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JP4224646B2 - 紫外線に対する露光による架橋結合/高密度化を使用して多層光材料を製造する方法と当該方法で製造された光材料 - Google Patents

紫外線に対する露光による架橋結合/高密度化を使用して多層光材料を製造する方法と当該方法で製造された光材料 Download PDF

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Description

本発明は基板上に、各層が少なくとも1つの金属酸化物または半金属酸化物を含み、堆積された層が紫外線に対する露光によって高密度架橋形成された、少なくとも2つの層を成す無機ポリマー材料を堆積することによって光材料を製造する方法に関する。
本発明は、また、この方法で製造された光材料に関する。
前記方法で製造された光材料は特に、反射防止材や反射材などの多層材料である。
反射防止材や反射材は、1部が所望の特定の光学的特性を有する複数の層でコーティングされた有機物基板または無機物基板から成っている。
より正確には、干渉誘電ミラーは、1つ以上の所望の波長を反射し、なおかつミラーの製造に従来使用されてきた金属と比較して低い基礎吸光率を示す誘電性の膜でコーティングされた基板を含む。
反射防止材または反射材は多くの応用分野を有する。
例えば、有機物基板または無機物基板、すなわち、反射防止性の膜でコーティングされた特にプラスチック基板またはガラス基板は、視覚関連製品及びビデオ製品または建築物の内外で使用されるガラスパネルなどの建築上の応用物などの領域では特に興味深いものである。
加えて、反射防止材と干渉誘導ミラーもまた、高エネルギレーザー、太陽熱や光発電応用分野さらに集積光の分野で用いられている。
このような反射防止材または干渉誘電ミラーを製造する先行技術は既知である。
また、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリルカーボネートなどのプラスチックが視覚に関する分野で特に利用価値があるのに対して、ガラス基板は、特に一般光学や可視化画面などの画面の分野で利用価値を有する。
空気とガラスの境界に遭遇する毎に反射光の約4%が失われるとすると、ガラスの平均屈折率が1.5であるので、光学系全体における損失は非常に大きなものになることは容易に理解できる。
したがって、光学器機製造業者は長年にわたって、PVD(物理的気相成長法)という専門用語で分類される真空堆積のための物理的方法を用いて、特に反射防止膜などの光学特性を有するコーティングを製造しようとしてきた。
このような方法では、単純なまたは反応性のスプレー動作、支援性または無支援性の電子またはイオン加熱による単純なまたは反応性の蒸着などの処理が行われる。
堆積物の光学的、化学的及び機械的品質が優れたものではあるが、このような技法には、高価で重量があって複雑な装置が必要であり、その方法はかなり時間がかかる。これは、処理される部材の表面が広い場合には特に当てはまる。その結果、このような方法は安価な製品の製造には一般的に適さない。
例えば、最新のテレビ用のブラウン管は、現在のところPVD法で製作した反射防止被覆を有する。
これが、穏やかな化学堆積法、特にゾル・ゲル堆積法が、真空堆積という物理的方法に対する興味ある代替方法と考えられている理由である。
ゾル・ゲル堆積法によれば、様々な光学的特性を有する膜を基板上に堆積することが可能である。この方法は、従来の真空堆積法と比較して、いくつかの利点があるが、その中でも特に、堆積工程に非常に高い温度への加熱を必要とすることなく室温と大気圧下で一般的に実行可能であることや、主要な装置のレイアウトが減少することや、方法の実施が容易で迅速であるために柔軟な使用が可能になることなどが挙げられる。
ゾル・ゲル方法を用いて光学特性を有する金属酸化物または非金属酸化物を堆積する方法が広範囲に研究されてきた。ゾル・ゲル方式すなわちゾル・ゲルプロセスは、ポリマープロセスすなわちポリマー方式とコロイドプロセスすなわちコロイド方式との2つのカテゴリに分類することが可能であるように思われる。
各方式は、所望の処理溶液の特性と関連する酸化物のタイプに関する、それぞれ異なった製造方法と動作条件を必要とする。
ポリマー方式では、モノマー、オリゴマーまたは低分子量の前駆物質を良好な分子均質性を有する溶液の形態で用いるが、この前駆物質は次に、基板に付着させてから焼成して酸化物に変換する。この堆積された液体は最終的には、溶媒が基板上でゲルを形成するまで、蒸着するに連れて徐々にその粘性が変化する。このようにして得られた固体の網状組織は、いまだ溶媒で飽和しているが、次にそのシステムを500℃程度にまで加熱することによって酸化物に変換される。基板に強固に固着した高密度で硬質な層が得られる。酸化物へのこの変換は一般に、水分と有機物から成る質量の損失を伴い、このため層の厚さがかなり減少する。このため堆積物内での強い内部の引っ張り応力または圧縮応力が発生し、これが、単一成分または複数成分の厚膜、すなわちその厚さが数ミクロンを越える膜に光沢を与える。
例えばドイツ特許公開公報DE A 736 411号とDE A 937 913号では、様々な干渉膜を製造するために加水化合物を使用することを述べている。これらの方法の主たる欠点は500〜600℃で加熱してポリマー中間物を最終的な高密度セラミックに変換しなければならないことにある。このような高温によって、コーティングされる基板のタイプと産業レベルでの複雑な実現方法の選択枝が制限される。
米国特許第2 466 119号は、チタン及び/又はシリコンのアルコキシドのハロゲン化混合物を加水分解又は凝縮することによって、反射性及び/又は反射防止性の多層膜を製造するプロセスを述べている。当該層の多孔性を、温度を変化させることによって制御している。しかしながら、良好な機械的耐久性を持つ層を得るには、一般的に最高で150℃が熱平衡である通常のプラスチックの耐久温度よりも遥かに高温に加熱する必要がある。
米国特許第2 584 905号は、薄い反射性膜をTiCl4とシリコンのアルコキシドのアルコール溶液から製造する方法を述べている。ここではさらに、酸化物を高密度化するには高温熱処理に頼る必要がある。この方法では、材料の高密度化に関連するグレージングと剥離の問題のため、高度に反射性の多層構造の製造率が減少する。
米国特許第3 460 956号は、アルコール媒体中のテトラアルキルチタン酸塩を加水分解してTiO2中で反射性の膜を製造する方法を述べている。しかしながら、ポリマー膜を高密度の酸化物に効率的に変換するためには、この膜を、あらゆる有機物質にとって有害で不利益をもたらす約500℃前後の高温に加熱する必要がある。
米国特許第2 768 909号と第2 710 267号は、チタンアルコシキドのアルコールゾルからTiO2中の反射性の膜を生産する方法を述べているが、このようなゾルは大気湿度で加水分解する。この方式もまた、凝縮された中間物を高温で焼成する必要があり、得られた層は耐摩耗性がない。
米国特許第4 272 588号は、新規な金属製のミラーの反射率を向上させる可能性と、分子前駆物質から誘導されたTiO2とTa25の誘電層を堆積させることによって後者を化学的に不動態にする可能性に関するものである。
このようなコーティングは約400℃への加熱を必須の条件として得られる。
したがって、高い屈折率(例えば1.9〜2.1)を持つ薄い光学層に一般的に用いられるポリマー材料はチタン酸化物(TiO2)である。しかしながら、機械的な耐摩耗性を持つ層を得るためには、高密度化を、例えばプラスチック物質にとっては考えられない400℃近い高温で実行する必要がある。
米国特許第4 328 260号は、反射防止処理と格子を太陽電池に施すプロセスと組成を述べているが、このプロセスには、マスクを太陽電池の表面に付着させるステップと、金属アルコキシドペースト(Ta、Ti、Nb、Y、Zr、Te)をマスク上に付着させるステップと、太陽電池を300〜550℃の温度に加熱してアルコキシドを分解して金属酸化物を形成するステップと、が含まれる。
残余の表面がニッケルでメッキされて金属格子を形成する。反射防止性コーティングと格子手段を施すという当該文献に記載された問題点は本発明の問題点とは基本的に別物であり、また、金属酸化物を得るための温度も非常に高く、有機基板などの基板とは適合せず、さらに、ペーストを基板上に施すと堆積される厚さを正確に制御できない。
日本国特許出願公開公報、昭和55年010455号は、タンタルアルコキシドと酢酸などの錯化剤の混合物を堆積させて200〜800℃の温度に加熱することによってシリコン基板上に反射防止性コーティングを製造する方法に関する。
