JP4266564B2 - 梱包材および被梱包物が梱包材にセットされた回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は梱包材に関するものであり、例えば混成集積回路装置を梱包する梱包材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6を参照して、従来の梱包材50について説明する。図6は、被梱包物として混成集積回路装置2を梱包する梱包材50を展開した状態を示す斜視図である。
【0003】
従来の梱包材50は、外部梱包材65と、内部梱包材60とから構成されていた。外部梱包材65は混成集積回路装置2の底部に当接して、全体を梱包する働きを有する。内部梱包材60は並列した複数個の混成集積回路装置2をカバーする働きを有する。
【0004】
内部梱包材60の側面には、当接部61が貼り付けられている。当接部61は混成集積回路装置2のケース材の肩部付近に当接して、輸送中の衝撃等により混成集積回路装置2が、梱包材50の内部で移動するのを防止する働きを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の梱包材50は、次のような問題を有していた。
【0006】
第1に、梱包材50は、内部梱包材の内壁に設けられた当接部61が混成集積回路装置の側面に当接することにより、混成集積回路装置の固定を行っていた。しかしながら、当接部61による混成集積回路装置の固定は不十分であった。従って、梱包材を輸送する段階に於いて、梱包材内部に於いて混成集積回路装置が移動して破損してしまう問題があった。このことから、破損した多数の混成集積回路装置が顧客から返品されてしまう問題があった。
【0007】
第2に、従来の梱包材は全体の剛性が低いため、特に梱包材の長手方向に対して横方向の衝撃により、内包される混成集積回路装置のリードが曲がってしまう問題があった。
【0008】
第3に、混成集積回路装置の側面の上部に当接する当接部61は、内部梱包材の内壁に貼り付けられているため、梱包材を製造する工程に於いて、この当接部61を貼り付ける工程が必要となる。このことから、梱包材のコストが上昇してしまう問題があった。
【0009】
本発明は、上記した問題を鑑みて成されたものである。本発明の主な目的は、低コストであり且つ内包される混成集積回路装置等の被梱包物の破損を防止することができる梱包材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の梱包材は、被梱包物よりも幅が広い第1の底面を備えた外部梱包材と、前記外部梱包材に内包される梱包材であり、第2の底面と、前記第2の底面から垂直に曲折された第1の側面と、前記第1の側面よりも外側に位置して前記第2の底面に対して垂直と成るように曲折された第2の側面と、前記第1の側面を切り欠いて設けられて前記被梱包物の両端部が固定される切欠きと、を有し、前記第1の側面と連続する部分の前記第2の底面の幅が前記被梱包物よりも狭く形成された内部梱包材と、中間部の幅が前記第2の底面と等しく形成されて前記被梱包物の上面および側面をカバーするスペーサーと、を備え、前記スペーサーの長手方向の両端部の幅を部分的に広くした凸部が前記切欠きに填め込まれることを特徴とする。
【0011】
本発明の梱包材は、被梱包物よりも幅が広い第1の底面を備えた外部梱包材と、前記外部梱包材に内包される梱包材であり、第2の底面と、前記第2の底面から垂直に曲折された第1の側面と、前記第1の側面よりも外側に位置して前記第2の底面に対して垂直と成るように曲折された第2の側面と、前記第1の側面を切り欠いて設けられて前記被梱包物の両端部が固定される切欠きと、を有し、前記第1の側面と連続する部分の前記第2の底面の幅が前記被梱包物よりも狭く形成された内部梱包材と、中間部の幅が前記第2の底面と等しく形成されて前記被梱包物の上面および側面をカバーするスペーサーと、を備え、並列した複数個の前記被梱包物が前記切欠きに固定されて前記内部梱包材に収納され、前記切欠きの前記被梱包物の厚さ方向の長さは、並列した複数個の前記被梱包物の厚さ方向の幅と前記スペーサーの厚さとを加算した長さに等しいことを特徴とする。
【0012】
本発明の梱包材は、被梱包物よりも幅が広い第1の底面を備えた外部梱包材と、前記外部梱包材に内包される梱包材であり、第2の底面と、前記第2の底面から垂直に曲折された第1の側面と、前記第1の側面よりも外側に位置して前記第2の底面に対して垂直と成るように曲折された第2の側面と、前記第1の側面を切り欠いて設けられて前記被梱包物の両端部が固定される切欠きと、を有し、前記第1の側面と連続する部分の前記第2の底面の幅が前記被梱包物よりも狭く形成された内部梱包材と、を備え、前記切欠きの上部に、前記第1の側面の一部を前記第2の側面側に水平に折り曲げた水平部を設けることを特徴とする。
