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JP4256967B2 - 非接地電路の絶縁監視方法と絶縁監視装置 - Google Patents

非接地電路の絶縁監視方法と絶縁監視装置 Download PDF

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JP4256967B2
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至 羽生
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Testing Relating To Insulation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接地電路の絶縁状態を監視する非接地電路絶縁監視装置に関し、特に、病院の手術室および集中治療室等で使用される非接地式電路の絶縁監視に適した方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院の手術室や集中治療室等の電路は、地絡故障時の漏洩電流を極小に抑え患者を保護するため、あるいは、医師や看護婦が感電することによる二次災害を防止するため、非接地式の電路が用いられている。
【0003】
近年、手術室等では医療機器が多数設置され、配線距離が長くなる傾向にあり、長くなると配線の対地静電容量が増大し、また、多数の機器を設置することにより、機器の絶縁劣化の確率が増し、感電の危険性が増大している。
【0004】
そこで、病院の手術室や集中治療室等で使用される非接地式電路には絶縁監視・警報装置が用いられている。
【0005】
この警報装置は、非接地式電路のいずれかの一線を低インピーダンスの導体で大地に接続した場合に流れる地絡電流の値が2mAとなるような状態となったとき動作するようJISで規定されている。
【0006】
このような非接地式電路の絶縁監視装置としては、従来次の方式が用いられていた。
【0007】
(1)抵抗接地方式:電路に抵抗を接続し、中性点を作りその中性点を電流検出器を介して大地に接地し、一線地絡事故時に大地から中性点に流れる漏洩電流を検出する方式。
【0008】
(2)直流重畳方式:電路の一線と大地との間に直流電流検出器と直流電源を接続し、電路の絶縁抵抗の変化に伴って変化する直流電流を検出する方式。
【0009】
(3)低周波重畳方式:電路の一線と大地との間に低周波電流検出器と系統周波数より十分低い周波数の交流電源を接続し、電路の絶縁抵抗の変化に伴って変化する低周波電流を検出する方式。
【0010】
(4)線路順次切替監視方式:電流検出器の一端を大地に接続し、他端を半導体あるいは機械的な交互切り替えスイッチで電路の各線と大地の間に交互に挿入し、電路の絶縁抵抗の変化に伴って変化する電流を検出する方式。
【0011】
しかし、上記の(1)〜(4)の方式は夫々以下の課題があった。
【0012】
即ち、(1)の方式は、電路の絶縁抵抗が同時に低下した場合、あるいは対地静電容量が増加した場合に各線の大地に対する静電容量はほぼ同等に増加するため中性点と大地との間に電圧が発生せず、インピーダンスの低下を検出できない。
【0013】
(2)の方式は、検出信号が直流であるため電路の対地静電容量の増加に対してのインピーダンス低下を検出できない。
【0014】
また、各線ごとの絶縁抵抗値が検出できないため、片線が絶縁劣化したときの値と、両線ともに劣化した場合の検出値が同じとなり、両線の絶縁劣化の場合、所定値より早く検出してしまうことになる。
【0015】
また、(3)の方式も、低周波であるため電路の対地静電容量が増加した場合、系統周波数でのインピーダンスの値とは異なり、このままではインピーダンスの低下を正確に検出できない。
【0016】
また、各線ごとの絶縁抵抗値が検出できないため、片線が絶縁劣化したときの値と、両線ともに劣化した場合の検出値が同じとなり、両線の絶縁劣化の場合、所定値より早く検出してしまうことになる。
【0017】
また、(4)の方式は、一線および両線地絡とも検出でき対地静電容量の増加によるインピーダンス低下も検出できるが、急激な電路の対地電圧の変化を伴うためノイズが発生し、心電計等の医用機器に障害を与える。
【0018】
そこで、本願の出願人は上記の各方式の課題を解決すべく、種々実験調査の結果、系統周波数とわずかに異なる周波数重畳による線路順次切替監視方式を開発し、実用に供している(特公平1−16088)。
【0019】
