JP4109601B2 - トーションビーム式サスペンション - Google Patents
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Description
図5および図6に示すように、自動車の後輪W,Wを懸架するトーションビーム式サスペンション200は、ゆるく屈曲したパイプ部材から構成されていて車体の前後方向に延びる左右一対のトレーリングアーム24,24を備えている。図6に示すように、トレーリングアーム24は、その前端に設けられたゴムブッシュジョイント23が車体側のブラケット28に上下揺動自在に支持されるとともに、その後端にブラケット32を介して車体の左右方向に固定された車軸29には後輪Wが回転自在に支持されている。また、トレーリングアーム24の上下揺動を減衰させるショックアブソーバ33の下端が、トレーリングアーム24の前後方向中間部に固定されたブラケット34に連結されている。そして、トレーリングアーム24に負荷される上下方向の衝撃を緩衝する懸架用ばね26の下端は、トレーリングアーム24の後端に固定されたばね座31に支持されている。
また、構造上タイヤWの接地点における横剛性が低く、旋回時のサイドフォース(横力)が大きい場合、タイヤWは、トーアウト(TUE OUT)傾向となる。すなわち、タイヤWが自動車の進行方向に対してやや外向きになる。このため、ゴムブッシュジョイントの硬度を高めざるを得ず、乗り心地との両立が難しかった。
なお、ここでゴムブッシュジョイントは、特許請求の範囲の「ブッシュジョイント」に相当する。
図1(a)は、後輪のトーションビーム式サスペンションを車体の左斜め前方から見た斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示したA部の詳細図である。図2は、図1に示したトーションビーム式サスペンション100の左半分を車体の左斜め後方から見た斜視図である。図3は、図2の平面図である。
図1、図2および図3に示すように、自動車の後輪W,Wを懸架するトーションビーム式サスペンション100は、ゆるく屈曲したパイプ部材から構成されて車体の前後方向に延びる左右一対のトレーリングアーム4,4を備えている。図2に示すように、トレーリングアーム4は、その前端に設けられたゴムブッシュジョイント3が車体側のブラケット8に上下揺動自在に支持されるとともに、その後端にブラケット12を介して車体の左右方向に固定された車軸9に後輪Wが回転自在に支持されている。図1(b)に示すように、ゴムブッシュジョイント3は、ゴム3aが内蔵された金属材で形成されている。このゴムブッシュジョイント3には、ブラケット3bが溶接されていて、このブラケット3bは、連結アーム13の一端であるボールジョイント13bに回動自在に連結されている。また、連結アーム13の他端には、ボールジョイント13aが設けられており、ブラケット2の下端に回動自在に連結されている。このブラケット2には、固定材2aを介して、トーションバー1が固定されている。トーションバー1には、左右にブラケット10が備えられている。ブラケット10は、ゴム材10aを介してトーションバー1に係合されている。なお、ブラケット10は、このトーションバー1を車体のフロア(図略)にねじれ自在に保持するためのブラケットとして機能している。そして、図2に示すように、トレーリングアーム4の上下揺動を減衰させるショックアブソーバ7の下端が、トレーリングアーム4の後端に固定されたブラケット14に連結されている。また、トレーリングアーム4に負荷される上下方向の衝撃を緩衝する懸架用ばね6の下端が、トレーリングアーム4の前後方向中間部に固定されたばね座11に支持されている。
なお、ここで言うブラケット2は、特許請求の範囲の「ブラケット」に相当する。
図4(a)に示すように、自動車の走行に伴って、左右の後輪W,Wが上下動すると、左右のトレーリングアーム4,4は、ゴムブッシュジョイント3,3のまわりに上下に揺動する。そして、このときに発生する振動は、懸架用ばね6およびショックアブソーバ7によって緩衝および減衰される。また、左右の後輪W,Wは、バウンドおよびリバウンドする際に、後輪W,Wの位相にずれを発生させる。このとき、左右のトレーリングアーム4,4は、ゴムブッシュジョイント3を中心に揺動して、この揺動する角度が不均一となってトーションビーム5がねじれる。これに伴って、トーションビーム5に備わる弾性復元力は、左右のトレーリングアーム4,4が揺動する前記角度を均一化するように作用する。このとき、前記位相のずれによるトーションビーム5のねじり応力は、ブラケット2に回転力として伝達され、トーションバー1にねじれを発生させるように作用する。
また、バウンドやリバウンドなどにより車体の前後方向への力が、横力Fと同時に作用するときには、力が互いに干渉することによってトーションバー1の復元力は作用しない。
また、横力Fが作用せずに前後方向への力により、車体がバウンドやリバウンドをしたときには、トレーリングアーム4、4は、車体の左右では同位相で揺動することになる。このようなときには、トーションバー1に連結されたブラケット2、およびブラケット2に連結されたブラケット3bには、回転力は働かず、トーションバー1の復元力は作用しない。このとき、ばね定数は低いままとなる。このため、ゴムブッシュジョイント3の硬さを乗り心地良く設定することができる。これにより、ゴムブッシュジョイント3には、その柔軟なコンプライアンスブッシュとしての機能が働き、乗り心地を犠牲にすることもなく、常に操縦安定性と乗り心地の両立が可能となる。
2 ブラケット
3 ゴムブッシュジョイント(コンプライアンスブッシュジョイント)
3b ブラケット
4 トレーリングアーム
5 トーションビーム
6 懸架用ばね
7 ショックアブソーバ
8 ブラケット
9 車軸
10 ブラケット
11 ばね座
12 ブラケット
13 連結アーム
13a ボールジョイント
13b ボールジョイント
14 ブラケット
15 ガセット
100 トーションビーム式サスペンション
W 車輪
Claims (2)
- 左右一対をなして車体の前後方向に延び、その前端がブッシュジョイントを介して前記車体に枢支され、かつ後端が車輪を懸架するトレーリングアームと、
前記車体の左右方向に延びて前記左右一対のトレーリングアームの中間部に接続するトーションビームと、
前記左右のブッシュジョイントの一方と他方との間に設けられたトーションバーと、
前記車体の上下方向に延在し、その一端側が前記トーションバーの左右端部にそれぞれ固定される一対のブラケットと、
前記車体の前後方向に延在し、前記ブラケットの他端側と前記ブッシュジョイントとを連結する一対の連結アームと、を備え、
前記連結アームの一端と前記ブラケットとが回動自在に連結され、かつ、前記連結アームの他端と前記ブッシュジョイントとが回動自在に連結されていることを特徴とするトーションビーム式サスペンション。 - 前記連結アームの一端及び他端は、ボールジョイントを介して、前記ブラケット及び前記ブッシュジョイントにそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式サスペンション。
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