図1は本発明にかかる遊技機の一実施形態であるスロットマシンの外観を示す正面図である。この実施形態におけるスロットマシン1は、例えば図1に示すように構成されている。即ち、図1に示すように、スロットマシン1では、筐体3の前面が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
そして、この正面板9には横長矩形のリール窓11が設けられ、このリール窓11の右横には、遊技者に当選又は入賞などを告知する演出用画面を表示するための液晶ディスプレイ13が配設されている。また、リール窓11の内側には左・中・右の回転リール12L,12M,12Rを備えたリールユニット14が配置され、リール窓11からは、回転リール12L,12M,12Rの図柄が上段・中段・下段の各々3個ずつ覗くように設定されている。更に、この操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルの枚数を減じてメダル投入に代えるためのベットスイッチ15、各回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ17、左・中・右回転リール12L,12M,12Rの回転をそれぞれ停止させるための左・中・右ストップスイッチ19L,19M,19R、メダル投入口21、およびクレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23が設けられている。
また、正面板9には入賞ラインが描かれると共に、入賞ライン中の有効ラインを表示する有効表示ランプ31、遊技者に当選又は入賞などを告知するための演出用ランプ33、クレジットメダルの枚数を表示するメダル枚数表示器35が配設され、操作板7の下方には、メダルの払出口37や、この払出口37から払い出されるメダルを受けるメダル受け39が設けられている。また、各回転リール12L,12M,12Rには、内側から図柄を照明するための例えばLEDからなる左・中・右のリール光源25L,25M,25R(図15)が内蔵されている。また、筐体3内部のリールユニット14の下方には、メダルを払出口37に排出するためのホッパーユニット27(図15)が配設されている。
次に、リールユニット14の構成について説明する。図2はリールユニット14の全体斜視図、図3はドットユニットの斜視図、図4はシャッタユニットの斜視図、図5はモータユニットの斜視図である。また、図6は図2において駆動ギア45を取り外した状態の部分斜視図、図7は図6において支持壁111Rなどを取り外した状態の部分斜視図、図8は図2において左側の支持壁111Lを取り外した状態を左斜め後ろから見た部分斜視図である。
図2に示すように、このリールユニット14は、各回転リール12L,12M,12Rの前方(この実施形態では正面の上方)に設定された前方位置に配置可能なドット表示部41と、各回転リール12L,12M,12Rの前方(この実施形態では正面)に設定された前方位置に配置可能なシャッタ43とを備えている。ドット表示部41とシャッタ43とは、各前方位置と、各前方位置から後方に退避した各退避位置との間で、それぞれ移動可能に支持されている。リールユニット14の右側面には、駆動モータ44と、駆動モータ44のモータ軸44aに固定されたモータギア44bに噛み合わされた駆動ギア45とが配設されている。この駆動ギア45は、リールユニット14のほぼ中央に水平に配設された回転軸47に回動自在に取り付けられ、その主面の回転軸47から所定寸法だけ離れた位置には駆動軸体49が突設されている。そして、駆動モータ44が駆動されると駆動ギア45が回転し、それに伴って駆動軸体49が回転し、この駆動軸体49の回転がドット表示部41およびシャッタ43に伝達されて、これらが移動する。この伝達機構は、後に詳述する。
ドット表示部41は、ドットマトリクス構成の多数のLEDが配置されたほぼ矩形形状の板状体で、図3に示すように、板状の保持フレーム51に保持されている。なお、ドット表示部41はLEDに限られず、LCDやELなどの発光表示体を用いるようにしてもよい。この保持フレーム51は、左右の両端部が前方に折り曲げられて形成された折り曲げ部51L,51Rを備えている。この左右の折り曲げ部51L,51Rには、それぞれ上下の両端部に外方に向けて一対のガイド軸体が突設されている。すなわち、左折り曲げ部51Lには、上端部に上側ガイド軸体53Lが、下端部に下側ガイド軸体55L(図8)が、それぞれ突設されている。また、右折り曲げ部51Rには、上端部に上側ガイド軸体53Rが、下端部に下側ガイド軸体55Rが、それぞれ突設されている。
この左右の下側ガイド軸体55L,55Rには、それぞれ左右のドットフレーム57L,57Rの一方端部が回動自在に軸支されている。この左右のドットフレーム57L,57Rは、それぞれ他方端部に透設された貫通孔59L,59Rにおいて、駆動ギア45の回転軸47に回動自在に軸支されている。左右のドットフレーム57L,57Rにより、左右の下側ガイド軸体55L,55Rを介して、ドット表示部41における下側ガイド軸体55L,55Rの軸中心が、回転軸47の周りに回動自在に支持されている。
また、右ドットフレーム57Rには、ほぼ中央部に設けられた支持軸61に一端が回動自在に軸支されたドットカム63が取り付けられている。このドットカム63は、支持軸61側の一端から直線状に延びるとともに、この直線から円弧状に折れ曲がって形成されており、この直線部分から円弧部分に亘って駆動ガイド孔65が透設されている。この駆動ガイド孔65は、支持軸61を通る直線上に形成された短い直線部65aおよびこの直線部65aから折れ曲がって円弧状に形成された円弧部65bとを有する。この駆動ガイド孔65には駆動ギア45に突設された駆動軸体49が嵌挿している。また、ドットカム63上の支持軸61と直線部65aとの間には、ガイド軸体67が突設されている。
