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JP4274033B2 - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の制御装置 Download PDF

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JP4274033B2 JP2004119237A JP2004119237A JP4274033B2 JP 4274033 B2 JP4274033 B2 JP 4274033B2 JP 2004119237 A JP2004119237 A JP 2004119237A JP 2004119237 A JP2004119237 A JP 2004119237A JP 4274033 B2 JP4274033 B2 JP 4274033B2
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    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
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Description

本発明は、プライマリプーリ及びセカンダリプーリの夫々にベルト挟圧力発生用のアクチュエータを具備するベルト式無段変速機の制御装置に関する。
一般に、ベルト式無段変速機は、平行に配置された二本の回転軸と、これら各回転軸に別個に取り付けられたプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、このプライマリプーリ及びセカンダリプーリの夫々のV字形状の溝に巻き掛けられたベルトとを備えている。ここで、そのプライマリプーリ及びセカンダリプーリは、夫々、回転軸(プライマリシャフト及びセカンダリシャフト)に固定された垂体状の固定シーブと、その回転軸上でその軸線方向に摺動する垂体状の可動シーブとを有しており、対向する固定シーブの傾斜部分と可動シーブの傾斜部分とで上記V字形状の溝を形成している。
そして、この種のベルト式無段変速機においては、上記可動シーブを回転軸の軸線方向に摺動させてV字形状の溝幅を変化させることで、ベルトとプライマリプーリ及びセカンダリプーリとの夫々の接触半径を無段階に変化させ、これにより変速比γを無段階に変えることができる。換言すれば、プライマリプーリ側の接触半径とセカンダリプーリ側の接触半径との比がベルト式無段変速機の変速比γになることから、このベルト式無段変速機は、プライマリプーリの溝幅を制御することによって変速比γを無段階に可変させることができる。
このように、従来、ベルト式無段変速機において変速比γを変える為には可動シーブを回転軸方向に摺動させる必要があり、これが為、このベルト式無段変速機にはプライマリプーリの可動シーブを摺動させる為の機構(可動シーブ摺動機構)が設けられている。例えば、この可動シーブ摺動機構としては電動モータや油圧モータ等のモータの駆動力を利用して可動シーブの摺動を行うものがある。
また、このベルト式無段変速機においては、変速比γを保持し、上記V字形状の溝におけるベルトの滑りを抑える為に、可動シーブを固定シーブ側に押し付けてベルト挟圧力を発生させる押圧機構(アクチュエータ)が設けられている。例えば、この押圧機構としては、可動シーブの裏面(V字形状の溝の反対側の面)に設けたシリンダ内の油圧や空気圧によってベルト挟圧力を発生させるもの、その裏面に設けたトルクカムによってベルト挟圧力を発生させるもの等があり、かかる押圧機構を具備するベルト式無段変速機は、例えば下記の特許文献1に開示されている。
実開昭64−12960号公報
ここで、上述した油圧等による押圧機構においては、その油圧等をベルト式無段変速機への入力トルクに応じて適宜変化させることによってベルト挟圧力を発生させている。
しかしながら、その入力トルクとして例えば運転状態に応じて予め記憶された内燃機関の出力トルクを用いることが考えられるが、内燃機関の特性バラツキ等により、その記憶された内燃機関の出力トルクと実際の内燃機関の出力トルクとの間に差異が生じる場合があり、ベルト挟圧力が過剰になる又は不足する等、適切なベルト挟圧力の制御を行えない虞があった。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善して、正確なベルト式無段変速機への入力トルクが取得でき、その入力トルクに応じた適切なベルト挟圧力制御を行い得るベルト式無段変速機の制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、一方の可動シーブに当該可動シーブを固定シーブに向けて押圧して当該一方の可動シーブのベルト挟圧力を発生し得る第1アクチュエータを設けると共に、他方の可動シーブに当該可動シーブを固定シーブに向けて押圧して当該他方の可動シーブのベルト挟圧力を発生し得る第2アクチュエータ及びトルクカムを設けたベルト式無段変速機の制御装置において、第1アクチュエータの制御量を用いて求めたベルト式無段変速機の出力トルクと当該ベルト式無段変速機の変速比とに基づいて当該ベルト式無段変速機に実際に入力されている入力トルクを導出する入力トルク導出機能と、その実際のベルト式無段変速機の入力トルクと内燃機関の状態とに基づいて当該状態に応じた当該内燃機関からベルト式無段変速機への入力トルク情報を修正する機能と、を設けている。
ここで、この入力トルク導出機能は、請求項2記載の発明の如く、第1アクチュエータの制御量に基づいて他方の可動シーブの推力を求め、この他方の可動シーブの推力と第2アクチュエータの制御量に基づき求めた当該第2アクチュエータの推力とからトルクカムの推力を求め、このトルクカムの推力と当該トルクカムの諸元とからトルクカム伝達トルクを求め、このトルクカム伝達トルクとベルト式無段変速機の変速比とに基づいて前記実際のベルト式無段変速機の入力トルクを導出する機能であることが好ましい。
この請求項1又は2に記載の発明によれば、ベルト式無段変速機への実際の入力トルクを簡易且つ精度良く求めることができる。特に、トルクカム伝達トルク(セカンダリトルク)を求める際に請求項2記載の発明の如くトルクカムの諸元をも考慮すれば、より精度の高い実際の入力トルクを求めることが可能になる。また、この請求項1又は2に記載の発明によれば、内燃機関の状態(機関回転数等)からでも精度の高い入力トルクを推定することができるので、変速比を保持するに必要十分なベルト挟圧力を発生させることができる。
また、請求項3記載の発明の如く、第2アクチュエータが他方の可動シーブを押圧しないよう当該第2アクチュエータの制御量を制御することによって、より簡単に実際の入力トルクを求めることができる。更に、この請求項3記載の発明のように、入力トルク導出機能は、所定の変速比のときに、第2アクチュエータが他方の可動シーブを押圧しないよう当該第2アクチュエータの制御量を制御し、第1アクチュエータの制御量に基づいて他方の可動シーブのベルト挟圧力を担うトルクカムの推力を求め、このトルクカムの推力と当該トルクカムの諸元とからトルクカム伝達トルクを求め、このトルクカム伝達トルクとベルト式無段変速機の変速比とに基づいて実際のベルト式無段変速機の入力トルクを導出する機能であることが好ましい。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項1,2又は3に記載のベルト式無段変速機の制御装置において、入力トルク導出機能により求められた前記実際のベルト式無段変速機の入力トルクに基づいて第1及び第2のアクチュエータの制御量を制御するアクチュエータ制御機能を設けている
この請求項記載の発明によれば、ベルト式無段変速機への実際の入力トルクに応じた最適なベルト挟圧力を得ることができる。
また、上記目的を達成する為、請求項記載の発明では、所定の間隔を設けて平行に配置した2本のプーリ軸と、その各プーリ軸に各々配置し且つ当該プーリ軸上を軸線方向に摺動し得る可動シーブと、その各可動シーブに各々対向させてプーリ軸上に配置し且つ当該可動シーブとの間で溝を形成する固定シーブと、対向配置した夫々の可動シーブ及び固定シーブにおける各溝に巻き掛けたベルトとを備えたベルト式無段変速機の制御装置において、一方のプーリ軸上における可動シーブ及び固定シーブの組を入力側とし、且つ、他方のプーリ軸上における可動シーブ及び固定シーブの組を出力側とし、前記入力側の可動シーブを固定シーブに向けて押圧してベルト挟圧力を発生させる第1アクチュエータの制御量を用いてその出力側のプーリ軸から出力された出力トルクを求める機能と、その出力トルクと変速比に基づいて入力側のプーリ軸に入力された実際の入力トルクを求める機能と、その実際の入力トルクを内燃機関の状態に応じた当該内燃機関からベルト式無段変速機への入力トルク情報と比較して当該内燃機関の状態に応じた入力トルク情報を修正する機能とを設けている。この請求項記載の発明によれば、内燃機関の状態(機関回転数等)からでも精度の高い入力トルクを推定することができるので、変速比を保持するに必要十分なベルト挟圧力を発生させることができる。
本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、ベルト式無段変速機への実際の入力トルクを精度良く求めることができるので、その入力トルクに応じた最適なベルト挟圧力を発生させることができる。
以下に、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置の実施例1を図1〜図16に基づいて説明する。
最初に、ベルト式無段変速機を備えた動力伝達装置の全体構成について図1を用いて説明する。
この動力伝達装置は、内燃機関10と、この内燃機関10の出力側に配置されたトランスアクスル20とで構成される。
