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JP4343308B2 - 水素化ジサッカリドに基づく無機質結合材用混和材、混和材含有無機質結合材、及びその調製方法 - Google Patents

水素化ジサッカリドに基づく無機質結合材用混和材、混和材含有無機質結合材、及びその調製方法 Download PDF

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JP4343308B2 JP03478099A JP3478099A JP4343308B2 JP 4343308 B2 JP4343308 B2 JP 4343308B2 JP 03478099 A JP03478099 A JP 03478099A JP 3478099 A JP3478099 A JP 3478099A JP 4343308 B2 JP4343308 B2 JP 4343308B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素化ジサッカリドに基づく無機質結合材用混和材に関する。それはまた、混和材含有無機質結合材とそれの調製のための方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
その用語「無機質結合材」は、主にいずれかの水硬バインダー、特にある種の組成物、とりわけ空気から遮断して徐々に凝結(sets)及び硬化(hardens)する、水とのペーストを形成可能ないずれかのミネラルパウダーを意味する。通常、環境温度では、水硬バインダーは、数分から48時間のうちに、一般には、およそ30分から24時間の間に、水とそのようなペーストを形成することが開始される。
【0003】
「無機質結合材」の定義は次に適用されるが、このリストは制限するためのものではない:−セメント、及び人工のポルトランドタイプのセメント、ブレンドしたポルトランドタイプ、高炉スラグセメント、ポルトランド高炉セメント85、ポルトランド粉末化燃料灰セメント、及び石灰含有スラグセメント、石工セメント(masonry cement)、天然セメント、過硫酸化セメント、急速硬化セメント、早期硬直及び急速硬化セメント、硫酸塩含有量の低い又は高い水中で作用するためのセメントを含むタイプのより特殊な用途のための粉末セメント、を含んだ群に属する特有なそれら、− 天然又は人工の水硬石灰。「無機質結合材組成物」の定義は次に適用されるが、このリストは制限するためのものではない:− モルタル、スラリー、セメント及び/又は石灰に基づく上塗り及びコンクリート、水と全てのサイズの骨材(砂、砂利、破砕した石・・・) のような混合物、特に、既混合化(ready-mixed)乾燥工業用モルタル、現地混合(site-mixed)モルタル、前バッチ化(pre- batched)乾燥工業用モルタル、既混合化モルタル、グラウト(grouting)組成物、インジェクションモルタル、スラリー及びインジェクションスラリー、鉄筋及び非鉄筋コンクリート、既混合化コンクリート、流動コンクリート、重コンクリート、軽量コンクリート、軽量断熱コンクリート、セル状コンクリート、ファイバー強化コンクリート、プレストレス化コンクリート及び美面化(fair-faced)コンクリートを含む群に属するそれら
【0004】
用語「無機質結合材」はまた、非水硬バインダー、特に硫酸カルシウム、ギプス及び/又は石灰に基づく材料をも意味する。
【0005】
無機質結合材は、特に建設工業において、枠組、床、外板及び屋根のような構造物の各部分を製作するために、また公共事業において、特に橋、トンネル、ダム、道路及び、例えば海岸構造物又は原子力発電施設のような他の事業において、非常に広範囲に使用される、材料である。
【0006】
これら材料の最終の使用に基づいて、及びまた、それらが使用されるであろう条件下に基づき、無機質結合材には時折、混和材(admixtures)を添加する必要がある。上記混和材は、それらが少量、一般には無機質結合材の5重量%程度添加することにより、該無機質結合材の特性をそれによって改善するように変更する。混和材の実施例は、研磨剤又は研磨助剤、可塑剤、水減少化可塑剤、超可塑剤、硬直及び硬化促進剤、遅延剤、空気流入剤、撥水化化合物及び養生化剤を含む。これらの混和材は、例えば、水硬バインダーの作業性、硬直化、硬化、強度、持続性及び/又はある種の他の特性を変更することが可能とされる。
