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JP4100090B2 - 合成樹脂製ドアパネル - Google Patents

合成樹脂製ドアパネル Download PDF

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JP4100090B2
JP4100090B2 JP2002239233A JP2002239233A JP4100090B2 JP 4100090 B2 JP4100090 B2 JP 4100090B2 JP 2002239233 A JP2002239233 A JP 2002239233A JP 2002239233 A JP2002239233 A JP 2002239233A JP 4100090 B2 JP4100090 B2 JP 4100090B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のリヤドアパネルまたはサイドドアなどに用いられる合成樹脂製ドアパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来から実施されている自動車のガラス窓を備えたドアパネル(リヤドアパネル)の一例を示したものであり、リヤドアパネルを後方から見た正面図である。図10のドアパネルは、金属板にて形成したパネル本体aを有しており、該パネル本体aに設けられる窓の位置には開口bが形成されていて、該開口bにガラス窓cが嵌め込まれて固定されている。
【0003】
ガラス窓cには、防曇用の熱線dが配置されており、熱線dはバッテリなどの電源に接続されている。熱線dは、たとえば銀粒子を混合したセラミックペースト(以下たんにセラミックペーストという)をガラス窓cに印刷した後、焼き付けることにより設けられる。熱線dは、ガラス窓cの視認性を阻害しないように、たとえば0.3〜0.7mm程度の狭幅で形成されている。
【0004】
また、自動車には種々の方式のアンテナが備えられる。たとえば車体に設置するアンテナとしては、ピラーアンテナやポールアンテナなどがあるが、この方式のアンテナは車体から外部に突出するために邪魔になる、または損傷し易いなどの問題があり、さらに、構造的にも高価になる。このため、ガラス窓cに配置されている熱線dの上部や下部のスペースeにアンテナ線fによるアンテナを配置するリヤガラスアンテナ方式が採用されている。このアンテナ線fも熱線dと同様に、セラミックペーストをガラス窓cに印刷し、焼き付けることにより形成されている。
【0005】
アンテナ線fは、車両を構成する金属の導体に近付き過ぎると受信感度が得られないという問題がある。このために、前記したように金属の導体から離れているガラス窓cにアンテナ線fを配置することは好ましい。
【0006】
リヤガラスアンテナとしては、アンテナが受信した電波を、所定の利得分を増幅させて、出力フィーダ線g(同軸ケーブル)にて受信機へ導く、アンプh付きのリヤガラスアンテナがある。ここで言うアンプhとは、たとえば12Vの電源を供給することで、増幅器として作用するものである。
【0007】
また、図示しないがリヤガラスアンテナで受信した電波を、パッシブ素子(抵抗、コイル、コンデンサ)で構成された回路を介して、同様の出力フィーダ線g(同軸ケーブル)にて受信機へ導く、パッシブ回路付きのリヤガラスアンテナがある。
【0008】
アンプh付きのリヤガラスアンテナの場合、アンプhを作動させるために、アンプhとグランド(パネル本体aなどの車両本体)間に12Vの電位差を生じさせる必要がある。従来の自動車のボディは、一般的にバンパー以外は金属板で構成されており、ガラス窓c周りのルーフ、Cピラー、サンデッキも金属板であった。したがって、リヤガラスアンテナの給電点付近のボディへアンプhをボルトで固定(一般的にはCピラーに固定)することで、アンプhと自動車のボディ間には12Vの電位差が生じ、アンプhが正常に作動することになる。つまり、アンプhを自動車のボディにボルトで取り付けることは、アンプh自体の固定と、アンプhのアースをとることになる。
【0009】
また、出力フィーダ線gに使用している同軸ケーブルも自動車のボディへアースする必要がある。同軸ケーブルは、内部導体と、該内部導体にノイズが進入するのを防ぐ外部導体とで構成されており、内部導体の一端はリヤガラスアンテナの給電点に接続され内部導体の他端はオーディオに接続されている。また、外部導体も自動車のボディへアースする必要があり、このために、外部導体の一端はアンプ筺体に接続し、他端はオーディオ筺体に接続している。
