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JP4249161B2 - 抵抗体入りスパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関に使用されるスパークプラグに関し、特に電波ノイズ発生防止用の抵抗体を組み込んだスパークプラグに関する。
従来、上述のようなスパークプラグとして、絶縁体の軸方向に形成された貫通孔に対し、その一方の端部側から端子金具を挿入・固定し、同じく他方の端部側から中心電極を挿入・固定するとともに、該貫通孔内において端子金具と中心電極との間に抵抗体を配置する構造のものが知られている。この抵抗体は、例えば特開昭61−104580号公報、特開昭61−253786号公報あるいは特開平2−126584号公報に開示されているように、ガラス粉末及び/又は絶縁性セラミック粉末に無定形カーボン(例えばカーボンブラック)を混合した後ホットプレス等により焼結したものが使用されている。
ここで、近年では、自動車エンジン等の内燃機関はますます高出力化する傾向にあり、着火性向上のために電源能力も上昇する方向にある。また、内燃機関の小型化に伴い、抵抗体入りスパークプラグも小型で高性能のものが要求されている。そして、このような抵抗体入りスパークプラグ、特に抵抗体の直径が小さい小型のスパークプラグに高負荷が作用すると、抵抗体に導電性を付与しているカーボンが焼損して抵抗値が増大し、安定した負荷寿命特性が得られない問題がある。
本発明の課題は、高負荷が作用した場合でも安定した負荷寿命特性が得られる抵抗体入りスパークプラグを提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用・効果
本発明の抵抗体入りスパークプラグは、その要部が下記の共通の構造を有する。すなわち、絶縁体の軸方向に形成された貫通孔に対し、その一方の端部側に端子金具が固定され、同じく他方の端部側に中心電極が固定されるとともに、該貫通孔内において端子金具と中心電極との間に、主に導電性材料と、ガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子とからなる抵抗体組成物で構成された抵抗体が配置される
そして、抵抗体を構成する抵抗体組成物が、主にガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、平均粒径が20nm〜80nmであって日本工業規格K6221、6.1.2のA法に規定された100gのカーボンブラックが吸油するDBP(ジブチルフタレート)の量が60〜120mlのカーボンブラック粒子とからなる原料粉末を用いて製造されることを特徴とする。
カーボンブラックは、抵抗体中の他の原料粉末(ガラス、セラミック)粒子の間に介在するとともに、カーボンブラックの一次粒子が1次元的に連接して連鎖構造(ストラクチャー)を形成し、さらにそのストラクチャーが二次元的に結合して、抵抗体の導電ネットワークを形成する。
ここで、カーボンブラックは、抵抗体の原料粉末を水系溶媒を用いた湿式混合により調製する場合、比重が大きい水との濡れ性が低い等の要因により分散性が悪く、特に粒径が小さい場合やストラクチャーが長い場合には、その均一な分布が困難になる。その結果、カーボンブラックが抵抗体組成物中に偏在し、この抵抗体組成物を使用してガラスシールを行うと、得られる抵抗体の抵抗値がばらつくとともに、導電経路が局所的になることによって電流密度が集中し、スパークプラグの負荷寿命特性が不安定になる問題がある。他方、カーボンブラックの粒径が大きくなり過ぎた場合や、ストラクチャーが短い場合には導電性が低下するため、カーボンブラックの配合量を増加する必要がある。しかしながら、カーボンブラックは、ガラスやセラミックなどの他の原料粉末と比べればはるかに粒径が小さいため、配合量が増大し過ぎると原料粉末の嵩密度が増大し、粉末粒の橋かけ等も生じやすくなるので圧縮性が損なわれることとなる。その結果、得られる抵抗体の密度が上がらず空隙等の欠陥量も増大して、スパークプラグの負荷寿命特性が不安定になる問題がある。
本発明者らは、この観点に鑑みて鋭意検討した結果、使用するカーボンブラックの平均粒径を20nm〜80nmとすることで、得られる抵抗体の抵抗値のばらつきが少なく、またこれを用いたスパークプラグの負荷寿命特性の安定化を図ることができることを見い出したのである。