なお、右ドットフレーム57Rは、ドットカム63を挟む位置に、それぞれ縁が折り曲げられて形成された規制部69を備えており、これらの規制部69がドットカム63に当接することで、支持軸61周りのドットカム63の回動範囲を規制している。このように、この実施形態では、回転リール12L,12M,12Rが本発明の「図柄表示手段」に相当し、左右のドットフレーム57L,57Rが本発明の「第1フレーム」に相当し、支持軸61が本発明の「第1支持軸」に相当し、駆動ガイド孔65が本発明の「第1駆動ガイド孔」に相当し、ドットカム63が本発明の「第1カム」および「第1連結手段」に相当する。
シャッタ43は、図4に示すように、円柱側面の一部を切り出したような湾曲した板状体で、前方位置において各回転リール12L,12M,12R上の図柄を遮蔽するものである。この板状体の湾曲の曲率半径は、回転リール12L,12M,12Rの半径より多少大きくなっている。このシャッタ43は、その上端部が保持フレーム71に固定され、左右の両端部が後方に折り曲げられて形成された折り曲げ部43L,43Rを備えている。この左右の折り曲げ部43L,43Rには、それぞれ左右のシャッタフレーム73L,73Rの一方端部が固定されている。この左シャッタフレーム73Lは、ほぼL字形状で、他方端部に貫通孔75Lが透設されている。また、右シャッタフレーム73Rは、ほぼ中央で屈曲した「く」の字形状で、その屈曲部分に貫通孔75Rが透設されている。そして、左右のシャッタフレーム73L,73Rは、それぞれ貫通孔75L,75Rにおいて駆動ギア45の回転軸47に回動自在に軸支されており、この左右のシャッタフレーム73L,73Rによって、シャッタ43が回転軸47の周りに回動自在に支持されている。
また、右シャッタフレーム73Rの他方端部には、貫通孔75Rから所定寸法離れた位置に支持軸77が設けられている。この支持軸77には、シャッタカム79の一端が回動自在に軸支されている。このシャッタカム79は、支持軸77側の一端から直線状に延びるとともに、この直線の途中から円弧状に折れ曲がってほぼT字形状に形成されている。このシャッタカム79には、駆動ギア45に突設された駆動軸体49が嵌挿する駆動ガイド孔81が透設されている。この駆動ガイド孔81は、支持軸77を通る直線上に形成された短い直線部81aおよびこの直線部81aから折れ曲がって円弧状に形成された円弧部81bを有する。このシャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bは、ドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bと同一曲率で形成されている。また、シャッタカム79上の直線部81aに対して支持軸77と反対側には、ガイド軸体83が突設されている。
なお、右シャッタフレーム73Rは、シャッタカム79を挟む位置に、それぞれ縁が折り曲げられて形成された規制部85を備えており、これらの規制部85がシャッタカム79に当接することで、支持軸77周りのシャッタカム79の回動範囲を規制している。このように、この実施形態では、左右のシャッタフレーム73L,73Rが本発明の「第2フレーム」に相当し、支持軸77が本発明の「第2支持軸」に相当し、駆動ガイド孔81が本発明の「第2駆動ガイド孔」に相当し、シャッタカム79が本発明の「第2カム」および「第2連結手段」に相当する。
図2に示すように、リールユニット14のユニットベース91には、各部を支持するための支持板93a,93b,93c,93dがそれぞれ立設されている。図5に示すように、駆動モータ44は、支持板93aに固定されており、駆動モータ44のモータ軸44aにはモータギア44bが固定され、このモータギア44bが駆動ギア45と噛み合わされている。駆動ギア45はモータギア44bより径が大きく構成されており、これによって減速機構を構成している。駆動ギア45の主面の回転軸47から所定寸法離れた円周上には複数の検出片95が並んで立設される一方、支持板93aの対応する位置には2個のフォトインタラプタ96,97が配設されており、これらのフォトインタラプタ96,97および検出片95により、駆動ギア45の回転位置を検出するエンコーダ99が構成されている。駆動モータ44は、本実施形態では例えばステッピングモータを用いている。なお、駆動モータ44はステッピングモータに限られず、DCモータなどの正転および反転が可能なモータであればよい。
図2に示すように、リールユニット14のユニットベース91の左右両端には、それぞれ左右の支持壁111L,111Rが立設されている。左支持壁111Lには、上側ガイド軸体53Lが嵌挿する移動ガイド孔113Lと、下側ガイド軸体55Lが嵌挿する移動ガイド孔115Lとが、それぞれ透設されている。また、図6に示すように、右支持壁111Rには、上側ガイド軸体53Rが嵌挿する移動ガイド孔113Rと、下側ガイド軸体55Rが嵌挿する移動ガイド孔115Rと、ガイド軸体67が嵌挿する移動ガイド孔117と、ガイド軸体83が嵌挿する移動ガイド孔119と、駆動軸体49が貫通するための貫通孔121とが、それぞれ透設されている。
移動ガイド孔113L,113Rは、互いに対向する位置に水平に透設されており、嵌挿している上側ガイド軸体53L,53Rを支持するとともに、その前後方向の移動を水平方向に案内する。移動ガイド孔115L,115Rは、互いに対向する位置に回転軸47を中心とする円弧状に透設されており、嵌挿している下側ガイド軸体55L,55Rを支持するとともに、その前後方向の移動を円弧に沿って案内する。このように、移動ガイド孔113L,113Rおよび115L,115Rが、それぞれガイド軸体53L,53Rおよび55L,55Rの移動を案内している。これによって、移動ガイド孔113L,113Rおよび115L,115Rの後端側に各ガイド軸体53L,53Rおよび55L,55Rが位置する(すなわちドット表示部41が退避位置にある)ときは、ドット表示部41の表面がほぼ上方を向いて、回転リール12L,12M,12Rの上方の隙間にドット表示部41が収容されるようになっている。そして、ドット表示部41が退避位置から前方位置に向けて移動するにしたがってドット表示部41の表面が徐々に下方を向き、移動ガイド孔113L,113Rおよび115L,115Rの前端側に各ガイド軸体53L,53Rおよび55L,55Rが位置する(すなわちドット表示部41が前方位置にある)と、ドット表示部41の表面がほぼ正面を向いて遊技者にとって見易い状態になる。