上記トランスアクスル20は、図1に示す如く、内燃機関10の出力側から順に、内燃機関10に取り付けられたトランスアクスルハウジング21と、このトランスアクスルハウジング21に取り付けられたトランスアクスルケース22と、このトランスアクスルケース22に取り付けられたトランスアクスルリヤカバー23とを備えており、これらにより筐体が構成される。
先ず、上記トランスアクスルハウジング21の内部には、トルクコンバータ(発進装置)30が収納されている。このトルクコンバータ30は、内燃機関10のトルクを増加させて後述するベルト式無段変速機1に伝達するものであり、ポンプインペラ31,タービンライナ32,ステータ33,ロックアップクラッチ34及びダンパ装置35等を備えている。
また、このトランスアクスルハウジング21の内部には、内燃機関10のクランクシャフト11と同一の軸線を中心に回転可能なインプットシャフト38が設けられている。ここで、このインプットシャフト38における内燃機関10側の端部には、上記タービンライナ32が取り付けられており、更に上記ダンパ装置35を介して上記ロックアップクラッチ34が設けられている。
一方、上記クランクシャフト11におけるトランスアクスル20側の端部には、ドライブプレート12を介してトルクコンバータ30のフロントカバー37が連結されており、このフロントカバー37に上記ポンプインペラ31が接続されている。
このポンプインペラ31は上記タービンライナ32と対向配置され、これらの内側に上記ステータ33が配置されている。また、このステータ33には、ワンウェイクラッチ39を介して中空軸36が接続されており、この中空軸36の内部に上記インプットシャフト38が配置されている。
ここで、上記の如きフロントカバー37やポンプインペラ31等により形成されたケーシング(図示略)内には、作動油が供給されている。
以下に、上記トルクコンバータ30の動作説明を行う。
先ず、内燃機関10の出力トルクTeがクランクシャフト11からドライブプレート12を介してフロントカバー37に伝達される。ここで、ロックアップクラッチ34がダンパ装置35により解放されている場合には、フロントカバー37に伝達されたトルクがポンプインペラ31に伝達され、このポンプインペラ31とタービンライナ32との間を循環する作動油を介して、タービンライナ32にトルクが伝達される。そして、このタービンライナ32に伝達されたトルクは、インプットシャフト38に伝達される。
ここで、このトルクコンバータ30と後述する前後進切換え機構40との間には、図1に示すオイルポンプ(油圧ポンプ)26が設けられている。このオイルポンプ26は、そのロータ27により円筒形状のハブ28を介して上記ポンプインペラ31に接続されており、また、そのボデー(筐体)29がトランスアクスルケース22側に固定されている。更に、上記ハブ28は、上記中空軸36にスプライン嵌合されている。以上の如き構成により内燃機関10の動力がポンプインペラ31を介してロータ27に伝達されるので、オイルポンプ26を駆動することが可能になる。
次に、上記トランスアクスルケース22及びトランスアクスルリヤカバー23の内部には、前後進切換え機構40とベルト式無段変速機1と差動装置たる最終減速機70とが収納されている。
先ず、上記前後進切換え機構40は、トルクコンバータ30内のインプットシャフト38に伝達された内燃機関10の出力トルクTeを後述するベルト式無段変速機1のプライマリプーリ50に伝達するものであり、遊星歯車機構41と、フォワードクラッチ42と、リバースブレーキ43とから構成されている。
上記遊星歯車機構41は、サンギヤ44と、ピニオン(プラネタリピニオン)45と、リングギヤ46とから構成されている。
ここで、そのサンギヤ44は連結部材(図示略)にスプライン嵌合されており、その連結部材はプライマリプーリ50の回転軸たるプライマリシャフト51にスプライン嵌合されている。かかる構成により、サンギヤ44に伝達されたトルクは、プライマリシャフト51に伝達される。
また、上記ピニオン42は、サンギヤ44の周囲に複数個(例えば3個)配置され、そのサンギヤ44に噛み合わされている。ここで、夫々のピニオン42は、ピニオン42自身を自転可能に支持すると共にサンギヤ44の周囲で一体に公転可能に支持するキャリヤ48に保持されている。このキャリヤ48は、その外周端部でリバースブレーキ43に接続されている。
また、上記リングギヤ46は、キャリヤ48に保持されている各ピニオン42に噛み合わされ、フォワードクラッチ42を介してトルクコンバータ30内のインプットシャフト38に接続されている。
続いて、上記フォワードクラッチ42は、インプットシャフト38の中空部に供給された作動油によりON/OFF制御されるものである。ここで、このON/OFF制御には、ブレーキピストン(図示略)が用いられる。尚、前進走行時には、フォワードクラッチ42がON、リバースブレーキ43がOFFにされ、後進走行時には、フォワードクラッチ42がOFF、リバースブレーキ43がONにされる。
次に、上記ベルト式無段変速機1の概略構成について説明する。
このベルト式無段変速機1は、上記インプットシャフト38と同心上に配置されたプライマリシャフト(プーリ軸)51と、このプライマリシャフト51に対して所定の間隔を設けて平行に配置されたセカンダリシャフト(プーリ軸)61とを備えている。ここで、このプライマリシャフト51は図1に示す軸受81,82により回転可能に支持されており、セカンダリシャフト61は図1に示す軸受83,84により回転可能に支持されている。
先ず、上記プライマリシャフト51には、図1に示すプライマリプーリ50が設けられている。このプライマリプーリ50は、プライマリシャフト51の外周に一体的に配設された固定シーブ52と、そのプライマリシャフト51の軸線方向に摺動可能な可動シーブ53とを備えている。
ここで、この可動シーブ53は、図2に示すスプライン54によってプライマリシャフト51にスプライン嵌合されている。また、上記固定シーブ52及び可動シーブ53の対向面間には、V字形状の溝80aが形成されている。
更に、このプライマリシャフト51には、可動シーブ53をプライマリシャフト51の軸線方向に摺動させて固定シーブ52に接近又は離隔させる可動シーブ摺動機構55が設けられている。以下、本実施例1の可動シーブ摺動機構55について詳述する。
この可動シーブ摺動機構55は、図2に示す如く、可動シーブ53をプライマリシャフト51の軸線方向に摺動させる為の駆動源たる油圧モータ550と、この油圧モータ550の駆動力(回転方向の力)を可動シーブ53の摺動方向の力に変換する運動方向変換機構551とを備えている。
先ず、本実施例1の油圧モータ550としては、インナーロータとの相対回転により生じたアウターロータの回転を駆動力とする構造のモータを用いる。例えば、図3に示す如く、アウターロータ550aとインナーロータたるベーン(羽根)550b,550bとを備え、これらの間に形成された第1油室550c,550c(又は第2油室550d,550d)に流入させた作動油によってアウターロータ550aを回転させる所謂ベーンモータを使用する。ここで、本実施例1のベーン550b,550bは、プライマリシャフト51と一体的に設けられている。
上記アウターロータ550aは、可動シーブ53における上記溝80aの反対側の空間部分に且つプライマリシャフト51と同心上に配置され、プライマリシャフト51と共に回転可能な図2に示す軸受51aを介することで、このプライマリシャフト51に対してその回転軸を中心とした相対回転が可能になっている。
ここで、このアウターロータ550aの外周部分は、図2に示す如く、上記運動方向変換機構551を介して、可動シーブ53における上記空間部分の内壁面に取り付けられている。例えば、本実施例1の運動方向変換機構551としては、アウターロータ550aの回転力をその軸線方向の力に変換する多条ネジや滑りネジ等の所謂運動ネジを用いる。これにより、比較的小さなトルクで大きな推力を発生させることができ、油圧モータ550の出力(トルク)を低くすることができるので、油圧低減による高効率化や油圧モータ550の小型化(小径化)が図れる。
また、この運動方向変換機構551は、アウターロータ550aと可動シーブ53とをプライマリシャフト51の回転方向において一体回転させるものであることから、油圧モータ550を可動シーブ53と共に一体回転させる一体回転機構としても機能する。
以上の軸受51aと運動方向変換機構551とにより、油圧モータ550と可動シーブ53との間の相対移動を可能にする相対移動機構が構成される。例えば、アウターロータ550aが回転すると、この回転力(トルク)は、運動方向変換機構551を介することで可動シーブ53を摺動させる為の油圧モータ550の推力となる。ここで、この推力に対する反力は軸受51aに掛かるが、この軸受51aはプライマリシャフト51に固定されたものであることから、アウターロータ550aが上記反力の方向に然程移動しないので、可動シーブ53は、油圧モータ550に対して相対移動し、固定シーブ52に接近する。このように、アウターロータ550aを回転させると、可動シーブ53をプライマリシャフト51の軸線方向に摺動させることができる。
また、軸受51aがプライマリシャフト51に固定されているので、油圧モータ550の推力に対する反力は軸受51aを介してプライマリシャフト51で受けることができる。更にまた、アウターロータ550aとプライマリシャフト51との間の相対回転は、可動シーブ53の摺動方向のストロークで制限される。これらのことから、本実施例1にあっては、トランスアクスルケース22やトランスアクスルリヤカバー23等の静止系で上記反力を受けず、また、軸受51aの転動は殆ど起こらないので、この軸受51aにおける損失を低減することができる。
