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JP4272905B2 - 薬液注入装置 - Google Patents

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JP4272905B2
JP4272905B2 JP2003059868A JP2003059868A JP4272905B2 JP 4272905 B2 JP4272905 B2 JP 4272905B2 JP 2003059868 A JP2003059868 A JP 2003059868A JP 2003059868 A JP2003059868 A JP 2003059868A JP 4272905 B2 JP4272905 B2 JP 4272905B2
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昌司 百田
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、体内組織の病巣部等に対して所定の薬液を注入する薬液注入装置の構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、血管、消化管、尿管等の人体の管状器官に、カテーテル等の医療器具を挿入することによって、様々な治療や検査、処置等が行なわれている。また、近年では、薬液注入装置、例えば薬液注入カテーテル等を用いて、所定の薬液を体内組織の病巣部に注入する治療や処置も、実施されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
すなわち、よく知られているように、この薬液注入カテーテルは、管状のカテーテル本体の内部に、所定の薬液が流通可能な細管からなり、先端が尖鋭な針部とされた針状管体が、その軸方向に移動可能に挿入配置されて、構成されている。そして、このような薬液注入カテーテルのカテーテル本体が血管内に挿入されて、体内組織の病巣部位にまで押し進められ、そこで、針状管体が長手方向に移動せしめられる。これによって、カテーテル本体の先端開口部や管壁に設けられた孔部を通じて、針状管体の先端の針部が外部に突出せしめられて、体内組織の病巣部に穿刺され、更に、その状態下で、かかる針状管体を通じて、所定の薬液が病巣部に注入されるのである。
【0004】
ところで、このような薬液注入療法を実施する場合、より十分な治療効果を得るために、カテーテル本体(管状の本体)から突出せしめられた針状管体の針部を、体内組織の病巣部における所定の位置において、所望の深さにまで穿刺する必要がある。
【0005】
しかしながら、上述の如き構造とされた従来の薬液注入装置にあっては、一般に、針状管体が、長尺で可撓性を有している。そのため、かかる薬液注入装置が、管状の本体の管壁に設けられた孔部を通じて、針部が外部に突出せしめられる構造とされている場合には、穿刺されるべき体内組織の病巣部が比較的に硬いものであると、そのような病巣部との接触によって、針状管体の針部が屈曲したり、後退したりしてしまい、その結果、針部を、体内組織の病巣部における所定の位置において、所望の深さにまで確実に穿刺すること困難となる場合があったのである。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−104487号公報
【特許文献2】
特開2001−299927号公報
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、先端が針部とされた針状管体が、管状本体の管壁に設けられた孔部から外部に突出せしめ得るように挿入配置されてなる薬液注入装置において、針状管体の針部を、体内組織の病巣部における所定位置において、所望の深さ部位にまで確実に穿刺することが出来るようにした構造を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、体内の主血管に挿入可能な管体からなり、該管体の側面に、外部に開口する突出孔が設けられてなる管状本体と、先端が針部とされた、可撓性を有する細管からなり、該管状本体の内部に、軸方向に移動可能に挿入されて、該針部が、該管状本体の前記突出孔から外部に突出せしめられ、内部に供給された所定の薬液を該針部から吐出する針状管体とを有し、該管状本体を体内に挿入位置せしめた状態下で、該針状管体の針部を該管状本体の側方の一方向に前記突出孔から突出せしめて、該体内の所定の組織に穿刺することにより、該針状管体を通じて、該薬液を該体内組織に注入し得るようにした薬液注入装置において、(a)前記管状本体内に設けられ、該管状本体の前記主血管への挿入方向に対して前記突出孔よりも前方側に設けられた先端開口部を通じて外部に開口する第一ルーメンと、(b)該第一ルーメン内に、その軸方向に移動可能に挿入され、前記先端開口部から延出する第一ガイドワイヤと、(c)前記管状本体内に設けられ、該管状本体の前記主血管への挿入方向に対して前記突出孔よりも後方側に設けられ、且つ前記突出孔の開口方向と、前記先端開口部の開口方向の両方に対して直交する側孔を通じて外部に開口する第二ルーメンと、(d)該第二ルーメン内に、その軸方向に移動可能に挿入され、前記主血管から分岐する分岐血管へ、前記側孔から延出する第二ガイドワイヤと、(e)前記管状本体内に設けられ、前記突出孔を通じて外部に開口し、前記針状管体がその軸方向に移動可能に挿入される第三ルーメンと、(f)前記管状本体に設けられ、該管状本体の前記主血管への挿入方向に対して前記側孔よりも前方側に設けられた、該管状本体の前記主血管内での位置を知るためのマーカと、を含み、更に(g)前記管状本体は、前記先端開口部と前記側孔との間で且つ前記突出孔とは反対側の側面に、前記針部が前記突出孔から前記一方向に突出して前記所定の組織へ進入する際に、前記主血管の内壁に直接的に接触する側面部分を有するように構成されていることを特徴とする薬液注入装置を、その要旨とするものである。
【0009】
すなわち、この本発明に従う薬液注入装置にあっては、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤのそれぞれの延出方向ベクトルが互いに交差する。即ち、第一及び第二ガイドワイヤの実際の延出方向が交差せずに、捻れの位置関係となっている場合も含めて、管状本体内での針状管体の軸方向への移動に伴って、かかる針状管体の先端の針部が、管状本体の管壁に設けられた突出孔から、第一ガイドワイヤの延出方向ベクトルと第二ガイドワイヤの延出方向ベクトルとを含む面に対して実質的に直交する方向に向かって突出せしめられ得るようになっている。
【0010】
それ故に、かかる薬液注入装置においては、針状管体の針部が体内組織の病巣部に穿刺される際に、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤとが、例えば、体内組織上を走行する血管内に挿入される等して、体内組織の病巣部の表面に沿って延出するように位置されておれば、この第一及び第二ガイドワイヤが形成する面は、実質的に体内組織の病巣部表面に近似したものとなる。よって、針部が、病巣部の表面に対して直角な方向に向かって、管状本体の突出孔から突出され得る。これによって、針部が、体内組織の病巣部における所定の位置に穿刺され得ることとなる。
【0011】