【0013】
本発明の梱包材は、被梱包物よりも幅が広い第1の底面を備えた外部梱包材と、前記外部梱包材に内包される梱包材であり、第2の底面と、前記第2の底面から垂直に曲折された第1の側面と、前記第1の側面よりも外側に位置して前記第2の底面に対して垂直と成るように曲折された第2の側面と、前記第1の側面を切り欠いて設けられて前記被梱包物の両端部が固定される切欠きと、を有し、前記第1の側面と連続する部分の前記第2の底面の幅が前記被梱包物よりも狭く形成された内部梱包材と、を備え、前記第2の側面の垂直方向の長さを、前記第1の側面の垂直方向の長さよりも長く形成して、前記第2の側面の下端が前記第1の底面に当接することにより、前記第2の底面を前記第1の底面から離間させ、前記第2の底面の両端に、垂直に折り曲げられた垂直部を設けることを特徴とする。
【0014】
本発明の梱包材は、被梱包物よりも幅が広い第1の底面を備えた外部梱包材と、前記外部梱包材に内包される梱包材であり、第2の底面と、前記第2の底面から垂直に曲折された第1の側面と、前記第1の側面よりも外側に位置して前記第2の底面に対して垂直と成るように曲折された第2の側面と、前記第1の側面を切り欠いて設けられて前記被梱包物の両端部が固定される切欠きと、を有し、前記第1の側面と連続する部分の前記第2の底面の幅が前記被梱包物よりも狭く形成された内部梱包材と、を備え、前記被梱包物はリードが一側辺から導出する混成集積回路装置であり、前記外部梱包材の底面の短手方向から延在する側面部にフラップが設け、前記フラップを、前記内部梱包材に収納された前記混成集積回路装置に当接させることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明の梱包材1の全体的な構成を説明する。図1は、被梱包物として混成集積回路装置2を梱包する梱包材1の斜視図である。
【0022】
本発明の梱包材1は、外部梱包材20と、外部梱包材20に内包され且つ被梱包物として混成集積回路装置2を梱包する内部梱包材10と、梱包材1全体の剛性を向上させるスペーサー30とから構成されている。本発明では、被梱包物として混成集積回路装置2が採用され、複数個の並列された混成集積回路装置2がリードが導出される辺を上側にして梱包されている。このような構成要素を以下にて説明する。
【0023】
外部梱包材20は、その内部に内部梱包材10を収納させる役割を有し、1枚の段ボールを曲折させることにより形成されている。底部には、第1の底面21(図示せず)が設けられており、この第1の底面21の幅は、混成集積回路装置2の幅よりも大きく形成されている。即ち、第1の底面21の幅は、混成集積回路装置2の幅と第2の側面の幅を加算した程度の幅である。
【0024】
外部梱包材20の側面部である外部側面22には、フラップ24が設けられている。ここでは、このフラップ24は外部梱包材20と内部梱包材10との間に挿入される。また、フラップ24を第1の側面12と第2の側面13の間に挿入させることもできる。このことにより、フラップ24の先端部24Aが、両端の混成集積回路装置2の側面に当接する。このことにより、混成集積回路装置2をその厚さ方向に固定することができる。
【0025】
内部梱包材10は、外部梱包材に内包され、被梱包物として混成集積回路装置2を梱包する働きを有する。第2の底面15は、混成集積回路装置2の底部に当接する。そして、混成集積回路装置2が収納されない部分に於いては、第2の底面15の幅は、混成集積回路装置2の幅よりも小さく形成されている。更なる詳細は、図2を参照して説明する。
【0026】
スペーサー30は、混成集積回路装置2をカバーするように内部梱包材10に填め込まれることで、内部梱包材10の剛性を強化する働きを有する。従って梱包材1全体の剛性も強化される。特に、梱包材1の長手方向に対して横方向に外力が加わっても、このスペーサー30の働きにより、梱包材1は変形しない。従って、混成集積回路装置2のリード3が折れ曲がって破損してしまうのを防止することができる。また、スペーサー30の両端には、切欠き11の形状に対応する凸部31が設けられている。凸部31が切欠き11に填め込まれることで、スペーサー30は内部梱包材10に固定されている。
【0027】
図2を参照して、内部梱包材10の構造を詳細に説明する。図2は内部梱包材10が混成集積回路装置2を梱包する状態を指し示す断面図である。
【0028】
第1の側面12および第2の側面13は、第2の底面15より垂直方向に曲折して設けられている。第1の側面12および第2の側面13の垂直方向の高さは、混成集積回路装置2のリードを含めた高さよりも高く設定してある。従って、梱包される混成集積回路装置2を保護することができる。
