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JP4340829B2 - 装置ユニット - Google Patents

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JP4340829B2
JP4340829B2 JP2000348972A JP2000348972A JP4340829B2 JP 4340829 B2 JP4340829 B2 JP 4340829B2 JP 2000348972 A JP2000348972 A JP 2000348972A JP 2000348972 A JP2000348972 A JP 2000348972A JP 4340829 B2 JP4340829 B2 JP 4340829B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理対象物を排出する装置類と、該装置類を収納する本体部と、該本体部の開放側を開閉可能なカバー部とを備えた装置ユニットに関する。また、本発明は、該装置ユニットに収納される、プリンタ,ファクシミリ等の記録装置及び、前記装置類を収納する筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
処理対象物を排出する装置類には、例えば、投入した硬貨を両替する両替装置があり、或いは、プリンタやファクシミリに代表される、印刷物を排出する記録装置等、種々のものが存在する。
時に、これら処理対象物を排出する装置類は、設置の便宜の為、或いは、複数の装置を一体化する為に、筐体に収納され、装置ユニット化される。筐体は、装置類を収納する本体部と、該本体部に開閉可能に取り付けられるカバー部(例えば、扉)とからなり、該カバー部を開けることによって、前記装置類をメンテナンス等することができる。
また、カバー部には、処理対象物を取り出す為の開口部が形成され、カバー部を閉じた際、当該開口部から処理対象物が取り出せる様になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この様にカバー部には処理対象物を取り出す為の開口部が形成されている為、カバー部を閉じた際、装置類の排出部と前記開口部とは、一定の精度で位置決め、即ちポジショニングが行われる必要がある。ポジショニングが行われないと、装置類の排出部と開口部との位置ズレが生じ、これによって処理対象物が開口部に引っ掛かったり最悪の場合には取り出せないこともある。
従って、予め排出部と開口部との位置関係を考慮した上で筐体を精密に製造する必要があるが、筐体の製造誤差や組み立て誤差等によって、結果的に排出部と開口部との位置ズレが生じるという問題がある。
【0004】
そこで本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、その課題は、処理対象物を排出する装置類を筐体に収納した際の、装置類の排出部とカバー部の開口部とのポジショニングを、簡単に精度良く行うことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る装置ユニットは、処理対象物を排出する装置類と、該装置類を収納する本体部と、該本体部の開放側を開閉可能なカバー部と、を備えた装置ユニットであって、前記装置類が備える処理対象物の排出部と、前記カバー部に形成され、前記本体部の開放側を閉じた際に前記排出部と接続すべき開口部と、のポジショニングを自ら行うセルフポジショニング手段を備え、該セルフポジショニング手段が、前記装置類及び前記カバー部のいずれか一方に固設される位置決め部と、揺動可能に設けられ、前記本体部の開放側を閉じた際に前記位置決め部と係合してポジショニング位置に案内される、前記位置決め部と対向する前記開口部又は前記排出部とからなることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、排出部と開口部とのポジショニングを簡単に精度良く行うことができる。即ち、装置ユニットを構成する本体部及びカバー部のいずれか一方に位置決め部が固設されていて、本体部或いはカバー部の他方側は、該位置決め部と係合してポジショニング位置に案内される、揺動可能に設けられる開口部又は排出部となっている。