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JP4197047B2 - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁分離された薄膜トランジスタを備えた半導体装置、この半導体装置を備えた電子機器、及び前記半導体装置の製造方法に関し、特に絶縁性基板上に絶縁体を介して形成された薄膜トランジスタに関する。
従来より、メモリ及びCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等を作製するために、シリコンウエハの表面に所謂LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)工程によってトランジスタを形成する技術が開発されている。このようなトランジスタは、メモリの大容量化並びにCPUの高速化及び低電力化等を推進するために、従来に比べて一層の微細化及び低電圧化が図られている。
一方、近時、液晶ディスプレイパネルの大画面化、高解像度化及び低電力化等を目的として、薄膜トランジスタの開発が盛んに行われている。このような薄膜トランジスタは、一般的には、液晶ディスプレイパネルの基板である絶縁基板上に半導体層を形成し、この半導体層を能動層として用いることにより構成される。このような薄膜トランジスタとしては、例えば、水素化アモルファスシリコンにより能動層を形成したもの、及び多結晶シリコン(ポリシリコン)により能動層を形成したもの等が実用化されている。
多結晶シリコンにより能動層を形成した薄膜トランジスタには、高温ポリシリコン薄膜トランジスタ及び低温ポリシリコン薄膜トランジスタがある。高温ポリシリコン薄膜トランジスタは、石英からなる基体を使用して、上述のLSI工程と同様の1000℃程度の熱処理工程によって作製されるものである。なお、高温ポリシリコン薄膜トランジスタには、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)負荷型SRAM(Static Random Access Memory)のように、シリコンウエハ上に積層されたポリシリコン薄膜トランジスタもある。
一方、低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、融点が低くアルカリ金属が含有されていないガラスからなる基体を使用して、500℃程度の熱処理工程によって作製されるものである。例えば、特許文献1(特開平9−116159号公報)及び特許文献2(特開平10−242471号公報)に開示されているように、低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に形成されたソース・ドレイン電極、チャネルとなるポリシリコン層、ゲート絶縁膜及びゲート電極を備えている。そして、その製造に際しては、ソース・ドレイン領域の不純物の活性化を目的とした500℃程度の活性化処理、ポリシリコン層の水素パッシベーションを目的とした300℃程度の水素プラズマ処理、及びドライエッチング工程等で導入されたプラズマダメージを修復するための200乃至300℃程度の熱処理が行われることが多い。近時、このような低温ポリシリコン薄膜トランジスタも、液晶ディスプレイパネルの駆動素子として実用化されるようになっている。
特開平9−116159号公報 特開平10−242471号公報
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、従来のLSI工程によって作製されたトランジスタと比べると、理解されていない現象、例えば、動作状態及び劣化モード等が多い。その原因として、低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、素子特性を決定するMOS(Metal Oxide Semiconductor:金属−酸化物−半導体)界面、より具体的には、OS(酸化物−半導体)界面が、LSI工程によって作製されたトランジスタと異なることが挙げられる。即ち、LSI工程によって作製されたトランジスタにおいては、OS界面が単結晶シリコンと良質な熱酸化膜とによって形成されているのに対し、低温ポリシリコン薄膜トランジスタにおいては、OS界面が、配向方向がランダムな多結晶シリコンと水分(より具体的には−OH基)を多量に含んだ二酸化シリコン膜とによって形成されている。
多結晶シリコンは単結晶シリコンと比べて、Si原子の未結合手(ダングリングボンド)が多数存在し、電気的にはキャリアのトラップとして働く。このようなトラップとしての作用を解消するためには、プラズマ水素化処理により、未結合手を水素により終端させる方法がとられる。しかし、このようにして形成された水素−シリコン結合は必ずしも安定せず、電界の印加等によって解離及び再結合が生じる事がある。一方、二酸化シリコン膜についても、−OH基の存在は絶縁膜中の固定電荷密度の増大をもたらす。また、−OH基が存在することにより、電界の印加等によるSi−OH結合の解離及び再結合が生じ、安定的なトランジスタ動作の妨げとなることがある。
このように、低温ポリシリコン薄膜トランジスタはそのOS界面が電界の印加によって劣化しやすい。このため、低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、長期間の使用によりその特性が作製当初の特性から変動してしまい、動作が不安定になることがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、長期間の使用後もトランジスタの動作が安定な半導体装置、この半導体装置を備えた電子機器、及び前記半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置において、しきい値電圧の変動方向が正方向の第1薄膜トランジスタと、しきい値電圧の変動方向が負方向の第2薄膜トランジスタとを有し、前記第1薄膜トランジスタの初期のしきい値電圧Vth1及び前記第2薄膜トランジスタの初期のしきい値電圧Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように予め制御されたものであることを特徴とする。
この場合に、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおけるチャネル領域の不純物濃度が異なる薄膜トランジスタ群から構成されるように構成することができる。また、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおけるチャネル長が異なる薄膜トランジスタ群から構成されるように構成することができる。更にまた、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおける基板と両薄膜トランジスタとの間との層構成が異なり、前記第2薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜が前記第1薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜よりも結晶粒が細かいものである薄膜トランジスタ群から構成されるように構成することができる。
