JP4224666B2 - 燃料噴射ノズルおよびその加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射ノズルおよびその加工方法に関し、特に内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)用燃料噴射弁の燃料噴射ノズルおよびその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノズルボディにバルブニードルを往復移動可能に収容し、バルブニードルの当接部がノズルボディに形成した弁座部に着座ならびに弁座部から離座することにより、噴孔から噴射する燃料を断続するエンジン用燃料噴射弁の燃料噴射ノズルが知られている。
【0003】
このような燃料噴射ノズルにおいては、燃料消費量の低減、排気エミッションの向上、エンジンの安定した運転性等の観点から、噴孔から噴射される「燃料の微粒化」が重要な要素であり、特に筒内直接噴射式エンジン用燃料噴射弁の燃料噴射ノズルの場合、「燃料の微粒化」は最も重要な要素の一つである。筒内直接噴射式エンジン用燃料噴射弁の燃料噴射ノズルとして、例えば▲1▼特開平8−247000号公報に開示されるように、噴射通路の燃料入口側の端部が内壁に対して丸みを有しており、丸み上側の圧力室に近い方の入口範囲に大きな半径を形成し、下側の圧力室から遠い方の入口範囲に比較的小さな半径を形成した燃料噴射ノズルが知られている。また、▲2▼特開平11−324866号公報に開示されるように、ノズルニードルあるいはノズルボディに旋回流を生成するスワール室を形成した燃料噴射ノズルが知られている。
【0004】
▲1▼特開平8−247000号公報に開示される燃料噴射ノズルにおいては、噴孔内の燃料の流れを噴孔軸に平行な均一な流れとして噴霧貫通力を増加させている。また、▲2▼特開平11−324866号公報に開示される燃料噴射ノズルにおいては、ノズルニードルのリフト量に応じて噴孔入口に供給される旋回流強さを変化させることにより、噴孔から噴出する噴霧角を可変にし、噴霧特性の制御をするようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼特開平8−247000号公報に開示される燃料噴射ノズルでは、具体的な加工技術が開示されておらず、噴孔入口の縁部を上側と下側とで異なる半径に丸める方法が不明であり、さらに、エンジンの運転条件によらず一定の噴霧と流量になるという問題があった。
また、▲2▼特開平11−324866号公報に開示される燃料噴射ノズルでは、ノズルニードルあるいはノズルボディに旋回流を生成するスワール室を形成しているので、旋回流形成部が複雑で、部品点数が増加し製造コストが上昇するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、エンジンの運転状態に応じた噴霧を供給し、NOx、黒煙、HCを低減し燃費、出力を向上させる燃料噴射ノズルを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、部品点数を増加することなく簡単な構成で、燃料微粒化の促進をし、噴霧特性の制御を行うことが可能な燃料噴射ノズルを提供することにある。
本発明の他の目的は、噴孔内に燃料が流入し易い形状に噴孔入口部を形成することが容易な燃料噴射ノズルの加工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の燃料噴射ノズルによると、噴孔の入口部の開口形状は、所定の方向から噴孔へ燃料を流し易い、噴孔の軸方向に対して非対称な形状であり、上記所定の方向は、燃料流れの方向と異なっているよう形成されている。このため、噴孔入口部の燃料の流れ易い側からの燃料の流量を噴孔入口部の燃料の流れ難い側からの燃料の流量よりも大きくすることができ、噴孔内に燃料流れの旋回流を生成することが可能となる。旋回流は、噴孔出口において噴孔径の接線方向に運動量をもつことから噴霧角を大きくすることができる。これにより、部品点数を増加することなく簡単な構成で、燃料微粒化の促進を図ることができる。したがって、NOx、黒煙、HCを低減し燃費、出力を向上させることができる。
さらに、バルブニードルに旋回流を生成するための摺動部を設ける必要がないので、バルブニードルの焼き付きを防止することができ、燃料噴射ノズルの耐久性が向上する。