従って、本体部の開放側を閉じた際、揺動可能に設けられた開口部又は排出部は、位置決め部と係合することによりポジショニング位置に自然と導かれる為、これによって所謂セルフポジショニング効果を得ることが出来、装置ユニットの製造誤差或いは組み立て誤差を吸収して簡単に精度良く排出部と開口部とのポジショニングを行うことができる。また、本体部やカバー部或いは装置類の製造公差を緩やかにすることが出来るので、これらの製造コストを下げる効果も得ることができる。また、カバー部の繰り返し開閉による、ポジショニングの経時的なズレをも吸収することができ、耐久性が向上するという作用効果も得ることができる。
尚、ここでの「本体部の開放側」とは、本体部において装置類を収納する為に開放部となっている側を言い、「カバー部」とは、該開放部を覆う為の扉,蓋等、開放部を覆う全ての物を言う。
【0007】
本発明の第2の態様に係る記録装置は、被記録材に記録を行う記録部と、記録装置本体から突出する様に形成され、前記記録部によって記録が行われて排出された被記録材を受ける、第1の態様に係る排出部としての排紙スタッカと、を備えたことを特徴とする。本態様によれば、記録装置が筐体に収納される際、記録済みの被記録材を受ける排紙スタッカが第1の態様に係る排出部であるので、これによって当該排紙スタッカと、カバー部に形成された開口部とのポジショニングを容易に且つ確実に行うことができる。即ち、本発明の第2の態様に係る記録装置は、第1の態様に係る「処理対象物を排出する装置」となるので、前述した第1の態様と同様な作用効果を得ることができる。特に、記録装置が排出する被記録材は障害物に引っ掛かりやすいので、排出部と開口部とのポジショニングを簡単に精度良く行うことができる第1の態様の作用効果をより一層発揮させることができる。
【0008】
本発明の第3の態様に係る記録装置は、第2の態様において、前記排紙スタッカが、記録装置本体側に形成される回動支点を有し、該回動支点を回動中心として排出方向先端部が上下動可能に取り付けられ、前記位置決め部が、前記排紙スタッカに向かって突出する様に前記カバー部に形成されたガイドブロックからなり、前記本体部の開放側を閉じた際に、前記排紙スタッカの排出方向先端部が前記ガイドブロックに乗り上がることによってポジショニング位置に案内されることを特徴とする。本態様によれば、記録装置において前述したセルフポジショニング効果を簡単な構造で安価に得ることができる。即ち、排紙スタッカを揺動させる構造として、排紙スタッカの記録装置本体側に回動支点を設け、これを回動中心に回動させることにより排出方向先端部を揺動する様に構成し、一方でカバー部には、排紙スタッカに向かって突出する様な、位置決め部としてのガイドブロックを形成し、カバー部が閉じられた際には、排紙スタッカの排出方向先端部が当該ガイドブロックに乗り上がることによってポジショニング位置に案内されるので、従って簡単な構成によって第1のまたは第2の態様の作用効果を得ることができる。
【0009】
本発明の第4の態様に係る記録装置は、第3の態様において、前記排紙スタッカを下方向に常時付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする。本態様によれば、排紙スタッカは付勢手段によって常時下方に付勢された状態に置かれているので、排紙スタッカが前記突出部に乗り上がって位置決めされている場合において、或いは、その他の場合においても、振動等によって容易に揺動することなく安定した状態に保持することができる。
【0010】
本発明の第5の態様に係る記録装置は、第2から第4の態様のいずれかにおいて、前記排紙スタッカが上部カバーを備えていることを特徴とする。本態様によれば、排紙スタッカが上部カバーを備えているので、記録部から排出される被記録材がカールしている様な場合においても、記録部から排出された被記録材が開口部近傍上部に引っ掛かることなく、スムーズに被記録材を開口部から排出させることができる。
【0011】
本発明の第6の態様に係る記録装置は、第5の態様において、前記上部カバーの内側には被記録材の排出方向に延びる様に形成された排紙リブが、被記録材の幅方向に所定の間隔で形成されていることを特徴とする。本態様によれば、上部カバーの内側には排出方向に延びる様に形成された排紙リブが、被記録材の幅方向に所定の間隔で形成されているので、これによって被記録材が上部カバーと接触する際の接触面積を低減でき、従って、被記録材の排出負荷の低減によってスムーズに被記録材を排出させることができる。
