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JP4254224B2 - 電気脱イオン装置 - Google Patents

電気脱イオン装置 Download PDF

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JP4254224B2
JP4254224B2 JP2002363983A JP2002363983A JP4254224B2 JP 4254224 B2 JP4254224 B2 JP 4254224B2 JP 2002363983 A JP2002363983 A JP 2002363983A JP 2002363983 A JP2002363983 A JP 2002363983A JP 4254224 B2 JP4254224 B2 JP 4254224B2
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文夫 荒瀬
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気脱イオン装置及びそのためのセルフレームに係り、特に脱塩室等に水を均等に導入するように改良された電気脱イオン装置及びそのためのセルフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気脱イオン装置は、電極同士の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを交互に形成し、脱塩室にイオン交換体を充填した構成を有する。この電気脱イオン装置にあっては陽極、陰極間に電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入させると共に、濃縮室に濃縮水を流入させ被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を製造する。
【0003】
図5はこの電気脱イオン装置の基本的な構成を示す分解図である。
【0004】
陰極側のエンドプレート1に沿って陰極電極板2が配置され、この陰極電極板2の周縁部に枠状の陰極用スペーサ3が重ね合わされる。この陰極用スペーサ3の上にカチオン交換膜4、脱塩室形成用の枠状フレーム5、アニオン交換膜6及び濃縮室形成用の枠状フレーム7がこの順に重ね合わされる。このカチオン交換膜4、脱塩室形成用の枠状フレーム5、アニオン交換膜6及び濃縮室形成用の枠状フレーム7を1単位として多数重ね合わされる。即ち、膜4、フレーム5、膜6、フレーム7が連続して繰り返し積層される。最後のアニオン交換膜6に対し枠状の陽極用スペーサ8を介して陽極電極板9が重ね合わされ、その上に陽極側エンドプレート10が重ね合わされて積層体とされる。この積層体はボルト等によって締め付けられる。
【0005】
上記の脱塩室用フレーム5の内側スペースが脱塩室となっており、この脱塩室にはイオン交換樹脂等のイオン交換体5Rが充填される。濃縮室用フレーム7の内側が濃縮室となっている。この濃縮室にはメッシュスペーサなどが配置される。
【0006】
上述したような電気脱イオン装置において、陰極用スペーサ3、枠状フレーム7及び陽極用スペーサ8は、周縁部を構成する可撓性の枠体3a,7a,8aと、中央部のメッシュ体3b,7b,8bとからなる。
【0007】
このような陰極用スペーサ3等は、例えば枠体3aに応じた所定形状の開口部を有する熱可塑性エラストマーシート(ポリスチレンエラストマーシート)及びPETシートと、ポリエステルメッシュシートとを用いて以下のようにして製造することができる。
【0008】
即ち、熱プレス台上にPETシート、エラストマーシート、ポリエステルメッシュシート、PETシートを順次積層し、次いで、エラストマーシートの溶融温度以上、本例においては140〜160℃の温度で加熱しながら適当な圧力をかけることにより、エラストマーシートとポリエステルメッシュシートとを一体化するとともに、その両側にPETシートを配し、穴加工、トリミングなどの後処理を施すことにより陰極用スペーサ3とすることができる。
【0009】
この際、エラストマーシートの厚さは、ポリエステルメッシュシートの厚さ(線径)に応じて適当に設定すればよい。
