JP4104933B2 - データ記録媒体、情報サービス方法および情報サービスシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、データ記録媒体、情報サービス方法および情報サービスシステムに関する。
詳しくは、記録媒体自体を識別するための媒体識別情報の一部を、ユーザが取得できるサービスの種別とその当落を示す情報(以下サービス種別情報と言う)としても利用することで、記録媒体に記録する情報を増やすことなく、セキュリティーを確保しながら特定のサービス情報を提供できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)や、デジタル多用途ディスク(DVD)などのプリプレスによって情報が記録された記録済みのデータ記録媒体などには、その記録媒体固有の媒体識別情報を媒体情報UIDとして記録することが考えられている。この媒体情報を記録しておくことによって、その記録媒体が真正な記録媒体か、不正コピーされた記録媒体かを判別する識別子として使用することができるからである。
【0003】
媒体情報を記録媒体の識別子として使用する他に、例えば特定のサービス機関(Webサイト)にアクセスして、特定のサービス情報(音楽や画像、ソフトなどのサービスコンテンツ)を取得するための識別子として利用することができれば、記録媒体に記録すべき情報を増やすことなく、特定のサービス情報を提供できる効果が得られる。特定のサービス情報をデータ記録媒体購入者であるユーザに提供することで、購買意欲を刺激することができるから、この媒体情報を媒体購入キャンペーンの一手段としても利用できるようになる。
【0004】
媒体情報としては、データ記録媒体自体を識別する媒体識別情報の他に、これとは別の用途として使用する情報(以下関連情報という)を付加することもできる。付加した関連情報を用いて、上述したとは異なる様々なその記録媒体固有のサービスの提供を実現できる。
【0005】
サービスとして提供する情報としては、データ記録媒体に記録された音楽データに関するレーベル名、アーティスト名、アーティストのプロフィール情報などである。関連情報としてこれらの情報を挿入してしまうか、これらの情報をダウンロードするための情報を挿入することが考えられる。
【0006】
この他に、例えばデータ記録媒体に記録された情報が暗号化された情報であるときには、復号化用鍵情報を取得するサービスなどが考えられる。これはデータ記録媒体に情報を暗号化して記録する場合でも、その解読のための鍵情報(復号キーなど)を、同じデータ記録媒体に記録しておくと、データ記録媒体を不正コピーされたとき、暗号化情報をその鍵情報を用いて解読されるおそれがあるからである。暗号化情報に対する鍵情報をデータ記録媒体とは別の管理用サーバ側に保管しておくことで、このような不正使用を排除できることになる。
【0007】
またデータ記録媒体の種別を示す情報を関連情報として付加しておくと、媒体識別情報と共に、二重に媒体を識別するための情報として利用できるから、不正コピーしたデータ記録媒体を有効確実に排除できる。これによって媒体情報に対する著作権の保護にもつながることになる。
【0008】
対象となるデータ記録媒体としては、CD−ROM,DVD−ROMなどのようにプリプレスによって情報が既に記録されている記録済みデータ記録媒体(ROM半導体メモリを含む)が考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、データ記録媒体に記録される媒体情報は、上述したように記録媒体そのものを識別するための識別子として使用する媒体識別情報の他に、上述した関連情報を含ませる場合が考えられる。関連情報を含む場合には、媒体情報全体の構成ビット数が相当増える可能性が高い。
【0010】
例えば、上述したような関連情報とは直接関係のないサービス(音楽などのサービスコンテンツ)に関係する情報、つまりそのデータ記録媒体に付属したサービスの当落やサービスの種別を示す情報をさらに付加する場合には、少なくともそのサービスが有料か、無料か、有料である場合でも、その有料サービスを取得できる権利があるのか、ないのかを示す情報などを付加しなければならず、したがってこのサービス情報としては相当長いビット長を用意しなければならない。その結果、媒体情報自体のビット構成が冗長となりがちである。
【0011】
同じビット長でも、その一部を兼用できる構成とするときには、兼用したビット長だけ短くすることができるから、それだけビット長を有効に活用できることになる。
【0012】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決するため、媒体識別情報自体をサービス情報の種別を示したり、その当落を示す情報(サービス種別情報)として兼用できる構成とすることで、媒体情報のビット長を殊更冗長にすることなく、データ記録媒体のセキュリティーを確保しながら、多様なサービスを実現できるデータ記録媒体、このデータ記録媒体を使用した情報サービス方法および情報サービスシステムを提案するものである。
【0013】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係るデータ記録媒体では、データを記録する記録媒体であって、上記記録媒体は、当該記録媒体を固有に識別する為の情報、かつ、サービスの種別を示す情報である媒体識別情報を示す番号を記録するための記録領域を有し、上記媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合であって、上記記録領域は、当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、上記有料及び無料サービスビット領域は、サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載したこの発明に係る情報サービス方法は、データ記録媒体を固有に識別する為の情報、かつ、サービスの種別を示す情報である媒体識別情報を示す番号を記録するための記録領域を有し、当該媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合であって、上記記録領域は、当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、上記有料及び無料サービスビット領域は、サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われたデータ記録媒体の上記媒体識別情報を用いて、この媒体識別情報を管理する媒体情報管理用サーバ側に蓄積されたサービス情報を取得する情報サービス方法であって、媒体情報再生装置側と上記媒体情報管理用サーバ側とが通信回線網によって結ばれ、上記媒体情報再生装置側では、上記データ記録媒体より媒体識別情報を読み出し、読み出した媒体識別情報を上記通信回線網を介して上記媒体情報管理用サーバ側に送信し、上記媒体情報管理用サーバ側では、上記媒体識別情報を判別して、対応するサービス情報を上記媒体情報再生装置側に提供するