JP4245244B2 - 絶縁電線 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電気、電子機器用のコイルの巻線などに好適に使用される絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば自動車用などの各種電気、電子機器の小型化、軽量化の傾向にともなって、これらの機器に用いるコイルなどの部品についても、これまでより小型、軽量で、しかも高性能を保ちつつ低コスト化することが要求されるようになってきた。
そしてこの要求に対応するために、コイルを形成する巻線としての絶縁電線(導体を絶縁皮膜で被覆したいわゆるエナメル電線)を、これまでよりも小さいコアに、高密度でしかも生産性をあげるべく高速で巻きつける必要が生じ、巻きつけ時に、絶縁電線の絶縁皮膜が損傷するなどして、機器の電気特性が低下したり、あるいは生産の歩留まりが低下したりするという問題が発生していた。
【0003】
そこでこの問題に対処するために、絶縁電線の絶縁皮膜の
(a) 機械的強度を向上させる、
(b) 可とう性を向上させる、
(c) 表面の滑り性をよくする、
(d) 導体との密着性を向上させる、
といった対策が検討されている。
【0004】
たとえば▲1▼ 特開平6−196025号公報には、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどの耐熱性樹脂にて形成した絶縁皮膜の引張強さ、引張弾性率、密着力、ピアノ線に対する静摩擦係数などを、樹脂の分子設計によって所定の値に設定することにより、絶縁皮膜の耐加工性を向上させて、巻きつけ時に損傷などが生じるのを抑制することが記載されている。
また▲2▼ 特開昭62−58519号公報には、あらかじめ絶縁皮膜を被覆、形成した後の導体を、巻線の密度を向上させるべく、圧延加工によって平角状に成形して平角巻線を製造するにあたり、圧延および熱処理による絶縁皮膜の加工劣化と耐熱衝撃性の低下とを防止するために、絶縁皮膜を形成する絶縁塗料(ワニス)として、ポリエーテルイミドに、ポリエステルイミドと、フェノール系化合物で閉塞したポリイソシアネートブロック体とを添加したものを使用することが記載されている。
【0005】
さらに▲3▼ 特開昭58−34828号公報には、ポリアミドイミドとポリエーテルイミドとをブレンドすることによって、ポリエーテルイミドと同等の機械的特性を持ち、しかも耐溶剤性、耐摩耗性、長期耐熱性にすぐれた材料を得ることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のうち▲1▼の技術では、前記(a)(c)(d)を考慮して絶縁皮膜を構成しているものの、(b)の可とう性は必ずしも十分でない。
また、▲2▼の技術においては、ポリエーテルイミドの可とう性と、ポリエステルイミドの耐熱性および導体に対する密着性と、フェノール系化合物で閉塞したポリイソシアネートブロック体のろう着性とを組合わせることにより、前述したように平角に圧延する際の絶縁皮膜の加工劣化と耐熱衝撃性低下の問題を解決しているが、ポリエステルイミドの破断時伸びが十分ではないため、やはり皮膜の可とう性が十分とはいえない。
【0007】
さらに▲3▼において得られるブレンド材料は、たとえば同公報の第II表にみるようにいずれもガラス転移温度が低いために、高い耐熱性が要求される巻線用の皮膜材料としては、耐熱性が不十分である。
以上のように先行技術▲1▼〜▲3▼はいずれも、それぞれの技術レベルでは所定の課題を解決していると考えられるものの、高い耐熱性を保持しながらこれまでよりもさらにすぐれた耐加工性、すなわち圧延加工や巻線加工に対する耐性を得るためには、十分な特性を有しているとは言えない。
【0008】
これは、上記の先行技術がいずれも、基本的に単層構造で、種々の材料を組合わせることによって絶縁皮膜に相異なる複数の特性を持たせようとしているところに、技術的な限界があるためと考えられる。
そこで発明者らは、絶縁皮膜を積層構造とするとともに、各層で樹脂の構成を違えて、それぞれの層に相異なる特性を付与することによって、単層構造では得られないすぐれた特性を有する絶縁電線を製造することを検討した。
【0009】