【0010】
一方、近年、リヤドアなどのドアを合成樹脂で製作した合成樹脂製ドアパネルとすることが研究されている。
【0011】
上記合成樹脂製ドアパネルとしては、外側パネルと内側パネルを合成樹脂材料により製作し、この外側パネルと内側パネルとを一体化する方法が考えられている。また、上記合成樹脂製ドアパネルに窓を設ける方法としては、合成樹脂製ドアパネルに窓用の開口をあらかじめ形成しておき、この開口に窓ガラスを嵌め込んで一体に固定する方法がある。また、透明樹脂窓の外周に非透明樹脂部を射出成形することにより窓を一体化させるようにした方法もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような合成樹脂製ドアパネルにおいては、アンテナのアンプhを設置するとき、アンプh自体の固定はボルトなどでできるが、アンプhのアースをとることが困難となる。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みて成したもので、合成樹脂製の外側パネルと内側パネルとを一体化してなるドアパネルにおいて、アンテナの種類とアンテナの配置位置とを自由に選定することができ、かつアンプのアースを容易に取ることができて、高い受信感度が得られるようにした合成樹脂製ドアパネルを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外側パネルと内側パネルを合成樹脂材料により製作して一体化してなる合成樹脂製ドアパネルであって、前記外側パネルにおける非透明樹脂部の車内側にアンテナを配置したことを特徴とする合成樹脂製ドアパネル、に係るものである。
【0015】
上記手段において、外側パネルの上部にスポイラを形成し、該スポイラまたはその近辺の車内側にアンテナを配置してもよい。
【0016】
本発明は、外側パネルと内側パネルを合成樹脂材料により製作して一体化してなる合成樹脂製ドアパネルであって、前記外側パネルにおける非透明樹脂部の車内側にアンテナを配置し、該アンテナのアンプを車両の金属構造部に接続したことを特徴とする合成樹脂製ドアパネル、に係るものである。
【0017】
上記手段において、前記車両の金属構造部が、合成樹脂製ドアパネルを車体に取り付けるヒンジであってもよい。また、前記車両の金属構造部に接続してアンテナ側に延設した導電帯にアンプを取り付けてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は透明樹脂窓を備えた合成樹脂製ドアパネルの一例であるリヤドアパネルを後方から見た正面図である。図2は図1のII−II方向矢視図である。
【0020】
図1、図2のリヤドアパネルは、合成樹脂製の外側パネル1と合成樹脂製の内側パネル2とを一体に組み立てるようにした構成の場合を示しており、外側パネル1は、上部中央にポリカーボネートなどの樹脂材料からなる車両用の透明樹脂窓3を備えている。透明樹脂窓3の上下、左右の外周には非透明樹脂材料にてドアの形状に形成した非透明樹脂部4a、4b、4c、4dが一体化されている。本例では、外側パネル1は、透明樹脂窓3と非透明樹脂部4a、4b、4c、4dとが射出多色成形法によって一体に成形されている。
【0021】
内側パネル2は非透明樹脂にて構成されていて、前記外側パネル1の透明樹脂窓3に対応した位置には開口5が形成されている。さらに、内側パネル2の外面には、外側パネル1の内面に当接して補強リブの機能を有しかつ電源線または信号線などを配置するためのリブ状のワイヤハーネス6が設けられている。そして、内側パネル2が外側パネル1の車内側に配置され、周縁部の接合部7により接着剤などを介して内側パネル2と外側パネル1は一体に接合される。
【0022】
透明樹脂窓3には図示しないが防曇用の熱線を配置することができる。この透明樹脂窓3に対する熱線の配置は、従来の熱線の配置のようにガラス窓にセラミックペーストを印刷して焼き付ける方法に比べて良好な接着力を得ることが難しい。すなわち、透明樹脂窓3にセラミックペーストを印刷する場合に、視界性を損わない細い線幅(たとえば0.7mm以下)とした場合には、断線、または抵抗値のバラツキが発生し易いという問題がある。このため、セラミックペーストによる印刷が可能な樹脂フィルムに熱線を印刷して焼き付け、この樹脂フィルムを透明樹脂窓3に接着剤を用いて接着するか、または前記した射出多色成形時に、樹脂フィルムを用いて透明樹脂窓3と一緒に成形する。