また、バルブニードルと噴孔の入口部との距離は、バルブニードルのリフト量に応じて変化する第1の領域と、バルブニードルのリフト量に関係なく変化しない第2の領域とを有しているので、第1の領域において、バルブニードルのリフトに応じてバルブニードルと噴孔の入口部との距離が変化し、ノズルボディの内周を流れる燃料流れの成分が調整され、ノズルボディのシート面に沿った燃料流れの成分と、噴孔の軸上からの燃料流れの成分との比が調整される。そして、バルブニードルのリフトに応じて燃料の噴霧角が調整される。また、第2の領域において、燃料の噴霧角が所定の値に保持される。したがって、エンジンの負荷状態に応じて、所望の噴霧角および噴霧の到達距離を得ることができ、部品点数を増加することなく簡単な構成で、燃料微粒化の促進をし、噴霧特性の制御を行うことができる。以上のことより、燃料消費量を低減し、排気エミッションを向上させ、エンジンの安定した運転性を得ることができる。
さらに、第1の領域と第2の領域とを任意に設定することにより、噴射初期から噴射後期まで、噴霧角を任意に選択することができる。したがって、様々な型のエンジン用の燃料噴射弁に簡便に対応することができる。
【0008】
本発明の請求項2記載の燃料噴射ノズルによると、噴孔入口部の開口形状は、噴孔の軸に対して偏心した円または楕円形状に形成されているので、簡単な構成で容易に噴孔内に燃料流れの旋回流を生成することができる。
本発明の請求項3記載の燃料噴射ノズルによると、噴孔入口部の開口形状は、弁座部の母線に対して非対称形状に形成されているので、簡単な構成で容易に噴孔内に燃料流れの旋回流を生成することができる。
本発明の請求項4記載の燃料噴射ノズルによると、噴孔入口部は、燃料の流れ易い側の内壁が燃料の流れ難い側の内壁よりも大きい半径で形成されているので、簡単な構成で容易に噴孔内に燃料流れの旋回流を生成することができる。
【0010】
本発明の請求項5記載の燃料噴射ノズルによると、バルブニードルと噴孔の入口部との距離は、噴孔内の燃料流れに旋回流が生成するときに予め設定された所定値に保持されるので、バルブニードルと噴孔の入口部との距離が上記所定値にあるとき、噴孔内に燃料流れの旋回流を生成することにより、エンジンの中低速、中低負荷時において、燃料と空気の混合を微粒化した噴霧で可燃混合気を成層化した最適な状態を形成し、燃料消費率、排気エミッション、騒音を改善することができる。
【0011】
本発明の請求項6記載の燃料噴射ノズルによると、バルブニードルと噴孔の入口部との距離は、バルブニードルの最大リフト時において、噴孔内の燃料流れに旋回流が生成されない程度に大きく形成されているので、バルブニードルの最大リフト時に噴孔内の燃料流れに旋回流を生成せず、噴霧角を小さくすることができる。したがって、エンジンの高負荷運転時に噴霧の到達距離が拡大し、高拡散噴霧が形成されて出力を向上することができる。
【0012】
本発明の請求項7記載の燃料噴射ノズルの加工方法によると、請求項1〜6のいずれか一項記載の燃料噴射ノズルを加工する方法であって、流体研削用の流体流れに旋回流を生成する旋回流形成部を備え、ノズルボディに嵌挿可能な加工用ニードルを用いて噴孔の入口部内壁を加工する。このため、流体研削用の流体を旋回流形成部の上流から供給し、流体流れに周方向成分を与えて旋回流を生成して噴孔から流出させることにより、噴孔入口部の旋回流上流側内壁が下流側内壁よりも多量に研削される。したがって、噴孔入口部の形状を噴孔内に燃料が所定の方向から流入し易い非対称形状に容易に形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
ディーゼルエンジン用燃料噴射弁のノズル部に本発明の燃料噴射ノズルを適用した第1実施例を図1〜図13に示す。
【0014】
図2に示す燃料噴射弁100は、図示しないディーゼルエンジンの燃焼室内へ段階的に燃料を噴射する燃料噴射弁であって、エンジンの回転数、負荷、あるいは燃料、吸入空気、冷却水の温度、圧力等の入力にしたがいECUにより演算されコントロールされた高圧ポンプからの高圧燃料によって駆動される。燃料噴射弁100には、ニードルリフトを制御する第1の付勢手段としての第1ばね115および第2の付勢手段としての第2ばね116、アーマチャ室134、ならびに噴霧角の変化あるいは開口噴孔を変更可能な燃料噴射ノズルとしてのノズル部1が構成されている。
【0015】
燃料噴射弁100は、ノズル部1をホルダ111にリテーニングナット114で締結した構成になっている。ノズル部1のノズルボディ3の内径部34には、ニードル2が摺動自在に嵌挿されている。バルブニードルとしてのニードル2は、第1ばね115によってピストン120を介してノズルボディ3の弁座部としてのシート面32に押接されている。第1ばね115は、磁気駆動部130のコア133の内部に設けられたばね室115aに嵌挿されている。図1および図2に示すように、ニードル2がシート面32に着座しているとき、ニードル2の肩部25はノズルボディ3の上端面より距離h1だけ、すなわちニードル2の第1リフト量h1の分だけ凹んでいる。
【0016】