【0007】
水減少化可塑剤製品又は超可塑剤は既に使用される。実施例は下記を含む:− 発酵化が可能な且つ制限された効果を持つ相対的に安価な製品である、シュガービート及びサトウキビから得られた糖蜜;
− 相対的に安価であるが、モルタル又はコンクリートの起泡の原因となる欠点を有し、かくして28日でのそれの強度を減じる、製紙工業から得られた粗リグノスルホン酸塩;
− 非常に良好な水減少化可塑剤、遅延剤であり、且つフランス特許第2387194号及びGB 1508761号中に記載されたような、28日での強度を改善することもできる、グルコン酸塩のような酸化糖及び酸化デンプン加水分解物;
− 非常に良好な可塑剤、弱い遅延剤であるが、28日後の強度は改善しない、且つ幾分環境学的に許容されない、ナフタレンホルムアルデヒドのスルホン化縮合物及びメラミンホルムアルデヒドのスルホン化縮合物;
− 超可塑剤、弱い遅延剤であるが、28日での強度における概ね少ない改善か又は改善なしをもたらす、ポリアクリル酸塩;
− フランス特許第2726550号中に記載されたように、水減少化可塑剤であるが、酸化糖よりも顕著に弱い遅延化効果と、米国特許第4073658号の記載のように、28日での強度の改善とを有する、ソルビトールのような水素化糖のようなポリオール及び水素化デンプン加水分解物;欧州特許第0695557号に従い、酸化グルコースシロップのような水素化糖シロップが研磨剤としても記載される; − フランス特許第2744714号から理解されるように超可塑剤と研磨剤の両方である、スチレンのコポリマーとマレイン酸無水物。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
目下、セメントの調製のために、その傾向は、クリンカーよりも一層経済的な製品を使用することである。しかしながら、クリンカーは28日での良好な強度を与える。それ故に、クリンカーを少量含む又は含まないセメントの28日での強度に相当することが可能な混和材が必要である。
【0009】
さらに、モルタル、スラリー及びコンクリートに関して、産業界は、エコロジー的に許容可能であり、同じ時間で少ない遅延性を持った非常に良好な可塑性を与え、早期強度、すなわち8から24時間で、フォームワークの急速な剥ぎ取りが十分になされる、もし可能であれば28日での強度を改善する、可塑剤と水減少化剤又は超可塑剤を探し求めている。
【0010】
それ故に、遅延性、可塑性、早期機械強度及び28日での機械強度の間の良好な妥協を得ることの可能性を作る、エコロジー的に許容される混和材が必要である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の範囲内である、無機質結合材の可塑剤の用語は、無機質結合材が、加工可能な(workable)、流動可能(pourable)な又は揚送可能(pumpable)であるレオロジー的状態を得るための能力を意味する。
【0012】
可塑性は、振動台を越える無機質結合材の与えられた体積の拡がりがmmにおいて測定される標準化した方法CEN 196−01に従い測定される。
【0013】
最初の凝結及び最終的な凝結は、"ACMEL"のブランド名を持つ自動セットメーター(automatic setometer)を用いることによって無機質結合材について測定される。
【0014】
本発明の範囲内で、早期機械強度は、上記試験品の生産の17又は24時間後、上述した標準CEN 196−01に従い、無機質結合材の試験品について測定される。
【0015】
建設セクターにおける適用のために、この早期機械強度は、フォームワークの剥ぎ取りをさせるため、一般的に5MPaより大きくする必要がある。
【0016】
さらに、無機質結合材の28日での強度もまた、上述した標準CEN196−01に従い測定される。
【0017】
多数の調査の後、本出願人は、それに値する、全てのポリオールの、少なくとも40重量%を水素化ジサッカリドを含む組成物のみが、遅延性、可塑性、早期機械強度及び28日での機械強度の間の妥協を得ることができることを発見した。特に、出願人は、驚きべきことに及び思いがけずに、ポリオールの分子量がより大きければ、それの遅延特性が非常に良くなり、またそれの分子量が低いと、正しくない凝結を生じるそれの大きな傾向を観測した。
