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JP4231632B2 - 研磨液組成物 - Google Patents

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JP4231632B2
JP4231632B2 JP2001133650A JP2001133650A JP4231632B2 JP 4231632 B2 JP4231632 B2 JP 4231632B2 JP 2001133650 A JP2001133650 A JP 2001133650A JP 2001133650 A JP2001133650 A JP 2001133650A JP 4231632 B2 JP4231632 B2 JP 4231632B2
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法及び前記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化が求められ記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させたり、単位記録面積を小さくすることが強いられている。それに伴い、磁気ディスク用基板の製造工程においても研磨後に要求される表面品質は年々厳しくなってきており、ヘッドの低浮上に対応して、表面粗さ、微小うねり、ロールオフ、突起の低減や単位記録面積の減少に対応して許容されるスクラッチ、ピットの大きさと深さがますます小さくなってきている。
【0003】
また、半導体分野においても、高集積化、高速化に伴って配線の微細化が進んでいる。半導体デバイスの製造プロセスにおいても、フォトレジストの露光の際、配線の微細化に伴い焦点深度が浅くなるため、パターン形成面のより一層の平滑化が望まれている。
【0004】
このような面質を生産性を考慮して実現するために、コロイダルシリカを研磨材として用い面質を実現し、これに種々の添加剤を配合して研磨速度を向上する方法が提案(特開平11−246849号公報、特開2000−42904号公報)されてきたが、いずれも満足な研磨速度を達成するには至っていなかった。一方、ホスホン酸を研磨液組成物に用いることは、特開平9−204657号公報、特開平10−226784号公報、特開平10−265766号公報に示されているが、いずれもゲル化防止剤や安定剤に用いられているもので、高品質の面質を実現し、かつ研磨速度を向上させる効果は知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メモリーハードディスクの仕上げ研磨や半導体素子用の研磨用として、研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、かつ突起や研磨傷等の表面欠陥を発生することなく、しかも経済的に長期間高速に研磨をすることが可能である研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた基板の製造方法及び前記研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕研磨材、酸化剤、研磨促進剤としての有機ホスホン酸及び水を含有してなる研磨液組成物であって、前記研磨材が2種以上のシリカ粒子を含み、混合したシリカ粒子の粒径分布において、D90/D50が1.3〜3.0であって、D50が10〜600nmである(ここで、D90は小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90%となる粒径、D50は小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径である)、磁気ディスク基板研磨用の研磨液組成物
〔2〕前記〔1〕研磨液組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨する工程を有する基板の製造方法、並びに
〔3〕前記〔1〕記載の研磨液組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨する方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨液組成物は、前記のように、研磨材、酸化剤、研磨促進剤として有機ホスホン酸及び水を含有してなるものである。
【0008】