また、移動ガイド孔117は、ガイド軸体67が嵌挿することでドットカム63の移動を案内するもので、回転軸47を中心とする円弧状に透設された後端側の円弧部117a(図10)と、ドットカム63の支持軸61を中心とする円弧状に透設された前端側の円弧部117b(図10)とからなる。また、移動ガイド孔119は、ガイド軸体83が嵌挿することでシャッタカム79の移動を案内するもので、回転軸47を中心とする円弧状に透設された前端側の円弧部119a(図14)と、シャッタカム79の支持軸77を中心とする円弧状に透設された後端側の円弧部119b(図14)とからなる。貫通孔121は、回転軸47を中心とする円弧状に、駆動軸体49の回動範囲に亘って透設されている。このように、この実施形態では、ガイド軸体67が本発明の「第1ガイド軸体」に相当し、移動ガイド孔117が本発明の「第1移動ガイド孔」に相当し、移動ガイド孔117の円弧部117aが本発明の「第1連結用円弧部」に相当し、移動ガイド孔117の円弧部117bが本発明の「第1解除用円弧部」に相当する。また、ガイド軸体83が本発明の「第2ガイド軸体」に相当し、移動ガイド孔119が本発明の「第2移動ガイド孔」に相当し、移動ガイド孔119の円弧部119aが本発明の「第2連結用円弧部」に相当し、移動ガイド孔119の円弧部119bが本発明の「第2解除用円弧部」に相当する。
図8に示すように、ユニットベース91に立設された支持板93dには、フォトインタラプタ123,125,127,129が取り付けられたセンサ載置板131が固定されている。フォトインタラプタ123,125は、左ドットフレーム57Lの一部が折り曲げられて形成された検出片57aを検出することにより、左ドットフレーム57Lの回転位置、すなわちドット表示部41の位置を検出するもので、フォトインタラプタ123がドット表示部41の前方位置への到達を検出し、フォトインタラプタ125がドット表示部41の退避位置への到達を検出する。また、フォトインタラプタ127,129は、左シャッタフレーム73Lの一部が折り曲げられて形成された検出片73aを検出することにより、左シャッタフレーム73Lの回転位置、すなわちシャッタ43の位置を検出するもので、フォトインタラプタ127がシャッタ43の前方位置への到達を検出し、フォトインタラプタ129がシャッタ43の退避位置への到達を検出する。
図9〜図14はドット表示部41およびシャッタ43の移動を説明するためのリールユニット14の右側面図である。図9はドット表示部41およびシャッタ43の双方が退避位置にある状態、図10はドット表示部41が前方位置に到達した状態、図11は駆動軸体49とドットカム63との連結が解除された状態、図12は駆動軸体49の連結が切換途中の状態、図13は駆動軸体49とシャッタカム79とが連結された状態、図14はシャッタ43が前方位置に到達した状態を、それぞれ示している。
なお、図9〜図14では、説明の便宜上、以下のように図示している。(1)各構成要素を実線で示す。(2)右ドットフレーム57Rを模式的にほぼL字形状に示す。(3)シャッタ43を模式的に扇形状に示す。(4)右シャッタフレーム73R、移動ガイド孔115Rおよび貫通孔121の図示を省略する。(5)各部の円運動の軌跡および中心を一点鎖線で示す。
まず、退避位置にあるドット表示部41およびシャッタ43の前方位置への前進移動について説明する。図9に示すように、ドット表示部41およびシャッタ43の双方が退避位置にあるときには、駆動軸体49は、ドットカム63の駆動ガイド孔65の直線部65aの内部に嵌挿するとともに、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bの後端に嵌挿している。また、ドットカム63の右ドットフレーム57Rに対する支持軸61を中心とする回転位置は、ドットカム63の支持軸61とガイド軸体67と駆動ガイド孔65の直線部65aとを結ぶ直線上に回転軸47の軸中心47aが配置されるように設定されている。図9に示すようにドット表示部41およびシャッタ43の双方が退避位置にある状態が本発明の「初期状態」に相当する。
図9の状態から、駆動モータ44の回転開始により駆動ギア45が反時計回り方向に回転を始めると、回転する駆動軸体49がドットカム63の駆動ガイド孔65の直線部65aを押す。このとき、ドットカム63の移動方向は、ガイド軸体67が嵌挿する移動ガイド孔117によって案内されるが、上述したように、移動ガイド孔117のうちで、後端から図10に示すガイド軸体67の嵌挿位置までの円弧部117a(図10)は、回転軸47を中心とする円弧状に支持壁111Rに透設されている。したがって、図10に示すように、ガイド軸体67の移動軌跡131と、支持軸61を介して移動する右ドットフレーム57Rの移動軌跡133とは、駆動軸体49の移動軌跡135と同様に、回転軸47を中心とする円弧状となる。これによって、ドットカム63の右ドットフレーム57Rに対する支持軸61を中心とする回転位置は図9の状態を保ったまま、ドット表示部41が前方に向けて移動し、図10においてドット表示部41は前方位置に到達する。また、図10に示すように、上側ガイド軸体53Rの移動軌跡137は、水平となり、下側ガイド軸体55Rの移動軌跡139は、回転軸47を中心とする円弧状となる。これによって、図9では上方を向いているドット表示部41が徐々に下方を向いて、図10の前方位置では、ほぼ正面を向くようになっている。
