JP4112797B2 - 減成された疎水性粒子状澱粉および紙のサイジングにおけるそれらの使用 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、疎水性を持つよう化工(modified)され、紙の表面のサイズとして適用された場合に紙の多孔性を低下させ、液体による透過に対する抵抗性を改善し、そして表面強度を改善するのに特に有効な、減成された(degradated)粒子状澱粉に関するものである。減成された粒子状澱粉およびフィルム形成性剤の混合物もまた、これらの性質を提供する紙表面のサイズとして有効である。
【0002】
【従来の技術】
紙に表面サイジングを使用することは、紙およびその加工に対して、紙の強度、紙への液体透過の遅延ならびに紙への印刷の質および容易性を包含する幾つかの有益な性質を提供することが知られている。澱粉は、製紙工業において最もよく使用されている原料の一つであり、しばしば製紙機の湿潤端に、または表面サイズもしくは被覆剤として添加される。
【0003】
様々な等級の紙が、例えば複写機および選別機に適正に給紙されるために、空気に対する低レベルの多孔性を必要としている。別の紙の等級は、非水性流体による透過に抵抗するような高度に連続的なフィルムがその紙の表面に必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
驚くべき事に、疎水性を持つよう化工され、減成された粒子状澱粉を紙の表面サイズとして使用することは、紙の多孔性の低下、液体の透過への抵抗性および表面強度の改善に特に有効であるばかりか、費用効果が良いことが見出された。ここに本発明に従って、疎水性を持つよう化工され、選択された減成された粒子状澱粉は、改善された性質、とりわけ紙の多孔性の低下、液体透過に対する抵抗性および表面強度の増強を付与する紙の表面サイズとして特に有用であることが見出された。
【0005】
【課題を解決するための手段】
より詳細には、本発明は、紙基材の表面に、減成された粒子状疎水性澱粉を含む表面サイジング組成物の有効量を適用することを含む、紙に改善された表面サイジング性を有する紙を提供する方法であって、この澱粉が、乾燥澱粉質量を基準として、結合した疎水性物質約1〜20%(質量)の置換レベルで炭素原子数5〜23の疎水性炭化水素基により化工されており、この水和した澱粉粒子の体積平均サイズが少なくとも約20ミクロンであり、そして水中で1質量%の濃度で水和した澱粉粒子の体積率が少なくとも約5%であるような方法に関するものである。典型的には、この澱粉基剤は、約10〜80の水流動性(WF)まで減成され、または疎水性を持つよう化工され、そして/または粒子状澱粉は当量の減成剤および実質上同じ反応条件を用いて減成される。
【0006】
減成された粒子状澱粉およびフィルム形成性物質の混合物は、紙の表面サイズとして使用される時、多孔性の低下、液体透過に対する抵抗性および表面強度といったような表面サイジング性の改善に有効であることも判明した。より詳細には、減成された粒子状澱粉のために有用な減成のレベル、体積平均サイズおよび固形分1%時の水和した澱粉粒子の体積率は、疎水性に化工され、減成された粒子状澱粉に関して上に記載したものと同じである。フィルム形成性剤(フィルムを形成する物質)とは、減成された粒子状澱粉に添加された場合に、多孔性の低下、液体透過に対する抵抗性および表面強度といったような表面サイジング性の改善の提供を助けるポリマーを意味することを意図している。フィルム形成性剤は疎水性に化工された澱粉であってよく、ここでこの澱粉は、乾燥澱粉の質量を基準として、結合した疎水性物質約1〜20%(質量)の置換レベルで炭素原子数5〜23の疎水性炭化水素基により化工されている。使用することのできるその他のフィルム形成性剤の例は、化工澱粉(modified starck)、アルギン酸塩、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、ラムサンガムおよびウェランガムである。典型的な化工澱粉は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有するヒドロキシアルキル化澱粉、酸化された、酵素変換された、熱変換された、アセチル化された、そしてカチオン化された澱粉を包含する。減成された粒子状澱粉:フィルム形成性剤の混合物は、フィルム形成性剤の質量部当たりの澱粉の質量部で約1:99〜99:1部の量で使用することができる。
【0007】
本発明により提供され、紙の表面サイジングに有用な、選択された澱粉は、減成され、疎水性を持つよう化工された粒子状澱粉である。本明細書中使用する「表面のサイジング」、「表面適用」および「紙の被覆」という語は、多孔性の低下、液体(例えば水および水溶液、インク、油、溶媒、グリース、およびシリコーン液)透過に対する抵抗性および改善された表面強度を包含する性質を提供するため、本発明に係る澱粉組成物を紙に使用または適用することを意味する。