本発明に使用される研磨材には、研磨用に一般に使用されている研磨材を使用することができる。該研磨材として、金属;金属又は半金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8A族由来のものである。研磨材の具体例として、酸化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ等が挙げられ、これらを1種以上使用することは研磨速度を向上させる観点から好ましい。中でも、酸化アルミニウム、シリカ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が、半導体ウエハや半導体素子、磁気記録媒体用基板等の精密部品用基板の研磨に適している。酸化アルミニウムについては、α、θ、γ等種々の結晶系が知られているが、用途に応じ適宜選択、使用することができる。この内、シリカ、特にコロイダルシリカは、より高度な平滑性を必要とする高記録密度メモリー磁気ディスク用基板の最終仕上げ研磨用途や半導体デバイス基板の研磨用途に適している。
【0009】
研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.01〜3 μm、さらに好ましくは0.02〜0.8 μm、特に好ましくは0.05〜0.5 μmである。さらに、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、同様に研磨速度を向上させる観点及び被研磨物の表面粗さを低減させる観点から、その二次粒子の平均粒径は、好ましくは0.05〜3 μm、さらに好ましくは0.1 〜1.5 μm、特に好ましくは0.2 〜1.2 μmである。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜30000 倍)して画像解析を行い、2軸平均粒径を測定することにより求めることができる。また、二次粒子の平均粒径はレーザー光回折法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
【0010】
また、本発明においては、表面粗さ(Ra 、Rmax) 、うねり(Wa)を低減し、スクラッチ等の表面欠陥を減少させて、表面品質を向上させる観点から、研磨材としてシリカ粒子を用いることがより好ましい。シリカ粒子としては、コロイダルシリカ粒子、ヒュームドシリカ粒子、表面修飾したシリカ粒子等が挙げられ、中でも、コロイダルシリカ粒子が好ましい。なお、コロイダルシリカ粒子は、例えば、ケイ酸水溶液から生成させる製法により得ることができる。
【0011】
シリカ粒子の平均一次粒径は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.001 μm以上、より好ましくは0.01μm以上、さらに好ましくは0.02μm以上であり、表面粗さ(Ra 、Rmax)、うねり(Wa)を低減する観点から好ましくは0.6 μm以下、より好ましくは0.5 μm以下、さらに好ましくは0.3 μm以下、特に好ましくは0.2 μm以下である。該平均一次粒径は、好ましくは0.001 〜0.6 μm、より好ましくは0.001 〜0.5 μm、さらに好ましくは0.01〜0.3 μm、特に好ましくは0.02〜0.2 μmである。なお、該粒径は走査型電子顕微鏡で観察して(好適には3000倍〜100000倍)画像解析を行い、2軸平均径を測定することにより求めることができる。
【0012】
さらにシリカ粒子の粒径分布としては、以下に示すものが好ましい。
(1)小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50% となる粒径(D50) に対する小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90% となる粒径(D90) の比(D90/D50) が1.3 〜3.0 で、且つD50 が10〜600nm 。
【0013】
本発明において、前記(1)で示される粒径分布を有するシリカ粒子を含有した研磨液組成物を使用することで、研磨後の基板の表面粗さが小さく、且つ突起や研磨傷等の表面欠陥を発生することなく、経済的な速度で被研磨基板の研磨をすることができるという効果が発現される。
【0014】
前記(1)で示される粒径分布において、スクラッチ発生の防止、表面粗さ(Ra 、Rmax) の低減など、より平滑で良好な面質を達成する観点及び高い研磨速度を達成する観点から、D90/D50 は好ましくは1.3 〜3.0 、より好ましくは1.3 〜2.0 である。また、D90/D50 は、高い研磨速度を達成する観点から、1.3 以上が好ましく、高い研磨速度を維持し、且つ良好な表面平滑性を得る観点から、3.0 以下が好ましい。
【0015】
前記(1)で示される粒径分布において、D50 は、10〜600nm であり、好ましくは30〜200nm 、特に好ましくは40〜100nm である。該D50 は、高い研磨速度を得る観点から、10nm以上が好ましく、また、スクラッチ等の表面欠陥の発生を防ぎ、良好な表面平滑性を得る観点から、600nm 以下が好ましい。
