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JP4222319B2 - マイクロリレー - Google Patents

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JP4222319B2
JP4222319B2 JP2005018982A JP2005018982A JP4222319B2 JP 4222319 B2 JP4222319 B2 JP 4222319B2 JP 2005018982 A JP2005018982 A JP 2005018982A JP 2005018982 A JP2005018982 A JP 2005018982A JP 4222319 B2 JP4222319 B2 JP 4222319B2
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    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
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    • H01H51/22Polarised relays
    • H01H51/2272Polarised relays comprising rockable armature, rocking movement around central axis parallel to the main plane of the armature
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Description

本発明は、少なくとも一部の構成要素が半導体微細加工技術を用いて形成されるマイクロリレーに関するものである。
従来から、この種のマイクロリレーとして、一対の固定接点と、両固定接点間に跨る形で両固定接点間を短絡する可動接点とで構成される接点装置を備えたものが知られている。このマイクロリレーでは、可動接点が両方の固定接点に接触することにより両固定接点間が閉極されるものであるから、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いであれば、厚み寸法の大きい一方の固定接点にのみ可動接点が接触する片あたり状態になり、接触不良となる可能性がある。
上述の接点装置を開閉する駆動装置としては、可動接点が設けられた板状のアマチュアを固定接点が並設されたケースの一面に平行に配置し、アマチュアを厚み方向に直進往復動作させることにより接点装置を開閉するものと、ケースによってアマチュアの長手方向の中間部を支点としてアマチュアをシーソ動作可能に支持し、アマチュアをシーソ動作させることにより接点装置を開閉するものとがある。
前者の駆動装置を採用したマイクロリレーにおいては、各固定接点に厚み方向の弾性を付与するとともに、可動接点と両固定接点との一方の厚み寸法を連続的に変化させることにより、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いであっても、可動接点が両固定接点の対向する端部を弾性変形させて両固定接点との接触圧を確保することにより片あたりを防止するものがある(たとえば特許文献1参照)。しかし、少なくとも一部の構成要素が半導体微細加工技術を用いて形成されるような小型のマイクロリレーにおいて、特許文献1に記載のように、可動接点(あるいは固定接点)の厚み寸法を連続的に変化させるには多くの工程を要し、製造に手間がかかる。
また、前者の駆動装置を採用したマイクロリレーにおいて、可動接点をアマチュアの中央部に形成された開口部内に配置し、アマチュアと可動接点とをねじれ変形可能な接圧ばね(薄板梁部)を介して連結することにより、可動接点をアマチュアに対して揺動可能としたものもある(たとえば特許文献2参照)。このマイクロリレーでは、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いの場合に、可動接点はアマチュアに対して傾いた状態で両固定接点に接触し片あたりを防止する。しかし、マイクロリレーにおいては接圧ばねの変形量を十分に確保することができず、両固定接点間の厚み寸法の差が大きくなると可動接点を両固定接点に接触させることができないことがある。
一方、後者の駆動装置(つまりアマチュアをシーソ動作させるもの)を採用したマイクロリレーにおいて片あたりを防止する構成としては、接圧ばねを介してアマチュアと可動接点とを連結する構成を転用することにより、図10に示すように、アマチュア30の長手方向においてアマチュア30と可動接点39とが並設され、かつアマチュア30と可動接点39とがアマチュア30の厚み方向に弾性を有した接圧ばね35を介して連結されたものが考えられる。接圧ばね35は一対設けられ、それぞれアマチュア30の長手方向の一端縁におけるアマチュア30の幅方向の両端部から突出しており、先端がそれぞれ可動接点39におけるアマチュア30の幅方向の両端部に連結される。
