JP4213426B2 - 冷熱衝撃装置の熱媒液再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比重が水より大きく冷熱衝撃装置の低温槽及び高温槽に共通して入れられた熱媒液に入った水を除去する除水装置と少なくともゴミを除去する浄化装置とを備えた熱媒液再生装置に関し、特に熱媒液中に混入した水除去技術として効果的に利用される。
【0002】
【従来の技術】
熱媒液が入れられる高温槽と低温槽とを備えた冷熱衝撃装置では、熱媒液は例えば低温槽で0℃乃至−60℃まで冷却されて使用されるため、低温槽に侵入した大気中の水蒸気が凝縮して水や氷になり、熱媒液より軽い水や氷が熱媒液の表面に浮き、水分の侵入に伴って氷が多くなり、例えば熱媒液攪拌機の回転軸をロックさせたり、冷熱衝撃試験用の試料を入れる試料かごを変形させるというような問題を発生させる。
【0003】
そのため、このような水や氷を除去する必要があり、従来では、冷熱衝撃装置の運転者が、水を多く含む低温槽の上澄み液をすくい取ったり、水吸着マットで吸い取ったり、氷結した氷を砕いて取り出す等の水分除去作業を行っているのが一般的であった。しかしながら、このような作業は、手間がかかる作業であると共に、低温槽の蓋を開けて槽内に顔や手を入れて、水の除去とその取れ具合を確認するという作業であり、運転者に嫌われるという問題を有する。
【0004】
一方、冷熱衝撃装置の熱媒液は、その使用に伴って水と共にゴミ等が溜まって汚れてきて、その性状が低下するため、熱媒液再生装置によって定期的に浄化処理されて再使用されることが多い。そして、そのとき水も除去できるように、除水機能を備えた熱媒液再生装置として、液体クリーニング及び分離装置が提案されている(例えば特開平2−211209号、同211210号公報参照)。
【0005】
しかしこれらの装置では、低温液を一旦貯蔵タンクに溜め、その全量を水分離フィルタに通して低温液中の水を分離するようにしているため、水分離フィルタが大容量のものになり、熱媒液再生装置の全体が大型化してコスト高になると共に、水分離のための時間も長くなり、更に、水が熱媒液の全体に含まれていて水含有率が小さくなっている熱媒液を処理するため、水の分離性能も低くなるという問題がある。
【0006】
又、高温槽及び低温槽でそれぞれ高温用熱媒液及び低温用熱媒液を使用する二液式冷熱衝撃装置において、水分離フィルタを使用することなく水分離する方法及び装置も提案されている(特開平5−149855号公報参照)。この方法及び装置では、水を含んだ低温用熱媒液を低温槽からメインタンク部又は再生分離タンクに入れ、これを加熱蒸発させた後低温用熱媒液だけを凝縮させて低温槽に回収し、タンク内には低温用熱媒液中に混入していた高温用熱媒液及びその上層を形成する水を溜め、タンクの底に小径になったサブタンク部を接続させてその中に液中の水を検知する水検知センサを設け、タンクからサブタンク部を介して高温用熱媒液を高温槽に回収すると共に、水を検知すると高温用熱媒液の回収を停止して水を排出するようにしている。
【0007】
しかしながら、このような方法及び装置は二液式冷熱衝撃装置に適したものであり、基本的に構造が複雑で一液式の簡単な熱媒液再生装置には適用できない。そして、サブタンク部を接続させるために低温槽とは別のメインタンク部が必要になり、又サブタンク及び分離した液(この場合は高温用熱媒液)を入れる液回収タンク(高温熱媒液回収缶)が必要になるため、装置や配管系が複雑でコスト高になる。更に、水分離のためにこれらのタンク類に液を出し入れするために、処理工程が多くなると共に処理時間も長くかかることになる。
【0008】
又、タンク内で熱媒液と水とが比重差によってある程度境界分離されていても、熱媒液の量がある程度少なくなると、サブタンク部に流入するときに渦ができて境界がくずれると共に、熱媒液と水とを一緒に吸入するようになるので、水検知センサで水を確実に検知できないおそれがあり、又水分離性能が良くなく熱媒液内に水が残留する可能性があり、更に水と共に排出する熱媒液が多くなるという問題がある。又、タンクからサブタンク部に液を落とすときにタンク上部の水が最後にタンク壁面に接触しつつ低下して行くため、壁面に水が付着することになり、この点でも水分離性能を低下させるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、運転者のやりにくい作業を解消し、熱媒液再生装置を簡単な構成で小型で低価額のものにし、水分離性能が良く、熱媒液の再生及び補充が簡単に短時間でできる熱媒液再生装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、比重が水より大きく冷熱衝撃装置の低温槽及び高温槽に共通して入れられた熱媒液に入った水を除去する除水装置と少なくともゴミを除去する浄化装置とを備えた熱媒液再生装置において、
