JP4286059B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層体およびその製造方法に関し、詳しくは、基体の被接合面に補修箇所がある場合にも、被接着体の接合を良好に行うことができ、これにより強固な積層体を製造することのできる積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種成形体間の接着に関する技術は、従来より種々検討されてきている。例えば、一般的な接着手段として接着剤を用いる方法があり、接着対象となる成形体の材質等に応じて、ゴム系接着剤、ウレタン系接着剤、ホットメルト系接着剤等の各種接着剤が使用されている。
【0003】
しかし、例えば、接着性の低い熱可塑性樹脂間の接着を図る場合など、成形体の被接合面の表面性や材質によっては、単に接着剤を用いて接着を行うのみでは十分な接着性を確保することができない場合がある。これに対し、例えば、ゴム系接着剤を用いる場合には、あらかじめ表面にコロナ放電処理を施したり、バーナー等の火炎で焼いて表面を粗くするなどの前処理を行うことで接着性を向上させ、また、湿気硬化型の接着剤では、空気中の水分をコントロールすることにより接着強度の安定化を図る等の技術が知られている(例えば、特許文献1に記載)。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、熱可塑性ウレタン樹脂フィルムとポリオレフィン系繊維からなる不織布との接着に関する技術として、該不織布の熱可塑性フィルムとの接着面にあらかじめコロナ放電処理を施した上で両者の積層および圧着を行うことにより、接着性や伸縮性等に優れた積層シートを得る技術が記載されている。
【0005】
さらに、ウェブ形状に形成した熱融着型接着シート(以下、単に「接着シート」とも称する)を用いて、これを成形体間に介在させ、加熱により溶融させることで接着を図る技術も知られている。さらにまた、本発明者らにおいても、発泡材の接着に関する技術として、加熱により発泡しながら被着体に接着するシート状発泡接着剤およびこれを用いた発泡性積層材料に係る技術を提案している(特許文献3参照)。これら接着シートによれば、加熱処理のみで被着体への接着を実現することができるので、一般的な流動状の接着剤を用いる場合における接着剤の選定や塗布、硬化等に係る多くの手間や時間を省くことができ、接着作業の容易化、効率化を図ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−305514号公報([0004]等)
【特許文献2】
特開平8−108289号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開2002−30262号公報(特許請求の範囲等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、熱融着型接着シートを用いた成形体間の接着においては、通常、成形体と接着シートとを積層、加熱して、接触面の一体化を行うことにより接着を実現するが、この際、成形体の被接合面に補修箇所があると、その部分で接着シートとの一体化が十分に図れないという問題があった。即ち、補修箇所のある成形体上に接着シートを用いて被接着体を接合する際に、単に接着シートを積層、加熱したのみでは、その補修箇所において被接着体の接合が不十分となり、得られる積層体において接着性が低下してしまうという問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、特に、補修箇所を有する被接合面に対して接着シートを適用する場合であっても、被接合面上への接着シートの融着と、それを介した被接着体の接合とを良好に行うことができ、これにより、得られる積層体において優れた接着性を実現することができる積層体およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、被接合面の補修箇所において接着シートが接着不良を生ずる原因を解明すべく鋭意検討した結果、補修箇所の表面が非補修箇所に比して粗面となっていることを見出し、かかる補修箇所における粗面の接着性を付加的に向上することで、被接合面全体の接着性を適切に確保することができ、被接合面上に被接着体を良好に接合することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0012】
また、本発明の積層体形成用部材は、上記積層体形成用基礎部材の前記被接合面上に、熱融着型接着シートが融着されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の積層体形成用部材は、特に、車両用シートパッドとして好適に用いることができる。