この先提案の発明を従来技術として図4および図5によって説明する。図4はその説明図で、P1,P2は絶縁を監視する非接地電路、1は絶縁トランス、2は信号電源、3は電流検出器で、この信号電源2と電流検出器3は絶縁トランス1の中性点と大地(アース)E間に直列接続されている。4および5は電流路P1およびP2の対地間インピーダンスを示している。
【0020】
信号電源2は系統の周波数とわずか異なる周波数で、系統電路電圧の1/2の交流信号を出力する。系統の周波数が50Hz(又は60Hz)で電圧が100Vの場合は、この周波数とわずか異なる例えば、55Hzで50Vの交流信号を発生させる。
【0021】
そして、この55Hz,50Vの交流信号を絶縁トランス1の中性点と大地間に印加する。この交流信号の印加により電路P1と大地E間及び電路P2と大地E間には、それぞれ図5の(A)及び(B)に示すように、50Hzと55Hzとが合成されてうなり現象を発生し、合成電圧は、最大振幅100V、最小振幅0V,周期数5Hzで緩やかに増減を繰り返す。そして、電路P1と大地E間の電圧が最大のとき、電路P2と大地間の電圧は最小となり、電路P1と大地間の電圧が最小のとき、電路P2と大地間の電圧は最大となる。
【0022】
この電圧に比例した電流が、電路P1−対地インピーダンス4−大地E−電流検出器3−信号電源2−中性点の経路で、また電路P2側は、電路P2−対地インピーダンス5−大地E−電流検出器3−信号電源2−中性点の経路で流れる。
【0023】
この電流は電路P1,P2の絶縁抵抗の低下及び電路と対地間の静電容量の増加による対地インピーダンス4,5の低下に伴って増加するので、この電流を電流検出器3で検出することにより、絶縁状態を監視することができる。
【0024】
また、人体が電路P1,P2に触れると、人体を介して電流が流れるが、この電流か人体に危険が無い程度(2mA)に制限する必要があり、通常は信号電源2,電流検出器3と直列に電流制限器6を設けて制限している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上記の先提案の発明は、一線と大地との間の電圧が最大となったとき、他線と大地との間の電圧が最小となるので、電路の絶縁状態を一線ずつ順次電流検出器で監視することになり、二線の絶縁抵抗がバランスして低下した場合にも、電路の絶縁抵抗の劣化を検出することができる利点がある。
【0026】
また、緩やかに増減を繰返す交流電圧により絶縁監視を行うものであるから、電路と大地間の静電容量の増加に伴う対地インピーダンスの低下も検出できる利点がある。
【0027】
また、監視する電路の切替えを、従来例のように機械的、電気的なスイッチを用いて行うものではなく、一線と大地間の電圧が最大となった時、他線と大地間の電圧が最小となることを利用して行うものであるから、監視する電路の切替に際してノイズが発生することは全く無く、従って、精密な医療用測定器等に雑音障害を与えることが全くなくなる利点があり、好評裏に実用に供しているものである。
【0028】
しかしながら、近年、医療技術の高度化に伴い、医療機器分野にもコンピュータ制御が導入されて医療機器自体も高精度化が要求されるに至っている。
【0029】
例えば心電計では、心電波形の僅かな波形の変化を捉えるため急峻なデジタルフィルターを用いて系統周波数のハム雑音をできるだけ除去し、源波形に忠実な心電波形を得るよう処理されるようになってきている。その際、検出するための印加信号が系統周波数と僅かに異なり、また、印加信号の電圧が高いため急峻なフィルターでは逆に除去しきれずハム雑音として障害を与えるようになってきている。
【0030】
そこで本発明は、上記の先発明の利点を生かし、更に検出信号の電圧が低くとも絶縁の監視を可能とする絶縁監視方法および監視装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記の課題を解決するための手段は、非接地電路の中性点と大地間に、電路の周波数と異なる周波数の検出信号を発生する信号電源と高抵抗値の抵抗体から成る検出回路を形成し、この検出回路に流れる電流を電流検出手段で検出して、前記検出信号による電流から電路と大地間のインピーダンスを計測し、この計測したインピーダンスから電路の周波数によるインピーダンスに換算して、換算したインピーダンスによって各電路の絶縁を監視するようにする。
【0032】
このように、検出信号による電流から電路と大地間のインピーダンスを計測し、この計測したインピーダンスを用いて電路(系統)の周波数によるインピーダンスに換算して監視するようにすることにより、信号電源の電圧が低くとも、また信号電源の周波数に関係なく各電路の絶縁を監視することができる。
