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JP4220480B2 - 内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置 - Google Patents

内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置 Download PDF

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JP4220480B2 JP2005015854A JP2005015854A JP4220480B2 JP 4220480 B2 JP4220480 B2 JP 4220480B2 JP 2005015854 A JP2005015854 A JP 2005015854A JP 2005015854 A JP2005015854 A JP 2005015854A JP 4220480 B2 JP4220480 B2 JP 4220480B2
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Description

本発明は、内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置に係り、特に、筒内噴射を行う燃料噴射弁に圧送する高圧燃料の吐出量を可変調節できる内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置に関する。
現在の自動車用は、環境保全の観点から自動車の排出ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の排出ガス物質の削減が求められており、これらの削減を目的として、筒内噴射内燃機関の開発が行われている。
筒内噴射内燃機関は、燃料噴射弁による燃料噴射を気筒の燃焼室内に直接行うものであり、燃料噴射弁から噴射される燃料(液体燃料)の粒径を小さくすることにより、燃焼室内における噴射燃料の燃焼を促進し、排出ガス物質の削減及びエンジン出力の向上等を図ることができる。
燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくするには、燃料の高圧化を図る手段が必要になる。このため、燃料噴射弁に高圧の燃料を圧送する高圧燃料ポンプの技術が各種提案されている。
内燃機関の高圧燃料供給装置として、カム軸駆動の高圧燃料ポンプのポンプ室に、低圧燃料の流入通路と、コモンレール(燃料リザーバ)に高圧燃料を送る供給通路と、高圧燃料を燃料タンクに戻すスピル通路とが連通され、スピル通路に設けられた電磁式スピル弁の開閉期間を制御することにより、燃料タンクへの燃料スピル量を制御してコモンレールへの高圧燃料の圧送量を調整し、燃料供給能力の向上を図ったものがある(例えば、特許文献1)。
また、電磁スピル弁(電磁リリーフ弁)の電磁コイル温度異常上昇を防ぐ目的で、常閉の電磁スピル弁に与えられる開弁信号を高圧燃料ポンプのプランジャが上死点から下死点に向かう吸入行程中における上死点過ぎの所定の位置において終了するようにしたものがある(例えば、特許文献2)。
従来の高圧燃料供給装置の動作を、図19に示されているタイミングチャートを参照して説明する。図19(d)に示されているように、所定カム軸回転角毎に、制御基準点Pbを定め、カム軸回転角度又は時間制御で、電磁式スピル弁のアクチュエータ駆動信号であるソレノイド制御信号(パルス信号)Ssdが出力される。
時点t1で、ソレノイド制御信号Ssdを終了しても、図19(e)に示されているように、電磁コイル(ソレノイド)には、しばらく電流(ソレノイド通電電流値Is>0)が流れるため、図19(f)に示されているように、ソレノイドは、吸引力Wsを維持したままとなる。
図19(a)に示されているように、時点t2で、少量吐出量要求がなされた場合、ソレノイド制御信号Ssdはプランジャ上死点付近で出力される。このとき、図19(f)に示されているように、ソレノイド吸引力Wsが次の吐出行程まで維持されたままとなった場合、高圧燃料ポンプの特性により、高圧燃料ポンプは、図19(c)に示されているように、全量吐出を行うことになる。
つまり、高圧燃料ポンプは全量吐出を行う一方で、高圧燃料ポンプには少量吐出を要求していることから、図19(b)に示されているように、計測燃料圧力は目標燃料圧力に追従することが不可能となる。
このことにより、内燃機関の運転条件における最適な燃料圧力を実現することができなくなり、気筒内のピストン表面に燃料が付着する等によって安定した燃焼が得られなくなり、排出ガスの悪化という問題が発生する。
この問題を鑑み、ソレノイド制御信号を終了するタイミングが重要であるという知見を得て、高圧燃料ポンプの吸入弁を強制弁開させる電磁アクチュエータの駆動信号終了タイミングを所定の位相に制限することにより、制御の安定性向上を図った高圧燃料ポンプ制御装置が提案されている(例えば、特許文献3)。
しかし、この高圧燃料ポンプ制御装置では、高回転時においては、制御信号出力終了後に電磁アクチュエータの電磁コイルに流れる電流を考慮すると、ソレノイド制御信号を終了しなければならない角度が制御信号出力開始位置付近となる。
このため、高圧燃料ポンプ付属の電磁アクチュエータの電磁コイルの電気抵抗のばらつきが大きいと、ソレノイドの吸引力持続必要時間を満足することができず、少量吐出を実施することができない可能性がある。
特開平10−153157号公報 特開2001−248515号公報 特開2004−19639公報