カーボンブラックの平均粒径を20〜80nmに限定したのは次のような理由による。まず、平均粒径を20nm以上とすることで、カーボンブラックの抵抗体組成物中への分布を均一化することができ、抵抗体の抵抗値のばらつきが抑制されるとともに、電流経路が分散するので電流密度の集中が起き難くくなる。他方、平均粒径を80nm以下とすることで、カーボンブラックの配合量を少なくしても良好な導電性を得ることができる。その結果、ガラス粉末やセラミック粉末など、他の原料粉末と比較すれば微細なカーボンブラックの使用量を削減でき、抵抗体組成物の原料粉末の嵩密度を高めることができるので、最終的に得られる抵抗体の密度が向上し、ひいては欠陥が少なく負荷寿命の安定した抵抗体を得ることができる。なお、カーボンブラックの平均粒径は、望ましくは30〜50nmとするのがよい。
この場合、カーボンブラック粉末は、日本工業規格K6221、6.1.2のA法に規定された、100gのカーボンブラックが吸収するDBP(ジブチルフタレート)の量が60〜120mlのものを使用するのがよい。このDBPの吸収量は、カーボンブラック粉末中のストラクチャー長さが大きくなるほど大きくなるので、これを該ストラクチャー長さを反映した指標として用いることができる(以下、本明細書では、このように測定したDBPの吸収量のことを「ストラクチャー長さ」という)。
そして、カーボンブラックのストラクチャーの長さを120ml/100g以下とすることで、該ストラクチャーを抵抗体中に均一に分布させることができ、電流経路が分散して電流密度の集中が起き難くなる。他方、ストラクチャー長さを60ml/100g以下とすることで、少ないカーボンブラックの配合量で良好な導電性が得られるようになり、カーボンブラックの使用量が削減されて抵抗体組成物の原料粉末の嵩密度が高められる。これにより、最終的に得られる抵抗体の密度が向上し、欠陥が少なく負荷寿命の安定した抵抗体を得ることができる。なお、該ストラクチャー長さは、望ましくは80〜100ml/100gとするのがよい。
この場合、抵抗体組成物の原料粉末は、20〜90重量%のガラス粉末と、20〜50重量%のセラミック粉末と、5〜30重量%のカーボンブラック粉末と、0.05〜5重量%の有機バインダーとを含有するものを使用するのがよい。ガラス粉末の配合量が20重量%未満になると、良好なシール性を確保することができなくなる場合がある。他方、これが90重量%を超えると負荷寿命特性が不十分となる場合がある。ガラス粉末の配合量は、望ましくは70〜80重量%とするのがよい。一方、セラミック粉末が20重量%未満であったり、カーボンブラック粉末が5重量%未満であると、導電経路が細くなり過ぎて負荷寿命の低下を招く場合がある。また、セラミック粉末が50重量%を超えるか、カーボンブラックが30重量%を超えると、電波ノイズ防止効果が低下する。なお、望ましくは、セラミック粉末は20〜30重量%、カーボンブラックは5〜10重量%とするのがよい。
なお、上記本発明の各抵抗体組成物においては、20℃における電気比抵抗の値は50〜2000Ω・cmの範囲で調整するのがよい。該電気比抵抗の値が50Ω・cm未満になると、ノイズ防止性能が不十分となる場合がある。また、2000Ω・cmを超えると負荷寿命特性が不十分となる場合がある。該電気比抵抗の値は、より望ましくは100〜1200Ω・cmの範囲で調整するのがよい。
発明の実施の形態
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1及び図2に示す本発明の一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上記発火部31に対向する発火部32が形成されており、それら発火部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。なお、1eは、主体金具1をエンジンブロックに取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる工具係合部であり、六角状の軸断面形状を有している。なお、ねじ部7の外径は、10〜18mm(例えば10mm、12mm、14mm、18mm)である。
絶縁体2は、内部に自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有するとともに、例えばアルミナを主体とし、かつAl成分を、Al2O3に換算した重量にて85〜98重量%(望ましくは90〜98重量%)含有するアルミナ系セラミック焼結体として構成される。
次に、絶縁体2の軸方向には貫通孔6が形成されており、その一方の端部側から端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側から中心電極3が挿入・固定されている。端子金具13は低炭素鋼等で構成され、表面には防食のためのNiメッキ層(層厚、例えば5μm)が形成されている。そして、該端子金具13は、シール部13cと、絶縁体2の後端縁より突出する端子部13aと、端子部13aとシール部13cとを接続する棒状部13bとを有する。なお、シール部13cはその外周面をねじ状又はローレット状に加工され、導電性ガラスシール層17によって貫通孔6の内面との間をシールされる。