しかしながら、前記の方法は、アルコキシド溶液の安定度が非常に低く、高価であり、用いられる温度もあらゆる物質に対して適切というわけではないという欠点を有している。
欧州特許公開EP A 0 533 030号は、金属アルコキシド特にシリコンの水溶液を塗布し、この溶液に紫外線を照射してそれを硬化させることによってブラウン管上に単一層の反射防止性コーティングを形成する方法と装置に関する。
非結晶性固体ジャーナル誌(Journal of Non-Crystalline Solids)の第169号(1994年)の207〜209ページのマエカワらによる論文「光照射を用いたゾル・ゲル方法で製造されたSiO2薄膜の評価」(Evaluation of SiO2 thinfilms prepared by sol-gel method using photo-irradiation)は、水と硝酸とエタノールの混合物中のTEOS溶液(テトラエソキシレン)などのSiO2前駆物質を水晶またはシリカ内の基板上に堆積させるゾル・ゲル法を用いてSiO2中に薄層を製造する方法に関する。
1部の基板を80〜200℃に加熱して次に、184nmと254nmという波長の2つのタイプの紫外線を同時に照射し、次に再加熱する。この文献は、単一層コーティングにしか言及していないが、硬質で密度の高い薄膜を得るには紫外線処理に加えて2回の加熱処理が必要である。
R.E. Van de Leestによる「薄いゾル・ゲル膜の紫外線アニール法」(UV photoannealing of thin sol-gel films)という応用表面化学第86号(1995年)の文書は、紫外線に露光する手段によってTiとSiのアルコキシドの溶液を使用するゾル・ゲル技法を用いて得られた薄いポリマー層を低温(100℃)アニールで高密度化する方法を述べている。
この方法で製造されたコーティングは単一層のみである。
応用光学誌、1989年12月15日発行の第28号、N24の5215ページ以降、T. J. Rehgらによる「シリコンの紫外線反射防止コーティングとしてのゾル・ゲル誘導されたタンタルのペントキシド膜」(Sol gel derived tantalum pentoxide films as ultraviolet antireflective coating for silicon)は、タンタルのペントキシド溶液を堆積して300〜1000℃に加熱することによってシリコン上に反射防止コーティングを製造する方法を述べている。
非結晶性固体ジャーナル誌の第147号、第148号(1992年)の493〜498ページにT.オオイシらによる文書「光照射を用いたゾル・ゲル方法で製造されたタンタル酸化物膜の合成と特性」(Synthesis and properties of Tantalum oxide films prepared by the sol-gel method using photo-irradiation)は、254nmの波長を持つ紫外線を前もって照射したタンタルエソキシド溶液からTa25中の薄い誘電層を製造してこの薄層を室温で184nmの波長の紫外線に露光する方法を述べている。
このような方法の欠点はタンタルアルコキシドを前駆物質として用いることと、薄層が光照射を受ける不安定な溶液から誘導されるという事実に関連している。
ゾル・ゲル堆積の他のプロセスや方式は、小さい粒子、特に酸化物やフッ化物粒子で、結晶化または非晶質であり、すでに溶液中で化学的に形成されていて、光学的に応用されるような数十ナノメートル程度の直径であるのが望ましい粒子の分散性を利用したコロイドプロセスまたはコロイド方式である。このような粒子は、発生成長させた後でシステムを所望の程度の核形成で安定化させ、又は適切な溶媒中で沈殿ペプチゼーションさせることによって、「ゾル」と呼ばれるものを形成するコロイド状懸濁液を生成させるメカニズムを推進してゾル・ゲル法又は熱水合成を用いて前もって製造される。
堆積時には、溶媒−これは容易に蒸発するように十分揮発性のものが選ばれる−を蒸発させることによって、ほとんどの場合、基板上に沈殿する粒子の濃度が増加する。
結果として得られるコーティングは多孔性であり、内部応力を持たず、機械的に非耐摩耗性である。
前記の方法を用いて作られたゾル・ゲル層の実施形態の例が、特に、米国特許第2 432 483号と第4 271 210号、および、米国特許第4 929 278号と第4 966 812号に対応する米国特許出願第7 148 458号(NTIS)に記載されている。
米国特許出願第7 148 458号(NTIS)は、ある程度の分子複雑度が得られるまでSiO2−B23−Al23−BaOシステム中でエタノールゲルを合成し、次に、ポリマー相互間結合の1部を機械的に破壊してこのゲルを再液化するステップから成る、プラスチック基板上に反射防止膜を堆積させる方法を述べている。このようにして、低屈折率(約1.23)の多孔性膜がプラスチック内の基板に適合可能な室温で製造して得られるが、この膜は中程度の耐摩耗性しか有しない。
米国特許第2 432 483号と第4 271 210号は、シリカやアルミナのコロイドを用いて、多孔性を増加させ、したがって屈折率を減少させることが可能な反射防止性誘電性コーティングを製造する可能性を開示している。このような方法は低温で実現可能であるという利点を持つが、得られたコロイド状の層の機械的耐久性が非常に低く特に物理的接触に対して敏感である。
また、1990年発行の「アメリカセラミック協会広報」(The American Ceramic Society Bulletin)の第69号、n°7、1141〜1443ページの「コロイド状ゾル・ゲル光コーティング」(Colloidal Sol-Gel Optical Coatings)というタイトルの記事が、スピンコーティングを用いるゾル・ゲル法によって薄層を堆積させる方法を記述している。
この記事は、ゾル・ゲルコロイド状懸濁液を用い、また、賢明にも揮発性溶媒を選択して、液相のコロイド状媒体を形成することによって、物質を過度に加熱することなく室温で処理することが可能であると指摘している。したがって、この方法によって、熱的に脆弱な材料を処理することが可能である。
しかしながら、これらのコロイド膜の性質そのもの、すなわちその多孔性は、堆積される基板に対する摩耗性と固着性の双方の点において、機械的耐久性が低い特徴を本質的に有するものである。このような堆積物は、接触であれ拭き取りであれ破損することなくどのような物理的な接触にも耐えることができない。このようなコロイド膜中に存在する唯一の凝集力は物理的な吸収タイプのものであり、粒子と基板間にも粒子同士間にも化学的結合力は存在しない。
しかしながら、機械的耐久力は、粒子間に結着剤を付加することによって顕著に向上し得る。この結着剤、すなわち真性の粒子相互間の化学的「ジョイント」は有機物である場合もあり無機物である場合も有る。それはシステムの機械的凝集力を強化する。
従来の技術には、コロイド状シリカ(SiO2)を含む薄い光学層の機械的耐久力をかなり向上させる方法に言及する文書が少なくとも3つある。
米国特許第2 432 484号は、アルコール、および触媒、および多孔性構造の凝集力を強化するようなコロイド状粒子同士間での化学的結着剤として作用するテトラエチルオルトシリケート、から成る生成物の使用を開示している。この化学的結着剤は、すでに堆積済みのコロイド状シリカ層に付着するかまたは、処理媒体(すなわちコロイド状のゾル)中に包含されてそのアセンブリを単一工程で塗布する。用いられる化学的結着剤の比率を考慮すれば、コロイド状堆積物の多孔性は実質的に不変のままであり、このようにして光学的特性を維持することができる。このように強化された膜の機械的耐久力によって、接触や拭き取りに耐えることができる。また、低温すなわち100℃台でのコーティングの追加熱処理によってさらにこの耐久力が向上する。しかしながら、前記の堆積物は強い摩耗衝撃には脆弱なままである。
1988年に出版された「応用物理の手紙」(Appl. Phys. Lett.)誌の52(5)号でカリフォルニア州ローレンス・リバモア国立図書館でマスケット(R. G. MUSKET)らによる記事から、イオンビームを用いて酸化物/酸化物の境界の接着性を増す方法が知られている。著者らは、コロイド状シリカを含む反射防止性層に対してHe+ヘリウムイオンを200keVで照射することによって処理する方法を述べている。この処理によって、粒子同士間と基板との接着性が向上し、これによって、このように処理された層に、その光学的特性を損なうことなく、通常の光学的清浄化(拭き取り)に対する耐久力が与えられる。この現象に対して与えられた説明は、イオンの照射によって増したコロイド状粒子の表面反応性に基づいている。