【0029】
切欠き11は、第1の側面12を部分的に削除することにより設けられている。切欠き11の高さは、混成集積回路装置2のケース材の部分の高さと同等程度である。従って、混成集積回路装置2のケース材の部分が、切欠き11に入り込むことにより、混成集積回路装置2の両側が固定される。従って、混成集積回路装置2は、内部梱包材10に強固に固定されるので、混成集積回路装置2が梱包材の内部で移動して破損してしまうのを防止することができる。
【0030】
切欠き11の混成集積回路装置2の厚さ方向の長さは、並列した複数個の混成集積回路装置2の厚さ方向の長さと、切欠き11に填め込まれるスペーサー30の厚さを加算した長さと同等になっている。従って、混成集積回路装置2はその厚さ方向にも位置固定されているので、梱包材10の内部で移動しない。更に、切欠き11の幅は、内部梱包材10の長手方向の長さよりも小さくしてあり、内部梱包材10の両端部には、混成集積回路装置2が梱包されない空間が形成される。従って、この空間が緩衝領域となり、外力から混成集積回路装置2を保護することができる。
【0031】
第1の水平部14は、内部梱包材を形成する段ボールの、第1の側面12と第2の側面13との間に於いて、水平に延在している部分である。従って、梱包材の長手方向に対して横方向に外力が作用した際に、段ボールが局所的に変形するのを防止することができる。更には、梱包材全体の剛性を向上させることができる。
【0032】
第2の水平部16は、切欠き11の上部に対応する第1の側面を、第2の側面13側に水平方向に曲折させることにより、水平に延在する部分である。従って、梱包材の長手方向に対して横方向に外力が作用した際に、段ボールが局所的に変形するのを防止することができる。更には、梱包材全体の剛性を向上させることができる。また、第2の水平部16により、混成集積回路装置2の両側を切欠き11に填め込むための空間を確保することができる。
【0033】
第1の垂直部17は、第2の底面が第2の側面に延在する方向の両端から、垂直の下方向に延在している。第1の垂直部17の下辺は、第2の側面13の下辺と同一平面上にある。従って、第1の垂直部17の下辺は、外部梱包材の第1の底辺21に当接する。このように、第2の底面の両端に第1の垂直部17を設けることにより、被梱包物である混成集積回路装置2の重さによる、第2の底面15の下方向への変形を防止することができる。
【0034】
第2の底面15は、混成集積回路装置2が載置される領域の幅が、混成集積回路装置2は載置されない領域の幅よりも大きく形成されている。即ち、切欠き11が形成される箇所に対応する第2の底面15は、第2の側面に当接するまで延在している。従って、梱包材の長手方向に対して横方向に外力が作用した際に、段ボールが局所的に変形するのを防止することができる。更には、梱包材全体の剛性を向上させることができる。更にまた、混成集積回路装置2の両側を、切欠き11に填め込むための空間を確保することができる。
【0035】
第2の側面13の垂直方向の長さは、第1の側面12の垂直方向の長さよりも長く形成してある。従って、第2の側面13の下辺が、外部梱包材20の第1の底面21(図示せず)に当接し、第2の底面15と第1の底面21は離間することになる。このことから、第2の底面15と第1の底面21との間には、空間が形成されて緩衝領域となり、底部に加わる外力により混成集積回路装置2が破損してしまうのを防止することができる。
【0036】
次に、図3から図5を参照して、外部梱包材20、内部梱包材10およびスペーサー30の展開図を説明する。同図に於いて、点線は折り曲げる箇所を示している。また、折り曲げる箇所に於いては、必要に応じて、折り曲げを容易にするための切り込みが設けられても良い。
【0037】
図3を参照して、外部梱包材20を構成するダンボールの展開図を説明する。外部梱包材20は、同図に示すような形状を有する段ボールを曲折させることにより形成される。第1の底面21となる領域の横方向の幅は、梱包される混成集積回路装置よりも大きく形成されている。更に、第1の底面21の四方には、外部梱包材20の側面および上面となる、外部側面22および蓋部23が連続している。第1の底面21の短辺に連続する外部側面22には、外部梱包材20の内部に挿入されるフラップ24が設けられている。
【0038】
図4を参照して、内部梱包材10を構成するダンボールの展開図を説明する。内部梱包材10は、同図に示すような形状を有する段ボールを曲折させることにより形成される。第2の底面15となる領域の横方向の幅は、梱包される混成集積回路装置よりも小さく形成されている。更に、第2の底面15の両側には、第1の側面12、第1の水平部14および第2の側面13が延在している。