特開2000−348593号公報 特開2000−243202号公報
ところで、図10に示す構成では、接圧ばね35の基端部がアマチュア30の長手方向においてアマチュア30のシーソ動作の支点から比較的近い位置に存在するから、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いである場合に、厚み寸法の大きい一方の固定接点にのみ可動接点39が接触した後の接触ばね35の基端部の移動量が比較的小さい。したがって、両固定接点の厚み寸法の差が大きくなると可動接点39を厚み寸法の小さい他方の固定接点に接触させることができず、片あたりとなる可能性がある。また、可動接点39が両固定接点に接触した後の接触ばね35の基端部の移動量も小さいから、たとえば外部からの衝撃などによりアマチュア30が厚み方向に移動したときに可動接点39が固定接点から外れ易いという問題がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、対となる固定接点の厚み寸法の差が比較的大きくても両固定接点に可動接点を接触させることができ、かつ可動接点が両固定接点から外れ難いマイクロリレーを提供することを目的とする。
請求項1の発明では、矩形板状のアマチュアと、アマチュアを収納するとともにアマチュアの長手方向の中間部を支点としてアマチュアを厚み方向にシーソ動作可能に支持するケースと、アマチュアおよびケースに設けられアマチュアをシーソ動作させる駆動装置と、アマチュアの長手方向においてアマチュアに並設された接点基台と、アマチュアと接点基台とを連結するとともにアマチュアの厚み方向に弾性を有した接圧ばねと、ケースの内周面においてアマチュアのシーソ動作に従って接点基台が離接する部位に並設された一対の固定接点と、接点基台における両固定接点との対向面に設けられ両固定接点との接触時に両固定接点間に跨る形で両固定接点間を短絡する可動接点とを備え、アマチュアは、長手方向における各端縁の両端部から前記長手方向に延出されたばね支持片を連続一体に有しており、接点基台は、アマチュアの幅方向に並ぶ一対のばね支持片の間に位置しており、各ばね支持片は、先端部がアマチュアの長手方向において接点基台よりもアマチュアのシーソ動作の支点から離れるような突出寸法に設定されており、接圧ばねは、ばね支持片の先端部から突出し、先端が接点基台におけるアマチュアの幅方向の各側縁に一体に連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、アマチュアの長手方向において接点基台よりもアマチュアのシーソ動作の支点から離れた位置で接圧ばねがアマチュアに連結されているので、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いである場合に、可動接点が厚み寸法の大きい一方の固定接点に接触した後の接圧ばねにおけるアマチュアとの連結部の移動量を図10の構成よりも大きくできる。したがって、両固定接点の厚み寸法の差が大きくても、厚み寸法の小さい他方の固定接点に接触するまで可動接点を押し込むことができ、両固定接点に可動接点を接触させることができる。しかも、可動接点が両固定接点に接触した後の接圧ばねにおけるアマチュアとの連結部の移動量も図10の構成に比べて大きいから、たとえば外部からの衝撃などによりアマチュアが厚み方向に移動したとしても、可動接点は固定接点から外れ難い。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記接点基台が、一対の前記固定接点の間に対応する部位が固定接点に対応する部位よりも前記アマチュアの厚み方向において薄肉に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、接点基台における一対の固定接点の間に対応する部位がアマチュアの厚み方向に可撓性を有するから、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いであっても、接点基台の撓みにより両固定接点に可動接点を接触させることができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記接点基台が、一対の前記固定接点の間に対応する部位が固定接点に対応する部位よりも前記アマチュアの板面に沿う面内で両固定接点が並ぶ方向と交わる方向において薄肉に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、接点基台における一対の固定接点の間に対応する部位がねじれ変形可能になるから、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いであっても、接点基台がねじれ変形することにより両固定接点に可動接点を接触させることができる。