【0008】
全ての澱粉および穀粉(以後「澱粉」)は、本発明における基剤としての使用に好適であり、任意の天然供給源から誘導することができる。本発明において使用する天然澱粉とは、自然界で見出される澱粉である。交雑育種、転座、逆位、形質転換またはその他の任意の遺伝子もしくは染色体工学を包含する育種技術(その変法を包含する)によって得られる植物から誘導された澱粉もまた好適である。加えて、突然変異育種に関する既知の標準法により生成することのできる、上記の属の構成の人工的な突然変異および変異から生育させた植物から誘導された澱粉もまた、本発明において好適である。
【0009】
澱粉の典型的な原料は、穀物、塊茎、根、莢果および果実である。天然原料は、トウモロコシ、エンドウ豆、馬鈴薯、サツマイモ、バナナ、大麦、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、サトウモロコシ、およびこれらのワキシーまたは高アミロース変異体であってよい。本明細書中使用する「ワキシー」という語は、少なくとも約95%(質量)のアミロペクチンを含有する澱粉を包含することを意図しており、そして「高アミロース」という語は、少なくとも約40%(質量)のアミロースを含有する澱粉を包含することを意図している。カチオン性およびアニオン性澱粉といった誘導体化または化工された澱粉もまた包含される。
【0010】
本発明に係る澱粉は一般に、変換されたまたは減成された澱粉、特に、基礎となる、または天然の、非化工且つ非粒子状澱粉が、約10〜80、特に約30〜70の水流動性(WF)を持ち、または、化工されたそして/または粒子状澱粉が当量の減成剤および実質上同じ反応条件を用いて減成されているような澱粉である。本明細書に記載する水流動性の測定は、1985年2月12日発行のZwiercan等による米国特許第4499116号に開示されるような標準法に従ってトーマス回転剪断型粘度計を用いて行い、この特許は引用により本明細書の一部とする。
【0011】
澱粉は、酸化的加水分解、酸加水分解または酵素加水分解といった既知の方法を用いて、選択された水流動性に変換または減成することができる。澱粉を変換する特に有用な方法は、1989年6月13日発行のL.Krugerによる米国特許第4838944号に開示されるように、マンガン触媒、例えば過マンガン酸カリウムと共に過酸化水素を使用することを含む。もう一つの有用な澱粉変換プロセスは、1998年11月10日発行のP.Schlom等による米国特許第5833755号に開示される、マンガン錯体のような金属を基礎とする配位錯体触媒の使用を含む。米国特許第4838944号および米国特許第5833755号の両特許に開示される澱粉変換プロセスは、引用により本明細書の一部とする。
【0012】
澱粉の減成は、水和時(即ち調理による)および/または疎水性置換時に粒子状澱粉が作り出されるような処理の前または後に実施することができる。化工されたおよび/または粒子状の澱粉の減成または加水分解処理の程度は、天然の、非化工および非粒子状澱粉基剤について10〜80WFを達成するのに用いられる程度と同じである。
【0013】
本発明に係る澱粉は、粒子状澱粉に形成される。粒子状澱粉とは、個別の粒子が存在し続けるような幾らかの顆粒構造を、水和後の澱粉が保持することを意味する。本発明に係る澱粉は、水和した粒子が、少なくとも約20ミクロン、特に約20〜300ミクロン、より特には約30〜200ミクロン、最も特には約40〜150ミクロンの体積平均サイズを有する。さらに、固形分1%の時の水和澱粉粒子の体積率によって表されるこの粒子状澱粉中の粒子の数は、少なくとも約5%、特に少なくとも約10%、より特には少なくとも約20%、そして最も特には少なくとも約30%である。
【0014】
粒子状澱粉は、化学的架橋、物理的化工、物理的会合(即ち結晶化)および/または制御条件下での水和を包含する、当分野で既知の幾つかの技術によって製造することができる。化学的架橋は粒子状澱粉を製造するための特に好適な方法であって、これは、当分野で知られる幾つかの多官能性架橋剤のいずれかによる処理を包含し、例えばM.RutenbergおよびD.Solarekによる『澱粉誘導体:製造および用途』、「Starch:Chemistry and Technology」、X章、第324〜332頁(1984)に開示されている。このような架橋剤は、二官能性エーテル化および/またはエステル化剤、例えばエピクロルヒドリン、ビス-β-クロルエチルエーテル、二塩基性有機酸、オキシ塩化燐、トリメタ燐酸塩(即ちアルカリおよびアルカリ土類金属塩)、および酢酸および二または三塩基性カルボン酸の直線状混合酸無水物を包含する。別の有用な架橋剤は次亜塩素酸ナトリウムであり、これは、1996年6月4日発行のSolarek等による米国特許第5523339号(この特許は引用により本明細書の一部とする)に開示されるように、適正な量および少なくとも11のpH条件で使用する時、架橋澱粉を提供する。特に好適な架橋剤は、エピクロルヒドリン、オキシ塩化燐、アジピン酸-酢酸無水物およびトリメタ燐酸ナトリウムであり、最も特にはエピクロルヒドリンである。