しかも、かくして針部が体内組織に穿刺される際には、針部の体内組織内への進入時に生ずる反力の大部分が、体内組織の表面に対して直角な方向、つまり、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤのそれぞれの延出方向を含む面に対して直角な方向であって、且つ針部の進入方向とは反対の方向に向かって作用せしめられることとなる。そのため、そのような反力が、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤとによって、それぞれ分担されて、十分に且つ確実に受け止められる。そして、それによって、針部が、体内組織内に、極めてスムーズに且つ確実に進入せしめられ得ることとなる。
【0012】
従って、かくの如き本発明に従う薬液注入装置にあっては、穿刺されるべき体内組織の病巣部が比較的に硬いものであっても、針状管体の針部が、かかる病巣部における所定位置において、所望の深さ部位にまで確実に穿刺され得る。そして、その結果として、所定の薬液を病巣部に注入する治療や処置の効果を、より十分に高めることが可能となる。
【0013】
のような本発明に従う薬液注入装置によれば、前記管状本体の内部に、該管状本体の前記先端開口部を通じて外部に開口する第一ルーメンと、前記側孔を通じて外部に開口する第二ルーメンと、前記突出孔を通じて外部に開口する第三ルーメンが設けられて、該第一ルーメン内に、前記第一ガイドワイヤが、その軸方向に移動可能に挿入されると共に、該第二ルーメン内に、前記第二ガイドワイヤが、その軸方向に移動可能に挿入され、更に、該第三ルーメン内に、前記針状管体が、その軸方向に移動可能に挿入されて、構成されることとなる。これによって、第一及び第二ガイドワイヤと針状管体とが、何れも、管状本体内を、軸方向にスムーズに移動せしめられ得る。そして、その結果として、より円滑な手技を行なうことが可能となる。
【0014】
また、本発明に従う薬液注入装置の別の有利な態様の一つによれば、前記第一ルーメンが、前記管状本体における体内への挿入方向後方側の端部において、かかる端部の管壁に設けられた挿入孔を通じて側方に開口せしめられて、前記第一ガイドワイヤが、該挿入孔から該第一ルーメン内に挿入される一方、前記第二ルーメンが、該管状本体の後方側の後端開口部を通じて該後方側に開口せしめられて、前記第二ガイドワイヤが、該後端開口部から該第二ルーメン内に挿入される。
【0015】
このような構成を採用すれば、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤとが、第一ルーメン内への挿入部位や第二ルーメンからの延出部位のそれぞれ一箇所のみにおいて屈曲せしめられることとなる。それ故、各ガイドワイヤの屈曲が最小限度となる。即ち、第一及び第二ガイドワイヤが、第一及び第二ルーメン内での挿入部位と外部への延出部位との二箇所において屈曲せしめられる場合とは異なって、各ガイドワイヤが、各ルーメン内を移動する際の摺動抵抗が有利に小さくされ得る。これにより、薬液注入装置において、更に一層優れた使用性乃至は操作性が発揮され得るのである。
【0016】
さらに、本発明に従う薬液注入装置の望ましい他の態様の一つによれば、前記第一ルーメンと前記第二ルーメンとが、それぞれの中心軸を含む平面を前記突出孔の開口方向に対して直交させるようにして、前記管状本体の内部に設けられることとなる。
【0017】
このような構成を有する薬液注入装置にあっては、針状管体の先端の針部が、管状本体の管壁に設けられた突出孔から、第一ガイドワイヤの延出方向と第二ガイドワイヤの延出方向とを含む面に対して直交する方向に向かって、より確実に突出せしめられ得る。それによって、針部の体内組織内への進入時に生ずる反力の大部分が、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤとによって、より十分に且つ確実に受け止められ得る。そして、その結果として、針部の体内組織内への進入が、より一層スムーズに且つ確実に行なわれ得ることとなる。
【0018】
また、本発明に従う薬液注入装置の更に別の好ましい態様の一つによれば、前記第三ルーメンが、その中心軸と前記管状本体の中心軸とを含む平面上に、前記突出孔の中心が位置せしめられるようにして、前記管状本体の内部に設けられる。これによって、針状管体が、管状本体内に、よりバランス良く配置されることとなる。その結果として、かかる薬液注入装置を用いた手技が、より円滑に実施され得る。
【0019】
さらに、本発明に従う薬液注入装置においては、有利には、前記第三ルーメンが、その中心軸を前記管状本体の中心軸と一致せしめるようにして、前記管状本体の内部に設けられる一方、前記第一ルーメンと前記第二ルーメンとが、該第三ルーメンを間に挟んだ両側において、それぞれの中心軸を、該第三ルーメンの中心軸と同一平面上に位置させようにして、該管状本体の内部に設けられることとなる。
【0020】
このような構成を採用すれば、第一及び第二ルーメン間の距離が可及的に大きくされて、それら第一及び第二ルーメンから外部に延出せしめられる第一及び第二ガイドワイヤ間の距離も大きく為され得る。その結果、針部の体内組織内への進入時に生ずる反力の大部分が、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤとによって、より十分に且つ確実に受け止められ得ることとなる。
【0021】
更にまた、本発明に従う薬液注入装置の他の望ましい態様の一つによれば、前記管状本体の外部に対して、拡張/収縮可能なバルーンが取り付けられると共に、該バルーンを拡張させる流体が流通せしめられる第四ルーメンが、その中心軸と該管状本体の中心軸とを含む平面上に、前記突出孔の中心が位置せしめられるようにして、該管状本体の内部に設けられる。
【0022】
かくの如き構成を有する薬液注入装置にあっては、例えば、管状本体が血管内に挿入された場合等に、血管内でバルーンを拡張させることによって、管状本体が、かかる血管の所定の位置に固定される。そして、それによって、管状本体から突出される針部が、筋肉等の体内組織の所望の部位に対して、より確実に穿刺され得ることとなる。また、バルーンを拡張させる流体が流通せしめられる第四ルーメンが、管状本体内に、よりバランス良く配置される。その結果として、かかる薬液注入装置を用いた手技が、より円滑に実施され得る。
【0023】
また、本発明に従う薬液注入装置においては、好ましくは、前記管状本体の内部に、前記針状管体の前記軸方向への移動に伴う、該針状管体の前記先端の針部の摺接によって、該針部を前記突出孔に案内する案内面が、該管状本体における前記体内への挿入方向前方側に向かって、該突出孔の開口方向に湾曲する凸状湾曲面形態を有して、形成されることとなる。これによって、針部が、管状本体から、よりスムーズに突出され得る。以て、かかる薬液注入装置を用いた手技が、より円滑に実施され得る。
【0024】
さらに、本発明に従う薬液注入装置において、管状本体の内部に前記案内面が形成される場合には、望ましくは、前記針状管体の先端の針部が、前記管状本体の内部に形成された前記凸状湾曲面形態を有する案内面に対応した湾曲形状を有して構成され、該案内面の該凸状湾曲面形態と前記針状管体の先端の湾曲形状とが合成されることにより、該針状管体を、より湾曲させる方向に変形させるように構成される。
【0025】