【0010】
以上、陰極用スペーサ3の場合について説明してきたが、枠状フレーム7、陽極用スペーサ8についても同様の製法を適用できることは言うまでもない。
【0011】
なお、陰極用スペーサ3、枠状フレーム7(濃縮室)及び陽極用スペーサ8内は、イオン交換樹脂粒のみを充填したタイプであってもよい。
【0012】
このような装置にあっては、陽極9と陰極2の間に直流電流を通じ、且つ被処理水(原水)を被処理水流入ライン11を通して脱塩室内に通水せしめ、また、濃縮水を濃縮水流入ライン12を通して濃縮室内に通水せしめる。脱塩室内に流入してきた被処理水はイオン交換樹脂の充填層を流下し、その際、該被処理水中の不純物イオンが除かれて脱イオン水となり、これが脱イオン水流出ライン13を経て流出する。
【0013】
一方、濃縮室内に通水された濃縮水は濃縮室内を流下するときに、イオン交換膜4,6を介して移動してくる不純物イオンを受け取り、不純物イオンを濃縮した濃縮水として濃縮水流出ライン14より流出する。電極室にはそれぞれ導流ライン15,16及び取出ライン17,18を介して電極水が流通される。
【0014】
ところで、脱塩室内に上下方向に仕切り用リブを設け、脱塩室内を上下方向に長い小室に区画した電気脱イオン装置が特公平4−72567号公報に記載されている。このように脱塩室内をリブによって細長い小室に区画し、各小室にそれぞれイオン交換樹脂を充填した電気脱イオン装置にあっては、脱塩室の入口から出口に向って局部的に偏って水が流れるチャンネル化現象が防止されると共に、脱塩室内においてイオン交換樹脂が圧縮されたり移動したりすることが防止される。
【0015】
このような電気脱イオン装置にあっては、脱塩室を上下に細長い小室に区画するため、小室の数に制限がある。即ち、あまり多くの小室を形成することができない。また、リブによって水の左右方向への流れが阻止されるため、水とイオン交換樹脂との接触効率が悪い。さらに、小室の下部にあってはイオン交換樹脂が圧縮され、上部に隙間があき、イオン交換樹脂の充填率が低くなりがちであるという短所もある。
【0016】
そこで、本出願人は、このような種々の短所を克服し、水とイオン交換体との接触効率が高く、イオン交換体等の充填密度も高い改良された電気脱イオン装置を特開2001−25647号にて提案している。
【0017】
図6はこの特開2001−25647号に係る脱塩室の構成を示す分解斜視図、図7は区画部材の要部斜視図である。
【0018】
この脱塩室は、長方形状のセルフレーム20と、このセルフレーム20内に配置された好ましくは導電性を有した区画部材21と、区画部材21によって形成された小室22と、該小室22内に充填されたイオン交換体23と、セルフレーム20を挟むように対面配置されたアニオン交換膜24及びカチオン交換膜25とによって構成されている。なお、以下セルフレームを単にフレームということがある。
【0019】
フレーム20の上部には被処理水(原水)の導入用の通水孔26及び濃縮水(流入側)の通水孔27が穿孔され、下部には脱塩水の通水孔28及び濃縮水(排出側)の通水孔29が穿孔されている。この原水導入用通水孔26及び脱塩水の通水孔28は切欠状の水路26a,28aを介してそれぞれフレーム20の内側に連通している。
【0020】
区画部材21は六角形のハニカム形状のものであり、小室22は上下左右に多数配置されている。各小室22の1対の側辺がフレーム20の長手方向即ち上下方向となるように配置されている。
【0021】
この区画部材21は、水は通過させるがイオン交換体は通過させない材料、例えば織布、不織布、メッシュ、多孔質材などにより構成されている。
【0022】
この脱塩室を有した電気脱イオン装置に通水して脱塩運転を行う場合、脱塩室に流入した原水は、小室22を囲む区画部材21を通過して隣接する小室22に流れ込み、徐々に下方に流れ、この間に脱イオン処理を受ける。そして、遂には脱塩室の下部に達し、水路28aを介して脱塩水取出用の孔28に流入し、脱塩水として電気脱イオン装置外に取り出される。
【0023】
