JP4228490B2 - パルスco2溶接方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスシールドアーク溶接方法に関し、特にパルス CO2溶接においてスパッタ発生量の有利な低減を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
Ar−(5〜25%)CO2 混合ガスをシールドガスとする溶接法(以下、MAG溶接法という)は、ビード形状に優れ、スパッタの発生が少ないことから、高品質な溶接を必要とする分野で広く使用されている。
しかしながら、Arガスは CO2ガスに比べると、その価格が約5倍と高価であることから、通常の溶接施工に際しては、安価な CO2ガスを主成分(40%以上)とする溶接法(以下、CO2 溶接法という)が使用されている(例えば特開平10−272591号公報)。
【0003】
ところで、CO2 溶接法では、粗大な溶滴が、ワイヤ先端に懸垂し、アーク力によって揺れ動くため、母材(鋼板)との短絡、再アークによりスパッタが多発するという問題がある。
【0004】
これに対し、カリウムの付与によってスパッタ発生量を低減する方法が、特開平6−218574号公報に開示されているが、この方法では、満足いくほど十分な効果を得ることができなかった。
【0005】
また、特開平7−47473 号公報および特開平7−290241号公報には、1パルス1溶滴移行によってスパッタの発生量を低減する方法が提案されている。
この方法は、1溶滴の形成に1〜2msの時間しか要せず、しかも安定な移行が可能なMAG溶接においては、優れた効果が得られる。
しかしながら、MAG溶接に対して10〜20倍の溶滴を形成し、溶滴が不安定な挙動を呈する CO2溶接においては、1パルス当たり1溶滴の移行は困難である。また、ピーク時間と共にベース時間も長くなるため、1パルスで移行しきれなかった溶滴がベース期間中に短絡して、スパッタの発生を増大させる結果となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、パルス CO2溶接法では、粗大な溶滴がワイヤ先端に懸垂し、アーク力によって揺れ動くため、母材(鋼板)との短絡、再アークにより、スパッタが多発するという問題があった。
この発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、いわゆるパルス CO2溶接において、アークの安定化およびスパッタ量の低減はいうまでもなく、優れたビー形状を確保することができる溶接方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、電源特性と組み合わせて、ワイヤ組成について鋭意検討した結果、以下に述べる知見を得た。
すなわち、
(1) 1溶滴移行当たりのパルス数は2〜5とすることが好ましい、
(2) 上記した複数パルス1溶滴移行のパルス CO2溶接においては、ワイヤ成分中、特にS, Caおよび(Ti+Al)量を所定の範囲に制限する
ことが極めて重要であることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0008】
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
1.1溶滴移行当たり2〜5のパルスを付与するパルス CO2溶接方法において、
C:0.15mass%以下、
Si:0.30〜2.0 mass%、
Mn:0.50〜2.5 mass%
を含み、かつ
S:0.030 mass%以下、
Ca:0.0015mass%以下、
Ti+Al:0.11〜0.15mass%
に制限し、残部はFe および不可避的不純物の組成になる溶接用鋼ワイヤを用い、さらにパルスピークの終了から次のパルスピークの始まりまでの時間が 1.5 〜 3.0 ms で、かつピーク電流が(平均電流+ 30 〜 100) A、ベース電流が 150 A以下の条件で溶接を行うことを特徴とする、パルス CO2溶接方法。
【0009】
2.上記1において、鋼ワイヤとして、
C:0.15mass%以下、
Si:0.30〜2.0 mass%、