そして先に、ガラス転移温度が250℃以上である樹脂からなる第1絶縁層と、ポリアミドイミドに、ガラス転移温度140℃以上の熱可塑樹脂を配合した第2絶縁層とを、導体上にこの順に積層、被覆して積層構造の絶縁皮膜を形成すると、高い耐熱性を保持しながら、これまでよりもさらにすぐれた耐加工性を有する絶縁電線が得られることを見出したが、かかる構成では、たとえばコイル加工時に絶縁電線の端末を溶接などによって接合する工程で、接合部付近の絶縁皮膜が接合の熱によって発泡したり、あるいはその変色長さが長くなったりして接合を妨げるという新たな問題を生じることが明らかとなった。
【0010】
本発明の目的は、厳しい圧延加工や巻線加工などを行なっても皮膜に損傷などを生じないすぐれた耐加工性と、ポリアミドイミドと同等の高い耐熱性とを有し、しかも絶縁電線の端末を接合する工程で、接合部付近の絶縁皮膜が接合の熱などによって発泡したり、あるいはその変色長さが長くなったりしないために接合性にもすぐれた、新規な絶縁電線を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための、本発明の絶縁電線は、
(1) ポリアミドイミド、およびポリイミドのうちの少なくとも一方からなる第1絶縁層と、
(2) ポリアミドイミドAに、ガラス転移温度140℃以上のポリエーテルイミドBを、重量比A/Bで表してA/B=70/30〜30/70の割合で配合してなる第2絶縁層と
をこの順に被覆、積層することによって、導体上に、上記第1絶縁層の膜厚T1と、第2絶縁層の膜厚T2との比T1/T2がT1/T2=5/95〜40/60の範囲内で、かつ上記第1絶縁層および第2絶縁層のもとになるワニスに由来する残留溶剤量が絶縁皮膜総量の0.05重量%以下である絶縁皮膜を形成したことを特徴とするものである。
【0012】
かかる本発明によって前記の課題を解決できる理由は、以下のとおりである。
1) ポリアミドイミド、およびポリイミドのうちの少なくとも一方からなり、耐熱性と、導体に対する密着性とにすぐれた第1絶縁層の上に、ポリアミドイミドを含有するため第1絶縁層との密着性にすぐれるとともに、当該ポリアミドイミドAに対して、重量比A/Bで表してA/B=70/30〜30/70の割合でポリエーテルイミドBを含有するため可とう性にもすぐれた第2絶縁層を積層することにより、絶縁皮膜に、導体に対する良好な密着性、および高い可とう性と、それによってもたらされる、厳しい圧延加工や巻線加工に耐え得る高い耐加工性とを付与することができる。
2) 上記のように第2絶縁層におけるポリエーテルイミドの配合量を規定し、かつポリエーテルイミドのガラス転移温度を140℃以上とするとともに、第1および第2の絶縁層の膜厚T1、T2の比T1/T2を5/95〜40/60の範囲とすることにより、上述した高い可とう性を維持しつつ、絶縁皮膜全体としての耐熱性を、ポリアミドイミドと同等の高いレベルに保持することができる。
【0013】
なお耐熱性は、後述する方法で測定された熱軟化温度で評価され、本発明においては400℃以上であるのが好ましい。
3) 上記のように第1および第2の絶縁層の積層構造として導体に対する良好な密着性を確保し、また第2絶縁層におけるポリエーテルイミドの配合量を規定し、ポリエーテルイミドのガラス転移温度を高くし、かつ第1および第2の絶縁層の膜厚の比を規定して、絶縁皮膜全体としての耐熱性をポリアミドイミドのレベルに保持するとともに、上記第1絶縁層および第2絶縁層のもとになるワニスに由来する絶縁皮膜全体の残留溶剤量を、絶縁皮膜総量の0.05重量%以下とすることにより、絶縁電線の端末を接合する工程で、接合部付近の絶縁皮膜が接合の熱などによって発泡したり、あるいはその変色長さが長くなったりするのをこれまでよりも確実に防止して、その接合性を向上することができる。つまり絶縁皮膜の接合性を向上するためには、発泡の原因である残留溶剤量の制御と、絶縁皮膜自体の耐熱性、および導体に対する密着性を向上することとが必要である。
【0014】
なお本明細書では残留溶剤量を、後述する評価方法に基づいて、ガスクロマトグラフィーによって測定した値でもって表すこととする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。本発明の絶縁電線は、前記のように
(1) ポリアミドイミド、およびポリイミドのうちの少なくとも一方からなる第1絶縁層と、