このような構成を有する薬液注入装置にあっては、針状管体の針部が、管状本体の突出孔から、第一及び第二ガイドワイヤの各延出方向を含む面に対して直交する方向に向かって突出する際に、案内面の凸状湾曲面形態と針状管体の先端の湾曲形状とが合成されることによって、針状管体を、より湾曲させて、突出孔の近傍に突出するように位置させることが出来る。これによって、突出孔の位置から針状管体の先端の位置が認識し易くなる。また、管状本体の軸方向に対して、より直角に近い形態で、針状管体が突出孔から突出するため、かかる針状管体が体内組織の病巣部における所望の部位に進入する際の、管状本体の軸方向に対して直角な方向に作用せしめられる分力が大きくなり、以て、針状管体を、体内組織の病巣部における所望の部位に対して、よりスムーズに進入させることが可能となる。
【0026】
そして、本発明にあっては、好ましくは、前記管状本体から前記主血管へ延出した前記第一ガイドワイヤと該管状本体から前記分岐血管へ延出した前記第二ガイドワイヤのそれぞれの延出方向ベクトルを含む面に対して実質的に直交する方向に、前記針状管体が、該管状本体より突出し、前記主血管の壁面を介して前記薬液を前記体内組織に注入し得るように構成したことを特徴としている
【0027】
すなわち、この本発明に従う薬液注入装置においては、針状管体が、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤのそれぞれの延出方向ベクトルを含むに面に対して実質的に直交する方向に向かって、管状本体より突出せしめられるようになっているところから、針状管体の先端部が、体内組織の病巣部における所定の位置に確実に穿刺されて、進入され得る。また、針状管体の先端部が体内組織の病巣部に進入せしめられる際に、かかる針状管体の先端部に対して、病巣部への進入方向とは反対の方向に作用せしめられる反力が、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤとにて、十分に且つ確実に受け止められる。それにより、針状管体の先端部が、体内組織の病巣部に、極めてスムーズに且つ確実に進入せしめられ得ることとなる。
【0028】
従って、かくの如き本発明に従う薬液注入装置にあっても、穿刺されるべき体内組織の病巣部が硬化していても、針状管体の針部が、かかる病巣部における所定位置において、所望の深さ部位にまで確実に穿刺され得る。そして、その結果として、所定の薬液を病巣部に注入する治療や処置の効果を、より十分に高めることが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態に係る薬液注入装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0030】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する薬液注入装置の一実施形態として、心筋の病巣部に薬液を注入するのに用いられる薬液注入カテーテルが、その正面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それら図1及び図2において、10は、長尺な管体からなる、管状本体としてのカテーテル本体であって、内部に、先端部が針部11とされた針状管体12と、第一ガイドワイヤ14と、第二ガイドワイヤ16とが、それぞれの軸方向に移動可能に挿入されている。
【0031】
より具体的には、カテーテル本体10は、人体の大腿部や手首部から心臓まで延びる血管内に、それらの全長に亘って挿入可能な太さ(ここでは、直径が約2.0mm)と長さを有している。そして、このカテーテル本体10は、可撓性を有する、所定の樹脂層からなる筒状の内側層と外側層との間に、ステンレス製の鋼線が挟み込まれるように埋設されて、構成されている。これによって、適度な剛性と可撓性とがバランス良く兼備せしめられて、蛇行する血管内にスムーズに挿入され得るようになっている。なお、このようなカテーテル本体10を与える材料は、特に限定されるものではなく、上述の如き材料に代えて、所望の弾性を有する材料、例えば、ポリアミド等の合成樹脂材料や、Ni−Ti合金等の超弾性合金材料、ステンレス等の金属材料等も、適宜に用いられることとなる。
【0032】
また、このようなカテーテル本体10の内部には、長手方向に連続して延びる第一乃至第四の四つのルーメン18a〜18dが、それぞれ異なる径をもって、互いに独立して設けられている。
【0033】
そして、これら四つのルーメン18a〜18dのうち、最も径の大きな第三ルーメン18cよりも小さく、且つ最も径の小さな第四ルーメン18dよりも大きな、互いに同一径を有する第一及び第二ルーメン18a,18bは、それぞれの中心軸:P1 ,P2 を含む平面:α(図2において二点鎖線で示す)上に、カテーテル本体10の中心軸:P0 が位置せしめられるように、配置されている。また、第三ルーメン18cは、その中心軸:P3 が、カテーテル本体10の中心軸:P0 と一致せしめられると共に、第一ルーメン18aと第二ルーメン18bとの間の中央に位置せしめられるように、配置されている。更に、第四ルーメン18dは、その中心軸:P4 と第三ルーメン18cの中心軸:P3 を含む平面:β(図2において二点鎖線で示す)が、第一及び第二ルーメン18a,18bのそれぞれの中心軸:P1 ,P2 を含む平面:αに対して直交せしめられるような位置に配置されている。
【0034】
また、そのような四つのルーメン18a〜18dを内部に有するカテーテル本体10にあっては、血管内への挿入方向前方側(図1において右側)の端部に、その先端において軸方向に開口する先端開口部20を有している。更に、かかるカテーテル本体10の前方側端部における先端よりも僅かに後方側の部位には、管壁を貫通して、側方に開口する突出孔22が、形成されている。更にまた、カテーテル本体10の前方側の端部における突出孔22の形成部位よりも更に後方側の部位にも、管壁を貫通する側孔24が、設けられている。
【0035】
そして、図2及び後述する図3からも明らかなように、カテーテル本体10の前方側端部に設けられた上記三つの孔部20,22,24のうち、先端開口部20と側孔24とが、それぞれの中心:O1 ,O2 を、第一ルーメン18aと第二ルーメン18bのそれぞれの中心軸:P1 ,P2 を含む前記平面:α上に位置せしめるように、配置されている。一方、突出孔22は、その中心:O3 を、カテーテル本体10の中心軸:P0 を含んで平面:αに対して直交する前記平面:β上に位置せしめるように、配置されている。これにより、ここでは、側孔24が、先端開口部20の開口方向と突出孔22の開口方向とに対して直角となる方向に向かって開口せしめられるようになっている。
【0036】
そして、そのようにして、カテーテル本体10の前方側端部に設けられた先端開口部20が、第一ルーメン18aに対して連通せしめられている。また、側孔24が、第二ルーメン18bに連通せしめられている。更に、突出孔22が、第三ルーメン18cに連通せしめられている。これによって、ここでは、カテーテル本体10の前方側端部において、第一ルーメン18aが、先端開口部20を通じて、軸方向前方側(図1中、右側方向)に向かって開口せしめられている。また、第二ルーメン18bが、側孔24を通じて、第一ルーメン18aの開口方向と直角となる側方(図1中、紙面に直角な方向)に向かって開口せしめられている。更に、第三ルーメン18cが、突出孔22を通じて、第一ルーメン18aの開口方向と第二ルーメン18bの開口方向の何れの方向に対しても直角となる方向(図1中、下側方向)に向かって開口せしめられている。
【0037】