【0018】
本発明は、それ故に、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも65重量%の水素化ジサッカリドを含有するポリオール組成物を含む(ただし、該パーセンテージは上記組成物中に含まれた全てのポリオールの乾燥重量に関して表される)、無機質結合材用混和材に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の意図において用語「水素化ジサッカリド」は、特にマルチトール、ラクチトール、グルコシド-1,6、マンニトール、イソマンニトール、セロビイトール、及び、例えばパラチニトールのようなそれらの材料の少なくともいずれか2つのいずれかの混合物を含む群から選択された材料を意味する。
【0020】
好ましくは、該水素化ジサッカリドは、マルチトール、ラクチトール及びそれらのいずれかの混合物から選択される。特に効果的には、水素化ジサッカリドはマルチトールから構成される。
【0021】
上記ポリオール組成物に含めても良い水素化ジサッカリド以外のポリオールは、非常に異なるタイプと濃度のものとし得る。それらは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、アラビトール、イジトール、マルトトリイトール、エリトリトール、グリセリン、水素化オリゴ-及びポリサッカリド、のような材料とし得る。
【0022】
その結果として、本発明に従う水硬バインダー用混和材として有用なポリオール組成物は、例えば次のものから構成され得る:− 純粋なマルチトール、又は− 純粋なラクチトール、又は− マルチトール/ラクチトールのいずれかの混合物、又は− マルチトール濃度が少なくとも40%に等しいマルチトールシロップまたは水素化デンプン加水分解物、または− 一方がマルチトール及び/又はラクチトールに基づく混合物、他方がグリセリン、上記混合物の水素化ジサッカリド濃度は少なくとも40%とされている、− 出願人によって販売される BOROSORBR553のようなホウ酸塩を含むマルチトールシロップ。
【0023】
上記ポリオール組成物は、液状ペースト状又は粉末を含む固型状であって良い。それを含むいずれかの水素化ジサッカリドは、結晶質又は非結晶質でよい。
【0024】
本発明に従う混和材は、上述したようにポリオール組成物で完全に構成され得る。それはまた、上記ポリオール組成物とは別個に、例えば、リン酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、アミン(特にトリエタノールアミン)、カルシウム塩(特に塩化カルシウム、水酸化物及びギ酸塩)、スルホン化メラミン誘導体、スルホン化ナフタレン誘導体、ポリアクリル酸塩、グリコール及び/又はリグノスルホン酸塩又はそれらの混合物から選択される、無機質結合材のための少なくとも1種の通常の混和材をも含めて良い。
【0025】
ホウ酸塩、硫酸塩又はリン酸塩のような通常の混和材は、0.1%から20%の量において本発明に従う混和材中に導入されて良く、このパーセンテージは、上記混和材中に含まれるポリオール組成物の乾物重量に関する乾燥重量において表される。
【0026】
特に、出願人は驚くべきことに、そのようなポリオール組成物、とりわけマルチトールと、ある種の通常の可塑剤又は超可塑剤との、例えば糖を持った又は持たないリグノスルホン酸塩とのような組合せが、特に無機質結合材の機械強度に関して、相互強度及び28日での強度の両方において相乗効果が得られることを見出した。
【0027】
その結果、本発明に従う無機質結合材用混和材は、上述したようなポリオール組成物とは別個に、糖を持つ又は持たないリグノスルホン酸塩を含むという事実によって特徴付けされ、リグノスルホン酸塩とポリオール組成物の間の、ポリオール組成物の乾燥重量に関するリグノスルホン酸塩の乾燥重量において表現される重量比が、1/20から20/1の範囲内、好ましくは1/9から9/1の範囲内、より好ましくは1/9から1/3の範囲内である。
【0028】