本発明は、アマチュアの長手方向において接点基台よりもアマチュアのシーソ動作の支点から離れた位置で接圧ばねがアマチュアに連結されているので、対となる固定接点の厚み寸法が不揃いである場合に、可動接点が厚み寸法の大きい一方の固定接点に接触した後の接圧ばねにおけるアマチュアとの連結部の移動量を大きくできる。したがって、両固定接点の厚み寸法の差が大きくても、厚み寸法の小さい他方の固定接点に接触するまで可動接点を押し込むことができ、両固定接点に可動接点を接触させることができるという効果を奏する。しかも、可動接点が両固定接点に接触した後の接圧ばねにおけるアマチュアとの連結部の移動量も大きいから、たとえば外部からの衝撃などによりアマチュアが厚み方向に移動したとしても、可動接点は固定接点から外れ難い。
(実施形態1)
本実施形態のマイクロリレーは、図1および図2に示すように、直方体状のケースAを有し、ケースA内に収納され規定の支点の回りでシーソ動作する矩形板状のアマチュア30を備えたアマチュアブロック3と、ケースAの定位置に設けた固定接点14とアマチュア30の端部に設けた可動接点39とからなりアマチュア30のシーソ動作に従って開閉する接点装置とを備える。また、本実施形態では、アマチュア30をシーソ動作させる駆動装置として電磁石を用いる電磁駆動型のマイクロリレーを示し、上方に開放されたコ字状のヨーク20に2個のコイル22を巻装した電磁石装置2がケースAに固定される。
ケースAは、矩形板状のボディ1と、アマチュアブロック3の一部であってアマチュア30の全周を囲む矩形枠状のフレーム31と、フレーム31を介してボディ1に積層されボディ1との間にアマチュア30がシーソ動作する空間を形成するカバー4とにより形成される。また、カバー4はアマチュア30がシーソ動作する空間を確保するために、ボディとの対向面の略全面に、動作用凹所40(図7参照)を形成してある。ボディ1およびカバー4はパイレックス(登録商標)のような耐熱ガラスを用いて形成され、アマチュアブロック3は単結晶シリコンからなる半導体基板を用いて形成される。したがって、ボディ1とフレーム31とカバー4とは互いの対向面にそれぞれ接合用金属薄膜15,38a,38b,42(図1、図6、図7参照)が形成され、接合用金属薄膜15,38a,38b,42を接合させることによって互いに固着される。接合用金属薄膜15,38a,38b,42については後述する。ボディ1とフレーム31とカバー4とは外周形状が略同寸法の矩形状に形成されており、互いに接合することによって直方体状になる。
ボディ1は、図3に示すように、平面視が十字状でありボディ1の厚み方向に貫通する収納孔16を中央部に有し、円形に開口しボディ1の厚み方向に貫通するスルーホール10を四隅にそれぞれ有している。また、ボディ1の厚み方向の両面においてスルーホール10の開口周縁にはそれぞれ円形のランド12(図3,図5参照)が形成される。1個のスルーホール10についてボディ1の厚み方向の両面に形成される2個のランド12は、スルーホール10の内周面に被着した導電層を介して電気的に接続される。ボディ1の厚み方向においてカバー4に対向しない面では、各ランド12にそれぞれバンプ13が固着され、スルーホール10の開口部がバンプ13により閉塞される。ボディ1の厚み方向においてカバー4に対向する一面の長手方向の両端部では、ボディ1の幅方向に並ぶ各一対のスルーホール10の間の部位に、ボディ1の長手方向に延長された各一対の固定接点14が形成される。各ランド12は各固定接点14の長手方向の一端部と導電パターン18を介して接続され、各バンプ13が各固定接点14にそれぞれ一対一に接続される。また、ボディ1のこの一面ではスルーホール10の開口面がそれぞれランド12を覆うシリコン薄板の蓋板19により閉塞される。ここに、スルーホール10の内周面に被着した導電層と、ランド12、固定接点14、導電パターン18とを形成する導電性材料は、たとえば、Cu、Cr、Ti、Pt、Co、Ni、Au、もしくはこれらの合金から選択される。バンプ13を形成する導電性材料は、たとえば、Au、Ag、Cu、半田から選択される。
なお、スルーホール10と収納孔16とは、たとえば、サンドブラスト法、エッチング法から選択した方法により形成し、上述の導電層は、たとえば、メッキ法、蒸着法、スパッタ法から選択した方法により形成する。