本発明に係る他の半導体装置は、一定の駆動条件下で長時間駆動すると、夫々の役割を担うトランジスタ毎に劣化の状態が異なると共に、しきい値電圧の変動の方向が異なり、初期状態である一定の均一性を持つトランジスタ群で形成された半導体回路において、しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるよう予め制御された低温ポリシリコン薄膜トランジスタ群から構成され、両トランジスタのしきい値の差が回路動作保証範囲を超えて大きくなることがないよう設計されたものであることを特徴とする。
本発明においては、使用によってしきい値電圧の絶対値が増加する回路位置には所要しきい値の許容範囲下限側の初期しきい値を有するトランジスタを配置し、しきい値電圧の絶対値が減少する回路位置には許容範囲上限側の初期しきい値を有するトランジスタを配置することにより、半導体装置を使用することにより各トランジスタのしきい値が変動しても、両トランジスタのしきい値の差が大きくなることを抑制することができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置の製造方法において、前記しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように、前記第1又は第2の薄膜トランジスタの活性層部に選択的に不純物を導入することを特徴とする。
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、
所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置の製造方法において、前記しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように、前記第1又は前記第2の薄膜トランジスタのチャネル長を選択することを特徴とする。
本発明に係る更に他の半導体装置の製造方法は、所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置の製造方法において、前記しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおける基板と両薄膜トランジスタとの間との層構成が異なり、前記第2薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜が前記第1薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜よりも結晶粒が細かいものであることを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、前記半導体装置又は前記半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を使用したことを特徴とする。
本発明によれば、使用によってしきい値電圧の絶対値が増加する回路位置には所要しきい値の許容範囲下限側の初期しきい値を有するトランジスタを配置し、使用によってしきい値電圧の絶対値が減少する回路位置には所要しきい値の許容範囲上限側の初期しきい値を有するトランジスタを配置することにより、半導体装置を長期間使用しても、両トランジスタのしきい値が許容範囲から逸脱することを防止でき、半導体装置の動作が不安定になることを防止できる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体装置を示すブロック図であり、図2は、図1に示すシフトレジスタを示す回路図であり、図3は、図2に示すトランジスタを示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、液晶ディスプレイパネルのTFT基板に形成されたゲートドライバPMOS回路である。以下、この回路を走査回路1という。走査回路1は、ガラス基板2(図3参照)上に設けられたものである。この走査回路1においては、相互に直列に接続された複数のシフトレジスタ(SR1、SR2、SR3、SR4、・・・)が設けられている。初段のシフトレジスタSR1には、スタートパルスSTが入力され、2段目以降のシフトレジスタには前段のシフトレジスタの出力が入力されるようになっている。
また、各シフトレジスタには3つのクロック信号C1乃至C3の中から2つのクロック信号が入力されるようになっている。即ち、kを0以上の整数とするとき、(3k+1)段目のシフトレジスタにはクロック信号C3及びC1が入力され、(3k+2)段目のシフトレジスタにはクロック信号C1及びC2が入力され、(3k+3)段目のシフトレジスタにはクロック信号C2及びC3が入力されるようになっている。更に、各シフトレジスタには、電源電位VDDが供給されるようになっている。シフトレジスタSR1は、クロック信号C1によってスタートパルスSTを位相シフトした出力OUT1を出力するものであり、シフトレジスタSR2は、クロック信号C2によってシフトレジスタSR1の出力OUT1を位相シフトした出力OUT2を出力するものであり、シフトレジスタSRn(nは2以上の整数)は、シフトレジスタSR(n−1)の出力OUT(n−1)を位相シフトした出力OUTnを出力するものである。このようにして、クロック信号に同期して出力が位相シフトされて転送されていくようになっている。
図2に示すように、シフトレジスタSR1においては、6個のトランジスタT1乃至T6が設けられている。トランジスタT1乃至T6はガラス基板2(図3参照)上に形成された薄膜トランジスタであり、いずれも同じ電流駆動能力を持つPチャネル型トランジスタである。トランジスタT1、T3及びT5の夫々のソース・ドレインのうち一方には、電源電位VDDが印加されるようになっており、他方は夫々トランジスタT2、T4及びT6のソース・ドレインの一方に接続されている。トランジスタT2のソース・ドレインの他方には、スタートパルスSTが印加されるようになっており、トランジスタT4のソース・ドレインの他方には、クロックC3が印加されるようになっており、トランジスタT6のソース・ドレインの他方には、クロックC1が印加されるようになっている。
また、トランジスタT2及びT3のゲートには、スタートパルスSTが印加されるようになっており、トランジスタT4のゲートには、クロックC3が印加されるようになっており、トランジスタT6のゲートには、トランジスタT1とトランジスタT2との間のノードN1が接続されており、トランジスタT1及びT5のゲートには、トランジスタT3とトランジスタT4との間のノードN2が接続されている。更に、トランジスタT5とトランジスタT6との間のノードの電位が、出力OUT1として出力されるようになっている。
以下、各トランジスタの機能について説明する。トランジスタT2はスタートパルスSTがLowレベルのときに導通状態となって、スタートパルスSTのLowレベルからしきい値(Vt)分上がった電位をノードN1に供給するものである。トランジスタT4は、クロック信号C3がLowレベルのときに導通状態となって、クロック信号C3のLowレベルからVt分上がった電位をノードN2に供給するものである。トランジスタT5はノードN2の電位が(Lowレベル+Vt)のときに導通状態となって、出力OUT1にHighレベルを供給するものである。トランジスタT6はノードN1の電位が低い電位(Lowレベル+Vt又はLowレベルより更に低い電圧)のときに導通状態となって、クロック信号C1の電位を出力OUT1に供給するものである。トランジスタT3はスタートパルスSTがLowレベルのときに導通状態となって、ノードN2にHighレベルを供給するものである。トランジスタT1はノードN2の電位が(Lowレベル+Vt)のときに導通状態となって、ノードN1にHighレベルを供給するものである。
