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JP4213956B2 - ワイヤ式ウィンドレギュレータ - Google Patents

ワイヤ式ウィンドレギュレータ Download PDF

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JP4213956B2
JP4213956B2 JP2002368140A JP2002368140A JP4213956B2 JP 4213956 B2 JP4213956 B2 JP 4213956B2 JP 2002368140 A JP2002368140 A JP 2002368140A JP 2002368140 A JP2002368140 A JP 2002368140A JP 4213956 B2 JP4213956 B2 JP 4213956B2
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、ワイヤ式ウィンドレギュレータに関し、特にガイドレール上に駆動機構を備えたワイヤ式ウィンドレギュレータに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ガイドレールを有するワイヤ式ウィンドレギュレータは、車両ドア内に上下方向に向けて固定するガイドレールに、窓ガラスを固定するスライダを摺動自在に支持し、該ガイドレールの上下にスライダから上下に導き出された駆動ワイヤのガイド部材を設けている。上下のワイヤガイド部材を出た駆動ワイヤは、巻取ドラムに導かれ、該巻取ドラムを正逆に回転駆動することにより、スライダ(窓ガラス)が昇降する。
【0003】
従来、巻取ドラムとその正逆駆動モータを有する正逆巻取駆動ユニットは、ガイドレールとは別部材からなるモータブラケット上に支持され、このモータブラケットがガイドレールとは別に車両ドア内に固定されていた。これは、車両(ドア)によってガイドレールと巻取ドラムの位置が予め決められていること、及び巻取ドラムとガイドレールの上下のワイヤガイド部材が大きい三角形を描くように配置することが安定した作動を得るためには有利であることに由来する。
【0004】
しかし、ガイドレールとモータブラケットが別部材であると、組立作業性が悪い。そこで、ガイドレール上に予めモータブラケットを固定したワイヤ式ウィンドレギュレータが提案されている。ところが従来品は、モータブラケット(巻取ドラム)の車両ドア内における固定位置自体は従来と同様に予め決まっており、ガイドレールにモータブラケットを固定するのは、単にモータブラケットをガイドレールから分離しないという発想にあり、モータブラケット自体は、別にドア(インナパネル)との固定手段を持っていた。
【0005】
また、従来品は、車両毎に異なるモータブラケットの固定位置に合わせるため、異なるモータユニット毎に、対をなす巻取ドラムを別設計しなければならなかった。
【0006】
【特許文献】
特開平1-182483号公報
実開平6-8664号公報
特開平9-49369号公報
【0007】
【発明の目的】
本発明は、ガイドレールと正逆巻取駆動ユニットの一体化が可能で、組立性に優れ、しかも小型化しても必要な剛性を保つことができるワイヤ式ウィンドレギュレータを得ることを目的とする。
【0008】
【発明の概要】
本発明は、正逆巻取駆動ユニットはガイドレールとは別部材からなるモータブラケット上に設けるという従来の発想から離れ、巻取ドラムをガイドレール上に直接回動自在に支持するという発想に基づいて完成されたものである。
【0009】
本発明は、車両のドア内に上下方向に向けて固定するガイドレールに、窓ガラスを支持するスライダを摺動自在に支持し、該ガイドレールの上下端部にそれぞれワイヤガイド部材を設け、上記スライダから上下に導いた駆動ワイヤを上記上下のワイヤガイド部材を介して正逆に回転駆動される巻取ドラムに巻回したワイヤ式ウィンドレギュレータにおいて、ガイドレール上に、上下のワイヤガイド部材を結ぶ直線からオフセットさせて、巻取ドラムを回転自在に支持し、かつガイドレール上にこの巻取ドラムを正逆に回転駆動する正逆巻取駆動ユニットを固定し、ガイドレール上にさらに、巻取ドラム、上下のワイヤガイド部材及びスライダの間に巻回された駆動ワイヤで囲まれる空間内に位置させて、ガイドレールをドアパネルに固定させる固定ボルトを有する少なくとも3つの凸状の取り付け面部をプレス加工で一体成形したことを特徴としている。
