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JP4246325B2 - 無人搬送装置 - Google Patents

無人搬送装置 Download PDF

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JP4246325B2
JP4246325B2 JP23817399A JP23817399A JP4246325B2 JP 4246325 B2 JP4246325 B2 JP 4246325B2 JP 23817399 A JP23817399 A JP 23817399A JP 23817399 A JP23817399 A JP 23817399A JP 4246325 B2 JP4246325 B2 JP 4246325B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無人搬送装置に関し、特に、荷積場所又は荷卸場所で搬送物の受け渡しを行う自走車と、その自走車に搬送要求を割り当てる制御手段とを有する無人搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無人搬送装置は、工場や倉庫などの床面に敷設された誘導路に沿って走行する自走車を有し、この自走車を自律走行させることによって、荷積場所で供給された部品、資材、完成品又は半完成品等を荷卸場所に運搬する。
【0003】
このような無人搬送装置は、製造分野を含む各種業種の様々な場所で使用されており、各種工程の自動化と省力化に貢献している。なお、以下の説明において、部品、資材、完成品又は半完成品など搬送の対象となる物を「搬送物」と総称する。
【0004】
従来の無人搬送装置として、例えば特開平7−110709号公報に、予め自走車を手動で走行させて走行地図を作成し、その走行地図に基づいて自走車を自律走行させる無人搬送装置が記載されている。即ち、この無人搬送装置においては、実際に搬送物の搬送を行う前に自走車を手動走行モードで走行させ、自走車が走行する領域内の壁や障害物の位置を計測して走行地図を作成する。そして、この走行地図に基づいて自走車を自律走行させ、搬送物の搬送を行わせるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように特開平7−110709号公報に記載された無人搬送装置は、自走車を自律走行させるための走行地図を作成する際に、操作者が手動走行モードで自走車を走行させる必要がある。このため、自走車の外部から自走車をリアルタイムで制御する装置、例えばモニタカメラやジョイスティック等からなる遠隔操縦装置が必要であり、無人搬送装置の構成を複雑なものにしていた。
【0006】
その上、遠隔操縦の操作に慣れていない操作者が、モニタカメラで周囲の状況を監視しながらジョイスティック等で自走車を制御することは極めて困難であり、走行領域が広い場合等には、走行地図を作成するのに多大の時間を要していた。
【0007】
また、正確な走行地図を作成するには、壁や障害物の位置データ等を10ms程度のサンプリング周期で取得する必要があり、取得した位置データ等を記憶するのに非常に多くの記憶容量を有する記憶媒体が必要になる。一方、記憶された壁や障害物の位置データは、広い範囲で走行地図を作成する場合や、走行面に凹凸がある場合等には誤差が累積しやすく、正確な走行地図を作成するのは困難であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、誘導路を新たに設置する場合や誘導路のレイアウトを変更する場合に、搬送物の搬送に必要な情報を容易に生成することができる無人搬送装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、1台の自走車が全誘導路上を自律走行し、その誘導路に設けられ標識の情報を逐次取得する。その際に二つの標識のつながりも取得し、それら標識間の移動時間又は距離を計測する。そして、自律走行により得た情報により、走行経路である経路情報と搬送要求の割り当ての判断に必要な指標情報を構築する。更に、構築した経路情報と指標情報を他の自走車に供給し、情報の共有化を図ることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、誘導路を新たに設置する場合や誘導路のレイアウトを変更する場合に、搬送物の搬送に必要な情報を容易に生成することができる。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、分岐点を有する誘導路で結ばれた複数のステーションと、前記ステーションで搬送物の受け渡しを行う1台以上の自走車とを有する無人搬送装置において、前記誘導路を新たに設置する場合又は前記誘導路のレイアウトを変更する場合に、前記ステーション及び前記分岐点には標識が設置され、前記標識は、少なくとも前記ステーション又は前記分岐点を特定すると共に、前記標識が隣接する通りを特定するデータを有し、前記自走車は、前記搬送物の搬送を行う前に、前記標識のデータに基づいて、前記誘導路を自律走行して走行地図を作成し、当該走行地図に基づいて、1のステーションから他のステーションへの走行経路を示す経路情報と1のステーションから他のステーションへの走行時間又は走行距離を示す指標情報とを生成し、当該生成した前記経路情報及び前記指標情報に基づいて前記搬送物の搬送を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、誘導路に沿って標識を設置して自走車を自律走行させることにより、走行経路及び指標情報を生成することができる。