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JP4258044B2 - 無孔質ダイキャスト装置 - Google Patents

無孔質ダイキャスト装置 Download PDF

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JP4258044B2
JP4258044B2 JP30973298A JP30973298A JP4258044B2 JP 4258044 B2 JP4258044 B2 JP 4258044B2 JP 30973298 A JP30973298 A JP 30973298A JP 30973298 A JP30973298 A JP 30973298A JP 4258044 B2 JP4258044 B2 JP 4258044B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧機器,自動車などをはじめ、各種産業分野の部品製作に用いる無孔質ダイキャスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイキャスト装置は、固定金型と可動金型からなる精密な金型どうしを型締めすることによってキャビティを形成し、このキャビティ内に溶湯を充填して凝固することで、高精度で鋳肌のすぐれた鋳物を大量生産できる製造装置である。その製造プロセスは、基本的に次の4つからなっている。
(1)固定金型と可動金型を型締めし、注湯口から溶解した金属(以降、溶湯という)を注湯する。(2)スリーブ内でピストンを作動させることにより、溶湯を押し込みキャビティ内に充填する。(3)溶湯を凝固させる。(4)固定金型と可動金型を型開きし、可動金型に付着した鋳物を取り出す。
【0003】
これらのうち(2)、(3)は、鋳物の品質を決定づける最も重要なプロセスであるが、従来からピンホールや引け巣を生じるという問題があった。これに対して、金型減圧法、層流充填法、局部加圧法などの新たな手法を導入することで、上記した製品に発生するピンホールや引け巣の低減に成果を上げることができるようになってきている。例えば、金型減圧法はキャビテイ内を真空排気手段によって排気することで湯回りをよくしてガスの巻き込みによるピンホールや引け巣の防止を図り、層流充填法はピストンの作動によって低速で溶湯の充填を行い、湯口形状を工夫することで溶湯を層流状態としてガスの巻き込みによるピンホールや引け巣の防止を図り、さらに、キャビテイ内において溶湯が凝固する前にスクイズピンを押し込み、溶湯に庄力を加えることで、ピンホールや引け巣の防止を図る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スクイズピンによる溶湯に対する押圧力は略一定で、その大きさは、凝固を開始した溶湯のピンホールや引け巣をつぶすのに必要な大きさのものであるので、溶湯がキャビティ内を満たした直後にスクイズピンによる押圧を行うと、溶湯の注入圧力より大きな力が逆方向にかかり、溶湯をキャビディ外へ押し出すことになる。そこで、従来は、溶湯の注入経路であるランナ部が凝固するのを待って、スクイズピンによる押圧を行うが、ここまで待つと、キャビティ内の溶湯の凝固が開始してしまい、ピンホールや引け巣が発生することがあった。
【0005】
本発明の目的は、このような課題を解決して、ピンホールや引け巣の発生を抑制することができる無孔質ダイキャスト装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような問題解決のため、本発明の無孔質ダイキャスト装置においては、固定金型と可動金型とによって形成される金型と、金型内部を真空にする真空手段と、この金型内部を加圧する加圧手段とを備え、金型内部に溶湯を充填する際、前記加圧手段により加圧して溶湯を凝固する無孔質ダイキャスト装置において、前記金型内部に、冷却水路を備えたランナ部を経て溶湯が充填されると共に、前記加圧手段による圧力を制御する圧力制御手段を設け、前記加圧手段は、射出ピストンによる増圧後から、ランナ部の溶湯の凝固状態に応じて、溶湯が押し戻されない大きさで射出ピストンの増圧圧力から該圧力を増加させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1〜図5を用いて説明する。
図1は本発明の無孔質ダイキャスト装置の概略構成を示す。図1において、1は固定金型、laは固定金型のキャビティ、2は可動金型、2aは可動金型のキャビティ、3はランナ部、4はスリーブ、4aは注湯口、5はピストン、5aはプランジャチップ、6は強制冷却路、7は真空吸入路、8は強制冷却路の冷却水路、9は加圧装置、9aはシリンダ、9bはピストン、9cはスクイズピン、10はランナ部3の冷却水路、11は押し出しピンを設けたプレート、11aは可動金型内で進退するよう配置された押し出しピン、12はベース、13aは射出シリンダ、13bは増圧シリンダである。
【0008】
次に、本発明の無孔質ダイキャスト装置の構成を図1を用いて説明する。金型は固定金型1と可動金型2からなっており、これらを合わせることでキャビティ1a、2aを形成する。なお、可動金型2は、加圧装置9を取り付けたベース12に固定され、この可動金型2は図示を省略したベース駆動機構により、ベース12とともに固定金型1に密接させられたり、離されたりする。キヤビテイ1a、2aにはランナ部3を経て、スリーブ4が設けられており、このスリーブ4に設けた注湯口4aから溶湯を充填することができるようになっている。また、スリーブ4には進退可能なピストン5が嵌合してあり、注湯口4aから溶湯を注湯した後に、このピストン5を作動させプランジャチップを介して溶湯をキャビティ1a、2a内へ押し込めるようになっている。