ところで、ボディ1の厚み方向においてカバー4に対向する一面にはシリコン薄板からなり収納孔16を閉塞する蓋板17が固着されている。以下では蓋板17,19もボディ1の一部とする。収納孔16の内周面と蓋板17とにより囲まれる空間は電磁石装置2を収納する収納室になり、収納室に電磁石装置2を収納した後に収納室にポッティングなどによって樹脂を充填することにより、電磁石装置2の保護と固定とがなされる。収納孔16に充填する樹脂には、硬化後にも弾性を持つシリコン樹脂などを用いるのが望ましい。収納孔16の内周面は、蓋板17により閉塞される一方の開口面から他方の開口面に向かって開口面積を広げるテーパ状に形成されており、蓋板17で閉塞される一方の開口面の開口面積を比較的小さくしながらも、他方の開口面からの電磁石装置2の挿入作業が容易になるようにしてある。つまり、前記一方の開口面において収納孔16の周囲にはランド12のほか固定接点14や導電パターン18を形成する必要があるから、収納孔16の開口面積が小さいほうが固定接点14や導電パターン18の配置に余裕ができ、結果的に小型化につながる。
なお、蓋板17,19には、シリコン基板をエッチングまたは研磨により薄厚化することにより形成したシリコン薄板を用い、厚み寸法はたとえば20μmに設定される。なお、蓋板17の厚み寸法は20μmに限らず、5μm〜50μm程度の範囲内で適宜に設定される。また、蓋板17,19として、シリコン薄板に代えてガラス基板をエッチングや研磨などで薄厚化することにより形成したガラス薄板を用いてもよい。
電磁石装置2は、図2、図4に示すように、2個のコイル22が巻装される矩形板状のコイル巻片20aの長手方向の両端部にそれぞれ脚片20bを延設したコ字状のヨーク20を備える。コイル巻片20aおよび脚片20bは断面矩形状に形成される。各コイル22は、コイル巻片20aの長手方向の各端部にコイルボビンを用いずに直に巻装される。また、コイル巻片20aの長手方向の中央部であって両コイル22の間には直方体状の永久磁石21が配置される。各コイル22はそれぞれ、永久磁石21とヨーク20の脚片20bとによってコイル巻片20aの長手方向への移動が規制される。
永久磁石21は図4の上下方向に着磁されており、永久磁石21の下側の磁極はコイル巻片20aに磁気結合される。永久磁石21の上端面は脚片20bの上端面と高さ位置が等しく、蓋板17に脚片20bの先端面(図4の上端面)を当接させるように電磁石装置2を収納室(収納孔16)に収納すると、永久磁石21の一端面(図4の上端面)も蓋板17に当接する。
コイル巻片20aを介して永久磁石21の反対側にはプリント基板からなる接続基板23が配置され、接続基板23はコイル巻片20aに固着される。接続基板23は矩形板状であり、接続基板23の長手方向はコイル巻片20aの長手方向に直交する。接続基台23は、図5に示すように、絶縁基板23aの一面における長手方向の両端部にそれぞれ独立した導体パターン23bが形成されたものであり、各導体パターン23bのうちの円形部分に外部回路が接続され、矩形部分にコイル22の末端が接続される。外部回路を接続する部位には、Au、Ag、Cu、半田から選択した材料からなるバンプ24が固着される。
上述した2個のコイル22は接続基板23に設けた導体パターン23bのうちの矩形部分に接続され直列または並列に接続される。言い換えると、両コイル22の一方に通電すれば他方にも通電されるのであって、両コイル22はヨーク20の両脚片20bの先端面が互いに異極に励磁されるように接続されている。したがって、永久磁石21で生じている磁束に対して、一方のコイル22で生じる磁束は同向きになり、他方のコイル22で生じる磁束は逆向きになるから、一方の脚片20bの先端面の周囲では磁束密度が大きくなり、他方の脚片20bの先端面の周囲では磁束密度が小さくなる。どちらの脚片20bにおいて磁束密度を大きくするかは、コイル22に流す電流の向きにより選択される。
上述の例では接続基板23の導体パターン23bにバンプ24を固着しているが、バンプ24に代えてボンディングワイヤを接続するための電極パッドを設けてもよい。なお、ヨーク20は、電磁軟鉄のような軟磁性材料の板材を曲げ加工するか、軟磁性材料を鋳造加工するか、プレス加工することにより形成される。
アマチュアブロック3は、単結晶シリコンのシリコン基板からなる半導体基板を半導体微細加工技術で加工することによって形成されるものであり、図6に示すように、矩形枠状のフレーム31の内側に矩形板状のアマチュア30を配置してある。アマチュア30には、図2、図6に示すように、アマチュア30の厚み方向のうち蓋体17と対向する一面に、電磁石装置2との間で磁力が生じる磁性体材料からなる接極子板30bが積層される。接極子板30bは、電磁石装置2とともにアマチュア30をシーソ動作させる駆動装置を構成する。接極子板30bの材料は、Fe、Co、Ni、その合金、または、これらの材料に微量のSi、Mo、Vなどを添加した材料であって、たとえば軟鉄、電磁ステンレス、パーマロイ、42アロイ、パーメンジュールなどから選択される。また、接極子板30bは機械加工のほか、エッチング加工やメッキにより形成することができる。フレーム31とアマチュア30とは4本の支持ばね32により一体に連結される。支持ばね32については後述する。
