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JP4126679B2 - フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調整機等に送る空気や、人間等に吸引される空気から粉塵,塵埃,花粉,霧状の微粒子等(以下「粉塵等」という)を除去するフィルタ、特に、慣性,遮りの濾過作用と静電気とによって粉塵等を捕集するエレクトレットフィルタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリプロピレン系合成樹脂等をメルトブロー紡糸したメルトブロー不織布からなるエレクトレットフィルタ(以下「メルトブロー不織布のエレクトレットフィルタ」という)は、繊維径が極細で、繊維間距離が狭い、即ち空隙率が小さくて、粉塵等を捕集する性能(以下「捕集効率」という)が高い上、繊維は成形,溶着等の後加工が容易な性質を有するため、プレフィルタ層,捕集フィルタ層及び保型フィルタ層を積層した状態で加熱成形して型抜きする使い捨ての防塵マスク等の捕集フィルタ層として主に使用されている。
【0003】
又、羊毛とポリエステル等の合成繊維とを混合した不織布に特殊な樹脂を付着させた上、機械的二次加工を施して繊維に帯電加工した不織布からなるエレクトレットフィルタ(以下「帯電加工不織布のエレクトレットフィルタ」という)〔特公平3−31483号公報及び特公平3−63406号公報参照〕は、厚みのあるフィルタ層全体で粉塵等を捕集するため、粉塵等の保持容量が大きい上、通気時の圧力損失(以下「通気抵抗」という)の上昇も緩やかなので、取替式マスク等の捕集フィルタとして主に使用されている。
【0004】
ところで、一般的に、エレクトレットフィルタは、粉塵等を含む空気を通し続ける試験を行うと、粉塵等が静電作用によりフィルタに吸着,捕集されて、粉塵等の保持量或いは堆積量が増加するが、接触した粉塵等によって帯電した繊維が放電してしまうため、静電気が次第に低下して、捕集効率が低下する傾向にあるものの、粉塵等が保持されたり、堆積して、エレクトレットフィルタが目詰りしてくると、目詰りによる濾過作用が起きて、捕集効率が逆に上昇し始める特性があり、この捕集効率が低下から上昇に転ずるときのボトム値がこの特性における最小捕集効率となる。
【0005】
又、エレクトレットフィルタは、空気の流れが早くなると、粉塵等の捕集効率が低下するので、フィルタの空隙率を低下させて、濾過作用を大きくする必要がある。
【0006】
そこで、繊維がウェッブ状態で、空隙率が高すぎて、フィルタとしてそのまま使用することができない帯電加工不織布のエレクトレットフィルタは、ニードルパンチング法で繊維を上下に絡ませてフェルト状に加工することにより、空隙率を低下させることが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、メルトブロー不織布のエレクトレットフィルタは、粉塵等をフィルタの表面で集中的に捕集するため、フィルタの表面が短時間に目詰まりして、フィルタ内部に粉塵等を保持できないという課題と、フィルタの目詰りにより通気が阻害されて、通気抵抗が急激に上昇するため、長時間の使用に耐えられないという課題があった。
【0008】
このエレクトレットフィルタの課題を解決するには、フィルタの面積を拡大すれば、ある程度改善できるが、例えば、人間の顔面に着ける使い捨ての防塵マスクであれば、その拡大できる面積にも自ずと限度があり、この課題の根本的な解決策とはならない。
【0009】
又、帯電加工不織布のエレクトレットフィルタは、捕集フィルタ層が厚く、繊維が樹脂加工されているため、成形,溶着等の後加工が困難で、用途が限定されるという課題がある。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、粉塵等の捕集効率が高く、フィルタ内部に粉塵等を捕集して保持できる量が多くて、粉塵等の堆積による通気抵抗の上昇が緩やかで、長時間の使用に耐えられるフィルタを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、合成樹脂をメルトブローして製造した繊維径7〜15μmの極細繊維からなるエレクトレット化されたメルトブロー不織布と、このエレクトレット化されたメルトブロー不織布と、少なくとも繊維径15μm以上の羊毛及び合成繊維を樹脂加工して機械的に二次加工を施した帯電加工繊維とを解繊して混合した混合ウェッブと、スパンボンド不織布からなるプレフィルタとを順次積層したフィルタである。なお、スパンボンド不織布の代わりに、エレクトレット化されたメルトブロー不織布と混合ウェッブとに積層した状態で切断及び熱溶着できる不織布を積層してもよい。