一方、カテーテル本体10における血管内への挿入方向後方側(図1において左側)の端部には、カテーテル本体10を三つに分岐する分岐ソケット26を介して、三つのコネクタ28,30,32が、取り付けられている。更に、かかるカテーテル本体10の後方側端部における分岐ソケット26の配設部位よりも所定寸法前方側には、カテーテル本体10の管壁を貫通して、前記側孔24の開口方向とはカテーテル本体10の径方向の反対の方向に向かって開口する挿入孔34が、形成されている。
【0038】
そして、それら三つのコネクタ28〜32が、カテーテル本体10内に設けられた第二乃至第四の三つのルーメン18b〜18dに対して、それぞれ一つずつ対応して、連通せしめられている。また、挿入孔34は、第一ルーメン18aに連通せしめられている。これによって、カテーテル本体10における血管内への挿入方向後方側の端部において、第一ルーメン18aが、挿入孔34を通じて、外方に開口せしめられている一方、第二、第三、及び第四ルーメン18b〜18dが、三つのコネクタ28〜32の開口部を通じて、外方に開口せしめられている。
【0039】
そして、前述せる如く、ここでは、針状管体12と第一及び第二ガイドワイヤ14,16とが、カテーテル本体10内に、それぞれの軸方向に移動可能に挿入されている。第一ガイドワイヤ14は、カテーテル本体10の内部に設けられた第一ルーメン18a内に、カテーテル本体10における後方側端部の管壁に設けられた挿入孔34を通じて挿入されている。一方、第二ガイドワイヤ16は、カテーテル本体10の内部に設けられた第二ルーメン18b内に、カテーテル本体10の後方側端部に取り付けられたコネクタ28の開口部(後端開口部)を通じて挿入されている。更に、針状管体12は、カテーテル本体10の内部に設けられた第三ルーメン18c内に、カテーテル本体10の後方側端部に取り付けられたコネクタ30の開口部を通じて挿入されている。
【0040】
従って、図1と、針状管体12と各ガイドワイヤ14,16のそれぞれの中心軸の位置を表す図3とから明らかなように、第一ガイドワイヤ14は、第一ルーメン18a内での軸方向前方側への移動により、カテーテル本体10の前方側端部の先端開口部20を通じて、前記平面:α上で、第一ルーメン18a内から軸方向前方に向かって延出せしめられ得るようになっている。また、第二ガイドワイヤ16は、第二ルーメン18b内での軸方向前方側への移動により、カテーテル本体10の前方側端部の側孔24を通じて、前記平面:α上で、第二ルーメン18b内から側方に向かって延出せしめられ得るようになっている。更に、針状管体12にあっては、第三ルーメン18c内での軸方向前方側への移動により、先端の針部11が、カテーテル本体10の前方側端部の突出孔22を通じて、前記平面:αに直交する平面:β上で、第三ルーメン18c内から、第一ガイドワイヤ14の延出方向と第二ガイドワイヤ16の延出方向の何れの方向に対しても直角となる方向に向かって突出せしめられ得るようになっている。
【0041】
第三ルーメン18c内に挿入される針状管体12は、全体として、可撓性を有する細管からなっている。そして、かかる針状管体12にあっては、先端に設けられた針部11を除いた部分が、カテーテル本体10よりも長い長さと0.4mm程度の直径とを有する細管からなる薬液流通管路部36とされている。即ち、ここでは、針状管体12が、針部11と薬液流通管路部36とからなる一体品にて、構成されている。
【0042】
また、かかる針状管体12の薬液流通管路部36は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンやポリイミド等の可撓性を有する合成樹脂材料等からなっている。一方、針部11は、例えば、Ni−Ti合金等の超弾性合金材料やステンレス等の金属材料等の弾性材料からからなっている。そして、この針状管体12の薬液流通管路部36が、カテーテル本体10の後方側端部のコネクタ30に取り付けられた、所定の薬液を供給する薬液供給手段としてのシリンジ38に接続されている。
【0043】
これによって、針状管体12は、十分な可撓性乃至は弾性が具備せしめられて、屈曲蛇行せしめられる血管に沿って、その内部に挿入されたカテーテル本体10の第三ルーメン18c内にスムーズに挿入され、軸方向に移動せしめられ得るようになっている。また、そのような第三ルーメン18c内での軸方向前方側への移動により、針部11が、カテーテル本体10の突出孔22から外部に突出せしめられて、心筋に対して穿刺せしめられ得るようになっている。更に、シリンジ38を通じて、壊死した心筋の再生を図るための骨芽細胞又は増殖因子、例えば、bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)やVEGF(血管内皮細胞増殖因子)、HGF(肝細胞増殖因子)等を含む薬液が、薬液流通管路部36内に導入されて、先端の針部11の開口部から、外部に吐出せしめられ得るようになっている。
【0044】
また、図4に示されるように、ここでは、突出孔22の開口周縁部を含む、第三ルーメン18cの前方側端部の内周面が、軸方向前方に向かって、突出孔22の開口方向に湾曲する凸状湾曲面からなる案内面40とされている。更に、針状管体12の針部11も、かかる案内面40の湾曲形態に対応した湾曲形状を有している。これによって、針状管体12の軸方向前方側への移動に伴って、針部11が、案内面40に摺接せしめられつつ、かかる案内面40により、突出孔22に向かってスムーズに案内されるようになっている。
【0045】
なお、このような案内面40や針部11の湾曲形状は、例えば、針部11の剛性等を考慮して、適宜に決定される。また、それら案内面40や針部11における湾曲部位の曲率半径の大きさ等は、特に限定されるものではないものの、案内面40の湾曲形態と針部11の湾曲形状が合成されて、針部11が、突出孔22から突出せしめられる際の、両者の接点における突出角度:θが45°程度、又はそれ以上となるような大きさとされていることが、望ましい。
【0046】
これによって、図4に示される如く、針部11が突出孔22から十分に突出せしめられた際に、針部11の先端部位が、突出孔22側に接近し、針部11が突出した際の位置を認識し易い。また、針部11の接線:mを、カテーテル本体10の中心軸:P0 や針状管体12が挿入される第三ルーメン18cの中心軸:P3 に対して、より突出孔22に近い位置で直交するように位置させることが出来る。従って、針状管体12が心筋に進入する方向の分力(図3に示される二つのベクトル:Vv,Vhのうち、第三ルーメン18cの中心軸:P3 に対して直角なベクトル:Vvの大きさ)が大きくなるため、針状管体12を、よりスムーズに心筋内に進入させることが出来る。
【0047】
さらに、ここでは、針部11の先端面、つまり針部11の開口部における開口端面41が、カテーテル本体10の前方側に向かって、突出孔22の開口方向に傾斜する傾斜面、つまり、図4において、下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。
【0048】
また、カテーテル本体10の前方側端部における突出孔22と側孔24のそれぞれの形成部位の間には、バルーン42が、設けられている。このバルーン42は、柔軟な合成樹脂材料からなり、内部に、生理食塩水等の流体が導入されることにより、突出孔22の開口方向に向かって拡張し、そして、かかる流体が排出されることにより、拡張状態から収縮せしめられ得るように構成された公知の構造を有している。そして、第四ルーメン18dが、このバルーン42の内部に向かって開口せしめられている。また、図1からも明らかな如く、かかる第四ルーメン18dに連通せしめられた状態下で、カテーテル本体10の後方側端部に取り付けられたコネクタ32には、バルーン42を拡張せしめるための流体を供給する流体供給手段としてのシリンジ44が、接続されている。