また、ホルダ111には磁気駆動部130がナット112で締結されている。磁気駆動部130は、第1ばね115、ピストン120、コイル131、アーマチャ132、コア133、ボディ135、および、燃料通路137を有するプレート136で構成される。ピストン120は、ホルダ111の内径部113に摺動自在に嵌挿され、上部にアーマチャ132が設けられている。ピストン120は、肩部125がプレート136に当接することにより最大リフト量を(h1+h2)に保つように規定されている。したがって、ニードル2が上方にリフト可能な最大リフトは(h1+h2)となる。コイル131はコア133に巻回され、コイル131に外部からの電流が供給されたとき、すなわちコイル131の通電時にコア133とアーマチャ132とボディ135とで磁気回路を形成する。また、図2に示すように、コイル131の非通電時にアーマチャ132は、ニードル2の最大リフト量(h1+h2)に最終空隙を加えた距離を保ってコア133に対面している。なお、プレート136に形成される燃料通路137は上述のアーマチャ室134に開口している。
【0017】
図3に示すように、ピストン120とニードル2は、ニードルの球形部149がピストン120の球面部126と円錐部127に保持され、球形部149の球心を中心として相互に回転可能に連結されている。図2に示すように、第2ばね116は、ホルダ111の内径部に設けられたばね室116aに嵌挿され、ばね座4をノズルボディ3に押接している。第2ばね116は、ニードル2が第1リフト量h1だけリフトしたときにニードル2の肩部25に作用する。
【0018】
ホルダ111の内径部113とピストン120との間の高圧流路163は、燃料コネクタ160内に設けられるフィルタ161および高圧通路162を経由して高圧燃料を蓄圧している図示しないコモンレールに連通している。燃料通路163は、ピストン120の多面カット部117および燃料通路137を経由してアーマチャ室134に連通するとともに、ばね室116a、ニードル2のガイド部23に形成された多面カット部24を経由して油溜まり室35、ならびにニードル2とノズルボディ3の内径部33との間の燃料通路36を経由してニードル2のシート21まで連通している。したがって、図示しない高圧ポンプより供給される高圧燃料は、コモンレール、高圧流路163および燃料通路36を経由して噴孔31へ供給されるとともに、燃料通路137を経由してアーマチャ室134へ供給される。
【0019】
次に、ノズル部1についてその構成を、図4〜図8を用いて説明する。なお、図4は、ニードル2の当接部としてのシート21がノズルボディ3のシート面31に着座している閉弁時の状態を示し、図5は、ニードル2がノズルボディ3のシート面31から離座した開弁初期の状態を示し、図6は、ニードル2が第1リフト量h1だけリフトした状態を示している。
【0020】
図4、図5および図6に示すノズル部1は、ノズルボディ3と、このノズルボディ2の内部に軸方向に往復摺動可能に収容されるニードル2とから構成される。ニードル2は、ノズルボディ3のシート面32に当接可能な円形状のシート21と、このシート21の下流側に形成される円錐部25、円柱部26および円錐部27とを有している。ニードル2のシート21は、図2に示す第1ばね115によって閉弁されノズルボディ3のシート面32に当接し、噴射圧力により第1ばね115に抗して押し上げられ開弁する。円錐部25および円錐部27の壁面は、ノズルボディ3のシート面32よりも大きな円錐角を有し、流路を構成している。図5および図6に示すように、ニードル2のリフトにしたがい、噴孔31に対向する面が円錐部25の壁面、円柱部26の壁面、円錐部27の壁面へと移動する。
【0021】
ノズルボディ3のシート面32の下流側に形成される噴孔31の入口部31aは、ノズルボディ3の軸に対して傾斜した所定の方向から噴孔31内に燃料が流れ易い非対称形状に形成されており、シート面32の母線に対して非対称な形状である。すなわち、図7および図8に示すように、噴孔31の入口部31aの開口形状は、噴孔31の軸方向に対して非対称形状であり、上記所定の方向は、燃料流れの方向と異なっているよう形成されている。また、噴孔31の入口部31aの開口形状は、噴孔31の軸に対して偏心した楕円形状に形成されており、燃料の流れ易い上流側内壁31bが燃料の流れ難い下流側内壁31cよりも大きい半径で形成されている。これにより、入口部31aの燃料の流れ易い側からの燃料の流量を燃料の流れ難い側からの燃料の流量よりも大きくすることができ、噴孔31内を通過する燃料に周方向の旋回力を加えることが可能である。ここで、入口部31aの上流側内壁31bおよび下流側内壁31cは燃料流路を構成している。
【0022】