【0023】
外側パネル1における透明樹脂窓3の下部の非透明樹脂部4bには、透明樹脂窓3の水滴を除去するためのワイパを取り付けるワイパ取付部8が設けられているとともに、ナンバープレート取付部9が設けられている。さらに、ブレーキライト、パーキングライト、バックライトなどのコンビライトを取り付けるためのライト取付部10が設けられている。11は透明樹脂窓3の下部の非透明樹脂部4bに設けた小窓である。図1、図2に示した外側パネル1の非透明樹脂部4a、4b、4c、4dは、車両のボディ色に着色された樹脂材料を用いて成形することにより意匠性を向上させることができる。一方、車内側から見える外側パネル1の非透明樹脂部4a、4b、4c、4dの色を内装色とマッチングさせることにより車内側の意匠性も向上できる。
【0024】
透明樹脂窓3の上部に形成される非透明樹脂部4aには、空気抵抗を軽減するように外側(後方)に突出した形状のスポイラ12(リヤスポイラ)が一体に形成されている。図1、図2のスポイラ12は、外側パネル1の上端部において左右方向に延びており、さらに、該スポイラ12の左右方向の所要間隔位置には補強リブ13が一体に形成されている。
【0025】
上記したリヤドアパネルにおいて、外側パネル1の非透明樹脂部4a、4b、4c、4dの車内側に、アンテナ14を配置する。図1、図2の例では、外側パネル1の透明樹脂窓3の上部における非透明樹脂部4aにアンテナ線14aを設けた場合と、外側パネル1の上部に形成したスポイラ12の車内側にアンテナ線14bを配置した場合を示している。このアンテナ線14a、14bは、その一方のみを備えたり、または両方を備えるようにしてもよい。また、上記とは別の非透明樹脂部4b、4c、4dにアンテナ線を配置するようにしてもよい。
【0026】
前記アンテナ線14a、14bは、セラミックペーストの印刷が可能な樹脂フィルムにセラミックペーストによりアンテナ線14a、14bを印刷して焼き付け、その樹脂フィルムを上部の非透明樹脂部4aやスポイラ12などの車内側に接着するか、または、前記した射出多色成形による外側パネル1の成形時に前記樹脂フィルムを用いて一緒に成形することにより形成される。また、上記したセラミックペーストを用いる以外に、銅箔などの薄板を外側パネル1の車内側に接着することや、導電性樹脂塗料をセラミックペーストに代えて印刷することによってもアンテナ14を形成できる。さらにまた、所望の周波数帯に同調するように適宜寸法調整させた導電性フィルムを上部の非透明樹脂部4aやスポイラ12などの車内側に接着することによってもアンテナ14を形成することができる。
【0027】
上記したように、外側パネル1の最上部におけるスポイラ12の車内側や上部の非透明樹脂部4aの車内側にアンテナ線14a、14bを配置すると、信号の受信感度を高めることができる。さらに、アンテナ線14a、14bを上部の非透明樹脂部4aやスポイラ12の車内側に配置すると、アンテナ線14a、14bは外部からはまったく見えなくなるので、簡単に目隠し効果が得られる。このため、幅広のアンテナ線14a、14bを用いることが可能となり、また自由な長さで配置できる。また上記アンテナ線14a、14bに代えて、銅線、または鉄線などによるアンテナ、面形状のアンテナ、ポール状さらには立体的なアンテナ、ピラーアンテナやポールアンテナなど種々の形式のアンテナを任意に設置することができる。
【0028】
また、図2に示すように、スポイラ12における上方を向いている面は、通信衛星からの衛星放送信号、カーナビゲーション信号などを受信する上向きアンテナ線の配置に適し、またスポイラ12における鉛直方向を向いている面、または上部の非透明樹脂部4aの鉛直面には、地上に近い電波であるAM、FMなどのラジオ信号、テレビ信号、電話信号などを受信する横向きアンテナ線の配置に適する。
【0029】
一方、前述したように、合成樹脂製のリヤドアパネルにアンテナ14を設置するには、アンプのアースを車両本体に取る必要がある。このために、本発明者らは、自動車のボディとリヤドアパネルとを接続している車両の金属構造部であるヒンジに着目した。
【0030】
上記合成樹脂製のリヤドアパネルにアンテナのアンプをアースして取り付けるための方法を以下に説明する。
【0031】
図3〜図5は、縦開きのリヤドアパネルの例を示したものであり、内側パネル2の上部の非透明樹脂部4aの室内側にアンテナ線14aを配置した場合を示している。
【0032】