本発明に従う混和材はそれ自身、液状、ペースト状又は粉末を含めた固型状とされ得る。それは、上記セメントの粉末化の前に、その間に及び/又はその後に、例えば前記フランス特許第2744714号中に記載されたように、セメント用混和材として、又は水硬石灰用混和材として使用するためにもっぱら好適である。それはまた、液状化固形のいずれかのコンクリート、スラリー及びモルタル用混和材として使用するためにも好適である。
【0029】
本発明に従う混和材の導入のレベルは、とりわけその本質、無機質結合材の意図した使用と使用の条件とに基づくであろう。
【0030】
特に、このレベルは、セメント及び/又は水硬バインダー中に含まれた石灰の全乾燥重量に関する添加物の乾燥重量において表された0.001%から5%の範囲とされるであろう。
【0031】
本発明はまた、以下の無機質結合材にも関する:− 粉末又は非粉末セメント、水硬石灰及びそれらの混合物から選択される結合材、及び− 上述した通りの混和材の0.001重量%から1.5重量%、好ましくは0.05重量%から0.5重量%、より好ましくは0.01重量%から0.3重量%を含有する上記結合材、このパーセンテージは上述した通りの乾物/乾物で表現されている。
【0032】
別な変形例に従い、本発明は以下の無機質結合材組成物に関する:− 液状、ペースト状又は固体状におけるモルタル、スラリー及びコンクリートから選択される無機質結合材組成物、及び− 上述した通りの混和材の0.005重量%から5重量%、好ましくは0.01重量%から2重量%、より好ましくは0.02重量%から1重量%を含有する上記無機質結合材組成物、このパーセンテージは上述した通りの乾物/乾物で表現されている。
【0033】
一般的手法において、本発明に従う混和材は、多くの手法において無機質結合材内に導入され得る。特に、それは無機質結合材の製造、保存、混合、水和、移送又はプレーシングの特有な段階の全ての間に導入され得る。それはまた、これらの特有な段階の幾つかの間に部分的な手法によって導入することもできる。
【0034】
例えば、セメントの粉砕化の以前、その最中及び/又はその後でそれ自身加工されるセメントにおける製造、又は乾物及び/又は既混合化モルタル又はコンクリートの調製の間を含めた、粉末形状における無機質結合材の性能の間の全て又は部分に使用され得る。それはまた、非粉末の、すなわちペースト又は液状無機質結合材の移送の間、或いは加工又は現場におけるそれの製造の間の全て又は部分、及び調製のために必要な水及び/又は骨材中、特にモルタル、スラリー又はコンクリートの「既混合プラント(ready-mix plants)」として知られる容器中、又はそれの注入の直前に用いることもできる。
【0035】
本発明はまた、それ故に、無機質結合材の調製のための方法にも関し、該方法は上記した通りの混和材が、セメント、水硬石灰、及びそれらの混合物を含む群から選択される粉末形状の無機質結合材に1又はそれ以上の操作で加えられる。
【0036】
別の変形例に従い、本発明は無機質結合材組成物の調製方法に関し、該方法では上記した通りの混和材が、a)粉末形状でない、特にペースト状又は液状において、モルタル、スラリー及びコンクリートを含む群から選択される無機質結合材組成物に、及び/又はb)水及び又は粉末形状でない上記無機質結合材組成物の調製のために要求される骨材に、1又はそれ以上の操作で加えられる。
【0037】
その結果、一般に、新規且つ発明手段は、それ故に全ての種類の無機質結合材との混合用に利用可能であり、上記手段は上述した通りの選択されたポリオール組成物で構成される。
【0038】
本発明の一般的なコンセプトは、特に無機質結合材に、とりわけそれの可塑性及び/又は機械強度を改善するための観点によって混合するための、水素化ジサッカリド、特にマンニトールの使用に基づく。
【0039】
本発明は、以下の、本発明を制限するためのものでない実施例によって、より詳細に記載されるであろう。
【0040】
以下の全ての実施例において、広がり測定(spreading measurments)(mmにおいて)及び17時間、24時間又は28日での機械強度測定は、標準CEN 196-01に従い実施される。
【0041】
【実施例】
(実施例1)