【0016】
また、前記(1)で示される粒径分布を有するシリカ粒子において、高い研磨速度、及び表面平滑性に優れた基板を得るためには、小粒径側の分布の指標となる小粒径側からの積算粒径分布が10% となる粒径(D10) が、5 〜100nm であることが好ましく、より好ましくは15〜85nmであり、さらに好ましくは35〜70nm、特に好ましくは40〜60nmである。D10 は、高い研磨速度を得る観点から、5nm 以上であることが好ましく、また、良好な表面平滑性を維持する観点から、100nm 以下であることが好ましい。
【0017】
なお、前記(1)で示される粒径分布は、全体的なシリカ粒子の粒径分布を示すものである。例えば、前記(1)で示される粒径分布を有するシリカ粒子として、2種以上のシリカ粒子を併用してもよい。この場合、前記の粒径分布(D10、D50 、D90)は、いずれも混合したシリカ粒子について測定したものである。
【0018】
中でも、D50 が異なる2種類以上のシリカ粒子からなる場合、以下の粒径分布を有するものが好ましい。
(2)D50 の最も小さなシリカ粒子(A)のD50(D50S) に対するD50 の最も大きなシリカ粒子(B)のD50(D50L) の比(D50L/D50S) が1.1 〜4.0 であってAとBとの配合比率(A/B(重量比))が90/10 〜10/90 。
【0019】
本発明において、異なるD50 を有する2種類以上のシリカ粒子からなり、前記(2)で示される粒径分布を有する点に一つの大きな特徴があり、かかるシリカ粒子を含有した研磨液組成物を使用することで、研磨後の基板の表面粗さが小さく、且つ突起や研磨傷等の表面欠陥を発生することなく、被研磨基板の研磨をすることができ、特に優れた研磨速度が得られるという利点がある。ここで、D50 がそれぞれ異なる3種類以上のシリカ粒子を用いる場合D50 の最も小さなシリカ粒子のD50 を「D50S」とし、D50 の最も大きなシリカ粒子のD50 を「D50L」とする。
【0020】
前記(2)で示される粒径分布において、D50L/D50S は、好ましくは1.1 〜4.0 、より好ましくは1.1 〜3.0 、さらに好ましくは1.5 〜3.0 である。D50L/D50S は、研磨速度を向上する観点から、1.1 以上が好ましく、また、高い研磨速度を維持し、スクラッチ等の表面欠陥を発生することなく、良好な表面平滑性を維持する観点から、4.0 以下が好ましい。前記(2)で示される粒径分布において、2種類以上のシリカ粒子の混合比は、配合した後の粒径分布におけるD90 とD50 の比は1.3 〜3.0 であることが好ましく、またD50 が10〜600nm であることが好ましい。さらにD10 が5 〜100nm であることが好ましい。尚、D50 の最も小さなシリカ粒子(A)とD50 の最も大きなシリカ粒子(B)との配合比率(A/B:重量比)は、好ましくは90/10 〜10/90 、より好ましくは90/10 〜20/80 、さらに好ましくは85/15 〜35/65 である。
【0021】
なお、前記(2)で示される粒径分布を有するシリカ粒子において、使用するシリカ粒子のD50 が2種以上あれば、各々のシリカ粒子の種類は同一でも、異なっていてもよい。なお、前記のD50L、D50Sは、いずれも混合前のものである。
【0022】
さらに、シリカ粒子は、以下に示す粒径分布を有するものが好ましい。
(3)粒径40nmにおける小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が25% 以下で、且つD50 が50〜600nm 。
【0023】
本発明において、前記(3)で示される粒径分布を有する点に一つの大きな特徴があり、かかる粒径分布を有するシリカ粒子を含有した研磨液組成物を用いることで、通常の洗浄によりシリカ粒子が被研磨物表面から容易に洗浄され得るという効果が発現される。
【0024】
前記(3)で示される粒径分布において、研磨後の基板へのシリカ粒子の残留量を低減する観点から粒径40nmにおける小粒径側よりの積算粒径分布は25% 以下、好ましくは15% 以下、より好ましくは10% 以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下であることが望ましい。小粒径側よりの積算粒径分布を25% 以下にするには、例えば、粒径が40nm以下のシリカ粒子の含有量を低くすればよい。粒径が40nm以下のシリカ粒子の含有量を低くする方法としては、例えば、シリカゾルを核として成長させるコロイダルシリカの合成において、活性ゾルの添加速度をコントロールすることにより小粒径品の含有の少ないコロイダルシリカを調製することができる。また、小粒径品を含有するコロイダルシリカを例えば、遠心分離機などにより分級して用いることも何ら問題はない。
