JP4221005B2 - 緩み止めナット - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ナイロン製で円盤状の緩み止め部材をナット本体のねじ穴内周面に備えたものが開示されている。すなわち、ナット本体をボルトに締結したときに、緩み止め部材の弾性力によって静止摩擦力を発生させ、ナット本体がボルトに対して緩まないようにしたものである。作業機械の分野では、油圧機構によってピストンを摺動させる油圧シリンダにおいて、この種の緩み止めナットが適用されたものがある。
図6に示すように、この油圧シリンダ10は、内部に作動油を充填されたシリンダ8と、シリンダ8内の作動油圧に応じた駆動力をシリンダ8外部へ伝達する軸状のピストンロッド7とを備えている。
ナイロンナット9は、図7に示すように、ピストンロッド7のねじ溝7aに螺合する金属部9aと、金属部9aの端部に形成された内溝9bの内部に嵌め込まれたナイロン部9cとから構成される。ナイロン部9cは、ピストンロッド7の外周を覆うように環状に形成されており、ナイロンナット9の締結時にピストンロッド7のねじ溝7aによって拡径方向へ圧縮されながら切削されて、ねじ溝7aの形状に略完全に合致する溝が形作られるようになっている。
また、ナイロン素材の物性に着目すると、図8(a)に示すように、一般的にその弾性率は高温になるに連れて低下する。つまり、シリンダ8内の作動油温が高くなるほどナイロン部9cによる弾性力が低下するため、ナイロンナット9の緩み止め効果が低下してしまう。
なお連結部は、一対の縦穴部同士を連結するようなスリットとして形成されている。また、雌ねじ穴の孔芯は、緩み止めナットの内周面(軸部材との締結面)に対し略垂直となることが好ましい。
また、該長穴及び該雌ねじ穴が、該軸部材の該反対面において、該軸部材の中心軸の周囲に略等間隔に複数設けられていることが好ましい(請求項2)。
また、該長穴及び該雌ねじ穴が、該軸部材の該反対面近傍に形成されていることが好ましい(請求項3)。
また、固定部材が雌ねじ穴に締結されるようになっているため、本緩み止めナットの弾性変形の度合いを、固定部材の雌ねじ穴に対する締結トルクを調節することによって比較的容易に最適化することができる。つまり、緩み止めのために必要なトルクの調節が容易である。なお、例えばナイロンナットを使用する場合と比較すると、締結時にコンタミが発生するおそれがない点も評価できる。
また、本発明の緩み止めナット(請求項2)によれば、緩み止めナットのねじ溝面に複数箇所で弾性変形させることができ、緩み止め効果を高めることができる。
また、本発明の緩み止めナット(請求項4)によれば、シリンダ内部が高温,高圧となりうる流体圧シリンダにおいて、安定した緩み止め効果を得ることができ、流体圧シリンダの性能を高めることができる。
図1〜図4は本発明の一実施形態にかかる緩み止めナットを説明するものであり、図1はその緩み止めナットの三面図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図、図2は本緩み止めナットが締結された油圧シリンダの断面図、図3は本緩み止めナットの断面図(図2のB−B断面図)、図4は本緩み止めナットの締結によるロッドとの接触面の応力分布を示す図である。
(1.全体構成)
本油圧シリンダ10は、図6に示すように、内部に作動油(作動流体)が充填された中空円筒状のシリンダ8と、シリンダ8の軸線方向(以下、単に軸方向という)に沿ってシリンダ8の外部から内部へ挿通された軸状のピストンロッド(以下、単にロッドと呼ぶ)7とを備えている。ロッド7は、シリンダ8内の作動油圧に応じた駆動力をシリンダ8の外部へ伝達するための部材である。
締結前の緩み止めナット5を分解した状態での三面図を図1(a)〜(c)に示す。緩み止めナット5の端面5b側には、接触面5a方向へ向けてダンベル状の長穴1が形成されている。ダンベル状とは両端部が膨らんだ棒形状のことをいう。ここでは、図1(b)に示すように、ロッド7の中心軸Cに対して垂直な断面の形状がダンベル状となるように、緩み止めナット5の端面5b側に加工が施されている。
二つの縦穴部1a,1aは、端面5b側からロッド7の中心軸Cと略並行に穿孔された穴であり、ともに略円形の穴形状となっている。また、これらの縦穴部1a,1aは、図1(b)に示すように、正面視においてロッド7の中心軸Cに対し略等距離となる位置に形成されている。なお、縦穴部1a,1aの端面5bからの穿孔深さは任意であるが、ここでは図1(a)に示すように、後述する雌ねじ穴2の口径よりも大きい所定長に設定されている。
本緩み止めナット5は、以下のように加工される。まず、緩み止めナット5の端面5bに、ロッド7の中心軸Cに対して略等距離となる2点にけがきがなされ、穴あけ工具を用いて、緩み止めナット5の端面5b側からピストン6との接触面5a方向へ向けて、二つの縦穴部1a,1aが穿孔される。このとき、穿孔深さは所定長であり、穿孔方向はロッド7の中心軸Cと略並行である。