【0012】
本発明の第7の態様に係る記録装置は、第6の態様において、前記カバー部に形成された開口部近傍上部には、前記本体部の開放側を閉じた際に前記排紙リブと連繋する接続リブが被記録材の排出方向に延びる様に且つ被記録材の幅方向に所定の間隔で形成されている、ことを特徴とする。本態様によれば、被記録材との接触面積を低減させ、以て排出負荷を低減することのできるリブが開口部近傍上部にも形成されているので、これによって最終的な被記録材の排出口である開口部までリブが途切れることが無く、以て被記録材が開口部を通過する際の接触摩擦抵抗を軽減して更に円滑に被記録材を排出することができる。
【0013】
本発明の第8の態様に係る記録装置は、第7の態様において、前記本体部の開放側を閉じた際に、前記排紙リブと前記接続リブとが被記録材の幅方向において交互に位置する様に配置されている、ことを特徴とする。本態様によれば、本体部の開放側を閉じた際に、排紙リブと接続リブとが被記録材の幅方向において交互に位置する様に配置されているので、これによってカバー部を閉めた際の、排紙リブと接続リブとの衝突等を考慮して両者の位置関係を精密に設計する必要が無く、従ってカバー部,排紙スタッカ等の製造公差を緩やかにすることができる。
【0014】
本発明の第9の態様に係る筐体は、処理対象物を排出する装置類を収納する本体部と、該本体部の開放側を開閉可能なカバー部と、を備えた筐体であって、前記カバー部に固設される、第1の態様に係る前記位置決め部及び前記開口部を備えたことを特徴とする。本態様によれば、処理対象物を排出する装置類を収納する筐体が、カバー部に固設される、第1の態様に係る前記位置決め部及び前記開口部を備えているので、排出部が揺動可能に構成された装置類を収納することによって前述した第1の態様と同様な作用効果を得ることができる。
【0015】
本発明の第10の態様に係る筐体は、処理対象物を排出する装置類を収納する本体部と、該本体部の開放側を開閉可能なカバー部と、を備えた筐体であって、前記カバー部に揺動可能に設けられる、第1の態様に係る前記開口部を備えたことを特徴とする。本態様によれば、処理対象物を排出する装置類を収納する筐体が、カバー部に揺動可能に設けられる、第1の態様に係る前記開口部を備えているので、第1の態様に係る位置決め部を備えた装置類を収納することによって前述した第1の態様と同様な作用効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の装置ユニット400の上部斜視図であり、先ず当該図1を参照しつつ装置ユニット400の構成について概説する。
装置ユニット400は本体部300と、「カバー部」としての扉部200からなる筐体によって外部が構成され、扉部200は本体部300と蝶番301によって開閉可能に取り付けられている。本体部300には複数の棚が形成され、図1において符号302及び303で示す棚にはプリンタが収納・設置される。従って、扉部200を開閉することによって、棚302及び303に収納・設置されたプリンタのメンテナンスや、被記録材としての印刷用紙(以下、単に「用紙」と言う)Pの補充等を行うことができる様になっている。尚、図1は、棚302に、後に詳述するプリンタ100が収納・設置された状態を示している。
【0017】
図1に示した様に、棚302に収納・設置されたプリンタ100は印刷が行われた用紙Pを排出する排紙スタッカ30を本体部300の開放側(プリンタ100の前方側)に備えていて、印刷が行われた用紙Pは、排紙スタッカ30の排出口30aから排出される様になっている。また、プリンタ100は未記録の用紙Pを堆積収納する用紙トレイ31を排紙スタッカ30と同様に本体部300の開放側であって且つ排紙スタッカ30の下部に備えている。従って、プリンタ100は、用紙Pを本体部300の開放側から給送して、同じ本体部300の開放側から排紙する、側面視略U字形の給送経路を形成することになる。
【0018】
