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JP4129336B2 - シート重量計測装置 - Google Patents

シート重量計測装置 Download PDF

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JP4129336B2
JP4129336B2 JP06134099A JP6134099A JP4129336B2 JP 4129336 B2 JP4129336 B2 JP 4129336B2 JP 06134099 A JP06134099 A JP 06134099A JP 6134099 A JP6134099 A JP 6134099A JP 4129336 B2 JP4129336 B2 JP 4129336B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置に関する。特には、車体やシートの寸法誤差や変形等によって荷重センサの性能が損なわれることのないように改良を加えたシート重量計測装置に関する。
【0002】
【背景技術】
自動車には乗員の安全を確保するための設備としてシートベルトやエアバッグが備えられる。最近では、シートベルトやエアバッグの性能をより向上させるため、乗員の重量(体重)に合わせてそれらの安全設備の動作をコントロールしようという動向がある。例えば、乗員の体重に合わせて、エアバッグの展開ガス量や展開速度を調整したり、シートベルトのプリテンションを調整したりする。そのためには、シートに座っている乗員の重量を何らかの手段で知る必要がある。そのような手段の一例として、シートの下の前後左右4隅に荷重センサ(ロードセル)を配置して、ロードセルにかかる垂直方向荷重を合計することにより乗員の重量を含むシート重量を計測する、との提案がなされている(同一出願人による特願平9−156666号、特願平10−121627号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このシート重量計測装置で正確な計測を行うためには、シートやその上の乗員(あるいは物)の重量以外の荷重がセンサにかかるのを極力排除する必要がある。そのような排除すべき荷重の1つとして、車体やシートに寸法誤差や変形があるにもかかわらずシート重量計測装置を無理に取り付けた場合に生じる荷重(本明細書では組立荷重と称する)がある。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、車体やシートの寸法誤差や変形によって荷重センサの性能が損なわれることのないシート重量計測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
上記課題を解決するため、本発明のベースとなるシート重量計測装置は、 車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって; シート内又はシートと車体との間に挿入された、シート重量の少なくとも一部を電気信号に変換する荷重センサと、 シートと車体間のズレ及び/又はたわみの吸収機構と、 を具備することを特徴とする。
【0006】
部品製作誤差や取り付け時の寸法ズレ、たわみ等に起因する組立荷重が荷重センサに伝わらないよう、荷重センサとシートあるいは荷重センサと車体間の連結保持部に上記吸収機構を設けて、車体やシートの寸法誤差を吸収させる。これにより、荷重センサにはより純粋な計測荷重(シート重量)がかかることとなり、センサの有効範囲を十分に広く利用した正確な計測が可能となる。また、荷重センサの許容範囲を超える荷重がセンサにかかるのを防止できる。
【0007】
なお、本明細書にいうシート重量計測装置の目的は、基本的にはシート上の乗員の重量を測定することである。したがって、シートそのものの重量分をキャンセルして乗員の重量のみを計測する装置も、本明細書にいうシート重量計測装置に含まれる。
【0008】
本発明においては、上記吸収機構が、上記シート重量計測装置を車体とシートに取り付け後も可動であることが好ましい。