CEAによる1993年4月5日付けのフランス特許出願第93 03987号は、膜を堆積した後でアルカリ試薬を用いて、反射防止性の光学特性を有する薄層の耐摩耗性を向上させる方法を述べている。しかしながら、前記の方法は通常の温度と圧力で実行されるとはいえ、このような層の耐摩耗性は「一般大衆」に対する応用物としては不十分である。
CEAによるフランス特許FR A 2 680 583号に、反射防止特性と疎水性及び耐摩耗性を有する材料が記載されている。この材料は、有機物又は無機物タイプの基板を、シラン類から選ばれた材料からなる接着性促進層で連続的にコーティングしたものと、シロキサン結着剤をコーティングしたシリカコロイド中の反射防止層と、フッ化ポリマーの反射防止層と、から成っている。しかしながら、この材料はそのスペクトル透過範囲が単一層コーティングに典型的なもの、すなわちわずか100nm台であり、耐摩耗性は良好であるとはいえ、あらゆる衝撃に耐えるものではない。
CEAによるフランス特許出願第2 682 486号は、有機物基板に適合可能な、周辺温度で実行される方法を用いて、レーザー流に対する高い抵抗性を有する誘電性ミラーの製造方法を報告している。所望の光学的特性を有するこの薄層は、低い屈折率を持つ材料を高い屈折率を有する材料と交互に堆積させて堆積されたコロイド状懸濁液から製造される。
しかしながら、使用されるこのコロイド状懸濁液は本来多孔性であり、これは、密度の高い形態の同じ材料から作られた膜と比較して屈折率が低いことを意味する。その結果、屈折率を等しくするには、多くの層を積層してこの屈折率の差を補償する必要があるが、これでは処理時間が長くなりその結果、光学コーティングが弱体化する。
CEAによるフランス特許出願第93 08762号は、アルコール溶媒に溶解するポリビニルポリマーでコーティングされた金属酸化物のコロイドを特徴とする、高い屈折率を有する複合材料の製造方法を述べている。コロイドをコーティングする有機物ポリマーによって、酸化物粒子同士間の残留開放多孔性が減少する。これによって、対応するコロイド層と比較して、堆積層の屈折率が増加し、機械的耐摩耗性が向上するが、これはポリマーが粒子同士間で結着剤として作用するからであり、レーザー流に対する耐久性も向上する。
しかしながら、このように得られる層の機械的耐摩耗性を向上させるには、接着促進層またはカップリング剤層を用いる必要がある。これによって、製造時間が長くなり製造コストも増す。また、機械的耐摩耗性は、例えば、特にテレビや他の装置のブラウン管における、画面の反射防止処理などの一般大衆用の応用物にとっては不十分のままである。
したがって本発明の1つの目的は、従来の技術による上記の欠点を克服し、低温、好ましくは室温で実現可能な、少なくとも1つの金属酸化物又は半金属酸化物を含む少なくとも2層から成る無機物ポリマー材料を基板上に、また、どのような基板上でも、単純で安価な装置で短い製造時間で堆積することによって、光学材料を製造する方法を提供することにある。
本方法はまた、良好な機械的耐久力、特に良好な耐摩耗性と、第1に、層同士間で、第2に、層と基板間で卓越した接着性を有する光学材料を得ることを可能とするものでなければならない。
この目的及び他の目的は、いかなる光照射も受けていない前駆物質の溶液から後出の層が堆積され、また、堆積された層が紫外線露光によって室温で高密度架橋結合されることを特徴とする、少なくとも1つの金属酸化物又は半金属酸化物を含む少なくとも2層から成る無機ポリマー材料を基板上に堆積されることによって光学材料を製造する本発明による方法で達成される。
架橋結合/高密度化という操作は室温で実行されるので、本発明によるこの方法は、プラスチックや高温処理に耐えられない他の材料でできた基板にも適用可能であり、また、本方法は、真空定温器もしくは調整大気定温器、すすぎタンクなど多くの手段を必要とし、また、電力消費という点で比較的高価な加熱を伴う架橋結合/高密度化操作を必要とする方法と比較して遙かに単純な装置でかなり短い時間で実行可能である。
紫外線露光による処理によって、例えば各層が金属又は半金属酸素水酸化物から成っており従ってこの層が高密度化されるポリマー網状組織を架橋結合することが可能となる。この処理によって、このような処理を受けていない透過の層と比較して、特に機械的耐久力が向上し屈折率が増加する。
期待しなかったことだが、本発明による本方法は、コロイド状システムと同様に、室温で実現可能であると同時に耐久性のあるコーティングが得られ、しかもポリマーのゾル・ゲルシステムとは異なって、前記の耐久性が定温で得られるという意味において、ゾル・ゲル法の双方の系列の利点をその欠点なしで併せ持つものである。
前記の金属酸化物又は半金属酸化物は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化スロニウム、酸化ニオビウム、酸化ランタナム、酸化アルミニウム、酸化シリコン及び酸化マグネシウムから選ばれるのが望ましい。
本発明の特に利点を持つ1態様によれば、各層のポリマー材料が残留塩素イオン(ハロゲン化物)を含んでいる場合、紫外線による高密度化もまた、この材料を含む層の湿潤特性を向上させる。
本発明の方法の第1の実施形態によれば、架橋結合/高密度化は堆積された層の積層を紫外線露光させることによって行う。前記の実施形態は、全体的なそり時間の顕著な短縮という利点を提供するものである。
本発明の方法の第2の実施形態によれば、架橋結合/高密度化は、無機ポリマー材料から成る各層を堆積した後で各層を紫外線に露光させることによって行われる。
前記の実施形態の方法は、紫外線による高密度化によって露光直後に表面を湿潤可能とする事実によって、層同士間の良好な相互作用を保証し、また、コーティングの機械的耐摩耗性を向上させ、同時に、プロセス全体に対する時間節約という点では第1の実施形態の場合よりごくわずかに劣るだけである。
本発明による方法を用いると、金属酸化物又は半金属酸化物を含む任意の数のポリマー層を有する光学材料を製造することが可能である。
したがって、本発明によれば、特に、高屈折率を有し機械的に耐摩耗性である、金属酸化物又は半金属酸化物、特にタンタル酸化物を含む、少なくとも1層を成す高密度化/架橋結合されたポリマー材料でコーティングされた有機物又は無機物タイプの基板を備える光学材料を製造することが可能である。加えて少なくとも1つの他の堆積層が、
−低屈折率を有する金属酸化物又は半金属酸化物を含む、特にシリコン酸化物又はマグネシウム酸化物を含む高密度化/架橋結合されたポリマー層と、
−平均的屈折率を有する、金属酸化物又は半金属酸化物、例えばタンタル酸化物又はシリコン酸化物などの別の金属もしくは半金属の酸化物を含む高密度化/架橋結合されたポリマー層と、
から選択されるのが望ましい。
本発明によれば、特に、狭帯域又は広帯域の反射防止材と誘電性ミラーを製造することが可能である。
この反射防止材は、
−高屈折率を持つ高密度化/架橋結合されたポリマー材料から成る1層と、
−低屈折率を持つポリマー材料から成る1層と、
で連続的にコーティングされた有機物又は無機物タイプの基板を含んでいる。
前記の材料は、むしろ「狭帯域」の反射防止材であるが、同時に極めて高い性能を有し、特に眼鏡に応用するのに適している。
反射防止材料もまた、高屈折率を有する層の下方で基板に付着した平均的屈折率を有する層(「低層」)を含む場合、いわゆる「広帯域」反射防止材料が得られる。第1に「広帯域」反射防止材料と第2の「狭帯域」反射防止材料との間に存在する帯域の差は約50%以上である。
本開示全体を通じて、「低」屈折率、「平均」屈折率、「高」屈折率という用語は一般的に、屈折率が約1.5より低い、屈折率が約1.5と1.8の間、及び屈折率が約1.8を上回る値であるとそれぞれ解釈すべきである。基板の屈折率は例えば約1.45と1.60の間である。
反射防止材料もまた、低屈折率層上に、フッ化有機シラン(フッ化シラン)を含むのが望ましい耐摩耗性層を含むことがある。
また、フッ化シランを含むのが望ましい本発明による耐摩耗性層が存在することによって、摩耗に対する耐性をかなり向上させると同時に反射防止特性を維持することが可能である。
加えて、フッ化シラン層によって、特に目的とする堆積物に接着防止特性と疎水特性が与えられるが、その理由はこの層によって、処理済みの表面の洗浄が容易になるからである。
紫外線露光によって室温での架橋結合/高密度化操作を伴う本発明による方法を用いてこのように処理された反射防止層は均質であり、いかなるクラック及び/又は内部剥離がない。その結果、得られた反射防止膜は、プラスチック基板上に付着された際の些細な屈曲や変形に耐え得る十分な弾性を有している。また、この膜は高温多湿や塩分を含む雰囲気に対する耐性もあり、沸騰塩水中に数回(10回以上)連続的に漬けた後でも良好な寿命を有することが証明されている。