(2) ポリアミドイミドに、ガラス転移温度140℃以上のポリエーテルイミドを配合してなる第2絶縁層と
をこの順に被覆、積層することによって、導体上に、積層構造の絶縁皮膜を形成したものである。
【0016】
このうち(1)の第1絶縁層が、上記のようにポリアミドイミド、およびポリイミドのうちの少なくとも一方からなるというのは、かかる第1絶縁層が、樹脂分としてポリアミドイミド、および/またはポリイミドを含有するが、第2絶縁層のように熱可塑性樹脂を含有しないことを意味する。ただしこの記載は、当該第1絶縁層が、たとえば着色剤などの、後述する各種の添加剤を含有することを妨げるものではない。
【0017】
上記第1絶縁層は、従来の単層構造の絶縁皮膜と同様に、樹脂分としてポリアミドイミド、および/またはポリイミドを含有する第1絶縁層用のワニスの塗布、焼き付けによって形成される。
かかる第1絶縁層用のワニスのうち、樹脂分としてポリアミドイミドを含有するものは、
(A) ジイソシアネート成分と酸成分とを重合させる、
(B) ジアミン成分と酸成分とを反応させた反応生成物を、さらに略等モル量のジイソシアネート成分と重合させる、
(C) 酸クロライドを含む酸成分とジアミン成分とを重合させる、
などの従来公知の製造方法によって製造される。
【0018】
また、樹脂分としてポリイミドを含有する第1絶縁層用のワニスは、
(D) ジアミン成分と酸無水物成分とを重合させる、
などの、これも従来公知の製造方法によって製造される。
さらに樹脂分としてポリアミドイミドとポリイミドの両方を含有するワニスは、上記両者を配合するなどして製造される。
第1絶縁層用のワニスのうち、ポリアミドイミド系のワニスの好適な例としては、これに限定されないがたとえば、ジイソシアネート成分としてのジフェニルメタンジイソシアネートと、酸成分としてのトリメリット酸無水物とを使用して製造されたもの〔具体例としては日立化成(株)製の商品名HI−400、HI−405,HI−406など〕があげられる。
【0019】
また、ポリイミド系のワニスの好適な例としては、これに限定されないがたとえば、ジアミン成分としてのジアミノジフェニルエーテルと、酸無水物成分としてのピロメリット酸無水物とを使用して製造されたもの〔具体例としてはIST社製の商品名PyreML、東レデュポン社製の商品名トレニースなど〕があげられる。
第1絶縁層の上に積層、被覆される第2絶縁層は、前記のようにポリアミドイミドAに、ガラス転移温度140℃以上のポリエーテルイミドBを、重量比A/Bで表してA/B=70/30〜30/70の割合で配合してなるものである。
【0020】
上記第2絶縁層を形成するポリアミドイミドとしては、第1絶縁層で使用したのと同様のものがあげられる。
また、上記ポリアミドイミドに配合されるポリエーテルイミドは、ガラス転移温度が140℃以上である必要がある。また、とくに伸び率が高いものが好ましい。
【0021】
ガラス転移温度140℃以上のポリエーテルイミドは、上記ポリアミドイミドと組み合わせた際に、耐熱性と、とくに平角巻線として使用すべく圧延加工する際の耐加工性とにすぐれた第2絶縁層を形成できる上、コスト面でも有利である。
上記第2絶縁層における、ポリアミドイミドへのポリエーテルイミドの配合割合が前記の範囲に限定されるのは、以下の理由による。
【0022】
すなわちポリエーテルイミドの配合割合が前記の範囲未満では、第2絶縁層の可とう性が低下するために、絶縁皮膜全体としての可とう性も低下する。このため、絶縁皮膜の耐加工性が低下して、厳しい圧延加工や巻線加工などを行った際に損傷などを生じやすくなり、機器の電気特性の低下、生産の歩留まりの低下といった問題を生じる原因となる。
一方、ポリエーテルイミドの配合割合が前記の範囲を超えた場合には、絶縁皮膜の全体としての耐熱性が低下して、前述した熱軟化温度400℃以上といった耐熱性の基準を満足することができないために、絶縁電線を、高い耐熱性が要求される巻線に使用することができなくなる。また、絶縁電線の端末を接合する工程で、接合の熱などによって、接合部付近の絶縁皮膜の変色長さが長くなって、絶縁電線の接合性が低下するという問題も生じる。
【0023】
なお、絶縁皮膜に高い耐加工性、耐熱性および良好な接合性を付与することを考慮すると、上記第2絶縁層における、ポリアミドイミドAへのポリエーテルイミドBの配合割合は、前記の範囲でもとくに重量比A/Bで表してA/B=65/35〜45/55程度であるのが好ましく、A/B=65/35〜55/45程度であるのがさらに好ましい。