本発明は、本発明者らによる研究により、可変吐出を行う高圧燃料ポンプの制御は、ソレノイド制御信号の出力および終了タイミングの制御に加えて、運転条件に応じて電磁コイルに流れる電流波形を制御する必要があるとの新たな知見を得て、また、極低回転時のような吸引時間が必要な場合には通電時間を長くする必要があり、ソレノイドの吸引力を発生しつつ電磁コイルの発熱を抑制する制御が必要であるとの知見を得てなされたものであり、高圧燃料ポンプの可変吐出を行うための電磁アクチュエータに備え付けられた電磁コイル(ソレノイド)の電流波形をエンジン運転状態に応じて切換えを実施することにより、制御安定性の向上を図ることである。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、内燃機関の各気筒毎に設けられた筒内噴射用の燃料噴射弁に燃料を圧送する高圧燃料ポンプの燃料吐出圧力を電磁アクチュエータによって制御する高圧燃料ポンプ制御装置において、内燃機関の運転状態に応じて前記電磁アクチュエータのソレノイドに通電する電流の電流波形を切替設定する駆動信号出力手段を有する。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、好ましくは、前記電磁アクチュエータのソレノイドに対する通電は、ソレノイド制御信号によりオン・オフされるものであり、前記駆動信号出力手段による前記電流波形の切替設定は、前記ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点よりのソレノイド通電電流の減少特性を異なるものとするものである。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、好ましくは、前記ソレノイド通電電流の減少特性は、前記ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点より緩やかに減少する減少特性と、速やかに減少する減少特性であり、内燃機関の運転状態に応じてその何れかを選択的に設定する。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、好ましくは、前記ソレノイド制御信号が、所定周期、所定幅でオン・オフを繰り返し、この時に前記駆動信号出力手段が切替設定する前記電流波形は、前記ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点より緩やかに減少する減少特性である。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、好ましくは、前記駆動信号出力手段が切替設定する前記電流波形が、異なる電源電圧による成分を含む。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、好ましくは、前記駆動信号出力手段は、エンジン回転数、ソレノイド制御信号の出力タイミング、バッテリ電圧の少なくとも一つに応じて前記電流波形を切替設定する。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、好ましくは、前記駆動信号出力手段は、前記ソレノイド制御信号のオン時間に応じて前記ソレノイドに通電する時間を設定する。
本発明の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置は、エンジン運転状態に応じて高圧燃料ポンプの吐出制御を行う電磁アクチュエータのソレノイドの電流波形を切換えるから、高回転時においても、燃料圧力を最適に制御することができ、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善に貢献することができる。
本発明による内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、本発明による高圧燃料ポンプ制御装置が適用される筒内噴射式の内燃機関(エンジン)の全体構成を、図1を参照して説明する。
筒内噴射エンジン507は、多気筒エンジン、例えば、4気筒エンジンである。筒内噴射エンジン507の各シリンダ(燃焼室)507bに導入される空気は、エアクリーナ502の入口部から取り入れられ、空気流量計(エアフロセンサ)503を通り、吸気流量を制御する電制スロットル弁505aが収容されたスロットルボディ505を通ってコレクタ506に入る。
コレクタ506に吸入された空気は、エンジン507の各シリンダ507bに接続された各吸気管501に分配された後、ピストン507a、前記シリンダ507b等によって形成される燃焼室507cに導かれる。
エアフロセンサ503からは、吸気流量を表す信号がエンジン制御装置(コントロールユニット)515に出力される。スロットルボディ505には、電制スロットル弁505aの開度を検出するスロットルセンサ504が取り付けられており、その信号もコントロールユニット515に出力される。アクセルセンサ519は、アクセルペダル99の踏込量を検出し、その出力信号もコントロールユニット515に入力される。エンジン1に取り付けられた水温センサ517は、エンジン507の冷却水温度を検出し、その出力信号も同じくコントロールユニット515に入力される。
ガソリン等の燃料は、燃料タンク50から電動式の燃料ポンプ(低圧燃料ポンプ)51により一次加圧され、燃圧レギュレータ52によって一定の圧力(例えば3kg/cm )に調圧され、更る高圧燃料ポンプ1によって高圧(例えば50kg/cm )に2次加圧される。
2次加圧された高圧燃料は、コモンレール53を介して各シリンダ507bに設けられている筒内噴射仕様のインジェクタ(燃料噴射弁)54に導かれ、インジェクタから燃焼室507cに噴射される。