【0039】
第2の底面15の、被梱包物が載置される領域は、他の領域よりも横方向の幅が大きく形成されている。ここでは、上下の端部付近の第2の底面15の横方向の幅よりも、中間部付近の第2の底面15の横方向の幅が、大きく形成されている。従って、内部梱包材10を曲成すると、中間部付近の第2の底面15の横方向の端部が、第2の側面に当接する。
【0040】
第1の側面12は、点線10Aにて段ボールを垂直方向に曲折することにより形成される。更に、第1の側面12を、部分的に切除することにより切欠き11が設けられている。この切欠き部の形状の詳細に付いては上述したので、ここでは省略する。
【0041】
第2の水平部16は、点線10Bで第1の側面を、紙面に突き抜ける方向に折り曲げることにより形成される。また、第1の水平部14は、点線10Cおよび10Dをほぼ直角に折り曲げることにより形成される。
【0042】
第2の側面13は、横方向の長さが、第1の側面よりも長く形成されている。このことによる作用等は上述したので、ここでは省略する。
【0043】
図5を参照して、スペーサー30を構成するダンボールの展開図を説明する。スペーサー30は、同図に示すような形状を有する段ボールを曲折させることにより形成される。スペーサー30の横方向の幅は、内部梱包材10の第2の側面幅と同等である。そして、両端には、切欠き11の形状に対応した凸部31が設けられている。
【0044】
上記したように、梱包材1は、内部梱包材10、外部梱包材20およびスペーサー30の3つの部材を組み合わせることにより形成されている。そして、それぞれの部材は、1枚の段ボールを曲折させることにより形成されている。
【0045】
【発明の効果】
本発明では、以下に示すような効果を奏することができる。
【0046】
第1に、切欠き11に混成集積回路装置2の両側を固定させることができるので、梱包材の内部で混成集積回路装置2が移動して破損してしまうのを防止しすることができる。
【0047】
第2に、輸送中の外部衝撃により、内部梱包材10に複数の水平部を設けたので、梱包材全体の剛性を向上させることができる。更に、梱包材の長手方向に対して横方向の外力が、梱包材に加わった場合でも、被梱包材である混成集積回路装置2が破損してしまうのを防止することができる。
【0048】
第3に、本発明の梱包材は、数枚の段ボールを曲折させることにより、製造することができるので、従来のものと比較すると製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の梱包材の梱包状態を示す斜視図。
【図2】本発明の内部梱包材の梱包状態を示す斜視図。
【図3】外部梱包材20の展開図。
【図4】内部梱包材10の展開図。
【図5】スペーサー30の展開図。
【図6】従来の梱包材の梱包状態を示す斜視図。
Claims (5)
- 被梱包物よりも幅が広い第1の底面を備えた外部梱包材と、
前記外部梱包材に内包される梱包材であり、第2の底面と、前記第2の底面から垂直に曲折された第1の側面と、前記第1の側面よりも外側に位置して前記第2の底面に対して垂直と成るように曲折された第2の側面と、前記第1の側面を切り欠いて設けられて前記被梱包物の両端部が固定される切欠きと、を有し、前記第1の側面と連続する部分の前記第2の底面の幅が前記被梱包物よりも狭く形成された内部梱包材とを有する梱包材であり、
長手方向の中間部の幅が前記第2の底面と等しく形成されて前記被梱包物の上面および側面をカバーし、長手方向の両端部の幅を部分的に広くした凸部を有するスペーサーが前記切欠きに填め込まれることを特徴とする梱包材。 - 並列した複数個の前記被梱包物が前記切欠きに固定されて前記内部梱包材に収納され、前記切欠きの前記被梱包物の厚さ方向の長さは、並列した複数個の前記被梱包物の厚さ方向の幅と前記スペーサーの厚さとを加算した長さに等しい請求項1に記載の梱包材。
- 前記切欠きの上部に、前記第1の側面の一部を前記第2の側面側に水平に折り曲げた水平部を設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の梱包材。
- 前記第2の側面の垂直方向の長さを、前記第1の側面の垂直方向の長さよりも長く形成して、前記第2の側面の下端が前記第1の底面に当接することにより、前記第2の底面を前記第1の底面から離間させ、
前記第2の底面の両端に、垂直に折り曲げられた垂直部を設けることを特徴とする請求項3に記載の梱包材。 - 請求項1〜請求項4に記載の梱包材には、
前記被梱包物として、リードが上を向いて導出された混成集積回路装置が複数並列されて梱包されて成る被梱包物が梱包材にセットされた回路装置。
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