荷重センサを車両に組込み完了後にシートに不測の荷重が加わってシートがたわんだ場合や走行時に車体がたわんだ場合にも、そのたわみが荷重センサに伝わらないように連結部で吸収できる。
【0009】
本発明のシート重量計測装置においては、上記吸収機構が、スライド機構及び回動機構を含むことが好ましい。
位置・寸法及び回転方向のズレを吸収できる。
【0010】
本発明のシート重量計測装置は、上記吸収機構の位置を規制するセンタリング機構をさらに具備することが好ましい。
【0011】
このセンタリング機構は例えば比較的弱いバネからなり、スライド機構や回動機構を、スライド可能範囲あるいは回動可能角度の中心付近に極力位置させるように働く。このセンタリング機構の作用により、シート重量計測装置取り付け後において、スライド機構や回動機構のスライド可能寸法を両方向(左右、上下、前後)に確保することができる。
【0012】
以下、図面を参照しつつ説明する。まず、図6を参照しつつ自動車のシート回りの構造を説明する。
図6(A)は、シートを車体に取り付ける部分の構造例を模式的に示す正面断面図である。図6(B)は、側面図である。なお、図中における矢印は以下の方向を示す。上:車体が水平なときの重力方向上方向、下:同下方向、前:車両前進方向、後:車両後進方向、左:車両前進方向に向かって左、右:同右。
【0013】
図6にはシート3が示されている。シート3のシートクッション3a上に人1が座る。シートクッション3aの下面は鋼板製のシートフレーム5によって支持されている。シートフレーム5は、底板5a、横板5c、縦板5e、スライド板5g等の部位からなる。底板5aはシートクッション3aの下面を覆うように広がっている。横板5cは、底板5aの下面の左右側方に沿って延びている。縦板5eは横板5cの下面中央部から垂下している。スライド板5gは、縦板5eの左右に羽根のように突出しており、さらに先端部は上方に屈曲している。
【0014】
シートレール7は、シート3の左右の下方に、前後方向に延びるように2本平行して設けられている。シートレール7の断面は、U字型をしており、内部に凹部7cが存在する。この凹部7cの上の口は前後方向に延びる溝7aとなっている。この溝7aにはシートフレーム5の縦板5eが入っている。
シートレール7の凹部7c内には、シートフレーム7のスライド板5gが入っている。スライド板5gはシートレール7内で前後方向にスライド可能である。
【0015】
シートレール7の下面にはシート重量計測装置9が連結されている。シート重量計測装置9は、前後方向に延びる細長い箱状の外形をしている。このシート重量計測装置9の詳細については後述する。
シート重量計測装置9の下面の前後端部にはシートブラケット11が取り付けられている。このシートブラケット11は車体のシート取付部13にボルト等により固定されている。
【0016】
図2は、本発明の1実施例に係るシート重量計測装置の全体構成を示す図である。(A)は平面図、(B)は側面断面図、(C)及び(D)は正面断面図である。なお、図2(A)、(B)において後方の約半分の部分は図示省略されている。
図3は、センサ板周りの詳細構成を示す一部破断斜視図である。
図4は、センサ板の詳細構成を示す平面図である。
図5は、センサ板とハーフアームの関係を示す図である。(A)は平面図、(B)は無荷重状態の側面図、(C)は荷重がかかった状態を模式的に示す側面図である。
【0017】
このシート重量計測装置9は細長いベース21を基体として構成されている。ベース21は、車体に取り付けたときに前後方向に長く延びており、図2(C)、(D)に示すように、正面断面が上向きコの字状の鋼板プレス品である。ベース21の断面の底の部分を底板21cと呼び、底板21cの左右端から90°曲がって上に立ち上がる部分を側板21aと呼ぶ。
【0018】
ベース側板21aには、前後それぞれ2カ所ずつのピン孔21e、21gが開けられている。各孔21e、21gは、左右の側板21a、21a′に対向して開けられている。
端寄りの孔21eは、ベース21の前後端からベース21全長の約1/8程度中央に寄った部位に開けられている。同孔21eは、図2(B)に示すように上下に長く延びる長孔である。この長孔21e内には、ブラケットピン27の端部が入っている。