コモンレール53に設けられた燃圧センサ56は、2次加圧された燃料圧力を検出し、その出力信号も同じくコントロールユニット515に入力される。
燃焼室507cに噴射された燃料は、点火コイル522で高電圧化された点火信号により点火プラグ508によって着火される。
エンジン507の燃焼室507cで燃焼したガス、つまり、排気ガスは、排気管28に導かれ、触媒(図示省略)を介してエンジン507外に放出される。
排気管28に設けられたA/Fセンサ518は、排気ガスの成分から実運転空燃比を検出し、その出力信号も同じくコントロールユニット515に入力される。
エンジン507のクランク軸507dに取り付けられたクランク角センサ(以下ポジションセンサと呼ぶ)516は、クランク軸507dの回転位置を表す信号をコントロールユニット515に出力する。
また、排気弁526のカム軸29に取り付けられたクランク角センサ(以下フェーズセンサと呼ぶ)511は、カム軸29の回転位置を表す角度信号をコントロールユニット515に出力するとともに、高圧燃料ポンプ1のポンプ駆動カム100の回転位置を表す角度信号をもコントロールユニット515に出力する。
コントロールユニット515は、本発明による高圧燃料ポンプ制御装置を含むものであり、マイクロコンピュータを含む電子制御式のものである。コントロールユニット515の主要部は、図2に示されているように、MPU603、EP−ROM602、RAM604及びA/D変換器を含むI/OLSI601等で構成され、ポジションセンサ516、フェーズセンサ511、水温センサ517、並びに燃圧センサ56を含む各種のセンサ等からの信号を入力として取り込み、所定の演算処理を実行し、この演算結果として算定された各種の制御信号を出力し、電磁アクチュエータである高圧ポンプソレノイド200、各燃料噴射弁54及び点火コイル522、低圧燃料ポンプ51、電制スロットル弁505aに所定の制御信号を出力し、燃料吐出量制御、燃料噴射量制御及び点火時期制御、スロット開度制御等を実行する。
燃料供給系および高圧燃料ポンプ1の詳細を、図3、図4を参照して説明する。なお、図3は高圧燃料ポンプ1を備えた燃料系システムの全体構成を、図4は高圧燃料ポンプ1の詳細構造を示している。
高圧燃料ポンプ1は、燃料タンク50からの燃料を加圧してコモンレール53に高圧の燃料を圧送するものであり、シリンダ部7と、ポンプ部8と、ソレノイド部9とを有する。シリンダ部7はポンプ部8の下方に配置され、ソレノイド部9はポンプ部8の吸入側に配置されている。
シリンダ部7は、プランジャ(ポンプピストン)2、リフタ3、プランジャ下降ばね4を有している。プランジャ2は、エンジン507の排気弁526のカム軸29の回転に伴って回転するポンプ駆動カム100に圧接されたリフタ3を介して往復動し、ポンプ部8の加圧室12の容積を変化させ、ピストンポンプをなす。
ポンプ室8は、低圧燃料の吸入通路10、加圧室12、高圧燃料の吐出通路11から構成されている。
吸入通路10と加圧室12との間には吸入弁5が設けられている。吸入弁5は、閉弁ばね5aにより、加圧室12の側から吸入通路10の側に向かって閉弁方向に付勢され、燃料の流れ方向を吸入側に制限する逆止弁である。
閉弁ばね5aは、プランジャ2による加圧室12内の容積変化により、吸入弁5を挟んで、加圧室12側の圧力が流入通路10側の圧力に対して同等、又はそれ以上になった場合には、吸入弁5を閉弁させるように付勢するものである。
加圧室12と吐出通路11との間には吐出弁6が設けられている。吐出弁6は、閉弁ばね6aにより、吐出通路11の側から加圧室12の側に向かって閉弁方向に付勢され、燃料の流通方向を制限する逆止弁である。
ソレノイド部9は、電磁アクチュエータであるソレノイド(電磁コイル)200、吸入弁係合部材201、強制弁開ばね202から構成されている。
吸入弁係合部材201は、その先端が吸入弁5に接離自在に当接するように吸入弁5に相対する位置に配設され、ソレノイド200に対する通電により、強制弁開ばね202のばね力に抗して図4で見て右方へ移動し、吸入弁5より離れて吸入弁5の弁閉を許容する。これに対しソレノイド200に対する通電が解かれている状態では、吸入弁係合部材201は、図4に示されているように、開弁ばね202のばね力によって図4で見て左方へ移動し、吸入弁5に当接して吸入弁5を強制開弁させる。
燃料タンク50から燃料ポンプ51及び燃圧レギュレータ52によって一定圧力に調圧(一次加圧)された燃料は、ポンプ室8の吸入通路10に導かれ、その後、ポンプ室8内の加圧室12でプランジャ2の往復動により二次加圧され、ポンプ室8の吐出通路11からコモンレール53に圧送される。
コモンレール53には、エンジン507の気筒数にあわせて設けられたインジェクタ54のほか、リリーフ弁55、燃圧センサ56が設けられている。なお、リリーフ弁55は、コモンレール53内の圧力が所定値を超えた場合に開弁し、配管系破損の防止する。
コントロールユニット515は、ポジションセンサ516が出力するポジションセンサ信号と、フェーズセンサ511が出力するフェーズセンサ信号に基づいてソレノイド200の駆動信号(ソレノイド制御信号Ssd)を出力し、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出量の制御をする。
図5は、高圧燃料ポンプ1の動作タイミングチャートを示している。なお、ポンプ駆動カム100で駆動するプランジャ2の実際のストローク(実位置)は、図6の下段に示すような曲線になるが、上死点と下死点の位置を分かり易くするために、以下、プランジャ2のストロークは、図6の下段に示されているように、直線的に表すこととする。なお、図5では、吸入弁係合部材201の位置をロッド位置として表している。