【0012】
請求項3に係る発明は、合成樹脂をメルトブローして製造した繊維径7〜15μmの極細繊維からなるエレクトレット化されたメルトブロー不織布に、このエレクトレット化されたメルトブロー不織布と、少なくとも繊維径15μm以上の羊毛及び合成繊維を樹脂加工して機械的に二次加工を施した帯電加工繊維とを解繊して混合した混合ウェッブをクロスレイヤー方式で折り畳みながら積層し、且つ、スパンボンド不織布からなるプレフィルタを更に積層するフィルタの製造方法である。なお、スパンボンド不織布の代わりに、エレクトレット化されたメルトブロー不織布と混合ウェッブとに積層した状態で切断及び熱溶着できる不織布を積層してもよい。
【0013】
本発明によれば、繊維径が極細のメルトブロー紡糸の繊維に、その繊維径より太い繊維径で、倦縮性及び繊維長を有する羊毛繊維を混合することにより、メルトブロー紡糸の繊維単体では困難であったウェッブ状への加工が容易となる上、層の厚みを保持する繊維の混合割合を調整して繊維間空隙率を変化させることにより、粉塵等の捕集効率が高く、フィルタ内部に粉塵等を捕集して保持できる量が多くて、通気抵抗の上昇が緩やかで、長時間使用することができるようになる。
【0014】
又、本発明によれば、羊毛と合成繊維とを混合して機械的二次加工を施すことにより帯電加工した不織布からマスク等を型抜きした後の原反を原料とすることもできる上、混合ウェッブを製造するカード機は繊維をウェッブ状に加工する一般的な機械で、エアーレイ等の加工機械より低価格であるため、製造原価を安くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のフィルタの一部を破断した部分斜視図で、このフィルタは、合成樹脂をメルトブローして製造した繊維径7〜15μmの極細繊維からなるメルトブロー不織布1と、このメルトブロー不織布1と、裁断布等の繊維と、少なくとも繊維径15μm以上の羊毛及びポリエステル,ポリアミド,ポリプロピレン等の合成繊維(以下「羊毛を基材とする繊維」という)を樹脂加工して機械的に二次加工を施した帯電加工繊維とを解繊して混合した上、クロスレイヤー方式で折り畳まれた混合ウェッブ2と、スパンボンド不織布3とを順次積層したものである。
【0016】
このように、極細の合成繊維からなるメルトブロー不織布をウェッブに多く混合した混合ウェッブ2を使用することにより、空隙率が低下して、空気の流れが早くても、捕集効率が高く且つ保持量が多くなると共に、溶着し易くなって、使い捨て式マスク等にも加工できるようなる。
【0017】
(製造方法)
次に、本発明のフィルタの原反の製造方法について説明する。
【0018】
フィルタ原反(図示しない)、すなわちメルトブロー紡糸繊維のエレクトレットフィルタと羊毛を基材とする繊維からなる帯電加工樹脂のエレクトレットフィルタとは、それぞれ、ベルトコンベア4によって矢印X方向に搬送されて、矢印Y方向に回転する解繊機5のスパイク,ストリッパーローラ,ビータ6等によって繊維が解かれ且つ除塵される〔以下「解繊」という(図2参照)〕。
【0019】
そして、解繊機5で解繊されたメルトブロー紡糸繊維のエレクトレットフィルタの繊維は、ブロワー7によってダクト8からサイクロン9に送られて、繊維長1〜20mmの短繊維に分級された上、この繊維を原料Aとしてホッパ10に送る(図2及び図3参照)。
【0020】
又、解繊機5で解繊された帯電加工繊維のエレクトレットフィルタの繊維は、ブロワー7によってダクト8からサイクロン11に送って、繊維長10〜50mmの長繊維を分級し、この繊維を原料Bとしてホッパ12に送る(図3参照)。
【0021】
そこで、定量の原料Aをホッパ10から連続して送り出して、矢印Z方向に走行するベルトコンベア13(図3参照)の上に原料Aを層状に堆積させると共に、定量の原料Bをホッパ12から連続して送り出して、ベルトコンベア13の上の層状の原料Aの上に更に層状に原料Bとの混合比率A:Bを調整する。
【0022】
即ち、エレクトレット化されたメルトブロー不織布1を解繊した原料Aと、樹脂加工及び機械加工によって帯電処理された羊毛を基材とする原料Bとの混合比率A:Bは、ホッパ10からの原料Aの供給量とホッパ12からの原料Bの供給量とを調整することによって設定できる。本発明において混合比率A:Bは重量比で90:10〜30:70の範囲で調整可能であるが、70:30程度が最適である。