ここで、前述したが如く油圧モータ550のベーン550b,550bはプライマリシャフト51と一体的に設けられているので、油圧モータ550のアウターロータ550aは、油圧モータ550の回転が停止していればプライマリシャフト51と同一回転数で回転し、アウターロータ550aとベーン550b,550bとの間に相対回転が生じていればプライマリシャフト51とは異なる回転数で回転する。
更に、プライマリシャフト51(又はベーン550b,550b)には、図3に示す如く、上記第1油室550c,550cと連通して当該第1油室550c,550cに作動油を供給する又は当該第1油室550c,550cから作動油を排出する油路51bと、上記第2油室550d,550dと連通して当該第2油室550d,550dに作動油を供給する又は当該第2油室550d,550dから作動油を排出する油路51cとが形成されている。
これら各油路51b,51cは、図4に示す如く、変速比制御用切替バルブ56と連通しており、この変速比制御用切替バルブ56には、図4に示すオイルタンクOT,オイルポンプ(O/P)OP,油路59b,レギュレータバルブ59,油路58a,挟圧力調圧バルブ58及び油路56aを介して作動油が供給される。
この変速比制御用切替バルブ56は、複数の油路が形成されたバルブの位置を切り替えることによって、作動油の供給対象たる油室(上記第1油室550c,550c又は第2油室550d,550d)の切り替えを行うものである。この切り替えは、シリンダの内部に配置されたバネの反発力とその内部に供給する空気や作動油等の流体の圧力との差分を調節することで行われ、その流体の圧力制御は後述する電子制御装置(ECU)Cによって行われる。
この変速比制御用切替バルブ56は、例えば、バルブの位置を図5−1に示す如く切り替えることで作動油が第1油室550c,550cに供給されて油圧モータ550が正転し、図5−3に示す如く切り替えることで作動油が第2油室550d,550dに供給されて油圧モータ550が逆転する。
また、この変速比制御用切替バルブ56は、バルブの位置を図5−2に示す如く切り替えることで第1油室550c,550c及び第2油室550d,550dに同圧の作動油を供給する。これにより油圧モータ550の回転が停止するので、この変速比制御用切替バルブ56は、変速比γを固定する際にも使用される。
このように、本実施例1にあっては、プライマリシャフト51上で油圧モータ550と可動シーブ53とを一体的に配置しているので、その油圧モータ550と可動シーブ53とをコンパクトに纏めることができ、可動シーブ53を摺動させる可動シーブ摺動機構55の小型化が可能になる。また、かかる可動シーブ摺動機構55の小型化により、ベルト式無段変速機1自体の小型化も可能となる。更に、上述したベーンモータの如き油圧モータ550を用いることで、また、上述した運動方向変換機構551を具備することで、モータの駆動力を可動シーブ53に伝達する為の歯車群が不要になり、可動シーブ摺動機構55やベルト式無段変速機1の更なる小型化を図ることができる。
また、上記の如き運動方向変換機構551を用いて可動シーブ53を摺動させるので、従来の如き歯車群により発生していた駆動損失が無くなり、可動シーブ摺動機構55における駆動損失が低減される。
更に、本実施例1のプライマリシャフト51には、可動シーブ53を固定シーブ52側に押し付けて、固定シーブ52と可動シーブ53との間に軸線方向のベルト挟圧力を発生させる押圧機構が設けられている。
この押圧機構は、油圧モータ550(アウターロータ550a)と可動シーブ53との間に形成された図4に示す油圧室57と、この油圧室57に連通する例えばプライマリシャフト51に形成された図4に示す油路51dと、この油路51dに連通する図4に示す挟圧力調圧バルブ58とにより構成される。
このように、本実施例1にあっては油圧モータ550(アウターロータ550a)が油圧室57の一部を構成するので、押圧機構の小型化が図れ、ひいてはベルト式無段変速機1の小型化にも寄与する。
この押圧機構は、電子制御装置Cによって作動油の供給圧が調節された挟圧力調圧バルブ58からの油圧を油圧室57に供給することで、固定シーブ52と可動シーブ53との間にベルト挟圧力を発生させ、後述するベルト80の滑りを防ぐことができる。また、油圧室57がプライマリシャフト51の軸線方向に対して油圧モータ550(アウターロータ550a)と直列に設けられており、この油圧室57内の油圧によって可動シーブ53を固定シーブ52に向けて押圧することができるので、油圧モータ550の出力を小さくすることができ、これにより油圧モータ550の小型化,ひいてはベルト式無段変速機1の小型化が図れる。
ここで、上記挟圧力調圧バルブ58は、図4に示す油路56aを介して前述した変速比制御用切替バルブ56と連通しているので、この挟圧力調圧バルブ58からの油圧が、変速比制御用切替バルブ56を介して、油圧モータ550内の第1油室550c,550c及び第2油室550d,550dにも供給される。
また、上記油圧室57と油圧モータ550の第1及び第2の油室550c,550dはプライマリシャフト51の軸線方向で対向配置されており、これらにおける油圧は同一であることから、油圧室57と第1及び第2の油室550c,550dとの間の内圧が相殺されている。これが為、油圧室57と第1及び第2の油室550c,550dとの間に位置する油圧モータ550(アウターロータ550a)の壁面を薄型化でき、その軽量化を図ることが可能になる。
また、上記油圧室57と油圧モータ550の第1及び第2の油室550c,550dは、油路51d,油路56a,変速比制御用切替バルブ56,油路51b及び油路51cを介して連通している。これが為、その油圧室57と第1及び第2の油室550c,550dとの間において作動油のやり取りが可能になる。このことは、特に急減速ダウンシフトの際に有用であり、後述する如く油圧室57から排出された作動油を第2油室550d,550dに供給することができるので、変速比γ変更時のレスポンスを向上し得る。また、その作動油のやり取りを可能にしたことで、オイルポンプOPから供給される作動油の消費量を低減することができ、これによりオイルポンプOPを小容量化することができる。
以上示した如く、このプライマリプーリ50側には、油圧により可動シーブ53を固定シーブ52に向けて押圧させ、ベルト挟圧力を発生させるアクチュエータ,即ち、油圧室57や挟圧力調圧バルブ58等からなる第1アクチュエータが設けられている。尚、ここでは油圧によるアクチュエータを例示するが、必ずしもこれに限定するものではない。
次に、上記セカンダリシャフト61には、図1に示すセカンダリプーリ60が設けられている。このセカンダリプーリ60は、セカンダリシャフト61の外周に一体的に配設された固定シーブ62と、セカンダリシャフト61の軸線方向に摺動可能な可動シーブ63とを備えている。ここで、この可動シーブ63は、図6に示すスプライン64によってセカンダリシャフト61にスプライン嵌合されている。また、上記固定シーブ62及び可動シーブ63の対向面間には、V字形状の溝80bが形成されている。
更に、このセカンダリシャフト61には、可動シーブ63を固定シーブ62側に押し付けて、固定シーブ62と可動シーブ63との間に軸線方向のベルト挟圧力を発生させる押圧機構が設けられている。ここで、本実施例1の押圧機構としては、そのベルト挟圧力を主として受け持つトルクカム65と、このトルクカム65によるベルト挟圧力の不足分を補う油圧室66の2種類が用意されている。
先ず、本実施例1のトルクカム65は、例えば図6,図7−1及び図7−2に示す如く、可動シーブ63に環状に設けられた山谷状の第1係合部65aと、この第1係合部65aに対向する山谷状の第2係合部65bを有するトルクカム主体65cと、その第1及び第2の係合部65a,65bの間に配置された複数の球状部材65dとから構成される。
ここで、上記トルクカム主体65cは、セカンダリシャフト61に固定された図6に示す軸受61aと、セカンダリシャフト61との間に配置された軸受61bとにより、このセカンダリシャフト61や可動シーブ63に対してその回転軸を中心とした相対回転が可能になっている。
これにより、例えば可動シーブ63が固定シーブ62に接近したとしても(換言すれば、第1係合部65aが第2係合部65bから離隔したとしても)、トルクカム主体65cとセカンダリシャフト61と共に回転する可動シーブ63との間に相対回転が起こるので、トルクカム65を図7−1に示す状態から図7−2に示す状態に変化させることができ、第1係合部65aと第2係合部65bと球状部材65dとの間に面圧を発生させることができる。これが為、第2係合部65bと球状部材65dが第1係合部65aを押圧して、固定シーブ62と可動シーブ63との間にベルト挟圧力を発生させるので、ベルト80の滑りを防ぐことが可能になる。
また、トルクカム主体65cと可動シーブ63とが相対回転するので、このトルクカム主体65cが可動シーブ63に対する推力を発生させても、可動シーブ63と固定シーブ62は互いに捩れることがない。これが為、ベルト80の耐久性を向上させたり、変速比γの幅を拡大させたりすることができる。また、それにより、プライマリプーリ50とセカンダリプーリ60との相対位置を初期設定値のまま維持することができるので、耐久性の向上にも寄与する。
ここで、上記面圧によるトルクカム65の推力に対する反力は軸受61aを介してセカンダリシャフト61で受けることができる。このように、その反力をプライマリプーリ50の場合と同様に静止系で受けず、軸受61aの転動は殆ど起こらないので、この軸受61aの損失を低減することができる。
また、トルクカム65の作動箇所(第1及び第2の係合部65a,65b、球状部材65d)を可動シーブ63の外径側に配置しているので、上記第1係合部65aと第2係合部65bと球状部材65dとの間の面圧を低減することができる。
続いて、本実施例1の油圧室66は、可動シーブ63における上記溝80bの反対側の空間部分と、セカンダリシャフト61に設けられた当該セカンダリシャフト61と同心円の円形部材67とから形成される。