参照モルタルT1aとT1bは、1350gの標準化された砂と225gの水と、450gのセメント CPA 52.5 HP LAFARGE Cormeilles en Parisisとを混合することによって調製され、上記セメントは、第1バッチ("バッチa")又は第2バッチ("バッチb")のいずれかからそれぞれ生じたものである。
【0042】
同様に、参照モルタルT2が、標準化された砂と水との、先に明記されたそれらの同一の量と、セメント 55 HTS LAFARGE Le Teilの450gと混合することによって調製した。
【0043】
mmでの広がりS、開始凝結IS及び最終凝結FSは、時間及び分(h+mn)で、且つ機械強度は24時間、任意に17時間及び28日でのMPaにおいて測定される。
【0044】
セメントの各種のバッチで得られた結果は次の通りである:
参照モルタル T1a T1b T2
広がり 205.5 213 242
開始凝固 3h15 3h15 4h15
最終凝固 4h30 4h30 5h30
17時間での強度 11.8 - 10.8
24時間での強度 15.5 15.2 15.8
28日での強度 48.4 - 7.7
【0045】
(実施例2)
この実施例の範囲内で、水硬バインダーの特徴付けは、すなわち本発明に従い使用することができるマルチトール組成物、又は反対に本発明に従うものでないポリオール組成物、の混和材を含むモルタルが評価される。
【0046】
参照モルタルは、それの組成の条件において記載した通り実施例1中で特徴付けされたモルタルT1aである。
【0047】
本発明に従う、又はそうでない混和材を含むモルタルは、モルタル中に含有したセメントの乾物重量に関して混和材の乾物重量において表した0.5重量%の該混和材を添加する以外は、モルタルT1aと同じ操作で調製され、各々の混和材は下記のものを用いた:
− 粉末形状のほぼ100%純度のソルビトール、NEOSORBR P60のブランド名の下に本出願人により販売される、又は
− POLYSORBR 70/12/12のブランド名の下に本出願人により販売され、上記シロップの乾燥重量に関して表したほぼ15重量%のマルチトールを含有する、水素化グルコースシロップ、又は
− 粉末形状のほぼ100%の純度のキシリトール、XYLISORBR P90のブランド名の下に本出願人により販売される、又は
− ほぼ100%の純度のマルチトール、結晶質、MALTISORBR P200のブランド名の下に本出願人により販売される、又は
− MALTISORBR 75/75のブランド名の下に本出願人により販売され、上記シロップの乾燥重量に関して表したほぼ75重量%のマルチトールを含有する、マルチトールシロップ、又は
− LYCASINR 80/55のブランド名の下に本出願人により販売され、上記シロップの乾燥重量に関して表したほぼ52重量%のマルチトールを含有する、マルチトールシロップ。
【0048】
混和材を含むこれらモルタルの各々のために、広がり(S)、開始凝結(IS)、最終凝結(FS)及び24時間での機械強度が測定される。得られた結果は、混和材を含まない参照モルタルT1aで得られたそれらとの比較として以下に与えられる。
【0049】
混和材 S(mm) IS(h+mn) FS(h+mn) S24h(MPa)
無し(参照) 205.5 3h15 4h30 15.5
NEOSORBR P60 254 7h00 9h00 4.85
POLYSORBR 70/12/12 273 12h00 15h00 2.00
XYLISORBR P90 200 5h10 6h25 4.90
MALTISORBR P200 253 8h15 12h00 7.85
MALTISORBR 75/75 262 7h15 12h00 6.15
LYCASINR 80/55 269 9h10 12h55 5.30
【0050】
これらの結果の基本において、MALTISORBR P200、MALTISORBR 75/75及びLYCASINR 80/55のようなマルチトールの少なくとも40重量%(該組成物の全てのポリオールの乾燥重量に関して表される)を含むポリオール組成物は、試験した他のポリオール組成物とは異なった、良好な早期強度(すなわち24時間でフォームワークの剥ぎ取りを可能とする5MPaより大きい)と同時に、水硬バインダーにおける非常に良好な広がり値を与えることが観測されるであろう。