次に、ノズル部1の加工方法について、図9、図10および図11を用いて説明する。なお、図9は、加工用ニードル10の旋回流形成部11がノズルボディ3の内径部33に嵌挿されている状態を示している。
図9に示すように、加工用ニードル10は旋回流形成部11を備えており、この旋回流形成部11には斜め溝12が形成されている。旋回流形成部11の下流側には、ノズルボディ3のシート面32と円錐部13の壁面との間に旋回室14が形成されている。加工用ニードル10のシート部15は、ノズルボディ3のシート面32に噴孔31よりも下流側で当接する。砥粒が混入された研削流体を旋回流形成部11の上流側から供給すると、研削流体は斜め溝12で周方向速度成分が与えられ、旋回室14で旋回流となり噴孔31に向かって流れていく。図10に示すように、噴孔31の入口部31aには、ノズルボディ3の軸に対して傾斜した角度で砥粒が流れ込み、旋回流流入側である入口部31aの上流側内壁31bから噴孔31内に下流側内壁31からよりも多量に流入する。その結果、図11に示すように、入口部31aの上流側内壁31bが下流側内壁31よりも多く研削され、上流側内壁31bの半径が下流側内壁31の半径よりも大きくなり、噴孔31内に燃料が流入し易い非対称形状に入口部31aが形成される。
【0023】
次に、燃料噴射弁100の作動について、図12および図13を用いて説明する。なお、図12および図13に点線で示す比較例は、図5および図6の点線で示すように、第1実施例のニードル2の円柱部26および円錐部27を廃止したものである。
【0024】
(1) 高圧ポンプからコモンレールを経由して所定量の燃料が所定の時期に圧送され、高圧燃料が燃料配管を経由して燃料コネクタ160に供給される。この高圧燃料は、高圧通路162および高圧流路163を経由してノズル部1内に供給され、多面カット部24および燃料通路36を経由してニードル2のシート21まで充填される。このとき、シート21の面積分に燃料圧力が作用し、ニードル2にシート21でノズルボディ3のシート面32に押接する力が働く。さらに、第1ばね115の設定荷重が加わり、ニードル2は図2の下方に押し下げられている。
【0025】
(2) 図示しない、ECUにより磁気駆動部130のコイル131に第1の電流値で通電されると、ニードル2にシート21に負荷される油圧力と第1ばね115の設定荷重に打ち勝つような吸引力がコア133とアーマチャ132との間の磁気回路に発生する。これにより、アーマチャ132がピストン120およびニードル2と一体に上昇し、シート21がノズルボディ3のシート面32から離座して燃料を噴孔31へ供給する。このときの第1の電流値では、第2ばね116にニードル2の肩部25が当接したときに作用する第2のばね116の設定荷重に打ち勝ってアーマチャ132を吸引するだけの磁力が発生しないため、ニードル2は第1リフトh1で停止する。図5および図6に示すように、ニードル2の上昇にしたがい噴孔31の入口部31aと対向するニードル2の壁面が移動し、第1リフトh1において、噴孔31の入口部31aは円柱部26の壁面に対向する。円錐部25および27の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離L1およびL3はニードル2のリフトにしたがい変化する(第1の領域)。ところが、円柱部26の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離L2はニードル2のリフトによって変化しない(第2の領域)。この距離L2は噴孔31に流れ込む燃料がノズルボディ3のシート面32に沿った流れが主流となるように小さい値に設定されている。ここで、図5は図12および図13に示すニードルリフトが(0−a)の間の状態を示し、図6は図12および図13に示すニードルリフトがh1の状態を示している。ニードルリフトがh1のとき、図7に示すように、燃料はノズルボディ3の軸方向と平行に上流から直線的に噴孔31内に流れ込む。このとき、噴孔31の入口部31aは、上流側内壁31bが下流側内壁31cよりも大きい半径で形成されており、入口部31aの開口形状は、噴孔31の軸に対して偏心した楕円形状に形成されているので、入口部31aの燃料の流れ易い側からの燃料の流量が燃料の流れ難い側からの燃料の流量よりも大きくなり、噴孔31内を通過する燃料に旋回流が発生する。この旋回流は噴孔31内の流れの速度係数を低下させ、結果として図12に示すように、流量係数を小さく保持する。しかし、旋回流は噴孔31の出口において噴孔径の接線方向に運動量をもつことから、図8および図13に示すように、噴霧角θは大きくなる。このように、ニードル2の第1リフトh1時には、噴射率が低く、噴霧角θが大きい噴射噴霧特性が得られる。したがって、第1リフトh1は、エンジンの中低速、中低負荷時に使用され、燃料と空気の混合を微粒化した噴霧で可燃混合気を成層化した最適な状態を形成し、燃料消費率、排気エミッション、騒音を改善する。これに比べて図12および図13の点線で示す比較例では、ニードルリフトがh1のとき、ニードルの壁面と噴孔入口部との距離がh1によって大きく変動するために所定値に保持することができないので、エンジンの中低速、中低負荷時において噴霧特性を制御することが困難である。