ここで、この油圧室66は、可動シーブ63の内径側に配置しているので、その容積を小さくすることができ、これが為、急変速時等における油圧室66の流量の低減が図れる。
この油圧室66は、例えばセカンダリシャフト61に形成された図4に示す油路61cと連通しており、更にこの油路61cと連通する上記油路51dを介して挟圧力調圧バルブ58に連通している。
このように油圧室66,油路61c及び挟圧力調圧バルブ58により構成されたセカンダリプーリ60の押圧機構は、電子制御装置Cによって作動油の供給圧が調節された挟圧力調圧バルブ58からの油圧を油圧室66に供給することで、固定シーブ62と可動シーブ63との間にベルト挟圧力を発生させ、ベルト80の滑りを防ぐ。
また、仮に変速比γ変更時(セカンダリプーリ60における可動シーブ63の駆動/非駆動時)等にトルクの乱れが生じてトルクカム65による推力を得られなくても、このトルクカム65とは別個独立に油圧で作動する油圧室66等からなる押圧機構で所望のベルト挟圧力を発生させることができる。これにより、より確実にベルト80の滑りを防ぐことができるので、信頼性の向上やドライバビリティの向上が可能となる。
このように、本実施例1にあっては、セカンダリプーリ60側においても油圧により可動シーブ63を固定シーブ62に向けて押圧させ、ベルト挟圧力を発生させるアクチュエータ,即ち、油圧室66や挟圧力調圧バルブ58等からなる第2アクチュエータが設けられている。尚、ここでは油圧によるアクチュエータを例示するが、必ずしもこれに限定するものではない。
ここで、本実施例1の油圧室66には、一端が可動シーブ63における上記空間部分の壁面に固定され、他端が円形部材67に固定された例えばコイルスプリング等の弾性部材68が設けられている。
本実施例1にあっては、トルクカム65による推力が必要推力に対して低くなるようなカム角(例えば非線形カム)δでトルクカム65を設定し、その不足分を油圧室66等からなる押圧機構又は/及び弾性部材68で補うように設定する。
これにより、ベルト80を必要以上の力で挟まずともすむので、そのベルト80の耐久性を向上させることができる。また、ベルト80における駆動損失が低減されるので動力伝達効率を向上させることができ、更にオイルポンプの動力低減をも図ることができる。
また、一般に、トルクカム65による推力はバラツキが小さく、油圧室66による推力は油圧制御回路等の構成部品の影響によるバラツキが大きいが、本実施例1にあっては、トルクカム65がベルト挟圧力を主として受け持つので、バラツキの少ないベルト挟圧力を得ることができる。
また、内燃機関10の非駆動時のトルクに対応する推力を油圧室66等からなる押圧機構又は/及び弾性部材68で受け持つように設定してもよく、これにより、トルクカム65の作動により起こり得る可動シーブ63の移動(換言すれば変速)を抑制し、変速比γを一定に保つことが可能になる。また、ベルト挟圧力も必要値に保つことが可能になる。
尚、このセカンダリプーリ60側の押圧機構は、必ずしも本実施例1の如く2種類に限定するものではなく、1種類又は3種類以上であってもよい。但し、固定シーブ62と可動シーブ63との間におけるベルト挟圧力の制御性を高める為には、少なくとも2種類以上の押圧機構が設けられることが好ましい。即ち、夫々の押圧機構にベルト挟圧力を分担させ、その内の少なくとも一つを油圧により作動する押圧機構(本実施例1の油圧室66)にすることで、ベルト挟圧力の制御性の向上させることができる。
次に、このセカンダリシャフト61における内燃機関10側には、カウンタドライブピニオン92が固定されており、このカウンタドライブピニオン92の両側にセカンダリシャフト61の軸受87,88が配置されている。
ここで、このカウンタドライブピニオン92と後述する最終減速機70との間には、セカンダリシャフト61と平行なインターミディエイトシャフト91を有する動力伝達経路90が設けられている。そのインターミディエイトシャフト91は、軸受85,86により回転可能に支持され、上記カウンタドライブピニオン92に噛み合わされたカウンタドリブンギヤ93とファイナルドライブピニオン94とを軸上に備えている。
尚、このセカンダリシャフト61におけるセカンダリプーリ60とトランスアクスルリヤカバー23との間には、パーキングギヤ65が配置されている。
ここで、このベルト式無段変速機1においては、上記プライマリプーリ50及びセカンダリプーリ60の夫々のV字形状の溝80a,80bにベルト80が巻き掛けられている。このベルト80は多数の金属製の駒と複数本のスチールリングで構成された無端ベルトであって、このベルト80を介して、プライマリプーリ50に伝達された内燃機関10のトルクがセカンダリプーリ60に伝達される。
次に、上記最終減速機70について説明する。この最終減速機70は、内部が中空のデフケース71と、ピニオンシャフト72と、ピニオン73,74と、サイドギヤ75,76とから構成されている。
先ず、上記デフケース71は、軸受77,78により回転可能に支持されており、その外周に上記ファイナルドライブピニオン94と噛み合わされたリングギヤ79が設けられている。
また、上記ピニオンシャフト72はデフケース71の中空部に取り付けられており、このピニオンシャフト72に上記ピニオン73,74が固定されている。
また、上記サイドギヤ75,76は、車輪100が取り付けられたドライブシャフト(ここではフロントドライブシャフト)101に夫々固定されている。
以上の如く構成されたトランスアクスルケース22の内部においては、その底部(オイルパン)に貯留された潤滑油が、回転するリングギヤ79によって掻き上げられて各ギヤ94,93,92の噛み合い面を伝達し飛散しながら、最終減速機70等の各構成部材(例えば各シャフト101,91,61や各軸受83〜88等)を潤滑すると共に、トランスアクスルケース22の内壁面に当たって落下することでプライマリシャフト51等の潤滑を行っている。
ここで、上記ベルト式無段変速機1をはじめとする各構成要素は、各種センサの情報に基づいて図4に示す制御部たる電子制御装置(ECU)Cにより制御される。この電子制御装置Cには、ベルト式無段変速機1の変速制御を行う為のデータ,例えばアクセル開度や車速等の情報に基づいた走行状態に応じてベルト式無段変速機1の変速比γを制御する為のデータや後述する機関トルク特性マップ等が予め記憶されている。以下、変速比γを制御する際の上記可動シーブ摺動機構55及び押圧機構(トルクカム65、油圧室66)の動作について詳述する。
先ず、変速比γを小さくして増速させる場合について説明する。電子制御装置Cは、レギュレータバルブ59,挟圧力調圧バルブ58及び変速比制御用切替バルブ56を制御して、第1油室550c,550cに作動油を流入させ、所望の変速比γに相当するプライマリプーリ50におけるベルト80の巻き掛け半径となるよう可動シーブ53を固定シーブ52に接近させる。
かかる場合、この電子制御装置Cは、変速比制御用切替バルブ56の作動用流体の圧力制御を行うことで図5−1に示す如くバルブ位置の調整を行う。これにより、第1油室550c,550cに作動油が供給されると共に第2油室550d,550dの作動油が排出されるので、油圧モータ550のアウターロータ550aがプライマリシャフト51に対して相対回転する。
そして、この油圧モータ550の回転により、運動方向変換機構551を介してプライマリプーリ50の可動シーブ53が固定シーブ52に接近すると共に、セカンダリプーリ60の可動シーブ63が固定シーブ62から離隔して、変速比γが小さくなる。
その際、セカンダリプーリ60の可動シーブ63は、固定シーブ62,セカンダリシャフト61及び軸受61aと共に回転するので、この可動シーブ63とトルクカム主体65cとの間に相対回転が起こり、トルクカム65が例えば図7−2に示す離隔状態から図7−1に示す接近状態へと変化する。これが為、固定シーブ52と可動シーブ53との間にベルト挟圧力が発生してベルト80の滑りを防ぐことができる。
また、可動シーブ53,63の摺動時には、プライマリプーリ50の油圧室57に油路51dを介して作動油が供給され、セカンダリプーリ60の油圧室66の作動油は油路61cを介して排出される。そして、プライマリプーリ50においては、油圧室57に作動油が供給されることで可動シーブ53が摺動方向に押圧され、その押圧力が油圧モータ550による可動シーブ53の摺動力を補助している。これが為、油圧モータ550を出力の低いものにしても可動シーブ53を十分に摺動させることができるので、出力を低下させた小型の油圧モータ550の使用が可能になる。
上記夫々の油路51dと油路61cは図4に示す如く連通しているので、セカンダリプーリ60の油圧室66から排出された作動油は、プライマリプーリ50の油圧室57に供給される。更に、その油圧室66から排出された作動油は、変速比制御用切替バルブ56を介して第1油室550c,550cにも供給される。このように、排出された作動油を循環させて他の油室に送ることができるので、作動油の消費量の低減が図れ、オイルポンプOPの小容量化が可能になる。
以上の如くして変速比γの変更を終えると、電子制御装置Cは、変速比制御用切替バルブ56のバルブ位置を図5−2に示す如く調整し、第1油室550c,550c及び第2油室550d,550dに挟圧力調圧バルブ58からの同一の油圧を掛ける。これにより、油圧モータ550のプライマリシャフト51に対する相対回転が停止し、この油圧モータ550は、プライマリシャフト51や可動シーブ53と共に一体となって回転する。これが為、油圧モータ550とプライマリシャフト51や可動シーブ53との間の回転差が無くなるので、その間における無用な相対回転や摩擦等による損失を低減することができる。
ここで、挟圧力調圧バルブ58からの油圧はプライマリプーリ50の油圧室57及びセカンダリプーリ60の油圧室66にも掛けられており、これが為、プライマリプーリ50における固定シーブ52と可動シーブ53との間及びセカンダリプーリ60における固定シーブ62と可動シーブ63との間にベルト挟圧力が発生し、ベルト80の滑りを防ぐことができる。