この脱塩室における平均的な水の流れ方向は、原水流入用の水路26aがフレーム20の上部に存在し、脱塩水取出用の水路28aがフレーム20の下部に存在するところから、上から下に向う鉛直方向となっている。この平均的な水の流れ方向に対し小室の上部及び下部が傾斜しているので、被処理水は1つの小室22から左及び右側の小室22へ斜めに分かれて流下するようになる。このため、被処理水が各小室22にほぼ均等に分散して流れるようになり、被処理水とイオン交換体との接触効率が良好なものとなる。
【0024】
この脱塩室にあっては、小室22が比較的小さく、イオン交換体の自重及び水圧によって各小室22内においてイオン交換体に対し加えられる下向きの圧力が小さい。従って、いずれの小室22内においてもイオン交換体が圧縮されることがなく、イオン交換体が小室内の下部において局部的に圧密化されることがない。
【0025】
【特許文献1】
特公平4−72567号
【特許文献2】
特開2001−25647号
【0026】
本発明は、上記図6の如き方形枠状のセルフレームと、該セルフレームを挟むように対面配置されたアニオン交換膜及びカチオン交換膜とによって囲まれた脱塩室等を有した電気脱イオン装置において、該脱塩室等に水がなるべく均等に分散導入される電気脱イオン装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の電気脱イオン装置は、電極同士の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを交互に形成し、脱塩室にイオン交換体を充填し、脱塩室に被処理水を通水し、濃縮室に濃縮水を通水するようにした電気脱イオン装置であって、該脱塩室及び濃縮室は、方形枠状のセルフレームと、該セルフレームを間に挟んで対面配置された前記カチオン交換膜及びアニオン交換膜とによって囲まれている電気脱イオン装置において脱塩室用のセルフレームの上辺の左右方向の中央に第1通水孔が穿孔されており、該上辺の左右方向の両端側に第2通水孔が穿孔されており、該第1通水孔は、該脱塩室用のセルフレームの表面に凹設された第1主溝及び複数の第1分岐溝を介して該脱塩室用のセルフレームの内側に連通しており、該第1主溝は、該第1通水孔から該内側に向って次第に広がる左右対称の台形状であり、該脱塩室用のセルフレームの下辺の左右方向の両端側に第3通水孔が穿孔されており、該下辺の左右方向の中央に第4通水孔が穿孔されており、これら1対の第3通水孔は、該脱塩室用のセルフレームの表面に凹設された1対の第2主溝及び複数の第2分岐溝を介して該脱塩室用のセルフレームの内側に連通しており、該1対の第2主溝は、該1対の第3通水孔から該内側に向って次第に幅広となる1対の逆台形状であり、該脱塩室用のセルフレームは、上下方向の中心線を対称軸として左右対称であり、該第1通水孔及び該第2通水孔と、該第4通水孔及び該3通水孔とは、該脱塩室用のセルフレームの左右方向の中心線を対称軸として上下対称であり、濃縮室用のセルフレームは、該脱塩室用のセルフレームを上下逆にしたものであり、該脱塩室用のセルフレームにおいて、該第1通水孔が被処理水の通水孔であり、該第2通水孔が濃縮水の流入側の通水孔であり、該第3通水孔が脱塩水の通水孔であり、該第4通水孔が濃縮水の排出側の通水孔であり、該濃縮室用のセルフレームにおいて、該第4通水孔が処理水の通水孔であり、該第3通水孔が濃縮水の流入側の通水孔であり、該第2通水孔が脱塩水の通水孔であり、該第1通水孔が濃縮水の排出側の通水孔であることを特徴とするものである。
【0032】
かかる本発明の電気脱イオン装置にあっては、流入部及び流出部が例えば左右対称状となるようにセルフレームに設けられており、脱塩室等に流入部から水が著しく均等に導入されるようになり、また脱塩室等から水が流出部へ著しく均等に流出するようになる。このため、脱塩室内等を水が偏って流れることが解消され、水とイオン交換体との接触効率が向上し、脱イオン効率が向上する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る脱塩室形成用のセルフレームの正面図、図2(a),(b)は図1のIIa−IIa線、IIb−IIb線に沿う断面図である。
【0039】
この脱塩室は、長方形状のフレーム30と、このフレーム30内に上下方向に配置された区画部材31と、区画部材31によって形成された小室32と、該小室32内に充填されたイオン交換体(図示略)と、フレーム30を挟むように配置されたアニオン交換膜34及びカチオン交換膜35とによって構成されている。区画部材31は導電性を有していても良い。