【0014】
さらに、本発明の積層体は、上記積層体形成用部材の前記熱融着型接着シート上に、被接着体が接合されてなることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の積層体の形成用部材の製造方法は、主として、ポリウレタンフォームからなる基体と、熱融着型接着シートとからなる積層体形成用部材の製造方法であって、前記基体の被接合面上に、前記熱融着型接着シートを加熱により融着する融着工程を含む積層体形成用部材の製造方法において、
前記基体として、前記被接合面に、該基体の補修箇所である粗面部を含むものを用い、
前記融着工程に先立って、前記補修箇所に接着剤を付着させ、その際、該接着剤を、補修用材料に混合して前記補修箇所に付着させることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の積層体の製造方法は、主として、ポリウレタンフォームからなる基体と、熱融着型接着シートと、被接着体とからなる積層体の製造方法であって、前記基体の被接合面上に、前記熱融着型接着シートを加熱により融着する融着工程と、該融着された熱融着型接着シートを加熱により溶融させ、溶融した該熱融着型接着シートを介して前記被接合面上に前記被接着体を接合する接合工程を含む積層体の製造方法において、
前記基体として、前記被接合面に、該基体の補修箇所である粗面部を含むものを用い、
前記融着工程に先立って、前記補修箇所に接着剤を付着させ、その際、該接着剤を、補修用材料に混合して前記補修箇所に付着させることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の上記製造方法においては、前記基体として、前記被接合面に粗面部を含むものを用いる場合には、前記接着剤を、該粗面部の少なくとも一部に付着させる。また、前記粗面部が前記基体の補修箇所である場合には、前記接着剤を、補修用材料に混合して該補修箇所に付着させることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の積層体の概略断面図を示す。図示するように、本発明の積層体10は、主として基体1と、熱融着型接着シート4と、被接着体2とからなる。図示する積層体10は、本発明の積層体形成用基礎部材および積層体形成用部材(以下、夫々「基礎部材」および「形成部材」とも称する)を経て製造される。
【0019】
図2に、本発明の積層体の製造方法に係る工程図を示す。図2(イ)は、本発明の積層体形成用基礎部材100の概略断面図である。図示するように、基礎部材100は、粗面部5を含む被接合面Aを有する基体1と、粗面部5の少なくとも一部に付着する接着剤3とを具備している。本発明の積層体の製造方法においては、まず、図2(ロ)に示すように、この基礎部材100の被接合面A上に熱融着型接着シート4を加熱により融着して(融着工程)、図2(ハ)に示す積層体形成用部材200を製造する。
【0020】
ここで、前述したように、熱融着型接着シートは加熱により溶融させることで基体1の被接合面上に融着させることができるものであるが、特に、基体1の被接合面A上に図示するような粗面部5が存在する場合には、この粗面部5において被接着体の形成が不十分となる場合がある。本発明においては、このような、基体1の被接合面A上における接着シートとの相性の悪い部位にあらかじめ接着剤3を付着させておくことで、この部位の接着性を良好に高めることができ、これにより、接着シート4が良好に融着された形成部材200、ひいては積層体10を得ることが可能となる。
【0021】
次いで、図2(ハ)に示す形成部材200の接着シート4を加熱により溶融させ、溶融した接着シート4を介して、被接合面A上に被接着体2を接合することで(接合工程)、図2(ニ)に示す積層体10を得ることができる。このようにして得られる積層体10においては、基体1−接着シート4間および接着シート4−被接着体2間のいずれについても良好な接着状態が実現されるので、これにより、接着部位からの剥離等の生じにくい強固な積層体10を得ることができる。
【0022】
本発明の基礎部材100、形成部材200および積層体10は、基体1および被接着体2の材質を適宜選択することにより、最終製品としての新たな部材または最終製品を形成するための中間製品として用いることができる。例えば、積層体10は、クッション性を有する材質の基体1に対し被接着体2としてシートカバーを適用することにより、車両用シートとして好適に使用可能である。この場合、基礎部材100および形成部材200は、その中間製品の車両用シートパッドとして用いることができる。具体的には、本発明を表面にシートカバーを直接接着する仕様の車両用シートパッドに適用することにより、基体1に補修箇所がある場合であっても接着強度を維持して、不良品を削減し、歩留を向上する効果を得ることが可能である。特に、本発明の形成部材200としての車両用シートパッドは、あらかじめ加熱により融かした接着シート4上に、被接着体2としてのシートカバーを押し当てることで基体1上にシートカバーを接着し、積層体10としての車両用シートを得る工法に好適に用いられる。