一方、装置ユニット400の前面を構成する扉部200の上部には、開口部201が形成されていて、扉部200が閉じられた際、印刷の行われた用紙Pが当該開口部201から取り出される様になっている。従って、排紙スタッカ30の排出口30aと、扉部200に形成された開口部201とは、扉部200を閉じた際にその相対的な位置を一致させる、即ちポジショニングさせる必要があるが、これは、本発明に係る、後に詳述するセルフポジショニング手段によって簡単に精度良く行える様になっていて、本実施形態においては、扉部200を閉じるのみで、排出口30aが自ずから最適な位置にポジショニングされる様になっている。尚、以下において、排出口30aと開口部201とが適切な位置に位置決めされた状態の当該位置を、「ポジショニング位置」と言うこととする。
【0019】
次に、図2を参照して、プリンタ100の詳細な構成について説明する。図2は、プリンタ100の内部機構を示す側面図である。
プリンタ100は、インクを用紙Pの印刷面に吐出することによって印字を行うインク・ジェット・プリンタであって、前述の如く、用紙Pの給送経路(搬送路)として側面視略U字形の給送経路を有する。このU字形給送経路の開始端には前述した給紙トレイ31が設けられ、給送経路上には、給紙ローラ3および搬送ローラ(紙送りローラ)6が設けられている。また、搬送ローラ6の下流側には、キャリッジ8および排紙ローラ7が設けられている。
【0020】
給紙トレイ31は、複数枚積層された用紙Pを収納可能な構成を有し、用紙Pを収納した状態でプリンタ100に着脱可能に装着される。装着は、プリンタ100の前方側(図2における左側)からプリンタ100の奥部(図2における右側)へほぼ水平に差し込むことにより行われる。給紙ローラ3は、給紙ローラ軸3aに複数個取り付けられ、給紙ローラ軸3aを中心に、図示しない駆動モータによって回転(正転および逆転)駆動される。給紙ローラのローラ表面には、ゴム材3bが取り付けられ、用紙Pをその表面に巻回させて給送するように構成されている。
【0021】
搬送ローラ6は、図示しない駆動モータによって回転駆動される駆動ローラ6aと、駆動ローラ6aに圧接されることにより従動回転する従動ローラ6bとを備えている。搬送ローラ6は、これらの駆動ローラ6aと従動ローラ6bとの間に用紙Pを挟圧し、一定ピッチで副走査方向(図2における左方向)に搬送するように構成されている。
【0022】
キャリッジ8は、図示しないキャリッジ・モータによって、ガイド軸12に沿って主走査方向(図2における紙面の表裏方向)に往復移動するように構成されている。キャリッジ8には、インク・カートリッジ8aが着脱可能に取り付けられ、このインク・カートリッジ8a内のインクは、キャリッジ8の用紙Pに対向する面に設けられた記録ヘッド8bに送られる。記録ヘッド8bは、用紙Pに対向する面に形成されたノズル列(図示略)からインクを、プラテン9上に搬送された用紙Pの印刷面に吐出し、これにより、印刷が行われる。
【0023】
給紙トレイ31の下部には、ホッパ2およびホッパ・ホルダ18が配置されている。ホッパ2は、給紙トレイ31の底部にホッパ軸2aを中心に回動可能に取り付けられ、底部の一部を構成している。ホッパ・ホルダ18は、ホッパ2の下部に設けられている。ホッパ・ホルダ18は、支点軸18aを有し、プリンタ100の本体(底部)フレーム(図示略)に、この支点軸18aを中心に回動可能に取り付けられている。ホッパ・ホルダ18には、ホッパ・ホルダ18を上方に付勢するホッパ・バネ18bが取り付けられるとともに、ホッパ2の下部を押し上げるための凸部18cが形成されている。
【0024】
また、ホッパ・ホルダ18には、図示しないホッパ・カム・フォロア部が形成されている。このホッパ・カム・フォロア部は、図示しないホッパ・カムと当接し、ホッパ・バネ18bの付勢力に抗して、ホッパ・ホルダ18をほぼ水平な状態に維持する。これにより、ホッパ2もほぼ水平な状態に維持され、用紙Pは給紙ローラ3のローラ面から離間した状態に維持される。一方、ホッパ・カム・フォロア部とホッパ・カムとの当接が解除されると、ホッパ・ホルダ18は、ホッパ・バネ18bの付勢力により、支点軸18aを中心に反時計方向に回転し、凸部18cがホッパ2を上方に向けて押圧する。これにより、ホッパ2もホッパ軸2aを中心に反時計方向に回転し、ホッパ2上の置かれた用紙Pは、給紙ローラ3のローラ面に接触押圧される。その後、給紙ローラ3が反時計方向に回転することにより、用紙Pの最上位のものが給送される。
【0025】