2段目以降のシフトレジスタSRn(nは2以上の整数)の構成も、シフトレジスタSR1と同様である。但し、入力される信号が異なっている。即ち、シフトレジスタSR1にスタートパルスSTが入力される替わりに、シフトレジスタSRnには前段のシフトレジスタSR(n−1)の出力OUT(n−1)が入力されるようになっている。また、クロック信号としては、kを0以上の整数とするとき、シフトレジスタSR(3k+1)にはクロック信号C3及びC1が入力され、シフトレジスタSR(3k+2)にはクロック信号C1及びC2が入力され、シフトレジスタSR(3k+3)にはクロック信号C2及びC3が入力されるようになっている。
図3は、走査回路1を示す断面図であり、図2に示すトランジスタT5及びT6を示すものである。図3に示すように、走査回路1はガラス基板2上に設けられている。即ち、ガラス基板2上には、基板保護膜となる酸化シリコン膜3が設けられており、その上には、アイランド状の多結晶シリコン膜4が局所的に設けられている。多結晶シリコン膜4は、トランジスタの能動層となるものである。多結晶シリコン膜4の両端部は、ソース・ドレイン領域5となっている。また、多結晶シリコン膜4の中央部は、チャネル領域6となっている。更に、ソース・ドレイン領域5とチャネル領域6との間の部分は、LDD(Lightly Doped Drain:低不純物濃度ドレイン)領域7となっている。
トランジスタT5のチャネル領域6には、リンが例えば1×1012cm−2の濃度で導入されており、トランジスタT6のチャネル領域6には、リンが例えば3×1012cm−2の濃度で導入されている。即ち、トランジスタT5及びT6のチャネル領域の不純物濃度は相互に異なっている。これにより、トランジスタT5の作製当初のしきい値電圧(初期しきい値)の絶対値は、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値よりも小さくなっており、トランジスタT5の初期しきい値は回路設計上の所要しきい値の許容範囲下限側の値をとり、トランジスタT6の初期しきい値は回路設計上の所要しきい値の許容範囲上限側の値をとっている。
また、酸化シリコン膜3上には、多結晶シリコン膜4を覆うように、例えばシリコン酸化物からなるゲート絶縁膜8が設けられており、ゲート絶縁膜8上におけるチャネル領域6の直上域には、例えばポリシリコンからなるゲート電極9が局所的に設けられている。更に、ゲート絶縁膜8上には、ゲート電極9を覆うように、例えばシリコン酸化物からなる層間絶縁膜10が設けられている。そして、層間絶縁膜10におけるソース・ドレイン領域5の直上域の一部には、夫々コンタクトホール11が形成されており、コンタクトホール11の内部及び層間絶縁膜10の上部には、ソース・ドレイン領域5に接続された配線12が設けられている。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る半導体装置の動作について説明する。図4は、本実施形態におけるシフトレジスタSR1の動作を示すタイミングチャートであり、図5(a)及び(b)は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、図2に示すトランジスタT5及びT6の経時変化を夫々示すグラフ図であり、図6(a)及び(b)は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、トランジスタT5及びT6の経時変化を比較して示すグラフ図であり、(a)は本実施形態を示し、(b)は従来の技術を示す。
図4に示すように、初期状態においては、クロック信号C1はHighレベルであり、クロック信号C2はHighレベルであり、クロック信号C3はLowレベルであり、スタートパルスSTがHighレベルであるとする。なお、クロック信号C1乃至C3及びスタートパルスSTのハイ(High)レベルの電位はVDDであり、ロウ(Low)レベルの電位はVSSである。
そうすると、シフトレジスタSR1において、クロック信号C3がLowレベルであるため、トランジスタT4は導通状態となり、スタートパルスSTがHighレベルであるため、トランジスタT2及びT3は非導通状態となる。このため、ノードN2はLowレベルからしきい値電圧(Vt)だけ高い電位(VSS+Vt)となる。これにより、トランジスタT1及びT5は導通状態となり、ノードN1の電位は電源電位VDD、即ちHighレベルとなり、トランジスタT6は非導通状態となる。この結果、トランジスタT5が導通状態になり、トランジスタT6が非導通状態になるため、出力OUT1はHighレベルとなる。
この状態で、期間P1において、スタートパルスSTがLowレベルとなり、クロック信号C3がHighレベルとなると、トランジスタT2、T3が導通状態になる。すると、ノードN1の電位は、スタートパルスSTのLowレベルから電圧Vtだけ高い電位(VSS+Vt)に変化する。また、トランジスタT4が非導通状態になるため、ノードN2はHighレベルになり、トランジスタT1及びT5は非導通状態となる。このとき、トランジスタT6は導通状態となるが、クロック信号C1がHighレベルであるため、出力OUT1はHighレベルを維持したままとなる。
次に、期間P2に移ると、スタートパルスSTがHighレベルになり、トランジスタT2は非導通状態となって、ノードN1は浮遊状態となり、その電位はトランジスタT6のゲート容量に保持される。そして、クロック信号C1がLowレベルに変化する。すると、トランジスタT6のゲート・ドレイン間、及びゲート・ソース間には容量が存在するため、夫々の容量分を介したブートストラップ効果により、ノードN1の電位が電位(VSS+Vt)から更に低い電位に引き下げられ、Lowレベルよりも低い電圧になる。この結果、トランジスタT6のゲート・ソース間には、しきい値電圧以上の電圧が印加されることになり、トランジスタT6は導通状態を維持し続けて、出力OUT1としてクロック信号C1のLowレベルが出力される。
次に、期間P3に移ると、クロック信号C3がLowレベルに変化する。すると、トランジスタT4が導通状態になり、ノードN2の電位はHighレベルから、Lowレベルから電圧Vtだけ高い電位(VSS+Vt)に変化する。この結果、トランジスタT1及びT5が導通状態となって、ノードN1及び出力OUT1がHighレベルに変化する。このとき、トランジスタT6のゲート・ソース間電圧差はゼロになるので、トランジスタT6は非導通状態となる。
期間P3以降は、クロック信号C3のLowレベルが一定の周期でトランジスタT4に入力されるので、ノードN2を電位(VSS+Vt)に維持し続ける。従って、トランジスタT1及びT5も導通状態を維持し続け、次にスタートパルスSTがLowレベルとなるまで、この状態が継続される。
上述の動作はシフトレジスタSR1の動作であるが、シフトレジスタSR1以外のシフトレジスタにおいても入力される信号が変わるだけで、全てのシフトレジスタで期間P1乃至P3の動作が実行される。これにより、走査回路1の出力が順次Lowレベルとなる。
