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JP4105766B6 - ビチューメン組成物の製造方法 - Google Patents

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JP4105766B6
JP4105766B6 JP1997541584A JP54158497A JP4105766B6 JP 4105766 B6 JP4105766 B6 JP 4105766B6 JP 1997541584 A JP1997541584 A JP 1997541584A JP 54158497 A JP54158497 A JP 54158497A JP 4105766 B6 JP4105766 B6 JP 4105766B6
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ウアン・グーズヴイリーゲン,ゲリット
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Description

本発明は、ビチューメン組成物の製造方法、この方法により得られるビチューメン組成物、およびビチューメン組成物の道路用アスファルト混合物への使用に関する。
ビチューメンは、道路アスファルト混合物のバインダーとして使用され、そして、道路建設者から要求される性能増大の終わりのない要求を満たすべく絶え間なく開発が行われている。一般に、ビチューメンは、道路アスファルトにおいて巧く機能しているが、ますます過大になる交通荷重により、多くの道路が表面のラッティング(ratting)およびクラッキング(cracking)を介して早期に磨耗する。クラッキングは、道路アスファルトの重大な問題である。なぜなら水が道路表面の下層に届くのを許し、そこで、迅速な劣化を招き、そして早期修繕の必要性を加速するからである。アスファルト中のビチューメン含有量を増やしたり、またはより軟質グレードのビチューメンを使用すると、アスファルトの低温における耐クラック性は改善されるが、混合物が実際により軟質になるため、高温における過剰ラッティングの危険性が増大する。逆に、アスファルト中のビチューメン含有量を減らしたり、またはより硬質グレードのビチューメンを使用することにより、耐ラッティング性を改善することができるが、混合物の柔軟性がより小さくなるために、耐クラック性の犠牲を払う。
上記のことから、今日の耐クラック性要件を満たす硬質ビチューメン組成物、すなわち、良好な低温性能と良好な高温耐ラッティング性をもつビチューメン組成物を開発することが有益であることは明らかである。
ビチューメンにポリマーをブレンドすることにより、ビチューメンの低温性能が改善されることは公知である。しかし、この改変を硬質ビチューメンに適用すると、一般にビチューメンとポリマーとの非相溶性が見られ、低温性能が殆ど改善されないかあるいは改善されず、比較的貧弱な老化挙動を生じる。
さらに、ビチューメン/ポリマー混合物を従来のブロープロセス(blowing process)に適用することにより、工業的および屋根材級ビチューメンを製造することが公知である。しかし、これらのビチューメン組成物は、高い軟化点および比較的高い針入度のために道路用には向かないようである。
本発明の目的は、良好な低温性能および良好な高温耐ラッティング性をもち、さらに老化挙動を改善した道路建設用に適するビチューメン組成物を提供することにある。
意外にも、今般、そのような組成物が、特定のビチューメンと熱可塑性ゴムとを混合することにより製造できることを見いだした。
したがって、本発明は、少なくとも0の針入度指数を有する酸化ビチューメンを、ビチューメン組成物の合計に対して3重量%以下で存在する熱可塑性ゴムと、170〜190℃の範囲の温度で混合することからなるビチューメン組成物の製造方法であって、該熱可塑性ゴムは、純ポリ(スチレン)、純ポリ(イソプレン)または純ポリ(ブタジエン)のブロックを含有するブロックコポリマー(但し、該ポリ(イソプレン)ブロックまたはポリ(ブタジエン)ブロックは、選択的に残留エチレン性不飽和度が水素化前の初期不飽和含有量の最高20%まで水素化されてもよい)である、該製造方法に関する。
好ましくは、該ビチューメンは、最高5までのの針入度指数を有する。より好ましくは、該ビチューメンは、0〜2の範囲の針入度指数を有する。
該熱可塑性ゴムは、ビチューメン組成物の合計に対して、3重量%以下、好ましくは0.1〜2.5重量%の範囲で存在する。
該工程は、周囲圧力あるいは高められた圧力で行われてもよい。しかし、通常は周囲圧力で行われる。
本製法は、好適には6時間以下の期間、好ましくは2時間以下の期間にわたって行われる。
該酸化ビチューメンは、好適には、ビチューメンをブロープロセスにかけることにより得られる。より好ましくは、該酸化ビチューメンは、ビチューメンを接触ブロープロセスにかけることにより得られる。このブロープロセスに使用するのに適当な触媒は、当該技術から教示されるもの、例えば塩化第二鉄、五酸化燐、塩化アルミニウム、ほう酸および燐酸を含み、後者が好ましい。該触媒は、ブローされるビチューメンに、ビチューメンに対して通常2.5重量%の量で添加される。該ブロープロセスは、酸素含有ガス、例えば空気または純酸素を用いて行われる。空気の使用が好ましい。該ブロープロセスは、周囲圧力または高圧にて行ってもよい。しかし、通常、周囲圧力にて行われる。
接触ブロープロセスは、好適には8時間以下の期間、好ましくは4時間以下の期間にわたって行われる。
このブロープロセスは、200〜350℃の範囲、好ましくは250〜300℃の範囲で行われる。
酸化しようとするビチューメンは、原油の蒸留残渣、分解残渣、原油の抽出物、あるいはプロパンビチューメン、ブタンビチューメン、ペンタンビチューメンまたはこれらの混合物に由来するビチューメンであり得る。他の適当なビチューメンには、上記ビチューメンと石油抽出物(例えば芳香族抽出物、蒸留物または残渣)のようなエキステンダー(融剤)との混合物が挙げられる。酸化しようとするビチューメンは、好適には50〜400dmm、好ましくは100〜300dmm、より好ましくは200〜300dmm(ASTM D 5により25℃にて測定)の範囲の針入度、および好適には30〜65℃、好ましくは35〜60℃(ASTM D 35により測定)の軟化点を有する。
該酸化ビチューメンの針入度指数(PI)は、当業者によく理解されているように、その針入度と軟化点により決められる(例えば、シェルビチューメンハンドブック,1991,74および75頁参照)。