【0025】
一方、経済的な研磨速度を達成する観点及び表面平滑性に優れ、表面欠陥のない良好な面質を達成する観点から、D50 は、50〜600nm が好ましく、より好ましくは50〜200nm 、さらに好ましくは50〜150nm である。
【0026】
また、研磨速度が高く、且つ表面平滑性に優れ、表面欠陥のない良好な面質を達成する観点から、D90 とD50 の比(D90/D50) の値は1.3 〜3.0 であることが好ましく、より好ましくは1.3 〜2.0 である。
【0027】
なお、前記(3)で示される粒径分布を有するシリカ粒子として、2種以上のシリカ粒子を併用してもよい。この場合、前記(3)で示される粒径分布は、いずれも混合したシリカ粒子について測定したものである。
【0028】
また、本発明に使用されるシリカ粒子は、前記(1)〜(3)からなる群より選ばれる2種以上の条件を満たすものが好ましく、特に全ての条件を満たすものがより好ましい。
【0029】
前記(1)〜(3)の粒径分布におけるシリカ粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(以下SEMという)を用いて以下の方法により求めることができる。即ち、シリカ粒子を含有する研磨液組成物をシリカ粒子濃度が0.5 重量% になるようにエタノールで希釈する。この希釈した溶液を約50℃に加温したSEM用の試料台に均一に塗布する。その後、過剰の溶液を濾紙で吸い取り溶液が凝集しないように均一に自然乾燥させる。
【0030】
自然乾燥させたシリカ粒子にPt−Pdを蒸着させて、日立製作所(株)製電界効果走査型電子顕微鏡(FE−SEM:S−4000型)を用いて、視野中に500個程度のシリカ粒子が観察されるように倍率を3000倍〜10万倍に調節し、一つの試料台について2点観察し写真を撮影する。撮影された写真(10.16 cm×12.7cm)をコピー機等によりA4サイズに拡大して、撮影されたすべてのシリカ粒子の粒径をノギス等により計測し集計する。この操作を数回繰り返して、計測するシリカ粒子の数が2000個以上になるようにする。SEMによる測定点数を増やすことは、正確な粒径分布を求める観点からより好ましい。測定した粒径を集計し、小さい粒径から順にその頻度(%)を加算してその値が10% となる粒径をD10 、同じく50% となる粒径をD50 、90% となる粒径をD90 として本発明における個数基準の粒径分布を求めることができる。尚、ここでいう粒径分布は一次粒子の粒径分布として求められる。但し、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ヒュームドシリカ等の一次粒子が融着した二次粒子が存在している場合においては、その二次粒子の粒径に基づいて、粒径分布を求めることができる。
【0031】
また、シリカ粒子の粒径分布を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、シリカ粒子がコロイダルシリカの場合、その製造段階における粒子の成長過程で新たな核となる粒子を加えることにより最終製品に粒径分布を持たせる方法、異なる粒径分布を有する2つ以上のシリカ粒子を混合する方法等で達成することも可能である。
【0032】
研磨液組成物中における研磨材の含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5 重量% 以上、より好ましくは1 重量% 以上、さらに好ましくは3 重量% 以上、特に好ましくは5 重量% 以上であり、表面品質を向上させる観点、及び経済性の観点から50重量% 以下、より好ましくは40重量% 以下、さらに好ましくは30重量% 以下、特に好ましくは25重量%以下である。
すなわち、該含有量は、好ましくは0.5 〜50重量% 、より好ましくは1 〜40重量% 、さらに好ましくは3 〜30重量% 、特に好ましくは5 〜25重量% である。
【0033】
酸化剤としては、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、硝酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられる。
【0034】