Mn:0.50〜2.5 mass%、
K:0.0001〜0.0030mass%
を含み、かつ
S:0.030 mass%以下、
Ca:0.0015mass%以下、
Ti+Al:0.07〜0.15mass%
に制限し、残部はFe および不可避的不純物の組成になる鋼ワイヤを用いることを特徴とする、パルス CO2溶接方法。
【0010】
3.上記1または2において、鋼ワイヤが、さらに
Cr:0.60mass%以下、
Ni:3.0 mass%以下、
Cu:3.0 mass%以下、
Mo:0.50mass%以下、
B:0.005 mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、パルス CO2溶接方法。
【0011】
4.上記1,2または3において、鋼ワイヤが、さらに
Nb, ZrおよびVのうちから選んだ少なくとも1種:0.25mass%以下
を含有する組成になることを特徴とする、パルス CO2溶接方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体的に説明する。
この発明で対象とする溶接方法は、溶滴の移行に合わせて2〜5のパルスを付与し、溶滴に振動を与えると共に、平均電流よりも高いピーク電流を使って溶滴をスムーズに移行させる溶接方法であるが、1溶滴移行当たりの付与パルス数が2未満では、パルスのピークと次のパルスピークまでの間に短絡を生じ、スパッタを増大させる。一方、1溶滴当たり5パルス超えの付与は、溶接中のアーク音が増大し、溶接作業者および周囲の作業者の負担が増大する。
従って、この発明で対象とする溶接方法では、1溶滴移行当たりに付与するパルス数について、2パルス以上、5パルス以下としたのである。
【0013】
なお、移行する溶滴の大きさ(重さ)は、平均電流、電流波形、突き出し長さおよびワイヤ径などに左右される。
例えば、平均溶接電流:300 A、ピーク電流:350 A、ベース電流:80A、突き出し長さ:20mmおよびワイヤ径:1.2 mmの場合には、移行する溶滴の平均重さは 60 mg、1分間のワイヤ溶融量は 115 g/minであり、従ってこの溶接法におけるパルス周波数範囲は63〜160 Hzとなる。また、平均溶接電流が通常の使用限界である 450Aでは、ピーク電流:550 A、ベース電流:100 A、突き出し長さ:25mmおよびワイヤ径:1.2 mmにおいて、1分間のワイヤ溶融量は 185 g/minであり、移行する溶滴の平均重さは 35 mgに微細化し、この溶接法におけるパルス周波数範囲は 176〜440 Hzとなる。
【0014】
一方、パルスのピーク終了から次のピークの始まりまでの時間が長いと、短絡が生じ、スパッタの発生が増加するので、パルスピークの終了と次のパルスピークの始まりまでの時間(TP-P )(図1参照のこと)は3.0 ms以下とする必要がある。とはいえ、パルスピークの終了から次のパルスピークの始まりまでの時間を1.5 ms未満とすると溶滴に大きな振動が与えられず、スムーズな溶滴移行が得られない。従って、パルスピークの終了から次のパルスピークの始まりまでの時間(TP-P )は 1.5〜3.0 msの範囲に限定した。
【0015】
また、平均電流に対するパルス条件として、ピーク電流を(平均電流+30〜100)A、ベース電流を 150A以下にする必要があり、さらに好適にはベース期間を2ms以下にすることによって、より効果的にベース期間中の短絡を防止し、ピーク期間中に溶滴を移行させることが可能である。
ここに、ピーク電流が(平均電流+30)A未満ではパルスを付与する効果がなく、一方ピーク電流が(平均電流+100 )A超えでは、小粒のスパッタが増大する。さらに、ベース電流が 150A超えではパルスを付与する効果がない。
【0016】
次に、上記した理想的な溶滴移行を実現させるために必要な、この発明に従うワイヤ組成について、その限定理由を説明する。
C:0.15mass%以下
Cは、溶接金属の強度を確保するために重要な添加元素であるが、一方で溶鋼の粘性を低下させ流動性を向上させる。含有量が0.15mass%を超えると CO2パルス溶接時の溶滴および溶融プールの挙動が不安定となり、スパッタが多発するようになるので、C量は0.15mass%以下とした。