【0049】
なお、図1及び図4中、46は、金、白金、白金ロジウム合金等の放射線不透過材料を用いて形成されたマーカーチューブである。このマーカーチューブ46は、軸方向一方側の開口端面が傾斜面とされて、筒壁部に、軸方向長さの最長部位と最短部位とが形成されている。そして、かかるマーカーチューブ46にあっては、筒壁部の最長部位か最短部位の何れかが、カテーテル本体10の前方側端部における突出孔22の形成部位に対応位置する状態で、カテーテル本体10の前方側端部に外挿固定されている。マーカーチューブ46の先端は、針状管体12が突出した際における針状管体12(針部11)の接線:mに略一致するようになっている。これによって、カテーテル本体10を血管内に挿入せしめた状態下で、突出孔22の位置及び針状管体12の先端の位置が、マーカーチューブ46の筒壁部の先端部、最長部位、及び最短部位をX線透視することで、容易に把握され得るようになっている。なお、本実施形態では、図4に示されるように、マーカーチューブ46の筒壁部の最短部位が、突出孔22側に位置せしめられている。
【0050】
次に、かくの如き構造とされた本実施形態の薬液注入カテーテルを用いて、心筋の壊死部等の病巣部に所定の薬液を注入する方法について、説明する。
【0051】
すなわち、かかる薬液注入カテーテルを用いた薬液注入療法の実施に際しては、例えば、先ず、図5に示されるように、第一ガイドワイヤ14が、心筋48の表面上の主血管50内に挿入される。その一方で、第二ガイドワイヤ16が、第一ガイドワイヤ14が挿入される主血管50から分岐せしめられた、心筋48の表面上の分岐血管52内に挿入される。なお、ここでの第一及び第二ガイドワイヤ14,16の主血管50内と分岐血管52内への挿入操作は、一般に、手動で行なわれる。
【0052】
次に、カテーテル本体10が、第一ガイドワイヤ14に沿って、心筋48表面上の主血管50内に挿入される。このカテーテル本体10の主血管50内への挿入操作は、放射線で透視して、カテーテル本体10の挿入方向前方側端部に外挿されたマーカーチューブ46の位置をモニタ等で確認しながら行なわれる。即ち、カテーテル本体10の主血管50内への挿入操作により、マーカーチューブ46が、主血管50の所定の箇所に到達したら、カテーテル本体10の挿入操作が、一旦終了される。そして、そこで、マーカーチューブ46の最短部位や最長部位の位置が確かめられて、突出孔22が、薬液が注入されるべき心筋48の病巣部の所定位置において、かかる病巣部に向かって開口して位置せしめられるように、カテーテル本体10が軸心回りに回転させられつつ、主血管50内での軸方向位置も、微調整される。
【0053】
引き続き、図6に示されるように、カテーテル本体10が、主血管50内の前述の如き所定箇所に位置せしめられたら、シリンジ44から、カテーテル本体10内部の第四ルーメン18d内に、生理食塩水等が導入されて、バルーン42が、突出孔22の開口方向に向かって拡張せしめられる。これによって、カテーテル本体10が、主血管50内において、薬液が注入されるべき心筋48の病巣部上に、固定的に保持される。
【0054】
その後、針状管体12が、カテーテル本体10内の第三ルーメン18c内に、コネクタ30を通じて挿入されて、カテーテル本体10の主血管50内への挿入方向前方側に向かって移動せしめられる。このとき、針状管体12の先端の針部11が、第三ルーメン18c内の前方側端部に到達したら、図6において二点鎖線で示されるように、針部11は、第三ルーメン18cの前方側端部の内周部に設けられた案内面40に摺接せしめられつつ、突出孔22に向かってスムーズに前進せしめられる。そして、かかる針状管体12の更なる前進移動によって、図6に実線で示される如く、針部11が、突出孔22を通じて突出せしめられる。この針状管体12の移動による針部11の突出操作は、手動、若しくは公知のねじ機構等によって、行なわれることとなる。
【0055】
なお、前述せるように、本実施形態の薬液注入カテーテルにおいては、カテーテル本体10の先端開口部20と側孔24とからそれぞれ延出せしめられた第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16のそれぞれの延出方向に対して実質的に直角となる方向に向かって、針状管体12の針部11が、突出孔22から突出せしめられるようになっている。そして、ここでは、カテーテル本体10の先端開口部20と側孔24とからそれぞれ延出せしめられた第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16とが、心筋48の表面上を走行する主血管50と分岐血管52とに対して、それぞれ挿入されている。よって、第一及び第二ガイドワイヤ14,16にて形成される面は、実質的に、心筋48の表面と近似している。
【0056】
それ故に、上述の如き操作によりカテーテル本体10の突出孔22から突出された針状管体12の針部11は、心筋48の表面に対して実質的に直角な方向に向かって突出せしめられることとなる。しかも、かかる針部11にあっては、前述せる如く、針状管体12の移動方向に向かって、突出孔22からの突出方向に湾曲せしめられる湾曲形状を有しているために、突出孔22からの突出状態下で、その先端部位の接線:mがカテーテル本体10の中心軸:P0 に対して直交するように、配置される。なお、ここで、実質的に直角と言うのは、実際には、心筋48が複雑な形状を有しているため、厳密には、針部11が、かかる心筋48の表面に対して直角に突出しない場合があることを考慮してのことである。
【0057】
従って、本操作によって、カテーテル本体10の突出孔22から突出された針状管体12の針部11が、主血管50の血管壁54を貫通して、心筋48の病巣部の所定箇所に対して穿刺せしめられる。そして、カテーテル本体10内での針状管体12の前進移動に伴って、針部11が、心筋48の表面に対して実質的に直角な方向に向かって、病巣部の所定の深さにまで進入せしめられることとなる。
【0058】
また、このような病巣部内部への針部11の進入時には、針部11を通じて、カテーテル本体10に対して、針部11の進入方向と反対方向、つまり、心筋48の表面に対して直角な方向に、針部11の心筋48内への進入に対する反力の大部分が作用せしめられることとなる。しかし、ここでは、第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16とが、心筋48の表面上で、主血管50内と分岐血管52内とに挿入位置せしめられている。このため、そのような反力が、それら第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16とにより、それぞれ分担せしめられて、十分に且つ確実に受け止められ得ることとなる。従って、本操作により、心筋48の病巣部の所定の深さまでの針部の進入が、極めてスムーズに且つ確実に行なわれ得るのである。
【0059】
