触媒温調整手段,触媒温判定手段を構成するCPU。

Claims (3)

  1. 内燃機関に供給する混合気の目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定してその目標空燃比に基づきリーン燃焼を行わせると共に、リーン燃焼時に排出される排ガス中のNOxをリーンNOx触媒で吸蔵し、さらに空燃比を一時的にリッチに制御して前記吸蔵したNOxをリーンNOx触媒から放出するようにした内燃機関の空燃比制御装置に適用され、
    前記リーンNOx触媒の温度が該リーンNOx触媒の活性温度である所定の温度域より外れた場合において、空燃比をリーン・リッチで交互に制御するための空燃比制御パラメータとしてのリッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比を可変に設定し触媒温を前記所定の温度域に調整する触媒温調整手段を備え、
    前記触媒温調整手段は、前記リーンNOx触媒の温度が前記所定の温度域より大きくなったときには、所定温度域内のときに比べ、リッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比が大きくなるように設定することで、前記リーンNOx触媒での反応熱を減少させる降温制御を実行し、前記リーンNOx触媒の温度が前記所定の温度域より小さくなったときには、所定温度域内のときに比べ、リッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比が小さくなるように設定することで、前記リーンNOx触媒での反応熱を増加させる昇温制御を実行することを特徴とする内燃機関の触媒温制御装置。
  2. 前記触媒温調整手段は、さらにリーン燃焼時のストイキに対するリーン度合又はリッチ燃焼時のストイキに対するリッチ度合を前記空燃比制御パラメータとして可変に設定し、前記リーンNOx触媒の温度が高いほど、リーン燃時のストイキに対するリーン度合が大きくなるように又はリッチ燃焼時のストイキに対するリッチ度合が小さくなるように設定する請求項1に記載の内燃機関の触媒温制御装置。
  3. 機関の高負荷、低負荷の状態を検出し、該検出した機関の高負荷、低負荷の状態に基づいて前記リーンNOx触媒が前記降温制御が必要な降温期にあるか若しくは前記昇温制御が必要な昇温期にあるかを判定する触媒温判定手段を備え、
    前記触媒温調整手段は、前記触媒判定手段によって前記リーンNOx触媒が前記降温制御が必要な降温期であると判定されると、前記昇温制御が必要な昇温期にあると判定される場合に比して、リッチ燃焼の時間に対するリーン燃焼の時間比が大きくなるように設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の触媒温制御装置。
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