上記のように加工された緩み止めナット5は、図2に示すように、縮径部7cに環装されたピストン6を固定すべく、ロッド7に締結される。なお、緩み止めナット5の接触面5aはピストン6の端面に当接した状態とされ、予め設定された所定のトルクで締め付けられる。このとき、緩み止めナット5のねじ溝面4とロッド7のねじ溝面7aとの間に作用する応力の大きさは、図4に示すように、ピストン6側に近いほど大きくなる。つまり、緩み止めナット5とロッド7との接触圧力は、緩み止めナット5の接触面5aほど大きく、反対側の端面5bほど小さい。なお、図4では、緩み止めナット5とロッド7との接触面における応力の大きさとその方向が同時に示されている。
このように、本緩み止めナット5によれば、緩み止めナット5のねじ溝面4と連結部1bの平滑面1cとの間の薄肉部分が弾性変形するため、ねじ溝面4を内側へ締め付けることができる。したがって、端面5b近傍における緩み止めナット5とロッド7との接触圧力を上昇させることができ、緩み止め効果を高めることができる。また、緩み止めナット5のねじ溝面4における端面5b側が弾性変形するため、端面5b近傍における緩み止めナット5とロッド7との接触圧力を上昇させることができる。
さらに、雌ねじ穴2に締結されるセットスクリュー3の締結トルクの大きさを制御することで、緩み止めナット5の弾性変形の度合いを容易に調節することができる。つまり、緩み止めのために必要なトルクの調節が容易である。なお、緩み止めナット5自身は塑性変形しないため、分解後の再利用も可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば上述の実施形態では、緩み止めナット5の端面5bに、長穴1及び雌ねじ穴2が一つずつ設けられているものが例示されているが、セットスクリュー3を締め付けるためのこれらの穴を複数組設けることも考えられる。
また、上述の実施形態では、連結部1bの形状が二つの縦穴部1a,1a同士を連通する平面スリットとして形成されているが、必ずしも平面である必要はなく、曲面によって囲まれた空洞として形成してもよいし、より複雑な面形状としてもよい。例えば、セットスクリュー3から平滑面1cとねじ溝面4との間の薄肉部分へ作用する応力の分布や、薄肉部分の弾性変形量等に応じて適宜設定することが考えられる。
1a 縦穴部(一対の縦穴部)
1b 連結部
1c 平滑面
2 雌ねじ穴
2a 雌ねじ溝
3 セットスクリュー(固定部材)
3a 雄ねじ溝
4 ねじ溝面
5 緩み止めナット
5a 接触面
5b 端面
6 ピストン(被固定体)
7 ピストンロッド(ロッド,軸部材)
7a ねじ溝
7b 段差
7c 縮径部
8 シリンダ
8a 内周面
9 ナイロンナット
9a 金属部
9b 内溝
9c ナイロン部
10 油圧シリンダ
Claims (4)
- 軸部材に締結されて、該軸部材に環装される被固定体を該軸部材の軸線方向へ押圧し該被固定体を固定する緩み止めナットであって、
該軸部材の該軸線方向における該被固定体との接触面の反対面において、該反対面に略垂直に穿孔形成された一対の縦穴部、及び、該一対の縦穴部の間を連通する面状の空洞として形成された連結部からなる長穴と、
該緩み止めナットの外周面と該長穴の該連結部とを連通するように筒状に穿孔されるとともに、該筒状の孔壁に雌ねじ溝を形成された雌ねじ穴と、
該雌ねじ溝に螺合する雄ねじ溝を外周面に有して該雌ねじ穴に締結される固定部材とを備え、
該一対の縦穴部の各々が、該軸部材の中心軸に対して略等距離となる位置において、略円形の穴形状の丸穴として穿孔形成されるとともに、
該連結部が、該一対の縦穴部の孔芯同士を連結する平面状に切削形成された
ことを特徴とする、緩み止めナット。 - 該長穴及び該雌ねじ穴が、該軸部材の該反対面において、該軸部材の中心軸の周囲に略等間隔に複数設けられている
ことを特徴とする、請求項1記載の緩み止めナット。 - 該長穴及び該雌ねじ穴が、該軸部材の該反対面近傍に形成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の緩み止めナット。 - 内部に作動流体を充填された中空円筒状のシリンダと、該シリンダの軸線方向に沿って該シリンダの外部から内部へ挿通された軸状のロッドと、該シリンダの内周面に摺接するように該ロッドに環装されたピストンとを備えた流体圧シリンダにおいて、該ロッドに締結されるとともに該ピストンを該ロッドの軸線方向へ押圧し該ピストンを固定するための緩み止めナットであって、
該ロッドの該軸線方向における該ピストンとの接触面の反対面において、該反対面に略垂直に穿孔形成された一対の縦穴部、及び、該一対の縦穴部の間を連通する面状の空洞として形成された連結部からなる長穴と、
該緩み止めナットの外周面と該長穴の該連結部とを連通するように筒状に穿孔されるとともに、該筒状の孔壁に雌ねじ溝を形成された雌ねじ穴と、
該雌ねじ溝に螺合する雄ねじ溝を外周面に有して該雌ねじ穴に締結される固定部材とを備え、
該一対の縦穴部の各々が、該ロッドの中心軸に対して略等距離となる位置において、略円形の穴形状の丸穴として穿孔形成されるとともに、
該連結部が、該一対の縦穴部の孔芯同士を連結する平面状に切削形成された
ことを特徴とする、緩み止めナット。
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