従って、従来のように自走車を手動走行モードで走行させながら走行地図を作成する必要がなく、誘導路を新たに設置する場合、及び誘導路のレイアウトを変更する場合にも、搬送物の搬送に必要な情報を容易に生成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態の無人搬送装置が工場等に設置された場合のレイアウトを示す要部構成図である。本実施の形態の無人搬送装置は、通信手段41によりステーション21、22、23、24と通信し、通信手段42により自走車31と通信して自走車31の走行を制御する制御手段11と、ステーション25、26、27、28、29と通信手段43により通信し、通信手段44により自走車32と通信して自走車32の走行を制御する制御手段12とを有する。制御手段11と制御手段12は、通信手段46で制御データの授受を行うことができ、自走車31と自走車32は、通信手段45または通信手段42、46、44で走行データの授受を行うことができる。
【0015】
この場合、ステーション21、22、23、24及び制御手段11が属するグループを第1グループ51とし、ステーション25、26、27、28、29及び制御手段12が属するグループを第2グループ52とするのは、制御領域をグループ化してシステムの変更や改良を容易に行うと共に、異常やトラブルに柔軟に対応できるようにするためである。
【0016】
なお、制御領域は、更に多くのグループに分割することができ、逆に1つのグループに統合することも可能である。また、図1では自走車及び制御手段がそれぞれ2つの場合を示したが、自走車及び制御手段の数はそれに限定されるものではない。
【0017】
自走車31、32は、ステーション21〜29で搬送物の受け渡し等ができるように設置された誘導路4、5、6に沿って走行し、誘導路4、5、6には、ステーション、分岐点、曲り角等の位置に標識101〜110、201、301が設置される。
【0018】
なお、ここでは走行地図を作成する便宜上、標識101から標識110まで標識が番号順に設置されている誘導路を第1誘導路4とし、標識106から分岐している誘導路を第2の誘導路5とし、標識109から分岐している誘導路を第3の誘導路6とする。また、ステーション21〜29は、予め例えば荷積場所、荷卸場所又は自走車31、32のバッテリを充電する充電場所として区別されており、自走車31、32は、搬送要求がない場合に、充電場所とされたステーションで待機するものとする。
【0019】
誘導路4、5、6は、例えば、床面に磁気テープを貼り付けることにより構成され、自走車31、32は、磁気テープの磁気を検出しながら磁気テープに沿って走行する。また、標識101〜110、201、301には、例えば、磁気的に位置情報等を書き込んだ磁気円盤が使用され、誘導路4、5、6上のステーション、分岐点、曲り角等の床面に貼り付けられる。自走車31、32は、標識101〜110、201、301の上を通過する時に、標識101〜110、201、301に書き込まれた位置情報等を読み出し、それぞれのステーションに移動することができる。
【0020】
図2は、本実施の形態の無人搬送装置に使用される標識101〜110、201、301に書き込まれるデータの例である。図2の示すように、標識101〜110、201、301に書き込まれるデータとしては、例えば、その標識を唯一に特定する標識IDと、荷積場所、荷卸場所、充電場所、分岐点又は曲り角等を区別する場所の種別データと、その場所が荷積場所、荷卸場所又は充電場所の場合は対応するステーションの識別子と、その標識が誘導路上で隣接する通りのIDと向き等がある。
【0021】
例えば、標識101には、標識のIDが101であることを示すデータと、この標識101が設置された場所が荷積場所であり、対応するステーションの識別子がST21であることを示すデータと、自走車が図面上方へ走行する場合にはステーション番号が100番台通りの昇順の方向の走行で、図面下方へ走行する場合には通りがないこと、即ち行き止まりであることを示すデータが書き込まれる。
【0022】
また、標識102には、標識のIDが102であることを示すデータと、この標識102が設置された場所が荷卸場所であり、対応するステーションの識別子がST22であることを示すデータと、自走車が図面上方へ走行する場合にはステーション番号が100番台通りの昇順の方向の走行であり、図面下方へ走行する場合にはステーション番号が100番台通りの降順の走行であることを示すデータが書き込まれる。
【0023】
また、標識103には、この標識が曲り角に設置されていることを示すデータと、自走車が右折すればステーション番号が100番台通りの昇順の方向の走行になり、後退すればステーション番号が100番台通りの降順の方向の走行になることを示すデータが書き込まれる。
【0024】