【0015】
澱粉を物理的に化工して粒子状澱粉を形成させる一つの技術は、1998年2月17日発行のM.Shah等による米国特許第5718770号に開示される、熱処理による顆粒澱粉の熱阻害である。
本発明に係る澱粉の一つの重要な性質は、水和した澱粉粒子の体積平均サイズおよび体積率であって、両者はその粒子状澱粉を製造する際に使用する条件、例えば調理条件または架橋の程度によって影響を受ける。これは、好適な性質を有する澱粉を提供する際には、とりわけそれが、多孔性を低下させ、液体透過に対する抵抗性を提供し、そして表面強度を改善するための紙の表面サイジングに使用される際には重要である。水和後の固形分が1%の時に所望の体積平均粒子サイズおよび体積率を有する本発明に係る澱粉の提供に有用な化学的架橋のレベルは、約0.05〜5.0架橋/1000アンヒドログルコース単位の範囲であり、より特には約0.1〜1.5架橋/1000アンヒドログルコース単位の範囲であろう。
【0016】
変換されまたは減成されることに加えて、本発明に係る粒子状澱粉は、少なくとも5個、より特には5〜23個、そして最も特には8〜20個の炭素原子を有する炭化水素基で疎水性を有するように化工される。とりわけ好適な態様においては、この疎水性炭化水素基はエステルまたはエーテル置換基であり、飽和または不飽和炭化水素基を含み、幾つかの分枝を含んでいてよいが、非分枝炭化水素基が特に好適である。このエステルまたはエーテル置換基は、他の基が当該置換基の正味の疎水性を妨害しない限り、炭化水素鎖に加えて他の基を含むことができるということもまた理解されるべきである。
【0017】
澱粉エステルおよびエーテル誘導体の製造はよく知られており、何年間も実施されてきた。1953年12月1日登録のC.Caldwell等による米国特許第2661349号は、澱粉アルキルまたはアルケニルスクシネートのような疎水性澱粉誘導体を記載している。この特許は、水に懸濁させた試薬および澱粉をアルカリ条件下で混合する、標準的エステル化反応を用いてこのような誘導体を製造する、水性法を記載している。澱粉誘導体を製造するためのその他の方法が当分野で知られており、例えば米国特許第2661349号特許ならびに「化工された澱粉:性質および用途」、O.Wurzburg編、1986、9章、第131〜147頁および1997年9月30日発行のR.Billmers等による米国特許第5672699号に開示されている。
【0018】
疎水性澱粉エステルを製造する際に使用する試薬は一般に、以下の式:
【0019】
【化1】
【0020】
(式中、Rは、ジメチレンまたはトリメチレン基または対応する不飽和基、例えばエテニルであり;R1は、3〜21個の炭素原子を有する直線状、分枝または環状アルキル、アルケニル、アラルキルまたはアラルケニル基であり;そしてR2およびR3は個別に、5〜23個の炭素原子を有する直線状、分枝または環状アルキル、アルケニル、アラルキルまたはアラルケニル基である)のうちの1個を有する有機酸無水物である。
【0021】
澱粉エステル誘導体の製造のための試薬のもう一つの好適なクラスは、例えば、一般式:
【0022】
【化2】
【0023】
(式中、Zは−CO−または−SO2−であり、A1は少なくとも5、より特には5〜23個の炭素原子を有する炭化水素を含み、R4はHまたはC1-C4アルキルであり、R5はC1-C4アルキルであり、そしてX-はアニオンである)を有する、1988年1月26日発行のP.Trzaskoによる米国特許第4721655号に記載のもののような、イミダゾリドまたはカルボン酸もしくはスルホン酸のN,N’-二置換イミダゾリウム塩を包含する。
【0024】
エーテル化試薬として有用な試薬のクラスは1959年3月3日発行のE.Paschallによる米国特許第2876117号に記載されており、構造:
【0025】
【化3】
【0026】
(式中、R6およびR7は個別にHまたはC1-C4アルキルであり、そしてA2は、少なくとも5、より特には5〜23個の炭素原子を有する炭化水素基を含む)を有する第三アミンとエピハロヒドリンとの反応生成物を含む。
澱粉エーテルの製造に使用できる別のタイプの疎水性試薬は以下の式:
【0027】
【化4】
【0028】
を有する。
澱粉エーテルを生成する別のタイプの疎水性試薬を下に記載する:
式中、R9およびR10は、水素または、3〜21個の炭素原子を有する直線状、分枝または環状アルキル、アルケニル、アラルキルもしくはアラルケニル基である。
【0029】
【化5】
【0030】
本発明に係る本明細書に記載の疎水性炭化水素および特にエステルまたはエーテル誘導体は、乾燥澱粉の質量を基準として約1〜20%、特に約3〜12%(質量)の結合した誘導体または置換基を含むであろう。