アマチュア30の長手方向に沿った各側縁の両端部および各側縁の中間部には、それぞれ突片33,36がアマチュア30と連続一体に突設される。各突片33において蓋板17との対向面には先細りになった四角錘台状のストッパ突起33aが突設され、各突片36において蓋板17との対向面には先細りになった四角錐台状の支点突起36bが突設される。支点突起36bの先端はつねに蓋板17に当接し、アマチュア30がシーソ動作する際の支点を規定する機能を有する。また、ストッパ突起33aの先端はアマチュア30がシーソ動作したときにボディ1に先端が当接することによってアマチュア30の移動範囲を規制する機能を有する。
各支持ばね32は、アマチュア30の長手方向に沿った各側縁において突片36の両側にそれぞれ一端が連続し、前記一端に対してアマチュア30の幅方向に離間した部位で他端がフレーム31に連続する。ここで、各支持ばね32は、アマチュア30と略同面内でアマチュア30の幅方向に往復する蛇行状に形成されている。この構成により、支持ばね32はアマチュア30をシーソ動作により移動可能な範囲の中間位置である平衡位置、つまりアマチュア30と蓋板17とが平行する位置に支持する。そして、支持ばね32は、アマチュア30が上述した支点の回りでシーソ動作して平衡位置から傾くと、ねじれ変形することにより平衡位置に復帰する復帰力をアマチュア30に作用させる。また、支持ばね32を蛇行状に形成することにより長さ寸法を確保しているから、アマチュア30がシーソ動作する際に支持ばね32に生じる応力を分散させることができ、支持ばね32の破損を防止することができる。
上述したように、ボディ1にフレーム31が結合され、かつ支点突起36bの先端が蓋板17に当接した状態でアマチュア30がシーソ動作するのであるから、アマチュア30はフレーム31よりも薄肉であり、アマチュア30の厚み寸法は、アマチュアブロック3とボディ1とを固着した状態において、アマチュア30に設けた接極子板30bと蓋板17との間にアマチュア30のシーソ動作が可能となる程度のギャップが形成されるように設定されている。
フレーム31の内周面であってアマチュア30の各側縁に突設された突片36の先端縁に対向する部位には、フレーム31から連続一体に突片37が突設されている。すなわち、アマチュア30に突設した突片36とフレーム31に突設した突片37とは互いの先端面同士が対向する。アマチュア30側の各突片36の先端縁には平面視で先端縁から突出する移動規制突部36aが形成され、フレーム31側の各突片37の先端縁には平面視で先端縁から凹没して移動規制突部36aが入る移動規制凹部37aが形成される。したがって、移動規制突部36aが移動規制凹部37aにより位置規制され、アマチュア30の板面に沿う面内におけるアマチュア30の移動が規制される。ただし、アマチュア30のシーソ動作が移動規制突部36aおよび移動規制凹部37aによって妨げられることがないように、移動規制凹部37aと移動規制突部36aとの間にはあそびがあるので、アマチュア30の板面に沿う面内におけるアマチュア30の移動が完全に禁止されることはない。
アマチュアブロック3には、アマチュア30の長手方向においてアマチュア30とフレーム31との間にそれぞれ接点基台34が設けられる。各接点基台34におけるボディ1との対向面(図2における下面)はアマチュア30の下面よりも下方に突出し、各接点基台34の下面には、それぞれ導電性材料からなる可動接点39が固着される。接点基台34の厚み寸法(上下寸法)と可動接点39の厚み寸法との合計寸法は、接点装置の開極時に可動接点39と固定接点14との間の距離が所望の絶縁距離を保つように設定される。各接点基台34はそれぞれアマチュア30の厚み方向に弾性を有する2本の接圧ばね35を介してアマチュア30に連結されている。接圧ばね35については後述する。
ここに、アマチュア30の長手方向において、接点基台34はアマチュア30に並設されており、結果的に接極子板30bの端縁よりも支点突起36bから離れている。つまり、電磁石装置2からの磁力を受けてアマチュア30がシーソ動作する際に、接極子板30bよりも接点基台34の移動量のほうが大きくなる。また、アマチュア30の長手方向において、ストッパ突起33aは、支点突起36bと接点基台34との間に位置する。したがって、アマチュア30がシーソ動作する際に、ストッパ突起33aの移動量よりも接点基台34の移動量のほうが大きくなる。つまり、接点基台34の先端面に固着される可動接点39が固定接点14に接触した後にストッパ突起33aによりアマチュア30の移動が規制されるのである。
ところで、本実施形態では、図1、図6に示すように、アマチュア30の長手方向における各端縁の両端部からアマチュア30の長手方向に延出するばね支持片30aをアマチュア30に連続一体に設けてある。上述したように、アマチュア30の側縁の両端部にはそれぞれ突片33が設けられているから、ばね支持片30aは突片33の端縁から突出する形になる。各接点基台34はそれぞれアマチュア30の幅方向に並ぶ一対のばね支持片30aの間に位置しており、各ばね支持片30aは、先端部がアマチュア30の長手方向において接点基台34よりも支点突起36bから離れるような突出寸法に設定される。そして、一対のばね支持片30aに対して、2本の接圧ばね35を介して1つの接点基台34が連結される。ばね支持片30aは、接圧ばね35に比べて高い剛性を有しており、接圧ばね35のように撓むことなない。