【0010】
ガイドレール上の巻取ドラムの回動中心は、ガイドレールに一体にプレス成形によって形成し、あるいは別の軸部材を溶接等で固定して形成することができる。
【0012】
正逆巻取駆動ユニットには、ガイドレール上に回転自在に支持された巻取ドラムと同軸一体に回転するウォームホイルと、該ウォームホイルに噛み合うウォームギヤとを有する巻取ユニットを設け、このウォームギヤをモータによって正逆に駆動することが好ましい。また正逆巻取駆動ユニットにはさらに、巻取ユニットは別体で該巻取ユニットに脱着可能なモータユニットを設け、巻取ユニットのウォームギヤの端部には同軸に形成したウォームギヤクラッチと、モータユニットに設けたモータクラッチとを係脱させることで、巻取ユニットを共通化し、モータユニットの交換を容易にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
車両のドア内に上下方向に向けて固定されるガイドレール10は、図1の正面図(車両基準で見ると側面図)では略直線状をなし、図2の側面図(同正面図)では室内側を凹とした曲面状をなしている。ガイドレール10は、金属材料のプレス絞り一体成形品からなるもので、この上に、窓ガラスを昇降させるための全ての要素が搭載されている。
【0014】
ガイドレール10の上端部には、図3にも示すように、ピン11aでワイヤガイドプーリ11が回転自在に支持されており、下端部には、正面略半円形をなすワイヤガイド部材12が固定されている。ワイヤガイドプーリ11、ワイヤガイド部材12はともに合成樹脂材料の成形品からなり、ワイヤガイドプーリ11の外周面にはワイヤガイド溝11bが形成されている。ワイヤガイド部材12は、ガイドレール10の固定穴10aに挿入固定する固定突起12aと、略半円形のワイヤガイド溝12bとを有する。
【0015】
ガイドレール10は、その中間部分に幅広部分を有し、この幅広部分に、巻取ドラム14を回転自在に支持するドラム支持座10bと、このドラム支持座10bを囲む3個の駆動ユニット固定座10cが形成されている。図3、図5に明らかなように、ドラム支持座10bは室内側から室外側への凸部であり、駆動ユニット固定座10cは室外側から室内側への凸部である。ドラム支持座10bの中心部には、逆に室外側から室内側への凸部として回転中心軸10dが形成されている。この回転中心軸10dは例えばバーリング加工によって形成することができる。巻取ドラム14は、周面に駆動ワイヤの巻取溝14aを有し、軸部に、この回転中心軸10dを相対回転自在に嵌める円形穴14bと角穴14cとが形成されている。
【0016】
ワイヤガイド部材12の中心を半円形のワイヤガイド溝12bの中心12X(図1)とすると、回転中心軸10dは、正面からみたとき、ワイヤガイドプーリ11の中心ピン11a、中心12Xと三角形を構成する位置に設けられている。つまり、回転中心軸10d(巻取ドラム14)は、ピン11aと中心12Xとを結ぶ直線からオフセットした位置にある。
【0017】
ガイドレール10の駆動ユニット固定座10cには、正逆巻取駆動ユニット157が固定されている。この正逆巻取駆動ユニット157は、巻取ユニット15とモータユニット17とからなっている。巻取ユニット15は、ウォームホイル15aと、このウォームホイル15aに噛み合うウォームギヤ15b(図4)と、このウォームホイル15aとウォームギヤ15bを支持したケーシング15cとを有し、このケーシング15cに、ガイドレール10の駆動ユニット固定座10cに対応させて固定突起15dが形成されている。ウォームホイル15aは、その軸部に、巻取ドラム14の角穴14cに嵌まり合う角軸15eを有しており、回転中心軸10dに巻取ドラム14を支持し、角穴14cに角軸15eを嵌め、駆動ユニット固定座10cから固定突起15dに螺合させた固定ねじ16で正逆巻取駆動ユニット157(巻取ユニット15)をガイドレール10に固定した状態では、巻取ドラム14とウォームホイル15aが一体に回転する。
【0018】