車両15の後部上端には、リヤドアパネルの上端を縦方向に回動可能に取り付けるためのヒンジ16が設けられており、このヒンジ16にリヤドアパネルを取り付るための取付金具17が、ボルト18によりリヤドアパネルの内側パネル2上端部に固定されている。
【0033】
前記内側パネル2の外側面に、ボルト18による固定部から前記アンテナ線14aの方向に延びる導電帯19を設け、該導電帯19のアンテナ線14a側端部上にアンプ20を固定している。上記導電帯19としては導電シート、導電接着剤、導電弾性体などを用いることができる。
【0034】
上記導電帯19はボルト18により車両の金属構造部であるヒンジ16に電気的に接続され、この導電帯19にアンプ20が電気的に接続される。
【0035】
このときのアンプ20の固定方法の一例を図5に示している。すなわち、内側パネル2の外面に樹脂ボス21、21をあらかじめ突設させておく。そして、この樹脂ボス21、21間に前記導電帯19を配置し、この状態で樹脂ボス21、21にアンプ20のケーシング底板22に形成した孔を嵌合させ、前記樹脂ボス21、21の端部を溶着する。これによりアンプ20を導電帯19に押付けた状態で容易かつ確実に固定できる。上記アンプ20は出力フィーダ線26(同軸ケーブル)によりゴム製のグロメット27を介して図示しない受信機に接続される。
【0036】
上記において、アンテナ線14aの給電点23とアンプ20との間をつないでいるリード線24は、300mm以上に長くなると、ノイズの混入が急激に増加するという問題がある。このため、前記導電帯19による擬似アースをアンテナ線に近い位置まで延長することにより、前記リード線24の長さを300mm以下、好ましくは200mm以下にすることが容易に可能になる。なお、上記導電帯19による擬似アースエリアの抵抗値は1Ω/cm以下に保持することが好ましい。
【0037】
したがって、上記図3〜図5の構成によれば、導電帯19による擬似アースをアンテナ線14aに近い位置まで延長しこの導電帯19にアンプ20を固定したので、アンプ20のアースを容易に取ることができ、しかもアンプ20のリード線24の長さを容易に短縮できるので、ノイズの発生を極力低減することができる。
【0038】
図6〜図8は、横開きのリヤドアパネルの例を示したものであり、内側パネルの上部の非透明樹脂部4aの室内側にアンテナ線14aを配置した場合を示している。なお、図7では外側パネル1に別体の透明窓3’を取り付けた場合を示している。この透明窓3’は透明樹脂窓であってもまたはガラス窓であってもよい。
【0039】
リヤドアパネルの一側辺には車両のヒンジ(図示せず)に対して横方向に回動可能に取り付けるための取付金具28がボルト29により上下2箇所に固定されている。
【0040】
前記リヤドアパネルに固定される上側の取付金具28の取付時に、図8に示すように前記導電帯19を金属などの導電材30を介して一緒に固定する。前記導電帯19は、前記ボルト29による固定部から前記アンテナ線14aの方向に延設されており、該導電帯19のアンテナ線14a側端部上にアンプ20を固定する。アンプ20の固定は、前記図5と同様の方法にて行うことができる。これにより、導電帯19はボルト29により車両の金属構造部であるヒンジと電気的に接続され、この導電帯19にアンプ20が電気的に接続される。
【0041】
したがって、上記によれば、導電帯19による擬似アースをアンテナ線14aに近い位置まで延長しこの導電帯19にアンプ20を固定したので、アンプ20のアースを容易に取ることができ、しかもアンプ20のリード線24の長さを容易に短縮できるので、ノイズの発生を極力低減することができる。
【0042】
ここまでは、アンプ付きのアンテナについて説明してきたが、パッシブ回路付きのアンテナの場合においても、同様にアース処理すれば良好に受信することができる。また、出力フィーダ線の一端をボディーアースするような場合においても、同様にアース処理すれば良好に受信することができる。
【0043】
本発明者らは、外側パネル1の上部の非透明樹脂部4aの車内側、および下部の非透明樹脂部4bの車内側にアンテナ線14aを配置した本発明の場合と、従来から実施されているピラーアンテナを備えた場合とのAM感度の比較試験を実施した。その結果を図9に示した。
【0044】