第2絶縁層は、先の第1絶縁層と同様にして形成される。すなわち樹脂分として、ポリアミドイミドに所定量のポリエーテルイミドを配合した第2絶縁層用のワニスを、先に第1絶縁層を形成した上に塗布、焼き付けすることによって第2絶縁層が形成される。
【0024】
かかる第2絶縁層用のワニスとしては、たとえば
(D) それぞれの樹脂を別個に溶剤に溶解した溶液を混合する、
(E) それぞれの樹脂を同時に同じ溶剤に溶解して混合する、
(F) 一方の樹脂を溶剤に溶解後、もう一方の樹脂を添加して溶解、混合する、
(G) 一方の樹脂を溶解した後、その溶液中で、もう一方の樹脂を合成する、
といった種々の方法によって製造したものが、いずれも使用可能である。
【0025】
上記第1および第2の絶縁層の膜厚や、両層を合計した、絶縁皮膜の全体としての膜厚は、それぞれ絶縁電線の用途、形状、寸法などに応じて、適宜の値に設定することができる。
ただし本発明においては、上記第1および第2の絶縁層の膜厚T1、T2の比T1/T2が、前述したように5/95〜40/60の範囲に限定される。この理由は以下の通りである。
【0026】
すなわち、上記の範囲よりも第1絶縁層の占める割合が大きい場合には、絶縁皮膜の全体としての可とう性が低下するため耐加工性も低下して、厳しい圧延加工や巻線加工などを行った際に損傷などを生じやすくなり、機器の電気特性の低下、生産の歩留まりの低下といった問題を生じる原因となる。
一方、上記の範囲よりも第2絶縁層の占める割合が大きい場合には、絶縁皮膜の全体としての耐熱性が低下して、前述した熱軟化温度400℃以上といった耐熱性の基準を満足することができないために、絶縁電線を、高い耐熱性が要求される巻線などの用途に使用できなくなるという問題を生じる。また、上記のように絶縁皮膜の耐熱性が低下する上、第1絶縁層による、絶縁皮膜の導体への密着性を確保する効果も不十分となるために、絶縁電線の端末を接合する工程で、接合の熱などによって、接合部付近の絶縁皮膜の変色長さが長くなって、絶縁電線の接合性が低下するという問題も生じる。
【0027】
なお、絶縁皮膜に高い耐加工性、耐熱性、導体への密着性および良好な接合性を付与することを考慮すると、第1および第2の絶縁層の膜厚T1、T2の比T1/T2は、前記の範囲内でもとくに5/95〜25/75程度であるのが好ましく、10/90〜20/80程度であるのがさらに好ましい。
また前記のように第1および第2の絶縁層の厚みはとくに限定されないが、それぞれ0.001〜0.100mm程度であるのが好ましい。
【0028】
上記第1および第2の絶縁層はそれぞれ単層構造であってもよいし、組成(たとえば第1絶縁層の場合は使用しているポリアミドイミドやポリイミドの種類や添加剤の量など、また第2絶縁層の場合は使用しているポリアミドイミドやポリエーテルイミドの種類、両者の配合割合、添加剤の量など)の異なる2層以上の積層構造であってもよい。
たとえば第1絶縁層が積層構造である場合には、その合計の膜厚と、第2絶縁層の膜厚とが前記の範囲内となるように、当該第1絶縁層を構成する各層の厚みを調整すればよい。また同様に、第2絶縁層が積層構造である場合には、その合計の膜厚と、第1絶縁層の膜厚とが前記の範囲内となるように、当該第2絶縁層を構成する各層の厚みを調整すればよい。
【0029】
第1および第2の絶縁層には、前述したように、たとえば顔料、染料などの着色剤、無機または有機のフィラー、潤滑剤などの各種の添加剤を、それぞれの層の特性を損なわない範囲で含有させることもできる。
上記第1および第2の絶縁層からなる絶縁皮膜は、導体と第1絶縁層との間にプライマー層を有していてもよいし、第2絶縁層の上、すなわち絶縁皮膜の最表層に表面潤滑層を有していてもよい。
【0030】
かかる表面潤滑層は、たとえば流動パラフィンや固形パラフィンなどを塗布したり、各種ワックス、ポリエチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの潤滑剤を第2絶縁層上に直接に製膜するか、あるいは製膜性を有するバインダー樹脂で結着した状態で製膜することによって形成される。