給紙ローラ3の側部近傍には、給紙ローラ3による給送動作を補助するための補助ローラ10が設けられている。補助ローラ10は、補助ローラ・ホルダ10aに支持されている。補助ローラ10には駆動モータは連結されておらず、用紙Pの給送に伴い用紙Pに接触して自由に回動するように構成されている。
給紙ローラ3の後方下部には、分離パッド11aを有するパッド・ホルダ11が設けられている。パッド・ホルダ11は、給紙ローラ3に対して進退可能に構成され、給紙時には、分離パッド11aを給紙ローラ3のローラ面に押圧し、印刷時には、押圧を解除する。
【0026】
給紙ローラ3の背面には、給紙従動ローラ4が設けられている。給紙従動ローラ4は、給紙ローラ3に対向して配置されている。給紙従動ローラ4は、給紙ローラ3に対して進退可能に構成され、給紙時には、給紙ローラ3のローラ面に押圧され、印刷時には解除される。
給紙ローラ3の周囲には、給紙ローラ3の外周面に沿って、用紙Pを案内する用紙ガイド部材16,17が、給紙ローラ3の外周面(ゴム材3の外周面)から一定の距離離間して設けられている。また、給紙ローラ3と搬送ローラ6との間には、用紙Pの給送を円滑にするとともに、用紙Pに傷が付かないようにするための複数の自由回転可能なガイド・ローラ15a〜15dが取り付けられている。
【0027】
給紙ローラ3と搬送ローラ6との間には用紙検出装置13が取り付けられている。用紙検出装置13は、用紙Pの先端および終端を検出し、検出信号として、図示しない制御装置に送る。制御装置は、送られた検出信号に基づいて、用紙Pの現在位置の検知、用紙Pのサイズの識別等を行う。
【0028】
プラテン9から搬送方向下流には駆動軸7aとローラ部7bによって構成される排紙駆動ローラ7及び、該排紙駆動ローラ7に圧接して従動回動する排紙従動ローラ7cが配設されていて、印刷が行われた用紙Pは排紙駆動ローラ7及び排紙従動ローラ7cに挟圧されながら排紙スタッカ30上に落下・進行する。
【0029】
排紙スタッカ30は、プリンタ100本体前面から突出する様な形状をなし(図1参照)、必要に応じて取り外し可能な様に構成されている。排紙スタッカ30の装着は、前記給紙トレイ31と同様に、プリンタ100の前方側(図2における左側)からプリンタ100の奥部(図2における右側)へ差し込むことにより行われる。ここで、排紙スタッカ30は、図2においては鎖線Aから更に左側(装置ユニット400の前方側)は図示を省略しているが、当該省略部分は図3及び図5において示し、これを以下において説明することとする。尚、図2における鎖線Aと、図3及び図5における鎖線Aは、排紙スタッカ30を同一位置で切断する鎖線である。以上が、プリンタ100の構成である。
【0030】
次に、図2乃至図6を参照しつつ、排紙スタッカ30の詳細な構成及び、排紙スタッカ30の排出口30aと、扉部200の開口部201とのセルフポジショニング手段について説明する。ここで、図3は排紙スタッカ30の一部側面図であり、図4は同全体平面図である。また、図5は排紙スタッカ30の動作を示す一部側面図であり、図6は、排紙スタッカ30及び扉部200(上部)の斜視図である。
【0031】
まず、図2において、排紙スタッカ30は回動軸36を両側端部(図4参照)に有し、プリンタ100本体側に形成された図示を省略する軸受部と嵌合して、該回動軸36を回動支点として用紙Pの排出方向先端側(図2における左側)が上下に回動(揺動)する様になっている。一方、図2において回動軸36からやや左側には溝部32が両側端部(図4参照)に形成されていて、該溝部32には、ストッパピン33の下端部33aが嵌合している。ストッパピン33は、プリンタ100本体側に設けられているストッパフレーム34に付勢ばね35を介して取り付けられている。付勢ばね35は、ストッパピン33の先端部33aが常に排紙スタッカ30を下方向に付勢する付勢力をストッパピン33に与え、これにより、排紙スタッカ30は常に下方向に向かう付勢力を受け、振動等によるがたつきの発生を防止できる様になっている。
【0032】