本発明による方法を用いて製造された中心値が550nmである例えば300nmの帯域幅を有する広帯域反射防止コーティングは、ガラス基板上に付着されると、顕著な機械的耐久性を示し、したがって、テレビのブラウン管への応用などの一般大衆製品への応用が可能になる。
一般的に、本発明による方法を用いて製造された反射防止材料は、驚くべきことに、このタイプの用途に対するすべての要件、すなわち、
−580nmで鏡面反射率が0.8%未満であることと;
−スペクトル全幅にわたって450nmと700nm間で反射率が1%未満であることと、
−角度依存反射が最小であることと、
−40回の摩擦後でなんら損傷が無いことを特徴とする基準US MIL C0675 Cと同じ厳密な耐摩耗性で定義される機械的耐久力と、
−日常保守製品、酸、塩基及び有機溶媒(エタノール、アセトンなど)に対する耐性を特徴とする化学的耐久力と、
のすべての要件を満足している。
本発明の方法によればまた、
−上記の屈折率と類似の低屈折率を有する層と、
−高屈折率と前述の摩耗に対する機械的耐久力を持つ例えばタンタル酸化物を含むポリマー層と、
−オプションとして耐摩耗層と、
を含む2つの層から成る少なくとも1つのシーケンスでコーティングされた有機物または無機物の基板を備える反射材を製造することが可能である。
得られた反射材は、室温で実行される単純な方法で製造することができる近紫外線から近赤外線の範囲の波長を反射する不動態の単色又は多色の誘電性ミラーである。
本発明による方法を用いて製造された反射材はまた、タンタル酸化物と、好ましくはシリコン酸化物又はマグネシウム酸化物であるもう1つの金属酸化物もしくは半金属酸化物を含むポリマー材料から形成するのが望ましい、すでに上記した低屈折率を有する少なくとも1つの層と、反射防止材料に関してすでに上記したものと類似の「平均」屈折率を有する少なくとも1つの層をコーティングした基板を含んでいる。
こうして得られる材料は、この場合、「半反射材」として分類される可能性がある。
また、上記の反射防止材から成る層の順序を逆転させると、反射性又は半反射性の材料を得ることも可能である。
本発明は、非制限的な図示例として与えられる本発明の実施形態の以下の説明を読めばよりよく理解されるはずである。
本発明によれば、少なくとも1つの金属酸化物又は半金属酸化物を含む無機ポリマー材料から成る各層は一般的に、
−金属又は半金属の分子前駆物質とも呼ばれる金属又は半金属を含む分子化合物を含む溶媒(3)中の溶液(1)を製造するステップと、
−任意により、溶液(1)の金属又は半金属化合物の金属又は半金属とは異なる金属又は半金属を持つ1つ以上の金属又は半金属化合物を含む同じタイプの溶媒中の1つ以上の溶液と前記の溶液(1)を混合するステップ又は、
前記金属又は半金属の化合物を前記溶液(1)に付加し、その後で溶液(2)を得るステップと、
−得られた溶液を、ポリマー材料の均一な層を形成するために前もって堆積された基板と層又は積層された層から成るサポートの上に堆積するステップと、
から成る段階によって製造され堆積される。
紫外線露光によって室温で架橋結合/高密度化を受けるのは、少なくとも1つの金属又は半金属の酸化物を含むこのポリマー材料の層である。
本発明の本方法の特に興味のある1つの特徴によれば、堆積のために用いられる前駆物質の溶液は、従来の技術とは異なって、堆積に先立って照射、特に光照射を受けない。
前駆物質の溶液に対して実行されるのであって堆積された層に対しては実行されないこのような照射によって、これらの溶液は強度に不安定となりその結果その寿命は非常に限られたものとなる。
したがって、各層に対する堆積プロセスの第1の段階は、空気中に含まれている水蒸気との加水分解凝縮によって、堆積中に金属又は半金属の酸水酸化物の膜又は均質なポリマー層を形成することが可能な金属又は半金属の分子前駆物質化合物を含む溶媒中で溶液を合成することである。
この溶液1は、ハロゲン化物(ヨー化物、フッ化物、臭化物、塩化物)とくに塩化物などの、金属又は半金属のアルコキシド又は他の塩などの、なんらかの適切な化合物から選択される金属又は半金属の前駆物質化合物を溶媒中で分解することによって得られる。
この溶媒はROHという化学式(ここで、Rは1個から5個の炭素原子を持つアルキル基である)を持つ飽和脂肪族アルコールから選ばれるのが望ましい。
この金属又は半金属は、タンタル、チタン、シリコン、イットリウム、スカンジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ソリウム、ニオビウム、ランタン、アルミニウム及びマグネシウムから選ばれるのが望ましい。
この金属又は半金属の前駆物質化合物の濃度は、溶媒中の金属又は半金属酸化物に等価の質量で1%から20%であるのが望ましいが、5%から10%であればさらに望ましい。
例えば、高屈折率を持つ層を堆積するのが好ましい場合、この金属塩は無水タンタル、好ましくはペンタハロゲン化タンタルTaX5(ここで、X=F、Br、Cl又はI)の塩であり得る。溶液1は絶対エタノールであるのが望ましい溶媒中でペンタ塩化タンタルTaCl5を分解して得るのが望ましい。
この混合によって、ハロゲン化物が例えば塩素であれば、パスカル(Pascal P.)による、Nouveau Traite de Chimie Minerale, Masson Ed., ParisのXII号(1959年)の576ページに述べる次に示す平衡状態に従って塩化アルコキシドタンタルが形成される。
Figure 0004224646
例えば、x=3の場合、この平衡は次式のようになる。
Figure 0004224646
この反応は弱発熱性である(温度は約50℃まで上昇する)。冷却して濾過した後で得られる溶液(1)は澄んでいて透明で強酸性である。
堆積された層の内の比較的高屈折率を持つ少なくとも1つの層が無水タンタル塩の溶液(1)から製造される好ましい実施形態においては、本応用例による本方法は、金属又は半金属のアルコキシドが一般的に、タンタルアルコキシド例えば酸性HCl又はCh3COOH媒体中で加水分解された5酸化タンタルTa(OEt)5などの前駆物質として用いられる従来の技術に比較してさらに多くの利点を有する。このような溶液は、約2、3日で比較的迅速にゲル化し、したがってその安定性は、本発明によって用いるのが望ましい塩化アルコキシド溶液と比較して顕著に減少する。また、アルコキシド溶液は常に錯化剤を必要とし、そのため、容易に得られ比較的安価な例えばTaCl5から製造される溶液より遙かに高価でもある。
溶液1、例えば、本開示中の後の方ではTaCl5/EtOH溶液とも呼ばれるエタノール中の塩化アルコキシドタンタルは一般的には、Ta25質量等価で表すと1%から20%の濃度である。
この溶液は空中の湿度にはほとんど反応しない。しかしながら、例えばH2O/Taモル比が10の水を加えると、ゲルが急速に形成される。したがって、このような溶液は周辺湿度から隔離して保存しなければならない。
前記の溶液は完全に満足されるように用い得るし、前述の理由により今まで使用されてきたアルコキシド溶液より際だって優れたものであるとはいえ、混合物中にHClが過度に存在するため2つの欠点が生じる。
第1に、溶液から誘導された酸蒸気が金属物質にとって腐食性であること。第2に、堆積された層が塩化物イオンなどのハロゲン化物イオンを過度に含んでおり、これがコーティングの表面を比較的非湿潤性にし、このため、以降の堆積物が適切に接着するのを妨げ、また、このイオンは低温の熱処理では除去されない。
したがって、ハロゲン化物イオン、特に溶液中に過度に含まれている塩化物イオンを除去する、又は少なくとも金属前駆物質に対する過度性が制限されるようにするのが好ましい。
例えば(X=Clの場合)、過度の塩酸は蒸発させることによって除去できる、すなわち過度の塩酸とエタノールは、例えば10-2ミリバールに減圧して蒸発させることによってTaCl5混合物から除去される。TaCl2(OEt)3に対応する白色の固体が得られ、次にエタノール中で部分的に再分解されて、Ta25質量等価で例えば5%から10%、望ましくは7%の溶液となる。例えば80℃で4時間にわたって環流させれば完全に分解する。混合物を濾過すると、pH値が2に近い澄んだ透明な溶液が得られる。この開示の後の方では、この溶液はTaCl2(OEt)3/EtOHと呼ばれる。
湿度に対するこの溶液の感度はTaCl5/EtOHのそれに近い。
また、上述したように、Ta25質量等価で5%から10%の濃度でエタノール中で分解したClに加えて別のTaX5金属塩(ここでX=F、Br、I)を用いてタンタル溶液を製造し、これによって酸性度の低い処理溶液を得て、塩化物の存在に本質的に結びつく堆積層の湿潤性という問題を克服することが可能である。