また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極2との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。抵抗体15は、既に詳細に説明した本発明の抵抗体組成物により構成されている。また、導電性ガラスシール層16,17は、Cu、Sn、Fe等の金属成分の1種又は2種以上を主体とする金属粉末を混合したガラスにより構成される。なお、該導電性ガラスシール層には、必要に応じてTiO等の半導体性の無機化合物粉末を適量配合することができる。
図1に示すように、絶縁体2の軸方向中間には、周方向外向きに突出する突出部2eが例えばフランジ状に形成されている。そして、絶縁体2には、中心電極3(図1)の先端に向かう側を前方側として、該突出部2eよりも後方側がこれよりも細径に形成された本体部2bとされている。一方、突出部2eの前方側にはこれよりも細径の第一軸部2gと、その第一軸部2gよりもさらに細径の第二軸部2iがこの順序で形成されている。なお、本体部2bの外周面後端部にはコルゲーション部2cが形成されている。また、第一軸部2gの外周面は略円筒状とされ、第二軸部2iの外周面は先端に向かうほど縮径する略円錐面状とされている。
他方、中心電極3の軸断面径は抵抗体15の軸断面径よりも小さく設定されている。そして、絶縁体2の貫通孔6は、中心電極3を挿通させる略円筒状の第一部分6aと、その第一部分6aの後方側(図面上方側)においてこれよりも大径に形成される略円筒状の第二部分6bとを有する。図1に示すように、端子金具13と抵抗体15とは第二部分6b内に収容され、中心電極3は第一部分6a内に挿通される。中心電極3の後端部には、その外周面から外向きに突出して電極固定用凸部3aが形成されている。そして、上記貫通孔6の第一部分6aと第二部分6bとは、第一軸部2g内において互いに接続しており、その接続位置には、中心電極3の電極固定用凸部3aを受けるための凸部受け面6cがテーパ面あるいはアール面状に形成されている。
また、第一軸部2gと第二軸部2iとの接続部2hの外周面は段付面とされ、これが主体金具1の内面に形成された主体金具側係合部としての凸状部1cと、リング状の板パッキン63を介して係合することにより、軸方向の抜止めがなされている。他方、主体金具1の後方側開口部内面と、絶縁体2の外面との間には、フランジ状の突出部2eの後方側周縁と係合するリング状の線パッキン62が配置され、そのさらに後方側にはタルク等の充填層61を介してリング状のパッキン60が配置されている。そして、絶縁体2を主体金具1に向けて前方側に押し込み、その状態で主体金具1の開口縁をパッキン60に向けて内側に加締めることにより加締め部1dが形成され、主体金具1が絶縁体2に対して固定されている。
図4A及び図4Bは絶縁体2のいくつかの例を示すものである。その各部の寸法を以下に例示する。
・全長L1:30〜75mm。
・第一軸部2gの長さL2:0〜30mm(ただし、係止用突出部2eとの接続部2fを含まず、第二軸部2iとの接続部2hを含む)。
・第二軸部2iの長さL3:2〜27mm。
・本体部2bの外径D1:9〜13mm。
・係止用突出部2eの外径D2:11〜16mm。
・第一軸部2gの外径D3:5〜11mm。
・第二軸部2iの基端部外径D4:3〜8mm。
・第二軸部2iの先端部外径D5(ただし、先端面外周縁にアールないし面取が施される場合は、中心軸線Oを含む断面において、該アール部ないし面取部の基端位置における外径を指す):2.5〜7mm。
・貫通孔6の第二部分6bの内径D6:2〜5mm。
・貫通孔6の第一部分6aの内径D7:1〜3.5mm。
・第一軸部2gの肉厚t1:0.5〜4.5mm。
・第二軸部2iの基端部肉厚t2(中心軸線Oと直交する向きにおける値):0.3〜3.5mm。
・第二軸部2iの先端部肉厚t3((中心軸線Oと直交する向きにおける値;ただし、先端面外周縁にアールないし面取りが施される場合は、中心軸線Oを含む断面において、該アール部ないし面取部の基端位置における肉厚を指す):0.2〜3mm。
・第二軸部2iの平均肉厚tA(=(t1+t2)/2):0.25〜3.25mm。
なお、図4Aに示す絶縁体2における上記各部寸法は、例えば以下の通りである:L1=約60mm、L2=約10mm、L3=約14mm、D1=約11mm、D2=約13mm、D3=約7.3mm、D4=5.3mm、D5=4.3mm、D6=3.9mm、D7=2.6mm、t1=3.3mm、t2=1.4mm、t3=0.9mm、tA=1.2mm。