絶縁皮膜は、前記第1絶縁層および第2絶縁層のもとになるワニスに由来する残留溶剤量が、絶縁皮膜総量の0.05重量%以下である必要がある。
【0031】
残留溶剤量がこの範囲を超えた場合には、前述したように、絶縁皮膜が導体に対する良好な密着性と高い耐熱性とを兼ね備えていたとしても、絶縁電線の端末を接合する工程で、接合部付近の絶縁皮膜が接合の熱などによって発泡しやすくなって、絶縁電線の接合性が低下するという問題を生じる。
なお絶縁皮膜の残留溶剤量は、上記の範囲内でも0.01重量%以下が好ましく、小さければ小さいほど好ましい。とくに、残留溶剤量が限りなく0%に近いのが理想的であるが、上記の範囲内であれば、絶縁皮膜が発泡などを生じない、良好な接合性を有する絶縁電線を製造することができる。
【0032】
絶縁皮膜の残留溶剤量を上記の範囲に調整するには、当該絶縁皮膜を被覆、形成した絶縁電線を、たとえば窒素などの不活性ガス雰囲気中で熱処理してやればよい。
熱処理の条件はとくに限定されないが、220℃以上の温度で5時間以上、熱処理するのが好ましい。熱処理の温度がこれより低いか、または時間がこれより短い場合には熱処理が不十分で、絶縁皮膜の残留溶剤量を、絶縁皮膜総量の0.01重量%以下に抑えることができず、絶縁電線の端末を接合する工程で、接合部付近の絶縁皮膜が接合の熱などによって発泡しやすくなって、絶縁電線の接合性が低下するおそれがある。
【0033】
また上記絶縁皮膜は、その可とう性を考慮すると、破断伸びが50%以上であるのが好ましい。
絶縁皮膜を被覆、形成するための導体としては、銅やアルミニウムなどからなる、絶縁電線に通常に用いられる種々の導体が、いずれも使用可能であるが、とくに酸素含有量10ppm以下の低酸素銅(無酸素銅を含む)にて形成された導体が、好適に使用される。
【0034】
かかる低酸素銅製の導体を使用した場合には、絶縁電線の端末を接合する工程で、接合の熱などによって導体が加熱された際に、当該導体から発生するガス(酸素)の量を著しく少なくできるので、導体上の絶縁皮膜の発泡がさらに抑制されて、絶縁電線の接合性がさらに向上するという利点がある。
本発明の絶縁電線は、その用途などに応じて、丸線などの従来公知の種々の形状とすることができるが、とくに前述したように巻線の密度を向上させるべく、絶縁皮膜を被覆、形成した後の導体(通常は丸線)を、圧延加工によって平角状に成形して平角巻線とするのが好ましい。
【0035】
この際、本発明の構成によれば、前記のように絶縁皮膜が、導体への密着性および可とう性と、それによってもたらされる圧延加工に対する耐性とにすぐれるために、当該圧延加工によって損傷したりしない上、圧延加工後も、丸線と同様な可とう性試験に耐えることができる、すぐれた可とう性と、導体に対する良好な密着性とを保持し、巻線加工に対する耐性にもすぐれるため、当該巻線加工時に損傷したりすることもない。したがって本発明によれば、機器の電気特性の低下、生産の歩留まりの低下といった問題を生じない良好な平角巻線を得ることができる。
【0036】
圧延加工の具体的な方法としては、上記のように絶縁皮膜を被覆、形成した後の導体(丸線)を、たとえば圧延ローラによって文字通り圧延するか、あるいはカセットローラーダイスに通して引き抜いて圧延するなどの方法があげられる。
【0037】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
酸素含有量3ppmの低酸素銅にて形成された、直径2mmφの丸線状の導体の上に、まず第1絶縁層用のワニスとしてのポリアミドイミドワニス〔前出の、日立化成(株)製の商品名HI−400〕を常法にて塗布、焼き付けして、膜厚T1=0.01mmの第1絶縁層を被覆、形成した。
【0038】
つぎに、上記と同じポリアミドイミドワニス〔日立化成(株)製の商品名HI−400、樹脂分含量25重量%〕240重量部と、ポリエーテルイミド〔日本ジーイープラスチックス(株)製の商品名ウルテム1000、ガラス転移温度220℃〕40重量部とを配合するとともに、全体の樹脂分含量が20重量%になるように、N−メチル−2−ピロリドンによって希釈して調製した第2絶縁層用のワニス〔ワニス中に含まれるポリアミドイミドAと、ポリエーテルイミドBとの配合割合(重量比)A/B=60/40〕を、上記第1絶縁層の上に、やはり常法にて塗布、焼き付けして、膜厚T2=0.04mmの第2絶縁層を被覆、積層して2層構造の絶縁皮膜を形成した。両絶縁層の膜厚の比T1/T2=20/80であった。また、この時点での仕上り径は2.1mmであった。