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載したこの発明に係る情報サービスシステムは、データ記録媒体を固有に識別する為の情報、かつ、サービスの種別を示す情報である媒体識別情報を示す番号を記録するための記録領域を有し、当該媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合であって、上記記録領域は、当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、上記有料及び無料サービスビット領域は、サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われたデータ記録媒体の上記媒体識別情報を用いて、この媒体識別情報を管理する媒体情報管理用サーバ側に蓄積されたサービス情報を提供する情報サービスシステムであって、通信回線網によって結ばれた媒体情報再生装置と上記媒体情報管理用サーバとを有し、上記媒体情報再生装置側では、データ記録媒体を再生して、このデータ記録媒体に記録された媒体識別情報を保存すると共に、この媒体識別情報を送信し、上記媒体情報管理用サーバ側に蓄積されたサービス情報を受信できる送受信手段を有し、上記媒体情報管理用サーバ側では、提供すべき上記サービス情報を蓄積したサービス情報用データベースと、管理用データベースを有し、上記媒体情報再生装置側では、上記データ記録媒体より媒体識別情報を読み出し、読み出した媒体識別情報を上記通信回線網を介して上記媒体情報管理用サーバ側に送信し、上記媒体情報管理用サーバ側では、受信した上記媒体識別情報に含まれるサービスの種別を示す情報に対応したサービス情報を上記媒体情報再生装置側に提供するようにしたことを特徴とする。
【0016】
この発明では、データ記録媒体の固有の媒体識別情報を記録する。媒体固有の媒体識別情報そのものの他に、その媒体に関連した関連情報を含ませることもできる。実施の形態では、媒体識別情報と関連情報とで構成された媒体情報として取り扱う。媒体識別情報は所定桁数の数字のみからなる番号か、若しくは数字と記号を組み合わせた番号である。
【0017】
関連情報に基づくサービスとしては、データ記録媒体に記録された音楽データに関するレーベル名、アーティスト名、アーティストのプロフィール情報などの提供が考えられる。関連情報としてこれらの情報を挿入するか、これらの情報をダウンロードするための情報を挿入する。
【0018】
関連情報には鍵情報を取得するための情報が含まれる。記録済みの記録媒体に記録された情報が音楽データで、しかもそれが暗号化されているようなときに関連情報が威力を発揮する。暗号化されているときには、媒体情報を管理する管理用サーバ側に暗号化を解くための鍵情報が用意されている。鍵情報は暗号化情報を復号する復号キーか、若しくはこの復号キーを生成するための鍵情報である。
【0019】
媒体識別情報は、記録媒体を識別するための識別子として利用される他、この媒体識別情報の全部又は一部が、ユーザに対するサービスを提供するか否か、提供する場合にはそれが有料か無料かを識別するための種別とサービスを享受できるかその当落を示す情報(以下、これらをサービス種別情報と総称する)として利用される。実施の形態は媒体識別情報の全部をサービス種別情報として利用する。
【0020】
サービスの提供形態としては、有料サービス情報と無料サービス情報の何れかを提供するか、有料サービス情報と無料サービス情報の双方を提供するかが考えられる。そして、有料サービス情報を享受できる者の数、無料サービス情報を享受できる者の数などは、媒体識別情報のビット長の範囲内で任意に設定することができる。
【0021】
例えば、媒体識別情報が4Nビット、例えば32ビット(N=8)で構成されるときには、有料サービス情報、無料サービス情報とも16ビット(=2Nビット)で構成することができる。そして、有料サービスは16ビットの半数の媒体識別情報が享受できるように設定するときには、無料サービスは例えば16ビットのうち256分の1だけが享受でき、その他つまり256分の255は無料サービスを享受できないように、トータル32ビットで構成される媒体識別情報の論理ビットを設定することができる。このように有料、無料のサービス情報の差別化を、媒体識別情報のみを利用して簡単に設定できる。このようなサービスを実行することでユーザにさらなる購買欲を刺激できる。
【0022】
媒体情報の記録場所は、再生はできるが、書き込みができない任意のエリアであって、記録済みのデータ記録媒体では、データが記録された記録済みエリア(プログラムエリア)、リードインエリア、リードアウトエリアのうち、少なくとも1つのエリアに、本来のデータを記録した後の工程で例えば高出力レーザなどを用いて記録(追記)される。
【0023】
媒体情報UIDはサブコーディング中に挿入することができる。サブコードのうち例えばQチャネルのユーザビット領域が媒体情報UIDの挿入領域として利用される。媒体情報UIDをリードインエリア、リードアウトエリア以外に記録する場合には、どのアドレスに記録したかを示す情報が、リードインエリアにTOC(Table of Contents)情報の1つとして記録される。
【0024】
データ記録媒体の再生時には、原則としてTOC情報を参照して複数の媒体情報UIDが読み出される。読み出した媒体情報UIDは保存される。
【0025】
そして必要なタイミングのときに通信回線網(インターネットなど)を介して、サービス機関、この例では媒体情報(特に媒体識別情報)の管理用サーバ(Webサイト)にアクセスされる。
【0026】
読み出した媒体識別情報若しくは媒体情報を送信することで、管理用サーバ側ではデータ記録媒体に記録されていた媒体情報の内容を把握できるから、どのような情報をユーザ側に送信すべきかを決定できる。
【0027】
管理用サーバ側には媒体情報管理用データベースがあり、ここには予めユーザの媒体情報であるパスワードなどが管理されると共に、アクセスされたデータ記録媒体ごとに管理情報(媒体情報)が保存される。
【0028】
受信したうちの媒体識別情報によって、正規購入者かどうかを判別し、正規購入者であることが確認されたときには、サービス種別情報を判別する。判別の結果、有料サービス情報の当選者であるときには、有料サービス情報を提供する。無料サービス情報の当選者であるときには無料サービス情報を提供する。提供されるサービス情報はサービスコンテンツの提供であって、音楽、画像(静止画、動画)、ソフトなどである。このようなサービス情報を提供することによって再度の媒体購入を期待できる。サービスコンテンツの当選番号は、固定ではなく、週単位、月単位など単位期間ごとに変更することが可能であり、これによってより一層のユーザサービスを期待できる。
【0029】