他の標識にも同様のデータが書き込まれるが、標識106には、この標識が分岐点に設置されていることを示すデータと、自走車が図面右方へ走行すればステーション番号が100番台通りの昇順の方向の走行になり、図面下方へ走行すればステーション番号が200番台通りの昇順の方向の走行になり、図面左方へ走行すればステーション番号が100番台通りの降順の方向の走行になることを示すデータが書き込まれる。
【0025】
図3は、本発明の実施の形態の無人搬送装置において、実際に搬送物の搬送を行う前に実施される各種情報生成の概略フローチャートである。このフローチャートにより、自走車の事前走行により走行地図を作成し、次に、走行経路となる経路情報を生成し、更に、複数の自走車がある場合にどの自走車に搬送要求を依頼するかの判断指標となる指標情報を生成する手順について説明する。
【0026】
本実施の形態の無人搬送装置では、まず自走車を走行させる工場等の床面に磁気テープを貼り付けて誘導路を構成した後、誘導路におけるステーション、分岐点又は曲り角等の場所に標識を設置する(S1)。
【0027】
次に、1台の自走車を誘導路に沿って事前走行させる(S2)。これは、自走車が実際に搬送物を搬送する前に、標識に書き込まれたデータを読み出し、自走車が搬送物を搬送する際に必要な走行地図を作成するためである。なお、この事前走行において、自走車は後述するフローチャートに従って誘導路を自律走行し、標識に書き込まれたデータと共に、隣接する標識間の走行時間又は走行距離のデータを取得する。
【0028】
次に、自走車は、作成した走行地図に基づいて、荷積場所から荷卸場所、荷卸場所から荷積場所及び充電場所から荷積場所等への経路を示す経路情報と、自走車が上記の荷積場所から荷卸場所等への経路を走行する場合の時間又は距離を示す指標情報を生成する(S3)。この指標情報は、前述のように、複数の自走車がある場合に、どの自走車に搬送要求を依頼すれば、最も早く搬送要求を処理できるかの判断指標になる。
【0029】
次に、経路情報及び指標情報を生成した自走車は、無人搬送装置内に他の自走車があるか否かを判断し(S4)、経路情報及び指標情報を生成していない他の自走車がある場合(Yes)は、その自走車に経路情報及び指標情報を送信する(S5)。
【0030】
このように本実施の形態の無人搬送装置は、誘導路に沿って標識を設置して自走車を自律走行させることにより、走行地図と走行経路及び指標情報を生成でき、その情報を他の自走車と共有することができる。従って、従来のように自走車を手動走行モードで走行させながら走行地図を作成する必要がなく、誘導路を新たに設置する場合、及び誘導路のレイアウトを変更する場合にも、搬送物の搬送に必要な情報を容易に生成することができる。
【0031】
図4は、図3のステップS2に示した自走車の事前走行における詳細フローチャートである。図4の自走車の事前走行のフローチャートについて、図1に示した誘導路のレイアウトに則して説明する。
【0032】
複数の自走車のうちの1台、例えば自走車31は、事前走行において誘導路に沿って自律走行するようにプログラムされており、例えば図1の標識101の位置に置かれると、第1誘導路4を標識の番号順に自律走行する(S11)。自走車31は、自律走行時に第1誘導路4に設置されたすべての標識101〜110を検出し(S12)、それらの標識101〜110に書き込まれているデータを読み出し(S13)、読み出しだデータを自走車31内の記憶装置に記憶する(S14)。
【0033】
次に、第1誘導路4のすべての経路を走行し終わったかを否かを判断し(S15)、すべての経路を走行し終わっている場合(Yes)は、第1誘導路4に走行していない他の誘導路に接続された分岐点があるか否かを判断する(S16)。
【0034】
図1のレイアウトの場合、第1誘導路4には、走行していない第2誘導路5に接続された分岐点106が有る(Yes)ので、自走車31は分岐点106に移動する(S17)。そして、自走車31は第2誘導路5に進入し(S18)、ステップS11からステップS15において、第2誘導路5に設置されたすべての標識201に書き込まれたデータを読み出す。
【0035】
同様に、ステップS15において第2誘導路5の走行が終わった場合(Yes)は、ステップS16〜S18において第3誘導路6に進入し、第3誘導路6に設置されたすべての標識301に書き込まれたデータを読み出す。
【0036】
このように、本実施の形態の無人搬送装置は、実際に搬送物を搬送する前の事前走行において、自走車31は誘導路4、5、6上をくまなく自律走行し、すべての標識101〜110、201、301に書き込まれているデータと、隣接する標識のつながり及び隣接する標識間の移動に要した時間のデータを取得する。もちろん、隣接する標識間の距離のデータを取得してもよい。従って、従来のように、自走車を手動走行させて走行地図を作成する手間を省くことができ、誘導路を新たに設置する場合、及び誘導路のレイアウトを変更する場合に、搬送物の搬送に必要な情報を容易に生成することができる。
【0037】
図5は、図1に示した誘導路のレイアウトにおいて、自走車の事前走行により取得した標識間のつながりと移動時間のデータの例である。ここでは、隣接する標識間の経路を「線分」と呼び、その線分に識別子を付ける。例えば、線分401は、標識101と標識102の間の経路であり、自走車が線分401を移動する時間が20秒であることを示す。