次に、針部11が、心筋48の病巣部の所定の深さ位置にまで進入したら、針状管体12の移動が終了せしめられる。その後、針状管体12の基部側部位におけるコネクタ30に接続されたシリンジ38から、心筋48の再生を図るための骨芽細胞または増殖因子を含む薬液が、針状管体12の内孔内に導入される。そして、かかる薬液が、針部11の先端開口部から外部に吐出せしめられることにより、心筋48の病巣部内に注入される。
【0060】
その後、心筋48の病巣部の一箇所に薬液が注入されたら、針状管体12がカテーテル本体10内で後退移動させられて、針部11が、カテーテル本体10内に引き込まれる。そして、引き続いて、他の場所において、このような心筋48の病巣部に対する薬液の注入操作が複数回繰り返され、それによって、心筋48の病巣部の複数箇所に対して、薬液が注入されることとなる。
【0061】
このように、本実施形態の薬液注入カテーテルにおいては、カテーテル本体10の突出孔22から突出せしめられた針部11が、心筋48の病巣部における所定の位置に対して、確実に穿刺され得る。しかも、そのような針部11の心筋48に対する穿刺によって生ずる反力の大部分が、心筋48の表面上の主血管50内と分岐血管52内とに挿入された第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16とにて、十分に且つ確実に受け止められて、針部11が、心筋48の病巣部の所定の深さ位置にまで、極めてスムーズに且つ確実に進入せしめられ得る。
【0062】
従って、かくの如き本実施形態の薬液注入カテーテルを用いれば、心筋48の病巣部が硬化していても、針部11が、かかる病巣部における所定位置において、所望の深さ部位にまで確実に穿刺され得る。そして、その結果として、心筋48の再生を図るための薬液を心筋48の病巣部に注入する治療や処置の効果が、より十分に高められ得ることとなる。
【0063】
また、かかる薬液注入カテーテルにおいては、カテーテル本体10の内部に、第一乃至第四ルーメン18a〜18dが、カテーテル本体10の長さ方向に連続して延びる状態で、互いに独立して設けられ、そして、それら四つのルーメン18a〜18dのうち、第一、第二、及び第三ルーメン18a〜18c内に、第一及び第二ガイドワイヤ14,16と針状管体12とが、それぞれ、軸方向に移動可能に挿入されている。これによって、第一及び第二ガイドワイヤ14,16と針状管体12とが、何れも、カテーテル本体10内を、軸方向にスムーズに移動せしめられ得る。そして、その結果として、より円滑な手技を行なうことが可能となっている。
【0064】
さらに、本実施形態の薬液注入カテーテルにあっては、第一ガイドワイヤ14が、カテーテル本体10の後方側端部において、側方に開口する状態で設けられた挿入孔34から、第一ルーメン18a内に挿入されて、カテーテル本体10の先端開口部20を通じて、軸方向の前方に向かって真っ直ぐに延出せしめられている。また、第二ガイドワイヤ16が、カテーテル本体10の後端部において、そこに取り付けられたコネクタ28の開口部から、第二ルーメン18b内に真っ直ぐに挿入されて、カテーテル本体10の前方側端部において、側方に開口する状態で設けられた側孔24を通じて、側方に向かって延出せしめられている。
【0065】
それ故に、かかる薬液注入カテーテルにおいては、第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16が、何れも、一箇所のみにおいて屈曲乃至は湾曲せしめられた状態で、カテーテル本体10内に層通せしめられている。従って、そのような第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16に沿って、心筋48の表面上の主血管50内に、カテーテル本体10を挿入する際の各ガイドワイヤ14,16に対する摺動抵抗が、比較的に小さく為され得て、以てカテーテル本体10の主血管50内への挿入操作が、よりスムーズに行なわれ得ることとなる。
【0066】
さらに、本実施形態に係る薬液注入カテーテルにあっては、針状管体12が挿入配置される第三ルーメン18cが、その中心軸:P3 を、カテーテル本体10の中心軸:P0 に一致させた状態で配置されている。これによって、薬液注入カテーテル全体のバランスが良好なものとなり、以て、心筋48の病巣部に対して薬液を注入せしめるための手技が、より安定的に行なわれ得ることとなる。
【0067】
また、かかる薬液注入カテーテルにおいては、針状管体12が挿入配置される第三ルーメン18cの中心軸:P3 と、それに一致するカテーテル本体10の中心軸:P0 とを含み、且つ第一及び第二ガイドワイヤ14,16がそれぞれ挿入配置される第一及び第二ルーメン18a,18bのそれぞれの中心軸:P1 ,P2 を含む平面:αに対して直交する平面β上に、針状管体12の針部11が突出せしめられる突出孔22の中心:O3 が位置するように、かかる突出孔22が配設されている。これによって、針状管体12のカテーテル本体10内での配置バランスと、針部11を突出孔22から突出させる際の操作バランスとが、良好なものとなる。そして、その結果として、心筋48の病巣部に対する薬液の注入のための手技が、更に一層安定的に且つスムーズに行なわれ得ることとなる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る薬液注入カテーテルにあっては、第一及び第二ガイドワイヤ14,16がそれぞれ挿入配置される第一及び第二ルーメン18a,18bの各中心軸:P1 ,P2 と、針状管体12が挿入配置される第三ルーメン18cの中心軸:P3 と、カテーテル本体10の中心軸:P0 とが、前記一つの平面:α上に位置せしめられると共に、それら第一及び第二ルーメン18a,18bが、第三ルーメン18cを間に挟んだ、その両側に配置されている。これにより、第一ルーメン18aと第二ルーメン18bとの間の距離が可及的に大きく為されて、それら二つのルーメン18a,18bから、カテーテル本体10の先端開口部20と側孔24とを通じて外部に延出せしめられる第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16間の距離も大きく為され得る。その結果、針部11の心筋48の病巣部内への進入時に生ずる反力の大部分が、そのような第一ガイドワイヤ14と第二ガイドワイヤ16とによって、より十分に且つ確実に受け止められ得ることとなる。
【0069】
また、かかる薬液注入カテーテルでは、カテーテル本体10の外部に設けられたバルーン42を拡張させるための流体が流通せしめられる第四ルーメン18dが、その中心軸:P4 を、針状管体12が挿入配置される第三ルーメン18cの中心軸:P3 と、カテーテル本体10の中心軸:P0 と、突出孔22の中心:O3 を含む前記平面:β上に位置させるようにして、配設されている。これによっても、薬液注入カテーテル全体のバランスが良好なものとなり、以て、心筋48の病巣部に対して薬液を注入せしめるための手技が、より安定的に行なわれ得ることとなる。
【0070】
さらに、本実施形態の薬液注入カテーテルにおいては、針状管体12が挿入配置される第三ルーメン18cの前方側端部の内周面が、軸方向前方に向かって、突出孔22の開口方向に湾曲する凸状湾曲面からなる案内面40とされていると共に、針状管体12の針部11も、かかる案内面40に対応した湾曲形状を有して構成されている。そして、そのために、カテーテル本体10内での針状管体12の前進移動に伴って、針部11が、突出孔22から、心筋48の表面に対して直角な方向に向かって、スムーズに且つ確実に突出せしめられ得るようになっている。このような構造によっても、心筋48の病巣部に対して薬液を注入せしめるための手技が、より安定的に且つ確実に行なわれ得ることとなる。