前記冷熱衝撃装置が使用されるときの前記低温槽の前記熱媒液の液面の高さ位置より上の高さ位置に設けられた含水液出口と、該含水液出口から前記除水装置まで設けられた含水液系と、前記高温槽に設けられた除水液入口と、前記除水装置から前記除水液入口まで設けられた除水液系と、前記高温槽から前記低温槽の下方の位置まで前記熱媒液を移送可能にする熱媒液移送系と、前記低温槽と前記高温槽と前記浄化装置との間で前記熱媒液を循環清浄可能にする循環清浄系と、を有し、
前記循環清浄系は、前記熱媒液が前記低温槽から前記高温槽の方向に流れるように前記低温槽と前記高温槽とを接続する一方側高低接続系と前記熱媒液が前記高温槽から前記低温槽の方向に流れるように順次前記高温槽と前記浄化装置と前記低温槽とを接続する他方側高低接続系とから成り、
前記熱媒液移送系は、前記他方側高低接続系と共通になっているか又は前記他方側高低接続系とは別に設けられるように形成されている、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、上記に加えて、前記一方側高低接続系の一部分は前記除水液系と共通になっていて、前記一方側高低接続系と前記除水液系とを切り換え可能にする切換手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明の特徴に加えて、前記熱媒液移送系は前記他方側高低接続系と共通になっていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明の特徴に加えて、前記循環清浄系における前記熱媒液の前記低温槽の出口は前記高さ位置のうち前記熱媒液が前記低温槽に最初に入れられる初期高さ位置に設けられていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した熱媒液再生装置の全体構成の一例を示す。
熱媒液再生装置1は、比重が水より大きく冷熱衝撃装置2の低温槽3及び高温槽4に共通して入れられた熱媒液Hに入った水Wを除去する除水装置である水分離フィルタ5と少なくともゴミを除去する浄化装置であるクリーニング装置6とを備えていて、冷熱衝撃装置2が使用されるときの低温槽3の熱媒液Hの液面Sの高さ位置Lより上の高さ位置であるオーバーフロー位置Pに設けられた含水液出口31、これから水分離フィルタ5まで設けられた含水液系32、高温槽4に設けられた除水液入口41、水分離フィルタ5から除水液入口41まで設けられた除水液系42、高温槽4から低温槽3の下方の位置にある液入口33まで熱媒液Hを移送可能にする熱媒液移送系7、低温槽3と高温槽4とクリーニング装置6の間で熱媒液Hを循環清浄可能にする循環清浄系8、等を有する。
【0015】
又本例では、循環清浄系8のうちの低温槽3と高温槽4との間の一方側である一方側高低接続系81の一部分81aは前記除水液系42と共通になっていて、一方側高低接続系81と除水液系42とを切り換え可能にする切換手段としての弁9が設けられている。
【0016】
又、熱媒液移送系7は、循環清浄系8のうちの低温槽3と高温槽4との間の他方側である他方側高低接続系82と共通になっている。高温槽4からは、その低部に設けられた出口43から移送兼循環清浄用の熱媒液が取り出される。更に、循環清浄系8における熱媒液の低温槽3の出口34は、熱媒液Hの液面Sの高さ位置Lのうち熱媒液Hが低温槽3に最初に入れられる初期高さ位置L1 に設けられている。位置L1 は、図1(a)では平均的レベルを示している位置Lや(b)で示している液面の低下した低位置L2 より高い位置である。
【0017】
冷熱衝撃装置2は、詳細図示を省略しているが、通常のものと同様に断熱ケーシングに入れられた低温槽3及び高温槽4と共に、本例では水分離フィルタ5、クリーニング装置6及びこれらの間の配管系等を一体的にユニット化した装置になっている。又、模式的に示すように、冷熱衝撃試験されるべき試料Tを入れる試料かご21及びこれを昇降及び横移動させる駆動構造部22が設けられている。高低温槽4、3内には、加熱器44及び図示しない冷凍機から冷媒が供給される冷却器35や、同様に図示を省略しているが、液面上にある駆動モータから液内に駆動軸を入れて液攪拌用の羽根を回すようにした攪拌機等が通常の装置と同様に装備される。