【0038】
標識と線分のデータを取得した自走車は、次に、あるステーションから他のステーションへの経路情報を生成する。図6は、標識と線分のデータから経路情報を生成する場合の詳細フローチャートであり、図3のステップS3に対応する。図6のフローチャートを図1に示した誘導路のレイアウトに則して説明する。なお、ここでは誘導路において閉じた経路はないものとする。
【0039】
あるステーションから他のステーションへの経路には、荷積場所から荷卸場所への経路、荷卸場所から荷積場所への経路、充電場所から荷積場所への経路等の組み合わせがあるが、まず、生成すべき全経路の生成が終わっていないことを確認する(S21)。生成されていない経路があれば(No)、生成すべき経路のステーションを始点と終点に設定し(S22)、始点と終点のステーションに設置された標識IDを端点に設定する(S23)。
【0040】
例えば、ステーション24を始点としステーション28を終点とする場合は、標識105を始点とし標識301を終点として設定する。また、誘導路上のすべての標識と線分のデータに経路生成の際に確認されたかどうかを示すフラグを設け、そのすべてのフラグを「未確認」とする。
【0041】
次に、始点を端点とする線分があるか否かを判断し(S24)、ある場合(Yes)はステップS25に移行する。例えば、図1において始点105を端点とする線分は線分404と線分405であるが、ここでは例えば線分404を選び、線分404のデータのフラグを「確認済」に設定する。
【0042】
次に、線分404の別の端点104を求め、それが求める経路の終点でないかを判断する(S25)。この場合は端点104は求める経路の終点ではないので(No)、ステップS26に移行し端点104を新たな端点に設定する。そして、ステップS24において、新たな端点104を含む線分403を選択する。
【0043】
以下、ステップS24〜S26のループにおいて、線分402、401が選択されるが、ステップS24において、線分401の端点101には別の線分がない(No)。従って、ステップS28に移行し、これまでのステップにおいて選択されなかった「未確認」の線分があるか否かを判断する。
【0044】
図1の場合は、1回目のステップS24において選択しなかった線分405がある(Yes)ので、ステップS29に移行し線分405の端点106を設定する。そして、ステップS24において端点106を含む線分があるか否かが判断される。
【0045】
この場合、端点106を含む線分には線分406と線分410があるが、線分410を選択した場合は上記と同様に端点106に戻るので、線分406を選択し、ステップS24〜S26のループにおいて、線分406、407、408が選択される。
【0046】
同様に、ステップS24において端点109を含む線分があるか否かが判断される。ここで、端点109を含む線分には線分409と線分411があるが、線分409を選択した場合は上記と同様に端点109に戻るので、線分411を選択する。
【0047】
この場合は、ステップS25において、線分411の別の端点111が終点である(Yes)ので、ステーション24からステーション28への経路のデータを保存し(S27)、ステップS21に戻る。
【0048】
なお、経路生成の途中で不要となった端点と線分のデータは経路データから除く。このようにして得られた始点と終点を結ぶことができる端点と線分が、求めるべき経路データである。このようにして構成したステーション24からステーション28への経路データは下記のようになる。
【0049】
始点105−線分405−端点106−線分406−端点107−線分407−端点108−線分408−端点109−線分411−終点111
なお、始点まで戻っても「未確認」の線分がない場合は、自走車の事前走行において標識のデータを読み誤ったか、標識に誤ったIDを付けた場合であり、現情報ではその経路を構成することができない。そこで、ステップS28において別の線分がない場合(No)はステップS30に移行し、その経路を構成できなかったことを自走車に備えられた表示装置に表示させたり、自走車に音源が備わっている場合は音を用いて利用者に通知する。また、どの経路が構成できなかったかを利用者に通知してもよい。
【0050】
図7は、上記のようにステーション24(始点105)からステーション28(終点301)までの経路生成の過程を示す概念図である。このように本実施の形態の無人搬送装置の経路データは、端点と線分のデータから構成されている。破線は、経路生成の過程で最初に始点105から端点101までの経路を構成したが、端点101で未確認の線分が見つけられなかったので(図6のステップS24)、始点105まで戻り、別の線分405を基に終点301までの経路を生成したことを示している。もちろん、経路の生成方法はこの方法に限定するものではない。
【0051】
図8は、本実施の形態の無人搬送装置において生成された経路情報と指標情報の例である。図8では、自走車が走行する経路として、荷積場所から荷卸場所、荷卸場所から荷積場所及び充電場所から荷積場所の3種類を想定している。それぞれの経路は、ステーションIDの組み合わせ、及び端点IDと線分IDの組み合わせで表され、指標情報として、それぞれの経路の移動に要する移動時間が用いられる。これらの経路情報と指標情報が、自走車の事前走行により生成され、他の自走車に通信されることにより、他の自走車と共有される。