次に、変速比γを大きくして減速させる場合について説明する。かかる場合の電子制御装置Cは、レギュレータバルブ59,挟圧力調圧バルブ58及び変速比制御用切替バルブ56を制御して、第2油室550d,550dに作動油を流入させ、所望の変速比γに相当するプライマリプーリ50におけるベルト80の巻き掛け半径となるよう可動シーブ53を固定シーブ52から離隔させる。
かかる場合、この電子制御装置Cは、変速比制御用切替バルブ56の作動用流体の圧力制御を行うことで図5−3に示す如くバルブ位置の調整を行う。これにより、第2油室550d,550dに作動油が供給されると共に第1油室550c,550cの作動油が排出されるので、油圧モータ550のアウターロータ550aがプライマリシャフト51に対して相対回転する。
そして、この油圧モータ550の回転により、運動方向変換機構551を介してプライマリプーリ50の可動シーブ53が固定シーブ52から離隔すると共に、セカンダリプーリ60の可動シーブ63が固定シーブ62に接近して、変速比γが大きくなる。
その際、セカンダリプーリ60の可動シーブ63は、固定シーブ62,セカンダリシャフト61及び軸受61aと共に回転するので、この可動シーブ63とトルクカム主体65cとの間に相対回転が起こり、トルクカム65が例えば図7−1に示す接近状態から図7−2に示す離隔状態へと変化する。これが為、固定シーブ52と可動シーブ53との間にベルト挟圧力が発生してベルト80の滑りを防ぐことができる。
また、プライマリプーリ50の油圧室57の作動油は油路51dを介して排出され、セカンダリプーリ60の油圧室66に油路61cを介して作動油が供給される。かかる場合には、プライマリプーリ50の油圧室57から排出された作動油が、セカンダリプーリ60の油圧室66、プライマリプーリ50の第2油室550d,550dに供給される。このことは、前述したオイルポンプOPの小容量化だけでなく、特に、急減速ダウンシフト時において油圧室57の作動油を第2油室550d,550dに供給し、油圧モータ550を即座に回転させることができるので、変速比γの変更のレスポンス向上にも有用である。
尚、この変速比γの変更後の動作は、前述した変速比γを大きくする場合と同様である。
次に、上述した変速比γ変更後のプライマリプーリ50側及びセカンダリプーリ60側におけるベルト挟圧力の発生動作について詳述する。
ここで、本実施例1の挟圧力調圧バルブ58は、プライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66に対して同一油圧の作動油を供給するものとして構成している。そこで、本実施例1にあっては、何れか一方の油圧室57,66に供給する油圧を求め、これを双方の油圧室57,66に供給してベルト挟圧力を発生させるものとして例示する。
最初に、プライマリプーリ50の油圧室57にプライマリ油圧Ppriする油圧を求め、このプライマリ油圧Ppriに基づきプライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66を制御して、夫々のベルト挟圧力を発生させる場合について図8のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電子制御装置Cは、機関回転数Neとスロットル開度θthに基づいて図9に示す機関トルク特性マップから内燃機関10の出力トルクTe(Ne,θth)を求め、これをベルト式無段変速機1への入力トルクTinと推定して(ステップST1)、プライマリプーリ50の回転方向のトルク(以下「プライマリトルク」という。)Tpriを下記の式1から求める(ステップST2)。
Figure 0004274033
続いて、電子制御装置Cは、変更した変速比γを保持する為に必要なプライマリプーリ50の軸線方向の全推力(以下「プライマリ必要全推力」という。)Fnpri-allを算出する(ステップST3)。
このプライマリ必要推力Fnpri-allは、上記ステップST2で求めたプライマリトルクTpriを下記の式2に代入して求める。
Figure 0004274033
この式2において、「θ」は図10に示す如くプライマリプーリ50における固定シーブ52及び可動シーブ53のプーリ角を示し、「μ」は固定シーブ52及び可動シーブ53とベルト80との間の摩擦係数を示し、「rpri」はプライマリプーリ50におけるベルト80の巻き掛け半径を示す。
ここで、この式2は、図10に示す固定シーブ52及び可動シーブ53とベルト80との間の回転方向における摩擦力と、プライマリトルクTpriとの関係式(下記の式3)から求めたものであり、この式3のプライマリ推力Fpriをプライマリ必要全推力Fnpri-allに置き換えたものである。
Figure 0004274033
本実施例1のプライマリプーリ50においては、上記プライマリ必要全推力Fnpri-allが油圧室57の油圧によって発生させる推力(以下「プライマリ必要油圧推力」という。)Fnpri-pとなる。そこで、電子制御装置Cは、そのプライマリ必要全推力Fnpri-allが求められたところで、挟圧力調圧バルブ58に指示する油圧(以下「制御指示プライマリ油圧」という。)Ppriを算出する(ステップST4)。
ここで、この制御指示プライマリ油圧Ppriは、下記の式4で求めることが好ましいが、実際には油圧室57内の作動油による軸線方向の遠心油圧等による油圧の公差の影響を受けてしまうので、その油圧公差(ここでは±a%とする)を考慮した下記の式5で求める。
Figure 0004274033
Figure 0004274033
これら式4,5において、「Apri」は軸線方向の油圧を受けている油圧室57内の受圧面積を示す。
この式5にて制御指示プライマリ油圧Ppriを求めた後、電子制御装置Cは、挟圧力調圧バルブ58を制御してその制御指示プライマリ油圧Ppriを発生させる(ステップST4)。
これにより、その制御指示プライマリ油圧Ppriが夫々の油圧室57,66へ印加され、プライマリプーリ50とセカンダリプーリ60の双方において油圧室57,66によるベルト挟圧力が発生する。尚、その際、セカンダリプーリ60においてはトルクカム65によるベルト挟圧力も発生している。
次に、セカンダリプーリ60の油圧室66に供給するセカンダリ油圧Psecを求め、このセカンダリ油圧Psecに基づきプライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66を制御して、夫々のベルト挟圧力を発生させる場合について図11のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電子制御装置Cは、プライマリプーリ50の場合と同様にしてベルト式無段変速機1への入力トルクTinを推定し(ステップST11)、セカンダリプーリ60の回転方向のトルク(以下「セカンダリトルク」という。)Tsecを下記の式6から算出する(ステップST12)。尚、このセカンダリトルクTsecは、トルクカム65における回転方向の伝達トルク(トルクカム伝達トルク)Tcamと同一のものであり、ベルト式無段変速機1の出力トルクのことをいう。
Figure 0004274033
続いて、電子制御装置Cは、変更した変速比γを保持する為に必要なセカンダリプーリ60の軸線方向の全推力(以下「セカンダリ必要全推力」という。)Fnsec-allを算出する(ステップST13)と共に、トルクカム65による軸線方向の推力(以下「トルクカム推力」という。)Fcamを算出する(ステップST14)。
上記セカンダリ必要全推力Fnsec-allは、上記ステップST12で求めたセカンダリトルクTsecを下記の式7に代入して求める。
Figure 0004274033
この式7において、「θ」はセカンダリプーリ60における固定シーブ62及び可動シーブ63のプーリ角を示し、「μ」は固定シーブ62及び可動シーブ63とベルト80との間の摩擦係数を示し、「rsec」はセカンダリプーリ60におけるベルト80の巻き掛け半径を示す。尚、この式7は、前述した式2と同様にして求められる。
また、上記トルクカム推力Fcamは、上記ステップST12で求めたセカンダリトルクTsecを下記の式8に代入して求める。
Figure 0004274033
この式8において、「rcam」はトルクカム65におけるカム取付半径を示し、「δ」はトルクカム65におけるカム角を示す。
ここで、この式8は、図7−2に示す軸線方向のトルクカム推力Fcamと周方向におけるトルクカム65の接続力Ftとの関係(下記の式9,10)から求めたものである。
Figure 0004274033
Figure 0004274033
続いて、電子制御装置Cは、下記の式11に示す如く、求めたセカンダリ必要全推力Fnsec-allからトルクカム推力Fcamを除算して、油圧室66の油圧によって発生させる推力(以下「セカンダリ必要油圧推力」という。)Fnsec-pを算出する(ステップST15)。
Figure 0004274033
そして、電子制御装置Cは、プライマリプーリ50の場合と同様に、油圧公差(ここでは±a%とする)を考慮した上で挟圧力調圧バルブ58に指示する油圧(以下「制御指示セカンダリ油圧」という。)Psecを下記の式12から算出し(ステップST16)、挟圧力調圧バルブ58を制御してその制御指示セカンダリ油圧Psecを発生させる(ステップST17)。
Figure 0004274033
この式12において、「Asec」は軸線方向の油圧を受けている油圧室66内の受圧面積を示す。
これにより、その制御指示セカンダリ油圧Psecは夫々の油圧室57,66へ印加され、プライマリプーリ50とセカンダリプーリ60の双方において油圧室57,66によるベルト挟圧力が発生する。