いかなる場合も、分子前駆物質化合物の濃度は、アルコール溶液などの溶液中でタンタル酸化物質量等価で1%から20%が望ましく、5%から10%であればさらに好ましい。
低屈折率の層を堆積するのが好ましい場合、これは例えばポリマー形態のシリコン酸化物(ポリマーシリコン)又はマグネシウムから形成してもよい。
ポリマーシリカの薄層を得るために用いられる処理溶液はHClまたはHNO3媒体中でテトラエチルオルトシリケート(TEOS、SI(OEt)4)を加水分解凝縮することによって得るのが好ましい。これによって、次の反応式に従ってオリゴマー種が形成される。
Figure 0004224646
この溶液は不安定であり時間と共に変化するが、その理由は、シリケートの網状組織を形成する加水分解と凝縮という反応がシリコンにとっては比較的遅いからである。
ポリマーシリカのこの薄膜の光学的、機械的及び化学的特性はこれらの物理化学的パラメータに近似している。
1例として、また、最適化した後で、次の製造条件が得られる:
ポリマーシリカの母溶液がエタノール中で質量百分率で10.6%のSiO2で製造される、すなわちh=10でありpH値は約2である。
4時間にわたって磁気攪拌し室温で3〜4週間にわたって無妨害熟成させた後、母溶液を純粋エタノールで質量百分率で約4%(例えば質量百分率で3.75%)にまで希釈して、シリケート網状組織の形成を遅らせて安定化させる。このようにして得られた溶液は澄んでいて透明である。これは少なくとも12ヶ月にわたって安定であるが、一方、母溶液は1ヶ月後にゲル化する。
ポリマーシリカの薄層の屈折率は、例えばベークして紫外線露光することによる架橋結合の前後で、550nmで1.40に近い。
ポリマーシリカの薄層は卓越した耐摩耗性を有し、通常の有機溶媒、例えばアルコール、アセトン、弱い酸及び塩基(フッ酸を除く)に対して耐性がある。
ポリマーシリカ層の表面は、本発明に従って紫外線露光することによってさらに向上する水とエタノールと比較して良好な湿潤特性を示す。
溶媒中のこの溶液(溶液1)は、溶液1の金属又は半金属の化合物のそれとは異なる金属又は半金属を持つ金属又は半金属の前駆物質化合物を含む同じタイプの溶媒中の溶液と混合することが可能であるが、この前駆物質化合物は次に金属酸化物又は半金属酸化物を含む化合物となるが、溶液(1)の100に対して0%から100%の金属又は半金属等価から0%の金属酸化物又は半金属酸化物等価比で付加が実行される。
この金属又は半金属は溶液(1)に対して上記された元素から選ばれるが、溶液(1)の前駆物質化合物の金属又は半金属とは異なる。
また、溶液(1)の前駆物質化合物のそれとは異なる金属又は半金属を持つ金属又は半金属の化合物を金属又は半金属分子前駆物質化合物の溶液(1)に直接に付加して、所望の濃度を直接的に得ることが可能である。
どちらの場合でも、金属酸化物又は半金属酸化物の質量等価で望ましくは1%から20%、さらに望ましくは5%から10%の濃度を持つ濃度分子前駆物質の溶液(2)が得られるが、付加される金属酸化物又は半金属酸化物等価/溶液(1)の金属酸化物又は半金属酸化物の比は0/100から100/0に変化する。
例えば、溶液(1)に対して用いられる金属又は半金属分子前駆物質化合物がハロゲン化物、例えば5塩化タンタルなどの金属又は半金属塩化物である場合、溶液中の金属前駆物質に対する塩化物イオン(又はハロゲン化物)の比を、それに対して、塩化物イオンを含まないがそれでも堆積と架橋結合による処理の後でも材料の光学的、機械的特性を維持する別の金属化合物を付加することによって減少させることが可能である。
チタン酸化物は、材料としての耐摩耗性がタンタル酸化物によって保証されているので卓越した候補であるように思われる。
酸化物等価百分率で望ましくは1%から99%、例えば10%から90%の、何ら塩化物イオンを含まない金属前駆物質化合物を用いると、例えばチタン酸化物が生じさせることができるが、耐摩耗性と屈折率の仕様を満足する層を得ることを可能とする配合はチタン酸化物質量百分率で最終比50%以下に対応するのが好ましい。
前記のシステムを得るためには、TaCl5/EtOH溶液に対して前駆物質として用いられるチタンテトライソプロポキシド(Ti(Opr2))4を付加するが、また、別のチタンアルコキシドや別のチタン酸化物前駆物質化合物を用いることも可能であるが、混合物を濾過した後では、pH値が2未満の澄んだ透明な溶液(2)が得られる。
本開示の後の方では、この溶液は例えばTaCl5−Ti(OiPr)4/EtOHと呼ばれるが、このような溶液によって高屈折率を持つ層を堆積することが可能である。
最後に、また、複数の金属もしくは半金属化合物すなわち溶液(1)の金属もしくは半金属の化合物とは異なる複数の金属もしくは半金属の化合物を含む複数の溶液を溶液(1)に付加することも可能である。
このようにして、このような層の特に機械的耐摩耗性を維持しながらも、得られるポリマー層の屈折率を随意に変化させることが可能である。
例えば、混合物成分の比を変更することによって1.45と1.93の間で連続的に、タンタル酸化物とシリコン酸化物を含むポリマーシステムの屈折率を変化させることが可能である。
また、上記の比でシリコン酸化物以外のどんな酸化物を用いて適切な前駆物質に環流させても屈折率を変化させることが可能である。例えばマグネシウム酸化物がそうである。
また、層、例えばタンタル酸化物を含む層の屈折率を高密度化後に、良好な機械的な耐摩耗性を損なうことなく、前駆物質、例えばタンタルを含む溶液を溶液(1)に付加することによって最大で2.04まで上げることが可能である。
しかしながら、TiO2を含んでいる化合物はパワーレーザー以外の用途のために留保しておくのが好ましい。その理由は、この酸化物の持つ光エネルギの真性吸収率は耐久力のレベルを低いレーザーフローに制限してしまうからである。一方、このポリマー材料(Ta25/TiO2)は、例えば集積光学又は半反射性層などの他の応用分野には理想的であるが、その理由は、それをコロイド状シリカと合成すると、例えば1.67という非常に高い屈折率結合を形成するからである。
最後に、また、3つ以上の酸化物を含む、例えばタンタル酸化物、チタン酸化物及びシリコン酸化物を含むポリマー層を製造することが可能であるが、この場合、これら3つ(以上の)成分の比は可能な限りの範囲にわたって変化し、これによって、堆積層の屈折率を随意に変化させて、低い、平均的な又は高い屈折率を持つ層を得ることが可能である。
このようにして得られた金属又は半金属の分子前駆物質を含む溶液(1)と(2)は各々がサポート上に堆積されて、その度に、金属又は半金属酸水酸化物ポリマーの層となる。
「サポート」という一般的な用語は、以下に記すような何らかの有機物もしくは無機物の基板又はこの基板上に堆積された何らかの活性の接着性促進層を意味する。この層は、最初に堆積される。そうでなければ、基板とすでに堆積済みの1つ以上の層から成るサポート上に堆積されることが当業者には明らかであろう。
本開示の後の方では、「有機物基板」という用語はより正確にはプラスチック基板、例えば、ポリアクリレート、ポリアリルカーボネート及びポリアミドから選ばれたものの内の何れかを示す。しかしながら、このリストに限られるわけではなく、より一般的な有機物ポリマー材料を範囲に収めるものである。
「無機物基板」という用語はより正確には、鉱物基板、すなわち非晶質材料さらに、例えば特にシリカ、ホウケイ酸塩もしくは石灰ソーダガラス、蛍光燐酸塩及び燐酸塩を含んでいる。
鉱物基板と比較すると、プラスチック基板はとりわけ安価であり、容易に変形可能であり、軽量で衝撃に対して耐久力がある。しかしながら、それを使用するにあたっては、層を有機基板と第1の堆積層の間に1つの層が存在し、これによって、高密度化段階の最中にこの境界面に対する適切な適合性を与え、また、特に誘導応力を吸収するようにすることが好ましい。本発明によれば、この境界層すなわちワニスは、鉱物性コロイドを含むことがある有機シランポリマー類から選ぶのが好ましい。
一般的に、基板は平坦基板又は、例えばテレビのブラウン管や球面レンズの表面などの少し曲率を有する基板であるが、本発明の方法によればどんな基板でもその形状とは無関係にコーティングすることが可能である。
これらの層は、例えば回転コーティング、層流コーティング、テープ鋳造又は、一様な堆積物と均質な厚さを持つ層を得ることを可能とするような他の何らかの方法で堆積される。
基板上では、本発明の本方法によって、製造済みの光学材料は、金属酸化物又は半金属酸化物を含む無機ポリマー材料から成る少なくとも2つの層を含む。
本発明の本方法を用いて製造されるこれらの光学材料の実施形態のいくつかの特定的な例を以下に説明する。
しかしながら、本発明の方法によれば、より包括的には、金属酸化物又は半金属酸化物を含む無機ポリマー材料から成る少なくとも2つの層並びにその数とタイプとは無関係のあらゆる可能な光学層の組み合わせを含むいかなる光学材料でも製造することが可能である。