【0026】
(3) 磁気駆動部130のコイル131に第2の電流値が流れるように高電圧が印加されると、コア133がアーマチャ132を吸引する力が第2ばね116の設定荷重に打ち勝ち、ニードル2をさらに引き上げ、120の肩部125がプレート136に当接するまでニードル2が上昇し、最大リフト量(h1+h2)となる。図12および図13に示すように、ニードルリフトはh1からb、c、(h1+h2)と変化する。第2リフト(h1+h2)では、噴孔31の入口部31aはニードル2の円錐部27の壁面と対向し、噴孔31の入口部31aと円錐部27の壁面との距離は、円柱部26との距離L2よりも小さい最小距離L3となる。ニードルリフトが(h1+h2)のときの距離L3は、噴孔31の入口部31aの上流に充分な距離を形成し、噴孔31内に流れ込む燃料は、ノズルボディ3のシート面32に沿った流れよりも噴孔31の軸上からの流れが主流となる。この結果、噴孔31内には噴孔壁面に沿った旋回流が低減して軸方向流が主となり、噴霧角が小さくなるとともに流量係数が増加して噴射率が高くなる。したがって、噴霧の到達距離が拡大して高拡散噴霧が形成され、高負荷運転での燃焼を改善、出力を向上する。
【0027】
(4) コイル131への通電が停止されると、磁力が消滅してコア133がアーマチャ132を吸引継続することができず、ピストン120は第1および第2ばね115および116の付勢力により下方に移動し、ニードル2のシート21がノズルボディ3のシート面32に着座して燃料噴射を終了する。
【0028】
以上説明した本発明の第1実施例においては、バルブリフトを第1リフトh1および第2リフト(h1+h2)の2段階に制御できる燃料噴射弁100において、噴孔31の入口部31aは、ノズルボディ3の軸に対して傾斜した所定の方向から噴孔31内に燃料が流れ易い非対称形状に形成されており、シート面32の母線に対して非対称な形状であって、噴孔31の入口部31aの開口形状は、噴孔31の軸方向に対して非対称形状であり、上記所定の方向は、燃料流れの方向と異なっているよう形成されている。また、噴孔31の入口部31aの開口形状は、噴孔31の軸に対して偏心した楕円形状に形成されており、燃料の流れ易い上流側内壁31bが燃料の流れ難い下流側内壁31cよりも大きい半径で形成されている。このため、噴孔31の上流側入口からの燃料の流量を下流側入口からの燃料の流量よりも大きくすることができ、噴孔31内に燃料流れの旋回流を生成することが可能となる。旋回流は、噴孔31の出口において噴孔径の接線方向に運動量をもつことから噴霧角θを大きくすることができるため、部品点数を増加することなく簡単な構成で、燃料微粒化の促進を図ることができる。したがって、NOx、黒煙、HCを低減し燃費、出力を向上させることができる。また、ニードル2に旋回流を生成するための摺動部を設ける必要がないので、ニードル2の焼き付きを防止することができ、ノズル部1の耐久性が向上する。さらに、ノズルボディ3の先端に設けられるサック部を閉弁時にニードル2が閉塞することにより、噴射終了後の燃料後だれによるデポジットの発生を防止することができる。
【0029】
また、第1実施例においては、ニードル2の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離が、ニードル2のリフト量に応じて変化する第1の領域と、ニードル2のリフト量に関係なく変化しない第2の領域とを有しているので、第1の領域において、ニードル2のリフトに応じてニードル2の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離が変化し、ノズルボディ3の内周を流れる燃料流れの成分が調整され、ノズルボディ3のシート面32に沿った燃料流れの成分と、噴孔31の軸上からの燃料流れの成分との比が調整される。そして、バルブニードルのリフトに応じて燃料の噴霧角が調整される。また、第2の領域において、燃料の噴霧角が所定の値に保持される。したがって、エンジンの負荷状態に応じて、所望の噴霧角および噴霧の到達距離を得ることができ、部品点数を増加することなく簡単な構成で、燃料微粒化の促進をし、噴霧特性の制御を行うことができる。以上のことより、燃料消費量を低減し、排気エミッションを向上させ、エンジンの安定した運転性を得ることができる。さらに、第1の領域と第2の領域とを任意に設定することにより、噴射初期から噴射後期まで、噴霧角を任意に選択することができる。したがって、様々な型のエンジン用の燃料噴射弁に簡便に対応することができる。