そして、走査回路1が搭載された液晶ディスプレイパネルを使用することにより、上述の動作が繰り返される。ところが、走査回路1を長期間使用すると、トランジスタT5及びT6の静特性は、夫々一定の方向に変動する。図5(a)及び(b)は、所定の駆動条件で、温度が80℃の環境で動作試験を行った場合の静特性の測定結果を示すものであり、動作試験前(0時間)の特性を実線で示し、500時間経過後の特性を破線で示している。即ち、各トランジスタの静特性は、図中の実線(0時間)から破線(500時間)に変化している。図5(a)に示すように、トランジスタT5の静特性は負の方向、即ち、しきい値電圧の絶対値が増大する方向に変化し、図5(b)に示すように、トランジスタT6の静特性は正の方向、即ち、しきい値電圧の絶対値が減少する方向に変化する。なお、この動作試験の使用条件、即ち、温度が80℃という環境は、実際の使用条件とは一致しないケースがあると考えられる。しかしながら、この動作試験は、高温環境による加速試験を兼ねるものである。このため、80℃の温度で500時間相当の動作を行った後で、劣化状態を測定することは、所望の半導体装置の動作寿命を見積もる上で有効な手段となっている。
そして、本実施形態においては、前述の如く、トランジスタT5の初期しきい値の絶対値を、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値よりも小さくしており、回路設計上の所要しきい値を基にトランジスタの初期しきい値を決める際に、使用によってしきい値電圧の絶対値が増加する回路位置には前記所要しきい値の許容範囲下限側の初期しきい値を有するトランジスタT5を配置し、使用によってしきい値電圧の絶対値が減少する回路位置には前記所要しきい値の許容範囲上限側の初期しきい値を有するトランジスタT6を配置している。なお、本実施形態においては、トランジスタT1乃至T5の回路設計上の所要しきい値は、相互に同じ値である。
このため、図6(a)に示すように、走査回路1の使用に伴い、トランジスタT5及びT6の静特性が相互に逆方向にシフトしても、即ち、トランジスタT5の静特性が負の方向、即ち、しきい値電圧の絶対値が増大する方向に変化し、トランジスタT6の静特性が正の方向、即ち、しきい値電圧の絶対値が減少する方向に変化しても、両トランジスタは作製当初のしきい値の差を相殺する方向にシフトするため、両トランジスタのしきい値の差が回路動作保証範囲を超えて大きくなることがない。この結果、走査回路を長期間使用しても、誤作動を起こすことなく安定して動作させることができる。
これに対して、図6(b)に示すように、従来の走査回路においては、トランジスタT5及びT6の作製当初の静特性を可及的に同一になるように揃えている。このため、この走査回路を駆動させると、経時的にトランジスタT5及びT6の静特性が相互に反対の方向に変動し、所定の時間を経過すると、所要しきい値の許容範囲、即ち、回路動作保証範囲から逸脱してしまう。この結果、走査回路の動作が不安定になってしまう。
次に、本実施形態の効果について説明する。本発明者等は、上述の課題、即ち、薄膜トランジスタ、特に、低温ポリシリコン薄膜トランジスタの動作が経時的に不安定になるという問題を解決すべく、鋭意実験研究を行った。その結果、ある一定の均一性を持つトランジスタ群で形成された半導体回路について、一定の駆動条件下で長時間駆動すると、夫々の役割を担うトランジスタ毎に劣化の状態が異なり、しきい値電圧の変動の方向が異なることを見出した。即ち、あるトランジスタはそのしきい値の絶対値が大きくなる方向にシフトし、別のトランジスタはしきい値の絶対値が小さくなる方向にシフトすることを発見した。この現象は、ある一定の特性に制御されたトランジスタ群からなる半導体装置を実際に使用すると、当初同等の特性であった複数のトランジスタが、しきい値電圧が互いに離れる方向に劣化が進むことを意味する。このような現象は、駆動電圧が高く動作電圧の許容範囲を広く設計できるときには大きな問題を生じないが、高速駆動のための微細化に伴う低電圧化、又は低消費電力化のための低電圧化が必要になってくると、動作電圧の許容範囲を狭く設計せざるを得なくなるため、設計的な対応が困難になってしまうという問題がある。
そこで、本発明者等は、各トランジスタにおいて予想されるしきい値電圧の変動の方向に応じて、各トランジスタが劣化してもトランジスタ間におけるしきい値電圧のばらつきが一定の範囲を超えないように、予めしきい値電圧を制御しておくことで、誤動作を防止する技術を開発し、本発明を完成した。
例えば、本実施形態においては、トランジスタT5の初期しきい値の絶対値を、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値よりも小さくしておくことにより、走査回路1を長期間使用しても、両トランジスタの特性が作製当初のしきい値の差を相殺する方向にシフトするため、両トランジスタのしきい値の差が回路動作保証範囲を超えて大きくなることがない。この結果、長期間使用しても安定した動作が可能な半導体装置を得ることができる。
本実施形態の効果は、半導体装置の高速化、微細化又は低消費電力化を目的として半導体装置の低電圧化を図り、動作電圧の許容範囲が狭くなった場合に、特に大きい。即ち、本実施形態によれば、動作電圧の許容範囲が小さくなった場合においても、トランジスタのしきい値がシフトすることによる誤動作を防止することができ、半導体装置の寿命の短縮を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、シフトレジスタをPチャネル型トランジスタにより構成する例を示したが、シフトレジスタはNチャネル型トランジスタによって構成してもよい。また、本実施形態においては、半導体装置として液晶ディスプレイパネルの走査回路を示したが、本発明はこれに限定されず、どのような半導体装置にも適用することができる。なお、ある回路においてある位置に配置されたトランジスタのしきい値の絶対値が、その回路の使用によって増大するか減少するかは、例えば、この回路を試作して加速試験を行った後しきい値を測定することによって、決定することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態に係る半導体装置においては、トランジスタT6におけるチャネル領域6及びゲート電極9の長さが、トランジスタT5におけるそれらよりも長くなっている。例えば、トランジスタT6におけるチャネル領域6及びゲート電極9の長さは3μmであり、トランジスタT5におけるチャネル領域6及びゲート電極9の長さは1μmとなっている。また、トランジスタT5及びT6におけるチャネル領域6の不純物濃度は、相互に等しくなっている。これにより、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値は、このトランジスタT6の所要しきい値の許容範囲上限側の値をとり、トランジスタT5の初期しきい値の絶対値は、このトランジスタT5の所要しきい値の許容範囲下限側の値をとり、従って、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値は、トランジスタT5の初期しきい値の絶対値よりも大きくなっている。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図8に示すように、本実施形態に係る半導体装置においては、トランジスタT6とガラス基板2との間に、窒化シリコン膜14が設けられている。