【0023】
本発明の積層体の製造方法および形成部材の製造方法においては、前記融着工程に先立って、基体1の被接合面Aの少なくとも一部に接着剤3を付着させることにより、被接合面Aにおける接着性を向上させる点のみが重要であり、基体1、被接着体2および接着シート4の材質や接着剤3の種類、製造工程における融着および接合手法等の具体的条件については、特に制限されるものではなく、常法に従い適宜選定することができる。例えば、融着工程の条件としては、接着シート4の材質にもよるが、例えば、温度100〜190℃程度に加熱した状態で30秒〜2分程度おくことにより、十分な接着状態を確保することができる。
【0024】
本発明の適用可能な基体1は、各種プラスチック等、接着シート4による接着が可能な材料からなるものであればよく、特に制限はないが、前掲した車両用シートなど、クッション性を有する積層体10とする場合には、プラスチックフォーム、中でも軟質・硬質ポリウレタンフォーム、パームロック(ヤシ繊維)、カールロック(ポリエステル繊維を絡み合わせて形成したクッション材)、ファブリックフォームなどを挙げることができ、特に好適には、軟質ポリウレタンフォームを用いる。
【0025】
接着剤3としては、基体1の材質に応じて通常用いられている各種接着剤を適宜選択して使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、基体1としてポリウレタンフォームからなるものを用いる場合には、開口したセル骨格内への接着剤3の浸透性を考慮して、合成ゴム系接着剤等の高粘度の接着剤、例えば、コニシボンド(株)製 商品名G762(トルエン40〜50%)等を用いることが好ましい。粘度の高い接着剤を用いることにより、開口セルにより形成される表面の凹凸を適切に埋めることができる。また、各種ホットメルト系接着剤、例えば、熱融着型接着シートなども好適に使用することができ、所望に応じ、各種接着剤の2種以上を併用して用いることも可能である。
【0026】
接着剤3は、その後の融着工程(図2(ロ)参照)において接着シート4の接着性を基体1の被接合面A全体にわたり適切に確保することができるものであれば、基体1の被接合面A上の少なくとも一部、特に、被接合面Aが粗面部5を含む場合には、図示するような粗面部5の少なくとも一部に付着させればよい。また、図3に示すように、被接合面Aのうち粗面部5の全体にわたり付着させることもできる。かかる粗面部5とは、具体的には、基体1の成形工程において生じた成形欠陥や、その取扱い時において発生した損傷などを補修した箇所などが挙げられる。また、粗面部5以外でも、例えば、基体1表面上に接着シート4と相性の悪い溶剤が付着した部位などがあれば、その部位に接着剤3を付着させることにより本発明の効果を得ることができる。
【0027】
ここで、ポリウレタンフォームからなる基体1の場合、成形表面はスキン層が形成されているので、ごく平滑であって接着シート4との相性にも優れていると考えられる。一方、補修箇所については、補修材となるポリウレタンフォームを埋め込んだ後、周辺の表面形状に合わせて削る(バフ仕上げ)ことにより形成されているため、フォーム構造の破壊されたセル骨格がランダムに飛び出した状態となっており、非補修箇所に比して極めて粗い、接着には適さない毛羽立ったような表面状態を呈しているものと考えられる。従って、この補修箇所に接着剤3を付着させることで、補修箇所の粗い表面構造を接着剤3にて均すとともに、接着剤3の接着類と接着シ−ト4の接着類との相乗効果を得ることができ、補修箇所の接着強度を通常面と同等ないしそれ以上に向上することができる。
【0028】
接着剤3を基体1の表面に付着させる手法としては、特に制限されるものではないが、通常は、図2(イ)に示すように、接着剤3を基体1の表面に直接塗布する手法を用いることができる。また、特に、接着剤3を上記補修箇所に付着させる場合には、補修に用いる補修用材料に接着剤3をあらかじめ混合しておき、補修作業と接着剤3の付着とを同時に行う手法を用いることもできる。例えば、前述のポリウレタンフォームからなる基体1の場合には、成形不良等により生じた凹凸部または穴部等に再度フォーム材などの補修材を詰め込んで補修を行う際に、本発明に係る接着材を用いて補修材の固定を行えばよい。