【0019】
しかし、ブラケットピン27と長孔21eの上下・左右には隙間があって、通常はブラケットピン27が長孔21eの内縁に触れることはない。しかしながら、このシート重量計測装置9(具体的にはピンブラケット25の部分)に過大な荷重がかかったときには、ブラケットピン27が下がって長孔21eの下縁に当たり、超過荷重は荷重センサ(センサ板51、詳細後述)には伝わらない。つまり、ピン27と長孔21eは、センサ板51に加える荷重の上限を制限する機構の一部を構成する。なお、ブラケットピン27の主な役割は、ピンブラケット25にかかるシート重量をZアーム23に伝えることである。
【0020】
長孔21eのやや中央寄り(ベース21全長の約1/10中央寄りのところ)にはピン孔21gが開けられている。同孔21gには、ベースピン31が貫通している。ベースピン31は、左右のベース側板21a、21a′間を掛け渡すように存在する。ピン31の左右の端部にはリテーナー33が取り付けられており、ベースピン31がベース21に固定されている。なお、ベースピン31はZアーム23の回動中心軸である。
【0021】
Zアーム23は、ベース21の内側に配置されている。Zアーム23の平面形状は、中央寄りが左右二叉に分かれ(叉部23h)、前後端寄りが長方形をしている。Zアーム23の前後端寄りの半分の部分の左右端部には、上方に90°折り返された側板23aが形成されている。叉部23hは単なる平たい板である。側板23aは、ベース21の側板21aの内側に沿っている。ただし、両側面23a、21a間には隙間がある。
【0022】
Zアーム側板23aにも2カ所のピン孔23c、23eが開けられている。前後端寄りのピン孔23cにはブラケットピン27が貫通している。ピン孔23cとブラケットピン27とは、ほとんど摺動しない。中央寄りのピン孔23eにはベースピン31が貫通している。ベースピン31は、Zアーム23の回動中心であり、ピン孔23eとベースピン31の間では、Zアーム23の回動分だけ摺動がある。ベースピン31外周のベース側板21aとZアーム側板23aの間には、孔開き円板状のスペーサ35がはめ込まれている。
【0023】
Zアーム23の叉部23hは、ほぼZアーム23の全長の半分の長さである。同部23hは、左右に分かれて前後方向中央寄りに延びており、中央寄りでは巾狭となっている。Zアーム叉部23hの先端の作用部23jは、図3や図5に示すように、上下のハーフアーム41、42の羽根部41a、42aの間にはさまれている。
ピンブラケット25に荷重がかかると、Zアーム23はわずかに回動して(最大約5°)、作用部23jはハーフアーム41、42を介してセンサ板51に荷重を伝える。
【0024】
ピンブラケット25は、図2(C)に示すように断面形状が下向き略コの字状である。前後方向の長さは、ベース21のほぼ1/20とあまり長くない。ピンブラケット25の上面25aは平らであり、ここに図6に示すシートレール7が載る。両者の間は、ボルト締結等により強固に連結される。
【0025】
ピンブラケット25の左右側板25bは同ブラケット25の左右に垂下しており、その下端部は内側寄りに曲がっている。側板25bはZアーム側板23aの内側に遊びを持たせて配置されている。側板25bにはピン孔25cが開いている。この孔25cには、ブラケットピン27が貫通している。ピン孔25cの寸法はブラケットピン27の径よりも大きい。両者の隙間によりシートや車体の寸法誤差や不測の変形を吸収する。
【0026】
ピンブラケット25の左右側板25bと左右のZアーム側板23aの間には、バネ板29がはさまれている。バネ板29は、孔の開いたバネ座金状の部分を有し、ブラケットピン27の外側に隙間を持たせてはめ込んである。このバネ板29は、ピンブラケット25を中央方向に付勢するセンタリング機構を構成する。このようなセンタリング機構は、ピンブラケット25をスライド可能範囲の中心付近に極力位置させる。このセンタリング機構の作用により、シート重量計測装置取り付け後において、スライド機構や回動機構の可動範囲を両方向(左右、上下、前後)に確保することができる。
【0027】
次にセンサ板51周りの構成について説明する。