このように媒体識別情報を記録したデータ記録媒体を使用して情報サービスシステムを構築すれば、媒体識別情報のセキュリティーを確保しつつ、このデータ記録媒体に則ったサービスをユーザに提供でき、ユーザの購買意欲を一層刺激できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係るデータ記録媒体を始めとして、情報サービス方法および情報サービスシステムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1はこの発明に係る情報がプリプレスされた記録済みのデータ記録媒体であるディスク状のデータ記録媒体10の実施の形態を示す。この記録媒体10は、主記録領域(プログラムエリア)14と、補助記録領域(リードアウトエリア)12およびリードインエリア16とを有し、主記録領域14は情報が記録された領域であり、補助記録領域12,16のうち最内周に属するリードインエリア16にはTOC(Table of Contents)情報などが記録される。この記録済み記録媒体10としてはCD−ROM,DVD−ROMなどがその代表的な光ディスクである。
【0032】
図1に示すデータ記録媒体10に対して、この実施の形態では、その主記録領域であるプログラムエリア14に上述した情報(音楽データなど)の他に媒体情報UIDが記録される。媒体情報UIDは特定のサービス機関つまりこの例ではデータ記録媒体に対する管理用サーバ(Webサイト)にアクセスしたとき、媒体の認証や、認証を行った後にこの管理用サーバに蓄積された各種サービス情報(有料および又は無料のサービスコンテンツ)を取得するためのものである。
【0033】
媒体情報とは、記録媒体固有の媒体識別情報とその記録媒体に付随した情報である関連情報とを含む情報であり、後述するようにプログラムエリア14に対して本来の情報をプリプレスした後に、そのサブコードエリアなどに高出力レーザなどを用いて記録される。
【0034】
図2はデータ記録媒体10に記録される媒体情報の具体例である。図2は、媒体情報が媒体識別情報と関連情報とで構成された場合を示し、媒体情報がトータルで128ビットで構成されるとき、媒体識別情報としてはそのうち32ビット(=4Nビット)を宛った場合で、その残りがエラー訂正コード(例えばCRCコード)を含めた関連情報として使用される。
【0035】
付加した関連情報を用いて、上述したとは異なる様々なその記録媒体固有のサービスの提供を実現できる。サービスとして提供する情報としては、データ記録媒体に記録された、例えば音楽データに関するレーベル名、アーティスト名、アーティストのプロフィール情報などである。関連情報としてこれらの情報を挿入してしまうか、これらの情報をダウンロードするための情報を挿入することが考えられる。
【0036】
この他に、例えばデータ記録媒体に記録された情報が暗号化された情報であるときには、復号化用鍵情報を取得するサービスなどが考えられる。
【0037】
この実施の形態では128ビットのうちそのMSB側から32ビットがユニークな媒体識別情報として宛われる。媒体識別情報は上述したようにデータ記録媒体固有の情報であり、これに基づいて記録媒体を識別できるが、この媒体識別情報の全部がユーザに対するサービス種別情報としても使用される。
【0038】
ユーザに対するサービス情報としては、一般的には有料サービス情報と無料サービス情報とが考えられる。有料サービス情報と無料サービス情報とで構成される場合には、何れも16ビット(=2Nビット)構成であって、図2の例ではそのMSB側より16ビット分が有料サービス情報として宛われ、17ビット目より33ビット目までの16ビット分が無料サービス情報として宛われる。
【0039】
有料サービス情報と無料サービス情報とをどの割合で享受できるようにするかは、サービスを享受できるビット数の割り振り方によって定まる。図2のように、有料サービス情報として割り当てられた全体数の半分が有料サービスを享受できるようにすると、例えば図2Bのように後半の値(10000000 00000000)〜(11111111 11111111)を有料サービスを受けることができる範囲(当選番号)に設定し、その前半の値(00000000 0000000)〜(01111111 11111111)を逆に有料サービスを受けることができない範囲(落選番号)に設定することができる。
【0040】
これに対して、無料サービス情報に関しては、提供されるサービスが全て無料であるから、ある程度範囲を絞る必要がある。この実施の形態では後半の1/2の値(11111111 00000000)から(11111111 11111111)までを無料サービスを受けることができる範囲に設定されている。したがって残りの(00000000 00000000)から(11111110 11111111)までは無料サービスを享受できないことになる。これによって、256分の1が無料サービスを享受でき、残りの256分の255が無料サービスを享受できないことになる。
【0041】
これらの有料および無料の範囲を図示すると、図3のようになる。ただし、この範囲設定は一例であって、ビット長などによって範囲設定が変更されることは明らかである。
【0042】
次に、有料サービス情報と無料サービス情報とのサービスの形態および出現率の一例を説明する。
(ケースa)有料サービスか無料サービスの何れかしか享受できないサービス形態とする場合。
この形態を実現するには、MSB側より最初の16ビット(有料サービスビット)として、(10000000 00000000)から(11111111 11111111)を宛う。これによってこの範囲内であれば有料サービスを享受できる。またこの有料サービスビットが、(00000000 00000000)から(011111111 11111111)であって、これに続く16ビットつまり無料サービスビットがそのMSB側を基準にして(11111111 0000000)から(11111111 11111111)の範囲内にあるときには無料サービスのみを享受できる。
【0043】
こうすることで、有料サービスか無料サービスの何れかを享受でき、有料サービスは全体の半数に対して宛われ、無料サービスは有料サービスを受けることができなかった残りの半数にうち256分の1に宛われることになる。
【0044】
(ケースb)有料サービスと無料サービスが一部重なるようなサービス形態とする場合。
有料サービスビットが(10000000 00000000)から(11111111 11111111)までの範囲内にあるときには、有料サービスを受けることができる。次に、無料サービスビットが(11111111 00000000)から(11111111 11111111)の範囲内であれば無料サービスを受けることができるから、全体の256分の1が無料サービスを享受できる反面、256分の255が無料サービスを享受できないことを意味する。
【0045】
これに対して、有料サービスビットが(10000000 00000000)から(11111111 11111111)までの範囲内にあり、しかも無料サービスビットが(11111111 00000000)から(11111111 11111111)までの範囲内にあるときには、有料サービスと無料サービスとの双方を享受できる場合がある。
【0046】
このダブルサービスは全体の512分の1が享受することができ、有料サービスは受けられるが、無料サービスが受けられないのは全体の512分の255であり、有料サービスは受けられないが、無料サービスが受けられるのは、全体の512分の1となり、そして有料サービスも無料サービスも共に受けられないのは全体の512分の255となる。