【0040】
膜34,35は市販のイオン交換膜を用いることができ、均一膜でも不均一膜でも良い。
【0041】
フレーム30の上部には被処理水(原水)の導入用の通水孔36及び濃縮水(流入側)の通水孔37が穿孔され、下部には脱塩水の通水孔38及び濃縮水(排出側)の通水孔39が穿孔されている。この原水導入用通水孔36及び脱塩水の通水孔38は水路形成用の溝40,41及び溝42,43を介してそれぞれフレーム30の内側(脱塩室)に連通している。
【0042】
この実施の形態では、原水の通水孔36は長方形状のセルフレーム30の上辺(短辺)の延在方向(左右方向)の中央に位置し、濃縮水の通水孔37は該上辺の延在方向の両端側に位置している。
【0043】
主溝40及び分岐溝41は、いずれもセルフレーム30の表面(板面)から凹設された構造である。
【0044】
この主溝40は、通水孔36からセルフレーム30の内側たる脱塩室に向って次第に広がる左右対称の等脚の台形状である。
【0045】
分岐溝41は、この主溝40と脱塩室内とを連通するように上下方向に延在している。この分岐溝41は、流路幅が小さい小溝であるが、セルフレーム30の横幅方向に所定間隔をおいて多数設けられている。
【0046】
この実施の形態では、この分岐溝41の流路断面積の総和をmとし、脱塩室の水平断面積をMとした場合、m/M×100%が8〜15%となっている。
【0047】
セルフレーム30の下部にあっては、下辺の延在方向の中央に前記濃縮水の通水孔39が配置され、該下辺延在方向の両端側にそれぞれ脱塩水の通水孔38,38が配置されている。
【0048】
脱塩室とこの脱塩水通水孔38,38とは、分岐溝42と主溝43,43とを介して連通している。分岐溝42は、前記分岐溝41と同じ構成のものである。主溝43,43は、脱塩室から通水孔38に向って次第に幅狭となる逆台形状のものである。
【0049】
主溝43,43は左右対称となるように2個設けられている。
【0050】
これらの分岐溝42及び主溝43は、セルフレーム30に対し前記溝40,41と同じ側の面に凹設されている。
【0051】
図1から明かな通り、このセルフレーム30は上下方向の中心線を対称軸として左右対称である。
【0052】
セルフレーム30は、好ましくは、厚さが2.5〜15mm特に4〜10mmである。
【0053】
区画部材31はフレーム30に嵌め込まれてもよい。また、フレーム30の片面側に透水性シート又はメッシュを張設し、これに区画部材を接着してもよい。
【0054】
図示は省略するが、濃縮室のセルフレームについても同様に左右対称形状とする。この濃縮室用のセルフレームとしては、図1,2に示す脱塩室用セルフレーム30を上下逆にしたものが用いられる。
【0055】
この脱塩室と濃縮室とを前記図5と同様に積層し、図5と同様に両エンドに陽極電極板を有した陽極室と陰極電極板を有した陰極室を形成することにより、電気脱イオン装置が構成される。
【0056】
この電気脱イオン装置に通水して脱塩運転を行う場合、原水は通水孔36,主溝40,分岐溝41から脱塩室(各小室32)内に導入され、各小室32内を流れ下り、この間に脱塩処理を受ける。脱塩水は、分岐溝42、主溝43から通水孔38,38を介して取り出される。
【0057】
濃縮水は、通水孔37から同様に主溝、分岐溝、濃縮室50(図2参照)を流れ下り、分岐溝から主溝を介して通水孔39に流れ込み、装置外に取り出される。
【0058】
この実施の形態では、上記の通り、セルフレーム30が左右対称状となっており、原水は通水孔36から主溝40及び分岐溝41を介して脱塩室内に均等に導入される。この分岐溝41は、その流路断面積の総和が適切であり、主溝40から脱塩室に流れ込もうとする原水に適度の圧損を与え、主溝40から脱塩室(各小室32)に原水が均等に分配される。そのため、原水と各小室32内のイオン交換体との接触効率が良く、電気脱イオン装置の脱塩効率が良好である。
【0059】