【0029】
熱融着型接着シート4としては、一般に市販されているものを、基体1の材質等に合わせて適宜選択して使用することができ、特に制限されない。具体的には、例えば、シート状ホットメルト剤、ネット状ホットメルト剤、フィルム状ホットメルト剤、パウダー状ホットメルト剤等を挙げることができ、特に、シート状ホットメルト剤が好適である。具体的には、日東紡績(株)製のホットメルト接着剤、商品名スパンファブシリーズ(材質:ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン等)などを好適に用いることができる。
【0030】
また、被接着体2としては、前掲した車両用シートカバーなど、その用途等に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、例えば、軟質ポリウレタンフォーム、ファブリックフォーム、生地、ポリプロピレン(PP)繊維などが挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(従来例1)
基体1として、表面にスキン層が一様に形成された成形ポリウレタンフォームパッドを用い、その表面上に接着シート4(日東紡績(株)製 シート状ホットメルト接着剤、商品名スパンファブPE2900)を積層し、加熱により融着して、部材を形成した。加熱には、図4に示すようなラミネート用熱プレス機20を使用した。プレス板温度は約170℃であり(設定温度220℃)、上側プレス板から基体1上に積層した接着シート4表面までの距離は約3〜5mmであった。また、熱照射時間は90秒とした。
【0032】
(従来例2)
基体1として、補修箇所を有する成形ポリウレタンフォームパッドを用いた以外は従来例1と同様に行った。
【0033】
上記従来例1および従来例2における基体1の表面近傍の断面写真図を、接着シートの融着の前後について夫々図5および図6に示す。なお、図6は、基体1の補修箇所付近のみを拡大して示したものである。
【0034】
図5の(イ)に示すように、補修箇所のない基体1のモールドスキン面は平滑であり、融着後は、同(ロ)に示すように、溶融した接着シート4が面でしっかりと結びついている。図5(ロ)に示す状態では、接着シート4は指先で剥そうとしても全く取れず、理想的な接着状態であった。
【0035】
一方、図6(イ)に示すように、補修箇所を有する基体1の表面は破壊されたセル骨格が外に向かって突き出ており、非補修箇所に比して粗く、毛羽立っているような状態であった。そのため融着後は、図6(ロ)に示すように、溶融した接着シート4が突き出たセル骨格を核として凝集しており、特に、接着シートの密な部分とセル骨格の顕著な突き出し部分が重なった箇所で凝集が起りやすくなっていることがわかった。この凝集部は斑に点在していた。また、凝集した被接着体は一部のセル骨格のみと点で結びついていることから、指先でなぞると簡単に落ちてしまった。
【0036】
以上のような検討の結果、補修箇所の表面が非補修箇所に比して粗く、そのために補修箇所の表面と接着シートとの相性が悪くなって、融着時に接着シートが補修箇所の表面に均一に広がらずに粒状に凝集してしまい、その結果として接着シートの融着が不十分な部位が生じて、得られる部材における接着性を損なっていることが確認された。
【0037】
(実施例1〜10)
基体1として、補修箇所を有する成形ポリウレタンフォームパッドを用いて、図7(イ)〜(ヘ)に夫々示すように、基体1の補修箇所に下記の表1中に示す各種接着剤を付着させた後、接着シート4の融着を行った以外は従来例1と同様にして、各実施例の部材を作製した。
【0038】
図示するように、実施例1〜5の各種ウレタンフォーム用接着剤11についてはハケで塗布し(図中の(イ))、実施例6のムース状ホットメルト剤12はスプレーで塗付し(図中の(ロ))、実施例7の固形ホットメルト剤13は表面に擦り込み(図中の(ハ))、実施例8のクリーム状ホットメルト剤14は直接塗付する(図中の(ニ))ことにより、夫々補修箇所に付着させ、乾燥させた。また、実施例9のシート状ホットメルト剤(熱融着型接着シート)17については、プレス時にホットメルト剤が熱プレス機16に付着しないように熱プレス機16とシート状ホットメルト剤17との間に離型シート15を挟んだ状態で、熱プレス機の表面温度180℃、プレス時間4秒でプレスすることにより付着させ、その後、冷却を行った(図中の(ホ))。さらに、実施例10については、実施例4と同様のウレタンフォーム用接着剤11をハケで塗布し、乾燥した後、実施例9と同様のシート状ホットメルト剤(熱融着型接着シート)17を、間に離型シート15を挟んだ状態で、熱プレス機16の表面温度180℃、プレス時間4秒にてプレスすることにより付着させ、その後、冷却を行った(図中の(ヘ))。