すでに述べたように、光学層の性質、その厚さ及び互いに対するその配列によっては、例えば反射防止性又は反射性の材料を得ることが可能である。
一般的に、いわゆる「薄層」の厚さは0.1ミクロンから数ミクロン、例えば0.1ミクロンから10ミクロンであり、これらの層の数は2から約10、例えば2から10である。
本発明の本方法の第1の実施形態によれば、たぶん第1に、層を堆積させ、次に堆積済みの全ての層を紫外線露光によって架橋結合/高密度化に進む。
この処理は紫外線ランプ、例えば、紫外線B又は紫外線Cのドメイン、すなわち180nmから280nmの波長で発光する水銀蒸気ランプ又はエキシマランプの照射下で実行される。
この層が受ける紫外線照射量は架橋結合を誘導するに十分な量でなければならない。
紫外線露光時間は、上記の波長のドメインでのランプの発光出力に関連している。
一般に、この露光は5から10J/cm2、望ましくは5から6J/cm2のエネルギで10秒から10分、望ましくは30秒から5分、例えば1分にわたって、すなわち例えば350mW/cm2という出力範囲で実行される。この操作は最大出力で実行するのが好ましい。
紫外線高密度化/架橋結合はたぶん、例えば80から200℃、望ましくは100から150℃の温度で10から60分、望ましくは15から30分にわたって、例えば150℃で30分にわたって熱処理すなわち最終的なアニール操作と関連しているが、この最終的なアニール操作なしでも十分満足されるとはいえ、この処理によって、完了される堆積済みの層の高密度化が可能となる。
本発明の本方法の第2の実施形態によれば、架橋結合/高密度化は、一般的に上記と同じ条件下で、無機ポリマー材料から成る層の各々が堆積された後で紫外線に露光することによって実行される。
紫外線露光に用いられるパラメータは堆積される層のタイプに関連して異なることがあるので注意すべきであるが、例えばポリマーSiO2を含む低屈折率の層では、露光は、約250から300mW/cm2という露光出力に対応した減少したエネルギ及び/又は時間で実行される。
同様に、熱処理又は最終的なアニール操作は、層を堆積して架橋結合した後で上記と同じ条件で実行してもよい。
最後の紫外線露光処理の後で、すなわち最後の層の紫外線露光処理、もしくは層のアセンブリに対する紫外線露光処理が終わったら、任意によるアニール処理に先立って、また、本発明の本方法を用いて製造された光学材料の化学的及び機械的衝撃に対する耐久力がたとえすでに卓越したものであっても、光学的積層物の化学的、機械的特性を強化するために、低摩擦係数を有する薄い疎水性の耐摩耗性膜を付着させて、例えば低屈折率を持つ層であり得る最後に付着される層を保護することは本発明による利点である。
Teflon▲R▼などの疎水剤を用いても十分ではないが、その理由は、特にポリマーシリカ中の保護層と上部層の間では、その相互作用が弱く、このため、摩耗に対するアセンブリの耐久力がほとんどないからである。
フッ化シラン化合物は、例えばポリマーシリカを含む最後の層の表面上に置かれたヒドロキシル基と反応することが可能であり、また、堆積物の疎水性と低摩擦係数を保証する長いフッ化物の鎖を有するので、化学結合を形成するという利点を有する。
既存の製品からは、T2494という名称で知られABCRから入手可能なC613CH2CH2−Si(Oet)3((トリデカフルオロ−1、2、2、2−テトラヒドロオクチル)−1−トリエソキシラン)又はT2492という名称で知られABCRから入手可能なC613CH2CH2−SiCl3((トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロ−オクチル)−1−トリクロロシランが選ばれる。
これらの誘導体は1.4に近い低い屈折率を有し、MONTEDISON製造のGALDEN HT110▲R▼などの1部の過フッ化物化合物中で溶解可能である。
その結果、例えば得られた「T2494」ポリマーシリカシステムは強酸と強塩基さらに通常の有機溶媒に対して不活性である。その層は完全に疎水性であり、ほとんどエタノール湿潤性がない。それは、軍事規格US−MIL−C−0675Cの「厳密な」試験に耐え、また、非常に容易に洗浄することができる。
その厚さが非常に狭い(例えば数ナノメートル、すなわち特に約10nm)ため、その疎水性の層は最後に堆積された層、特に低屈折率の層、例えばポリマーシリカ層の光学的特性を妨害することがない。
本発明による方法をここで、堆積された各層を紫外線に露光することによる架橋結合/高密度化処理で3層の反射防止材を製造する特定的な場合について説明する。
有益な、しかし任意による方法として、基板の周到な洗浄・除去は、例えば1%に希釈されたフッ酸の溶液を用いて最初に実行され、次に、基板が脱イオン水で完全にすすがれる。次に、基板は光学石鹸で洗浄され、蒸留水で再度すすがれてエタノールで乾燥される。
前記の洗浄段階に要する時間は例えば約5分である。
次の段階は、例えばTa25−SiO2層を提供するための前駆物質溶液を、特にTaCl5−Si(OEt)4/EtOH溶液を、例えばそれぞれ80/20という酸化物比で適用することによって平均的な屈折率を有する層を洗浄済みの基板に付着させるステップである。
この層は、例えば滴下コーティング又は回転コーティングによって、約1000回/分という回転速度で、さらに約10cm/分の速度で又は層流コーティングによって基板に付着される。後者の2つの方法が、処理溶液をほとんど必要としないので好ましい。しかしながら、他の堆積技法もまた使用可能である。このタイプの溶液堆積法は、比較的大型の表面を低粘性の非常に純粋な処理溶液でコーティングすることができるという利点を有している。
次の任意による段階(すなわち、この段階は省略可能である)は、この層を、例えばBまたはCの紫外線に、望ましくは5から6J/cm2のエネルギで1分にわたって(すなわち、同じ時間にわたって350mW/cm2範囲の出力で)露光させて高密度化/架橋結合する段階である。この操作は最大出力で実行するのが好ましい。
ほんの1分から5分しかかからないが、基板を例えば圧縮空気流で冷却させたら、上記のTa25前駆物質溶液(1、2)のどちらかからでも製造し得るTa25を含む高屈折率層が堆積され、次にこの層の高密度化/架橋結合操作が、平均的屈折率の層に対する場合と同じ条件で紫外線露光によって任意によって実行される。
低屈折率層が次に、例えばポリマーSiO2中で、例えば既述の処理溶液の内の1つ、すなわちHClまたはHNO3媒体中のSi(OEt)4から得られるポリマーシリカのエタノール溶液、すなわち、「オリゴマーシリカ」と呼ばれるHClまたはHNO3媒体中の[SiO2]=2.4%で、[H2O/Si]mol=12でpH値が約2である溶液を用いて実行される。ここで思い出されるのは、本発明によれば、これらの溶液はいかなる光照射も受けない、とくに紫外線照射は受けないということである。
次にこの層の高密度化/架橋結合段階は紫外線露光によって実行されるが、低屈折率層は短時間、例えば約6J/cm2のエネルギで30秒にわたって実行されるが、その理由は、この層の高密度化に及ぼす紫外線の効果は平均的な高屈折率を有する層に対するよりも制限されるからである。
加熱されたコーティング表面を利用して既述したような仕方で「T2494」などの疎水剤を高温で適用する。
基板と付着された3つの層を含むアセンブリが次に熱処理すなわちアニール処理を、例えば80℃から200℃、望ましくは100℃から150℃の温度で、望ましくは15分から30分にわたって150℃で30分にわたって受けて、この3つの層の高密度化を完了するのが好ましい。
こうして得られる反射防止性コーティングは卓越した光学的、機械的および耐摩耗的特性を有する。
本方法に要する全体時間は例えば約1時間である。
紫外線露光による架橋結合/高密度化で前記の反射防止性コーティングを手動で製造する本発明による本方法は特に、有機物基板、例えば高温での熱処理に耐えられるプラスチックの基板の処理に良く適している。
前記の方法によってまた、上記の用件を全て満足する広帯域で、耐摩耗性があって、反射防止性のコーティングをブラウン管上に製造することが可能である。紫外線による高密度化によって、例えば150℃での熱処理の回数を4回から1回に減らすことによって3層コーティングの製造時間が顕著に減少するが、体積の大きな基板の熱慣性によって処理時間が実質的に3倍になる。
また、紫外線による高密度化で、露光直後の表面が湿潤性になるので、中間の洗浄段階が取り除かれ、これによって、特にポリマーシリカの層が「オリゴマーシリカ」の製造によって得られる場合は層同士間の適切な相互作用が保証され、コーティングの機械的な耐摩耗性が向上する。