幾つかの場合には、単一の試薬を使用して、澱粉を架橋し且つ疎水性を有するよう化工することができる。
【0031】
本発明に係る疎水性を有するよう化工された澱粉エステルまたはエーテル、とりわけエステルは、紙の多孔性の低下、液体透過に対する抵抗性および表面強度を包含する改善された表面サイジング特性を提供するための紙の表面サイジングまたは被覆に有用である。この澱粉表面サイジング組成物は、紙基材の質量を基準として約0.5〜15%(質量)、特に約2〜6%(質量)の量をこの目的のために使用する。
【0032】
本明細書に記載の、減成され疎水性を有するよう化工された粒子状澱粉は、改善された性質、特に紙の多孔性の低下、液体透過に対する抵抗性および表面強度を提供するための紙の表面サイズとして有用である。この型の特に有用な澱粉は、水和した澱粉粒子が、少なくとも約20ミクロン、特に約20〜300ミクロン、より特には約30〜200ミクロン、最も特には約40〜150ミクロンの体積平均サイズ(本明細書に記載)を有する澱粉である。
【0033】
この澱粉の表面サイジング物質は、サイズアプリケーター、例えば常套的双子ロールサイズプレス、タブサイズプレス、カレンダーウォーターボックス、プレ計量サイズプレスまたはゲートロールによる紙の繊維表面への適用を含む、既知の適用法を用いて紙に適用することができる。プレ計量サイズプレスおよびゲートロール以外のアプリケーターでは、乾燥紙がフラッデッドニップを通過し、表面サイジング物質の溶液または分散液およびその他の機能的化学物質が紙の両面に接触する。過剰の液体はプレスで搾り取り、紙を再乾燥しねかせる。プレ計量サイズプレスおよびゲートロールでは、サイジング物質の溶液または分散液およびその他の機能的化学物質をアプリケーターロール上に計量し、次にこれを紙の表面への溶液または分散液に適用し、次いで再乾燥し、硬化させる。
【0034】
本発明に係る表面サイズ組成物は、全てのタイプのセルロース性および非セルロース性繊維の両方、およびその組み合わせから製造される紙および板紙の表面サイジングに首尾よく利用することができる。セルロース系物質と、合成品、例えばポリアミド、ポリエステルおよびポリアクリル樹脂繊維から誘導された、ならびに鉱物性繊維、例えばアスベストおよびガラスから誘導された非セルロース系物質との組み合わせから製造されるシート様素材および注型製品もまた包含される。使用できる硬木または軟木セルロース系繊維は、漂白および未漂白硫酸塩(Kraft)、漂白および未漂白亜硫酸塩、漂白および非漂白ソーダ、中性亜硫酸塩、半化学物質、木材パルプ用砕木、化学的木材パルプ用砕木、およびこれらの繊維の任意の組み合わせを包含する。加えて、ビスコースレーヨンまたは再生セルロース型の合成セルロース系繊維、および様々な原料由来のリサイクルされた使用済みの紙もまた使用できる。
【0035】
表面サイジングされる紙製品には、あらゆるタイプの顔料および填料を通常のやり方で添加することができる。このような物質は、粘土、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよび珪藻土を包含するが、これらに限定される訳ではない。紙料添加剤、例えば消泡剤、ピッチ分散剤、殺粘液菌剤等、およびその他のサイジング化合物もまた、本明細書に記載する表面サイジング混合物と共に使用することができる。さらに、より費用効率の高い表面サイジング澱粉を得るため、より安価な伝統的に使用される澱粉を混和することができる。
【0036】
表面サイジング組成物として上記の減成され疎水性を持つよう化工された粒子状澱粉を使用することに加えて、減成された粒子状澱粉とフィルム形成性物質との混合物もまた、紙への表面サイズとして使用する場合に、多孔性の低下、液体透過に対する抵抗性および表面強度といった改善された表面サイジング性の提供に有効であることが見出された。該澱粉に関して有用な、減成のレベル、固形分1%の時の水和した澱粉粒子の体積平均サイズおよび水和した澱粉粒子の体積率は、先に述べた疎水性を持つよう化工され、減成された粒子状澱粉と同じである。即ち、天然の非化工且つ非粒子状澱粉基剤の減成レベルは、典型的には約10〜80WF、特に約30〜70WFであり、または、化工されたおよび/または粒子状の澱粉は、当量の減成試薬および実質上同じ反応条件を用いて減成される。水和した澱粉粒子の体積平均サイズは一般に少なくとも約20ミクロン、特に約20〜300ミクロン、より特には約30〜200ミクロン、そして最も特別には約40〜150ミクロンである。さらに、該粒子状澱粉の粒子数は少なくとも約5%、特に少なくとも約10%、より特には少なくとも約20%、最も特には少なくとも約30%という、固形分1%時の水和澱粉粒子の体積率によって表される。
【0037】