次に、図3において、排紙スタッカ30の下部には、プリンタ100の本体下を構成する下ケース(図示せず)からプリンタ100前方側に延設された排紙スタッカ受け部40が位置していて、該排紙スタッカ受け部40によって排紙スタッカ30が支持される様になっている。より詳細には、排紙スタッカ30の下部両側端に、下方に突出する様な形状のストッパ部41が形成され(図4も参照)、排紙スタッカ受け部40に、該ストッパ部41を受けるストッパ受け部42が形成されている。そして、排紙スタッカ30が後に詳述するガイドブロック204によってポジショニング位置に案内されていない状態、即ち、排紙スタッカ30の排出方向先端部とガイドブロック204とが離間した状態において、ストッパ部41がストッパ受け部42に当接し、排紙スタッカ30が支持される様になっている(図5の状態)。
【0033】
排紙スタッカ30は、図1及び図3乃至図6において示す様に、用紙Pを受ける用紙受け37と、上部カバー38によって大略構成されている。上部カバー38は排紙スタッカ30の排出方向先端側に取付ねじ39によって取り付けられ、これによって排紙スタッカ30の排出方向先端側に用紙Pの排出口30aを形成する。上部カバー38は、用紙Pが例えばカールした状態で排紙される様な場合、当該カールした用紙Pが、扉部200に形成された開口部201の上部に接触或いは引っ掛かり、紙詰まりとなる不具合を防止する排紙ガイドとしての役割を果たしている。
【0034】
従って、上部カバー38には、この他にも円滑に用紙Pを排出する為の工夫がなされている。以下これを説明すると、先ず、上部カバー38の内側には、用紙Pの排出方向に延びる排紙リブ44が、用紙Pの幅方向に一定間隔で形成されている(図4参照)。排紙リブ44は、カールした用紙Pが上部カバー38に接触しながら排出口30aに進む際に、上部カバー38との接触摩擦抵抗を軽減して、円滑に用紙Pを排出する役割を果たしている。尚、用紙受け37側にも、図4に示す様に排出方向に延びる排紙リブ(下)45が用紙Pの幅方向に一定間隔で形成されていて、排出方向に進む用紙Pとの接触摩擦抵抗を軽減し、円滑に用紙Pを排出させる機能を果たしている。
【0035】
また、上部カバー38に形成された排紙リブ44と関連して、図1において符号202で示した上部プレートに、図3及び図6において符号203で示す接続リブが形成されている。接続リブ203は、扉部200が閉じられた際に、上部カバー38に形成された排紙リブ44と接続して、用紙Pが最終的に開口部201から取り出されるまで用紙Pを円滑に排出させる機能を果たしている。
ここで、図6に示す様に、上部カバー38の排出方向先端部には凹部38cが形成されていて、接続リブ203は、扉部200が閉じられた際に該凹部38cに入り込む様になっている。つまり、扉部200が閉じられた際に、排紙リブ44と接続リブ203とが用紙Pの幅方向において互いに位置する様に配置され、これによって、扉部200を閉じた際に排紙リブ44と接続リブ203(上部カバー38)とが衝突する危険が無く、結果として扉部200や排紙スタッカ30等の製造公差を緩やかにすることができる。
【0036】
次に、主として図3及び図5を参照しつつ、適宜その他の図面も参照しながら、排出口30aと開口部201とのポジショニングを自ら行うセルフポジショニング手段について説明する。
図3において、上部カバー38の排出方向先端部両側にはガイド部38aが形成されていて、更に該ガイド部38aの下側には斜面38bが形成されている(図4も参照)。一方、扉部200の内側であって開口部201の下部には、ガイドブロック204が固設されている(斜視図は図1参照)。ガイドブロック204はガイド面204aを有していて、扉部200を閉じると、ガイド面204a上にガイド部38aが乗り上がる様になっている。
【0037】
図5は当該乗り上がる前の様子を示したものであり、図から明かな様に、扉部200が閉じられる際、先ずガイドブロック204の先端部204bが斜面38bに当接し、そして前述の如く排紙スタッカ30は回動軸36を回動支点として回動可能に構成されている為、ガイドブロック204上にガイド部38aが乗り上がる。尚、図6も、当該乗り上がった状態を示す斜視図である。
【0038】
そして、扉部200が完全に閉じられるまで、ガイド部38aはガイド面204a上を進み、そして、最終的なポジショニング位置まで排紙スタッカ30が案内される様になっている。尚、図5の矢印は扉部200が閉じられる際のガイドブロック204の進行方向を示している。
【0039】