以上示した如く、本実施例1の電子制御装置Cには、ベルト式無段変速機1への入力トルクTinに基づき第1及び第2のアクチュエータを構成する油圧室57,66の油圧(制御量)の双方を制御するアクチュエータ制御機能が設けられている。尚、このアクチュエータ制御機能は、各油圧室57,66の油圧の少なくとも何れか一方を制御するものであってもよい。
ここで、そのアクチュエータ制御機能は、夫々の油圧室57,66に印加する油圧をベルト式無段変速機1の入力トルクTinに応じて設定するが、この入力トルクTinは、前述したが如く内燃機関10の出力トルクTe(Ne,θth)から推定したものであり、必ずしもその入力トルクTinと出力トルクTe(Ne,θth)とが一致するとは限らない。例えば、内燃機関10とベルト式無段変速機1との間にはトルクコンバータ30等が介在しているので、その間を伝わる間にトルクが変化する場合もある。
そこで、本実施例1にあっては、ベルト式無段変速機1への実際の入力トルクTinを導出する入力トルク導出機能を電子制御装置Cに設け、その入力トルクTinに基づいて上記アクチュエータ制御機能によるベルト挟圧力制御を行わせる。
そのような入力トルク導出機能としては、例えば、機関回転数Neやスロットル開度θthをパラメータにした入力トルクTinのマップを予め用意しておき、このマップに基づいて導き出すものであってもよいが、本実施例1にあっては以下の如き演算処理を行って実際の入力トルクTinを導出するものを用意している。以下に、その入力トルク導出機能の動作説明を図12のフローチャートに基づいて行う。
先ず、本実施例1の電子制御装置Cは、プライマリプーリ50の油圧室57内のプライマリ油圧Ppri 及びプライマリ遠心油圧P pri-cp に応じたプライマリ油圧推力F pri-p 及びプライマリ遠心油圧推力F pri-cp と推力比r pp (γ)とに基づいてセカンダリプーリ60の軸線方向の全推力(以下「セカンダリ全推力」という。)Fsec-allを下記の式13から算出する(ステップST21)。
Figure 0004274033
この式13において、「rpp(γ)」は、変速比γに応じたセカンダリプーリ60における軸線方向の推力(以下「セカンダリ推力」という。)Fsecとプライマリプーリ50における軸線方向の推力(以下「プライマリ推力」という。)Fpriとの比(推力比=Fsec/Fpri)を示す。この推力比rpp(γ)は、変速比γとプライマリ推力Fpri及びセカンダリ推力Fsecとの関係を表した図13に示す推力−変速比マップから求める。
また、「Fpri-p」は、油圧室57に印加されているプライマリ油圧Ppriによる推力(以下「プライマリ油圧推力」という。)を示し、現在の制御指示プライマリ油圧Ppriと受圧面積Apriとを乗算して求められる。また、「Fpri-cp」は、油圧室57内の作動油による軸線方向のプライマリ遠心油圧Ppri-cpによる推力(以下「プライマリ遠心油圧推力」という。)を示し、そのプライマリ遠心油圧Ppri-cpと受圧面積Apriとを乗算して求められる。
ここで、かかる演算処理で用いるプライマリ油圧Ppriは、電子制御装置Cが挟圧力調圧バルブ58に指示している制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecを使用してもよく、また、油圧室57や油路51d等の油圧制御回路上に圧力センサを配備し、この圧力センサの出力情報に基づいて取得してもよい。尚、本実施例1にあってはプライマリ遠心油圧Ppri-cpも演算処理に使用するので、その圧力センサは油圧室57内に配備されていることが好ましい。
続いて、電子制御装置Cは、下記の式14に基づき上記ステップST21で求めたセカンダリ全推力Fsec-allからセカンダリ油圧推力Fsec-p及びセカンダリ遠心油圧推力Fsec-cpを除算してトルクカム推力Fcamを算出する(ステップST22)。
Figure 0004274033
ここで、上記セカンダリ油圧推力Fsec-pは現在の制御指示セカンダリ油圧Psecと受圧面積Asecとを乗算して求め、上記セカンダリ遠心油圧Psec-cpはセカンダリ遠心油圧Psec-cpと受圧面積Asecとを乗算して求める。
かかる演算処理においても、セカンダリ油圧Psecは、電子制御装置Cが挟圧力調圧バルブ58に指示している制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecを使用してもよく、また、油圧室66や油路61c等の油圧制御回路上に圧力センサを配備し、この圧力センサの出力情報に基づいて取得してもよい。ここでも、その圧力センサは油圧室66内に配備されていることが好ましい。
更に、この電子制御装置Cは、上記ステップST22で求めたトルクカム推力Fcamとトルクカム65の諸元とからセカンダリトルクTsec(トルクカム伝達トルクTcam)を算出する(ステップST23)。ここで、演算処理の簡易化の為に、トルクカム65の諸元としては、カム取付半径rcamとカム角δの二つのパラメータを用いるが、必ずしもこれらのみに限定するものではない。
そのセカンダリトルクTsecは、上記式8を変形した下記の式15から求める。尚、トルクカム65のカム角δは、一定のものであってもよく、可動シーブ63の軸線方向の位置(換言すれば変速比γ)によって変化するもの(非線形カム等)であってもよい。そこで、後者の場合にあっては、変速比γに応じたカム角δの値を式15に代入する。
Figure 0004274033
以上示した如くしてセカンダリトルクTsecを求めた後、電子制御装置Cは、そのセカンダリトルクTsecと現在の変速比γとを下記の式16に代入して入力トルクTinを求め(ステップST24)、入力トルク特性マップの作成又は修正を行う(ステップST25)。
Figure 0004274033
この入力トルク特性マップは、図9に示す機関トルク特性マップと同様のものであり、機関回転数Neとスロットル開度θthをパラメータにして入力トルクTinを求めることができるものである。上記ステップST25においては、最初に入力トルク特性マップを作成した後、上記の入力トルク算出処理を繰り返してその修正を行う。
本実施例1の電子制御装置Cは、そのような入力トルクTinの学習処理が行われた入力トルク特性マップを用いて前述した図8に示す処理又は図11に示す処理を行い、油圧室57,66にプライマリ油圧Ppri及びセカンダリ油圧Psecを印加してベルト挟圧力を発生させる。
このように、本実施例1の電子制御装置Cによれば、ベルト式無段変速機1への実際の入力トルクTinを簡易且つ精度良く求めることができる。特に、セカンダリトルクTsecを求める際にはトルクカム65の諸元をも考慮しているので、より精度の高い実際の入力トルクTinを求めることが可能になる。
また、その実際の入力トルクTinを入力トルク特性マップとして学習し、記憶させておくことによって、機関回転数Neとスロットル開度θthからでも精度の高い実際の入力トルクTinを図8に示すステップST1又は図11に示すST11にて推定することができるので、変速比γを保持するに必要十分なベルト挟圧力を発生させることができる。
これが為、過剰なベルト挟圧力の発生を抑止することができるので、ベルト80とプライマリプーリ50及びセカンダリプーリ60との間での駆動損失が低減され、また、ベルト80の耐久性の向上も図れる。更に、内燃機関10の出力トルクTe(Ne,θth)とベルト式無段変速機1の入力トルクTinとのズレを考慮して、従来は高めの油圧を油圧室57,66に印加しなければならなかったが、本実施例1にあっては、その余剰分を削減することができるので、オイルポンプOPの動力損失をも低減させることが可能になる。
また、車輌加速時等の過渡期においては、機関回転数Neを上げる為にトルクが使われ、ベルト式無段変速機1への入力トルクTinが減少してしまう。これが為、かかる過渡期に入力トルク特性マップを用いて制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecを設定すると、実際の入力トルクTinよりも大きい値に基づいた制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecが設定されるので、過剰なベルト挟圧力が発生し、ベルト80とプライマリプーリ50及びセカンダリプーリ60との間で駆動損失が生じるだけでなく、ベルト80の耐久性も悪化してしまう。
しかしながら、本実施例1の如く実際の入力トルクTinに応じて直接的にベルト挟圧力を発生させることによって、そのベルト駆動損失やベルト耐久性の悪化という不都合を解消することができる。更に、本実施例1によれば、変速比γを保持するに必要十分な制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecで事足りるので、オイルポンプOPの動力損失をも低減することができる。
以上示した如く、本実施例1の電子制御装置Cを用いることによって、実際の入力トルクTinに応じた最適なベルト挟圧力を発生させることができるだけでなく、駆動損失の低減等の種々の効果をも奏することが可能になる。
尚、上述したセカンダリプーリ60には、図14及び図15に示す緩衝機構69を設けてもよい。
この緩衝機構69は、円形部材67に配置されたドーナッツ状のアウターケース691と、トルクカム主体65cに立設された板状部材692とから構成される。そのアウターケース691は、内部に粘性流体(例えば作動油)が充填された二つの中空部691aを有しており、円形部材67と一体になって回転する。また、その板状部材692は、面上に貫通孔(オリフィス)692aが形成されており、トルクカム主体65cと一体になって回転する。
ここで、上記各中空部691aには板状部材692が夫々配置されており、アウターケース691と板状部材692とが相対回転することによって、その板状部材692は、中空部691a内を移動する。この板状部材692の端部と中空部691aの内壁面との間には隙間が設けられている。