即ち、窒化シリコン膜14は、トランジスタT6の直下域において酸化シリコン膜3とガラス基板2との間に局所的に設けられている。また、トランジスタT6の多結晶シリコン膜4は、トランジスタT5の多結晶シリコン膜4と比較して、結晶粒が小さくなっている。これにより、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値は、このトランジスタT6の所要しきい値の許容範囲上限側の値をとり、トランジスタT5の初期しきい値の絶対値は、このトランジスタT5の所要しきい値の許容範囲下限側の値をとり、従って、トランジスタT6の初期しきい値の絶対値は、トランジスタT5の初期しきい値の絶対値よりも大きくなっている。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図9は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。図9に示すように、本実施形態に係る半導体装置においては、走査回路がCMOS回路によって構成されている。即ち、ガラス基板2上に、Pチャネル型トランジスタ16及びNチャネル型トランジスタ17が形成されている。そして、CMOS回路中の単一導電型トランジスタ間において、各トランジスタが経時変化により変動する方向に応じて、初期しきい値を異ならせている。即ち、Pチャネル型トランジスタ16間及びNチャネル型トランジスタ17のいずれか一方又は両方において、しきい値電圧が相互に異なっている。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の実施形態である。図10(a)乃至(e)及び図11(a)乃至(c)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図であり、図12は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、トランジスタの静特性を示すグラフ図である。
先ず、図10(a)に示すように、ガラス基板2上に、基板保護膜となる酸化シリコン膜3を形成する。次に、この酸化シリコン膜3上に非晶質シリコン膜を形成する。次に、作製しようとするトランジスタのしきい値を所望の値に制御するために、非晶質シリコン膜におけるこのトランジスタのチャネル領域となる予定の領域に、イオン注入機により不純物を注入する。
このとき、従来の製造方法であれば、トランジスタT1乃至T6(図2参照)の各チャネル領域となる予定の領域に、相互に等しい濃度の不純物を注入する。これに対して、本実施形態においては、トランジスタT5のしきい値とトランジスタT6のしきい値とを相互に異ならせるために、トランジスタT5のチャネル領域となる予定の領域と、トランジスタT6のチャネル領域となる予定の領域とで、注入する不純物の濃度を異ならせる。例えば、トランジスタT5に対してトランジスタT6のしきい値の絶対値を1.5V大きく設定するために、トランジスタT5のチャネル領域となる予定の領域には例えば1×1012cm−2のリンを注入し、トランジスタT6のチャネル領域となる予定の領域には例えば3×1012cm−2のリンを注入する。この注入量は、後工程となるレーザ結晶化工程及びプラズマ水素化工程(後述)とも密接に関連するため、それらの条件も考慮して決定される必要がある。リンの注入後、非晶質シリコン膜にレーザを照射し、非晶質シリコン膜を結晶化させる。これにより、多結晶シリコン膜4を形成する。
次に、図10(b)に示すように、フォトリソグラフィ及びドライエッチングを行い、多結晶シリコン膜4をアイランド状にパターニングする。その後、適宜洗浄処理を行う。
次に、図10(c)に示すように、酸化シリコン膜3上に、多結晶シリコン膜4を覆うように、ゲート絶縁膜8を形成する。そして、ゲート絶縁膜8上に導電膜を形成し、所望の形状にパターニングして、ゲート電極9を形成する。ゲート電極9は、チャネル領域を形成する予定の領域、即ち、ゲート絶縁膜8上における多結晶シリコン膜4の直上域の一部に形成する。
次に、図10(d)に示すように、多結晶シリコン膜4におけるソース・ドレイン領域となる予定の領域を露出させて残りの領域を覆うように、フォトリソグラフィによってレジスト(図示せず)を形成し、このレジストをマスクとしてボロンの注入を行う。このとき注入するボロンの濃度は、後述するLDD領域形成のための注入と比較して高濃度とする。この注入は、例えば、ボロンイオンを質量分離したイオン注入装置又は質量分離せずにイオンを加速注入するイオンドーピング装置を用いて行うことができる。これにより、ソース・ドレイン領域5を形成する。
次に、図10(e)に示すように、レジストを剥離し、ゲート電極9をマスクとして、LDD領域を形成するためにボロンを注入する。この場合は、前述のソース・ドレイン領域5を形成するための注入と比較して、低濃度域で注入量を制御することが要求されるため、イオンドーピング法よりもイオン注入法を用いた方が制御しやすいことが多い。これにより、LDD領域7を自己整合的に形成することができる。そして、多結晶シリコン膜4におけるLDD領域7間の領域が、チャネル領域6となる。その後、不純物の活性化処理を行う。
なお、このLDD領域形成のためのボロン注入は、基板全体で統一して行うため、LDD領域7に注入されるボロン濃度はトランジスタ間で同一である。このため、図10(a)に示す工程でチャネル領域に注入されたリンの濃度の相違により、トランジスタ間でLDD領域7の抵抗に差が生じる。即ち、本実施形態においては、トランジスタT6のチャネル領域に注入されたリンの濃度(3×1012cm−2)が、トランジスタT5のチャネル領域に注入されたリンの濃度(1×1012cm−2)よりも高いため、P型不純物(ボロン)を相殺するN型不純物(リン)の量が多く、LDD領域7の抵抗が高くなる。トランジスタ間でLDD領域の抵抗に差を生じさせないためには、チャネル領域のみにリンを選択的に注入するか、又は図10(e)に示すLDDボロン工程において、リン濃度の差異にあわせてボロン濃度にも差をつけることが有効である。
次に、図11(a)に示すように、ゲート絶縁膜8上にゲート電極9を覆うように層間絶縁膜10を形成する。次に、プラズマ水素化処理を行い、多結晶シリコン膜4中に残存するシリコン未結合手を水素によって終端させ、電気的に不活性化する。
次に、図11(b)に示すように、層間絶縁膜10におけるソース・ドレイン領域5の直上域にコンタクトホール11を形成する。そして、層間絶縁膜10上及びコンタクトホール11内に導電層を形成し、この導電層をパターニングして配線12を形成する。このとき、配線12は、ソース・ドレイン領域5の夫々に接続され、トランジスタT1乃至T6間を、図1及び図2に示すように接続するように形成する。これにより、図1乃至図3に示すような走査回路1が製造される。
また、液晶ディスプレイパネルのTFT基板上には、走査回路1以外にも回路を形成する。例えば、TFT基板の表示領域には、各画素毎に画素回路用のトランジスタを形成する。この画素回路用のトランジスタを形成する際には、前述の図10(a)乃至図11(b)に示す工程の後に、図11(c)に示すように、層間絶縁膜10上に、配線12を覆うように、保護膜を兼ねた平坦化膜13を形成する。そして、この平坦化膜13にコンタクトホール18を形成する。このコンタクトホール18は、各トランジスタに接続された1対の配線12のうち、一方の配線12に到達するように形成する。そして、このコンタクトホール18を介して配線12に接続されるように、平坦化膜13上に透明電極19を形成する。これにより、TFT基板が作製される。