【0023】
次に、ベルトコンベア13の上に層状に堆積させた2種類の原料A及び原料Bを図3のカード機14に送って、原料Aの極細のメルトブロー繊維と、原料Bの繊維径が太く、倦縮性及び繊維長を有する羊毛繊維とを混合し、且つ、原料Aの短繊維を原料Bの長繊維に機械的に絡ませると、メルトブロー不織布に比較して繊維の充填密度の低い混合ウェッブ2が形成されると共に、このとき原料A及び原料Bに加わる機械的外力によって、混合ウェッブ2の繊維の表面に静電気を生じる。
【0024】
このようにして形成された混合ウェッブ2は、クロスレイヤー積層機15(図3及び図4参照)に送られて、ベルトコンベア16の上に積載されて搬送されてくる通気抵抗の低いポリエステル系の繊維によってスパンボンド方式で製造した不織布3(以下「スパンボンド不織布3」という)の上に、クロスレイヤー方式で折り畳まれながら積層される。
【0025】
そして、スパンボンド不織布3の上にクロスレイヤー方式で折り畳み積層した混合ウェッブ2の上に更にメルトブロー不織布1を積層して、繊維の密度勾配を付けた原反17が巻取軸18に巻き取られていく(図4参照)。
【0026】
なお、メルトブロー不織布と混合ウェッブとに積層した状態で切断及び熱溶着できる不織布であれば、スパンボンド不織布3に限定されるものではない。
【0027】
(性能)
次に、本発明のフィルタの性能、特に捕集効率、通気抵抗及び堆積量について説明する。
【0028】
図5及び(表1)は、粒径2μm以下の石英の粉塵が濃度30mg/m3,線速6.7cm/secで流れるように通気しているときの、メルトブロー不織布1と混合ウェッブ2とスパンボンド不織布3とを積層した本発明の実施例のフィルタ(イ)と、メルトブロー不織布1とスパンボンド不織布3とを積層した従来例のフィルタ(ロ)と、混合ウェッブ2とスパンボンド不織布3とを積層した参考例のフィルタ(ハ)とにおける粉塵の堆積量と捕集効率或いは通気抵抗との関係を示したものである。
【0029】
なお、捕集効率の測定は、光散乱方式により、フィルタサンプルの前側と後側との粉塵等の濃度差から求め、通気抵抗はフィルタサンプルの上流側と下流側との圧力差から求めた。
【0030】
【表1】
Figure 0004126679
【0031】
図5及び(表1)に示すように、捕集効率は、石英の粉塵の堆積量が0mgから50mgまで増加する間に、本発明の実施例のフィルタ(イ)によると、初期値の99.95%から最小値の99.88%まで0.07%低下するだけで、捕集効率は一様に高く且つ捕集効率の低下もほとんど見られないのに対して、従来例のフィルタ(ロ)によると、静電気の低下に伴って初期値の99.16%から最小値の99.01%まで0.15%も低下し、参考例のフィルタ(ハ)によると、初期値の97.41%から最小値の92.57%まで4.84%も急激に低下してしまう。
【0032】
又、通気抵抗は、石英の粉塵の堆積量が0mgから50mgまで増加する間に、本発明の実施例のフィルタ(イ)によると、初期値の4.6mmH2Oから50mg堆積時の12.3mmH2Oまで7.7mmH2O上昇し、参考例のフィルタ(ハ)によると、初期値の1.4mmH2Oから50mg堆積時の7.3mmH2Oまで5.9mmH2O上昇するだけで、通気抵抗の上昇はほとんど見られない。しかし、参考例(ハ)は捕集効率が低くて粉塵等の透過量が多いために、通気抵抗の上昇が低いともいえるので、捕集用フィルタとして適さない。これに対して、従来例のフィルタ(ロ)によると、粉塵の堆積によるフィルタの目詰りに伴って初期値の3.5mmH2Oから50mg堆積時の28.3mmH2Oまで24.8mmH2Oも急激に上昇してしまう。
【0033】
この結果、本発明の実施例のフィルタ(イ)によれば、粉塵の捕集効率の向上と、フィルタ内部に粉塵等を捕集して保持できる量の増加とが容易に図れると共に、長時間の使用も可能になる。
【0034】
図6及び表1は、粒径2μm以下の石英の粉塵が濃度30mg/m3,線速6.7cm/secで流れるように通気しているときの、メルトブロー不織布1と混合ウェッブ2とスパンボンド不織布3とを積層した本発明の実施例のフィルタ(イ)と、1枚のメルトブロー不織布1とスパンボンド不織布3とを積層した従来例のフィルタ(ロ)と、2枚重ねのメルトブロー不織布1とスパンボンド不織布3とを積層した参考例のフィルタ(ニ)とにおける粉塵の堆積量と捕集効率或いは通気抵抗との関係をそれぞれ示したものである。