【0047】
(ケースc)有料サービスを享受しているときに限り、無料サービスを享受できるようなサービス形態とする場合。
この場合には、有料サービスビットが(10000000 00000000)から(11111111 11111111)の範囲内にあり、しかもこれに続く無料サービスビットが(11111111 00000000)から(11111111 11111111)の範囲内にあればよい。
【0048】
こうすると、全体の半分に対して有料サービスがなされ、しかもその有料サービスを受けた者のうちさらに256分の1が無料サービスを享受できることになる。
【0049】
図2に示す実施の形態は、媒体情報のデータ構造として、そのMSB側より32ビット分を媒体識別情報に設定したが、こうすると、媒体識別情報としてシリアルに番号を割り当てた場合には、媒体識別情報の出現率(当選率)が遅く、しかもあるところに固まって該当する範囲が出現することになる。これを避けるには、媒体情報のLSB側に媒体識別情報を宛う。そして、ビット順を図2の場合とは逆にして配列する。つまり、図4A、Bに示すように、そのLSB側より32ビット分を媒体識別情報として割り振り、そのうちLSB側より16ビット分が有料サービスビットに割り当て、これに続く16ビットが無料サービスビットとして割り当てられる。さらに有料サービスビットも無料サービスビットも共にそのMSB側がLSB側となるように配列する。こうすることで、有料サービス情報および無料サービス情報の出現率を早めることができる。
【0050】
上述のように、MSB側あるいはLSB側より32ビット分を媒体識別情報とするのではなく、128ビット全体を利用してこれを媒体識別情報とすることもでき、あるいは、分散したビット群で媒体識別情報として構成することもできるから、サービス情報を分散配置することは可能である。勿論、関連情報に付加されている特定のアーティスト名を表すビット情報を、有料サービス情報や無料サービス情報として使用することもできる。
【0051】
さて、この発明にかかる情報サービス方法を実現する情報サービスシステムは図5に示すように、サービスを受けるべき情報端末装置側20と、サービスコンテンツなどを蓄積した媒体情報管理用サーバ(Webサイト)30とがインターネットなどの通信回線網40を介して連結されて構築される。そして、情報端末装置20側で読み出した媒体情報UIDを管理用サーバ30側に転送することで、その媒体情報UIDが認証されれば、その情報を解析して管理用サーバ30側に蓄積された対応するサービスが提供される。
【0052】
情報端末装置20は、ディスクの再生手段(記録再生手段でもよい)とデータの送受信手段がそれぞれ設けられ、データ記録媒体である光ディスク10より本来のデータを読み出して再生することができると共に、光ディスク10に記録された媒体情報UIDを読み出し、読み出した媒体情報UIDを用いて特定のサービスを受けるための装置である。従って、以下説明する記録済みのデータ記録媒体としての光ディスク10はCD−ROMを例示する。
【0053】
図6はこの情報端末装置20の実施の形態を示すもので、上述したように光ディスク10を再生するディスク再生手段として機能する媒体情報再生装置50を有する。この情報端末装置20には装置全体の制御を司るCPUからなる制御部22を始めとして、各種データを記録し保存するための記憶手段、この例ではハードディスクからなる記憶手段23と、外部とのデータ授受を行うデータ送受信手段(通信インタフェース)24がバス27に連結されている。さらに、LCDなどの表示部25や、操作情報を入力するためのキーボードなどからなる入力手段26がそれぞれバスを介して相互に連結されている。
【0054】
この構成によって、光ディスク10から媒体情報を含めたデータの再生処理を始めとして、光ディスク10から読み出した媒体情報UIDを管理用サーバ30側に送り、必要な情報を取得する外部とのデータ授受処理、さらには受信したデータの記憶処理などを実現している。制御部22にはこれらの処理を実現するために必要な処理プログラムを格納したROMなどのメモリ手段(図示はしない)が内蔵されている。
【0055】
図7は管理用サーバ30側の実施の形態を示す。管理用サーバ30はユーザからの媒体情報UIDを認証し、認証されたとき指定されたサービスを提供できるように構成されると共に、媒体管理などを行うための処理を行っている。
【0056】
そのため、図7に示すようにこの管理用サーバ30は装置全体の制御を行うCPUを有する制御部31、サービスコンテンツを蓄積したデータベース32、光ディスク固有の媒体情報UIDや鍵情報などの各種管理情報を蓄積した管理用データベース33が設けられる。これらの他に、外部とのデータ授受を行う送受信手段(通信インタフェース)34、媒体情報UIDなどの情報を表示するLCDなどからなる表示部35および情報入力などのときに使用するキーボードやマウスなどの入力手段36などで構成される。制御部31にはこれらの処理を実現するために必要な処理プログラムを格納したROMなどのメモリ手段(図示はしない)が内蔵されている。
【0057】
図8はこの発明に係る媒体情報再生装置50の実施の形態を示す要部の系統図である。図8は光ディスク10のプログラムエリアに上述した媒体情報が記録されているときの実施の形態である。
【0058】
制御部22からの制御信号によってサーボコントローラ52が制御されることで、スピンドルモータ54が回転して、光ディスク10は線速度が一定となされた状態で、光ディスク10からの記録情報が光ピックアップユニット55によって読み取られる。読み取られた光信号はユニット内部で電気信号に変換された状態でRFアンプ56を介して復調器57に供給されて、情報の復調(EMF復調)が行われる。復調出力のうちプログラムエリア14に記録されている情報(音楽データなど)は、さらに後段のエラー訂正(CIRCエラー訂正)および復号化回路58において、エラー訂正処理および復号化処理が行われる。
【0059】
その後、CD−ROMデコーダ59に供給されてCD−ROM形式の復調出力がデコードされる。復調出力(本来のデータ)は図示はしない出力処理部(音声再生回路など)を介して再生出力情報として出力されるが、この復号出力はさらにインタフェース67を介してメモリ手段63に保存することもできる。
【0060】
一方、EFM復調された復調出力の一部はさらにサブコードの読み出し回路60に供給されて、サブコードの読み出し回路60に供給されてリードインエリアとプログラムエリアの双方に記録されたサブコードの抽出が行われる。そして、さらにサブコードのQチャネルに含まれるTOC情報の読み出し回路62に供給されて、復調出力よりTOC情報が抽出され、抽出されたTOC情報はディスク管理を行うためCPUで構成された制御部61およびバス27を介してRAM63に保存される。
【0061】