【0039】
つぎに、上記のように絶縁皮膜を被覆、形成した導体をカセットローラーダイスに通して引き抜きくことで、縦方向および横方向から圧延したのち、窒素中で240℃で6時間、熱処理して、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
実施例2〜7、比較例1、2
第2絶縁層用のワニスにおけるポリアミドイミドAとポリエーテルイミドBとの配合割合(重量比)A/Bが85/15(比較例1)、70/30(実施例2)、65/35(実施例3)、55/45(実施例4)、50/50(実施例5)、40/60(実施例6)、30/70(実施例7)、または15/85(比較例2)となるように、ポリアミドイミドワニスに対するポリエーテルイミドの配合量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
【0040】
実施例8、比較例3
熱処理の条件を200℃で6時間(比較例3)、または220℃で6時間(実施例8)としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
実施例9
導体として、酸素含有量200ppmのタフピッチ銅にて形成された、直径2mmφの丸線状のものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
【0041】
比較例4
実施例1で使用したのと同じ導体上に、前出のポリアミドイミドワニスを常法にて塗布、焼き付けして、膜厚0.05mmの単層構造の絶縁皮膜を被覆、形成したこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
比較例5
実施例1で使用したのと同じ導体上に、実施例1で作製した第2絶縁層用のワニスを常法にて塗布、焼き付けして、膜厚0.05mmの単層構造の絶縁皮膜を被覆、形成したこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
【0042】
実施例10
第1絶縁層の膜厚T1=0.005mm、第2絶縁層の膜厚T2=0.045mm、両絶縁層の膜厚の比T1/T2=10/90としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
実施例11
第1絶縁層の膜厚T1=0.015mm、第2絶縁層の膜厚T2=0.035mm、両絶縁層の膜厚の比T1/T2=30/70としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
【0043】
比較例6
第1絶縁層の膜厚T1=0.025mm、第2絶縁層の膜厚T2=0.025mm、両絶縁層の膜厚の比T1/T2=50/50としたこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
実施例12
実施例1で使用したのと同じ導体上に、第1絶縁層用のワニスとしてのポリイミドワニス〔前出の、IST社製の商品名PyreML〕を常法にて塗布、焼き付けして、膜厚T1=0.01mmの第1絶縁層を被覆、形成したこと以外は実施例1と同様にして、絶縁電線としての平角巻線を製造した。
【0044】
上記各実施例、比較例で作製した絶縁電線(平角巻線)について、それぞれ下記の試験を行って、その特性を評価した。
残留溶剤量の測定
絶縁電線を、炉温350℃の加熱炉に入れて3分放置した後、炉内に発生したガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(GLサイエンス社製)にて溶剤量を定量したのち、サンプル中の絶縁皮膜総量に対する割合を計算して、残留溶剤量(重量%)とした。
【0045】
引張試験
絶縁電線から導体をエッチング除去して残った絶縁皮膜を、引張試験機を用いてゲージ長20mm、引張速度10mm/分の条件で引張試験した際の破断伸び(%)を求めた。
接合性試験
長さ150mmの絶縁電線をサンプリングし、その両端末を、それぞれ5mmずつ皮膜剥離した。そして、一方の端末を接地するとともにもう一方の端末の先端部に2mmの間隔をあけて溶接トーチを置き、120Aで0.2秒間、アーク放電させて、絶縁電線の端末を溶解させた。そして溶解部分の付近における絶縁皮膜の変色長さ(mm)と、絶縁皮膜の発泡の有無とによって接合性を評価した。なお試験に際しては、溶解部に、毎分およそ15リットルのArガスを流した。