一方、TFT基板とは別に対向基板を作製する。そして、TFT基板と対向基板とをシール材を介して相互に平行に且つ離隔して貼り合わせる。次に、TFT基板と対向基板との間に液晶を封入し、液晶層を形成する。これにより、液晶ディスプレイパネルが製造される。
本実施形態によれば、図10(a)に示す工程において、トランジスタT5及びT6のチャネル領域を形成する予定の領域に注入するリンの量を相互に異ならせることにより、トランジスタT5及びT6のチャネル領域の不純物濃度を相互に異ならせている。これにより、図12に示すように、トランジスタT5のしきい値電圧の絶対値を、トランジスタT6のしきい値電圧の絶対値よりも、例えば1.5V小さくすることができる。なお、図12並びに後述する図13及び図14は、図5(a)及び(b)並びに図6(a)及び(b)と比較して、横軸の極性が逆に示されている。
なお、本実施形態においては、PMOS回路を形成するPチャネル型トランジスタのしきい値を異ならせる例を示したが、NMOS回路のNチャネル型トランジスタについても、不純物の種類及び濃度を適宜選択することにより、同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の実施形態である。図13は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、本実施形態におけるトランジスタの静特性を示すグラフ図である。なお、本実施形態に係る製造方法について、前述の第5の実施形態と同じ又は類似の工程については、図10(a)乃至図11(c)を参照して説明する。
先ず、図10(a)に示すように、ガラス基板2上に、酸化シリコン膜3及び非晶質シリコン膜を形成する。次に、作製しようとするトランジスタのしきい値を所望の値に制御するために、非晶質シリコン膜におけるこのトランジスタのチャネル領域となる予定の領域に、イオン注入機により不純物を注入する。このとき、前述の第5の実施形態においては、トランジスタ間で不純物濃度を異ならせたが、本実施形態においては、従来の製造方法と同様に、各トランジスタのチャネル領域となる予定の領域に、相互に等しい濃度の不純物を注入する。その後、非晶質シリコン膜にレーザを照射し、非晶質シリコン膜を結晶化させる。これにより、多結晶シリコン膜4を形成する。
次に、図10(b)に示すように、フォトリソグラフィ及びドライエッチングを行い、多結晶シリコン膜4をアイランド状にパターニングする。その後、適宜洗浄処理を行う。
次に、図10(c)に示すように、酸化シリコン膜3上に、多結晶シリコン膜4を覆うように厚さが例えば50nmのゲート絶縁膜8を形成する。そして、ゲート絶縁膜8上に導電膜を形成し、所望の形状にパターニングして、ゲート電極9を形成する。このとき、前述の第5の実施形態においては、トランジスタ間でゲート電極9の長さを等しくしたが、本実施形態においては、図7に示すように、トランジスタT6のゲート電極9の長さを、トランジスタT5のゲート電極9の長さよりも長くする。例えば、トランジスタT6のゲート電極9の長さを3μmとし、トランジスタT5のゲート電極9の長さを1μmとする。
次に、ゲート電極9をマスクとして、多結晶シリコン膜4にボロンを注入する。これにより、ソース・ドレイン領域5を自己整合的に形成する。そして、多結晶シリコン膜4におけるソース・ドレイン領域5間の領域が、チャネル領域6となる。このとき、トランジスタT5及びT6間でゲート電極9の長さが異なるため、このゲート電極9をマスクとして形成されるチャネル領域6の長さも異なる。即ち、トランジスタT6のチャネル領域6の長さは3μmとなり、トランジスタT5のチャネル領域6の長さは1μmとなる。以後の工程は、前述の第5の実施形態と同様である。これにより、図7に示すような半導体装置が作製される。
本実施形態によれば、トランジスタT5及びT6のチャネル領域の長さを相互に異ならせることにより、図13に示すように、トランジスタT5のしきい値電圧の絶対値を、トランジスタT6のしきい値電圧の絶対値よりも、例えば1.0V小さくすることができる。本実施形態によれば、前述の第5の実施形態のように、不純物を2度に分けて2種類の濃度で注入する必要がない。このため、工程数を増加させることなくトランジスタ間でしきい値電圧を異ならせることができる。トランジスタ間でゲート電極の長さを異ならせることは、ゲートのパターニング工程における専用の露光用マスクを予め準備することにより、実施可能である。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の実施形態である。図14は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、本実施形態におけるトランジスタの静特性を示すグラフ図である。
先ず、図8に示すように、ガラス基板2上におけるトランジスタT6を形成する予定の領域に、厚さが100nmである窒化シリコン膜14を局所的に形成する。次に、ガラス基板2上に、窒化シリコン膜14を覆うように、酸化シリコン膜3を形成し、次いで、非晶質シリコン膜を形成する。次に、前述の第6の実施形態と同様に、各トランジスタのチャネル領域となる予定の領域に、相互に等しい濃度の不純物を注入する。その後、非晶質シリコン膜にレーザを照射し、非晶質シリコン膜を結晶化させる。これにより、多結晶シリコン膜4を形成する。以後の工程は、前述の第5の実施形態と同様である。これにより、図8に示すような半導体装置が作製される。
本実施形態においては、トランジスタT6の形成領域におけるガラス基板2と酸化シリコン膜3との間に、窒化シリコン膜14を形成している。これにより、トランジスタT6のチャネル領域の直下域における基板保護膜の構成を、トランジスタT5のチャネル領域の直下域と異ならせている。即ち、トランジスタT5の直下域においては、基板保護膜として酸化シリコン膜3単層を設けているのに対し、トランジスタT6の直下域においては、基板保護膜として窒化シリコン膜14と酸化シリコン膜3とからなる二層膜を設けている。これにより、窒化シリコン膜は酸化シリコン膜と比べて熱伝導率が大きいため、非晶質シリコン膜にレーザを照射して結晶化させる際の冷却が促進され、トランジスタT6の多結晶シリコン膜4は、トランジスタT5の多結晶シリコン膜4と比較して、結晶粒が小さくなる。この結果、図14に示すように、トランジスタT6のしきい値の絶対値を、トランジスタT5のしきい値の絶対値よりも約0.5V大きくすることができる。
このように、本実施形態においては、トランジスタ間で基板保護膜の構成を異ならせることより、非晶質シリコン膜の結晶化挙動を異ならせている。なお、レーザの照射強度をトランジスタ毎に選択的に制御することにより、非晶質シリコン膜の結晶化挙動を異ならせてもよい。
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の実施形態である。図15(a)乃至(f)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図であり、図16は、画素回路を形成するトランジスタの製造方法を示す断面図である。