TOC情報はさらに媒体情報UIDのエリア検出手段64にも供給され、TOC情報に含まれる記録アドレス情報が検出される。記録アドレス情報によってサブコード中に挿入された媒体情報UIDが抽出分離される。この媒体情報UIDに上述したようにエラー訂正用のコード例えばCRCコードが含まれているときには、同時にエラー訂正処理が行われる。この媒体情報UIDの検出処理は制御部61自体で行うこともできる。
【0062】
検出されたエリア情報に基づいてスイッチング手段65が制御されて、媒体情報UIDのみが抽出され、後段のインタフェース66を介してメモリ手段(RAMなど)63に保存される。同じく、スイッチング手段65で抽出分離されたサブコードは制御部61に供給されて、TOC情報と共に曲の頭出し等の情報として利用される。
【0063】
光ディスク10に記録された情報が暗号化されているときには、管理用サーバ30側より提供された鍵情報を用いて復号処理が行われる。鍵情報は復号キーそのものであったり、場合によってはこの鍵情報を用いて正規な復号キーを生成するための情報であったり、情報サービスシステムのセキュリティーに合わせた鍵情報が提供される。
【0064】
入力手段26からの入力情報に応じてメモリ手段63の媒体情報UIDが読み出され、読み出された媒体情報UIDが送受信手段(送受信用インタフェース)24(図6参照)を介して管理用サーバ30側に送信される。
【0065】
さて、図5に示すような情報サービスシステムを構築したときの各種処理例を図9以下を参照して説明する。図9はこの情報サービスシステム全体の処理を説明する概略図(フローチャート)であって、媒体情報端末装置20側では光ディスク10を再生して媒体情報UIDを取得する。この媒体情報UIDはメモリ手段63に保存される。
【0066】
次に、ユーザが管理用サーバ30へのアクセス処理を行う。このときユーザ認証を行う関係で、ユーザ側からは予め管理用サーバ30との間で取り決めたパスワードPWを送信する。ユーザの認証が行われると、管理用サーバ30側からはサーバ側が取り扱うメニュー情報(サービスメニュー)が送信され、ユーザ側ではこのサービスメニューが表示される。ユーザが媒体情報UIDのユーザ確認情報を使用したサブメニューを選択したときには、そのサブメニュー選択情報が管理用サーバ30側に送信される。
【0067】
管理用サーバ30側では、既に送信し終えた媒体情報UIDを解析する。媒体識別情報あるいは関連情報を用いて、正規な媒体情報であるかどうかの認証処理を行う。不正コピーされた記録媒体からのアクセスなどを排除するためである。この場合の媒体管理情報はディスク製造元やディスク販売業者から提供された媒体固有の管理情報(媒体情報と同じ情報)が利用される。
【0068】
その後の処理として、受信した媒体識別情報と、管理用サーバ30側で設定したサービス当選情報と照合する。サービス当選情報とは、有料サービス情報および無料サービス情報に関するそれぞれ16ビットの当選番号であるが、実際には有料サービスビットおよび無料サービスビットを構成する特定のビット情報(単数若しくは複数)に基づいて判断する。
【0069】
媒体識別情報が当選番号と同じであるときには、予め用意しておいた有料若しくは無料のサービス情報を提供する。サービス情報は音楽、画像(動画、静止画)、ソフトなどのコンテンツであり、予め用意されているものである。
【0070】
なお、関連情報の解析結果では、データ記録媒体に記録された情報の復号化するための鍵情報がユーザ側に提供される。この鍵情報をメモリ手段63に保存して、この鍵情報を利用して光ディスク10に記録された情報を復号する。記録された情報が音楽データであるときには、この鍵情報を利用して再生される。
【0071】
当選番号の値や桁数などは固定ではなく変更することができる。例えば週単位、月単位のように特定期間ごとに当選番号を変えることによって、より沢山のユーザに有料および又は無料のサービスコンテンツを提供できることになる。
【0072】
続いて、図10以下を参照してより詳細に処理手順を説明する。上述したように情報端末装置20側では装填された光ディスク10の再生処理が行われ、この光ディスク10に記録された媒体情報を読み出し、読み出した媒体情報は一時的にメモリ手段であるRAM63に格納されると共に、管理用サーバ30側へのアクセス処理が終了した段階でRAM63に格納されている媒体情報が、パスワードなどと共に送信される。したがって管理用サーバ30側では図10に示すような処理が実行されることになる。
【0073】
図10は上述した(ケースa)を実現するための処理例であって、有料サービスか無料サービスの何れかしか享受できない例である。
まず、受信した媒体情報は管理用データベース33に保存される(ステップ71)。保存した媒体識別情報のうち有料サービスに関する照合処理が行われる(ステップ72)。
【0074】
有料サービスの当選情報は上述したように、図2Aの例に従えば、そのMSB側より有料サービスビットが(10000000 0000000)から(11111111 11111111)までの範囲内であるので、この範囲内に媒体識別情報のMSB側16ビットがあるかどうかが判断される。この当選しているか否かは、取りも直さず有料サービスビットのMSBが「1」であるかどうかを判断すればよいので(図2C参照)、媒体識別情報のMSBの判断処理が行われる。
【0075】
MSBが「1」であるときには、その後のビットが何であれ当選しているので、この場合にはデータベース32をアクセスして予め用意されたサービス情報(有料サービスコンテンツ)が読み出されて情報端末装置20側に送信されてサービス処理が終了する(ステップ73)。ただし、サービス情報の提供は有料であるから、ユーザが同意したときだけサービス情報を提供することになる。
【0076】
したがって実際には、有料サービスの受けることができる旨のメッセージを送信すると共に、その同意が帰ってきたとき(アクノリッジ信号の受信)、始めてサービス情報がユーザに提供されることになる。決済はカード決済など、周知の手段を利用する。ユーザが同意しないときには、サービス情報の提供は行われない。
【0077】
これに対して、そのMSBが「1」でないときには、次に有料サービスビットに続く16ビット(無料サービスビット)が当選番号である(11111111 00000000)から(11111111 11111111)の範囲内にあるかどうかが判断される(ステップ74)。
【0078】
この場合、17ビット目から24ビット目までがオール「1」であれば当選していることになるので、このときには同じくデータベース32に蓄積された無料サービス用のコンテンツが読み出され、これが情報端末装置20側に送信されてサービス処理が終了する(ステップ75)。サービス情報は無料でユーザ側に提供されるものであるから、この場合にはユーザの承諾なしにサービス情報が提供される。ユーザ側で不要なサービス情報であるときには、これを消去処分するなどの処理を行えばよいからである。
【0079】
図11は、(ケースb)を実現するための処理例である。この場合にもまず受信した媒体識別情報を構成する有料サービスビットが、(10000000 0000000)から(11111111 11111111)までの当選番号の範囲内であるかどうかを、そのMSBだけで判断する(ステップ81、82)。
【0080】