図10に示す位置から駆動ギア45がさらに反時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がドットカム63の駆動ガイド孔65の直線部65aをさらに押す。このとき、ドットカム63の移動方向は、やはりガイド軸体67が嵌挿する移動ガイド孔117によって案内されるが、上述したように、移動ガイド孔117のうちで、図10に示すガイド軸体67の嵌挿位置から前端までの円弧部117bは、支持軸61を中心とする円弧状に支持壁111Rに透設されている。したがって、図11に示すように、駆動軸体49の移動軌跡135が回転軸47を中心とする円弧状となるのに対して、ガイド軸体67の移動軌跡131は、支持軸61の軸中心61aを中心とする円弧状となる。これによって、ドットカム63は右ドットフレーム57Rに対して支持軸61の軸中心61aを中心として時計回り方向に回転し、図11に示すように、ドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bは、回転軸47を中心とする円弧に一致することとなる。このドットカム63の回転により、駆動軸体49の駆動ガイド孔65における嵌挿位置が、直線部65aのほぼ中央から直線部65aの終端、すなわち円弧部65bの始端に移動する。図11に示す位置から、駆動ギア45がさらに反時計回り方向に回転しても、駆動軸体49は、ドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bの内部を移動するだけであるので、駆動モータ44の駆動力は右ドットフレーム57Rに伝達されない。すなわち、ドットカム63の右ドットフレーム57Rに対する支持軸61を中心とする回転によって、駆動モータ44と右ドットフレーム57Rとの間が連結状態から連結解除状態に切り換えられている。
なお、図9の状態から図11の状態までは、駆動軸体49が嵌挿するシャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bは、回転軸47を中心とする円弧に一致している。このため、駆動ギア45が反時計回り方向に回転しても、駆動軸体49は、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bの内部を移動するだけであるので、駆動モータ44の駆動力は右シャッタフレーム73Rに伝達されない。すなわち、駆動モータ44と右シャッタフレーム73Rとの間は連結解除状態になっている。
図11の状態から、駆動ギア45がさらに反時計回り方向に回転すると、駆動軸体49は、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bの内部を移動し、円弧部81bの終端に到達して図12に示す状態となる。すなわち、図11の状態から図12の状態までの間は、ドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bおよびシャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bの双方が回転軸47を中心とする円弧に一致しており、双方の円弧部65b,81bの曲率が等しいため、駆動軸体49から見ると両者が連通状態になっている。これによって、図11の状態から図12の状態までの間は、駆動モータ44と右ドットフレーム57Rとの間、駆動モータ44と右シャッタフレーム73Rとの間が、いずれも連結解除状態になっている。このように、この実施形態では、図11の状態から図12の状態までの間が本発明の「移行区間」に相当する。
図12の状態から、駆動ギア45がさらに反時計回り方向に回転すると、駆動軸体49は、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bの終端を押し始める。このとき、シャッタカム79の移動方向は、ガイド軸体83が嵌挿する移動ガイド孔119によって案内される。この移動ガイド孔119のうちで、後端から図13に示すガイド軸体83の嵌挿位置までの円弧部119b(図14)は、支持軸77を中心とする円弧状に支持壁111Rに透設されている。したがって、図13に示すように、駆動軸体49の移動軌跡135が回転軸47の軸中心47aを中心とする円弧状となるのに対して、ガイド軸体83の移動軌跡141は、支持軸77の軸中心77aを中心とする円弧状となる。このため、図13に示すように、シャッタカム79は右シャッタフレーム73Rに対して支持軸77を中心として反時計回り方向に回転する。これによって、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bは、回転軸47を中心とする円周上から外れる。このとき、シャッタカム79が右シャッタフレーム73Rに対して回転するだけであり、右シャッタフレーム73Rは移動しない。また、駆動軸体49の駆動ガイド孔81における嵌挿位置が、円弧部81bの終端から直線部81aの内部に移動する。すなわち、シャッタカム79の右シャッタフレーム73Rに対する支持軸77を中心とする回転によって、駆動モータ44と右シャッタフレーム73Rとの間が連結解除状態から連結状態に切り換えられている。
図13の状態から、駆動ギア45がさらに反時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がシャッタカム79の駆動ガイド孔81の直線部81aを押す。このとき、シャッタカム79の移動方向は、ガイド軸体83が嵌挿する移動ガイド孔119によって案内される。ここで、移動ガイド孔119のうちで、図13に示すガイド軸体83の嵌挿位置から前端までの円弧部119a(図14)は、回転軸47を中心とする円弧状に支持壁111Rに透設されている。したがって、図14に示すように、ガイド軸体83の移動軌跡141は、駆動軸体49の移動軌跡135と同様に、回転軸47を中心とする円弧状となる。このため、支持軸77を中心とするシャッタカム79の右シャッタフレーム73Rに対する回転位置は図13の状態を保ったまま、右シャッタフレーム73Rが反時計回り方向に回転し、これによってシャッタ43が前方位置に向けて移動する。そして、図14において、シャッタ43は前方位置に到達し、駆動モータ44が停止すると、シャッタ43が前方位置に配置された図14の状態が維持される。