これにより、変速比の変更時にトルクカム65が作動することで、板状部材692が中空部691a内を移動する。その際、オリフィス692a及び上記隙間を粘性流体が流れることによって抵抗が生じ、トルクカム主体65cと可動シーブ63との間の相対移動を緩やかに行わせることができる。これが為、変速比変更時(トルクカム65の駆動/非駆動切替時)においてトルクカム65のガタが詰まる際のショック低減を図れる。
尚、上記抵抗の大きさは、板状部材692の端部と中空部691aの内壁面との間の隙間、オリフィス692aの径により調整する。
また、この緩衝機構69は、図15に示す中空部691aの中間部分を、その両端部分よりも幅広のものにして、変速比に応じて緩衝の程度(緩衝力)が変化可能なものにしてもよい。即ち、上述した板状部材692の端部と中空部691aの内壁面との隙間が、板状部材692が中空部691aの中間部分に位置する場合には大きく、板状部材692が中空部691aの両端部分に近づくにつれて小さくなるように、円周方向で幅を変化させた中空部691aを形成する。
これにより、板状部材692の移動速度が、板状部材692が中空部691aの中間部分に位置する場合に速く、板状部材692が中空部691aの両端部分に近づくにつれて遅くなるので、変速比に応じて緩衝の程度(緩衝力)を変化させ、トルクカム65のガタが詰まる際のショックを低減することができる。例えば、ダウンシフトのときに緩衝力が大きくなるように隙間を設定することによって、ドライバビリティの向上が図れる。
ここで、可動シーブ63はスプライン64を介してセカンダリシャフト61に取り付けられているので、この可動シーブ63と固定シーブ62は、その回転方向、回転速度が同じである。そこで、上記緩衝機構69は、本実施例1の如く可動シーブ63とトルクカム65との間に限らず、固定シーブ62側に設けてもよい。かかる場合の緩衝機構69は、例えば、トルクカム主体65cと同一の回転を行う回転部材(図示略)を固定シーブ62における溝80bと反対側に設け、その回転部材に上記板状部材692を取り付けると共に、固定シーブ62に上記アウターケース691を取り付けて構成すればよい。尚、その回転部材は、トルクカム65と別個独立のものであってもよく、例えばトルクカム主体65cから延設されたものであってもよい。
更に、上述した可動シーブ摺動機構55のベーン式油圧モータ550を図16に示す電動モータ552に変更してもよい。
この電動モータ552は、可動シーブ53における溝80aの反対側の空間部分に且つプライマリシャフト51と同心円上に配置されたものであり、インバータ553を介してバッテリ554に繋がれた3相交流ブラシ552aへ給電することにより、軸受552cを介したアウターロータ552bをプライマリシャフト51に対して相対回転させるものである。ここで、この電動モータ552は、電子制御装置が3相交流ブラシ552aへの給電を制御することで正転又は逆転の切り替えを行う。
また、そのアウターロータ552bの外周部分と可動シーブ53における上記空間部分の内壁面との間には同様の運動方向変換機構551が設けられており、これが為、この電動モータ552を駆動させることによって、可動シーブ53をプライマリシャフト51の軸線方向に摺動させることができる。
このような電動モータ552を適用した場合にあっても、電子制御装置Cは、ベーン式油圧モータ550の場合と同様の制御処理を行い、これと同様の効果を奏する。
次に、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置の実施例2を図17のフローチャートを用いて説明する。
本実施例2のベルト式無段変速機1は、前述した実施例1のベルト式無段変速機1と同様の構成からなり、電子制御装置Cの処理動作が実施例1に対して一部異なるものである。
より具体的には、本実施例2の電子制御装置Cは、図17のフローチャートに示す如く、実施例1の図8のフローチャートに示すステップST21〜ST24と同様の処理を行い、ベルト式無段変速機1への実際の入力トルクTinを算出する(ステップST31〜ST34)。
ここで、実施例1にあっては、しかる後に入力トルク特性マップの学習処理を行い、この入力トルク特性マップを用いて図8に示す処理又は図11に示す処理を行って、制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecを油圧室57,66に印加している。
これに対して、本実施例2にあっては、実際の入力トルクTinを算出した後、この入力トルクTinを用いて直接的に油圧室57,66に印加する油圧を制御している(ステップST35)。即ち、本実施例2の電子制御装置Cは、図8に示すステップST1の処理を行わずにステップST2にてプライマリトルクTpriを求め、以降同様の演算処理を行ってプライマリ油圧Ppriを油圧室57,66に印加する。または、図11に示すステップST11の処理を行わずにステップST12にてセカンダリトルクTsecを求め、以降同様の演算処理を行ってセカンダリ油圧Psecを油圧室57,66に印加する。
これにより、本実施例2にあっては、実際の入力トルクTinに応じたより精度の高い制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecを設定することができ、より最適なベルト挟圧力の発生が可能になる。
また、車輌加速時等の過渡期においては、機関回転数Neを上げる為にトルクが使われ、ベルト式無段変速機1への入力トルクTinが減少してしまう。これが為、かかる過渡期に入力トルク特性マップを用いて制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecを設定すると、実際の入力トルクTinよりも大きい値に基づいた制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecが設定されるので、過剰なベルト挟圧力が発生し、ベルト80とプライマリプーリ50及びセカンダリプーリ60との間で駆動損失が生じるだけでなく、ベルト80の耐久性も悪化してしまう。
しかしながら、本実施例2の如く実際の入力トルクTinに応じて直接的にベルト挟圧力を発生させることによって、そのベルト駆動損失やベルト耐久性の悪化という不都合を解消することができる。更に、本実施例2によれば、変速比γを保持するに必要十分な制御指示プライマリ油圧Ppri又は制御指示セカンダリ油圧Psecで事足りるので、オイルポンプOPの動力損失をも低減することができる。
次に、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置の実施例3について説明する。
本実施例3のベルト式無段変速機1は、前述した実施例1のベルト式無段変速機1と比して以下の点が異なる。
前述した実施例1においては、プライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66とに挟圧力調圧バルブ58の油圧が均等に掛かるようになっている。これにより、油圧制御回路の簡易化等、種々の効果を奏することができるが、ベルト挟圧力の観点からすれば、プライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66とに別個独立した油圧を掛けることがより精度の高いベルト挟圧力制御を行う上で好ましい。
そこで、本実施例3にあっては、プライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66とに掛かる油圧を個々に制御し得るよう挟圧力調圧バルブ58を構成する,又は挟圧力調圧バルブ58を油圧室57専用のものにすると共に油圧室66専用の挟圧力調圧バルブを設けている。
また、これに伴って、本実施例3の電子制御装置Cは、プライマリプーリ50のベルト挟圧力を図8に示す処理によって得た制御指示プライマリ油圧Ppriによって発生させる一方、セカンダリプーリ60のベルト挟圧力を図11に示す処理によって得た制御指示セカンダリ油圧Psecによって発生させる。
これにより、本実施例3にあっては、プライマリプーリ50のベルト挟圧力とセカンダリプーリ60のベルト挟圧力をより緻密に制御することが可能になる。
次に、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置の実施例4について説明する。
本実施例4のベルト式無段変速機1は、前述した実施例2のベルト式無段変速機1に対して実施例3と同様の構成を設けたものである。
即ち、プライマリプーリ50の油圧室57とセカンダリプーリ60の油圧室66とに掛かる油圧を個々に制御し得るよう挟圧力調圧バルブ58を構成する,又は挟圧力調圧バルブ58を油圧室57専用のものにすると共に油圧室66専用の挟圧力調圧バルブを設け、更に、プライマリプーリ50のベルト挟圧力を図8に示す処理によって得た制御指示プライマリ油圧Ppriによって発生させる一方、セカンダリプーリ60のベルト挟圧力を図11に示す処理によって得た制御指示セカンダリ油圧Psecによって発生させるよう電子制御装置Cを構成したものである。
これにより、本実施例4にあっては、実施例2と同様の効果を奏するだけでなく、実施例3と同様にプライマリプーリ50とセカンダリプーリ60における夫々のベルト挟圧力のより緻密な制御が可能になる。
次に、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置の実施例5を図18のフローチャートを用いて説明する。