ここにおいて、接圧ばね35は、ばね支持片30aの先端部から突出しており、先端が接点基台34の各側縁に一体に連結されている。つまり、接圧ばね35の基端部(アマチュア30との連結部)は、アマチュア30の長手方向において接点基台34よりも支点突起36bから離れて位置する。接圧ばね35の形状を詳しく説明すると、接点基台34から突出した部分はアマチュア30の幅方向に沿って延長され、ばね支持片30aから突出した部分はアマチュア30の長手方向に沿って延長され、両者の先端同士が連続することにより平面視がL字状のばねを形成している。
上述の説明から明らかなように、アマチュアブロック3を構成する要素のうち、フレーム31、アマチュア30、支持ばね32、接点基台34、接圧ばね35は、半導体基板から半導体微細加工技術によって形成される。半導体基板としては、厚み寸法が50μm〜300μm程度の厚み寸法、望ましくは200μm程度の厚み寸法のシリコン基板を用いる。アマチュアブロック3に設けた接点基台34は、半導体基板にエッチングなどの半導体微細加工技術を適用することによってアマチュア30と連続一体に形成される。
アマチュアブロック3のフレーム31は、ボディ1およびカバー4と接続する必要があるから、アマチュアブロック3のフレーム31において、ボディ1との対向面の周部には全周に亘って接合用金属薄膜38bが形成され、カバー4との対向面の周部には全周に亘って接合用金属薄膜38aが形成される。また、ボディ1におけるアマチュアブロック3との対向面の周部には接合用金属薄膜38bに接合される接合用金属薄膜15が全周に亘って形成され、カバー4におけるアマチュアブロック3との対向面の周部には図7に示すように接合用金属薄膜38aに接合される接合用金属薄膜42が全周に亘って形成される。したがって、接合用金属薄膜38bと接合用金属薄膜15とを接合するとともに、接合用金属薄膜38aと接合用金属薄膜42とを接合することによって、ボディ1とアマチュアブロック3とカバー4とを圧接または陽極接合により気密的に接合することができ、しかも収納孔16およびスルーホール10を蓋板17,19で閉塞しているから、ボディ1とカバー4とフレーム31とにより囲まれアマチュア30および接点装置(固定接点14と可動接点39)が収納される空間を気密的に封止することができる。なお、接合用金属薄膜15,38a,38b,42の材料は、Au、Al−Si、Al−Cuから選択される。
次に、上述したマイクロリレーの動作を説明する。本実施形態のマイクロリレーは、2個のコイル22を備えているが、両コイル22は直列または並列に接続されているから1個のコイルを設けている場合と等価である。図1に示すように、アマチュア30に設けた接極子板30bは、長手方向の中央部において永久磁石21の一方の磁極に蓋板17を介して対向し、長手方向の両端部においてヨーク20の各脚片20bの先端面に蓋板17を介して対向している。コイル22に通電すると、コイル22により生じた磁束は、ヨーク20の一方の脚片20bでは永久磁石21により生じている磁束と同じ向きになり、他方の脚片20bでは永久磁石21により生じている磁束と逆向きになるから、前記一方の脚片20bの先端面と接極子板30bとの間に吸引力が作用し、接極子板30bの長手方向の端部が前記一方の脚片20bの先端面に吸引される。つまり、両支点突起36bの先端間を結ぶ直線付近を支点としてアマチュア30が平衡位置から傾く。このとき、アマチュア30の長手方向の各端部に対応する部位に設けた接点基台34のうちヨーク20の脚片20bからの吸引力を受けた一端部側の接点基台34がボディ1に近づくから、この接点基台34に設けた可動接点39が対向する一対の固定接点14に接触し、両固定接点14間を可動接点39で短絡する。
可動接点39が固定接点14に接触した時点ではストッパ突起33aの先端はボディ1には当接せず、アマチュア30がさらに傾くことによって接圧ばね35が撓み、可動接点39と固定接点14との間にオーバトラベル量(可動接点39が固定接点14に接触した後のアマチュア30の移動量)に応じた接触圧が生じる。その後、ストッパ突起33aの先端がボディ1(蓋板19)に当接してアマチュア30の移動が規制される。この状態でコイル22への通電を停止しても、永久磁石21によって接極子板30bは脚片20bに吸引された状態に保たれ、可動接点39が固定接点14に接触した状態が維持される。