なお、図11〜図14では、ドットカム63には、自重により右ドットフレーム57Rに対して支持軸61を中心とする反時計回り方向の力が作用するが、駆動ガイド孔65に嵌挿する駆動軸体49によって支えられるため、駆動ガイド孔65の円弧部65bが回転軸47の軸中心47aを中心とする円弧に一致する状態が維持される。
次に、ドット表示部41およびシャッタ43の前方位置から退避位置への後退移動について簡単に説明する。ドット表示部41およびシャッタ43の後退移動では、図14の状態から各図の状態を上記と逆に経て、図9の状態に移行することとなる。
図14の状態から、駆動モータ44が反転して駆動ギア45が時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がシャッタカム79の駆動ガイド孔81の直線部81aを押す。このとき、シャッタカム79の移動方向は、ガイド軸体83が嵌挿する移動ガイド孔119によって案内されるが、この部分の移動ガイド孔119の円弧部119aは、回転軸47を中心とする円弧状に透設されているので、ガイド軸体83は、駆動軸体49と同様に回転軸47の軸中心47aを中心とする円弧状に移動する。これによって、右シャッタフレーム73Rは回転軸47を中心として時計回り方向に回転し、シャッタ43が前方位置から、図13に示す退避位置まで後退移動する。
図13の状態から駆動ギア45がさらに時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がシャッタカム79の駆動ガイド孔81の直線部81aをさらに押す。このとき、シャッタカム79の移動方向は、ガイド軸体83が嵌挿する移動ガイド孔119によって案内されるが、図13に示すガイド軸体83の嵌挿位置から後端までの移動ガイド孔119の円弧部119bは、支持軸77を中心とする円弧状に透設されている。したがって、駆動軸体49が回転軸47の軸中心47aを中心とする円弧状に移動するのに対して、ガイド軸体83は支持軸77の軸中心77aを中心とする円弧状に移動する。このため、シャッタカム79は右シャッタフレーム73Rに対して支持軸77を中心として時計回り方向に回転し、右シャッタフレーム73Rは移動しない。
シャッタカム79の回転はガイド軸体83が移動ガイド孔119の円弧部119bの後端に到達すると停止して、図12に示すように、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bは、回転軸47の軸中心47aを中心とする円弧に一致することとなる。また、駆動軸体49の駆動ガイド孔81における嵌挿位置が、直線部81aの終端であって円弧部81bの始端に移動する。これ以降、駆動ギア45がさらに時計回り方向に回転しても、駆動軸体49は、シャッタカム79の駆動ガイド孔81の円弧部81bの内部を移動するだけであるので、駆動モータ44の駆動力は右シャッタフレーム73Rに伝達されない。すなわち、シャッタカム79の支持軸77を中心とする回転によって、駆動モータ44と右シャッタフレーム73Rとの間が連結状態から連結解除状態に切り換えられている。
なお、図14の状態から図12の状態までの間は、ドットカム63の駆動ガイド孔65に嵌挿している駆動軸体49は、駆動ガイド孔65の円弧部65bの内部を移動するだけであるので、駆動モータ44の駆動力は右ドットフレーム57Rに伝達されない。
図12の状態から駆動ギア45がさらに時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bの内部を移動し、円弧部65bの終端に到達して図11の状態になる。すなわち、上述したように、図12の状態から図11の状態までの間は、駆動モータ44と右ドットフレーム57Rとの間、駆動モータ44と右シャッタフレーム73Rとの間が、いずれも連結解除状態になっている。このように、この実施形態では、図12の状態から図11の状態までの間が本発明の「移行区間」に相当する。
図11の状態から駆動ギア45がさらに時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bの終端を押し始める。このとき、ドットカム63の移動方向は、ガイド軸体67が嵌挿する移動ガイド孔117によって案内されるが、この部分の移動ガイド孔117の円弧部117b(図10)は、支持軸61の軸中心61aを中心とする円弧状に透設されている。このため、ドットカム63は右ドットフレーム57Rに対して支持軸61を中心として反時計回り方向に回転し、ドットカム63の駆動ガイド孔65の円弧部65bは、回転軸47を中心とする円周上から外れる。また、駆動軸体49の駆動ガイド孔65における嵌挿位置が、円弧部65bの終端から外れて直線部65aの内部に移動し、図10に示す状態となる。
図10の状態から駆動ギア45がさらに時計回り方向に回転すると、駆動軸体49がドットカム63の駆動ガイド孔65の直線部65aを押す。このとき、ドットカム63の移動方向は、ガイド軸体67が嵌挿する移動ガイド孔117によって案内されるが、移動ガイド孔117の図10に示すガイド軸体67の嵌挿位置から後端までの円弧部117aは、回転軸47の軸中心47aを中心とする円弧状に透設されている。したがって、図11の位置から開始されたドットカム63の右ドットフレーム57Rに対する回転は図10の位置で終了し、図10の位置から、ドットカム63は、右ドットフレーム57Rとともに回転軸47を中心とする時計回り方向の回転を開始する。これによって、ドット表示部41が退避位置に向けて移動を開始し、図9に示す退避位置に到達する。