【0018】
本例の水分離フィルタ5は、内部に筒状のフィルタエレメント51を備えていて、熱媒液と水との浸透圧の差により、熱媒液が筒内を流れる間にエレメント材料の撥水作用によって水がフィルタエレメントの表面に押し出されて溜められ、水分離された熱媒液がフィルタから送り出されるような構造のものである。但し、比重差で液−水を分離させる形式のもの等、他の適当なフィルタを使用することができる。
【0019】
クリーニング装置6は、熱媒液のクリーニングに使用される通常のものであり、ダストフィルタ61及び酸吸着フィルタ62を備えている。又本例では、高温槽4から熱媒液Hを吸入してフィルタ61、62を通過させて低温槽3に送るポンプ63を一体的に備えている。従って、ポンプ63は熱媒液移送系7にも兼用されている。
【0020】
以上のような熱媒液再生装置1は次のように運転されてその作用効果を発揮する。
冷熱衝撃装置2では、低温槽3及び高温槽4内に同じ熱媒液Hがそれぞれ図1(a)のように高さ位置Lまで入っていて、それぞれ冷却器35及び加熱器44によって例えば−30℃及び50℃にそれぞれ冷却及び加熱されて低温及び高温状態にされている。そして、冷熱衝撃試験されるべき電気・電子部品等からなる試料Tは、試料かご21に入れられ、駆動構造部22によって例えば最初に低温槽3内に下ろされて熱媒液H内に浸漬され、−30℃の低温熱衝撃を加えられた後、駆動構造部22によって低温槽3から引き上げられ、横移動した高温槽4内に下ろされて熱媒液H中に浸漬され、50℃の高温熱衝撃を加えられ、このような運転操作の繰り返しや更に異なった温度の冷熱衝撃を受け、実際の使用時の環境条件に対する加速寿命等について試験される。
【0021】
このような冷熱衝撃試験を各種試料について長期間実施すると、使用される熱媒液は、混入したゴミや侵入したり発生した酸化物等によって汚れてくると共に、低温槽において大気中の水蒸気が凝縮した水分を含有するようになり、その性状が低下して精度の高い冷熱衝撃試験ができなくなる。又、熱媒液Hも試料に付着したり散逸等して少なくなる。そのため、通常、1月程度の間隔で熱媒液が再生処理されると共に補充される。
【0022】
このときには、冷熱衝撃装置2の運転を停止し、図1(a)の実線のように低温槽3及び高温槽4から試料かご21を取り出した状態で保持しておき、両槽3、4内の熱媒液Hを数分間程度静置し、比重が1.6〜1.8位の重い熱媒液Hと水Wとの比重差によって低温槽3内で水を熱媒液の表面に浮かせる。これにより、水Wは、その大部分が熱媒液Hの表層を形成しその一部分が表面に近い位置で小水滴として熱媒液H中に混在したような状態になる。これらの液の表面Sは、通常、図1(b)に示す如く、高さ位置Lのうち低下した低位置L2 になっている。なお、図では水Wのある表面層の厚みtを大きく示しているが、実際には、水Wは熱媒液Hの1%程度の少量である。
【0023】
この状態で熱媒液移送系7を使用する。即ち、本例では共通になっている循環清浄系8のクリーニング装置6を作動させてそのポンプ63により、高温槽4内の熱媒液Hを低温槽3側に移送し、下方の位置にある液入口33から低温槽3に入れる。この移送される液は、本例では上記のクリーニング装置6でクリーニングされた液になっている。これにより、高温槽4の液面が低下し低温槽3の液面が上昇する。この場合、ポンプ63は、熱媒液のクリーニング用であるため、例えば5リットル/分程度の小容量のものである。従って、低高温槽における液面Lは、例えば3.5mm/分程度の適当に遅い速度で昇降する。
【0024】
低温槽3では、この液面上昇によって液面Sがオーバーフロー位置Pになって含水液出口31に到達すると、ここから水W及びこれを含有した熱媒液Hがオーバーフローし、含水液系32に流れ出る。
【0025】
この場合、低温槽3には下方の液入口33から熱媒液が入るため、槽内上部の液面近傍位置では、下方からの液の流入速度の影響を殆ど受けることなく、従って熱媒液Hと水Wとの分離状態が確実に保持されて液面が上昇する。そして、液面が含水液出口31に到達すると、ここから最初に表層をなす水Wが出て行き、続いて少量の水分を混入していることがある熱媒液が出て行くことになる。