粒子状澱粉は、上記のように、化学的架橋、物理的化工、制御条件の下での物理的会合または水和によって製造することができるが、化学的架橋が特に好適な方法である。フィルム形成性剤は疎水性を持つよう化工された澱粉であってよく、ここで疎水性物質とは、少なくとも5、より特には5〜23個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素鎖を含むエステルまたはエーテル置換基であってよく、乾燥澱粉質量を基準として約1〜20%、特に約3〜12%(質量)の結合した疎水性部分が存在する。使用できるその他のフィルム形成性剤の例は、化工澱粉、アルギン酸塩、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、ラムサンガムおよびウェランガムである。典型的な化工澱粉は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有するヒドロキシアルキル化澱粉、酸化された、酵素変換された、熱変換された、アセチル化された、そしてカチオン化された澱粉を包含する。特に好適なフィルム形成性剤は、疎水性を持つよう化工された澱粉、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびペクチンである。粒子状澱粉:フィルム形成性剤の混合物は、フィルム形成性剤の質量部当たりの澱粉の質量部約1:99〜99:1部、より特には、フィルム形成性剤に対して澱粉約30:70〜70:30の量で使用することができる。
【0038】
以下の実施例は本発明の態様をさらに例示するものである。実施例において、別途記載のない限り、全ての部およびパーセントは質量で示し、温度は全て摂氏である。実施例中、そして本明細書および請求の範囲全体を通じて記載されているパラメータに関して、澱粉の粒子サイズおよび粒子の体積率は以下の方法を用いて測定された。
【0039】
体積平均水和澱粉粒子サイズの測定方法
レーザー分散粒子径分布分析機(Horiba LA-900)を使用して水和澱粉粒子の体積平均サイズを測定する。澱粉を脱イオン水中に5%の乾燥質量固形分量に調製し、マグネティックスターラーを使用して最小限の攪拌を施しつつ90℃で20分間調理する。分散液として蒸留水を使用し、澱粉溶液を湿潤モードでHoriba LA-900に添加する。追加の澱粉または水を加えて透過光が70および95%の間となるようにする。粒子径測定の前に試料を完全に分散させるため、試料を超音波室内で超音波を用いて60秒間振盪する。粒子径分布および平均粒子径を、体積を基準としてこの装置により測定する。実際の屈折率に関わりなく全ての溶液について屈折率1.34の値を使用した。
【0040】
固形分 1% 時の水和澱粉粒子体積率の測定方法
水和澱粉粒子の占める体積率パーセントをブルーデキストラン(Sigmaにより供給される平均分子量2000000のCybachron Blue標識化デキストラン)染料排除法を用いて測定する。青色の標識化デキストランは水和澱粉粒子から排除される。Dengate等(Starch、30(1978)、3号、80-84)およびEvans等(Journal of Texture Studies、10(1979)、347-370)のデキストラン吸収法を下記のように改変し、水和澱粉粒子体積率の測定に使用する。
【0041】
熱水浴中90℃で20分間調理することにより固形分5%の澱粉溶液を調製する。次に固形分2%の澱粉溶液20gを、同体積の0.08%(質量)ブルーデキストラン溶液と混合する。得られた澱粉固形分1%溶液を10000rpmで10分間遠心し、上清を直ちに分光分析用にデカンテーションする。上清の吸収をPerkin-Elmer UV-VIS分光計を用いて400-800nmでスキャンする。データを620nmでサンプリングする。脱イオン水の基線ブランクを測定し、試料のスキャンから差し引く。さらに、固形分2%の澱粉溶液を同量の脱イオン水(ブルーデキストランポリマーを含まない)と混合し、10000rpmで10分間遠心し、上清を分離する。この上清の620nmの吸収(非粒子状可溶性デンプンの分散または吸収を表す)をブルーデキストラン試料のスキャンから差し引く。次に、脱イオン水中の既知濃度の一連のブルーデキストラン溶液について前もって決定しておいた検量線に対する620nmの吸収を比較することにより、上清中のブルーデキストランの濃度を決定する。次いで、以下の式:
固形分1%時の澱粉体積率%=100−((0.04/上清中のブルーデキストランの濃度%)x100)
を用いて澱粉粒子の体積率を決定する。
【0042】
実施例1
この実施例は、本発明による、変換されまたは減成された粒子状のそして疎水性を持つよう化工された澱粉の製造を例示するものである。