【0039】
従来例1、2および実施例1〜10にて得られた各部材につき、図8および9に示すようにして、接着シート4の接着状態を確認するための剥離試験を行った。具体的には、まず、図8に示すように、平滑な表面を有するポリウレタンフォーム31上にホットメルトシート(ウェブ)32を載せ、表面温度約150℃となるよう熱照射を行うことによりこれを融かした後(図中の(イ))、これと各部材30とを重ね合わせてプレスすることで(図中の(ロ))、両者を接着した(図中の(ハ))。次いで、図9(イ)に示すような試験片(L:100mm×W:20mm×H:30(=15+15)mm)を切り出して、接着面Aから各試験片の片端をきれいに数cm剥がしてつかみ部を設け、図9(ロ)に示すように、180°方向の引張試験機を用いて、引張り速度200mm/minにて、剥離強度を測定した。最大引張り荷重を剥離強度とし、各例ごとに5個の試験片につき測定を行い、接着状態が極めて良好で剥離強度が高いものを◎、接着状態が良好なものを○、接着状態が不良で剥離強度が低いものを×とした。この評価結果を下記の表1中に併せて示す。
【0040】
【表1】
【0041】
上記表1の結果より、基体1の補修箇所に接着剤を付着させた実施例1〜10の部材においては、接着剤を用いない従来例2の部材に比して接着シート4の接着状態を良好に向上することができることが確かめられた。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、特に、補修箇所を有する被接合面に対して接着シートを適用する場合であっても、被接合面上への接着シートの融着と、それを介した被接着体の接合とを良好に行うことができ、これにより、得られる積層体において優れた接着性を実現することができる積層体およびその製造方法を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体を示す概略図である。
【図2】(イ)〜(ニ)は、本発明の積層体の製造方法の概要を示す工程図である。
【図3】接着剤の付着状態の一例を示す概略図である。
【図4】ラミネート用熱プレス機を示す概略図である。
【図5】(イ)は、補修箇所を有しない成形ポリウレタンフォームパッドの表面近傍を示す断面写真図であり、(ロ)は、その表面上に接着シートを融着した状態を示す断面写真図である。
【図6】(イ)は、成形ポリウレタンフォームパッドの補修箇所の表面近傍を示す断面写真図であり、(ロ)は、その表面上に接着シートを融着した状態を示す断面写真図である。
【図7】(イ)〜(ヘ)は実施例1〜10の部材の製造方法を示す説明図である。
【図8】実施例における剥離試験の概要を示す第一の説明図である。
【図9】実施例における剥離試験の概要を示す第二の説明図である。
【符号の説明】
1 基体
2 被接着体
3 接着剤
4 接着シート
5 粗面部
10 積層体
11 ウレタンフォーム用接着剤
12 ムース状ホットメルト剤
13 固形ホットメルト剤
14 クリーム状ホットメルト剤
15 離型シート
16、20 熱プレス機
17 シート状ホットメルト剤
30 部材
31 ポリウレタンフォーム
32 ホットメルトシート
100 積層体形成用基礎部材
200 積層体形成用部材
Claims (2)
- 主として、ポリウレタンフォームからなる基体と、熱融着型接着シートとからなる積層体形成用部材の製造方法であって、前記基体の被接合面上に、前記熱融着型接着シートを加熱により融着する融着工程を含む積層体形成用部材の製造方法において、
前記基体として、前記被接合面に、該基体の補修箇所である粗面部を含むものを用い、
前記融着工程に先立って、前記補修箇所に接着剤を付着させ、その際、該接着剤を、補修用材料に混合して前記補修箇所に付着させることを特徴とする積層体形成用部材の製造方法。 - 主として、ポリウレタンフォームからなる基体と、熱融着型接着シートと、被接着体とからなる積層体の製造方法であって、前記基体の被接合面上に、前記熱融着型接着シートを加熱により融着する融着工程と、該融着された熱融着型接着シートを加熱により溶融させ、溶融した該熱融着型接着シートを介して前記被接合面上に前記被接着体を接合する接合工程を含む積層体の製造方法において、
前記基体として、前記被接合面に、該基体の補修箇所である粗面部を含むものを用い、
前記融着工程に先立って、前記補修箇所に接着剤を付着させ、その際、該接着剤を、補修用材料に混合して前記補修箇所に付着させることを特徴とする積層体形成用部材の製造方法。
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