【0026】
このときには、低温槽3の全表面の水が含水液出口31から出るため出口部で縮流を生ずるが、まず主として水が出て、その後少量の水が熱媒液に随伴されて出て行くような状態になり、少ない熱媒液で極めて分効率よく水を取り出すことができる。この水及び熱媒液は含水液系32を介して水分離フィルタ5に入り、その中で熱媒液Hから水Wが分離され、熱媒液Hは除水液系42を介して除水液入口41から高温槽4に入れられ、水Wはフィルタ内に溜められる。なお、水分離フィルタ5の形式によっては、図1の二点鎖線で示すドレン管から常時水が排出される。
【0027】
含水液出口31からの水及び熱媒液の取り出し量が低温槽3内の熱媒液の5〜10%程度になると、その取り出しを停止して熱媒液中の水除去処理を終了する。この処理が終了すると、熱媒液のクリーニング処理をすることになるが、本例では、循環清浄系8の一方側高低接続系81と除水液系42とを共通にしているので、その切換手段である弁9を開くことになる。
【0028】
この切換手段の作動時期即ち弁を開くタイミングは、本例では、オーバーフロー開始後、ポンプ63が前記5〜10%の液量を吐出するまでの時間で定めている。この場合、上記の如く切換までの液取り出し量を5〜10%にしているのは、水の排出効率がよいので、この程度の液をオーバーフローさせれば、熱媒液中の水がほぼ完全に取り出されるためである。従って、極めて短時間で熱媒液から水を除去することができる。発明者等の実験によれば、低高温槽に入れられる合計熱媒液が200kg程度である需要の多い汎用的な冷熱衝撃装置において、オーバーフローさせる液量を10kg程度にすると、その液流のうち中間より後流側の液では、他の比重分離された低層の熱媒液と同様に目視検査で水のない状態が確認された。
【0029】
弁9が開くと、熱媒液Hは、低温槽3の液出口34から循環清浄系8を通って高温槽4の除水液系と兼用されている除水液入口41から高温槽4に入る。このとき低温槽3から高温槽4に移動する熱媒液の流量は、ポンプ6を継続して運転している場合には、ポンプ6の流量Q1 と、低温槽3内で含水液出口31から液出口34まで熱媒液Hの液面Sのレベル下降による液面低下流量Q2 との合計流量Qである。このような熱媒液Hの流れは、P位置からL1 位置までの低温槽の高い液面と、低温槽側に液が移送されて低位置L2 より低くなる高温槽の低い液面との液面差によって生ずる。
【0030】
なお、低温槽の液面SがP位置からL1 位置に下がるまでポンプ6の運転を停止してもよいが、PとL1 との差は余り大きくないので、ポンプ6を運転していても、比較的短い時間で液面をL1 まで下げて、ポンプ流量Q1 に相当する熱媒液を循環させる定常的な循環清浄状態にすることができる。なお、PからL1 まで流量Q2 で流れる液も、比重分離されていて水を含まない熱媒液である。
【0031】
低温槽の液面が液出口34の位置になると、それ以後はポンプ6の流量に相当する熱媒液Hが循環清浄系8を流れて、定常的な熱媒液の循環清浄が行われる。この循環清浄では、クリーニング装置6でクリーニングされた熱媒液が低温槽の下方位置の液入口33から入り、低温槽内のクリーニングされていない液を上方に押し上げて液出口34に送るので、効率のよいほぼ完全な置換清浄が行われる。そしてこの場合、水除去工程中に低温槽に移送された熱媒液もクリーニング装置でクリーニングされた液であるため、水除去工程も置換清浄工程に含まれる。従って、水除去処理のための余分の工程は全く発生しない。
【0032】
熱媒液の循環清浄が終了すると、冷熱衝撃試験中の使用によって散逸減少した熱媒液を補充する。この場合、低温槽3では液面位置が既に熱媒液の張り込み時の初期高さ位置L1 になっているので、高温槽4のみに同じL1 の高さまで熱媒液を補充することになる。従って、熱媒液の補充も極めて簡単である。
【0033】
以上の如く、本発明を適用した図1の熱媒液再生装置によれば、
1)水と熱媒液とが分離している境界を乱すことなく液面をオーバーフローレベルまで上げ、含水液出口31で堰を越えるような状態で表面の水を取り出せるので、熱媒液中の水分離性能が極めてよいこと、
2)従って、水分離のために処理される液量が全熱媒液の5〜10%程度の少量であること、
3)その結果、従来の熱媒液全量処理方式に較べて、水除去時間が短いと共に、水処理フィルタの小型化が可能になること、