プランジャ2が、カム100の回転により、プランジャ下降ばね4の付勢力に応じて上死点側から下死点側に移動することにより、吸入行程が行われる。
吸入行程では、ソレノイド制御信号Ssdはオフ状態で、ソレノイド200に通電が行われず、吸入弁係合部材201が開弁ばね202のばね力によって吸入弁5と係合して吸入弁5を開弁方向に移動させており、プランジャ2の降下移動に伴い加圧室12内の圧力が低下し、流入通路10より加圧室12に燃料が吸入される。
次に、プランジャ2が、カム100の回転により、プランジャ下降ばね4のばね力に抗して下死点側から上死点側に移動すると、圧縮行程が行われる。
圧縮行程では、コントロールユニット515から出力されるソレノイド制御信号Ssdが所定期間に亘ってオン状態になり、その期間、ソレノイド200に通電される。ソレノイド200に対する通電により、吸入弁係合部材201が開弁ばね202のばね力に抗して吸入弁5より離れる方向へ移動し、吸入弁5が閉弁可能になる。これにより、吸入弁5が閉弁ばね5aのばね力によって閉弁し、加圧室12内の圧力が上昇する。
吸入弁5が閉弁して加圧室12内の圧力が高くなると、加圧室12内の燃料が吐出弁6を開弁方向に押し、吐出弁6が閉弁ばね6aのばね力に抗して開弁する。これににより、加圧室12の容積減少分の高圧燃料がコモンレール53側に吐出される。
なお、ソレノイド200の駆動信号は、吸入弁5がソレノイド200側で閉弁されると、その通電が停止(オフ状態)されるが、上記のように、加圧室12内の圧力が高いため、吸入弁5は閉弁状態で維持されてコモンレール53側への燃料の吐出が行われる。
また、プランジャ2が、カム100の回転により、プランジャ下降ばね4の付勢力に応じて上死点側から下死点側に移動すると、再び吸入行程が行われ、加圧室12内の圧力低下に伴って、吸入弁係合部材201が開弁ばね202のばね力によって吸入弁5と係合して開弁方向に移動するとともに、吸入弁5がプランジャ2の往復動に同期して開弁し、吸入弁5の開弁状態が保持される。吸入行程では、加圧室12内の圧力低下が生じていることにより、吐出弁6は開弁しない。以後、前記動作を繰り返す。
よって、プランジャ2が上死点に達する前の圧縮工程の途中で、ソレノイド200がオン状態にされる場合には、この時から、コモンレール53への燃料圧送が行われ、また、燃料圧送が一度始まれば、加圧室12内の圧力は上昇しているので、その後に、ソレノイド200をオフ状態にしても、吸入弁5は閉塞状態を維持する一方で、吸入工程の始まりに同期して自動開弁することができ、ソレノイド200のオン信号の出力タイミングにより、コモンレール53側への燃料の吐出量を調節することができる。
さらに、燃圧センサ56の信号に基づき、コントロールユニット515にて適切な通電オンタイミングを演算し、ソレノイド200をコントロールすることにより、コモンレール53の圧力を目標値にフィードバック制御させることができる。
図7は、本発明による高圧燃料ポンプ制御装置を有するコントロールユニット515のMPU603が行う高圧燃料ポンプ1の基本制御ブロックを示している。
高圧燃料ポンプ制御装置は、基本角度算出手段701と、目標燃料圧力算出手段702と、燃料圧力入力処理手段703と、ソレノイド200の駆動信号を算出する手段の一態様であるポンプ制御信号算出手段1502から構成される。
基本角度算出手段701は、エンジンの運転状態に基づいてソレノイド200をオン状態にするソレノイド制御信号Ssdの基本角度BASANGを演算し、基本角度BASANGをポンプ制御信号算出手段1502に出力する。
図8は、吸入弁5の閉弁タイミングと高圧燃料ポンプ吐出量の関係を示している。基本角度BASANG(要求弁閉弁タイミング)は、要求燃料噴射量と高圧燃料ポンプ吐出量が釣り合うように、吸入弁5が閉弁する角度を制御基準点(後述)からの角度に換算して設定する。
目標燃料圧力算出手段702は、同じくエンジンの運転状態に基づき、その動作点に最適な目標燃圧Ptargetを算出し、目標燃圧Ptargetをポンプ制御信号算出手段1502に出力する。
燃圧入力処理手段703は、燃圧センサ56の信号をフィルタ処理し、実燃料圧力である計測燃料圧力Prealを検出し、これをポンプ制御信号算出手段1502に出力する。
ポンプ制御信号算出手段1502は、後述するように、入力信号に基づいてアクチュエータ駆動信号(ソレノイド制御信号Ssd)であるポンプ制御信号を演算し、ソレノイド駆動信号出力手段707に出力する。ソレノイド駆動信号出力手段707は、ソレノイド200の電流制御を行うものである。
図9は、コントロールユニット515の動作タイミングチャートを示している。コントロールユニット515は、図9(a)のフェーズセンサ511からの検出信号(フェーズ信号)と、図9(b)のポジションセンサ516からの検出信号(ポジション信号)に基づいて、各気筒のピストン507aの上死点位置を検出し、燃料噴射制御及び点火時期制御を行うとともに、フェーズセンサ511からの検出信号(フェーズ信号)とポジションセンサ516からの検出信号(ポジション信号)に基づいて、図9(c)に示されているように、プランジャ2のストロークを検出し、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出制御であるソレノイド制御を行う。
ソレノイド制御は、タイミング制御であり、基準となる点が必要である。そして、基準点は吸入弁5が高圧燃料ポンプ1の吐出行程中に閉弁するように高圧燃料ポンプ1の吸入行程中にあることが望ましい。