より具体的には、過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム等;過マンガン酸又はその塩としては、過マンガン酸カリウム等;クロム酸又はその塩としては、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩等;硝酸塩としては、硝酸鉄(III)、硝酸アンモニウム等;ペルオキソ酸又はその塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸等;酸素酸又はその塩としては、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等;金属塩類としては、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。好ましい酸化剤としては、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。特に、表面に金属イオンが付着せず汎用に使用され安価であるという観点から過酸化水素が好ましい。これらの酸化物は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
【0035】
研磨速度を向上させる観点から、研磨液組成物中の酸化剤の含有量は、好ましくは0.002 重量% 以上、より好ましくは0.005 重量% 以上、さらに好ましくは0.007 重量% 以上、特に好ましくは0.01重量% 以上であり、表面粗さ、うねりを低減し、ピット、スクラッチ等の表面欠陥を減少させて表面品質を向上させる観点及び経済性の観点から、好ましくは20重量% 以下、より好ましくは15重量% 以下、さらに好ましくは10重量% 以下、特に好ましくは5 重量% 以下である。該含有量は、好ましくは0.002 〜20重量% 、より好ましくは0.005 〜15重量% 、さらに好ましくは、0.007 〜10重量% 、特に好ましくは0.01〜5 重量% である。
【0036】
本発明において、有機ホスホン酸は、研磨促進剤として使用される。かかる有機ホスホン酸を使用することで表面品質を向上させ、高速で研磨でき、さらには長期間高速で研磨できるという効果が発現される。有機ホスホン酸としては、表面品質を向上させる観点から分子量が150 以上のものが好ましく、さらに好ましくは200 以上である。有機ホスホン酸中のホスホン酸基の数は、研磨速度向上の観点から2 以上が好ましい。具体的には、1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸又はそれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、アミノポリ(メチレンホスホン酸)又はそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩等を挙げることができる。これらの中でも、1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はそれらの塩が好ましい。
【0037】
有機ホスホン酸の研磨液組成物中における含有量は、充分な研磨速度を発揮する観点および表面品質を向上させる観点から、0.0001〜5 重量%であり、好ましくは0.001 〜3 重量%であり、さらに好ましくは0.01〜2 重量%である。
【0038】
本発明の研磨液組成物中の水は、媒体として使用されるものであり、その含有量は、被研磨物を効率よく研磨する観点から、好ましくは50重量% 以上であり、より好ましくは60重量% 以上であり、さらに好ましくは70重量% 以上であり、特に好ましくは80重量% 以上であり、また、好ましくは99.4979 重量% 以下、より好ましくは98.994重量% 以下、さらに好ましくは96.983重量% 以下、特に好ましくは、94.98 重量% 以下である。該含有量は、好ましくは50〜99.4979 重量% 、より好ましくは60〜98.994重量% 、さらに好ましくは70〜96.983重量% 、特に好ましくは80〜94.98 重量% である。
【0039】
尚、前記研磨液組成物中の各成分の濃度は、該組成物製造時の濃度及び使用時の濃度のいずれであってもよい。通常、濃縮液として組成物は製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
【0040】
また、本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。該他の成分としては、単量体型の酸化合物の金属塩、アンモニウム塩や増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。
【0041】
本発明の研磨液組成物は、前記研磨材、酸化剤、有機ホスホン酸、水、必要であれば他の成分を公知の方法で混合することにより調製することができる。
【0042】