【0033】
また、検出回路に、高抵抗体を設けることにより、電流制限器が無くとも安全性が高められる。
【0034】
上記のように、高低抗体を介して検出信号を印加すると、検出レベルでの信号変化が取り出しにくくなるが、かかる場合は、電流検出手段に、信号電源と同じ周波数を発生する相殺用信号電源を備え,この相殺用信号電源によって電路の絶縁劣化が最悪の状態のときの検出信号と等しい相殺信号を発生させ、この相殺信号を検出信号とは逆位相として検出回路に印加して検出信号との差の信号から検出信号によるインピーダンスを計測するようにする。
【0035】
このようにすることにより、検出レベル付近の変化分を効率よく取り出すことができ、且つその検出信号の電圧を低くすることができ、医療機器に与える影響がより少なくなる。
【0036】
そして、電路の周波数に換算したインピーダンスと電路の電圧から、一線が導体で接地されたとき流れであろう電流値を算出し、該電流値があらかじめ設定した電流値を超えたとき警報信号を出力して警報を発するようにする。
【0037】
また、絶縁監視装置としては、非接地電路の中性点と大地間に、高抵抗体と電路の周波数と異なる周波数の検出信号を発生する信号電源とで形成した検出回路と、該検出回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段で検出した電流から検出信号の周波数と電路の周波数による電流を分別して取り出し、演算手段に入力する演算部入力手段と、該演算部入力手段から入力した信号で検出信号の周波数による電路と大地間のインピーダンスを算出し、この算出したインピーダンス電路の周波数のインピーダンスに換算する演算手段を備えて構成する。
【0038】
また、電流検出手段としては、検出回路の電流を検出する検出抵抗体に、信号電源の周波数と同じ周波数を発生する相殺用信号電源と抵抗から成る相殺回路を並列に設け、電路の絶縁劣化が最悪の状態のときの検出信号と等しい相殺信号を検出信号とは逆位相として印加し、検出信号との差の信号を検出するようにする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
図1は本発明の実施の形態の構成図を示す。同図において1はトランス、P1,P2は絶縁を監視する非接地電路、10は高抵抗値を有する高抵抗体、11は検出信号を発生する信号電源で、これら高抵抗体10と信号電源11とはトランス1の中性点と大地E間に直列接続され検出回路を形成している。
【0041】
12は電流検出手段で、検出回路に直列接続された検出用抵抗体12aと該検出用抵抗体12aに抵抗体12bと相殺用信号電源を直列接した相殺回路を並列接続して成り、相殺用信号電源12cは信号電源11と同じ周波数の相殺信号を発生し、検出信号とは逆位相になるよう接続されている。そして、電路の絶縁劣化が最悪の状態(0又は0近辺)のとき信号電源11によって検出用抵抗体12aの両端に検出される検出信号と等しい相殺信号を発生させる。
【0042】
20は演算部入力手段で、検出信号入力回路20Aと電路信号入力回路20Bを有し、各信号入力回路20Aおよび20Bは夫々フィルタ21Aおよび21B,増幅器22Aおよび22B,A/D変換回路23Aおよび23Bから成り、検出信号入力回路20Aで検出用抵抗体12aの両端から検出信号の周波数における信号をフィルタ21Aにより取り出してA/D変換し演算手段30に出力する。同様に電路信号入力回路20Bは電路の周波数の信号をフィルタ21Bにより取り出してA/D変換し、演算手段30に出力する。
【0043】
31は電路電圧信号入力回路で、トランス31a,電源回路31b,A/D変換回路31Cから成り電路P1,P2の電圧および周波数を検出して演算手段30に入力する。40は警報手段で演算手段30により警報出力信号が出されたとき、音又は光等により人間が速やかに感知させる手段をとる。
【0044】
51,52は電路P1およびP2と大地E間の対地インピーダンスを示している。
【0045】
検出信号を発生させる信号電源11の発生周波数は、電路の高調波の影響のない周波数を選定する。例えば、電路の周波数は一般に商用電源の周波数50Hz,(又は60Hz)であり、この商用電源に多く含まれる第三高調波は150Hz,(180Hz)であるから、これらの周波数に影響を与えない周波数、例えば166Hzを選定し、また電圧は医療機器等に影響を与えない程度に低い電圧、例えば12.5V程度とする。
【0046】