このとき、高圧燃料ポンプ1からの燃料吐出は、ソレノイド制御信号Ssdの立ち上がりからソレノイド200の作動遅れ分の所定時間Δtの経過後に開始される一方で、この燃料吐出は、ソレノイド制御信号Ssdが終了しても加圧室12からの圧力によって吸入弁5が押されているので、プランジャストロークが上死点に達するまで続けられる。
図10は、本発明による高圧燃料ポンプ制御装置の一つの実施形態の詳細を示している。
ポンプ制御信号(ソレノイド制御信号)算出手段1502は、ソレノイド200のオン信号のタイミングを演算する基準角度演算手段704と、そのオン信号の幅を算出する通電時間算出手段706とを基本的な構成としている。
基準角度演算手段704は、基本角度算出手段701の基本角度BASANG、目標燃料圧力算出手段702の目標燃圧Ptarget、燃料圧力入力処理手段703の計測燃料圧力Prealに基づいて、オン信号の出力開始の基準となる基準角度REFANGを演算する。
そして、基準角度REFANGに、ソレノイド作動遅れ補正手段705による作動遅れ補正分PUMREを加えてソレノイド200のオン信号の出力開始角度STANGを計算し、これを示す信号を、ソレノイド200のオン信号のタイミングとして、ソレノイド駆動信号出力手段707に出力する。
ソレノイド作動遅れ補正手段705は、ソレノイド200の電磁力、ひいては作動遅れ時間がバッテリ電圧によって変わることから、バッテリ電圧に基づいてソレノイド作動遅れ補正を算出している。
通電時間算出手段706は、運転条件および駆動方法選択手段709により決定した電流波形モードCURMODEに基づいて、高圧燃料ポンプ1のソレノイド200の通電要求時間TPUMKEを演算し、ソレノイド駆動信号出力手段707に出力する。
通電要求時間TPUMKEの値は、ソレノイド200の抵抗が大きい、ソレノイド吸引力発生最悪条件においてであっても、加圧室12の圧力で吸入弁5を閉じられるようになるまで吸入弁係合部材201を保持し、確実に吸入弁5を閉弁できる値を設定する。
通電時間算出手段706による通電要求時間TPUMKEの算出例を、図11を参照して説明する。波形モードCURMODE(H’01、H’02、H’03H’04)毎に、バッテリ電圧と回転数を入力とする通電要求時間のデータマップ1301〜1304を用意し、駆動方法選択手段709により決定した電流波形モードCURMODEの値に応じて使用するデータマップ切換えることにより、通電要求時間TPUMKEを算出する。
図10に戻り、通電強制カット信号算出手段708は、フェーズセンサおよびポジションセンサから求めた通電強制カット信号をソレノイド駆動信号出力手段707に出力する。通電強制カット信号算出手段708は、絶対に通電信号をオフしていなければならない制御基準点からの位置を演算の後、通電強制カット信号を出力する。
駆動方法選択手段709による電流波形モードの選択ルーチンを、図12のフローチャートを参照して説明する。
この選択ルーチンは、割込み処理であり、この割込み処理は、例えば10ms毎のように時間周期でも、例えばクランク角度10deg毎のように回転周期でもよい。
ブロック1102では、エンジン回転数Neを読込み、ブロック1103では、ポンプ制御信号算出手段1502で算出した出力開始角度STANGを読込む。
ここで、エンジン回転数Ne、出力開始角度STANGを読込むのは、通電信号オフ後のソレノイド電流波形を決めるため、通電信号オフ後から次の吐出行程までの間隔(時間)を算出することを目的とする。よって、さらに、バッテリ電圧を読込み、ソレノイド制御信号Ssd通電時間を概算することにより、時間算出精度を高めることも可能である。
ブロック1104では、電流波形モードCURMODEを算出する。ブロック1102および1103で読込んだ回転数Ne、出力開始角度STANGに応じて場合分けを実施し、電流波形モードCURMODEを求める。本実施形態では、4モードを考え、各モードをH’01〜H’04で定義する。ここで、H’01=高電圧+即低下モード、H’02=即低下モード、H’O3=緩低下モード、H’04=緩低下+デューティモードとする。
次に、この4モードの選択条件の一例を以下に示す。
(1)極高回転時(Ne>MODE1)且つSTANG>A
高電圧+即低下モードを設定
CURMODE=H’01
(2)極高回転時(Ne>MODEI)且つSTANG<A
即低下モードを設定
CURMODE=H’02
(3)高回転時(MODE1≧Ne>MODE2)且つSTANG>B
即低下モードを設定
CURMODE;H’02
(4)高回転時(MODE12Ne>MODE2)且つSTANG<B
緩低下モードを設定
CURMODE=H’O3
(5)通常回転時(MODE2≧Ne>MODE3)
緩低下モードを設定
CURMODE=H’O3
(6)極低回転時(MOOE3≧Ne)
緩低下+デューティモードを設定
CURMODE=H’04
つぎに、上述の各モードにおけるソレノイド制御信号Ssd、ソレノイド通電電流値Is、ソレノイド吸引力Wsを、図13を参照して説明する。
ソレノイド吸引力Wsは、ソレノイド通電電流値Isが一定値A1を超えると吸引力が発生し、一定値A2以下となると吸引力が消滅する性質を持つ。
(1)高電圧+即低下モード(CURMODE=H’01)は、ソレノイド200に供給する電源電圧をバッテリ電圧より大きくし、かつソレノイド制御信号Ssdのオフ後、つまり、ソレノイド制御信号Ssdがオン状態よりオフ状態に変化した時点で即時にコイル電流が低下することを組み合わせる。
これにより、ソレノイド制御信号Ssdに最も追従した動作となる。このため、制御追従性が要求される極高回転に適している。しかし、短所として、通電時間に対する電流値が大きくなるため、電磁コイルの発熱が大きいことが挙げられる。