本発明の研磨液組成物のpHは、被加工物の種類や要求性能に応じて適宜決定することが好ましい。例えば、加工機械の腐食性の観点、作業者の安全性の観点から、1.8 〜12が好ましく、さらに好ましくは3 〜10である。被研磨物の材質により一概に限定はできないが、一般的には研磨速度を向上させる観点からpHは6.5 以下、好ましくは6.0 未満、より好ましくは5.9 以下、さらに好ましくは5.5 以下、さらにより好ましくは5 以下、特に好ましくは4以下であり、あるいは研磨速度向上の観点から7.5 以上、好ましくは8.0 以上、より好ましくは9以上であることが望ましい。特にニッケル−リン(Ni−P)メッキされたアルミニウム合金基板等の金属を主対象とした精密部品基板においては、研磨速度の観点から、pHは酸性にすることが好ましく、研磨速度を向上させる観点からpHは6.5 以下、好ましくは6.0 未満、より好ましくは5.9 以下、さらに好ましくは5.5 以下、さらにより好ましくは5 以下、特に好ましくは4以下である。さらに、半導体ウェハや半導体素子等の研磨、特にシリコン基板、ポリシリコン膜、SiO2 膜等の研磨に用いる場合は、研磨速度と表面品質の向上の観点から、好ましくは7 〜12、より好ましくは8 〜12、特に好ましくは9 〜12である。また、シリカ粒子の分散性を向上させ表面品質を向上させる観点から、pHはアルカリ性にすることが好ましく、7.5 以上、好ましくは8.0 以上、より好ましくは9以上である。また、研磨後の洗浄性において砥粒残さを低減する観点から、pHは中性にすることが好ましい。従って、重視する目的に合わせてpHを設定すればよいが、特にNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板等の金属を対象とした精密部品基板においては、前記観点を総合して、好ましくは1.8 〜5.5 である。pHは硝酸、硫酸等の無機酸、アンモニウム塩、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アミン等の塩基性物質を適宜、所望量で配合することにより調整することができる。
【0043】
本発明の被研磨基板の研磨方法は、本発明の研磨液組成物を用いて、あるいは本発明の研磨液組成物の組成となるように各成分を混合して研磨液を調製して被研磨基板を研磨する工程を有しており、特に精密部品用基板を好適に製造することができる。また、本発明の研磨液組成物は、保存安定性が優れ、長期にわたって安定して研磨性能を発揮することができる。
【0044】
本発明の研磨液組成物が対象とする被研磨物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属およびこれらの合金、及びガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタンなどのセラミック材料、ポリイミド樹脂などの樹脂等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅などの金属及びこれらの金属を主成分とする合金が被研磨物であるか、又は、半導体素子等の半導体基板のような、それらが金属を含んだ被研磨物であるのが好ましく、例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板や結晶化ガラス、強化ガラスなどのガラス基板がより好ましく、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板が特に好ましい。
【0045】
被研磨物の形状には特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れている。
【0046】
本発明の研磨液組成物は、精密部品基板の研磨に好適に用いられる。例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板などの精密部品基板の研磨に適している。半導体基板の研磨は、シリコンウェハ(ベアウェハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程などにおいて行われる。本発明の研磨液組成液は、特に、磁気ディスク用基板の研磨に適している。さらに、表面粗さ(Ra)0.3nm以下で、うねり(Wa)0.3nm以下の磁気ディスク用基板を得るのに適している。
【0047】
本明細書では、表面粗さ(Ra)とうねり(Wa)は、一般に言われる中心線粗さとして求められ、80μm以下の波長成分を持つ粗さ曲線から得られる中心線平均粗さをRaと言い、また0.4mm〜5mmの波長成分を持つ粗さ曲線の中心線平均粗さを中心線微小うねりとしてWaと表す。これらは以下のように測定することができる。
【0048】
〔中心線平均粗さ:Ra〕
ランク・テーラーホブソン社製 タリーステップ(タリデータ2000)を用いて、以下の条件で測定する。
触針先端サイズ :2.5μm×2.5μm