MSBが「1」であるときには、その後のビットが何であれ当選しているので、この場合にはデータベース32をアクセスして予め用意されたサービス情報(有料サービスコンテンツ)が読み出されて情報端末装置20側に、上述した所定の手順を経て対応するサービス情報が送信される(ステップ83)。サービス処理の前提としてユーザの同意が必要なことは図10の場合と同じである。
【0081】
次に、有料サービスビットのMSBが「1」であるかないかを問わず、この有料サービスビットに続く16ビット(無料サービスビット)が、当選番号である(11111111 00000000)から(11111111 11111111)の範囲内にあるかどうかが判断される(ステップ84)。
【0082】
この場合、17ビット目から24ビット目までがオール「1」であれば当選していることになるので、このときには同じくデータベース32に蓄積された無料サービス用のコンテンツが読み出され、これが情報端末装置20側に所定の手順を踏みながら送信処理が行われてサービス処理が終了する(ステップ85)。
【0083】
したがってこのサービス処理では、有料サービスを受けることができないときのみならず、有料サービスが受けられる場合であっても、その無料サービスビットが当選番号の範囲内にあるときは、無料サービスも享受できることになる。
【0084】
図12は、(ケースc)を実現するための処理例である。この場合にもまず受信した媒体識別情報を構成する有料サービスビットが、(10000000 0000000)から(11111111 11111111)までの当選番号の範囲内であるかどうかを、そのMSBだけで判断する(ステップ91,92)。MSBが「1」でないときには、有料サービスのみならず、無料サービスも享受できないでこのサービス処理が終了する。
【0085】
しかし、MSBが「1」であるときには、その後のビットが何であれ当選しているので、この場合にはデータベース32をアクセスして予め用意されたサービス情報が読み出されて情報端末装置20側に送信されてサービス処理が終了する(ステップ93)。サービス処理の前提としてユーザの同意が必要なことは図10の場合と同じである。
【0086】
次に、有料サービスビットが当選番号を含んでいるときには、さらにこの有料サービスビットに続く16ビット(無料サービスビット)が、当選番号である(11111111 00000000)から(11111111 11111111)の範囲内にあるかどうかが判断される(ステップ94)。
【0087】
この場合、17ビット目から24ビット目までがオール「1」であれば当選していることになるので、このときには同じくデータベース32に蓄積された無料サービス用のコンテンツが読み出され、これが情報端末装置20側に所定の手順を踏みながら送信処理が行われてサービス処理が終了する(ステップ95)。
【0088】
したがってこのサービス処理では、有料サービスを受けた者だけが無料サービスも享受できることになる。
【0089】
なお、図10〜図12においては、図示はしないが、最初のパスワードや媒体識別情報による認証処理では認証できなかったときには再送を要求し、再度の認証処理を行う。再度の認証処理でも媒体情報UIDを正規なものと判断できなかったときは、このサービス処理を中止する旨のメッセージを送信してサービス処理を終了することになる。
【0090】
さて、この発明では図1に示すプレス加工されたデータ記録済みのデータ記録媒体に、上述した識別情報UIDを記録して使用するようにしたものである。この場合には所望とするデータが書き込まれた半製品の光ディスクに、識別情報UIDが例えば高出力レーザを使用して記録される。識別情報UIDはリードインエリア、リードアウトエリア、プログラムエリアの何れかのエリアに記録されるが、上述した実施の形態ではプログラムエリアに記録されるサブコードのユーザビットを利用してここに挿入記録されることになる。その記録方法の一例を図13以下を参照して説明する。
【0091】
図13は媒体情報記録装置を含む光ディスク作成システムの一例を示す。この光ディスク作成システムは、光ディスクに記録する情報データの変調信号を生成して送出する変調信号送出装置140、変調信号に従って光ディスク原盤320を作成する光ディスク原盤記録装置であるレーザービーム・レコーダ600、半製品の光ディスク340を成形する成形装置700及び半製品の光ディスク340に追記を行なう追記装置200から構成される。追記装置200は上述した媒体情報UIDを記録するための手段である。
【0092】
変調信号送出装置140は、光ディスクに記録する情報データを読み込んで再生する記録情報再生手段150、再生された情報データを所定のフォーマットの変調信号データパターンに変換する変調情報生成手段160、変調信号データパターン情報を記憶する変調情報記憶手段170及び変調信号を出力する変調信号出力手段180から構成される。
【0093】
記録情報再生手段150は、マスターの光ディスク310に記録された所定の情報データを全領域にわたって順次再生し、変調情報生成手段160へ送る。マスターの光ディスク310は、CD−RやCD−ROM等のマスターメディア(情報源)であり、光ディスク原盤320に記録する所定の情報データが記録されている。所定の情報データは、音楽データ、映像データ、あるいはプログラム等の任意の情報データである。
【0094】
変調情報生成手段160は、再生された情報データを予め決められた所定のフォーマットの変調信号データパターンに変換し、生成された変調信号データパターンを変調情報記憶手段170に記憶するとともに変調信号出力手段180に出力する。変調信号データパターンは、所定のフォーマットにより変換された1/0のビットパターンにより構成される。また、変調時には必要に応じて、追記を行なう領域の指定等の追記に関する追記関連情報410を参照する。
【0095】
変調情報記憶手段170は、変調情報生成手段160により生成された変調信号データパターンを記憶する。変調信号出力手段180は、変調情報生成手段160の生成した変調信号データパターンを入力し、1/0のビットパターンを所定のクロックで出力することにより変調信号を生成し、レーザービーム・レコーダ600へ出力する。
【0096】
レーザービーム・レコーダ600は、変調信号送出装置140から入力する変調信号に基づいてレーザー光を照射して光ディスク原盤320にカッティングを施し、情報データを記録する。この光ディスク原盤320に基づき、スタンパー330が製作される。
【0097】
成形装置700は、このスタンパー330を用いて情報データが記録された記録済み光ディスクである半製品の光ディスク340を複製する。半製品の光ディスク340は、このように情報データは記録済みであるが、追記情報がまだ記録されていない状態の光ディスクを表すとする。
【0098】
追記装置200は、追記関連情報410あるいは変調信号データパターンを記憶する変調情報記憶手段210、追記の制御を行なう追記制御手段220及び追記制御手段220に従って半製品の光ディスク340に追記を施す追記手段230から構成される。
【0099】