【0035】
図6及び(表1)に示すように、捕集効率は、石英の粉塵の堆積量が0mgから50mgまで増加する間に、本発明の実施例のフィルタ(イ)によると、初期値の99.95%から最小値の99.88%まで0.07%低下し、参考例のフィルタ(ニ)によると、初期値の99.89%から最小値の99.87%まで0.02%低下するだけで、本発明の実施例のフィルタ(イ)と参考例のフィルタ(ニ)とは共に捕集効率が一様に高く且つ捕集効率の低下もほとんど見られないのに対して、従来例のフィルタ(ロ)によると、初期値の99.16%から最小値の99.01%まで0.15%も低下してしまう。
【0036】
又、通気抵抗は、本発明の実施例のフィルタ(イ)によると、初期値の4.6mmH2Oから50mg堆積時の12.3mmH2Oまで7.7mmH2O上昇するだけで、通気抵抗の上昇はほとんど見られないのに対して、従来例のフィルタ(ロ)によると、粉塵の堆積によるフィルタの目詰りに伴って初期値の3.5mmH2Oから50mg堆積時の28.3mmH2Oまで24.8mmH2Oも急激に上昇し、参考例のフィルタ(ニ)によると、初期値の5.2mmH2Oから50mg堆積時の29.7mmH2Oまで24.5mmH2Oも急激に上昇してしまう。
【0037】
この結果、本発明の実施例のフィルタ(イ)によれば、粉塵の捕集効率の向上とフィルタ内部に粉塵等を捕集して保持できる量の増加とが容易に図れると共に、長時間の使用も可能になる。
【0038】
図7及び表2は、粒径2μm以下の石英の粉塵が濃度30mg/m3,線速6.7cm/secで流れるように通気しているときの、メルトブロー不織布の解繊体が70%、羊毛を基材とした不織布の解繊体が30%からなる原料をウェッブ状にした本発明の実施例の混合ウェッブ(ホ)と、羊毛を基材として帯電加工した不織布の解繊体が100%の原料をウェッブ状にした上、ニードルパンチング加工によってフェルト状に加工した参考例のウェッブ(ヘ)とにおける粉塵の堆積量と捕集効率或いは通気抵抗との関係をそれぞれ示したものである。
【0039】
【表2】
Figure 0004126679
【0040】
図7及び(表2)に示すように、捕集効率において、本発明の実施例の混合ウェッブ(ホ)の初期値が97.81%であるのに対して、参考例のウェッブ(ヘ)の初期値が99.52%で、参考例のウェッブ(ヘ)の初期値の方が高いのは、参考例のウェッブ(へ)が樹脂加工されたときの帯電作用(特公平3−31483号公報及び特公平3−63406号公報参照)によるものであり、又、本発明の実施例の混合ウェッブ(ホ)の最小値が94.17%であるのに対して、参考例のウェッブ(へ)の最小値が91.87%で、本発明の実施例の混合ウェッブ(ホ)の最小値の方が高いのは、本発明の実施例の混合ウェッブ(ホ)の空隙率が小さくて、濾過作用が強いためである。
【0041】
なお、本発明の実施例の混合ウェッブ(ホ)及び参考例のウェッブ(ヘ)の通気抵抗は一様に低く且つ通気抵抗の上昇も緩やかである。
【0042】
この特性は、空気の流れが早い空気調整機用のフィルタや、空気の流量を多くして防塵マスクのフィルタを試験する外国の規格等と比較するときに、有効である。
【0043】
(使用例)
図8は、本発明のフィルタを使い捨ての防塵マスクに使用した例を示すもので、スパンボンド不織布3,混合ウェッブ2及びメルトブロー不織布1を積層した原反17に、更に、フィルタを所定の形状、例えば半球状に保型する通気性の保型材19を積層したものを型抜きした上、型抜きした接顔クッション20との間に紐通し21を挟みこんだ状態で加熱成形することにより、図8に示すような略半球状のマスクを製造する。なお、紐通し21には、マスクを口の周囲に固定するために頭に掛ける紐22がその長さが調整できるようにして取り付けられている。
【0044】
図9は、図8に示した本発明のフィルタ、すなわちスパンボンド不織布3,混合ウェッブ2,メルトブロー不織布1,保型材19を積層して型抜きした上、型抜きした接顔クッション20との間に紐通し21を挟みこんで加熱成形したマスクの特性(ト)と、従来のメルトブロー不織布からなるフィルタ、すなわちスパンボンド不織布,メルトブロー不織布,保型材を積層して型抜きした上、型抜きした接顔クッションとの間に紐通しを挟みこんで加熱成形したマスクの特性(チ)とを示す図で、マスクの形状は同一である。
【0045】