巻取ユニット15のケーシング15cには、図4に示すように、モータユニット固定座15fが形成されており、このモータユニット固定座15f内に、ウォームギヤ15bの端部に同軸に形成したクラッチ15gが臨んでいる。正逆回転モータ17aを有するモータユニット17は、このモータユニット固定座15fに対応する取付座17bを有しており、この取付座17b内に、モータ駆動軸の端部に形成したクラッチ17cが臨んでいる。取付座17bとモータユニット固定座15fを当接させて固定ねじ18で固定した状態では、クラッチ17cとクラッチ15gとが噛み合って、正逆回転モータ17aの正逆回転がクラッチ17c、クラッチ15gからウォームギヤ15bに伝達される。
【0019】
またモータユニット17には、図3、図4、図6に示すように、正逆回転モータ17aに対する通電コネクタ17dが形成されている。この通電コネクタ17dに電源側のコネクタを接続することにより、正逆回転モータ17aに対して通電できる。モータユニット17は、巻取ユニット15とは別部材となっているので、取付座17bとクラッチ17cの仕様を、モータユニット固定座15fとクラッチ15gに合致させれば、モータユニット17の形態を問わずに用いることができる。
【0020】
ガイドレール10には、スライダ20が摺動自在に支持されている。スライダ20は、金属プレス成形品からなるスライダ本体21に、ガイドレール10との摩擦抵抗を減じて安定して保持するための合成樹脂材料からなる安定部材22、23を結合している。窓ガラスW(図1、図7)は、固定部材24によって、このスライダ本体21に固定されている。
【0021】
またスライダ本体21(スライダ20)には、合成樹脂製のワイヤ保持部材25が固定されている。このワイヤ保持部材25には、図3、図9、図10に示すように、一対の駆動ワイヤ26、27の一端部の固定駒26a、26bが支持されている。ワイヤ保持部材25に保持された駆動ワイヤ26は上方のワイヤガイドプーリ11を経て巻取ドラム14に巻回され、同駆動ワイヤ27は下方のワイヤガイド部材12を経て巻取ドラム14に巻回されている。前述のように、巻取ドラム14(回転中心軸10d)は、ワイヤガイドプーリ11、ワイヤガイド部材12と三角形を構成する位置に設けられているため、巻取ドラム14から出て上下のワイヤガイドプーリ11、ワイヤガイド部材12を経てスライダ20に至る駆動ワイヤ26と27は、コーナーが丸い扁平な三角形状を描く。
【0022】
ガイドレール10には、この駆動ワイヤ26と27で囲まれる空間内に位置させて、3個の固定ボルト座(ドアパネルへの取り付け面部)10hが形成されている。この固定ボルト座10hは、室外側から室内側への凸部として形成されており、この固定ボルト座10hに室内側に向けて固定ボルト30が溶接固定されている。3本の固定ボルト30(固定ボルト座10h)は、ワイヤガイドプーリ11の直下、ワイヤガイド部材12の直上、及び巻取ユニット15(巻取ドラム14)の直下に配置されている。このように、駆動ワイヤ26と27で囲まれる空間内に固定ボルト30を配置することにより、剛性を高めることができる。
【0023】
すなわち、以上のワイヤ式ウィンドレギュレータは、3本の固定ボルト30によりガイドレール10が車両ドア(インナパネル)に固定され、窓ガラスWはその下縁部が固定部材24によってスライダ20に固定され、前後端部が通常車両ドアのガラスサッシュ(図示せず)によってガイドされる。この状態において、モータユニット17の正逆回転モータ17aを正逆に駆動すると、その回転がクラッチ17c、クラッチ15gからウォームギヤ15bに伝達される。ウォームギヤ15bの回転は、ウォームホイル15a、角軸15e、角穴14cを介して巻取ドラム14に伝達される。巻取ドラム14が回転すると、駆動ワイヤ26と27の一方が巻取ドラム14に巻き取られ、他方が巻取ドラム14から繰り出される結果、窓ガラスWが昇降する。
【0024】
巻取ドラム14の正逆の回転は、駆動ワイヤ26、27を介してガイドレール10に曲げ剛性を作用させる。駆動ワイヤ26、27で囲まれる空間内に配置された3本の固定ボルト30は、このガイドレール10に加わる曲げ剛性によく対向する。また、巻取ドラム14は、ワイヤガイドプーリ11とワイヤガイド部材12を結ぶ直線からオフセットした位置にあるので、ガイドレール10に巻取ドラム14を中心とする回転力を作用させることがない。
【0025】