先ず、図15(a)に示すように、ガラス基板2上に、基板保護膜となる酸化シリコン膜3を形成し、次いで、非晶質シリコン膜を形成する。次に、この非晶質シリコン膜に不純物を導入する。この不純物の導入は、形成するトランジスタのチャネル領域の不純物濃度を制御して、しきい値を所望の値に制御するために行うものである。一般的には、Nチャネル型トランジスタを形成する予定の領域には、ボロンを例えば5×1012cm−2の濃度で導入し、Pチャネル型トランジスタを形成する予定の領域には、リンを例えば3×1012cm−2の濃度で導入する。不純物の種類及び量は、設計値に合わせて適宜調整する。
なお、工程を短縮するために、全面にリンを導入した後、一方のみにカウンターとして他の不純物を導入してもよい。また、不純物の導入はイオン注入法又はイオンドーピング法によって行うことができるが、上述の如く全面に導入する場合には、非晶質シリコン膜の成膜時に気相中で不純物元素を導入することも可能である。不純物導入後、非晶質シリコン膜にレーザを照射して、非晶質シリコン膜を結晶化させる。これにより、多結晶シリコン膜4を形成する。
次に、図15(b)に示すように、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法により、多結晶シリコン膜4をアイランド状にパターニングする。このとき、多結晶シリコン膜4におけるボロンが導入された部分が多結晶シリコン膜4nとなり、Nチャネル型トランジスタの能動層となる。一方、多結晶シリコン膜4におけるリンが導入された部分が多結晶シリコン膜4pとなり、Pチャネル型トランジスタの能動層となる。その後、適宜洗浄処理を行う。
次に、図15(c)に示すように、酸化シリコン膜3上に多結晶シリコン膜4n及び4pを覆うようにゲート絶縁膜8を形成する。そして、ゲート絶縁膜8上における多結晶シリコン膜4n及び4pの直上域の一部に、ゲート電極9を形成する。
次に、図15(d)に示すように、多結晶シリコン膜4nにおけるソース・ドレイン領域となる予定の領域を露出させて残りの領域を覆うように、フォトリソグラフィによってレジスト(図示せず)を形成し、このレジストをマスクとして、リンを例えば1×1015cm−2の濃度で導入する。これにより、Nチャネル型トランジスタのソース・ドレイン領域5nを形成する。その後、レジストを剥離し、ゲート電極9をマスクとしてリンを例えば1×1013cm−2の濃度で導入し、LDD領域7nを形成する。多結晶シリコン膜4nにおけるLDD領域7n間の領域が、チャネル領域6nとなる。
次に、図15(e)に示すように、ゲート電極9をマスクとして、多結晶シリコン膜4pにボロンを2×1015cm−2の濃度で導入する。これにより、多結晶シリコン膜4pに、Pチャネル型トランジスタのソース・ドレイン領域5pを形成する。多結晶シリコン膜4pにおけるソース・ドレイン領域5p間の領域が、チャネル領域6pとなる。このように、本実施形態においては、Nチャネル型トランジスタ17をLDD型、Pチャネル型トランジスタ16を自己整合型として形成する。このとき、不純物イオンは質量分離するイオン注入装置、又は質量分離せずにイオンを加速注入するイオンドーピング装置のいずれかを用いて導入することができる。なお、LDD領域の形成に際しては、ソース・ドレイン領域に比べて低濃度での注入量制御が要求されるため、イオンドーピング法よりもイオン注入法を用いた方が制御しやすい場合が多い。
次に、図15(f)に示すように、ゲート絶縁膜8上に、ゲート電極9を覆うように層間絶縁膜10を形成する。そして、例えば450℃の温度に1時間保持して、導入された不純物を活性化させる。その後、プラズマ水素化処理を行い、多結晶シリコン中に残存するシリコン未結合手を電気的に不活性化する。
次に、図9に示すように、層間絶縁膜10にソース・ドレイン領域まで到達するように、コンタクトホール11を形成する。そして、層間絶縁膜10及びコンタクトホール11の内部に導電層を形成した後パターニングし、ソース・ドレイン領域に接続された配線12を形成する。これにより、CMOS回路を形成する。
また、画素回路を形成するトランジスタについては、図16に示すように、層間絶縁膜10上に配線12を覆うように平坦化膜13を形成する。そして、平坦化膜13を貫通するようにコンタクトホール18を形成する。次に、コンタクトホール18を介して配線12に接続されるように、平坦化膜13上に透明電極19を形成する。
以上の工程において、Pチャネル型トランジスタ間及びNチャネル型トランジスタ間の一方又は双方について、しきい値電圧を異ならせる。しきい値電圧の調整は、前述の第5の実施形態と同様に、図15(a)に示す工程においてチャネル領域に注入する不純物の注入量を異ならせる方法、前述の第6の実施形態と同様に、図15(c)に示す工程においてゲート電極の長さを異ならせることによりチャネル領域の長さを異ならせる方法、前述の第7の実施形態と同様に、図15(a)に示す工程においてガラス基板2と酸化シリコン膜3との間に窒化シリコン膜を局所的に設ける方法のいずれか1つの方法により、又は2つ以上の方法を併用することにより、実行することができる。本実施形態における上記以外の製造方法は、前述の第5の実施形態と同様である。
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。本実施形態は、液晶ディスプレイパネルの実施形態である。図17は、本実施形態に係る液晶ディスプレイパネルを示す分解斜視図である。図17に示すように、本実施形態に係る液晶ディスプレイパネル21においては、相互に離隔して且つ平行に配置されたTFT基板22及び対向基板23が設けられている。また、TFT基板22と対向基板23との間には、液晶層24が設けられている。そして、TFT基板22においては、ガラス基板2が設けられており、ガラス基板2における対向基板23に対向する側の表面上には、走査回路1、データ回路25及び画素回路26が形成されている。走査回路1は、前述の第1乃至第4のいずれかの実施形態に係る走査回路である。また、データ回路25及び画素回路26は、走査回路1と同じ工程で作製されたものである。
本実施形態においては、走査回路として前述の第1乃至第4のいずれかの実施形態に係る走査回路を設けているため、長期間使用した後も各トランジスタのしきい値電圧の変動が小さく、安定して動作させることができる。このため、液晶ディスプレイパネル21は寿命が長い。
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。図18は、本実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。図18に示すように、本実施形態に係る電子機器は、携帯電話31である。携帯電話31においては、筐体32が設けられており、この筐体32の内部に、表示部として前述の第9の実施形態に係る液晶ディスプレイパネル21が搭載されている。
本実施形態によれば、携帯電話31を長期間使用しても、液晶ディスプレイパネル21の動作が不安定化することを抑制できる。なお、携帯電話は、通常の電子機器と比べて、屋外等の過酷な使用環境で用いられることが多い。このため、極寒環境で使用される携帯電話、及び温暖環境で使用される携帯電話等については、その使用環境に応じて製品別にトランジスタのしきい値を設定することも可能である。