【0017】
Si:0.30〜2.0 mass%以下
Siは、脱酸剤として、また高強度、高靱性を得るために、さらには作業性確保のために少なくとも0.30mass%を必要とする。また、Siの増加と共にパルス溶接におけるスパッタ量は僅かに減少する傾向を有する。しかしながら、2.0 mass%を超えて多量に含有すると、スラグ量が多くなり、溶接金属の靱性が低下するので、Si量の上限は 2.0mass%とした。
【0018】
Mn:0.50〜2.5 mass%以下
Mnは、脱酸剤として、また高強度、高靱性を得るために有用な元素であり、0.50mass%以上の含有によってその効果が得られる。また、Mnの増加と共にパルス溶接におけるスパッタ量は僅かに減少する傾向を持つ。しかしながら、2.5 mass%を超えて多量に含有するとスラグの剥離性が悪化し、溶接金属の靱性が低下するので、Mn量の上限は 2.5mass%とした。
【0019】
S:0.030 mass%以下
Sは、溶融金属の粘性を低下させ、ワイヤ先端に懸垂した溶滴の離脱を助ける働きがある。しかしながら、0.030 mass%を超えて添加すると、パルス溶接時の溶滴および溶融プールの挙動が不安定となり、小粒のスパッタが増すだけでなく、溶接金属の靱性が低下する。従って、S量は 0.030mass%以下に制限した。
【0020】
Ca:0.0015mass%以下
Caは、アークを緊縮させ溶滴移行のスプレー化を阻害する作用があるが、含有量が0.0015mass%を超えると、パルス溶接時の溶滴および溶融プールの挙動が不安定となって、大粒のスパッタが増大する。従って、Ca量は0.0015mass%以下に制限した。
【0021】
Ti+Al:0.11〜0.15mass%または0.07〜0.15mass%
TiおよびAlは、脱酸剤として、また溶接金属の強度および耐候性を確保する上で有用な元素である。さらに、溶滴の移行に関しては、溶滴の粘性を上げ不安定な挙動を抑える働きがある。しかしながら、図2,3に示すように、後述するKを含有しない場合に、含有量が0.11mass%未満では、この溶滴の挙動を安定化する効果がなく、小粒のスパッタが増大し、一方0.15mass%を超えて添加すると、パルス付与の目的である溶滴の振動が抑制されるので、この場合における(Ti+Al)量は0.11〜0.15mass%の範囲に制限した。
他方、Kを1〜30ppm の範囲で含有する場合には、Kのアーク安定化効果によって、溶滴の不安定な挙動が押さえられるので、同じく図2,3に示すように、(Ti+Al)量は0.07mass%以上で小粒のスパッタの発生を抑制でき、Kを含まない場合の(Ti+Al):0.11mass%以上と同等の効果がある。従って、Kを1〜30 ppmの範囲で含有する場合における(Ti+Al)量は0.07〜0.15mass%の範囲とした。
【0022】
K:0.0001〜0.0030wtmass%
Kは、微量でスパッタを激減させる効果がある。特にパルス CO2溶接時の溶滴および溶融プールの挙動の安定化に効果がある。しかしながら、含有量が0.0001mass%未満ではスパッタの低減効果に乏しく、一方0.0030mass%を超えるとアーク長が長くなり、ワイヤ先端に懸垂した溶滴が不安定となってビード近傍への大粒のスパッタを増大する。従って、K量は0.0001〜0.0030mass%の範囲で含有させるものとした。
なお、Kは沸点が約 760℃と低く溶鋼段階での歩留りが著しく低いため、Kをワイヤ中に存在させることは極めて困難であるが、後述する製造工程中の熱拡散を利用することによって有利に付与することができる。
【0023】
以上、基本成分について説明したが、この発明ではその他にも以下の元素を必要に応じて適宜添加することができる。
Cr:0.60mass%以下、Ni:3.0 mass%以下、Cu:3.0 mass%以下、Mo:0.50mass%以下、B:0.005 mass%以下
Cr, Ni, Cu, MoおよびBはいずれも、溶接金属の強度および耐侯性の向上に有用な元素であり、必要に応じて適宜添加することができる。
しかしながら、過剰な添加はむしろ靱性の低下を招くので、単独添加または複合添加いずれの場合にも上記の範囲で含有させるものとした。