【0009】
一方、両金型1、2の上部には、バルブ機能を発揮する強制冷却路6が一体に構成されている。この強制冷却路6については、キャビティ1a、2aと真空吸入路7との間に介在され、通常は通路を開通しておき、溶湯がキャビテイ1a、2aを満たして上がってきたら、溶湯を凝固させ通路を塞ぐことで溶湯が真空吸入路7へ侵入するのを有効に防止できるものであり、可動金型2の分割面に、図1に示すような迷路のような溝で形成されており、近傍の冷却水路8に冷却水を流すことにより、強制冷却路6内部の溶湯が冷却される。
【0010】
また、可動金型2側のベース12において、可動金型2分割面の反対方向にキャビティ1a,2a内部への加圧装置9を設ける。この加圧装置9は、図外の圧液注入器からシリンダ9aに圧液を注入することで、ピストン9bを介してベース12および可動金型2の挿通孔2cに挿入されたスクイズピン9cに加圧し、さらにこのスクイズピン9cがキャビテイ1a、2a内部に充填された溶湯を加圧する。
【0011】
さらに、予め、加圧装置9の制御量とスクイズピン9cを介した溶湯への加圧力との関係を取得しておくことで、キャビティ1a、2a内の溶湯に対する所望する大きさの加圧が可能となる。特に、図6に示したような時間経過に基づいて、キャビティ1a、2a内の溶湯を加圧することが、引け巣やピンホールの抑制に効果があることが、発明者によって確認されており、具体的には、射出ピストン増圧後から0.2秒までは、キャビティ1a、2a内に注入される溶湯の増圧圧力と同じ80MPaのスクイズ圧、射出ピストン増圧後0.2秒後から1.2秒後までは、ランナ部3が半凝固状態となるので、溶湯を押し戻さない大きさの150MPaのスクイズ圧、さらに射出ピストン増圧後1.2秒後から12秒後までは、ランナ部3が凝固するので300MPaのスクイズ圧とする。
【0012】
次に、本無孔質ダイキャスト装置の動作について説明する。まず、溶湯を注湯口4aから注入した後、真空吸入路7から図示省略した真空注入器を用いて、キャビティ1a、1b内部を排気しながら、射出シリンダ13aを作動させ、プランジャチップ5aを介して溶湯をランナ部3を通過させてキャビティ1a、2a内へ押し込む。やがてキャビティ1a、2a内へ溶湯が充填され、強制冷却部6内に進入した溶湯が凝固した直後、増圧シリンダ13bを作動させ、キャビティ1a、2a内の溶湯に対し80MPaの加圧を行う。これと同時に、ランナ部3の溶湯が半凝固状態となる0.2秒後までスクイズピン9cによる加圧を行う。圧力の大きさとしては、キャビティ1a、2a内から溶湯を押し戻さないよう、増圧シリンダ13bによる加圧力と同じ80MPaとなるようスクイズピン9cの加圧装置9を作動させる。
【0013】
次に、ランナ部3の溶湯が半凝固状態となる増圧開始から0.2秒後からは、スクイズピン9cによる加圧力を150MPaとし、さらに、ランナ部3の溶湯が凝固状態となる増圧開始から1.2後からは、スクイズピン9cによる加圧力を300MPaとして、キャビティ1a、2a内の溶湯に対して加圧する。
【0014】
このように、キャビティ1a、2a内へ注入された溶湯を押し戻さないよう、ランナ部3の溶湯の凝固状態に応じて、できるだけ大きな圧力でスクイズピン9cによる加圧を行うので、極めて効果的にキャビティ内に発生しようとする引け巣やピンホールを潰すことができ、高密度の鋳造品の製造が可能となる。
【0015】
キャビティ1a、1b内の溶湯が凝固した後、加圧装置9及び増圧シリンダによる加圧を停止し、ベース駆動機構を作動して可動金型を固定金型から離す。そして、押し出しピン11aを出来上がった鋳物に対して押し付けて可動金型から取り出す。
【0016】
特に本実施例のように、予め時間経過に伴う溶湯の凝固状態を確認しておくことで、キャビティ内の圧力状態を検知する必要なく、加圧装置9による加圧力を時間的に制御するだけでよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、スクイズピンによる加圧力を可変にし、キャビティ内の溶湯の凝固状態に合わせて加圧するので、引け巣やピンホールの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す断面図である。
【図2】溶湯の注入時を示す図である。
【図3】溶湯の注入直後のスクイズを示す図である。
【図4】ランナ部の溶湯の半凝固状態時のスクイズを示す図である。
【図5】最終時のスクイズを示す図である。
【図6】キャビティ内の加圧力の時間的経過を示す図である。
【符号の説明】
1 固定金型
2 可動金型
7 真空吸入路
9 加圧手段

Claims (1)

  1. 固定金型と可動金型とによって形成される金型と、金型内部を真空にする真空手段と、この金型内部を加圧する加圧手段とを備え、金型内部に溶湯を充填する際、前記加圧手段により加圧して溶湯を凝固する無孔質ダイキャスト装置において、前記金型内部に、冷却水路を備えたランナ部を経て溶湯が充填されると共に、前記加圧手段による圧力を制御する圧力制御手段を設け、前記加圧手段は、射出ピストンによる増圧後から、ランナ部の溶湯の凝固状態に応じて、溶湯が押し戻されない大きさで射出ピストンの増圧圧力から該圧力を増加させることを特徴とする無孔質ダイキャスト装置。
JP30973298A 1998-10-30 1998-10-30 無孔質ダイキャスト装置 Expired - Lifetime JP4258044B2 (ja)

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