4)水除去のための熱媒液をクリーニング装置でクリーニングした液にしているので、水除去のための工程がクリーニング工程の一部分になっていて、水除去をしてもそのための処理時間が不要であること、
5)通常の水除去処理においても、水分離フィルタへの液の出し入れのための配管系等や水除去処理とクリーニング処理とを切り換える弁等は必要であり、又、熱媒液のクリーニングのためには本例の循環清浄系に相当する部分も必要であるため、本発明の装置によれば、系統や液の出し入れ口の内容が異なるだけで、従来の装置に対して追加される設備は全くないこと、そして、複数のタンク等の従来必要であった設備が不要になること、
6)水除去及びクリーニングのための操作は、ポンプ63の運転と弁9の開閉だけであり、従来の装置の操作に対して追加される操作がなく、極めて簡単になっていること、又、運転者のやりにくい作業も当然解消されていること、
7)クリーニング後の熱媒液の補充が高温槽だけでよいため、重い熱媒液の取り扱いが簡略化されて容易になること、
等の多くの顕著な作用効果を得ることができる。
【0034】
図2は本発明を適用した熱媒液再生装置の全体構成の他の例を示す。
本例の熱媒液再生装置1では、除水液系42と循環清浄系8の一方側高低接続系81とが別々に設けられて、除水液系42は除水液入口41に接続され、一方側高低接続系81は循環液入口81b に接続される。この系81には、この系を開閉可能にする弁9が設けられる。この弁9は、この系と除水液系42とを切り換え可能にする切換手段にもなる。
【0035】
このように除水液系42を独立に設ければ、配管系は追加になるが、除水液入口41を図示の如く低い位置P1 にして、PからP1 までの液の落差を大きくして含水液が水分離フィルタ5を通過しやすくすることができる。このP1 位置は、循環系8を作動させて低温槽3の液面LがP位置になったときの高温槽4の液面であり、低位置L2 より下の位置にされる。
【0036】
図3は本発明を適用した熱媒液再生装置の全体構成の更に他の例を示す。
本例の熱媒液再生装置1では、熱媒液移送系7と循環清浄系8の他方側高低接続系82とが別々に設けられていて、熱媒液移送系7は、高低温槽4、3の熱媒液の出口71、入口72及びポンプ73を備えている。このようにすれば、この系が追加装備されることになるが、ポンプ73を水分離に最適な能力を持つものにしたり、水分離処理とクリーニング処理とを独立してさせ、操作の簡明なものにすることができる。
【0037】
なお、図1乃至図3では、1台の熱媒液再生装置1が1台の冷熱衝撃装置2と組み合わせられた例を示したが、電子部品製造工場等で冷熱衝撃装置2が複数台設けられるような場合には、1台の熱媒液再生装置に対して、切り換え可能な固定配管又は着脱自在な配管系を採用することにより、複数台の冷熱衝撃装置の熱媒液を再生できるような装置構成にすることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、熱媒液再生装置が、冷熱衝撃装置の低温槽及び高温槽に関連して所定の構成を備えた含水液出口と含水液系と除水液入口と除水液系と熱媒液移送系と循環清浄系とを有するので、熱媒液を再生するときに、冷熱衝撃装置として使用していたときに低温槽及び高温槽で一定の液面を形成している熱媒液を別のタンク等に転送することなくそのままま一定時間静置し、水が混入している低温槽で熱媒液と水とを比重分離して水を熱媒液の表面部分に浮上させ、熱媒液移送系で熱媒液を高温槽から低温槽にその下方位置から移送して低温槽の液面を下方位置から持ち上げて含水液出口まで上昇させ、熱媒液中の水を含む表面部分を含水液出口から含水液系を介して除水装置に入れ、ここで水を除去された熱媒液を除水液系及び除水液入口を介して高温槽に戻し、低高温槽の熱媒液を除水されたものにし、その後この熱媒液を循環清浄系でクリーニングすることにより、熱媒液を水やゴミ等が除去され再生されたものにすることができる。
【0039】
この場合、低温槽の下方位置に熱媒液を入れて液面を上昇させるようにしているので、熱媒液中の水分離性能がよい。従って、水を含有した熱媒液を少量だけ含水液出口から送出することにより、熱媒液から全ての水を除去することができる。その結果、水除去時間を短くしたり除水装置を小型化することができる。又、簡単な操作で能率よく水の除去処理をすることができる。そして、従来の装置で設けられていた複数個からなる余分のタンク類及びこれらに関連した配管等が不要になるので、設備の簡素化、低コスト化、運転操作の容易化等を図ることができる。