【0024】
Nb, ZrおよびVのうちから選んだ少なくとも1種:0.25mass%以下
Nb, ZrおよびVにいずれも、溶接金属の強度確保、耐侯性の確保を目的として必要に応じて添加することができる。しかしながら、過剰な添加は靱性の低下を招くので、これらは合計量で0.25mass%以下の範囲で含有させるものとした。
【0025】
その他、不可避的不純物については次のとおりである。
Oは、製鋼および製造工程中の内部酸化によってワイヤ中に不可避的に混入する元素であるが、過剰な添加は溶接金属の靱性を低下させるので、0.0025mass%以下に抑制することが好ましい。
また、PやNも不可避混入不純物であり、過剰の混入は溶接金属の靱性低下を招くので、これらの元素は極力低減することが好ましい。
【0026】
さて、上記の好適成分組成に調整した溶鋼は、好ましくは連続鋳造によりビレットとし、その後熱間圧延により鋼素線とする。
ついで、乾式による冷間伸線、焼鈍後、酸洗、銅めっきおよび伸線加工を施して製品とする。この発明では、上記の伸線工程中の焼鈍を利用して、ワイヤ表層に内部酸化層を形成すると共に、この内部酸化層中にKを保持させることが、Kの添加方法としては最も安定である。
というのは、前述したとおり、Kは沸点が約760 ℃と低く溶鋼段階での歩留りが著しく低いため、Kをワイヤ中に存在させることは極めて難しいのではあるが、伸線工程中の熱拡散を利用すれば、効果的にKを添加することができるからである。
なお、他の、表面塗布あるいはめっきによって保持させる方法では、めっきの変色等による問題が発生し易く、また熱的に不安定であるため、Kによる低スパッタ化の効果も小さい。
【0027】
また、ワイヤ送給性や給電の安定性、アーク安定性、溶接作業性等に影響を及ぼす要因としては、上記したもの以外に、銅めっき厚、ワイヤ表面に付着している銅粉等不純物、ワイヤ金属表面と銅めっき層との間に介在する伸線潤滑剤残留物(Ca, Na)、ワイヤの比表面積およびワイヤの偏芯度等が考えられる。
ここに、比表面積は、例えばSEM画像処理によりワイヤ表面の微小な凹凸(高さ方向の変動)を含めて測定した実表面積と前記凹凸がないものとして幾何学的関係(例えばワイヤ断面外周長さ×ワイヤ長手方向長さ)にて導出した理論表面積の比であり、また、ワイヤの偏芯度は、ワイヤ直径の最大値dmax 、最小値dmin 、10点平均値dave から、(dmax −dmin )/dave で算出する。
【0028】
これら要因については、銅めっき厚は 1.5μm 以下、銅粉等不純物はワイヤ10kg当たり 0.2g以下、伸線潤滑剤残留物(Ca、Na)は5ppm 以下、ワイヤの比表面積は1.02以下、ワイヤの偏芯度は 0.008以下とすることが好ましい。
【0029】
【実施例】
実施例1
連続鋳造製鋼素材(ビレット)を、熱間圧延して5.5 mmφの素線としたのち、炭酸カルシウムとCaOを主成分とする伸線潤滑剤を用いた冷間伸線によって線径を 2.8mmφとし、ついで2〜30%のクエン酸3カリウム水溶液を塗布してから、露点:−2℃以下、酸素:200ppm以下、二酸化炭素:0.1 %以下のN2雰囲気中で 750〜950 ℃に加熱した。この時のカリウム塩濃度、加熱温度および加熱時間の調整により、ワイヤの内部酸化による酸素量とカリウム量を調整した。
ついで、鋼素線を、35℃の10%HCl水溶液中に30秒間侵漬後、水洗、Cuめっき、冷間伸線によって1.2 mmφとし、表面にワイヤ10kg当たり 0.4〜1.7 gの潤滑油を塗布したワイヤを溶接試験に供した。
ワイヤの引張り強さは 750〜950 MPa 、Cuめっき厚は 0.4〜0.65μm 、ワイヤ表面に付着した銅粉等の不純物はワイヤ10kg当たり 0.1g以下、伸線潤滑剤の残留物はCa:2ppm 以下、Na:2ppm 以下、そして非表面積は1.01以下、偏芯度は0.005 以下であった。
表1,2に、試作した鋼ワイヤの成分組成を示す。なお、組成中のCuはめっきを含んだ値である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表1,2に示した鋼ワイヤを用いて、ビードオン溶接を行い、その際のスパッタ発生量について調査した。