(2)即低下モード(CURMODE=H’02)は、ソレノイド200に供給する電源電圧をバッテリ電圧として、ソレノイド制御信号Ssdのオフ後に即時にコイル電流が低下することを組み合わせている。これによりソレノイド制御信号Ssdに追従した動作となるため、高回転に適している。短所として、コイル電流を緩やかに低下する場合と比較して、同一ソレノイド吸引時間を得るためにはソレノイド通電信号時間を長くしなければならず、電流を緩やかに低下する場合と比較して電磁コイルの発熱が大きいことが挙げられる。
(3)緩低下モード(CURMODE=H’03)は、ソレノイド200に供給する電源電圧をバッテリ電圧とし、ソレノイド制御信号Ssdのオフ後に、つまり、ソレノイド制御信号Ssdがオン状態よりオフ状態に変化した時点より緩やかにコイル電流が低下することを組み合わせている。
(4)緩低下+デューティモード(CURMODE=H’04)は、ソレノイド200に供給する電源電圧をバッテリ電圧として、ソレノイド制御信号Ssdのオフ後に緩やかにコイル電流が低下することと、ソレノイド制御信号Ssdを短い周期でオン−オフするデューティ通電を組み合わせている。
ここで、ソレノイド制御信号Ssdは、初回通電信号でソレノイド通電電流値Isが一定値A1を超えるような時間出力し、その後のオン−オフの繰り返し中に一定値A2以下とならない制御信号を出力している。このモードは、電流値が高くならないため、発熱が少なく、通電時間の長い極低回転時に適している。短所としてオン−オフ時間の制御精度の高さが必要となる。
よって、高回転時かつ出力開始角度STANGが大きい(ポンププランジャ上死点付近で通電開始)場合には、ソレノイド制御信号Ssdの追従性の高い、CURMODE=H’01またはH’02を使用し、通常回転時にはCURMODE=H’03とする。また、極低回転時における要求通電時間が長い場合には、コイルの発熱を抑えるため、CURMODE=H’04とする。
図14は、本発明における高圧燃料ポンプ制御装置(エンジンコントロールユニット515)の出力部の動作を示している。スイッチC(1407)がオンした場合には、コントロールユニット515に接続されたソレノイド200に電流が流れ、吸引力が発生する。
スイッチA(1405)により、ソレノイド200用の電源をバッテリまたは高電圧電源のどちらかを選択し、スイッチB(1406)により、即時にコイル電流を低下させるか、あるいは緩やかに低下させるかを選択する。スイッチC(1407)により、連続的にコイルに通電するか、短い周期でオン−オフ通電(デューティ通電)するかを制御する。
駆動方法選択手段709による電流波形モード選択の他の実施形態を、図15のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、コントロールユニット515内に、電源電圧切換え装置(スイッチA:1405)および電流低下切換え装置(スイッチB:1406)を有しない装置の場合となり、緩低下モードH’O3と緩低下+デューティモードH’04の二つのモードより選択する。
ブロック1102でエンジン回転数Neを読込み、ブロック1103ではポンプ制御信号算出手段1502で算出した出力開始角度STANGを読み込む。
その後、ブロック1901において、電流波形モードCURMODEを算出する。ブロック1102および1103で読込んだエンジン回転数Ne、出力開始角度STANGに応じて場合分けを実施し、電流波形モードCURMODEを求める。
電源電圧切換え装置(スイッチA:1405)および電流低下切換え装置(スイッチB:1406)が有しないため、高回転時にはCURMODE=H’04とし、緩低下+デューティモードを実施する。これは、前記制御により電流値を一定の値に抑えることが可能であるため、制御信号オフ後の残電流期間を短くすることが可能となるためである。
この実施形態における2モードの選択条件の一例を以下に示す。
(1)高回転時(Ne>MODE2)且つSTANG>B
緩低下+デューティモードを設定
CURMODE=H’04
(2)極低回転時(MOOE3≧Ne)
緩低下+デューティモードを設定
CURMODE=H’04
(3)それ以外
緩低下モードを設定
CURMODE=H’O3
図16は、ソレノイド制御信号Ssd、ソレノイド通電電流値IsIsおよびソレノイド吸引力Wsの関係を示している。なお、図16(a)はソレノイド制御信号Ssdを、図16(b)はソレノイド通電電流値Isを、図16(c)はソレノイド吸引力Wsを各々示している。
電流が即時に低下する回路を使用していない場合、通電信号(ソレノイド制御信号Ssd)オフ後、ソレノイドには一定期間Tafに亘って電流が流れ、電流が一定値A2以下に落ちるまで、吸引力Wsは維持される。
この通電信号オフ後のソレノイド200の吸引力が次の吐出行程まで維持されると、意図しない全吐出が発生し、昇圧を招く。吸引力が維持される期間Tafはコイル抵抗およびバッテリ電圧に依存する。
そして、駆動方法選択手段709により決定した波形モードCURMODEと、出力開始角度STANGと、通電時間TPUMKEと通電強制カット信号からソレノイド200の駆動を行う。
図17は、コントロールユニット515による燃圧の制御に対するソレノイド制御信号Ssdの出力開始角度STANG、及び通電時間TPUMKE等のパラメータを示したものであり、図9を具体的に説明する図である。
ソレノイド200のオン信号の出力タイミングである出力開始角度STANGは、式(1)のように求めることができる。
STANG=REFANG−PUMRE …(1)