本実施例5のベルト式無段変速機1は、前述した実施例3のベルト式無段変速機1において、所定の変速比γではトルクカム65のみでその変速比γを保持し得るだけのベルト挟圧力を発生させるようトルクカム65の諸元(カム取付半径rcamやカム角δ等)を設定したものである。これが為、本実施例5の電子制御装置Cの入力トルク導出機能は、その所定の変速比γのときに、油圧室66への油圧供給を停止させる又はベルト挟圧力を発生させない程度の油圧を印加するように、挟圧力調圧バルブ58又は油圧室66専用の挟圧力調圧バルブの制御を行って以下の入力トルクTinの算出を少なくとも一度又は所定の間隔内で行う。
この実施例5の電子制御装置Cの入力トルク導出機能は、以下の如くしてベルト式無段変速機1への実際の入力トルクTinを算出する。
先ず、本実施例5の電子制御装置Cは、上記の所定の変速比γになったときに、プライマリプーリ50の油圧室57内のプライマリ油圧P pri 及びプライマリ遠心油圧P pri-cp に応じたプライマリ油圧推力F pri-p 及びプライマリ遠心油圧推力F pri-cp と推力比r pp (γ)とに基づきセカンダリプーリ60におけるセカンダリ全推力Fsec-allを実施例3と同様にして算出し(ステップST41)、トルクカム推力Fcamを算出する(ステップST42)。
ここで、上記の所定の変速比γになっている状態では、セカンダリプーリ60におけるベルト挟圧力がトルクカム65のみにより発生している。これが為、電子制御装置Cは、前述した式14にてセカンダリ油圧推力Fsec-p=0とした下記の式17に基づきトルクカム推力Fcamを算出する。
Figure 0004274033
以降、電子制御装置Cは、実施例3のステップST23〜ST25と同様の演算処理を行って入力トルクTinを求め、入力トルク特性マップの作成又は修正を行う。
この実施例5によれば、実施例3と比して演算処理に要するパラメータ(具体的にはセカンダリ油圧推力Fsec-p)の削減が図れるので、実施例3と同様の効果を奏するだけでなく、より簡単且つ迅速に入力トルクTinを求めることができる。
以上示した各実施例1〜5においては、プライマリプーリ50側の可動シーブ53にモータ(油圧モータ550又は電動モータ552)が一体的に設けられたものを例示したが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、そのモータは、セカンダリプーリ60側の可動シーブ63に一体的に設けてもよく、また、プライマリプーリ50とセカンダリプーリ60の双方の可動シーブ53,63に夫々一体的に設けてもよい。
また、トルクカム65についてはセカンダリプーリ60側に設けているが、例えば、これに替えてプライマリプーリ50側に設けてもよく、その双方に設けてもよい。
以上のように、本発明に係るベルト式無段変速機の制御装置は、ベルト式無段変速機への実際の入力トルクに応じた最適なベルト挟圧力を発生させる技術として有用である。
本発明に係る制御装置の制御対象たるベルト式無段変速機を備えた動力伝達装置の全体構成を示すスケルトン図である。 本発明に係る制御装置の制御対象たるベルト式無段変速機の実施例1の構成を示す図であって、油圧モータ具備したプライマリプーリ側の構成を説明する説明図である。 図2に示すX−X線から見た油圧モータの断面図である。 実施例1のベルト式無段変速機における油圧回路構成を説明する説明図である。 実施例1の変速比制御用切替バルブの動作を説明する説明図であって、第1油室に油圧を供給する場合のバルブ位置を示す図である。 実施例1の変速比制御用切替バルブの動作を説明する説明図であって、第1及び第2の油室に油圧を供給する場合のバルブ位置を示す図である。 実施例1の変速比制御用切替バルブの動作を説明する説明図であって、第2油室に油圧を供給する場合のバルブ位置を示す図である。 実施例1のベルト式無段変速機におけるセカンダリプーリ側の構成を説明する説明図である。 実施例1のトルクカムを説明する説明図であって、セカンダリプーリの固定シーブと可動シーブとが離隔した状態にある場合を例示した図である。 実施例1のトルクカムを説明する説明図であって、セカンダリプーリの固定シーブと可動シーブとが接近した状態にある場合を例示した図である。 実施例1におけるプライマリ油圧の発生動作について説明するフローチャートである。 機関トルク特性マップの一例を示す図である。 プライマリプーリとベルトとの間に掛かる力について説明する図である。 実施例1におけるセカンダリ油圧の発生動作について説明するフローチャートである。 実施例1におけるベルト式無段変速機の入力トルクの演算処理動作についてについて説明するフローチャートである。 変速比とプライマリ推力及びセカンダリ推力との対応関係を説明する図である。 実施例1におけるセカンダリプーリの他の例であって、緩衝機構について説明する説明図である。 図14に示すY−Y線から見た緩衝機構の断面図である。 実施例1におけるプライマリプーリの他の例であって、油圧モータに替えて電動モータを具備した場合について説明する説明図である。 実施例2におけるベルト式無段変速機の入力トルクの演算処理動作についてについて説明するフローチャートである。 実施例5におけるベルト式無段変速機の入力トルクの演算処理動作についてについて説明するフローチャートである。
符号の説明
1 ベルト式無段変速機
50 プライマリプーリ
51 プライマリシャフト
52 固定シーブ
53 可動シーブ
57 油圧室
58 挟圧力調圧バルブ
59 レギュレータバルブ
60 セカンダリプーリ
61 セカンダリシャフト
62 固定シーブ
63 可動シーブ
65 トルクカム
65a 第1係合部
65b 第2係合部
65c トルクカム主体
65d 球状部材
66 油圧室
67 円形部材
68 弾性部材
80 ベルト
80a,80b V字形状の溝
C 電子制御装置

Claims (5)

  1. 所定の間隔を設けて平行に配置した2本のプーリ軸と、該各プーリ軸に各々配置し且つ当該プーリ軸上を軸線方向に摺動し得る可動シーブと、該各可動シーブに各々対向させて前記プーリ軸上に配置し且つ当該可動シーブとの間で溝を形成する固定シーブと、前記対向配置した夫々の可動シーブ及び固定シーブにおける各溝に巻き掛けたベルトとを備え、一方の可動シーブに当該可動シーブを前記固定シーブに向けて押圧して当該一方の可動シーブのベルト挟圧力を発生し得る第1アクチュエータを設けると共に、他方の可動シーブに当該可動シーブを前記固定シーブに向けて押圧して当該他方の可動シーブのベルト挟圧力を発生し得る第2アクチュエータ及びトルクカムを設けたベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記第1アクチュエータの制御量を用いて求めた前記ベルト式無段変速機の出力トルクと当該ベルト式無段変速機の変速比とに基づいて当該ベルト式無段変速機に実際に入力されている入力トルクを導出する入力トルク導出機能と、
    前記実際のベルト式無段変速機の入力トルクと内燃機関の状態とに基づいて当該状態に応じた当該内燃機関から前記ベルト式無段変速機への入力トルク情報を修正する機能と、
    を設けたことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 前記入力トルク導出機能は、前記第1アクチュエータの制御量に基づいて前記他方の可動シーブの推力を求め、該他方の可動シーブの推力と前記第2アクチュエータの制御量に基づき求めた当該第2アクチュエータの推力とから前記トルクカムの推力を求め、該トルクカムの推力と当該トルクカムの諸元とからトルクカム伝達トルクを求め、該トルクカム伝達トルクと前記ベルト式無段変速機の変速比とに基づいて前記実際のベルト式無段変速機の入力トルクを導出する機能であることを特徴とした請求項1記載のベルト式無段変速機の制御装置。
  3. 前記入力トルク導出機能は、所定の変速比のときに、前記第2アクチュエータが前記他方の可動シーブを押圧しないよう当該第2アクチュエータの制御量を制御し、前記第1アクチュエータの制御量に基づいて前記他方の可動シーブのベルト挟圧力を担う前記トルクカムの推力を求め、該トルクカムの推力と当該トルクカムの諸元とからトルクカム伝達トルクを求め、該トルクカム伝達トルクと前記ベルト式無段変速機の変速比とに基づいて前記実際のベルト式無段変速機の入力トルクを導出する機能であることを特徴とした請求項1記載のベルト式無段変速機の制御装置。
  4. 前記入力トルク導出機能により求められた前記実際のベルト式無段変速機の入力トルクに基づいて前記第1及び第2のアクチュエータの制御量を制御するアクチュエータ制御機能を設けたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のベルト式無段変速機の制御装置。
  5. 所定の間隔を設けて平行に配置した2本のプーリ軸と、該各プーリ軸に各々配置し且つ当該プーリ軸上を軸線方向に摺動し得る可動シーブと、該各可動シーブに各々対向させて前記プーリ軸上に配置し且つ当該可動シーブとの間で溝を形成する固定シーブと、前記対向配置した夫々の可動シーブ及び固定シーブにおける各溝に巻き掛けたベルトとを備えたベルト式無段変速機の制御装置において、
    一方の前記プーリ軸上における前記可動シーブ及び前記固定シーブの組を入力側とし、且つ、他方の前記プーリ軸上における前記可動シーブ及び前記固定シーブの組を出力側とし、
    前記入力側の可動シーブを固定シーブに向けて押圧してベルト挟圧力を発生させる第1アクチュエータの制御量を用いて前記出力側のプーリ軸から出力された出力トルクを求める機能と、該出力トルクと変速比に基づいて前記入力側のプーリ軸に入力された実際の入力トルクを求める機能と、該実際の入力トルクを内燃機関の状態に応じた当該内燃機関から前記ベルト式無段変速機への入力トルク情報と比較して当該内燃機関の状態に応じた入力トルク情報を修正する機能とを設けたことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
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