また、図4Bに示す絶縁体2は、第一軸部2g及び第二軸部2iがそれぞれ、図4Aに示すものと比較してやや大きい外径を有している。各部の寸法は、例えば以下の通りである:L1=約60mm、L2=約10mm、L3=約14mm、D1=約11mm、D2=約13mm、D3=約9.2mm、D4=6.9mm、D5=5.1mm、D6=3.9mm、D7=2.7mm、t1=3.3mm、t2=2.1mm、t3=1.2mm、tA=1.7mm。
次に、図2及び図3に示すように、中心電極3及び接地電極4の各本体部3a及び4aはNi合金等で構成されている。また、中心電極3の本体部3aの内部には、放熱促進のためにCuあるいはCu合金等で構成された芯材3bが埋設されている。一方、上記発火部31及び対向する発火部32は、Ir、Pt及びRhの1種又は2種以上を主成分とする貴金属合金を主体に構成される。図3に示すように、中心電極3の本体部3aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構成され、ここに上記発火部を構成する合金組成からなる円板状のチップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部Wを形成してこれを固着することにより発火部31が形成される。また、対向する発火部32は、発火部31に対応する位置において接地電極4にチップを位置合わせし、その接合面外縁部に沿って同様に溶接部Wを形成してこれを固着することにより形成される。なお、これらチップは、例えば所定の組成となるように各合金成分を配合・溶解することにより得られる溶解材、又は合金粉末あるいは所定比率で配合された金属単体成分粉末を成形・焼結することにより得られる焼結材により構成することができる。なお、発火部31及び対向する発火部32は少なくとも一方を省略する構成としてもよい。
上記スパークプラグ100は、例えば下記のような方法で製造される。まず、所定の原料粉末の成形体を焼成することにより絶縁体2を製造する。そして、その絶縁体2の所定の表面領域に釉薬スラリーを塗布して釉薬スラリー塗布層2d’(図5)を形成し、これを乾燥する。
次に、この釉薬スラリー塗布層2d’を形成した絶縁体2への、中心電極3と端子金具13との組付け、及び抵抗体15と導電性ガラスシール層16,17との形成工程の概略は以下の通りである。まず、図5(a)に示すように、絶縁体2の貫通孔6に対し、その第一部分6aに中心電極3を挿入した後、(b)に示すように導電性ガラス粉末Hを充填する。そして、(c)に示すように、貫通孔6内に押さえ棒28を挿入して、充填した粉末Hを予備圧縮し、第一の導電性ガラス粉末層26を形成する。次いで抵抗体組成物の原料粉末を充填して同様に予備圧縮し、さらに導電性ガラス粉末を充填して予備圧縮を行うことにより、(d)に示すように、貫通孔6内には、中心電極3側(下側)から見て第一の導電性ガラス粉末層26、抵抗体組成物粉末層25及び第二の導電性ガラス粉末層27が積層された状態となる。
そして、図6(a)に示すように、貫通孔6に端子金具13を上方から配置した組立体PAを形成する。そして、この状態で炉内に挿入してガラス軟化点以上である800〜950℃の所定温度に加熱し、その後、端子金具13を貫通孔6内へ中心電極3と反対側から軸方向に圧入して積層状態の各層25〜27を軸方向にプレスする。これにより、同図(b)に示すように、各層は圧縮・焼結されてそれぞれ導電性ガラスシール層16、抵抗体15及び導電性ガラスシール層17となる(以上、ガラスシール工程)。
こうしてガラスシール工程が完了した組立体PAには、主体金具1や接地電極4等が組み付けられて、図1に示すスパークプラグ100が完成する。スパークプラグ100は、そのねじ部7においてガスケット101を介してエンジンブロックに取り付けられ、燃焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
以下、本発明の効果を下記実施例によりさらに詳しく説明する
微粒ガラス粉末(平均粒径80μm)、各種粒径及びストラクチャー長を有するカーボンブラック、セラミック粉末としてのZrO(平均粒径1〜4μm)、及び有機バインダとしてのポリエチレングリコールとを所定量配合し、水を溶媒としてボールミルにより湿式混合し、その後これを乾燥して準備素材を調整した。なお、カーボンブラックの平均粒径はレーザー回折式粒度計を用いて測定し、ストラクチャー長は前記JISに記載された方法により測定した。