【0030】
さらに、第1実施例においては、ニードル2の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離は、噴孔31内の燃料流れに旋回流が生成するニードルリフト量h1のときに予め設定された所定値L2に保持されるので、ニードル2の円柱部26の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離がL2であるニードルリフト量h1のとき、噴孔31内に燃料流れの旋回流を生成することにより、エンジンの中低速、中低負荷時において、燃料と空気の混合を微粒化した噴霧で可燃混合気を成層化した最適な状態を形成し、燃料消費率、排気エミッション、騒音を改善することができる。
【0031】
さらにまた、第1実施例においては、ニードル2の壁面と噴孔31の入口部31aとの距離は、最大ニードルリフト(h1+h2)時において、噴孔31内の燃料流れに旋回流が生成されない程度に大きく形成されているので、最大ニードルリフト(h1+h2)時に噴孔31内の燃料流れに旋回流を生成せず、噴霧角を小さくすることができる。したがって、エンジンの高負荷運転時に噴霧の到達距離が拡大し、高拡散噴霧が形成されて出力を向上することができる。
【0032】
さらにまた、第1実施例においては、研削流体の流れに旋回流を生成する旋回流形成部11を備え、ノズルボディ3に嵌挿可能な加工用ニードル10を用いて噴孔31の入口部31aの内壁を加工するため、研削流体を旋回流形成部11の上流から供給し、流体流れに周方向成分を与えて旋回流を生成して噴孔31から流出させることにより、噴孔31の入口部31aの上流側内壁31bが下流側内壁31cよりも多量に研削される。したがって、噴孔31内に燃料が流入し易い非対称形状に入口部31aを容易に形成することができる。
【0033】
なお、第1実施例においては、燃料に旋回流を生成するスワール室を形成したニードルと組み合わせることで、さらに大きい効果を得ることができる。その場合、噴孔入口部の開口形状は、旋回流の流れ方向と異なる所定の方向から噴孔へ燃料を流し易い非対称形状とすることによりさらに効果的となる。
上記第1実施例では、バルブリフトを第1リフトh1および第2リフト(h1+h2)の2段階に制御する燃料噴射弁100のノズル部1に本発明の燃料噴射ノズルを適用したが、本発明では、バルブリフトを第1リフトおよび第2リフトのいずれか一方のみに制御する燃料噴射弁のノズル部に適用可能なことはいうまでもない。
【0034】
また、第1実施例では、ノズルボディ3のシート面32の下流側円錐面に噴孔31の入口部31aを形成したが、本発明では、ノズルボディ先端のサック部の内壁面に噴孔の入口部を形成してもよい。
さらにまた、第1実施例では、ディーゼルエンジン用の燃料噴射弁100のノズル部1に本発明の燃料噴射ノズルを適用したが、ガソリンエンジン用の燃料噴射弁のノズル部に本発明を適用してもよい。
【0035】
(第2実施例)
第2実施例によるノズル部の加工方法について、図14を用いて説明する。図9に示す第1実施例のノズル部1の加工方法と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。なお、図14は、加工用ニードル50の旋回流形成部51がノズルボディ3の内径部33に嵌挿されている状態を示している。
【0036】
図14に示すように、加工用ニードル50は旋回流形成部51を備えており、この旋回流形成部51の内径部51aの底面には外壁に連通する複数の流出孔52が形成されている。旋回流形成部51の下流側には、ノズルボディ3のシート面32と円錐部53の壁面との間に旋回室54が形成されている。加工用ニードル50のシート部55は、ノズルボディ3のシート面32に噴孔31よりも下流側で当接する。砥粒が混入された研削流体を旋回流形成部51の内径部51aに供給すると、研削流体は流出孔52で周方向速度成分が与えられ、旋回室54で旋回流となり噴孔31に向かって流れていく。そして、噴孔31の入口部31aには、ノズルボディ3の軸に対して傾斜した角度で砥粒が流れ込み、第1実施例と同様に噴孔31の入口部31aの上流側内壁が下流側内壁よりも多量に研削され、噴孔31内に燃料が流入し易い非対称形状に入口部31aが形成される。
【0037】