最終的に、紫外線露光によって表面が加熱されることによって、疎水剤を、最終的に3層が受ける単一の熱処理前に熱堆積することが可能であり、これによって、コーティングの機械的耐久力が最小の経費で強化され、したがってこの高密度化方法は、一連の熱処理より産業レベルでの操作という点で比較的より簡単に設定し易いように思われる。
ここで本発明による方法を、有機物または無機物タイプの基板と;その上に堆積される少なくとも1つのアセンブリを成す2つの層、例えば2つの層から成る2つのアセンブリ、すなわち:
−低屈折率の一方の層と;
−高屈折率の他方の層と;
から成る2つのアセンブリと;を備える広スペクトル帯域反射材を製造する特定的な場合に付いて説明する。
低屈折率と高屈折率を有するこの基板と層は反射防止材の実施形態で説明したものと同じである。
この有機物または無機物タイプの基板を、もし最初に、反射防止性製材料の製造に関して述べたような周到な洗浄を受けさせれば有益だがこれは任意による操作である。
このように洗浄された基板上に、第1の低屈折率層を、既述の溶液堆積技法の内の1つを用いて堆積させる。溶媒は脂肪族アルコールから選べば本発明の長所が生かされる。
次にこの層を紫外線照射下で、また、反射防止性物コーティングで既述した条件下で架橋結合する。
この後で高屈折率層を堆積し、再度紫外線高密度化を実行する。
上述の堆積操作を必要な回数だけ繰り返して、所望の反射率を得る。
このアセンブリ積層は任意によって、反射防止性コーティングの際に用いる条件と類似の条件でベークまたはアニール操作を受ける。
このコーティングの耐久力は、反射防止材について既述したのと類似の方法で疎水性の耐摩耗性層を次に堆積することによってさらに向上するが、積層の最終層となるこの層は、例えば吹き付けによって、反射防止性製材料の場合と同じ方法で加熱下で付着される。
本発明を、図示目的であり何ら制限する意図のない以下の例を参照して次に説明する。
例1
この例は、本発明の本方法の第1の実施形態による、すなわち全ての層が紫外線露光による最終的な架橋結合/高密度化を受ける、Ta25製の高屈折率層とSiO2製の低屈折率層を含む2層光学材料の製造を示す。
最初に、Ta25製の高屈折率層が、次に示す3つのタイプの処理溶液、すなわち:
−TaCl5/EtOH(酸化物質量百分率で7.0%)、TaCl2(OEt)3/EtOH(6.5%)及びTaCl2(OEt)3/EtOH−NH3(7.6%);で堆積物を作ることによって製造される。
この基板に対する回転速度をそれぞれ、1200回転/分、1000回転/分及び1700回転/分とする。
2分間にわたって乾燥させた後で、堆積された層の屈折率はそれぞれ1.601、1.639及び1.616であり、各層の厚さはそれぞれ167nm、141nm及び163nmである。最大反射ピーク値(1/4波長ピーク)は高密度化前でそれぞれ1070nm、925nm及び1053nmである。
SiO2製の低屈折率層は次に、次の4つのタイプの処理溶液:
−10.6%の濃度と、[H2O]/[SiO2]モル比が10で、pHが約2で、1ヶ月にわたって熟成され、SiO2濃度が3.75%となるまで希釈された母溶液から製造されたHCl媒体中のポリマーSiO2と;
−上記と同じ条件で製造されたHNO3媒体中のポリマーSiO2と;
−1994年発行の「非結晶性固体」(Non−crystalline Solids)のJの169号の207ページにS.マエカワとT.オオイシが述べている条件([SiO2]=2.4%、[H2O]/[SiO2]=12で、pHが約2で、一晩攪拌し、出版物とは異なって溶液を紫外線に露光しない)で製造されたSiO2と;
を用いて、Ta25中で第1の層をコーティングした基板上に堆積することによって製造される。
HCl酸性触媒溶液とエタノール媒体中のテトラエソキシランの混合物から、一晩攪拌し、紫外線露光がここでも無しで、[SiO2]=2.4%、[H2O]/[SiO2]=12、pHは約2となるように製造されたSiO2を用いる点は先行する製造方法と等価であることに注意されたい。
この最後の2つの製造物は「オリゴマーシリカ」と呼ばれる。
この基板に対して用いられる回転速度はそれぞれ3400回転/分、3700回転/分及び1000回転/分である。2分間にわたって乾燥させた後は、堆積された層の屈折率がそれぞれ1.393、1.394及び1.409であり、その厚さはそれぞれ128nm、133nm及び123nmである。最小反射ピーク(1/4波長ピーク)は、高密度化前でそれぞれ715nm、740nm及び691nmである。
このように製造された2層は最高出力(すなわち350mW/cm2の出力)の紫外線照射下で高密度化される。
約80℃での加熱表面を利用して、疎水剤を吹き付けで加熱堆積する。
積層アセンブリは150℃で30分にわたって熱処理されて、この2つの層を完全に高密度化する。
直径80mmの細片の場合の本方法による全体の操作時間は約30分である。
オリゴマータイプのSiO2溶液を用いると最良の結果が得られるか、これによって、T2494疎水剤でコーティングされた2層コーティングは特に、それが反射防止性表面上に軽い擦った跡が付くだけのUS−MIL−C−0675C規格の「厳密な」摩擦試験に耐えることが可能である。
比較すると、HCl又はHNO3媒体中のポリマーSiO2層での試験では、耐摩耗性が少し劣るコーティングが生じるが、機械的特性は、高密度化の手段として熱処理を用いるだけの製造プロセスで得られる特性に匹敵する。
オリゴマーSiO2溶液に付いては、紫外線作用によってカップリングされた前駆物質によって、シリカ層と高屈折率のTa25層の間で強い層度作用が可能とされ、これによって良好な機械的耐久力が保証される。
紫外線露光は重要な役割を演じるとは思われないが、その理由は、Ta25及びSiO2を含んでいる層でのところで紫外線が減衰すると、コーティングの耐摩耗性が影響されるからである。
また、T2494疎水性層を紫外線に露光しても2層の機械的特性は向上しない。
例2
この例は本発明の本方法の第2の実施形態を示す。
すなわち、例2は、各層が紫外線露光で堆積される3層積層から成る反射防止性製光学材料の製造を述べる。
ここで用いられる処理溶液は次の通り:平均的屈折率層に対してはTaCl5−Si(OEt)4/EtOHと;高屈折率層に対してはTaCl2(OEt)3/EtOH−NH3と;低屈折率層に対してはHCl中のポリマーSiO2、HNO3中のポリマーSiO2又はオリゴマーSiO2と;である。直径80mmのケイ酸ガラス内の基板は最初に周到に洗浄され、次に、この洗浄済み基板上に平均的屈折率層Ta25−SiO2(80/20)が堆積されて最高出力(すなわち、350mW/cm2という出力)の紫外線照射下で高密度化され、次に、基板は約3分にわたって加圧空気流の支援で冷却され、その後で、Ta25中の高屈折率層が堆積されて同じ条件で紫外線照射によって高密度化される。次に、低屈折率のSiO2層が、250mW/cm2台の照射量で紫外線露光されて堆積される。
約80℃で加熱されるコーティング表面を利用して、疎水剤を吹き付けによって加熱堆積させる。
この堆積アセンブリは150℃で30分にわたって熱処理を受けて、この3層の高密度化を完全なものとする。この方法に必要な全操作時間は、直径80mmの細片の場合で約1時間である。
オリゴマータイプのSiO2溶液の場合に最良の結果が得られるが、この場合、T2494疎水剤でコーティングされた3層はUS−MIL−C−0675Cの「厳密な」摩擦試験に実際に耐え、反射防止性表面に少し変色が見られるだけである。
比較すると、HCl又はHNO3媒体中のポリマーSiO2の層での試験では耐摩耗性が少し劣っているが、機械的特性は、高密度化のために熱処理しか用いない製造プロセスで得られる特性に匹敵する。オリゴマーSiO2溶液の場合、前駆物質は、紫外線作用でカップリングされると、シリカ層と高屈折率のTa25層の間での強い相互作用を可能とし、これによって良好な機械的耐久力を保証する。
紫外線露光は重要な役割を演じるとは思われないが、その理由は、Ta25とSiO2を含む層のところで露光が減衰すると、コーティングの耐摩耗性が影響されるからである。また、T2494疎水剤層を紫外線で露光しても3層の機械的特性は向上しない。

Claims (30)

  1. 少なくとも1つの金属酸化物又は半金属酸化物を含む、無機ポリマー材料から成る少なくとも2つの層を基板上に堆積することによって光学材料を製造する方法において、前記層が、光照射を受けていない前駆物質溶液から堆積され、少なくとも一つの層は、少なくとも一つの金属又は半金属ハロゲン化物を含む前駆物質溶液から堆積され、また、前記堆積された層が紫外線に対する露光によって室温で高密度化/架橋結合されることを特徴とする方法。