乾燥ベースで3000gのワキシートウモロコシ澱粉を水4500mLに懸濁することにより、澱粉スラリーを調製した。この混合物を室温で攪拌し、3%NaOH水溶液800gの添加によりpHを11.9に上げた。この混合物に過マンガン酸カリウムの0.002%水溶液7.5gを加えた(即ち、澱粉質量を基準にして0.005%であり、これは澱粉質量を基準にすると17.5ppmのマンガンイオンに相当する)。次に5.4gの30%H2O2を3分間かけてこの澱粉スラリーに加えてスラリーのpHを低下させた(25mLアリコートのアルカリ滴定はHCl(0.1N) 18.3mLの結果となった)。H2O2定量紙による陰性試験により過酸化水素の残存のないことが示されるまで、反応を16時間維持した。得られた澱粉は水流動性(WF)38まで減成されていることが判明した。
【0043】
この澱粉スラリーの温度を40℃に上げた。澱粉スラリーに80ppmのエピクロルヒドリン(0.24g)を加え、16時間反応させて澱粉を架橋させた。澱粉スラリーを室温(25℃)まで冷却し、10%H2SO4で中和することによりpHを7.6に調節した。3%NaOHの添加によりpHを約7.5〜7.8に維持しつつ、この澱粉スラリーに無水コハク酸オクテニル(OSAA)(180g)を徐々に加えた。pH制御を7.5および7.8の間に保ちつつ反応を6時間維持した。反応が完結した後、希塩酸(3:1)でpHを6.0に調節した。澱粉生成物を濾過により回収し、水で1回洗浄し、風乾した。反応したOSAAのパーセントをエステル基のケン化によって決定した。5gの水200mL中の澱粉生成物5gを100℃の温度で30分間調理した。次にこの調理した澱粉溶液を室温まで冷却し、0.1N水酸化ナトリウム50mLを加えた。溶液を48時間攪拌した。次いで過剰のアルカリを、指示薬にフェノールフタレインを用いて0.1N HClで逆滴定した。この結果は、澱粉エステルが5%のOSAAを含有していることを示した。90℃20分間で調製された5%(乾燥質量)澱粉調理物の体積平均粒子径は55ミクロンであり、また、本明細書に記載のブルーデキストラン法を用いて測定された固形分1%時の体積率パーセントは14.3%であった。
【0044】
実施例2
71WFに変換したワキシー澱粉を6%の無水コハク酸オクテニル(OSAA)と反応させ、実施例1と同じ方法を用いて0、300、650または1000ppmのエピクロルヒドリンで架橋した。これらの試料を総固形分15%で調理した。この分散物を直接蒸気注入により88〜93℃に加熱し、この温度範囲に20分間維持した。最終的調理物を10.8%および5.6%の間の3種類の異なる固体分に調節し(紙に適用する量を変えるため)、恒温水浴中で66℃に維持した。
【0045】
紙がロールの間のニップを通って垂直に供給される、水平サイズプレスの体裁に設定された、2個の加熱されたゴム被覆ステンレススチールロールで構成されるサイズプレス模擬装置を用いて、表面サイジングの適用を実施した。
表面サイズ澱粉(66℃に予熱)の液溜(pond)を、ロール間のニップ内に液溜を維持するため、2L/分の速度でロール間を再循環させた。80#/3000ft2(130g/m2)の酸被覆基準製紙原料(22℃/50%相対湿度の部屋で平衡化の後に前もって秤量)の19cm x 25cmのシートを、長さ1m x幅20cmのプラスチックリーダーストリップにテープで取り付けた。サイズプレス模擬装置の動力源を切って、このリーダーストリップを二つのロールの間に送り込んだ。次に、リーダーストリップの末端を保持している間に、サイズプレス溶液の再循環ポンプを始動させ、サイズプレスを稼働させるモーターのスイッチを入れた。リーダーはロールの間のニップを通って機械的に引き込まれ、取り付けた紙のシートがこれと共に送り出された。このシートは、再循環する表面サイズ溶液の入っているサイズプレスニップに到達するまでに100メートル/分の速さにまで加速された。サイズプレス模擬装置を出た後にリーダー/シートを集め、このようにして表面サイズされたシートをリーダーからはずし、写真型ドラム乾燥機で乾燥させた。
【0046】
次にこのシートを22℃/相対湿度50%の部屋で再度条件設定し、再び秤量して、シートに適用された表面サイズ澱粉の量(ピックアップ%)を決定した。次いでこれらのシートを、Hagerty Technologies Model 1空気透過性試験装置(Hagerty Technologies,Inc.、34Aリンドン・ロード、クイーンズベリー、NY12804)を用いて空気透過性(多孔性)について試験した。この装置はTAPPI標準法(T 460 om-88、「紙の空気抵抗性」、TAPPI Press、アトランタ、GA)を用いて得られる値と等価の多孔性値を示す。第1表の多孔性値は、空気100cm3がシートの面積6.4cm2を通過するのに要する時間(シート当たり4回の読み取り値の平均)である。
【0047】
【表1】
【0048】
減成された粒子状およびOSAAと反応させたワキシー澱粉の性能(Hagertyの読み取り値の増加により測定された)は、評価したエピクロルヒドリン架橋レベルの範囲全体で高く、エピクロルヒドリンの量が増すにつれて増大する傾向があった。表1に示すように、エピクロルヒドリンの量が増加するにつれて、水和した体積平均粒子サイズおよび固形分1%時の体積率パーセントはいずれも増加した。エピクロルヒドリン架橋粒子状澱粉組成物は全て、架橋していない71WF、6%OSAAワキシー澱粉基剤より高い性能(紙の多孔性の低下)を示した。