該酸化ビチューメンは、熱可塑性ゴムと混合される。該酸化ビチューメンは、好適には、一種またはそれ以上の異なるタイプの熱可塑性ゴムと混合される。
好ましいブロックコポリマー成分は、式 A(BA)mまたは(AB)nX(式中、Aは純ポリ(スチレン)のブロックを表し、Bは純ポリ(イソプレン)または純ポリ(ブタジエン)のブロックを表し、Xは多価カップリング剤の残基を表し、nは1以上の整数、好ましくは2以上の整数を表し、mは1以上の整数、好ましくは1を表す)のブロックコポリマーなる群から選ばれる。使用する多価カップリング剤には、当該技術に公知のものが挙げられる。
該ブロックコポリマーは、純ポリ(スチレン)、純ポリ(イソプレン)または純ポリ(ブタジエン)ブロックを含有し、このポリ(イソプレン)またはポリ(ブタジエン)ブロックは、選択的に残留エチレン性不飽和度が最高20%まで水素化されてもよく、より好ましくは、水素化前の初期不飽和含有量の5%以下が水素化されてもよい。しかし、該ブロックコポリマーは選択的に水素化されていないのが好ましい。最も好ましくは、適用するブロックコポリマーは、構造ABAを有し、ここでAは3000〜100,000、好ましくは5000〜25,000の見かけ分子量を有し、ジブロックABは、50,000〜170,000の範囲の見かけ分子量をする。好ましくは、ジブロックABは、70,000〜120,000の範囲の見かけ分子量をする。
明細書を通して使用する「見かけ分子量」は、ポリ(スチレン)検量線標準を用いたゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)で測定したときのポリマー分子量を意味する。
最初に製造されるポリ(イソプレン)ブロックまたはポリ(ブタジエン)ブロックは、通常5〜65重量%のビニル基(共役ジエン分子に対して1,2重合に由来)を含有し、好ましくは10〜55重量%のビニル基含有量を有する。
本発明で使用する完成されたブロックコポリマーは、通常、スチレンモノマーを10〜60重量%、好ましくは15〜45重量%含有している。
全ブロックコポリマーの見かけ分子量は、通常、100,000〜500,000の範囲、より好ましくは250,000〜450,000の範囲、最も好ましくは350,000〜400,000の範囲にある。
純ブロックコポリマーの好適例として、KRATON G−1651、KRATON G−1654、KRATON G−1657、KRATON G−1650、KRATON G−1701、KRATON D−1101、KRATON D−1102、KRATON D−1107、KRATON D−1111、KRATON D−1116、KRATON D−1117、KRATOND−1118、KRATON D−1122、KRATON D−1135X、KRATON D−1184、KRATON D−1144X、KRATON D−1300X、KRATON D−4141、およびKRATON D−4158(KRATONは商標である)。
本発明は、さらに上記製法のいずれかにより得られるビチューメン組成物をも提供する。このビチューメン組成物は、良好な低温性能および良好な高温耐ラッティング性を示すので非常に魅力的である。
好適には、該ビチューメン組成物は、30〜300dmm、好ましくは100〜200dmmの針入度(ASTM D 5により25℃で測定)、および50〜120℃、好ましくは60〜100℃の軟化点(ASTM D 36により測定)を有する。
好適には、このビチューメン組成物は、G*/sinδ−値が少なくとも1kPa(64℃にて)であり、好ましくは1〜2kPa(64℃にて)の範囲であり、そしてm−値が少なくとも0.30(−6℃にて)であり、好ましくは少なくとも0.33(−6℃にて)である(G*/sinδ−値およびm−値の両値は、スーパーペーブ(Superpave)シリーズ No.1(SP−1)、アスファルト・インスチチュートに規定されており、この文献をここに参照として引用する)。
カーボンブラック、シリカおよびカーボネートのような充填材、安定剤、抗酸化剤、顔料、および溶媒は、ビチューメン組成物に有用であることが公知であり、該技術で教示される濃度でこの発明のビチューメン組成物に添加してもよい。
本発明は、さらに上記ビチューメン組成物の道路建設用アスファルト混合物内への使用も提供する。
本発明を、以下の例を用いて説明する。
例1
−0.7のPIを有するビチューメンを、触媒として燐酸を用いた接触ブロープロセスにかけることにより、0.8のPIを有する酸化ビチューメンを得、その後、得られたブローンビチューメンをナフテン系融剤と混合した。前記酸化ビチューメンを、次いで、ビチューメン組成物の合計に対して2重量%の非水素化ラジアルポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーと180℃の温度で1時間混合した。該ブロックコポリマーは、30重量%のスチレン含有量、および380,000の見かけ分子量を有し、そして112,000の見かけ分子量をもつポリスチレン−ポリブタジエンジブロックを含有した。こうして得られたビチューメン組成物の主特性が表1の上部にある。
得られたビチューメン組成物を次いでローリング薄膜オーブンテスト(RTFOT、ASTM テスト法D 2572)にかけ、その後、圧力老化容器(PAV、AASHTO PP1)内でさらに老化させた。これらの老化テスト後のビチューメン組成物の主特性を表1の下部に示す。
例2
−0.9のPIを有し、酸化処理にかけていないビチューメンを、ビチューメン組成物の合計に対して4重量%の非水素化ラジアルポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマーと混合した以外は実施例1と同様にしてプロセスを行った。こうして得られた非酸化ビチューメン組成物の主特性が、表1の上部にある。
次いで、該ビチューメン組成物をローリング薄膜オーブンテスト(ASTM テスト法D 2572)にかけ、その後、圧力老化容器(AASHTO PP1)内でさらに老化させた。これらの老化テスト後のビチューメン組成物の主特性を表1の下部に示す。
Figure 0004105766
表1から、本発明(例1)に従って製造されたビチューメン組成物は、本発明の範囲の外にあるビチューメン組成物(例2)に比べて、i)高温耐ラッティング性(RTFOT後)が改善され、ii)低温性能(RTFOT/PAV後)が改善されることがわかる。例1において、より少量のブロックコポリマーが使われていることを考慮すれば、この知見は特に意外である。