まずセンサ板51自体の構成を説明する。
図4は、本発明の1実施例に係るシート重量計測装置のセンサ板の構成例を示す図である。図4(A)はセンサ板の平面図であり、(B)は(A)の線X−X′で切った側面断面図であり、(C)はセンサの回路図である。
【0028】
センサ50の母材であるセンサ板(バネ材)51の上には、電気絶縁のための絶縁層(下絶縁層)52が形成されている。この絶縁層52の上に配線層53が選択的に形成されている。さらに、この配線層53の上に抵抗層54が選択的に形成され、ストレインゲージが構成されている。そして、それらの保護膜としての絶縁層(上絶縁層)55が形成されている。このように、バネ材51の上に抵抗などの電気回路を直接に積層形成しているので、加工コストや組付けコストを低減でき、さらに耐熱性や耐腐食性を向上できる。
【0029】
センサ板51は、全体として二カ所のくびれの入った長方形の板である。センサ板51の中央部には中心軸孔51aが開けられている。センサ板51の両端部には、ボルト孔51bが開けられている。中心軸孔51aの周縁から中心軸孔51aと両ボルト孔51bの間にかけて、センサ50が形成されている。荷重センサ50の形成領域のうち中心軸孔51aと両ボルト孔51bの間の領域51cには、両側にV字状にえぐられたくびれが設けられている。このくびれにより、センサ板51が変形する部分が位置的に固定されるため、センサ50の表面歪の位置変化も固定され感度が安定となる。
【0030】
センサ50は、中心軸孔51aの中心に対してほぼ左右対称に配置されている。センサ50を構成する4個の歪抵抗は、ボルト孔51b寄り(端寄り)に引張歪側の2個の歪抵抗54a,54bが配置されており、中心軸孔51a寄り(中央寄り)に、圧縮歪側の2個の歪抵抗54c,54dが配置されている。そして、4個の歪抵抗54a,54b,54c,54dは、図4(C)のようなブリッジ回路を形成するように、配線53a,53b,53c,53dにより接続されている。なお、図中の四角の中に1、2、3、4の数字が入っているものは端子を示す。
【0031】
歪抵抗54a,54cと歪抵抗54b,54dの間には、感度調整抵抗54eが配置されている。
なお、歪抵抗54a,54b,54c,54dによってセンサ板51の歪を検出する代わりに、静電容量センサやホール素子等によってセンサ板51のたわみを検出し、そのたわみを荷重に換算してもよい。
【0032】
センサ板51は、図3、5に示すように、ベース底板21cの中央部において、コラム63上に、座金67、ナット68により強固に固定されている。
【0033】
ハーフアーム41、42は、図3及び図5に示すように前後・上下4枚組みの部品であって、センサ板51の前後を上下から挟むように組み込まれている。個々のハーフアーム41、42は同じ形状をしているので、上ハーフアーム41について説明する。
ハーフアーム本体部41cは、長方形の板状のものであってその中央部には取付孔41e(図5(B))が開いている。本体部41cの中央寄りの縁部には、左右方向に延びる羽根部41aが突設されている。羽根部41aの裏面には、左右方向に延びる堤状の支点41bが形成されている。支点41bの先はやや尖った稜となっている。
【0034】
次に、上下ハーフアーム41、42、センサ板51、Zアーム作用部23jの組み立て構造について説明する。
上ハーフアーム41の本体部41cの下面及び下ハーフアーム42の本体部42cの上面はフラットな面であって、センサ板51の表面にピッタリ合わせて固定されている。上下のハーフアーム41、42の羽根部41a、42aは、支点41b、42b同士を対向させて向かい合っている。両支点41b、42bの間にはZアーム23の作用部23jが挟まれている。なお、支点の位置は、2枚のストレインゲージ54a、54cあるいは54d、54bのちょうど中間(センサ板51のくびれ部51c)に位置する。
【0035】
シート重量計測装置9のピンブラケット25に荷重がかかると、Zアーム23がわずかに回動してその作用部23jが上に持ち上げられる。このときのセンサ板やハーフアームの様子を模式的に誇張して示すのが図5(C)である。