なお、粒径2μm以下の石英の粉塵が濃度5mg/m3,流量40l/minで流れるように通気したときの捕集率及び通気抵抗で示したもので、一般に、通気抵抗が10mmH2Oを超えると、呼吸が苦しくなると言われている。
【0046】
そこで、5mg/m3の粉塵環境下で、通気抵抗が10mmH2Oに達するまでの時間を比較すると、従来のメルトブロー不織布からなるフィルタを使用したマスクは約8時間であるのに対して、本発明のフィルタを使用したマスクは約14時間となり、従来のものより長時間使用できる。
【0047】
なお、本発明のフィルタの使用例として使い捨ての防塵マスクで説明したが、これ以外のマスクのフィルタとしても使用できる上、空気調整機等のフィルタとしても使用できる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粉塵等の捕集効率が高いメルトブロー不織布と、羊毛を基材とする繊維とを混合して機械的二次加工を施すことにより帯電加工した繊維を原料として使用した、通気抵抗が低く、フィルタの内部に粉塵等を捕集して保持できる量が多い混合ウェッブとを積層することにより、粉塵等の捕集効率が高く、通気抵抗の低減が緩やかで、フィルタの内部に粉塵等を捕集して保持できる量が多くて、長時間使用できるフィルタを提供できるという効果がある。
【0049】
又、混合ウェッブは、羊毛と合成繊維とを混合して機械的二次加工を施すことにより帯電加工した不織布からマスク等を型抜きした後の原反を原料とすることができる上、混合ウェッブを製造するカード機は繊維をウェッブ状に加工する一般的な機械で、エアーレイ等の加工機械より低価格であるため、製造原価を安くできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタの一部を破断した部分斜視図
【図2】本発明のフィルタを製造するために使用する解繊機の模式断面図
【図3】本発明のフィルタに使用する混合ウェッブの製造ラインの模式図
【図4】本発明のフィルタに使用する混合ウェッブの製造ラインにおけるクロスレイヤー積層機の模式図
【図5】本発明の実施例のフィルタと従来のフィルタと参考例のフィルタとにおける粉塵の堆積量と捕集効率或いは通気抵抗との関係を示す特性図
【図6】本発明の実施例のフィルタと従来のフィルタと参考例のフィルタとにおける粉塵の堆積量と捕集効率或いは通気抵抗との関係を示す特性図
【図7】本発明の実施例の混合ウェッブと参考例のウェッブとにおける粉塵の堆積量と捕集効率或いは通気抵抗との関係を示す特性図
【図8】本発明のフィルタを使用したマスクの一部を破断した斜視図
【図9】従来のフィルタを使用したマスクと本発明のフィルタを使用したマスクとの使用時間に対する捕集効率及び通気抵抗との関係を示す特性図
【符号の説明】
1 メルトブロー不織布
2 混合ウェッブ
3 スパンボンド不織布
5 解繊機
7 ブロワー
8 ダクト
9,11 サイクロン
10,12 ホッパ
14 カード機
15 クロスレイヤー積層機
19 保型材
20 接顔クッション
21 紐通し
22 紐

Claims (4)

  1. 合成樹脂をメルトブローして製造した繊維径7〜15μmの極細繊維からなるエレクトレット化されたメルトブロー不織布と、該エレクトレット化されたメルトブロー不織布と、少なくとも繊維径15μm以上の羊毛を基材とする繊維とを解繊して混合してなり、クロスレイヤー方式で折り畳まれた混合ウェッブと、スパンボンド不織布とを順次積層してなることを特徴とするフィルタ。
  2. 前記スパンボンド不織布の代わりに、前記エレクトレット化されたメルトブロー不織布と前記混合ウェッブとに積層した状態で切断及び熱溶着できる不織布を積層してなることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  3. 合成樹脂をメルトブローして製造した繊維径7〜15μmの極細繊維からなるエレクトレット化されたメルトブロー不織布に、該エレクトレット化されたメルトブロー不織布と、少なくとも繊維径15μm以上の羊毛を基材とする繊維とを解繊して混合した混合ウェッブをクロスレイヤー方式で折り畳みながら積層した上、スパンボンド不織布を更に積層することを特徴とするフィルタの製造方法。
  4. 前記スパンボンド不織布の代わりに、前記エレクトレット化されたメルトブロー不織布と前記混合ウェッブとに積層した状態で切断及び熱溶着できる不織布を積層することを特徴とする請求項3記載のフィルタの製造方法。
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