変調情報記憶手段210は、変調信号送出装置140の用いた追記関連情報410、あるいは変調信号送出装置140により生成された変調信号データパターンを記憶する記憶手段である。追記制御手段220は、追記関連情報410あるいは変調信号データパターンに基づいて、追記情報420を記録する領域を算出するとともに、この領域に目盛り手段に記憶された追記情報420を追記する制御を行なう。
【0100】
追記手段230は、高出力のレーザ(図示はしない)を装備し、追記制御手段220に従って、半製品の光ディスク340に、メモリ手段に格納された光ディスク固有の媒体情報UIDである追記情報420を高出力レーザを用いて記録し、追記情報420が記録された製品の光ディスク350を生成する。この光ディスク350が上述した媒体情報UIDが記録されたデータ記録媒体10を指す。
【0101】
追記装置200では、変調情報記憶手段170に予め変調信号送出装置140の用いた追記関連情報410、あるいは変調信号データパターンが記憶されている。追記制御手段220は、追記関連情報410あるいは変調信号データパターンに基づいて、追記情報420を記録する領域を算出し、この領域に追記情報420を追記するように追記手段230を制御する。追記手段230は、追記制御手段220に従って、追記情報420を半製品の光ディスク340に記録し、製品の光ディスク350を製作する。
【0102】
追記情報記録手法としては、変調信号送出装置において情報データの変調時に変調信号の任意の区間(この例ではサブコードのQチャネルデータ領域)に無変調区間を設けた変調信号を生成して半製品の光ディスクを製作し、追記装置において無変調区間に追記情報を記録して製品の光ディスクを製作する方法がある。
【0103】
図14にその一例を示す。変調信号送出装置140では、変調信号データパターン(以下、EFMデータパターンとする)に挿入する無変調区間に関する情報を追記関連情報410より取得する。EFMデータパターンのどこに無変調区間を挿入するか、あるいは、無変調区間をいくつ挿入するかということは任意であり、特定はされない。ただし、無変調区間が挿入された半製品の光ディスク340がトラッキングサーボできる程度、すなわち連続した無変調区間がトラッキングサーボの帯域以下となるように設定する。このトラッキングの方法は、特に限定されない。図14の例では、サブコーディング部を無変調区間としている。この無変調区間は、同期パターンを除くサブコーディング部、情報データが挿入されるデータ部の任意の箇所に設けることができる。また、ある一定間隔、あるいはランダムな間隔で無変調区間を複数設けるとしてもよい。
【0104】
変調情報生成手段160は、このような追記関連情報410に従って、EFMデータパターンの一部に無変調区間を設けた変調信号(以下、EFM信号とする)を生成し、レーザービーム・レコーダ600へ出力する。レーザービーム・レコーダ600へ出力するEFM信号、すなわち、光ディスク原盤320に記録されるEFM信号の波形は、サブコーディング部の信号レベルが0となる。これに応じて製作される半製品の光ディスク340は、無変調区間であるサブコーディング部にピットが存在しない。そこで、追記手段230を用いてこの無変調区間であるサブコーディング部に媒体情報UIDに関するピットを形成し、製品の光ディスク350が得られる。
【0105】
追記装置200では、追記関連情報410を取得して変調情報記憶手段210に記憶しておく。追記制御手段220は、追記情報420にEFM変調を施し、そのEFM信号がサブコーディング部に相当する区間に記録されるように、高出力のレーザーを発する追記手段230を制御して、サブコーディング部にピットを形成する。図14の斜線で表されたピットが追記情報により形成されたピットである。追記装置200により追記が行なわれた製品の光ディスク350は、サブコーディング部に相当する区間に追記情報420の変調信号が記録されている。
【0106】
このようにして、情報データの変調信号が記録された半製品の光ディスクに、同一の変調方式で変調された追記情報を記録する。追記情報としてディスク1枚ごとに異なったデータを記録することにより、光ディスクの個別情報として読み出すことが可能となる。また、追記が行なわれた製品の光ディスクは、従来のEFM変調に対応する再生機において、情報データの変調信号とともに追記情報の変調信号を再生することができる。このように、個別識別情報読み出しのための特殊な回路を再生機に設ける必要なく、個別識別情報を再生することができる。
【0107】
記録済みのデータ記録媒体に対して媒体情報などの追記情報を記録手法としては、上述した例の他に、変調信号送出装置において情報データを変調したEFM信号を生成して半製品の光ディスクを製作し、追記装置において変調信号送出装置が生成したEFMデータパターンを参照して任意の区間に追記情報を記録して製品の光ディスクを製作する方法などが考えられるが、その詳細な説明は割愛する。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るデータ記録媒体は、記録済みのデータ記録媒体の所定のエリアに記録された媒体識別情報の一部又は全部をサービス種別情報としても兼用するようにしたものである。
【0109】
これによれば、媒体識別情報の本来の機能であるセキュリティーを確保する一方で、情報量を増やすことなく、全く新しい機能を達成するための情報を追加できる。つまり、媒体識別情報を有料および無料のサービス情報を取得するためのサービス種別情報としても使用することができる。有料および無料のサービス情報の形態を組み合わせることで、色々なサービスをユーザに提供できるから、セキュリティーが高く、不正コピーしにくいデータ記録媒体を実現したり、特典付きのデータ記録媒体を提供できる。
また、データ記録媒体は、媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合に、媒体識別情報の記録領域は、当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、当該有料及び無料サービスビット領域は、サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われる。これにより、有料サービス情報および無料サービス情報が、あるところに固まって出現することを避けることができる。
【0110】
またこの発明に係る情報サービス方法および情報サービスシステムは、媒体情報を有する情報端末装置と管理用サーバとを通信回線網で結ぶことで、媒体情報を用いた情報の授受を可能にしたものである。これによれば、媒体情報を用いて有料、無料を問わずユーザに各種のサービスを提供できる特徴を有する。この場合、媒体情報はデータ記録媒体に記録された媒体情報であり、その管理は管理用サーバ側で行われるために、データ記録媒体を再生したりする情報端末装置には依存しないでサービスの管理を実現できる。
【0111】
このようにこの発明によれば、データ記録媒体固有の媒体識別情報のセキュリティーを確保しながら、ユーザの購買意欲を刺激するようなサービスを媒体情報のみで実現できる特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る書き込み可能なデータ記録媒体の実施の形態を示す概念図である。