本実施形態のワイヤ式ウィンドレギュレータは、窓ガラスWを昇降させるための全ての要素がガイドレール10上に支持されているので、コンパクトであり、正逆巻取駆動ユニット157用のブラケットは存在しない。つまり車両ドア側に正逆巻取駆動ユニット157を固定するための固定位置を設定する必要がない。また、正逆巻取駆動ユニット157のモータユニット17の仕様を変える場合にも、巻取ユニット15は共通に用いることができるので、ワイヤ式ウィンドレギュレータの共通部品化を進めることができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、ガイドレールと正逆巻取駆動ユニットの一体化が可能で、組立性に優れ、しかも小型化しても必要な剛性を保つことができるワイヤ式ウィンドレギュレータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイヤ式ウィンドレギュレータの一実施形態を示す正面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同要部の分解斜視図である。
【図4】巻取ドラムとモータユニットの分解斜視図である。
【図5】図1のV-V線に沿う断面図である。
【図6】モータユニットをクラッチ側から見た図である。
【図7】図1のVII-VII線に沿う断面図である。
【図8】図1のVIII‐VIII線に沿う断面図である。
【図9】図1のIX‐IX線に沿う断面図である。
【図10】図1のX‐X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
W 窓ガラス
10 ガイドレール
10a 固定穴
10b ドラム支持座
10c 駆動ユニット固定座
10d 回転中心軸
10h 固定ボルト座
11 ワイヤガイドプーリ
11a ピン
11b ワイヤガイド溝
12 ワイヤガイド部材
12a 固定突起
12b ワイヤガイド溝
14 巻取ドラム
14a 駆動ワイヤ巻取溝
14b 円形穴
14c 角穴
157 正逆巻取駆動ユニット
15 巻取ユニット
15a ウォームホイル
15b ウォームギヤ
15c ケーシング
15d 固定突起
15e 角軸
15f モータユニット固定座
15g クラッチ
16 固定ねじ
17 モータユニット
17a 正逆回転モータ
17b 取付座
17c クラッチ
17d 通電コネクタ
18 固定ねじ
20 スライダ
21 スライダ本体
22 23 安定部材
24 窓ガラス固定部材
25 ワイヤ保持部材
26 27 駆動ワイヤ
26a 27a 固定駒
30 固定ボルト

Claims (3)

  1. 車両のドア内に上下方向に向けて固定するガイドレールに、窓ガラスを支持するスライダを摺動自在に支持し、該ガイドレールの上下端部にそれぞれワイヤガイド部材を設け、上記スライダから上下に導いた駆動ワイヤを上記上下のワイヤガイド部材を介して正逆に回転駆動される巻取ドラムに巻回したワイヤ式ウィンドレギュレータにおいて、
    上記ガイドレール上に、上下のワイヤガイド部材を結ぶ直線からオフセットさせて、巻取ドラムを回転自在に支持し、かつガイドレール上にこの巻取ドラムを正逆に回転駆動する正逆巻取駆動ユニットを固定し、
    上記ガイドレール上にさらに、上記巻取ドラム、上下のワイヤガイド部材及びスライダの間に巻回された駆動ワイヤで囲まれる空間内に位置させて、ガイドレールをドアパネルに固定させる固定ボルトを有する少なくとも3つの凸状の取り付け面部をプレス加工で一体成形したことを特徴とするワイヤ式ウィンドレギュレータ。
  2. 請求項記載のワイヤ式ウィンドレギュレータにおいて、上記正逆巻取駆動ユニットは、ガイドレール上に回転自在に支持された上記巻取ドラムと同軸一体に回転するウォームホイルと、該ウォームホイルに噛み合うウォームギヤとを有する巻取ユニットを備え、このウォームギヤがモータによって正逆に駆動されるワイヤ式ウィンドレギュレータ。
  3. 請求項記載のワイヤ式ウィンドレギュレータにおいて、巻取ユニットのウォームギヤの端部には、同軸にクラッチが形成されており、上記正逆巻取駆動ユニットは、上記巻取ユニットは別体で該巻取ユニットに脱着可能なモータユニットに、このウォームギヤクラッチと係脱可能でモータによって駆動されるモータクラッチが形成されているワイヤ式ウィンドレギュレータ。
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