このように、この実施形態では、ドット表示部41が本発明の「第1演出手段」に相当し、図9に示すドット表示部41の退避位置が本発明の「第1退避位置」に相当し、図10に示すドット表示部41の前方位置が本発明の「第1前方位置」に相当する。また、シャッタ43が本発明の「第2演出手段」に相当し、図9に示すシャッタ43の退避位置が本発明の「第2退避位置」に相当し、図14に示すシャッタ43の前方位置が本発明の「第2前方位置」に相当する。
図15はスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。また、図16〜図18はリールユニット14の正面図で、図16はドット表示部41およびシャッタ43の双方が退避位置にある状態、図17はドット表示部41が前方位置に到達した状態、図18はシャッタ43が前方位置に到達した状態を、それぞれ示している。
図15において、投入センサ201は、メダル投入口21に設けられ、投入されたメダルを検知するものである。メモリ203には遊技機用プログラムが格納されており、CPU205は、この遊技機用プログラムにしたがって動作すると、遊技制御手段205aおよび演出制御手段205bとして機能する。遊技には、一般的な遊技である通常遊技と、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技(ボーナスゲーム)とがあり、遊技制御手段205aはこれらの遊技を制御する。
通常遊技の概要について説明する。このスロットマシン1では、投入センサ201によりメダル投入口21からのメダル投入が検出されるか、またはベットスイッチ15の操作によりクレジットメダルの投入指示があると、ゲームが開始される。そして、ゲーム開始後にスタートスイッチ17を操作すると、まず、当選か否かの抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール12L,12M,12Rの回転が開始する。その後に、3個のストップスイッチ19L,19M,19Rのうちの1個を操作すると、当該ストップスイッチ19L,19M,19Rに対応した回転リール12L,12M,12Rの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ19L,19M,19Rを操作し終えると、3個すべての回転リール12L,12M,12Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、ホッパーユニット27により遊技者に対して所定枚数のメダルが払い出されるか、又は遊技者に対してリプレイなどの所定の利益が付与される。なお、メダルの払い出しに代えて、クレジットメダルとして内部に貯留されることもある。
抽選結果には、特定導入遊技当選(ビッグボーナス(BB)当選)と、特定遊技当選(レギュラーボーナス(RB)当選)と、小役当選と、再遊技当選(Replay当選)と、ハズレとがある。また、入賞には、特定導入遊技(BBゲーム)への移行に係る特定導入遊技入賞(BB入賞)と、特定遊技(RBゲーム)への移行に係る特定遊技入賞(RB入賞)と、所定枚数のメダルの払い出しに係る小役入賞と、再遊技(Replay)の実行に係る再遊技入賞(Replay入賞)とがある。
上記RBゲームとは、特定入賞遊技(JACゲーム)を複数回行い得ることにより、通常遊技よりも当選確率が高い遊技をいい、また、BBゲームとは、RBゲームの導入確率が高い遊技をいい、これらが本発明の「特別遊技」に相当する。そして、所定の図柄(例えば「赤7」または「青7」)が入賞ライン上に3個揃うと、BB入賞となり、払い出しがある場合にはメダルが払い出されて、通常遊技からBBゲームに移行する。また、所定の図柄(例えば「スイカ」)が入賞ライン上に3個揃うと、小役入賞となり、所定枚数のメダルが払い出される。また、例えば、「Replay」の図柄が入賞ライン上に3個揃うと、Replay入賞となり、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
なお、抽選結果がBB当選になると、BB当選に基づいた図柄の停止制御が行われるが、このとき、BB入賞が引き当てられないと、このBB当選は、BB入賞が引き当てられるまで持ち越されることとなっている。RB当選についても同様である。BB当選またはRB当選が持ち越された状態をそれぞれ「BB内部当り」、「RB内部当り」と称する。一方、小役当選は、抽選結果が小役当選となった遊技で小役入賞を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されないこととなっている。Replay当選についても同様である。
演出制御手段205bは、遊技に関連する演出として、例えば抽選結果や入賞の有無などを遊技者に告知するために、液晶ディスプレイ13や演出用ランプ33、各リール光源25L,25M,25R、ドット表示部41などの動作を制御するもので、例えば各々の演出パターンに応じた動画を液晶ディスプレイ13に表示させたり、演出用ランプ33を一斉にあるいは個別に点滅させたり、各リール光源25L,25M,25Rを点滅させたり、ドット表示部41に絵柄や文字などを表示させる。
また、演出制御手段205bは、遊技に関連する演出として、例えば各々の演出パターンに応じて駆動モータ44を動作させてドット表示部41およびシャッタ43を移動させる。例えば、通常遊技中には、図16に示すように、ドット表示部41およびシャッタ43の双方を退避位置に退避させておく。
そして、例えば通常遊技からBBゲームまたはRBゲームに移行したときに、ドット表示部41を退避位置から前方位置に向けて前進移動させて、各LEDを一斉にあるいは個別に点滅させる演出を行う。この演出は、例えば各回転リール12L,12M,12Rの回転中にのみ行うようにしてもよい。ドット表示部41が前方位置にあると、図17に示すように、ドット表示部41がほぼ正面を向いているため、遊技者の見易い位置で効果的に演出を行うことが可能になる。