なお、本実施形態においては、電子機器として携帯電話を例示したが、本発明の電子機器は携帯電話には限定されず、例えば、PDA(Personal Digital Assistance:個人用情報端末)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ又はデジタルビデオ等であってもよい。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示すブロック図である。 図1に示すシフトレジスタを示す回路図である。 図2に示すトランジスタを示す断面図である。 本実施形態におけるシフトレジスタSR1の動作を示すタイミングチャートである。 (a)及び(b)は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、図2に示すトランジスタT5及びT6の経時変化を夫々示すグラフ図である。 (a)及び(b)は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、トランジスタT5及びT6の経時変化を比較して示すグラフ図であり、(a)は本実施形態を示し、(b)は従来の技術を示す。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。 (a)乃至(e)は、本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図である。 (a)乃至(c)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図であり、図10(e)の次の工程を示す。 横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、トランジスタの静特性を示すグラフ図である。 横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、本発明の第6の実施形態におけるトランジスタの静特性を示すグラフ図である。 横軸にゲート電圧をとり、縦軸にドレイン電流をとって、本発明の第7の実施形態におけるトランジスタの静特性を示すグラフ図である。 (a)乃至(f)は、本発明の第8の実施形態に係る半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図である。 画素回路を形成するトランジスタの製造方法を示す断面図である。 本発明の第9の実施形態に係る液晶ディスプレイパネルを示す分解斜視図である。 本発明の第10の実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
符号の説明
1;走査回路
2;ガラス基板
3;酸化シリコン膜
4、4n、4p;多結晶シリコン膜
5、5n、5p;ソース・ドレイン領域
6、6n、6p;チャネル領域
7;LDD領域
8;ゲート絶縁膜
9;ゲート電極
10;層間絶縁膜
11;コンタクトホール
12;配線
13;平坦化膜
14;窒化シリコン膜
16;Pチャネル型トランジスタ
17;Nチャネル型トランジスタ
18;コンタクトホール
19;透明電極
21;液晶ディスプレイパネル
22;TFT基板
23;対向基板
24;液晶層
25;データ回路
26;画素回路
31;携帯電話
32;筐体
C1、C2、C3;クロック信号
N1、N2;ノード
OUT1、OUT2、OUT3、OUT4;出力
P1、P2、P3;期間
SR1、SR2、SR3、SR4;シフトレジスタ
T1、T2、T3、T4、T5、T6;トランジスタ
VDD;電源電位

Claims (8)

  1. 所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置において、しきい値電圧の変動方向が正方向の第1薄膜トランジスタと、しきい値電圧の変動方向が負方向の第2薄膜トランジスタとを有し、前記第1薄膜トランジスタの初期のしきい値電圧Vth1及び前記第2薄膜トランジスタの初期のしきい値電圧Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように予め制御されたものであることを特徴とする半導体装置。
  2. 一定の駆動条件下で長時間駆動すると、夫々の役割を担うトランジスタ毎に劣化の状態が異なると共に、しきい値電圧の変動の方向が異なり、初期状態である一定の均一性を持つトランジスタ群で形成された半導体回路において、しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるよう予め制御された低温ポリシリコン薄膜トランジスタ群から構成され、両トランジスタのしきい値の差が回路動作保証範囲を超えて大きくなることがないよう設計されたものであることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおけるチャネル領域の不純物濃度が異なる薄膜トランジスタ群から構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおけるチャネル長が異なる薄膜トランジスタ群から構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおける基板と両薄膜トランジスタとの間との層構成が異なり、前記第2薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜が前記第1薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜よりも結晶粒が細かいものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  6. 所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置の製造方法において、前記しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように、前記第1又は前記第2の薄膜トランジスタの活性層部に選択的に不純物を導入することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置の製造方法において、前記しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように、前記第1又は前記第2の薄膜トランジスタのチャネル長を選択することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 所定の使用に伴いしきい値電圧が変動する複数の低温ポリシリコン薄膜トランジスタから構成される半導体装置の製造方法において、前記しきい値電圧の変動方向が正方向の第1の薄膜トランジスタと負方向の第2の薄膜トランジスタとを有し、それぞれの初期のしきい値電圧Vth1、Vth2が、所定の許容範囲内であってVth1 < Vth2となるように、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタにおける基板と両薄膜トランジスタとの間との層構成が異なり、前記第2薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜が前記第1薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜よりも結晶粒が細かいものであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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