Zアーム作用部23jが持ち上げられると、上ハーフアーム41の支点41bが持ち上げられる。このため、センサ板51の前後方向端部にモーメントMがかかる。このモーメントMにより、前後方向端部のストレインゲージ54a、54bは引っ張られ、中央部のストレインゲージ54c、54dは圧縮される。これによる各ストレインゲージの抵抗変化を電気信号とに取り出して、センサ板の歪ひいてはピンブラケット25にかかる荷重を計測する。
【0036】
次に、本実施例のシート重量計測装置のズレ/たわみ吸収機構の全様についてまとめて説明する。
図1は、本実施例のシート重量計測装置のズレ/たわみ吸収機構を示す図である。(A)は分解斜視図であり、(B)はピンブラケット部の正面断面図である。ピンブラケット25は、シートレール7にボルト等によって強固に固定される。シート重量計測装置9の各部の構成と組み立て関係は、図3を参照しつつ前述したとおりである。
車体の上下方向に対しては、ピンブラケット25のピン孔25cとブラケットピン27の隙間でズレを吸収する。その定量的な構成については後述する。
車体の前後方向に対しては、ピンブラケット25のピン孔25cを長孔としてズレを吸収する。
車体の左右方向に対しては、ピンブラケット側板25bとZアーム側板23aの間の隙間でズレを吸収する。なお、この部分はバネ板29によるセンタリング機構が備えられている。
【0037】
車体の上下方向を軸とした回動に対しては、主にピンブラケット側板25bとZアーム側板23aの間の隙間でズレを吸収する。
車体の前後方向を軸とした回動に対しては、主に車体の上下方向と同じく、ピンブラケット側板25bとZアーム側板23aの間の隙間でズレを吸収する。
車体の左右方向を軸とした回動に対しては、主にピンブラケット25のブラケットピン27回りの回動で吸収する。
【0038】
次に吸収機構の定量的な構成について説明する。
本実施例のシート重量計測装置の吸収機構は、車体の上下方向に対して以下LUD[mm]以上スライド可能である。
UD=β{(H1 +H2 )/4α+F}
β:吸収機構の上下方向の単位荷重当りのたわみ量[mm/kgf ]
1 :シートの脚部の上下寸法誤差[mm]
2 :車体側のシート固定部の上下寸法誤差[mm]
α:シートの脚部の前後左右の4脚の内の3脚を固定して残りの1脚を上下にたわませた時の単位荷重当りのたわみ量[mm/kgf ]
F:シートの1カ所の脚部で計測する重量の最小計測範囲[kgf ]。
【0039】
図7は、車体の上下方向に対する吸収機構のスライド可能寸法を検討する際の考え方を説明するための図である。
図7(A)は、シート側の寸法誤差を示す。シート脚部を平面10に置いた時に、前後左右いずれか1カ所の脚部(ブラケット11)が誤差H1 だけ浮いた状態となる。なお、ここでシートとは、シートフレーム(図6の符号5)とシートレール(図6の符号7)を合わせた意味である。
【0040】
図7(B)は、車体のシート取付部13の上下方向の寸法誤差を示す。このシート取付部も、前後左右の4カ所のシート取付部のうち3カ所の作る平面10を基準面とすると、残り1カ所のシート取付部に誤差H2 が存在する。
【0041】
図7の状態でH1 浮いている脚部11をH2 沈んでいるシート取付部13に強制的に押し付けて組み立てることとなる。このとき、シートのたわみによりその脚部に生じる力FA (組立荷重)は、他の3か所の取付部が変形しないと考えた最悪の状態で以下である。
A =(H1 +H2 )/α・・・・・(1)
また、4か所の取り付け部に吸収機構がある場合は、4か所にたわみの吸収が分散されるため脚に生じる力FA は以下となる。
A =(H1 +H2 )/4α・・・・・(1′)
一方、吸収機構が吸収すべき上下方向にスライド寸法LUDは、上下方向のセンター位置から以下である。
UD=β(FA +F)・・・・・(2)
この式の意味は次のとおりである。すなわち、シート重量計測装置にかかりうる荷重の合計値である、FA (組立荷重)と、FS (シート自体)及びFM (シート上の人または物)の和であるFとの合計に、荷重センサ機構の上下方向の単位荷重当りのたわみ量であるβをかけた値だけ荷重センサ機構が変形する可能性がある。この変形代を吸収機構が吸収すればよい。
上記(1′)式と(2)式から以下となる。