アマチュア30の長手方向の一方の可動接点39を対応する固定接点14から開極させるには、コイル22に対して上述した向きとは逆向きの電流を通電する。コイル22に通電する電流の向きが逆になれば、コイル22により生じた磁束は、ヨーク20の他方の脚片20bで永久磁石21により生じている磁束と同じ向きになるから、他方の脚片20bに接極子板30bが吸引され、アマチュア30の長手方向の他端部に対応する接点基台34に設けた可動接点39が対向する一対の固定接点14に接触する。この場合も、接圧ばね35により接触圧が生じ、ストッパ突起33aによりアマチュア30の移動が規制される。また、本実施形態は双安定に動作するものであって、この位置でも永久磁石21の磁力により接極子板30bが他方の脚片20bに吸引された状態に保たれ、可動接点39が固定接点14に接触した状態が維持される。
ところで、接圧ばね35は、上述したように可動接点39と固定接点14との間に接触圧を生じるだけでなく、対となる固定接点14の厚み寸法が不揃いの場合などに、可動接点39が形成された接点基台34をアマチュア30に対して傾けることにより、可動接点39が一方の固定接点14にのみ当接する片あたりを防止する機能も有する。すなわち、図8(a)に示すように対となる固定接点14において厚み寸法に差(図中aで示す)がある場合に、アマチュア30が平衡位置から傾くと、可動接点39はまず、図8(b)に示すように一方の固定接点14のみに接触する(片あたり状態)。そして、さらにアマチュア30が傾くことにより図8(c)に示すように、接圧ばね35を撓ませながら可動接点39をアマチュア30に対して傾けることにより、可動接点39を両固定接点14に接触させることができる。
ここにおいて、本実施形態では、上述したように接圧ばね35がばね支持片30aの先端部から突出しており、アマチュア30の長手方向において接圧ばね35の基端部(アマチュア30との連結部)が支点突起36bから極力離れるような構成を採用しているから、対となる固定接点14の厚み寸法が不揃いである場合に、可動接点39が厚み寸法の大きい一方の固定接点14にのみ接触した後の接圧ばね35の基端部の移動量を大きくできる。したがって、対となる固定接点14の厚み寸法の差が大きくても、厚み寸法の小さい他方の固定接点14に接触するまで可動接点39を押し込むことができ、両固定接点14に可動接点39を接触させることができる。しかも、可動接点39が両固定接点14に接触した後の接圧ばね35の基端部の移動量も大きいから、たとえば外部からの衝撃などによりアマチュア30が厚み方向に移動したとしても、接圧ばね35の先端に連結された可動接点39は固定接点14から外れ難いという利点がある。
上述したマイクロリレーをプリント基板のような実装基板に実装する際には、ケースA(ボディ1)の外側面に露出している四隅の4個のバンプ13と中央部の2個のバンプ24とをそれぞれ実装基板に形成した導体パターンに接続すればよい。あるいはまた、実装基板にカバー4の先端面を当接された形でケースAを実装基板に固定し、ケースAから露出しているバンプ13,24を実装基板に対してワイヤボンディングにより接続することも可能である。
なお、本実施形態では、ボディ1およびカバー4をそれぞれガラス基板の加工により形成しているが、ボディ1とカバー4との一方あるいは両方をシリコン基板の加工により形成してもよい。ただし、ボディ1およびカバー4をそれぞれガラス基板で形成し、アマチュアブロック3に用いる半導体基板をシリコン基板とする場合には、アマチュアブロック3とボディ1およびカバー4とを陽極接合によって気密的に結合することが可能である。上述したマイクロリレーは、アマチュアブロック3を多数形成したウエハと、カバー4を多数形成したウエハとの接合後に、ダイシング工程などによって個々のマイクロリレーに分割して製造することが可能である。
(実施形態2)
本実施形態のマイクロリレーは、可動接点39を設けた接点基台34の形状が、実施形態1に用いた接点基台34(図9(a)参照)とは異なるものであって、接点基台34以外の構成は実施形態1において説明したものと同様である。
本実施形態の各接点基台34は、長手方向(一対の固定接点14が並ぶ方向)の両端部にそれぞれアマチュア30のシーソ動作によって各固定接点14に離接する接触部34aと、両接触部34aを連続一体に連結する連結部34bとでそれぞれ構成される。連結部34bは、アマチュア30の厚み方向に接触部34aよりも薄肉であって、本実施形態では、図9(b)に示すように、アマチュア30の厚み方向において接圧ばね35と同程度の厚み寸法に形成される。ここで、連結部34bは、アマチュア30の厚み方向においてボディ1とは反対側に偏って配置される。可動接点39は、両接触部34aおよび連結部34bの下面(ボディ1との対向面)に形成されており、さらに、各接触部34aにおける他方の接触部34aとの対向面にも形成されることにより両接触部34aに設けられた可動接点39同士が連結片34bに設けられた可動接点39を介して電気的に接続される。