REFANGは、エンジン507の運転状態に基づいて基準角度算出手段704で算出される。PUMREはポンプ遅れ角度であり、ソレノイド作動遅れ補正手段705で算出され、例えば、バッテリ電圧により変化するアクチュエータ駆動時間、すなわちソレノイド通電に基づいた吸入弁係合部材201の作動遅れを表している。
次に、ソレノイド200のオン信号の幅であるポンプ位相制御信号の通電時間TPUMKEは、通電時間算出手段706により、運転状態に基づいて算出する。
そして、出力開始角度STANGによって、あらかじめ定めてある制御基準点から、どれくらいで吸入弁5を閉じさせるソレノイド200のオン信号を出力するか、すなわちソレノイド制御信号Ssdの出力タイミングを求める。一方、ポンプ位相制御信号通電時間TPUMKEによって、ソレノイド制御信号Ssdをどれくらいの時間で出力し続けるか、すなわちソレノイド制御信号Ssdの幅を求めている。本実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置は、算出されたソレノイド制御信号Ssd出力タイミングから算出された時間分通電することを基本とする。
以上のように、本実施形態は、上記の構成によって次の機能を奏するものである。本実施形態のコントロールユニット515は、シリンダ507bに備えられた燃料噴射弁54と、燃料噴射弁54に燃料を圧送する高圧燃料ポンプ1とを有する筒内噴射エンジン507の高圧燃料ポンプ制御装置であって、高圧燃料ポンプ1は、前記高圧燃料ポンプ1内の燃料を加圧するプランジャ2と、高圧燃料ポンプ1の吐出量又は圧力を可変にするために位相制御されるソレノイド200と、前記ソレノイド200のオン信号にて燃料の吸入通路10を閉弁させる吸入弁5とを有し、制御装置は、ポンプ制御信号算出手段1502を有し、ポンプ制御信号算出手段1502は、ソレノイド200への出力手段を複数有しており、次の高圧燃料ポンプ1の吐出行程にソレノイド200の吸引力が残らないように制御しているので、意図しない燃料量を高圧燃料ポンプが吐出することを防ぎ、燃料圧力を最適かつ迅速に制御することができる。よって、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善を図ることができる。
図18は、本実施形態による高圧燃料ポンプ制御装置による動作タイミングチャートである。
図18(a)に示されているように、時点t2で、少量吐出量要求がなされると、図18(c)に示されているように、時点t2で、電流波形モードCURMODEが、緩低下モードH’03より即低下モードH’02に切り替えられる。
これにより、低下モードH’02では、図18(e)、(f)に示されているように、ソレノイド制御信号Ssdを終了すると、ソレノイド通電電流値Isが即座に0になり、これに応じてソレノイド吸引力Wsも、図18(g)に示されているように、即座に消滅し、ソレノイド吸引力Wsが次の吐出行程まで維持されることがない。
これにより、図18(d)に示されているように、高圧燃料ポンプ1が全量吐出状態にならずに、吐出量が少量吐出要求に応じて的確に低減する。この結果、図19(b)に示されているように、計測燃料圧力は目標燃料圧力に追従する。
このように、燃料圧力(二次圧力)を確実に目標燃圧に制御することができ、確実に目標燃圧に制御することにより、失火および気筒内の燃料付着を防ぎ、排出ガスの低減に貢献する。
以下に、本実施形態による効果を要約する。
(1)内燃機関の運転状態に応じてソレノイド200に通電する電流の電流波形を切替設定するから、高圧燃料ポンプ1の吐出量が吐出要求に応じて的確に制御され、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善に貢献することができる。
(2)電磁アクチュエータのソレノイドに対する通電は、ソレノイド制御信号によりオン・オフされるものであり、ソレノイド200に通電する電流の電流波形の切替設定は、ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点よりのソレノイド通電電流の減少特性を異なるもの、たとえば、ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点より速やかに減少する減少特性と、緩やかに減少する減少特性であり、内燃機関の運転状態に応じてその何れかを選択的に設定するから、ソレノイド吸引力が次の吐出行程まで維持されたままとなって誤って全量吐出状態になることを回避するモードと、コイル発熱を抑制するモードとを使い分けることができる。
(3)ソレノイド制御信号が、所定周期、所定幅でオン・オフを繰り返し、この時に替設定する電流波形は、ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点より緩やかに減少する減少特性であることにより、コイル発熱が少なく、通電時間が長くなる極低回転時の制御に適している。
(4)切替設定する電流波形が、異なる電源電圧による成分を含むから、高電圧によって制御追従性を要求される極高速回転時に適合でき、低電圧によってコイル発熱を抑制するモードとを使い分けることができる。
(5)エンジン回転数、ソレノイド制御信号の出力タイミング、バッテリ電圧の少なくとも一つに応じて電流波形を切替設定するから、エンジンの全運転域において、高圧燃料ポンプ1の吐出量が吐出要求に応じて的確に制御され、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善に貢献することができる。
(6)ソレノイド制御信号のオン時間に応じて前記ソレノイドに通電する時間を設定するから、高圧燃料ポンプ1の吐出量が吐出要求に応じて的確に制御され、燃焼の安定化及び排出ガス性能の改善に貢献することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく設計において種々の変更ができるものである。