【0040】
請求項2の発明においては、循環清浄系のうちの低温槽と高温槽との間の一方側高低接続系の一部分を除水液系と共通にして、これらの間を切り換え可能にする切換手段を設けるので、系統を一層簡素化することができる。
【0041】
請求項3の発明においては、熱媒液移送系を、循環清浄系のうちの他方側高低接続系と共通にするので、系統の一層の簡素化を図ることができる。又、水除去処理のために移送する熱媒液が浄化装置で処理されたものになるので、水除去のための処理工程を浄化処理工程の一部分にして、熱媒液再生処理の全体の工程時間を短縮することができる。
【0042】
請求項4の発明においては、循環清浄系における熱媒液の低温槽の出口を液面の高さ位置のうち熱媒液が低温槽に最初に入れられる初期高さ位置に設けているので、循環清浄工程が完了したときには、低温槽はそのままの状態で熱媒液再生後の使用可能な状態になっているため、高温槽にだけ液補充をすればよいことになる。従って、熱媒液の再生時に通常必要となる液補充の作業を簡略化し、全体の作業を容易且つ迅速なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した熱媒液再生装置を含む冷熱衝撃装置の全体構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した熱媒液再生装置を含む冷熱衝撃装置の全体構成の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明を適用した熱媒液再生装置を含む冷熱衝撃装置の全体構成の更に他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱媒液再生装置
2 冷熱衝撃装置
3 低温槽
4 高温槽
5 水分離フィルタ(除水装置)
6 クリーニング装置(浄化装置)
7 熱媒液移送系
8 循環清浄系
9 弁(切換手段)
31 含水液出口
32 含水液系
41 除水液入口
42 除水液系
81 一方側高低接続系
81a 一方側高低接続系の一部分
82 他方側高低接続系
H 熱媒液
L 液面の高さ位置
L1 初期高さ位置
P オーバーフロー位置(上の高さ位置)
S 液面
W 水
Claims (4)
- 比重が水より大きく冷熱衝撃装置の低温槽及び高温槽に共通して入れられた熱媒液に入った水を除去する除水装置と少なくともゴミを除去する浄化装置とを備えた熱媒液再生装置において、
前記冷熱衝撃装置が使用されるときの前記低温槽の前記熱媒液の液面の高さ位置より上の高さ位置に設けられた含水液出口と、該含水液出口から前記除水装置まで設けられた含水液系と、前記高温槽に設けられた除水液入口と、前記除水装置から前記除水液入口まで設けられた除水液系と、前記高温槽から前記低温槽の下方の位置まで前記熱媒液を移送可能にする熱媒液移送系と、前記低温槽と前記高温槽と前記浄化装置との間で前記熱媒液を循環清浄可能にする循環清浄系と、を有し、
前記循環清浄系は、前記熱媒液が前記低温槽から前記高温槽の方向に流れるように前記低温槽と前記高温槽とを接続する一方側高低接続系と前記熱媒液が前記高温槽から前記低温槽の方向に流れるように順次前記高温槽と前記浄化装置と前記低温槽とを接続する他方側高低接続系とから成り、
前記熱媒液移送系は、前記他方側高低接続系と共通になっているか又は前記他方側高低接続系とは別に設けられるように形成されている、
ことを特徴とする熱媒液再生装置。 - 前記一方側高低接続系の一部分は前記除水液系と共通になっていて、前記一方側高低接続系と前記除水液系とを切り換え可能にする切換手段を有することを特徴とする請求項1に記載の熱媒液再生装置。
- 前記熱媒液移送系は前記他方側高低接続系と共通になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱媒液再生装置。
- 前記循環清浄系における前記熱媒液の前記低温槽の出口は前記高さ位置のうち前記熱媒液が前記低温槽に最初に入れられる初期高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の熱媒液再生装置。
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