特に、この実施の形態では、脱塩室の下部の流出部にも分岐溝42と主溝43とを設け、且つ主溝43,43を左右対称状に設けているので、各小室32から脱塩水38への脱塩水の取出も均等化され、各小室32内の水の流れが一層均等なものとなり、電気脱イオン装置の脱塩効率が良好となる。濃縮室についても、同様の分岐溝及び主溝構造とすることにより、濃縮水の流れを均等化できる。なお、濃縮水の流れを均等化することにより、スケールの発生を抑制ないし防止することができる。
【0060】
本発明では、区画部材31は省略されてもよい。また、区画部材31の代わりに前記図6,7に示した区画部材21を用いてもよい。図4(a)はこの区画部材21を用いたセルフレーム30の正面図である。なお、図4(a)では、脱塩室の中央に上下方向に1条だけ区画部材31を設けている。図4(a)のその他の構成は図1と同一である。
【0061】
本発明では、脱塩室に導入される原水の流速、例えば分岐溝41から脱塩室への原水の噴出速度(線速度)を10〜25cm/secとすることが好ましい。即ち、種々の研究の結果、この線速度をこの範囲とすると、各小室32内で粒状のイオン交換樹脂がほぼ均一に流動し、原水との接触効率が向上し、処理水水質が向上することが認められた。
【0062】
本発明では、脱塩室に充填するイオン交換体は、通常イオン交換樹脂が使用されるが、イオン交換繊維やイオン交換不織布でもよく、イオン交換樹脂とイオン交換繊維の混合物でもよい。導電性の樹脂のようなイオン伝導体であってもよい。
【0063】
イオン交換体は、アニオン交換体、カチオン交換体、これらを混合した混合体であってもよく、また両性イオン交換体でもよい。
【0064】
脱塩室内イオン交換体の再生比率が高いほど処理水水質が高いことから、イオン交換体の再生に寄与する水の水素イオンと水酸イオンへのスプリット量を増加させることが好ましい。そのためには、水を水素イオンと水酸イオンに同時にスプリットする機能を有する両性イオン交換体を5〜30%程度混合するのが好ましい。
【0065】
濃縮室は、0.3〜1mmの厚さを有し、その中に約20〜60メッシュのスペーサが配置されてもよい。
【0066】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0067】
実施例1,比較例1
図1に示す如く、脱塩室に左右対称形状のセルフレーム30を用いた本発明のセルフレーム(実施例1)と、図3の通り左右非対称のセルフレーム30A(比較例1)を用いて通水状況の観察を行った。
【0068】
セルフレームの厚みは5mm、脱塩室(小室32)の高さは500mm、小室の幅は30mmである。この実験は、通水状況の観察を行うものであるので、イオン交換樹脂の代りに、擬似イオン交換樹脂として、φ500μmのガラス粒子を充填し、セルの両側を透明アクリル板で挟んで流動状態が観察できるようにした。そして、通水液に染色剤を注入して各樹脂層の分散具合を観察した。尚、この時の分岐溝の開口率は共に10%となるようにし、流量を変化させながら、ガラス粒子の分散状態を観察した。
【0069】
実施例1と比較例1の差異を数値化するために各樹脂層で染色液が通過した時間で最も早い樹脂層の通過時間をTとし、最も遅い樹脂層の通過時間をTとして、その比(T/T)を均一分散の指標とした。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 0004254224
【0071】
表1の通り、実施例1は比較例1よりも水が均等に分散される。
【0072】
実施例2,比較例2
区画部材を図4(a)のハニカム状としたこと以外は実施例1、比較例1と同じ構造のセルフレームを実施例2、比較例2とした。図4(b)はこの比較例2のセルフレームの正面図である。
【0073】
これらのセルフレームを用いて実施例1、比較例1と同じ実験を行い、T/Tを測定した。結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 0004254224
【0075】
表2より、比較例2よりも実施例2の方が樹脂層内で均等に分散されていることが分った。また、表1と表2との対比から、ハニカムを充填した実施例2及び比較例2とも実施例1、比較例1よりも均等に水が分散することが観察された。
【0076】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の電気脱イオン装置及びセルフレームによると、脱塩室等における水の流れが均等化され、効率良く脱塩を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るセルフレームの正面図である。