また、演出制御手段205bは、例えばドット表示部41が前方位置にある状態で、各回転リール12L,12M,12Rの停止中に、シャッタ43を退避位置から前方位置に向けて前進移動させて、各回転リール12L,12M,12Rの図柄を遮蔽する演出を行う。シャッタ43が前方位置にあると、図18に示すように、各回転リール12L,12M,12Rの上端からほぼ中央部までシャッタ43により遮蔽される。これによって、ドット表示部41の演出中に、リール窓11から覗く各回転リール12L,12M,12Rの上段および中段の図柄を遮蔽するなどの演出を行うことが可能になる。なお、演出制御手段205bは、各回転リール12L,12M,12Rの回転中にも、シャッタ43を前方位置に前進移動させてもよい。
ここで、演出制御手段205bは、フォトインタラプタ123,125からの検出信号に基づき、それぞれドット表示部41の前方位置および退避位置への到達を判定し、フォトインタラプタ127,129からの検出信号に基づき、それぞれシャッタ43の前方位置および退避位置への到達を判定する。また、演出制御手段205bは、フォトインタラプタ96,97からの検出信号に基づき、ドット表示部41およびシャッタ43の前方位置と退避位置との間における位置を判定する。
なお、演出制御手段205bによる演出は上記に限られない。例えば各LEDの点滅を行いながら、ドット表示部41を退避位置から前方位置に移動する途中で退避位置に戻すような演出を行ったり、例えばシャッタ43を退避位置と前方位置との間で往復移動させる演出を行ってもよい。また、例えばシャッタ43をスモークおよびハーフミラーなどの半透明の材質で形成しておき、シャッタ43が前方位置にある状態で、通常は各リール光源25L,25M,25Rを消灯しておくことで回転リール12L,12M,12Rの図柄を見にくくしていておき、所定のタイミングで各リール光源25L,25M,25Rを点灯させて、シャッタ43を通して図柄を遊技者に見易くするような演出を行うと、さらに遊技者の興趣を増すことができる。
以上説明したように、この実施形態によれば、回転リール12L,12M,12Rの前方位置と退避位置との間で移動可能なドット表示部41およびシャッタ43を備え、演出パターンに応じてこれらの移動を制御しているため、多様な演出を行うことができ、これによって十分な演出効果を得ることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、この実施形態によれば、ドット表示部41を支持する右ドットフレーム57Rと駆動モータ44との間を連結状態としてドット表示部41を移動させ、連結状態を連結解除状態に切り換えた後、シャッタ43を支持する右シャッタフレーム73Rと駆動モータ44との間を連結解除状態から連結状態に切り換えて、シャッタ43を移動させるようにしているため、1つの駆動モータ44でドット表示部41およびシャッタ43を移動させることができ、これによって、駆動モータの増加による筐体3の大型化を未然に防止することができる。
また、この実施形態によれば、移動ガイド孔117によりドットカム63の移動を案内し、移動ガイド孔119によりシャッタカム79の移動を案内することにより、右ドットフレーム57Rと駆動モータ44との間および右シャッタフレーム73Rと駆動モータ44との間における連結状態と連結解除状態との切換えを、駆動モータ44による駆動軸体49の回転により自動的に行うようにしているため、連結切換専用の構成が不要とすることができ、これによって装置構成を簡素化することができる。
また、この実施形態によれば、左右のドットフレーム57L,57Rによりドット表示部41を回転軸47周りに回転可能に支持し、左右のシャッタフレーム73L,73Rによりシャッタ43を回転軸47周りに回転可能に支持して、前方位置から退避位置までドット表示部41およびシャッタ43を回転リール12L,12M,12Rの周面に沿って回転移動させているため、退避位置において、ドット表示部41およびシャッタ43を回転リール12L,12M,12Rの上方の限られたスペースに配置することができる。これによって、ドット表示部41およびシャッタ43を退避位置に配置するスペースを確保するために筐体3が大型化するのを未然に防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、ドット表示部41およびシャッタ43が双方とも退避位置にある初期状態において、上記実施形態とは逆に、右シャッタフレーム73Rと駆動モータ44との間を連結状態にしておき、シャッタ43を前方位置に移動させた後、連結状態を切り換えてドット表示部41を前方位置に移動するようにしてもよい。この形態では、シャッタ43が本発明の「第1演出手段」に相当し、ドット表示部41が本発明の「第2演出手段」に相当する。ただし、ドット表示部41を先に前方位置に移動させる上記実施形態の方が、回転リール12L,12M,12Rの図柄を遮蔽しない状態でドット表示部41による演出ができるので、より高い演出効果が得られるため好ましい。
また、上記実施形態では、リールユニット14の回転リール12L,12M,12Rをスタートスイッチ17の操作で回転を開始する入賞に関連する回転リールとしているが、本発明はこれに限られず、例えば図19に示すように入賞に関連しない演出用の回転リールとしてもよい。図19は変形形態のスロットマシン1aの外観を示す斜視図である。なお、図19では、図1と同一物には同一符号を付している。