ハイパスフィルター :80μm
測定長さ :0.64mm
【0049】
〔中心線平均微少うねり:Wa〕
Zygo社製 New View 200を用いて、以下の条件で測定する。
対物レンズ :2.5倍
ImageZoom :0.5倍
Filter :Band Pass
Filter type :FFT Fixed
Filter High Wavelength :0.4mm
Filter Low Wavelength :5.0mm
Remove :Cylinder
【0050】
本発明の研磨液組成物を用いる研磨方法としては、例えば、不織布状の有機高分子系研磨布等を貼り付けた研磨盤で基板を挟み込み、研磨液組成物を研磨面に供給し、一定圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことにより研磨する方法などが挙げられる。本発明の研磨方法において、本発明の研磨液組成物を用いることにより、研磨速度を向上させ、スクラッチやピット等の表面欠陥の発生が抑制され、表面粗さ(Ra)うねり(Wa)等の表面平滑性を向上させることができる。
【0051】
本発明の磁気ディスク用基板の製造方法は、前記研磨液組成物を用いた研磨工程を有し、該研磨工程は、複数の研磨工程の中でも2工程目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程に行われるのが特に好ましい。例えば、1工程又は2工程の研磨工程によって表面粗さ(Ra)0.5nm〜1.5nm、うねり(Wa)0.5nm〜1nmにしたNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板を、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程によって研磨して、表面粗さ(Ra)0.3nm以下、うねり(Wa)0.3nm以下の磁気ディスク用基板を、好ましくは表面粗さ(Ra)0.25nm以下、うねり(Wa)0.25nm以下の磁気ディスクを製造することができる。特に、本発明の研磨液組成物は、2工程の研磨で表面粗さ(Ra)0.3nm以下、うねり(Wa)0.3nm以下の磁気ディスク用基板を、好ましくは表面粗さ(Ra)0.25nm以下、うねり(Wa)0.25nm以下の磁気ディスクを製造する際の2工程目に用いられるのに適している。
【0052】
製造された磁気ディスク用基板は、表面平滑性に優れたものである。その表面平滑性として、表面粗さ(Ra)0.3nm以下、好ましくは0.25nm以下が望ましい。また、うねり(Wa)は0.3nm以下、好ましくは0.25nm以下が望ましい。
【0053】
以上のように、本発明の研磨液組成物を用いることで、研磨速度を向上させると共に、スクラッチ、ピット等の表面欠陥が少なく、表面粗さ(Ra)及びうねり(Wa)等の平滑性が向上した、特に研磨速度を向上させると共に、うねり(Wa)の表面平滑性が向上した、表面性状に優れた高品質の磁気ディスク用基板を生産効率よく製造することができる。
【0054】
本発明の研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
【0055】
【実施例】
(被研磨物)
被研磨基板として、Ni−Pメッキされた基板をアルミナ研磨材を含有する研磨液であらかじめ粗研磨し、基板表面粗さ1nmとした、厚さ0.8 mmの95mmφのアルミニウム合金基板を用いて研磨評価を行った。
【0056】
実施例1〜4
表1に示すようにコロイダルシリカ(D10: 45nm、D50: 58nm、D90: 90nm)を7重量部、35%過酸化水素(旭電化製)を純分で1重量部、下記に示す助剤A〜Dのいずれかを0.45重量部混合し、残りを水として、合計100重量部とした。
【0057】
混合する順番は、スラリーがゲル化しないように注意して、コロイダルシリカスラリーを水で希釈したものに助剤を撹拌しながらゆっくりと加えて調製した。そして、最後に過酸化水素を所定量を撹拌しながらゆっくりと添加した。
助剤A:1-ヒドロキシエチリデン-1,1- ジホスホン酸
助剤B:アミノトリメチレンホスホン酸
助剤C:ジエチレンテエトラミンペンタメチレンホスホン酸
助剤D:ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸
【0058】
【表1】
Figure 0004231632
【0059】
比較例1〜7
表2に示すように、コロイダルシリカ(D10: 45nm、D50: 58nm、D90: 90nm)、35%過酸化水素(旭電化製)、助剤A、B、E〜Gを所定量混合し、残りを水として合計100重量部とした。ただし、助剤E〜Gは以下に示すもの用いた。このうち比較例7については、61%硝酸(和光特級)にてpH2.5に調整した。