この構成では、対となる固定接点14の厚み寸法が不揃いであっても、一方の接触部34aが一方の固定接点14に接触した状態で、両固定接点14の厚み寸法の差分だけ連結部34bが撓むことにより、他方の接触部34aを他方の固定接点14に接触させることができる。すなわち、連結部34bを薄肉として接点基台34にフレーム30の厚み方向の可撓性を付与したことによって、対となる固定接点14の厚み寸法が不揃いであっても、連結部34bの撓みにより両接触部34aに設けた可動接点39を両固定接点14に接触させることができる。
また、連結部34bは、図9(c)に示すように、アマチュア30の長手方向において接触部34aよりも薄肉に形成されていてもよい。図9(c)では、連結部34bは、アマチュア30の長手方向においてアマチュア30側に偏って配置され、アマチュア30の長手方向において接圧ばね35と同程度の幅寸法に形成される。可動接点39は、両接触部34aおよび連結部34bの下面(ボディ1との対向面)に形成される。この構成では、対となる固定接点14の厚み寸法が不揃いであっても、一方の接触部34aが一方の固定接点14に接触した状態で、連結部34bがねじれ変形して両接触部34aがアマチュア30の厚み方向に両固定接点14の厚み寸法の差分だけずれることにより、他方の接触部34aを他方の固定接点14に接触させることができる。すなわち、連結部34bを薄肉として接続基台34をねじれ変形可能としたことによって、対となる固定接点14の厚み寸法が不揃いであっても、連結部34bがねじれ変形することにより両接触部34aに設けた可動接点39を両固定接点14に接触させることができる。しかも、図9(c)の構成では、接点基台34の下面(ボディ1との対向面)は同一平面内にあって可動接点39が同一平面内に配置されるので、両接触部34a間を電気的に接続する可動接点39の経路を、図9(b)の構成より短くできるという利点がある。
さらに、連結部34bは、図9(d)に示すように、アマチュア30の厚み方向とアマチュア30の長手方向との両方において接触部34aより薄肉であってもよい。図9(d)に示す接点基台34は、言い換えると、図9(b)の接点基台34において、連結部34bにおけるアマチュア30の長手方向の寸法を小さくしたものである。図9(d)においては、連結部34bは断面が接圧ばね35と同寸法になる棒状に形成されている。
本発明の実施形態1の構成を示す分解斜視図である。 同上の構成を示す断面図である。 同上に用いるボディおよび蓋板を示す分解斜視図である。 同上に用いるヨークと永久磁石と蓋板との関係を示す側面図である。 同上の斜視図である。 同上に用いるアマチュアブロックを示し、(a)は平面図、(b)は下面図である。 同上に用いるカバーを示す斜視図である。 同上の要部を示す動作図である。 (a)は同上の接点基台を示す斜視図、(b)〜(d)は本発明の実施形態2の接点基台を示す斜視図である。 従来例の要部を示す下面図である。
符号の説明
2 電磁石装置
14 固定接点
30 アマチュア
30b 接極子板
34 接点基台
35 接圧ばね
39 可動接点
A ケース

Claims (3)

  1. 矩形板状のアマチュアと、アマチュアを収納するとともにアマチュアの長手方向の中間部を支点としてアマチュアを厚み方向にシーソ動作可能に支持するケースと、アマチュアおよびケースに設けられアマチュアをシーソ動作させる駆動装置と、アマチュアの長手方向においてアマチュアに並設された接点基台と、アマチュアと接点基台とを連結するとともにアマチュアの厚み方向に弾性を有した接圧ばねと、ケースの内周面においてアマチュアのシーソ動作に従って接点基台が離接する部位に並設された一対の固定接点と、接点基台における両固定接点との対向面に設けられ両固定接点との接触時に両固定接点間に跨る形で両固定接点間を短絡する可動接点とを備え、アマチュアは、長手方向における各端縁の両端部から前記長手方向に延出されたばね支持片を連続一体に有しており、接点基台は、アマチュアの幅方向に並ぶ一対のばね支持片の間に位置しており、各ばね支持片は、先端部がアマチュアの長手方向において接点基台よりもアマチュアのシーソ動作の支点から離れるような突出寸法に設定されており、接圧ばねは、ばね支持片の先端部から突出し、先端が接点基台におけるアマチュアの幅方向の各側縁に一体に連結されていることを特徴とするマイクロリレー。
  2. 前記接点基台は、一対の前記固定接点の間に対応する部位が固定接点に対応する部位よりも前記アマチュアの厚み方向において薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロリレー。
  3. 前記接点基台は、一対の前記固定接点の間に対応する部位が固定接点に対応する部位よりも前記アマチュアの板面に沿う面内で両固定接点が並ぶ方向と交わる方向において薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のマイクロリレー。
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