従って、排紙スタッカ30はその排出方向先端部が上下に揺動可能な様に構成されていて、扉部200を閉じる際には、開口部201の下部に固設されたガイドブロック204に、排紙スタッカ30の排出方向先端部に形成されたガイド部38aが乗り上がり、排出部30aと開口部201とのポジショニングが行われるので、これによって特に両者の位置決め精度を考慮して排出部30a或いは開口部201を形成する必要が無く、簡単に且つ精度良く両者のポジショニングを行うことができると共に、また、装置ユニット400全体における製造誤差や組み立て誤差を吸収することができるので、製造コストを低減させることができる。
【0040】
尚、前述したガイドブロック204は排紙スタッカ30側(プリンタ100側)に取り付けられていても構わない。この場合は、排紙スタッカ30を揺動しない固設状態とし、逆に、開口部201を含んだ扉部201の一部を上下に揺動可能に構成することによって、前述した作用効果と同じ作用効果を得ることができる。また、これまで述べたセルフポジショニング手段を、排出口30aと開口部201との鉛直方向位置合わせのみならず、水平方向位置合わせにも適用可能であることは言うまでも無い。
更に、本実施形態においては、「処理対象物を排出する装置」としてプリンタを例にして説明を行ったが、プリンタに限らず、その他の処理対象物を排出する装置類を筐体に収納する場合にも本発明を適用可能であることも明らかである。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、処理対象物を排出する装置類を筐体に収納した際の、装置類の排出部とカバー部の開口部とのポジショニングを、簡単に精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置ユニットの斜視図である。
【図2】本発明に係るプリンタの内部側面図である。
【図3】本発明に係る排紙スタックの側面図である。
【図4】本発明に係る排紙スタックの平面図である。
【図5】本発明に係る排紙スタックの側面図である。
【図6】本発明に係る排紙スタック及び蓋部の斜視図である。
【符号の説明】
30 排紙スタッカ
31 給紙トレイ
36 回動軸
37 用紙受け
38 上部カバー
44 排紙リブ
100 プリンタ
200 蓋部
201 開口部
202 上プレート
203 接続リブ
204 ガイドブロック
300 本体部
400 装置ユニット

Claims (3)

  1. 被記録材に記録を行う記録部、および前記記録部を備えた記録装置本体から突出する形状を成し、前記記録部によって記録が行われて排出された被記録材を受ける排紙スタッカ、を備えた記録装置と、
    前記記録装置を収納する本体部と、
    該本体部の開放側を開閉可能なカバー部と、を備えた装置ユニットであって、
    前記排紙スタッカと、前記カバー部に形成され、前記本体部の開放側を閉じた際に前記排紙スタッカと接続すべき開口部と、のポジショニングを自ら行うセルフポジショニング手段を備え、
    該セルフポジショニング手段が、前記カバー部に固設される位置決め部と、
    揺動可能に設けられ、前記本体部の開放側を閉じた際に前記位置決め部と係合してポジショニング位置に案内される、前記位置決め部と対向する前記排紙スタッカと、を備えて構成され、
    前記排紙スタッカが、前記記録装置本体側に形成される揺動支点を中心に揺動することにより排出方向先端部が上下動可能に取り付けられるとともに、付勢手段によって常時下方向に付勢された状態に設けられ、
    前記位置決め部が、前記開口部に隣接する位置において前記排紙スタッカに向かって突出する様に形成されたガイドブロックにより構成され、
    前記排紙スタッカの排紙方向先端部において前記ガイドブロックと当接する当接部は、斜面により形成されており、
    前記カバー部を閉じた際に、前記ガイドブロックが前記斜面に当接し、その後前記排紙スタッカの排出方向先端部が前記ガイドブロックに乗り上がることによってポジショニング位置に案内される、
    ことを特徴とする装置ユニット
  2. 請求項1に記載の装置ユニットにおいて、前記排紙スタッカが上部カバーを備えていることを特徴とする装置ユニット
  3. 請求項2に記載の装置ユニットにおいて、前記上部カバーの内側には被記録材の排出方向に延びる様に形成された排紙リブが、被記録材の幅方向に所定の間隔で形成されている、ことを特徴とする装置ユニット
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