【0052】
このように始点から終点までの経路情報が生成されれば、自走車は標識のデータを検出しながら自律走行を行うことができるが、複雑に分岐した経路を移動する場合には、上記の経路データから端点又は分岐点を移動順に取り出し、取り出した端点又は分岐点を適宜目標点に設定して移動することもできる。ここで、図9により、ステーション24からステーション28への移動時における目標点の設定について説明する。
【0053】
今、自走車31がステーション24で荷物を積載したとすると、最初の目標点として分岐点106を設定する。そして、分岐点106を通過したら、次の目標点として分岐点109を設定し、分岐点109を通過したら、終点301を目標点に設定する。
【0054】
このようにすれば、単に通過するだけの標識のデータを経路データと比較する必要がなく、2点鎖線で示した始点105、分岐点106、109及び終点301のデータだけを経路データと比較すればよいので、自走車31のデータ処理の負担を軽くすることができる。
【0055】
一方、制御手段11、12が複数の自走車31、32に効率よく搬送要求を割り当てる際には、その搬送要求を割り当てる判断基準が必要である。本実施の形態の無人搬送装置では、この判断基準に前述の指標情報を利用する。
【0056】
例えば、新たな搬送要求が生じた場合、制御手段11、12は、それぞれの自走車から、各自走車が新たな搬送要求の依頼を受けた場合に、その処理を完了させるまでの時間を回答させる。これには、各自走車31、32から、既に依頼を受けている搬送要求の処理時間と新たな搬送要求の処理時間とを加算した時間を回答させればよい。この場合、制御手段11、12は、新たな搬送要求を最も早く処理できる自走車に依頼し、搬送効率を向上させる。
【0057】
なお、本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0058】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、誘導路に沿って標識を設置して自走車を自律走行させることにより、走行経路及び指標情報を生成し、その情報を他の自走車と共有することができる。従って、従来のように自走車を手動走行モードで走行させながら走行地図を作成する必要がなく、誘導路を新たに設置する場合、及び誘導路のレイアウトを変更する場合にも、搬送物の搬送に必要な情報を容易に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の無人搬送装置の要部構成図である。
【図2】標識に書き込まれたデータの例である。
【図3】本発明の実施の形態における情報生成のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における自走車の事前走行のフローチャートである。
【図5】標識間のつながりと移動時間データの例である。
【図6】本発明の実施の形態において経路情報を構成するフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態において経路情報を構成する場合の概念図である。
【図8】本発明の実施の形態における経路情報と指標情報の例である。
【図9】移動時の目標点の設定の説明図である。
【符号の説明】
4 第1誘導路
5 第2誘導路
6 第3誘導路
11、12 制御手段
21〜29 ステーション
31、32 自走車
41〜46 通信手段
101〜110、201、301 標識
401〜411 線分

Claims (2)

  1. 分岐点を有する誘導路で結ばれた複数のステーションと、前記ステーションで搬送物の受け渡しを行う1台以上の自走車とを有する無人搬送装置において、
    前記誘導路を新たに設置する場合又は前記誘導路のレイアウトを変更する場合に、
    前記ステーション及び前記分岐点には標識が設置され、前記標識は、少なくとも前記ステーション又は前記分岐点を特定すると共に、前記標識が隣接する通りを特定するデータを有し、
    前記自走車は、
    前記搬送物の搬送を行う前に、前記標識のデータに基づいて、前記誘導路を自律走行して走行地図を作成し、当該走行地図に基づいて、1のステーションから他のステーションへの走行経路を示す経路情報と前記1のステーションから前記他のステーションへの走行時間又は走行距離を示す指標情報とを生成し、
    当該生成した前記経路情報及び前記指標情報に基づいて、前記1のステーションから前記他のステーション間の分岐点を移動順に取り出し、前記1のステーションから前記他のステーション間の前記標識が設置される全ての点を目標にするのではなく、該取り出した分岐点を適宜目標点に設定し、前記1のステーションから前記他のステーションへ前記搬送物の搬送を行うことを特徴とする無人搬送装置。
  2. 請求項1において、
    前記自走車が生成した前記経路情報及び前記指標情報を、他の自走車と共有することを特徴とする無人搬送装置。
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