【0046】
一般特性試験
日本工業規格JIS C 3003「エナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法」にしたがって、エッチワイズ2mm、フラットワイズ2mm、熱軟化温度(℃)、および絶縁破壊電圧(kV)を測定した。なおエッチワイズ2mmおよびフラットワイズ2mmの評価基準は下記の通りとした。
○:絶縁皮膜に割れなし(可とう性良好)
△:一部割れあり(可とう性やや不良)
×:割れあり(可とう性不良)
結果を表1、表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
両表より、ポリアミドイミドワニスにて単層の絶縁皮膜を形成した比較例4は可とう性が悪く、また第2絶縁層用のワニスにて単層の絶縁皮膜を形成した比較例5は耐熱性が不充分であることが判明した。
また、第1および第2の絶縁層からなる2層構造の絶縁皮膜を有していても、第2絶縁層におけるポリエーテルイミドの配合割合が本発明で規定した範囲未満であった比較例1は可とう性が低下し、逆にポリエーテルイミドの配合割合が本発明で規定した範囲を超えた比較例2は可とう性と耐熱性が低下することが判った。
【0050】
また、絶縁皮膜の残留溶剤量が0.05重量%を超えた比較例3と、0.05重量%以下であった実施例8とから、残留溶剤量が多いほど接合性が低下することが判った。
さらに第1および第2の絶縁層の膜厚比が、本発明で規定した範囲に比べて第1絶縁層の膜厚が大きい方に外れた比較例6は可とう性と接合性が低下することが判明した。
【0051】
これに対し、第1および第2の絶縁層からなる2層構造の絶縁皮膜を有し、そのうち第2絶縁層におけるポリエーテルイミドBの配合割合が、ポリアミドイミドAに対する重量比A/Bで表してA/B=70/30〜30/70の範囲内であるとともに、上記第1および第2の絶縁層の、膜厚の比T1/T2=5/95〜40/60の範囲内で、かつ残留溶剤量が絶縁皮膜総量の0.01重量%以下である実施例1〜12はいずれも、圧延加工して平角巻線とする際の耐加工性にすぐれる上、加工後の可とう性、耐熱性、および接合性も良好であることが確認された。
【0052】
また各実施例を比較すると、重量比A/B=65/35〜55/45の範囲内であるのが、とくに接合性の点で好ましいこと、また導体の酸素濃度は10ppm以下であるのが、やはり接合性の点で好ましいことが判った。
Claims (7)
- (1) ポリアミドイミド、およびポリイミドのうちの少なくとも一方からなる第1絶縁層と、
(2) ポリアミドイミドAに、ガラス転移温度140℃以上のポリエーテルイミドBを、重量比A/Bで表してA/B=70/30〜30/70の割合で配合してなる第2絶縁層と
をこの順に被覆、積層することによって、導体上に、上記第1絶縁層の膜厚T1と、第2絶縁層の膜厚T2との比T1/T2がT1/T2=5/95〜40/60の範囲内で、かつ上記第1絶縁層および第2絶縁層のもとになるワニスに由来する残留溶剤量が絶縁皮膜総量の0.05重量%以下である絶縁皮膜を形成したことを特徴とする絶縁電線。 - 第2絶縁層における、ポリアミドイミドAとポリエーテルイミドBとの配合割合が、重量比A/Bで表してA/B=65/35〜45/55である請求項1記載の絶縁電線。
- 第2絶縁層における、ポリアミドイミドAとポリエーテルイミドBとの配合割合が、重量比A/Bで表してA/B=65/35〜55/45である請求項2記載の絶縁電線。
- 第1絶縁層の膜厚T1と、第2絶縁層の膜厚T2との比T1/T2がT1/T2=5/95〜25/75である請求項1記載の絶縁電線。
- 導体が、酸素含有量10ppm以下の低酸素銅(無酸素銅を含む)によって形成されている請求項1記載の絶縁電線。
- 絶縁皮膜の破断伸びが50%以上である請求項1記載の絶縁電線。
- 絶縁皮膜を被覆、形成した後の導体を、平角巻線として使用すべく、圧延加工によって平角状に成形してなる請求項1記載の絶縁電線。
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