【図2】この発明に係る媒体情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図3】媒体情報をサービス種別情報として使用するときのサービスの形態との関係を示す図である。
【図4】この発明に係る媒体情報のフォーマットの他の例を示す図である。
【図5】この発明に係る情報サービスシステムの実施の形態を示す要部の系統図である。
【図6】この発明に係る情報端末装置の実施の形態を示す要部の系統図である。
【図7】この発明に係る管理用サーバの実施の形態を示す要部の系統図である。
【図8】この発明に係る媒体情報再生装置の実施の形態を示す要部の系統図である。
【図9】情報端末装置と管理用サーバとのデータ処理例を示すフローチャートである。
【図10】サービス情報に対する処理例を示すフローチャートである(その1)。
【図11】サービス情報に対する処理例を示すフローチャートである(その2)。
【図12】サービス情報に対する処理例を示すフローチャートである(その3)。
【図13】記録済みデータ記録媒体に媒体情報を記録するときの媒体情報記録装置の実施の形態を示す系統図である。
【図14】その動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
10・・・光ディスク(データ記録媒体)、14・・・プログラムエリア(主記録領域)、16・・・リードインエリア、20・・・情報端末装置、30・・・管理用サーバ、40・・・通信回路網、24、34・・・・送受信部、25・・・表示部、50・・・媒体情報端末装置、32・・・・サービスコンテンツデータベース、33・・・管理用データベース、60・・・・TOC情報抽出手段、61・・・制御部、63・・・メモリ手段、64・・・媒体情報抽出手段、66,67・・・インタフェース
Claims (12)
- データを記録する記録媒体であって、
上記記録媒体は、
当該記録媒体を固有に識別する為の情報、かつ、サービスの種別を示す情報である媒体識別情報を示す番号を記録するための記録領域を有し、
上記媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合であって、
上記記録領域は、
当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、
上記有料及び無料サービスビット領域は、
サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われることを特徴とするデータ記録媒体。 - 上記データ記録媒体は、光ディスクであることを特徴とする請求項1記載のデータ記録媒体。
- 上記データ記録媒体は、プリプレスされた記録済みのデータ記録媒体であることを特徴とする請求項1記載のデータ記録媒体。
- 上記有料サービスに関する有料サービス情報および上記無料サービスに関する無料サービス情報は、何れも2Nビットで構成されることを特徴とする請求項1記載のデータ記録媒体。
- データ記録媒体を固有に識別する為の情報、かつ、サービスの種別を示す情報である媒体識別情報を示す番号を記録するための記録領域を有し、当該媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合であって、上記記録領域は、当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、上記有料及び無料サービスビット領域は、サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われたデータ記録媒体の上記媒体識別情報を用いて、この媒体識別情報を管理する媒体情報管理用サーバ側に蓄積されたサービス情報を取得する情報サービス方法であって、
媒体情報再生装置側と上記媒体情報管理用サーバ側とが通信回線網によって結ばれ、
上記媒体情報再生装置側では、上記データ記録媒体より媒体識別情報を読み出し、
読み出した媒体識別情報を上記通信回線網を介して上記媒体情報管理用サーバ側に送信し、
上記媒体情報管理用サーバ側では、上記媒体識別情報を判別して、対応するサービス情報を上記媒体情報再生装置側に提供するようにしたことを特徴とする情報サービス方法。 - 上記データ記録媒体は、光ディスクであることを特徴とする請求項5記載の情報サービス方法。
- 上記データ記録媒体は、プリプレスされた記録済みのデータ記録媒体であることを特徴とする請求項5記載の情報サービス方法。
- 上記有料サービスに関する有料サービス情報および上記無料サービスに関する無料サービス情報は、何れも2Nビットで構成されることを特徴とする請求項5記載の情報サービス方法。
- データ記録媒体を固有に識別する為の情報、かつ、サービスの種別を示す情報である媒体識別情報を示す番号を記録するための記録領域を有し、当該媒体識別情報の番号がシリアルに割り当てられた場合であって、上記記録領域は、当該記録領域の所定ビット分が、有料サービスを享受できるか否かを示す有料サービスビット領域に割り当てられ、更に、当該有料サービスビット領域を除く当該記録領域の所定ビット分が、無料サービスを享受できるか否かを示す無料サービスビット領域に割り当てられ、上記有料及び無料サービスビット領域は、サービスを享受できるか否かを判断するためのビット範囲として、各々の領域における最下位ビット側が宛われたデータ記録媒体の上記媒体識別情報を用いて、この媒体識別情報を管理する媒体情報管理用サーバ側に蓄積されたサービス情報を提供する情報サービスシステムであって、
通信回線網によって結ばれた媒体情報再生装置と上記媒体情報管理用サーバとを有し、
上記媒体情報再生装置側では、データ記録媒体を再生して、このデータ記録媒体に記録された媒体識別情報を保存すると共に、この媒体識別情報を送信し、上記媒体情報管理用サーバ側に蓄積されたサービス情報を受信できる送受信手段を有し、
上記媒体情報管理用サーバ側では、提供すべき上記サービス情報を蓄積したサービス情報用データベースと、管理用データベースを有し、
上記媒体情報再生装置側では、上記データ記録媒体より媒体識別情報を読み出し、読み出した媒体識別情報を上記通信回線網を介して上記媒体情報管理用サーバ側に送信し、
上記媒体情報管理用サーバ側では、受信した上記媒体識別情報に含まれるサービスの種別を示す情報に対応したサービス情報を上記媒体情報再生装置側に提供するようにしたことを特徴とする情報サービスシステム。 - 上記データ記録媒体は、光ディスクであることを特徴とする請求項9記載の情報サービスシステム。
- 上記データ記録媒体は、プリプレスされた記録済みのデータ記録媒体であることを特徴とする請求項9記載の情報サービスシステム。
- 上記有料サービスに関する有料サービス情報および上記無料サービスに関する無料サービス情報は、何れも2Nビットで構成されることを特徴とする請求項9記載の情報サービスシステム。
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