【0051】
本発明に従わない混和材に関して、特に、1)ソルビトールは「正しくない凝結」減少を生じる、2)キシリトールは可塑効果を有していない、3)40%以下のマルチトール含有量を持つ水素化グルコースシロップ POLYSORBR 70/12/12は、水硬バインダーのフォームワークのいずれかの早期な剥ぎ取りをさせることがない非常に高い遅延値を与える、ことが観測される。
【0052】
(実施例3)
この実施例の内容の中で、参照はそれの組成の条件において実施例1中で記載され且つ特徴付けされた通りのモルタルT1bである。
【0053】
本発明に従う又は従わない混和材を含有したモルタルは、以下の混和材の各々の0.3重量%が導入されることを除き、モルタルT1bと同じ操作で調製される:
− マルチトール粉末 MALTISORBR P200 、又は
− ラクチトール1水和物、又は
− グリセリン、又は
− 本出願人によって販売されるマンニトールF。
【0054】
混和物を含有しているこれらモルタルについて、広がり(S)、開始凝結(IS)及び最終凝結(FS)が測定される。得られた結果は、混和材を含まない参照モルタルT1bで得られたそれらとの比較として以下に与えられる。
【0055】
混和材 S(mm) IS(h+mn) FS(h+mn)
無し(参照) 213 3h15 4h30
MALTISORBR P200 245 7h00 8h30
ラクチトール1水和物 251 8h45 0h30
グリセリン 210 2h40 4h25
マンニトールF 181 3h00 5h15
【0056】
これらの結果は、無機質結合材の混和材として、マルチトールとラクチトールのような水素化ジサッカリドの効果を立証する。それらは混和材を含有しない参照と比較して非常に顕著に増加した広がりを得ることを可能とする。本ケースにおいて及びそれに関して生じた遅延化にもかかわらず、マルチトールはまた24時間での特に高い強度、すなわち13.80MPaを得ることができる。
【0057】
ラクチトールは、マルチトールよりも非常に大きな遅延化効果を有することがここに表される。それにもかかわらず、実施での要求を完全に満たす24時間での強度、すなわち11MPaを得ることが可能である。
【0058】
(実施例4)
この実施例の内容の中で、参照はそれの組成の条件において実施例1中で記載され且つ特徴付けされた通りのモルタルT1bである。
【0059】
本発明に従う又は従わない混和材を含有したモルタルは、以下の混和材の各々の0.4重量%が導入されることを除き、モルタルT1bと同じ操作で調製される:
− マルチトール粉末MALTISORBR P200 及びトリエタノールアミンの混合物、マルチトール/トリエタノールアミンの重量比は9/1である;
− マルチトール粉末MALTISORBR P200 及びホウ酸ナトリウムの混合物の9/1の重量比、及び
−マルチトール粉末MALTISORBR P200 及びトリポリリン酸ナトリウムの混合物の9/1の重量比。
【0060】
得られた結果は、混和材を含まない参照モルタルT1bで得られたそれらとの比較として以下に与えられる。
【0061】
混和材 S(mm) IS(h+mn) FS(h+mn)
無し(参照) 213 3h15 4h30
MALTISORBR P200と 244 6h45 8h30
トリエタノールアミン(9/1)の混合物
MALTISORBR P200と 246 9h45 11h15
ホウ酸ナトリウム(9/1)の混合物
MALTISORBR P200と 238 7h00 9h30
トリポリリン酸塩(9/1)の混合物
【0062】
これらの結果は、本発明に従う無機質結合材用混和材が、上述した通りのポリオールとは別個の、トリエタノールアミン、ホウ酸ナトリウム又はリン酸塩のような少なくとも1種の通常の混和材を十分に含有し得ることを示した。
【0063】
水素化ジサッカリド/通常の混和材のそのような組合せは、混和材を含有していない参照のものに比較して、広がり値の非常に顕著な増加を得ることが可能であった。
【0064】
他の実験はさらに、そのような化合物が、10MPaよりも全般的に上回る、24時間での強度を得ることができることを示した。これは、特に24時間で17MPaの例外的な値を得ることができた上述したマルチトール/トリエタノールアミンの組合せにおけるケースである。