【0049】
全ての組成物は、高ピックアップで紙を被覆した場合に24秒より高い多孔性値を生成することのできなかったヒドロキシエチル化コーンスターチ(Grain Processing Corp. Coatmaster K580)よりも高い度合いで紙の多孔性を低下させることができた。
実施例3
38WFに変換したワキシー澱粉を、6%のOSAAおよび80または120ppmのエピクロルヒドリンと反応させた(実施例1に従って)。実施例2に従い、これらの澱粉の溶液を調製し、シートをサイジングし、多孔性値および紙についての澱粉のピックアップパーセントを測定した。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
減成された/架橋された/OSAA処理されたワキシー澱粉は、紙の多孔性を著しく低下させた。この性能は、体積平均水和粒子サイズおよび水和澱粉粒子体積率が大である程高かった。
実施例4
60WFに変換したワキシー澱粉を、0、3、6または9%のOSAAおよび80ppmのエピクロルヒドリンと反応させた(実施例1に従って)。実施例2に従い、これらの澱粉の溶液を調製し、シートをサイジングし、多孔性値および紙についての澱粉のピックアップパーセントを測定した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
減成された粒子状の架橋ワキシー澱粉の性能(Hagertyの読み取り値の増加により測定)は、澱粉と反応したOSAAのレベルが増大するに従って著しく向上した。全体としての性能は、9%のOSAAレベルで最も高かった。
実施例5
これは、フィルム形成性剤と1:1の比率で混合した減成された粒子状澱粉の実施例であり、この場合、完全に分散させた67WFワキシー澱粉を6%のOSAAと反応させた。40WFに変換したワキシー澱粉を80ppmのエピクロルヒドリンと反応させ(実施例1に従って)、直接蒸気注入により88〜93℃で調理し、この温度範囲に20分間保持することにより、水和後に、減成された粒子状澱粉を形成させた。比較のため、別のワキシー澱粉(38WFに変換)を80ppmのエピクロルヒドリンおよび6%のOSAAと反応させた(実施例1に従って)。これをヒドロキシエチル化コーンスターチ(Grain Processing Corp.、Coatmaster K580)と1:1の比率で混合した。実施例2に従い、これらの澱粉の溶液を調製し、シートをサイジングし、多孔性値を測定した。多孔性値を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
減成された粒子状澱粉および減成されたOSAA澱粉(フィルム形成性剤)の混合物は、紙の多孔性の低下に関して、減成され疎水性の粒子状澱粉とヒドロキシエチル化コーンスターチとの混合物と同程度に有効であった。
実施例6
38WFに変換したワキシー澱粉を、実施例1に従って、5%のDDSA(無水コハク酸ドデセニル)または6%のQuat342(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルドデシルアンモニウムクロリド)、および80ppmのエピクロルヒドリンと反応させた。両方の澱粉を1:1の比率でヒドロキシエチル化コーンスターチ(Grain Processing Corp.、Coatmaster K580)と混合した。実施例2に従い、これらの澱粉の溶液を調製し、シートをサイジングし、多孔性値および紙上での澱粉のピックアップパーセントを測定した。結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
ヒドロキシエチル化コーンスターチ(Grain Processing Corp.、Coatmaster K580)と、DDSAまたはQuat 342疎水性物質のいずれかにより置換された減成された粒子状ワキシー澱粉の1:1混合物により与えられる多孔性の低下(Hagertyの読み取り値の増加により測定される)は、高いピックアップ値で紙に被覆された時、24秒より高い多孔性値を生成することのできなかったヒドロキシエチル化コーンスターチ単独よりも著しく高かった。
【0058】
実施例7
それぞれWF46および48に変換されたワキシーコーンスターチおよびタピオカ澱粉を、実施例1に従って6%のOSAAおよび80ppmのエピクロルヒドリンと反応させた。両方の澱粉をヒドロキシエチル化コーンスターチ(Grain Processing Corp.、Coatmaster K580)と1:1の比率で混合した。実施例2に従い、これらの澱粉の溶液を調製し、シートをサイジングし、多孔性値および紙上での澱粉のピックアップパーセントを測定した。結果を表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】