非接地電路の絶縁監視は、信号電源11で電路P1 と大地E間および2と大地E間に上記の設例により166Hz、12.5Vの検出信号を与え、このとき流れる電流を電流検出手段12で検出し、検出信号入力回路20Aによって検出信号166Hzにおける検出信号を演算手段30に送って、該演算手段30で電路と大地間の絶縁抵抗および対地静電容量を計測する。
【0047】
この計測は、高抵抗体10の抵抗をZ0,電路P1およびP2の各電路と大地間の166Hzにおけるインピーダンスを夫々 1 ´および 2 ´とすると、電路と大地間の総合インピーダンス 3 ´は、
3 ´=1/{(1/ 1 ´)+(1/ 2 ´)} ………(1)
となる。
【0048】
検出回路に流れる電流iを検出用抵抗体12aで検出する。
【0049】
信号電源11の電圧をV11とすると、
i=V11/( 3 ´+Z0) ………(2)
3 ´=(V11/i)−Z0 ………(3)
166Hzにおける総合インピーダンスを求めることができる。
【0050】
に、演算手段30は、電路の周波数(商用周波数)の信号を電路信号入力回路20Bを介して取り込む。この商用周波数信号は、中性点と大地間の零相電圧(V0)に相当し、この零相電圧と電路電圧信号入力回路31で計測した電路の線間電圧から各線路P1,P2と大地間電圧V1,V2を求め、前記の計測値を商用周波数のインピーダンスに換算し、この換算したインピーダンスを用いて各電路P1 と大地間及び2と大地間のインピーダンスを求める。そして、このインピーダンスと電路電圧から、一線が導体で接地されたとき流れるであろう電流を求め、あらかじめ設定した電流値を超えたとき警報信号を警報手段40に出力して警報を発する。
【0051】
このとき、検出回路の高抵抗体の抵抗値は、例えば1MΩ,信号電源の電圧が12.5Vとすると、信号電源11から検出信号を印加したとき、そのままでは検出用抵抗体12aから検出する信号の検出レベルでの信号変化が取り出しにくい。そのため、絶縁劣化が最悪の状態、例えば、零オームのときの検出信号と等しい信号を相殺用信号電源12cで発生させて逆位相として印加して相殺するようにすれば、図2示すように、相殺された差分の検出信号が得られ、検出レベル付近での変化分を効率良く取り出すことができる。
【0052】
次に、電路P1およびP2と大地間の商用周波数におけるインピーダンスの演算について説明する。
【0053】
図3は、商用周波数信号検出部分の等価回路で、次式により各電路P1およびP2のインピーダンスを求める。
【0054】
位意の点で流れ込む電流の総和はキルヒホッフの法則により零であるから、図3のG点に流れ込む電流をi0,i1,i2とすると、
0+i1+i2=0 ………(
またi0=V0/Z0,i1=V1/Z1,i2=V2/Z2
また1/Z0,1/Z1,1/Z2を夫々アドミツタンスY0,Y1,Y2に置き換えると電路と接地間の総合アドミッタンスY3は、Y3=Y1+Y2となる。
【0055】
ここでZ00は検出回路に挿入する高抵抗体で既知の値で従ってY0も既知となる。また、Y3は()式で求めたインピーダンス 3 ´から電路の商用周波数のインピーダンスに換算したインピーダンスの逆数であるからこの値も既知である。
【0056】
)式を書き換えると、
(V0・Y0)+(V1・Y1)+(V2・Y2)=0
1・Y1=−(V0・Y0+V2・Y2) ………(
2=Y3−Y1であるから()式は
1・Y1=−(V0・Y0+V2・Y3−V2・Y1
1・Y1−V2・Y1=−(V0・Y0+Y2・Y3
となり、Y1を求めると、
1=−(V0・Y0+V2・Y3)/(V1−V2
1=1/Y1
で一方の電路P1のインピーダンスが求められる。
【0057】
同様にして、他方の電路P2のインピーダンスが求められる。
【0058】
即ち、Y2=−(V0・Y0+V1・Y3)/(V2−V1
2=1/Y2
この演算を演算回路30で演算し、求められた各インピーダンスで電路電圧を除した電流値のどちらかがあらかじめ設定した設定レベル以上のとき警報手段40から警報を出す。
【0059】
なお、上記の説明では、信号電源の周波数を166Hzの例について説明したが、電路の周波数と異なる周波数であれば、いかなる周波数でも良い。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成しているので、次の効果を奏する。
【0061】
(1)医療機器に影を与えない低い電圧を検出信号として用いることができるので、医療機器の測定結果に影響を与えず、かつ商用周波数の高調波の影響の無い周波数を選定することができ、医療機器の電路の絶縁監視に適した装置が得られる。
【0062】