【0065】
(実施例5)
この実施例の内容の中で、参照はそれの組成の条件において実施例1中で記載され且つ特徴付けされた通りのモルタルT2である。
【0066】
本発明に従う又は従わない混和材を含有したモルタルは、以下の混和材の各々が導入されることを除き、モルタルT2と同じ操作で調製される:− 0.06重量%又は0.08重量%のマルチトールMALTISORBR P200、又は− 0.06重量%の量のラクチトール1水和物、又は− 0.06重量%又は0.08重量%の量のグルコン酸ナトリウム。
【0067】
混和物を含有しているこれらモルタルについて、広がり及び17時間での機械強度(S17h)が測定される。得られた結果は、混和材を含まない参照モルタルT2で得られたそれらとの比較として以下に与えられる。
【0068】
混和材 S(mm) S17h(MPa)
無し(参照) 242 10.8
MALTISORBR P200(0.06%) 270 8.6
MALTISORBR P200(0.08%) 275 6
ラクチトール(0.06%) 265 7.6
グルコン酸Na(0.06%) 268 3.1
グルコン酸Na(0.06%) 271 0
【0069】
これらの結果は、低いレベルの導入(例えば0.06%/セメント)で、水硬バインダーの広がり値を非常に顕著に増加させることができる、水素化ジサッカリドの高い可塑剤的な役割が立証された。
【0070】
それは本ケースにおいて、マルチトールが、そのようなレベルでの導入において、少なくとも270mmの広がりと8MPaより大きな17時間での強度を同時に得ることを可能とした。
【0071】
グルコン酸ナトリウムのような通常の混和材については、明白に周囲270mmの広がりが同じ条件の下で得られたが、しかし17時間で得られた、大部分5MPaより下の強度は、実施条件に適合していない。
【0072】
(実施例6)
この実施例の内容の中で、参照はそれの組成の条件において実施例1中で記載され且つ特徴付けされた通りのモルタルT1aである。
【0073】
本発明に従う又は従わない混和材を含有したモルタルは、以下の混和材の各々が導入されることを除き、モルタルT1aと同じ操作で調製される:
− 0.3重量%の粗リグノスルホン酸塩、又は
− 0.3重量%のマルチトール MALTISORBR P200、又は
− MALTISORBR P200と粗リグノスルホン酸の混合物0.3重量%、マルチトール/リグノスルホン酸塩の重量比は9/1である。
【0074】
混和物を含有しているこれらモルタルについて、広がり、17時間での機械強度及び28日での機械強度(S28d)が測定される。得られた結果は、混和材を含まない参照モルタルT1aで得られたそれらとの比較として以下に与えられる。
【0075】
混和材 S(mm) S17h(MPa) S28d(MPa)
無し(参照) 205.5 11.8 48.4
0.3%リグノスルホン酸塩 223 6.1 28.7
0.3% MALTISORBR P200 211 8.2 52.3
MALTISORBR P200/リグノスルホン 237 8.4 58.5
酸塩 9/1 混合物の0.3%
【0076】
これらの結果は、水素化ジサッカリド、すなわちマルチトールと、リグノスルホン酸塩のような通常の混和材の間の相乗効果の存在を示す。これらの効果は、無機質結合材の可塑性と強度の両方について、上述した9/1比率ばかりでなく、1/20から20/1間での比率でも、有利に且つ顕著に発揮されることにおいて、全てがより顕著且つ驚くべきものであった。
【0077】
(実施例7)
この実施例の範囲の中で、試験した効果は、高温で生起され且つ維持した、非水和セメントにおいて本発明に従い使用できるポリオール組成物を混入することである。
【0078】
より詳細には、セメント CPA 52.5 HP LAFARGE は、約100℃で2時間加熱され、次いで45重量%(乾燥固体に関して表される)のマルチトールを含有する70%乾燥固体(DS)を含有するマルチトールシロップ0.1重量%(dry/dry)が、ロボット-クーペ(ROBOT-COUPE)タイプの装置中で混合することによってそれに混合される。かくして得られた混和材を含有するセメントは、約100℃で1時間保持される。