  2. 前記金属酸化物又は半金属酸化物が、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ソリウム、酸化ニオビウム、酸化ランタム、酸化アルミニウム、酸化シリコン及び酸化マグネシウムから選択されたものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 紫外線に対する露光による架橋結合/高密度化が、無機ポリマー材料から成る前記層の各々が堆積された後で実行されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 紫外線に対する露光による架橋結合/高密度化が、堆積された層のアセンブリに対して実行されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 前記紫外線露光が、10秒から10分にわたって、エネルギー密度が5から10J/cm2で実行されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 紫外線露光による高密度化/架橋結合が完了した後に、熱処理又は最終アニール処理が80℃から200℃の温度で10分から60分にわたって実行されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 少なくとも1つの金属酸化物又は半金属酸化物を含む無機ポリマー材料から成る各層が、
    −金属又は半金属の分子前駆物質とも呼ばれる、金属又は半金属を含む分子化合物を含む溶媒(3)中で溶液(1)を製造するステップと、
    −前記溶液(1)を、前記金属又は半金属化合物溶液(1)の前記金属又は半金属とは異なる金属又は半金属を持つ1つ以上の金属又は半金属化合物を含む同じタイプの溶媒中で1つ以上の溶液と混合するか、又は
    前記金属又は半金属の化合物を前記溶液(1)に付加し、その後で溶液(2)を得るステップと、
    −得られた溶液(1)又は(2)をサポート上に堆積させて、ポリマー材料から成る一様な層を形成するステップと、
    から成る段階によって製造されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 前記1つ又は複数の溶媒が、Rが1個から5個の炭素原子を持つアルキル基を表す化学式ROHを持つ飽和脂肪酸アルコールから選ばれることを特徴とする請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 前記1つ又は複数の前駆物質が、アルコキシド、ハロゲン化物及び他の金属又は半金属の塩から選ばれることを特徴とする請求の範囲第7項記載の方法。
  10. 前記前駆物質が、X=F、Br、I、ClであるTaX5で表されるペンタハロゲン化物から選ばれることを特徴とする請求の範囲第7項記載の方法。
  11. 紫外線露光による最後の処理の後に、フッ化シランを含む耐摩耗性層が堆積されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの堆積された層が、高屈折率を有するポリマー材料から成る層であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  13. 加えて、少なくとも1つの他の堆積された層が、
    −低屈折率を有する高密度化/架橋結合されたポリマー層と、
    −平均的屈折率を有する高密度化/架橋結合されたポリマー層と、
    −フッ化シランを含む耐摩耗性層と、
    から選ばれることを特徴とする請求の範囲第12項記載の方法。
  14. 広スペクトル帯域幅の反射防止性特性を有する光学材料を製造し、次に有機物又は無機物タイプの基板上に、
    −平均的屈折率を持つ層と、
    −高屈折率を持つ層と、
    −低屈折率を持つ層と、
    を続けて堆積する操作を伴うことを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。
  15. 更に、前記基板上に耐摩耗性層を堆積する操作を伴うことを特徴とする請求の範囲第14項記載の方法。
  16. 狭スペクトル帯域幅の反射防止性特性を有する光学材料を製造し、次に、有機物又は無機物タイプの基板上に、
    −高屈折率を持つ層と、
    −低屈折率を持つ層と、
    を続けて堆積する操作を伴うことを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。
  17. 更に、前記基板上に耐摩耗性層を堆積する操作を伴うことを特徴とする請求の範囲第16項記載の方法。
  18. 反射特性を有する光学材料を製造し、次に有機物又は無機物タイプの基板上に、
    −低屈折率を持つ層と、
    −高屈折率を持つ層と、
    を含む少なくとも1シーケンスを成す2つの層を続けて堆積する操作を伴うことを特徴とする請求の範囲第13項記載の方法。
  19. 更に、前記基板上に耐摩耗性層を堆積する操作を伴うことを特徴とする請求の範囲第18項記載の方法。
  20. 前記高屈折率層が酸化タンタルを含むポリマー層であることを特徴とする請求の範囲第12項記載の方法。
  21. 前記平均的屈折率層が、酸化タンタルと酸化シリコン又は酸化マグネシウムを含むポリマー材料から形成され、酸化タンタルと酸化シリコン又は酸化マグネシウムの等価物、すなわちTa25/SiO2又はTa25/MgOの相対的な比が0/100から100/0までの範囲で可変であり、前記の形成に次いで、得られるポリマー層の屈折率が随意に変更可能であることを特徴とする請求の範囲第13項乃至第19項の何れか一項記載の方法。
  22. 前記低屈折率層が、HCl媒体中で製造されたポリマーシリカ、HNO3媒体中で製造されたポリマーシリカ及びオリゴマーシリカから選ばれることを特徴とする請求の範囲第13項乃至第19項の何れか一項記載の方法。
  23. 前記耐摩耗性層がC613−CH2CH2−Si(OEt)3又はC613−CH2CH2−SiCl3から形成されることを特徴とする請求の範囲第13項乃至第19項の何れか一項記載の光学的な方法。
  24. −前記基板を洗浄・除去するステップと、
    −平均的屈折率を有する前記層を前記洗浄済み基板上に堆積するステップと、
    −前記平均的屈折率を有する前記堆積済みの層を紫外線に露光することによって高密度化/架橋結合するステップと、
    −前記高屈折率層を堆積するステップと;
    前記堆積済み高屈折率層を紫外線に露光することによって高密度化/架橋結合するステップと、
    −前記低屈折率層を堆積するステップと、
    −前記堆積済み低屈折率層を紫外線に露光することによって高密度化/架橋結合するステップと;
    −前記耐摩耗性層を前記低屈折率層に付着させるステップと、
    −付着された層と前記基板から成る前記アセンブリを熱処理するステップと、
    を含むことを特徴とする、広スペクトル帯域幅の反射防止材を製造する請求の範囲第14項又は第15項記載の方法。
  25. 請求の範囲第1項から第24項までの何れかの項による方法を用いて製造されることを特徴とする光学材料。
  26. 請求の範囲第1項記載の方法に使用するための溶媒中の溶液であって、X=F、Br、I、ClであるTaX5で表されるペンタハロゲン化物から選択される金属又は半金属の前駆物質を含む第一の分子化合物と、随意で、前記金属又は半金属とは異なる金属又は半金属を持つ1つ以上の金属又は半金属化合物とを含む溶液。
  27. 前記溶媒が、Rが1個から5個の炭素原子を持つアルキル基をあらわす化学式ROHを持つ飽和脂肪酸アルコールから選ばれることを特徴とする請求の範囲第26項記載の溶液。
  28. 前記前駆物質及び前記1つ以上の異なる化合物が、アルコキシド,ハロゲン化物及び他の金属又は半金属の塩から選ばれることを特徴とする請求の範囲第26項記載の溶液。
  29. 前記金属又は半金属が、タンタル、チタン、シリコン、イットリウム、スカンジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ソリウム、ニオビウム、ランタム、アルミニウム、及びマグネシウムから選ばれることを特徴とする請求の範囲第26項記載の溶液。
  30. 前記のX=F、Br、I、ClであるTaX5で表されるペンタハロゲン化物から選択される金属又は半金属の前駆物質、及び随意的な前記異なる金属又は半金属化合物の濃度が、質量比で溶液中の金属酸化物又は半金属酸化物の1〜20%、好ましくは5〜10%であることを特徴とする請求の範囲第26項記載の溶液。
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