【図2】実施の形態に係るセルフレームの断面図である。
【図3】比較例1のセルフレームの正面図である。
【図4】実施例2及び比較例2のセルフレームの正面図である。
【図5】従来の電気脱イオン装置の分解図である。
【図6】公知のセルフレームの斜視図である。
【図7】図6のセルフレームの区画部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 エンドプレート
2 陰極電極板
3 陰極用スペーサ
4 カチオン交換膜
5 枠状フレーム
6 アニオン交換膜
7 枠状フレーム
8 陽極用スペーサ
9 陽極電極板
10 陽極側エンドプレート
20,30 フレーム
21,31 区画部材
22,32 小室
23 イオン交換体
24 アニオン交換膜
25 カチオン交換膜
26,27,28,29,36,37,38,39 通水孔
26a,28a 水路
40,43 主溝
41,42 分岐溝

Claims (4)

  1. 電極同士の間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とを配列して脱塩室と濃縮室とを交互に形成し、脱塩室にイオン交換体を充填し、脱塩室に被処理水を通水し、濃縮室に濃縮水を通水するようにした電気脱イオン装置であって、
    該脱塩室及び濃縮室は、方形枠状のセルフレームと、該セルフレームを間に挟んで対面配置された前記カチオン交換膜及びアニオン交換膜とによって囲まれている電気脱イオン装置において
    脱塩室用のセルフレームの上辺の左右方向の中央に第1通水孔が穿孔されており、該上辺の左右方向の両端側に第2通水孔が穿孔されており、
    該第1通水孔は、該脱塩室用のセルフレームの表面に凹設された第1主溝及び複数の第1分岐溝を介して該脱塩室用のセルフレームの内側に連通しており、
    該第1主溝は、該第1通水孔から該内側に向って次第に広がる左右対称の台形状であり、
    該脱塩室用のセルフレームの下辺の左右方向の両端側に第3通水孔が穿孔されており、該下辺の左右方向の中央に第4通水孔が穿孔されており、
    これら1対の第3通水孔は、該脱塩室用のセルフレームの表面に凹設された1対の第2主溝及び複数の第2分岐溝を介して該脱塩室用のセルフレームの内側に連通しており、
    該1対の第2主溝は、該1対の第3通水孔から該内側に向って次第に幅広となる1対の逆台形状であり、
    該脱塩室用のセルフレームは、上下方向の中心線を対称軸として左右対称であり、
    該第1通水孔及び該第2通水孔と、該第4通水孔及び該3通水孔とは、該脱塩室用のセルフレームの左右方向の中心線を対称軸として上下対称であり、
    濃縮室用のセルフレームは、該脱塩室用のセルフレームを上下逆にしたものであり、
    該脱塩室用のセルフレームにおいて、該第1通水孔が被処理水の通水孔であり、該第2通水孔が濃縮水の流入側の通水孔であり、該第3通水孔が脱塩水の通水孔であり、該第4通水孔が濃縮水の排出側の通水孔であり、
    該濃縮室用のセルフレームにおいて、該第4通水孔が処理水の通水孔であり、該第3通水孔が濃縮水の流入側の通水孔であり、該第2通水孔が脱塩水の通水孔であり、該第1通水孔が濃縮水の排出側の通水孔であることを特徴とする電気脱イオン装置。
  2. 請求項において、該第1分岐溝の流路断面積の総和mと、該脱塩室の水平断面積Mとの比m/Mの百分率が8〜15%であることを特徴とする電気脱イオン装置。
  3. 請求項1又は2において、該脱塩室用のセルフレームの内側に上下方向に配置された区画部材と、該区画部材によって形成された複数の小室と、該小室内に配置されたイオン交換体とを有することを特徴とする電気脱イオン装置。
  4. 請求項1又は2において、該脱塩室用のセルフレームの内側に配置された六角形のハニカム形状の区画部材と、該区画部材によって形成された複数の小室と、該小室内に配置されたイオン交換体とを有することを特徴とする電気脱イオン装置。
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