溶接条件は、次のとおりである。
100%CO2 を毎分:25 Lシールドガスとして流し、パルス電源により、溶接電流:360 A、電圧:39V、溶接速度:60 cm/min の条件で、板厚:22mmの鋼板に対してビードオン溶接を行った。
この時のパルス条件は、1溶滴移行当たりのパルス数:2.5〜3.5、ピーク電流:430 A、ベース電流:150 Aとし、またベース期間は1.6 msとした。
これらの溶接条件をまとめて表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
なお、この例では、スパッタ発生量の目標値は 1.0 g/min以下に設定した。そして、特に 0.8 g/min以下を良(○)、0.80 g/min超え 1.0 g/min以下を可(△)、1.0 g/min 超えを不可(×)とした。
得られた調査結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
同表に示したとおり、鋼ワイヤとして、成分組成がこの発明の適正範囲を満足するものを用いた場合には、スパッタの発生量を格段に低減することができた。特に、Kを1〜30ppm 含有させ、かつTi+Al量を0.11〜0.15mass%に制限した場合には極めて優れた低スパッタ化が達成されている。
これに対し、成分組成がこの発明の適正範囲を外れた比較例(No.32〜37)を用いた場合には、スパッタ発生量が 1.0 g/minを超えて多量に発生した。
【0042】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、パルス CO2溶接において、アーク安定性を向上させるだけでなく、スパッタ発生量を格段に低減することができ、その結果、高品質の溶接が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パルスの出力状態を示す図である。
【図2】 ワイヤ中の(Al+Ti)量とスパッタ発生量との関係を示すグラフである。
【図3】 ワイヤ中の(Al+Ti)量とスパッタ発生量との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 1溶滴移行当たり2〜5のパルスを付与するパルス CO2溶接方法において、
C:0.15mass%以下、
Si:0.30〜2.0 mass%、
Mn:0.50〜2.5 mass%
を含み、かつ
S:0.030 mass%以下、
Ca:0.0015mass%以下、
Ti+Al:0.11〜0.15mass%
に制限し、残部はFe および不可避的不純物の組成になる溶接用鋼ワイヤを用い、さらにパルスピークの終了から次のパルスピークの始まりまでの時間が 1.5 〜 3.0 ms で、かつピーク電流が(平均電流+ 30 〜 100) A、ベース電流が 150 A以下の条件で溶接を行うことを特徴とする、パルス CO2溶接方法。 - 請求項1において、鋼ワイヤとして、
C:0.15mass%以下、
Si:0.30〜2.0 mass%、
Mn:0.50〜2.5 mass%、
K:0.0001〜0.0030mass%
を含み、かつ
S:0.030 mass%以下、
Ca:0.0015mass%以下、
Ti+Al:0.07〜0.15mass%
に制限し、残部はFe および不可避的不純物の組成になる鋼ワイヤを用いることを特徴とする、パルス CO2溶接方法。 - 請求項1または2において、鋼ワイヤが、さらに
Cr:0.60mass%以下、
Ni:3.0 mass%以下、
Cu:3.0 mass%以下、
Mo:0.50mass%以下、
B:0.005 mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成になることを特徴とする、パルス CO2溶接方法。 - 請求項1,2または3において、鋼ワイヤが、さらに
Nb, ZrおよびVのうちから選んだ少なくとも1種:0.25mass%以下
を含有する組成になることを特徴とする、パルス CO2溶接方法。
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