例えば、上述の実施形態では、高圧燃料ポンプ1が排気弁526のカム軸上に配置されているが、吸入弁514のカム軸上に配置、又はシリンダ507bのクランク軸507dに同期させたものであってもよい。また上述の実施形態では、高圧燃料ポンプ1はソレノイド制御信号Ssdオンをトリガーとして吐出行程中においては吸入弁が閉弁する構造であるが、吐出行程中に吸入弁は閉弁しており、ソレノイド制御信号Ssdオン時に吸入弁が開弁する構造の高圧燃料ポンプであってもよい。
本発明による高圧燃料ポンプ制御装置が適用される筒内噴射式の内燃機関の全体構成を示す図。 本発明による高圧燃料ポンプ制御装置に用いられるコントロールユニットの内部構成およびそれの入出力を示すブロック図。 高圧燃料ポンプを備えた燃料系システムの全体構成を示す図。 高圧燃料ポンプの詳細構造を示す縦断面図。 高圧燃料ポンプの動作タイミングチャート。 図5の動作タイミングチャートの補足説明図。 本発明による高圧燃料ポンプ制御装置の一つの実施形態を示す基本制御ブロック図。 高圧燃料ポンプにおける吸入弁閉弁タイミングと吐出量の関係を示すグラフ。 本発明による高圧燃料ポンプ制御装置の基本動作タイミングチャート。 本発明による高圧燃料ポンプ制御装置の一つの実施形態の詳細を示すブロック図。 本実施形態の通電時間算出手段の一つの実施形態の詳細を示すブロック図。 本実施形態の駆動方法選択手段による電流波形モード選択ルーチンを示すフローチャート。 本実施形態の各電流波形モードにおけるソレノイド制御信号に対するソレノイド通電電流値とソレノイド吸引力の関係を示す図。 本発明による高圧燃料ポンプ制御装置の出力部の一実施形態を示す図。 他の実施形態の駆動方法選択手段による電流波形モード選択ルーチンを示すフローチャート。 高圧燃料ポンプにおけるソレノイド制御信号とソレノイド通電電流値とソレノイド吸引力の関係を示す図。 本実施形態による高圧燃料ポンプ制御装置のソレノイド制御信号の出力タイミングを示す図。 本実施形態による高圧燃料ポンプ制御装置の動作を示すタイミングチャート。 従来の高圧燃料ポンプ制御装置の動作を示すタイミングチャート。
符号の説明
1 高圧燃料ポンプ
2 プランジャ
5 吸入弁
11 吸入通路
54 燃料噴射弁
200 ソレノイド
507 筒内噴射エンジン
507b 気筒
515 コントロールユニット
701 基本角度算出手段
702 目標燃圧算出手段
703 燃圧入力処理手段
704 基準角度演算手段
705 ソレノイド作動遅れ補正手段
706 通電時間算出手段
707 ソレノイド駆動信号出力手段
708 通電強制カット信号算出手段
709 駆動方法選択手段
1502 ポンプ制御信号(ソレノイド制御信号)算出手段

Claims (7)

  1. 燃料噴射弁に供給する燃料の吐出量を、電磁アクチュエータのソレノイドの通電電流により制御する、筒内噴射式内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置であって、
    該高圧燃料ポンプ制御装置は、ソレノイド制御信号をオン・オフすることにより、前記通電電流を制御し、
    前記ソレノイド制御信号がオン状態からオフ状態に変化するタイミングと前記筒内噴射式内燃機関の運転条件とに基づいて、前記通電電流の電流波形の減少特性を異なるものとすることを特徴とする内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
  2. 前記高圧燃料ポンプ制御装置は、前記筒内噴射式内燃機関の運転状態に応じて前記通電電流の電流波形を切替設定する駆動信号出力手段を有し、前記駆動信号出力手段による前記電流波形の切替設定が、前記減少特性を異なるものとすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
  3. 前記ソレノイド通電電流の減少特性は、前記ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点より緩やかに減少する減少特性と、速やかに減少する減少特性であり、内燃機関の運転状態に応じてその何れかを選択的に設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
  4. 前記ソレノイド制御信号が、所定周期、所定幅でオン・オフを繰り返し、この時に前記駆動信号出力手段が切替設定する前記電流波形は、前記ソレノイド制御信号がオン状態よりオフ状態に変化した時点より緩やかに減少する減少特性であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
  5. 前記駆動信号出力手段が切替設定する前記電流波形が、異なる電源電圧による成分を含むことを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
  6. 前記駆動信号出力手段は、エンジン回転数、ソレノイド制御信号の出力タイミング、バッテリ電圧の少なくとも一つに応じて前記電流波形を切替設定することを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
  7. 前記駆動信号出力手段は、前記ソレノイド制御信号のオン時間に応じて前記ソレノイドに通電する時間を設定することを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
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