【0071】
しかし、カテーテル本体10内に設けられる第一乃至第四ルーメン18a〜18dの配置位置は、前述せる如き例示のものに、何等限定されるものではない。
【0072】
例えば、図7に示されるように、第三ルーメン18cを、その中心軸:P3 が、カテーテル本体10の径方向において、カテーテル本体10の中心軸:P0 よりも、突出孔22の形成部位側に偏倚して位置せしめられるように、配置すると共に、第一及び第二ルーメン18a,18bを、それぞれの中心軸:P1 ,P2 を含む平面:αが、カテーテル本体10の径方向において、カテーテル本体10の中心軸:P0 よりも、突出孔22の形成部位側とは反対側に偏倚して位置せしめられるように配置することも可能である。
【0073】
また、図8に示される如く、第三ルーメン18cを、その中心軸:P3 が、カテーテル本体10の径方向において、カテーテル本体10の中心軸:P0 よりも、突出孔22の形成部位側とは反対側に偏倚して位置せしめられるように、配置すると共に、第一及び第二ルーメン18a,18bを、それぞれの中心軸:P1 ,P2 を含む平面:αが、カテーテル本体10の径方向において、カテーテル本体10の中心軸:P0 よりも、突出孔22の形成部位側に偏倚して位置せしめられるように配置しても良いのである。
【0074】
このような図7及び図8に示される如き構造を有する二つ実施形態においては、針状管体12の針部11が、第一及び第二ガイドワイヤ14,16のそれぞれの延出方向に対して直角な方向に向かって突出せしめられ得るようになっている。従って、これら第二及び第三の二つの実施形態にあっても、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が、有効に享受され得ることとなる。
【0075】
また、図9に示されるように、第三ルーメン18cを、カテーテル本体10に対して同軸的に配置する一方、第一ルーメン18aを、その中心軸:P1 が、第三ルーメン18cの中心軸:P3 と、カテーテル本体10の中心軸:P0 と、突出孔22の中心:O3 とを含む平面:β上において、第三ルーメン18cの中心軸:P3 を間に挟んで、突出孔22の中心:O3 の配設側とは反対側に位置せしめられるように配置する。そして、第二ルーメン18bを、その中心軸:P2 が、第三ルーメン18cの中心軸:P3 と、カテーテル本体10の中心軸:P0 とを含み、且つ上記平面:βに対して直交する平面:α上に位置せしめられように、配置しても良いのである。
【0076】
さらに、図10に示される如く、第一、第二、及び第三ルーメン18a〜18cを、全て、それぞれの中心軸:P1 〜P3 が、カテーテル本体10の中心軸:P0 と、突出孔22の中心:O3 とを含む前記平面:β上に位置せしめられるように配置することも可能である。また、第四ルーメン18dを、前記第一乃至第三の実施形態における配置位置とは異なる位置に配置しても良い。
【0077】
これら図9及び図10に示される如き構造を有する二つの実施形態にあっては、第一ルーメン18aと第二ルーメン18bとが、捻れ若しくは平行な位置関係となって、それぞれの中心軸:P1 ,P2 の配置位置において、カテーテル本体10の径方向において、偏差:dを有している。しかしながら、このような偏差:dは、カテーテル本体10の径よりも小さな、極めて微小な寸法である。そのため、それら第一及び第二ルーメン18a,18b内にそれぞれ挿入配置される第一及び第二ガイドワイヤ14,16の各延出方向ベクトルが直交している点で変わりないため、これらの方向ベクトルを含む面に、実質的に針状管体12が突出することとなる。従って、そのような微小な偏差:dによって影響されるようなことは、殆どないのである。
【0078】
それ故、かくの如き第四及び第五の二つの実施形態においても、針状管体12の針部11が、第一及び第二ガイドワイヤ14,16のそれぞれの延出方向に対して、実質的に直角な方向に向かって突出せしめられ得るようになっている。従って、これら第四及び第五の実施形態の何れにあっても、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が、有効に享受され得ることとなる。
【0079】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0080】
例えば、カテーテル本体10の外部に設けられたバルーン42と、そのようなバルーン42を拡張させるための流体が流通せしめられる、カテーテル本体10内に設けられた第四ルーメン18dは、本発明において、何等必須ものではない。従って、それらバルーン42と第四ルーメン18dとを省略しても良い。なお、バルーン42と第四ルーメン18dとを設ける場合には、それらの配設位置や個数が、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものでないことは、勿論である。
【0081】
また、第三ルーメン18cの前方側端部の内周面に、凸状湾曲面からなる案内面40を形成する一方、針部11を、真っ直ぐな形状と為しても、何等差し支えない。
【0082】
さらに、前記実施形態においては、針部11の開口端面41が、部11の突出孔22からの突出時における針状管体12の移動方向に向かって、針部11の突出方向に傾斜する傾斜面(図1において下向きの傾斜面)とされていた。しかし、その反対に、かかる開口端面41を、針部11の突出孔22からの突出時における針状管体12の移動方向とは反対方向に向かって、針部11の突出方向に傾斜する傾斜面(図1において上向きの傾斜面)と為しても良い。なお、前記実施形態の構成(開口端面41を、図1において下向きの傾斜面とする構成)によれば、針状管体12の移動に伴って、針部11が第三ルーメン18c内を移動せしめられる際に、針部11の接触によって、第三ルーメン18cの内周面が損傷したり破損するようなことが、効果的に防止され得ることとなる。
【0083】
前記実施形態では、本発明を、心筋の病巣部に対して薬液を注入する薬液注入カテーテルに適用したものの具体例を示した。しかしながら、本発明は、心筋以外の体内組織に薬液を注入する薬液注入カテーテルや、心筋の病巣部や心筋以外の体内組織に薬液を注入する、カテーテルの範疇に属さない薬液注入装置出装置の何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
【0084】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得る。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0085】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う薬液注入装置にあっては、穿刺されるべき体内組織の病巣部が比較的に硬いものであっても、針状管体の針部が、かかる病巣部における所定位置において、所望の深さ部位にまで確実に穿刺され得る。そして、その結果として、所定の薬液を病巣部に注入する治療や処置の効果を、より十分に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する薬液注入カテーテルの一例を概略的に示す正面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面拡大説明図である。