Claims (9)

  1. 少なくとも0の針入度指数を有する酸化ビチューメンを、ビチューメン組成物の合計に対して3重量%以下で存在する熱可塑性ゴムと、170〜190℃の範囲の温度にて混合することからなるビチューメン組成物の製造方法であって、該熱可塑性ゴムは、純ポリ(スチレン)、純ポリ(イソプレン)または純ポリ(ブタジエン)のブロックを含有するブロックコポリマー(但し、該ポリ(イソプレン)ブロックまたはポリ(ブタジエン)ブロックは、選択的に残留エチレン性不飽和度が水素化前の初期不飽和含有量の最高20%まで水素化されてもよい)である、該製造方法。
  2. 該ビチューメンが最高5の針入度指数を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 該ビチューメンが0〜2の範囲の針入度指数を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 該熱可塑性ゴムが0.1〜2.5重量%の量で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 該ビチューメンが接触ブローンビチューメンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 該ブロックコポリマーが、式 A(BA)mまたは(AB)nX(式中、Aは純ポリ(スチレン)のブロックを表し、Bは純ポリ(イソプレン)または純ポリ(ブタジエン)のブロックを表し、Xは多価カップリング剤の残基を表し、nは1以上の整数であり、mは1以上の整数である)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. AおよびBから製造されるジブロックが、50,000〜170,000の範囲の見かけ分子量を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法により得られるビチューメン組成物。
  9. 請求項8のビチューメン組成物の道路用アスファルト混合物への使用。
JP1997541584A 1996-05-20 1997-05-16 ビチューメン組成物の製造方法 Expired - Fee Related JP4105766B6 (ja)

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