(2)非接地式電路と大地間を高抵抗(1MΩあるいはそれ以上)と検出信号源および電流検出器で接続し、電路と大地間の絶縁抵抗および対地静電容量の増加によるインピーダンスの低下を計測するため電流制限のための回路が不要となり、かつ安全性が高められる。
【0063】
(3)高抵抗を介して検出信号を印加しているため、そのままでは検出レベルでの信号変化が取り出しにくいが、絶縁劣化が悪化の状態、すなわち零オームのときの信号を検出回路内で逆位相で印加して相殺することで、検出レベル付近の変化分が効率良くとりだすことができ、その分印加信号電圧を低くすることができ医用機器に与える影響がより少なくなる。
【0064】
(4)検出信号を取り出すと同時に商用周波数の信号を取り出し、この零相電圧から各線と大地間の電圧(V1,V2)を求めるため、非接地電路に対し、他にインピーダンスを入する必要が無く、電路と大地間のインピーダンスを高く保つことができる。
【0065】
(5)各インピーダンスで電路電圧を除した電流値のどちらかが、所定のレベル以上であるとき警報出力を発するようにしたことにより、どちらかのラインの絶縁不良かを表示することが可能である。
【0066】
(6)抵抗分およびコンデンサ分に分離し計算しているため抵抗分で絶縁劣化している場合は、より危険度が高いと判断され高感度で警報を発することもできる。
【0067】
(7)単相二線で説明したが、単相三線でも上記方式で検出が可能である。
【0068】
また、三相三線でも演算が複雑になるのが検出は可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の構成図。
【図2】 発明の説明用ベクトル図。
【図3】 商用周波数信号検出部分の等価回路図。
【図4】 従来の非接地電路絶縁監視装置の説明図。
【図5】 検出信号の説明図。
【符号の説明】
10…高抵抗体
11…信号電源
12…電流検出手段
12a…検出用抵抗体
12c…相殺用信号電源
20…演算部入力手段
20A…検出信号入力回路
20B…電路信号入力回路
21A,21B…フィルタ
22A,22B…増幅器
23A,23B…A/D変換回路
30…演算手段
31…電路電圧信号入力回路
40…警報手段
51,52…対地間インピーダンス

Claims (2)

  1. 非接地電路の中性点と大地間に、電路の周波数と異なる周波数の検出信号を発生する信号電源と高抵抗値の抵抗体から成る検出回路を形成し、該検出回路の電流を検出する電流検出手段は、検出用抵抗体と信号電源と同じ周波数を発生する相殺用信号電源を備え、この相殺用信号電源によって電路の絶縁劣化が最悪の状態のときの検出信号と等しい相殺信号を発生させて該相殺信号を検出信号とは逆位相として検出用抵抗体に印加し、
    該電流検出手段で検出した検出信号からそれぞれフィルタで信号電源の周波数の電流と電路の周波数による電流を取り出して、この信号電源の周波数の電流と、電路の周波数による電流から得られる中性点と大地間の零相電圧と、電路の線間電圧から、信号電源の周波数による電流に基づく信号電源の周波数における電路と大地間のインピーダンスを計測し、この計測インピーダンスを電路の周波数によるインピーダンスに換算し、換算したインピーダンスと電路の電圧から電路の一線が導体で接地されたとき流れるであろう電流値を算出し、該電流値があらかじめ設定した電流値を超えたとき警報信号を出力することを特徴とする非接地電路の絶縁監視方法。
  2. 請求項1記載の非接地電路の絶縁監視方法を実施する装置であって、
    非接地電路の中性点と大地間に、高抵抗体と電路の周波数と異なる周波数の検出信号を発生する信号電源とで形成した検出回路と、
    該検出回路に流れる電流を検出する検出用抵抗体と、信号電源の周波数と同じ周波数を発生する相殺用信号電源と抵抗が直列に接続された相殺回路が並列に接続され、電路の絶縁劣化が最悪の状態のときの検出信号と等しい相殺信号を検出信号とは逆位相として検出用抵抗体に印加して検出信号との差の信号を検出する電流検出手段と、
    該電流検出手段で検出した電流からそれぞれフィルタにより信号電源の周波数による電流と電路の周波数による電流を分別して取り出し、演算手段に入力する演算部入力手段と、
    該演算部入力手段から入力した信号で検出信号の周波による電路と大地間のインピーダンスを算出し、この算出したインピーダンスを電路の周波数のインピーダンスに換算する演算手段を備えていることを特徴とする非接地電路の絶縁監視装置。
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