UD=β{(H1 +H2 )/4α+F}・・・・・(3)
【0042】
設計値の一例を以下に示す。
寸法公差(H1 +H2 )=±5mm
4α=0.25mm/kgf
F=60kgf
β=0.02mm/kgf
UD=0.02×80kgf =1.6mm
【0043】
次に、車体の左右方向に対する吸収能力について説明する。
シート重量計測装置を車体に組込み完了後、シートに荷重が加わった時、シートのたわみによる負荷や走行時の車体のたわみによる負荷が発生する。この負荷を荷重センサに伝えないようにたわみを連結部で吸収する。この吸収するたわみの幅は、以下の計算式によって与えられる。
【0044】
すなわち、本実施例の吸収機構は、車体の左右方向に対して以下LLR以上スライド可能である。
LR=ax+by+c−LS
x:左右方向シート中心からシート脚部中心までの寸法[mm]
a:単位荷重当りの(荷重計測範囲内における?)上記xの変化率、a=Δx/x
b:単位荷重当りの(荷重計測範囲内における?)シート脚部の中心位置に対するシート脚部下面の中心位置の水平方向のズレ角度θの正玄値(sinθ)
y:シート脚部の高さ[mm]
c:シート中心からシート脚部中心位置までの寸法公差[mm]
S :荷重センサが許容するズレ量[mm]。
【0045】
図8は、吸収機構の車体左右方向のスライド可能寸法を検討する考え方を説明するための図である。(A)は荷重がかかる前を示し、(B)は荷重がかかった後を示す。
図8には、シート3、シートフレーム5及びシートブラケット11が示されている。なお、シートフレーム5はシートレール7をも含むものとして示されている。
【0046】
図8(A)において、シートの左右方向中心から左右のシート脚部中心Z1 までの寸法がXである。
また、シートブラケット11高さがyである。
図8(B)において、シート3上に荷重がかかったとき、xはx′に変化し、シートレール11の上下中心軸はθだけ傾く。このため、シートの脚部中心とシートブラケットの中心とはx′−x=Δx とysinθの和だけズレる。
ここでΔx=ax、ysinθ=byと表すことができる。
さらに、元々の寸法公差cも吸収機構が吸収しなければならない。これら3番の総和から荷重センサの許容するズレ量LS を引いた寸法が下式に示される吸収機構の左右方向のスライド寸法LLRとなる。
LR=ax+by+c−LS
【0047】
x=250mm、y=20mmの場合における設計数値の一例を以下に示す。
a=0.002〜0.005
b=0.01〜0.07
c=0.1〜1mm
S =1.3〜2.5mm
LR=1.3〜2.0mm
【0048】
図9は、本発明の他の1実施例に係るシート重量計測装置の構成を示す側面断面図である。
この例のシート重量計測装置100は、シートレール7と車体のシート取付部11の間、あるいはシートフレーム5とシートレール7の間に取り付けられる。シート重量計測装置100は、ロードセル105、中空サスペンション103、XYスライド102等を備える。
【0049】
ロードセル105はストレインゲージを内蔵しシート重量を計測する。ロードセル105は固定板107によってシート取付部11に固定されている。
中空サスペンション103は、ロードセル105に荷重を伝える部材である。中空サスペンション103は、中空の比較的薄い肉厚の部材である。したがって、中空サスペンション103は、上下、前後左右に弾性変形可能である。
【0050】
XYスライド102は、円板状の部材である。そして、円板状の凹部101aを有するベース101の該凹部101aに、ある程度隙間を有した状態で嵌合している。凹部101a内でXYスライド102は前後、左右方向(XY方向)にスライド可能である。
上記中空サスペンション103及びXYスライド102が、このシート重量計測装置100における吸収機構を形成する。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、車体やシートの寸法誤差や変形によって荷重センサの性能が損なわれることのないシート重量計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のシート重量計測装置のズレ/たわみ吸収機構を示す図である。(A)は分解斜視図であり、(B)はピンブラケット部の正面断面図である。