【0060】
混合する順番は、スラリーがゲル化しないように注意して、コロイダルシリカスラリーを水で希釈したものに助剤を撹拌しながらゆっくりと加えて調製した。過酸化水素を含有するものは、これを最後に添加した。
助剤E:ホスホン酸(HP=O(OH)2 :亜リン酸)
助剤F:硝酸アルミニウム・九水和物
助剤G:シュウ酸アンモニウム・一水和物
【0061】
【表2】
Figure 0004231632
【0062】
実施例1〜4及び比較例1〜7で得られた研磨液組成物について、研磨速度、表面粗さ、微小うねり、表面欠陥、スクラッチの有無及び保存安定性を以下の方法に基づいて測定、評価した。得られた結果を表3、4に示す。
【0063】
(研磨条件)
研磨試験機:スピードファム社製 両面9B研磨機
研磨パッド:鐘紡 Belatrix N0058
定盤回転数:35r/min
スラリー供給量:40m l/min
研磨時間:4分
研磨荷重:7.8kPa
投入した基板の枚数:10枚
【0064】
(研磨速度)
研磨前と研磨後の基板の重量減より算出した。
【0065】
(表面粗さ(Ra、Rmax))
研磨後の基板の裏表の120°おきに各3点で計6点を原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメント社製 Nanoscope III )を用いて、ScanRateを1.0Hz で2 μm×2 μmの範囲を測定したときの平均値をとった。
(Ra)○:3.5Å未満、3.5Å以上、(Rmax)◎:40Å未満、△:40以上100Å未満、×:100Å以上として表3に示す。
なお、「Ra」は中心線平均粗さ、「Rmax」はP−V値(Peak-Valley 値) を示す。
【0066】
(微小うねり(Wa))
前記条件でのZygoによる測定した。○:4.5Å未満、×:4.5Å以上として表3に示す。
【0067】
(表面欠陥(微小欠陥))
微分干渉式顕微鏡観察により倍率200倍で各基板の表面を30°おきに12カ所測定し、12視野当たりのピットと突起数を数えた。○:0個、×:1個以上として表3に示す。
【0068】
(スクラッチ)
微分干渉式顕微鏡観察により倍率200倍で各基板の表面を30°おきに12カ所測定し、12視野当たりのスクラッチを数えた。○:0個、×:1個以上として表3に示す。
【0069】
(保存安定性)
研磨液組成物の調製直後と2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の研磨速度より判定した。結果を表4に示す。
【0070】
【表3】
Figure 0004231632
【0071】
【表4】
Figure 0004231632
【0072】
表3、4の結果より、実施例1〜4で得られた研磨液組成物は、いずれも研磨速度が高く、表面粗さや微小うねりが低減され、表面欠陥やスクラッチのないものであり、特に比較例1〜7で得られた研磨液組成物に比べ、Rmaxが低く且つ研磨速度の観点での保存安定性に優れたものであることがわかる。
なお、無機ホスホン酸を用いた比較例4は、研磨速度の観点での保存安定性に優れるものの、表面粗さ、微小うねり、表面欠陥、スクラッチ等の評価結果がいずれも悪いものであった。
【0073】
【発明の効果】
本発明の研磨液組成物は、研磨基板の表面品質を向上させつつ、高速で研磨でき、しかも配合後の保存安定性に優れ、長期間高速で研磨できる。そしてこれにより、表面品質が優れた磁気ディスク用基板を効率よく製造することができるという効果が奏される。

Claims (4)

  1. 研磨材、酸化剤、研磨促進剤としての有機ホスホン酸及び水を含有してなる研磨液組成物であって、前記研磨材が2種以上のシリカ粒子を含み、混合したシリカ粒子の粒径分布において、D90/D50が1.3〜3.0であって、D50が10〜600nmである(ここで、D90は小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90%となる粒径、D50は小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径である)、磁気ディスク基板研磨用の研磨液組成物。
  2. 研磨材がコロイダルシリカであり、酸化剤が過酸化水素である請求項1記載の研磨液組成物。
  3. 請求項1又は2記載の研磨液組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨する工程を有する基板の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載の研磨液組成物を用いて磁気ディスク用基板を研磨する方法。
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