このスロットマシン1aは、図19に示すように、2組の回転リールを備えている。すなわち、正面板9の上方に設けられた横長矩形のリール窓11aの内側に上記リールユニット14の回転リール12L,12M,12Rが設けられ、正面板9のリール窓11の内側に回転リール22L,22M,22Rが設けられている。そして、下方の回転リール22L,22M,22Rは、スタートスイッチ17の操作で回転を開始する入賞に関連する回転リールであり、例えば遊技制御手段205a(図15)により回転が制御される。一方、上方のリールユニット14の回転リール12L,12M,12Rは、入賞に関連しない演出用の回転リールであり、例えば演出制御手段205b(図15)により演出パターンに応じて回転が制御される。このリールユニット14は上記実施形態と同一構成であり、演出パターンに応じて、回転リール12L,12M,12Rの前方位置へのドット表示部41およびシャッタ43の移動が制御される。この図19の形態でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、ドット表示部41を前方位置に移動させた後、連結状態を切り換えてシャッタ43を前方位置に移動させるようにしているが、本発明はこれに限られず、ドット表示部41およびシャッタ43のいずれかを択一的に移動可能に構成してもよい。すなわち、例えばドット表示部41およびシャッタ43の双方が退避位置にある初期状態においてのみ連結状態を切換可能に構成しておき、ドット表示部41の前方位置への前進移動および退避位置への後退移動と、シャッタ43の前方位置への前進移動および退避位置への後退移動とを択一的に行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第2演出手段を1つのシャッタ43で構成しているが、本発明はこれに限られず、分割形成された2つのシャッタで第2演出手段を構成するようにしてもよい。例えば、シャッタ43と同様に回転リール12L,12M,12Rの上方の退避位置に設けられた上部シャッタと、回転リール12L,12M,12Rの下方の退避位置に設けられた下部シャッタとを備え、上部シャッタを上記実施形態のシャッタ43と同様に回転移動させるとともに、下部シャッタを下方の退避位置から上部シャッタと反対方向に回転移動させて前方位置に移動させるようにしてもよい。この形態によれば、上部シャッタおよび下部シャッタを互いに異なる動きとなるように移動を制御することにより、さらに多様な演出を行うことができ、演出効果をさらに一層高めることができる。
また、上記実施形態では、ドット表示部41およびシャッタ43を回転リール12L,12M,12Rの周面に沿って回転移動させているが、本発明はこれに限られず、例えば図20に示すようにドット表示部41およびシャッタ43を上下方向に昇降移動させるようにしてもよい。図20は別の変形形態のスロットマシンの筐体内部を示す右側面図である。このスロットマシンでは、図20(A)に示すようにドット表示部41およびシャッタ43の退避位置を回転リール12L,12M,12Rとリール窓11との隙間の上方に設定し、ドット表示部41およびシャッタ43を前後に並べて両者の下端を揃えた状態で配置しておく。そして、図20(B)に示すように、ドット表示部41およびシャッタ43を同時にドット表示部41の前方位置に降下移動させる。さらに、図20(C)に示すように、シャッタ43をドット表示部41の背後でさらにシャッタ43の前方位置に降下移動させる。また、退避位置への移動は、まずシャッタ43をドット表示部41の前方位置に上昇移動させた後、ドット表示部41およびシャッタ43を同時に退避位置に上昇移動させればよい。この形態によれば、ドット表示部41およびシャッタ43を直線的に昇降移動させるだけであるため、ドット表示部41およびシャッタ43の移動を案内するガイド部材の構成を簡素化することができる。
なお、図20とは逆に、ドット表示部41およびシャッタ43の退避位置を回転リール12L,12M,12Rとリール窓11との隙間の下方に設定し、ドット表示部41およびシャッタ43を前後に並べて両者の上端を揃えた状態で配置しておいて、両者をそれぞれ前方位置に上昇移動させるようにしてもよい。また、ドット表示部41およびシャッタ43の移動は、昇降移動に限られず、横方向に水平移動させるようにしてもよい。このように、ドット表示部41およびシャッタ43を直線的に往復移動させる形態にすると、それらの移動を案内するガイド部材の構成を簡素化することができる。ただし、横方向に水平移動させる形態では、リールユニット14の横にドット表示部41およびシャッタ43を退避させるスペースが必要になるので、筐体3の設置スペースの大型化を招くことになるため、上記実施形態のように回転移動させる形態や、図20のように昇降移動させる形態の方が好ましい。
また、上記実施形態や上記図19では、ドット表示部41およびシャッタ43を回転リールの前方位置に移動させるようにしているが、本発明の「図柄表示手段」は回転リールに限られない。例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスなどの演出用の図柄を表示する表示デバイスの前方位置にドット表示部41およびシャッタ43を移動させるようにしてもよい。
1,1a…スロットマシン、12L,12M,12R…回転リール(図柄表示手段)、41…ドット表示部(第1演出手段、発光表示体)、43…シャッタ(第2演出手段)、44…駆動モータ(駆動動力源)、47…回転軸、49…駆動軸体、57L,57R…左右のドットフレーム(第1フレーム、第1支持手段)、61…支持軸(第1支持軸)、63…ドットカム(第1カム、第1連結手段)、65…駆動ガイド孔(第1駆動ガイド孔)、65b…円弧部(第1円弧部)、67…ガイド軸体(第1ガイド軸体)、73L,73R…左右のシャッタフレーム(第2フレーム、第2支持手段)、77…支持軸(第2支持軸)、79…シャッタカム(第2カム、第2連結手段)、81…駆動ガイド孔(第2駆動ガイド孔)、81b…円弧部(第2円弧部)、83…ガイド軸体(第2ガイド軸体)、111R…右支持壁(支持壁)、117…移動ガイド孔(第1移動ガイド孔)、117a…円弧部(第1連結用円弧部)、117b…円弧部(第1解除用円弧部)、119…移動ガイド孔(第2移動ガイド孔)、119a…円弧部(第2連結用円弧部)、119b…円弧部(第2解除用円弧部)、205…CPU、205b…演出制御手段(制御手段)