【図2】本発明の1実施例に係るシート重量計測装置の全体構成を示す図である。(A)は平面図、(B)は側面断面図、(C)及び(D)は正面断面図である。
【図3】センサ板周りの詳細構成を示す一部破断斜視図である。
【図4】センサ板の詳細構成を示す平面図である。
【図5】センサ板とハーフアームの関係を示す図である。(A)は平面図、(B)は無荷重状態の側面図、(C)は荷重がかかった状態を模式的に示す側面図である。
【図6】(A)は、シートを車体に取り付ける部分の構造例を模式的に示す正面断面図である。図6(B)は、側面図である。
【図7】車体の上下方向に対する吸収機構のスライド可能寸法を検討する際の考え方を説明するための図である。
【図8】吸収機構の車体左右方向のスライド可能寸法を検討する考え方を説明するための図である。(A)は荷重がかかる前を示し、(B)は荷重がかかった後を示す。
【図9】本発明の他の1実施例に係るシート重量計測装置の構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 人 3 シート
3a シートクッション 5 シートフレーム
5a 底板 5c 横板
5e 縦板 5gスライド板
7 シートレール 7a 溝
7c 凹部 9 シート重量計測装置
11 シートブラケット 13 車体(シート取付部)
21 ベース 21a 側板
21c 底板 21e 長孔(ピン孔)
21g ピン孔 23 Zアーム
23a 側板 23c ピン孔
23e ピン孔 23f 底板
23h 叉部 23j 作用部
25 ピンブラケット 25a 上面
25b 側板 25c 孔
27 ブラケットピン 29 バネ板
31 ベースピン 33 リテーナー
41 上ハーフアーム 41a 羽根部
41b 支点 41c 本体部
42 下ハーフアーム 43 ビス
50 センサ部 51 センサ板
54 ストレインゲージ 63 コラム
68 ナット 69 ビス

Claims (2)

  1. 車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって;
    シート内又はシートと車体との間に挿入された、シート重量の少なくとも一部を電気信号に変換する荷重センサと、
    シートと車体間のズレ及び/又はたわみの吸収機構と、
    を具備し
    上記吸収機構が、車体の上下方向に対して以下L UD mm ]以上スライド可能であることを特徴とするシート重量計測装置:
    UD =β{(H 1 +H 2 )/4α+F}
    β:吸収機構の上下方向の単位荷重当りのたわみ量[ mm kgf
    1 :シートの脚部の上下寸法誤差[ mm
    2 :車体側のシート固定部の上下寸法誤差[ mm
    α:シートの脚部の前後左右の4脚の内の3脚を固定して残りの1脚を上下にたわませた時の単位荷重当りのたわみ量[ mm kgf
    F:シートの1カ所の脚部で計測する重量の最小計測範囲[ kgf ]。
  2. 車両用シートに座っている乗員の重量を含むシート重量を計測する装置であって;
    シート内又はシートと車体との間に挿入された、シート重量の少なくとも一部を電気信号に変換する荷重センサと、
    シートと車体間のズレ及び/又はたわみの吸収機構と、
    を具備し、
    上記吸収機構が、車体の左右方向に対して以下LLR以上スライド可能であることを特徴とするシート重量計測装置:
    LR=ax+by+c−LS
    x:左右方向シート中心からシート脚部中心までの寸法[mm]
    a:荷重計測範囲における上記xの変化率、a=Δx/x
    b:荷重計測範囲におけるシート脚部の中心位置に対するシート脚部下面の中心位置の水平方向のズレ角度θの正玄値(sinθ)
    y:シート脚部の高さ[mm]
    c:シート中心からシート脚部中心位置までの寸法公差[mm]
    S :荷重センサが許容するズレ量[mm]。
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