【0079】
冷却後、モルタルが、実施例1の手順に従い、この混和材を含むセメントから調製される。
【0080】
同じ方法に従い、参照モルタルが、混和材を含まないセメント CPA 52.5 HPから調製され、100℃で3時間保持される。
【0081】
モルタルの製造後に得られた広がり値及び17時間での機械強度は類似していた(220mmのオーダーのS;S17hは約11MPa)。しかしながら、マルチトール混和材を含んだセメントで得られた28日での強度は、52MPaのオーダーであり、混和材を含まないセメントで得られたそれは約47MPaであり、すなわち約10%の強度増加があった。
【0082】
この実施例は、マルチトールで構成されるポリオール組成物は、セメントにおける混和材として有利に使用できることを示した。
【0083】
同じ観測は、マルチトールをラクトースで置換した場合にも得られる。しかしながら、このケースの場合、同じ量で投与した場合、ラクチトールは遅延化のために17時間での僅かに低い強度を与えたことが、マルチトールとの比較において注目される。

Claims (10)

  1. 少なくとも40重量%の水素化ジサッカリドを含有するポリオール組成物を含む(ただし、該パーセンテージは前記組成物中に含まれた全てのポリオールの乾燥重量に関して表される)ことを特徴とする無機質結合材用混和材。
  2. 上記水素化ジサッカリドが、マルチトール、ラクチトール、及び前記2つの化合物のいずれかの混合物から選択されることを特徴とする請求項1記載の混和材。
  3. リン酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、アミン、カルシウム塩、水酸化物及びギ酸塩、スルホン化メラミン誘導体、スルホン化ナフタレン誘導体、ポリアクリル酸塩、グリコール、リグノスルホン酸塩及び前記化合物の少なくともいずれか2つの混合物から選択される少なくとも1種の化合物をも含むことを特徴とする請求項1又は2記載の混和材。
  4. 糖を持つ又は持たないリグノスルホン酸塩を含み、上記ポリオール組成物の乾燥重量に関してリグノスルホン酸塩の乾燥重量で表した、前記リグノスルホン酸塩と上記ポリオール組成物の重量比が、1/20から20/1の範囲内とされることを特徴とする請求項3記載の混和材。
  5. メント及び/又は石灰からなる無機質結合材中に、請求項1から4のいずれか1項記載の混和材の0.001から5%(このパーセンテージは無機質結合材であるセメント及び/又は石灰の全乾燥重量に関して上記混和材の乾燥重量で表す)を含有することを特徴とする、混和材含有無機質結合材。
  6. セメント、水硬石灰及びそれらの混合物から選択される無機質結合材中に、請求項1から4のいずれか1項記載の混和材を0.001%から1.5%(このパーセンテージは、セメント、水硬石灰、又はそれらの混合物の全乾燥重量に関して上記混和材の乾燥重量で表す)含有することを特徴とする、混和材含有無機質結合材。
  7. 液状、ペースト状又は固体形におけるモルタル、スラリー及びコンクリートから選択される無機質結合材組成物中に、請求項1から4のいずれか1項記載の混和材を0.005%から5%(このパーセンテージは、無機質結合材の全乾燥重量に関して上記混和材の乾燥重量で表す)含有することを特徴とする、混和材含有無機質結合材組成物
  8. 混和材含有無機質結合材の調製方法であり、請求項1から4のいずれか1項記載の混和材が、セメント、水硬石灰、及びそれらの混合物を含む群から選択される粉末形状の無機質結合材に1又はそれ以上の操作で加えられることを特徴とする方法。
  9. 混和材含有無機質結合材組成物の調製方法であり、請求項1から4のいずれか1項記載の混和材が、a)粉末形状でない、モルタル、スラリー及びコンクリートを含む群から選択される無機質結合材組成物に、及び/又はb)水、及び/又は粉末形状でない前記無機質結合材組成物の調製のために要求される骨材に、1又はそれ以上の操作で加えられることを特徴とする方法。
  10. 少なくとも40重量%の水素化ジサッカリドを含むポリオール組成物を、無機質結合材に混合することを特徴とする使用。
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