ヒドロキシエチル化コーンスターチと、減成された粒子状の6%のOSAA澱粉(ここでこの澱粉基剤は、ワキシーコーンまたはタピオカのいずれかであった)の1:1混合物は、ヒドロキシエチル化コーンスターチ単独により示される多孔性低下より著しく高い紙の多孔性低下(Hagertyの読み取り値の増加により測定される)を与えた。
【0061】
実施例8
この実施例は、本発明に係る澱粉組成物を用いてサイジングされた紙の、油およびグリースの透過に抵抗する能力を例示するものである。38WFに変換したワキシー澱粉を6%のOSAAおよび80ppmのエピクロルヒドリンと反応させた(実施例1に従って)。この澱粉をアセチル化澱粉と2:1の比率で混合した。実施例2に従い、この澱粉混合物の溶液を調製し、シートをサイジングし、油およびグリース抵抗性を「3Mキット」(Tappi UM 557)および紙上での澱粉のピックアップパーセントを用いて測定した。結果を下の表に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
アセチル化澱粉と混合した、減成され/架橋され/OSAA処理されたワキシー澱粉は、ピックアップ範囲1〜5%にわたり油およびグリース抵抗値が0(TAPPI UM557)であるアセチル化澱粉単独に比較して、油およびグリース抵抗性を著しく改善した。
実施例9
この実施例は、本発明に係る澱粉組成物を用いてサイジングされた紙の、ワックスピック試験で示される改善された表面強度を与える能力を例示するものである。38WFに変換したワキシー澱粉を6%のOSAAおよび80ppmのエピクロルヒドリンと反応させた(実施例1に従って)。この澱粉をアセチル化澱粉と1:1の比率で混合し、4%のアルギン酸ナトリウムを添加したアセチル化澱粉と比較した。これらの生成物を傾斜サイズプレスを用いて200m/分でアルカリ性紙等級に適用した。サイジングした紙製品を、TAPPI試験法T-459を用いて、表面強度の指標であるワックスピックについて測定した。結果を以下の表に示す。
【0064】
【表8】
【0065】
TAPPI試験法T-459に従って実施されたワックスピック測定によって示されるように、等しい適用レベルにおいては、減成された/処置されたワキシー澱粉混合物は、アセチル化澱粉およびアルギン酸ナトリウムの混合物と比較して、表面強度を著しく改善した。
実施例10
この実施例は、本発明に係る澱粉組成物でサイジングされた紙がシリコーン油の透過に抵抗する能力(即ち、ホールドアウトの改善)を例示するものである。38WFに変換したワキシー澱粉を6%のOSAAおよび80ppmのエピクロルヒドリンと反応させた(実施例1に従って)。この澱粉を、2種類の異なる比率(35:65および65:35)でアセチル化澱粉と混合し、アセチル化澱粉およびアルギン酸ナトリウムの10:1混合物と比較した。アセチル化澱粉/アルギン酸ナトリウム混合物以外は、澱粉は全て実施例2に従って調製した。アセチル化澱粉/アルギン酸ナトリウム混合物は、まずアルギン酸ナトリウムを熱水道水に分散させ、これをアセチル化澱粉の140℃でジェットクックしたもの(jet cook)と混合することにより調製した。実施例2の方法を用いて、低多孔性の基準製紙原料をこれらの製剤でサイジングした。表面サイジングしたシートを実施例2に従い澱粉ピックアップおよび多孔性について測定し、次いでこのシートを1.5g/mシリコーン製剤(Dow CorningのSyl-Off 7610シリコーン30g+Dow CorningのSyl-Off 7611架橋剤1.11g)で被覆し、110〜120℃で1-2分間硬化した。次に、直径11.3cmのCobb環にクランプ止めした100cmの紙試料上に染料100mLを注ぎ(TAPPI T441による)、1分間の接触時間の後にこの染料を洗い流すことにより、このシートをShirlastain A染料(Lawson-Hemphill Sales,Inc.由来の織物繊維同定染料。これは繊維を赤色に、シリコーンを黄色に染色する。)で染色した。染色された円をコンピューター中にスキャンし、赤色に染色された領域の測定のための画像分析ソフトウェアパッケージ(Sigma Scan Pro)を使用することにより、シートの繊維染色(赤色)領域を測定した。結果を下の表に示す。
【0066】
【表9】
【0067】
減成され/架橋され/OSAA処理されたワキシー澱粉混合物は、アセチル化澱粉/アルギン酸ナトリウム混合物と比較して著しく多孔性が低下し、さらに赤色染色領域が著しく減少した。この赤色染色領域は、シリコーン液で充分に被覆されなかったシートの面積に直接関係している。より低値の赤色染色面積は、シリコーン液のホールドアウトの改善と相関性がある。このような改善された紙のシリコーンカバレッジは、剥離基剤としてのその機能を改善することになろう。
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