【図3】図1に示された薬液注入カテーテルのカテーテル本体内に挿入された針状管体と第一及び第二ガイドワイヤのそれぞれの中心軸の位置を示しつつ、薬液注入カテーテルの構造を模式的に表す説明図である。
【図4】図1に示された薬液注カテーテルを部分的に拡大して示す、一部切欠図を含む説明図である。
【図5】図1に示された薬液注入カテーテルを用いて、心筋の病巣部に所定の薬液を注入する操作状態の一例を示す説明図であって、第一ガイドワイヤと第二ガイドワイヤを、心筋の表面上の主血管内と分岐血管内とに挿入せしめた状態を示している。
【図6】図1に示された薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部に所定の薬液を注入する操作状態の別の例を示す説明図であって、針部を心筋に穿刺せしめた状態を示している。
【図7】本発明に従う構造を有する薬液注入カテーテルの別の例を示す図2に対応する図である。
【図8】本発明に従う構造を有する薬液注入カテーテルの更に別の例を示す図2に対応する図である。
【図9】本発明に従う構造を有する薬液注入カテーテルの他の例を示す図2に対応する図である。
【図10】本発明に従う構造を有する薬液注入カテーテルの更に他の例を示す図2に対応する図である。
【符号の説明】
10 カテーテル本体 11 針部
12 針状管体 14 第一ガイドワイヤ
16 第二ガイドワイヤ 18 ルーメン
20 先端開口部 22 突出孔
24 側孔 40 案内面
42 バルーン 48 心筋
50 主血管 52 分岐血管

Claims (10)

  1. 体内の主血管に挿入可能な管体からなり、該管体の側面に、外部に開口する突出孔が設けられてなる管状本体と、先端が針部とされた、可撓性を有する細管からなり、該管状本体の内部に、軸方向に移動可能に挿入されて、該針部が、該管状本体の前記突出孔から外部に突出せしめられ、内部に供給された所定の薬液を該針部から吐出する針状管体とを有し、該管状本体を体内に挿入位置せしめた状態下で、該針状管体の針部を該管状本体の側方の一方向に前記突出孔から突出せしめて、該体内の所定の組織に穿刺することにより、該針状管体を通じて、該薬液を該体内組織に注入し得るようにした薬液注入装置において、
    前記管状本体内に設けられ、該管状本体の前記主血管への挿入方向に対して前記突出孔よりも前方側に設けられた先端開口部を通じて外部に開口する第一ルーメンと、
    該第一ルーメン内に、その軸方向に移動可能に挿入され、前記先端開口部から延出する第一ガイドワイヤと、
    前記管状本体内に設けられ、該管状本体の前記主血管への挿入方向に対して前記突出孔よりも後方側に設けられ、且つ前記突出孔の開口方向と、前記先端開口部の開口方向の両方に対して直交する側孔を通じて外部に開口する第二ルーメンと、
    該第二ルーメン内に、その軸方向に移動可能に挿入され、前記主血管から分岐する分岐血管へ、前記側孔から延出する第二ガイドワイヤと、
    前記管状本体内に設けられ、前記突出孔を通じて外部に開口し、前記針状管体がその軸方向に移動可能に挿入される第三ルーメンと、
    前記管状本体に設けられ、該管状本体の前記主血管への挿入方向に対して前記側孔よりも前方側に設けられた、該管状本体の前記主血管内での位置を知るためのマーカと、
    を含み、更に
    前記管状本体は、前記先端開口部と前記側孔との間で且つ前記突出孔とは反対側の側面に、前記針部が前記突出孔から前記一方向に突出して前記所定の組織へ進入する際に、前記主血管の内壁に直接的に接触する側面部分を有するように構成されていることを特徴とする薬液注入装置。
  2. 前記第一ルーメンが、前記管状本体における体内への挿入方向後方側の端部において、かかる端部の管壁に設けられた挿入孔を通じて側方に開口せしめられて、前記第一ガイドワイヤが、該挿入孔から該第一ルーメン内に挿入される一方、前記第二ルーメンが、該管状本体の後方側の後端開口部を通じて該後方側に開口せしめられて、前記第二ガイドワイヤが、該後端開口部から該第二ルーメン内に挿入されている請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 前記第一ルーメンと前記第二ルーメンとが、それぞれの中心軸を含む平面を前記突出孔の開口方向に対して直交させるようにして、前記管状本体の内部に設けられている請求項1又は請求項2に記載の薬液注入装置。
  4. 前記第三ルーメンが、その中心軸と前記管状本体の中心軸とを含む平面上に、前記突出孔の中心が位置せしめられるようにして、前記管状本体の内部に設けられている請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の薬液注入装置。
  5. 前記第三ルーメンが、その中心軸を前記管状本体の中心軸と一致せしめるようにして、前記管状本体の内部に設けられる一方、前記第一ルーメンと前記第二ルーメンとが、該第三ルーメンを間に挟んだ両側において、それぞれの中心軸を、該第三ルーメンの中心軸と同一平面上に位置させようにして、該管状本体の内部に設けられている請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の薬液注入装置。
  6. 前記管状本体は、前記先端開口部と前記側孔との間の外部に対して、前記針部が突出する方向と同一の方向のみに拡張可能なバルーンが取り付けられると共に、該バルーンを拡張させる流体が流通せしめられる第四ルーメンが、その中心軸と該管状本体の中心軸とを含む平面上に、前記突出孔の中心が位置せしめられるようにして、該管状本体の内部に設けられている請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の薬液注入装置。
  7. 前記管状本体の内部に、前記針状管体の前記軸方向への移動に伴う、該針状管体の前記先端の針部の摺接によって、該針部を前記突出孔に案内する案内面が、該管状本体における前記体内への挿入方向前方側に向かって、該突出孔の開口方向に湾曲する凸状湾曲面形態を有して、形成されている請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の薬液注入装置。
  8. 前記針状管体の先端の針部が、前記管状本体の内部に形成された前記凸状湾曲面形態を有する案内面に対応した湾曲形状を有して構成され、該案内面の該凸状湾曲面形態と前記針状管体の先端の湾曲形状とが合成されることにより、該針状管体を、より湾曲させる方向に変形させるようにした請求項7に記載の薬液注入装置。
  9. 前記管状本体から前記主血管へ延出した前記第一ガイドワイヤと該管状本体から前記分岐血管へ延出した前記第二ガイドワイヤのそれぞれの延出方向ベクトルを含む面に対して実質的に直交する方向に、前記針状管体が、該管状本体より突出し、前記主血管の壁面を介して前記薬液を前記体内組織に注入し得るように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の薬液注入装置。
  10. 前記第一ガイドワイヤ及び前記第二ガイドワイヤは、それぞれ、心筋に位置する主血管及び分岐血管に挿入される請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載の薬液注入装置。
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