次いで、これに粗粒ガラス粉末(平均粒径250μm)を所定量配合して原料素地となし、これを温度900℃、圧力100MPaにてホットプレス成形して、抵抗体組成物を得た(試料番号1〜24)。なお、ガラス粉末の材質は、SiO を50重量%、B を29重量%、Li Oを4重量%、及びBaOを17重量%配合・溶解して得られるホウケイ酸リチウムガラスであり、その軟化温度は585℃であった。得られた各抵抗体組成物について、アルキメデス法により測定した見かけ密度の値を表15に示している。また、表15には、粗粒ガラス、微粒ガラス、ZrOの各含有量を、抵抗体組成物調製時の配合比率から推定した値にて示している。次に、図1に示すスパークプラグ100の抵抗体15を上記各抵抗体組成物により、図5及び図6に示す方法にて作製した。なお、図4を援用して示す絶縁体2の各部寸法は以下の通りである:L1=約60mm、L2=約10mm、L3=約18mm、D1=約10mm、D2=約12mm、D3=約9mm、D4=7mm、D5=5mm、D6=4mm、D7=2.5mm、t1=2.5mm、t2=2.0mm、t3=1.2mm、tA=2.25mm。さらに、導電性ガラス粉末としては、Cu粉末とホウケイ酸カルシウムガラス(軟化温度780℃)粉末とを重量比にて1:1に配合したものを用いた。なお、導電性ガラスシール層16の形成のために、上記導電性ガラス粉末を0.2g使用し、また、抵抗体15の形成のために前記原料素地を0.5g使用し、導電性ガラスシール層17の形成のために、上記導電性ガラス粉末を0.3g使用した(各試料番号につきn=20)。なお、各スパークプラグの電気抵抗値(抵抗体15を介した中心電極3と端子金具13との間の値)の初期値は、カーボンブラックの配合量により、5kΩ±0.3kΩとなるように調整している。これらスパークプラグを用いて、次の実験を行った。
まず、各スパークプラグの電気抵抗値(抵抗体15を介した中心電極3と端子金具13との間の値)を、ホイートストンブリッジ法により測定し、各試料番号毎にその標準偏差を算出するとともに、3σ<0.6であったものを◎(優)、0.6≦3σ<1.2であったものを○(良)、1.2≦3σ<1.8であったものを△(可)、3σ≧1.8であったものを×(不可)として評価した。また、負荷寿命特性は、まずスパークプラグの初期抵抗値R0を測定し、次いでこれを自動車用トランジスタ点火装置に取り付けて放電電圧20kV、放電回数3600回/分で250時間放電させ、放電後の電気抵抗値の抵抗値をRとして、抵抗値変化率ΔR={(R−R0)/R}×100(%)を測定することにより評価した。なお、判定は、ΔRが±15%以内のものを◎(優)、±25%以内のものを○(良)、±30%以内のものを△(可)、±30%を越えるものを×(不可)とした。以上の結果を表に示す。
Figure 0004249161
この実験結果から次のことが判明する。
すなわち、平均粒径が20nm〜80nmであり、かつストラクチャー長さが60ml〜120ml/100gのカーボンブラックを使用することで、規定の電気抵抗値(この場合、5±0.3kΩ)を得る上でのカーボンブラックの配合量を少なくでき、抵抗体の見かけ密度が上昇している。そして、抵抗値のばらつきが少なく、かつ負荷寿命特性においても良好な結果が得られている。
本発明のスパークプラグの一例を示す全体正面断面図。 図1の要部の正面部分断面図。 図2の発火部の近傍をさらに拡大して示す断面図。 絶縁体のいくつかの実施例を示す縦断面図。 ガラスシール工程の説明図。 図5に続く説明図。
符号の説明
1 主体金具
2 絶縁体
3 中心電極
4 接地電極
13 端子金具
15 抵抗体
16,17 導電性ガラスシール層

Claims (2)

  1. 絶縁体の軸方向に形成された貫通孔に対し、その一方の端部側に端子金具が固定され、同じく他方の端部側に中心電極が固定されるとともに、該貫通孔内において前記端子金具と前記中心電極との間に抵抗体が配置され、
    前記抵抗体を構成する抵抗体組成物は、主にガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、平均粒径が20nm〜80nmであって日本工業規格K6221、6.1.2のA法に規定された100gのカーボンブラックが吸油するDBP(ジブチルフタレート)の量が60〜120mlのカーボンブラック粒子とからなる原料粉末を用いて製造されたものであることを特徴とする抵抗体入りスパークプラグ。
  2. 前記抵抗体組成物の前記原料粉末は、
    20〜80重量%のガラス粉末と、
    20〜50重量%のセラミック粉末と、
    5〜30重量%のカーボンブラック粉末と、
    0.05〜5重量%の有機バインダーとを含有するものが使用される請求項1記載の抵抗体入りスパークプラグ。
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