上記第2実施例においては、加工用ニードル50の旋回流形成部51の外壁に砥粒が混入された研削流体が流出しないため、研削加工後の砥粒洗浄をノズルボディ3のシート面32に限定することができ、洗浄工程を簡略にし、加工工数を低減することができる。また、加工用ニードル50の流出孔52の加工が図9に示す第1実施例の加工用ニードル10の斜め溝12の加工よりも容易であるため、旋回流形成部51の内径部51aの加工工数の増加を相殺でき、加工用ニードル50を安価に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルを示す縦断面図である。
【図2】ディーゼルエンジン用の燃料噴射弁のノズル部に本発明の燃料噴射ノズルを適用した第1実施例を示す断面図である。
【図3】図2のIII部分拡大図である。
【図4】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルの主要部を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルの作動を説明するための縦断面図である。
【図6】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルの作動を説明するための縦断面図である。
【図7】図5のVII方向矢視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルの加工方法を説明するための縦断面図である。
【図10】図9のX方向矢視図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルのニードルリフトと噴孔上流流路面積および流量係数との関係を示す特性図である。
【図13】本発明の第1実施例による燃料噴射ノズルのニードルリフトと噴霧角との関係を示す特性図である。
【図14】本発明の第2実施例による燃料噴射ノズルの加工方法を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
1 ノズル部(燃料噴射ノズル)
2 ニードル(バルブニードル)
3 ノズルボディ
10 加工用ニードル
11 旋回流形成部
12 斜め溝
14 旋回室
21 シート(当接部)
31 噴孔
31a 入口部
31b 上流側内壁
31c 下流側内壁
32 シート面(弁座部)
50 加工用ニードル
51 旋回流形成部
52 流出孔
54 旋回室
100 燃料噴射弁
Claims (7)
- 噴孔の上流に弁座部を設けたノズルボディと、
前記ノズルボディに往復摺動可能に支持され、前記弁座部に着座可能な当接部を有し、前記当接部が前記弁座部から離座ならびに前記弁座部に着座することにより燃料の遮断および流通を行うバルブニードルとを備えた燃料噴射ノズルであって、
前記噴孔の入口部の開口形状は、所定の方向から前記噴孔へ燃料を流し易い、前記噴孔の軸方向に対して非対称な形状であり、前記所定の方向は、燃料流れの方向と異なっているよう形成されており、
前記バルブニードルと前記噴孔の入口部との距離は、前記バルブニードルのリフト量に応じて変化する第1の領域と、前記バルブニードルのリフト量に関係なく変化しない第2の領域とを有することを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 前記入口部の開口形状は、前記噴孔の軸に対して偏心した円または楕円形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
- 前記入口部の開口形状は、前記弁座部の母線に対して非対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
- 前記入口部は、燃料の流れ易い側の内壁が燃料の流れ難い側の内壁よりも大きい半径で形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
- 前記バルブニードルと前記噴孔の入口部との距離は、前記噴孔内の燃料流れに旋回流が生成するときに予め設定された所定値に保持されることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
- 前記バルブニードルと前記噴孔の入口部との距離は、前記バルブニードルの最大リフト時において、前記噴孔内の燃料流れに旋回流が生成されない程度に大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ノズル。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の燃料噴射ノズルを加工する方法であって、
流体研削用の流体流れに旋回流を生成する旋回流形成部を備え、前記ノズルボディに嵌挿可能な加工用ニードルを用いて前記噴孔の入口部内壁を加工することを特徴とする燃料噴射ノズルの加工方法。
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