図9では、ピラーアンテナの受信感度を零(基準)としている。外側パネル1の上部の非透明樹脂部4aの車内側にアンテナ線14aを配置した場合を示すグラフAでは、ピラーアンテナよりも受信感度が4dBμV前後高い非常に良好な結果を示した。また、外側パネル1の下部の非透明樹脂部4bにアンテナ線14aを配置した際にも、グラフBで示すように、ピラーアンテナの場合よりも受信感度は4dBμV前後低いがピラーアンテナに近い受信感度を得ることができ、実用上問題ないことが判明した。上記形態例ではアンテナ線14aを配置した場合について示したが、アンテナ線14a以外に、銅線や鉄線などを設けたり、またポール状または立体的に構成したアンテナ部材によるアンテナを設けたり、さらには上記した種々のアンテナを適宜組み合わせて配置するなどにより、高い受信感度が得られるようにしてもよい。
【0045】
なお、上記形態例では外側パネル1の上部の非透明樹脂部4aの車内側にアンテナ線14aを配置した場合について例示したが、スポイラ12などの車内側やその他の場所に設置した場合にも同様に適用できる。
【0046】
また、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の合成樹脂製ドアパネルによれば、合成樹脂製の外側パネルの非透明樹脂部の車内側にアンテナを配置したので、アンテナは外部からまったく見えない状態にすることができ、よって、透明樹脂窓の視認性や合成樹脂製ドアパネルの意匠性を損うことなしに、アンテナの種類と配置位置、長さなどを自由に選定することができ、アンテナ配置の自由度が拡大されることにより、アンテナの受信感度を大幅に高められる効果がある。
【0048】
また、外側パネルの上部にスポイラを形成し、スポイラの車内側にアンテナを配置すると、アンテナの受信感度をさらに高め得る効果がある。
【0049】
また、車両の金属構造部に接続してアンテナ方向に延設した導電帯を設けて該導電帯にアンプを取り付けたので、導電帯による擬似アースをアンテナに近い位置まで延長して、アンプのアースを容易に取ることができ、しかもアンプのリード線の長さを容易に短縮できるので、ノイズの発生を極力低減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂製ドアパネルの一例を示すリヤドアパネルを後方から見た正面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図である。
【図3】縦開きのリヤドアパネルに備えたアンテナのアンプをアースする一例を示したもので、リヤドアパネルを開放して車両を後方から見た正面図である。
【図4】図3の形態の要部を説明するための切断側面図である。
【図5】アンプの固定方法を示す断面図である。
【図6】横開きのリヤドアパネルに備えたアンテナのアンプをアースする一例を示したもので、リヤドアパネルを後方から見た正面図である。
【図7】図6の形態の要部を説明するための切断側面図である。
【図8】ヒンジに取り付ける取付金具の固定部に導電帯を取り付ける状態を示す断面図である。
【図9】本発明のアンテナと、従来から実施されているピラーアンテナとのAM感度の比較試験の結果を示したグラフである。
【図10】従来のガラス窓を備えたリヤドアパネルを後方から見た正面図である。
【符号の説明】
1 外側パネル
2 内側パネル
4a、4b、4c、4d 非透明樹脂部
12 スポイラ
14 アンテナ
14a、14b アンテナ線
15 車両
16 ヒンジ
17 取付金具
18 ボルト
19 導電帯
20 アンプ
28 取付金具
29 ボルト

Claims (5)

  1. 外側パネルと内側パネルを合成樹脂材料により製作して一体化してなる合成樹脂製ドアパネルであって、前記外側パネルにおける非透明樹脂部の車内側にアンテナを配置したことを特徴とする合成樹脂製ドアパネル。
  2. 外側パネルの上部にスポイラを形成し、該スポイラまたはその近辺の車内側にアンテナを配置したことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製ドアパネル。
  3. 外側パネルと内側パネルを合成樹脂材料により製作して一体化してなる合成樹脂製ドアパネルであって、前記外側パネルにおける非透明樹脂部の車内側にアンテナを配置し、該アンテナのアンプを車両の金属構造部に接続したことを特徴とする合成樹脂製ドアパネル。
  4. 前記車両の金属構造部が、合成樹脂製ドアパネルを車体に取り付けるヒンジであることを特徴とする請求項3記載の合成樹脂製ドアパネル。
  5. 前記車両の金属構造部に接続してアンテナ側に延設した導電帯にアンプを取り付けたことを特徴とする請求項3または4記載の合成樹脂製ドアパネル。
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