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JP4195595B2 - 紫外線吸収を改良したクロムを含まない緑色プライベートガラス組成物 - Google Patents

紫外線吸収を改良したクロムを含まない緑色プライベートガラス組成物 Download PDF

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JP4195595B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的には自動車用ガラス又は建築用ガラスとして使用する緑色ガラスに関する。特に、UV吸収と中間の可視光透過率の低さを改良したソーダ石灰シリカガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
本技術分野で周知なように、通常酸化鉄を使用してガラスに緑色を付けている。ガラス中で酸化鉄は二つの化学的形態にあり、一つは鉄がFe+3であるFe23の酸化形態であり、もう一つは鉄がFe+2であるFeOの還元形態である。有利には、酸化鉄の酸化形態はガラス製品を通過する紫外(UV)線の部分を吸収し、還元形態はガラス製品を通過する赤外(IR)線の部分を吸収する。酸化鉄のUV線及びIR線の吸収特性は、ガラスを自動車に使用する場合特に有用であることが理解できる。熱がガラスで吸収されると空調機器の負荷が当初低下し、車内で冷却すべき熱の総量が減少する。紫外線の吸収が改良されると、車内の部品の色が時間経過に伴って受ける損傷が減少し、乗客をより快適にする。従って、ガラスのこれらのスペクトル特性を制御することは非常に重要である。
【0003】
ガラス工業で一般に使用するバッチの組成及び炉の燃焼条件では、ガラス組成中の全酸化鉄がFe23として約0.3〜2.0質量%内である場合、酸化鉄の平衡はFe+2/Fe+3の質量比率が0.35より大きくなる。通常の炉の条件下でガラスに酸化鉄を加えると、鉄の両方の型の濃度が対応して増加するために紫外線と赤外線の両者の吸収が改良されるが、この改良は可視光の透過率を犠牲にする。すなわち、酸化鉄を添加していくとガラスの色が濃くなり、可視光の透過率が対応して低下する。
【0004】
可視光の透過率を高いレベルで維持しつつ緑色ガラス製品のUV吸収を改良し、さらにスペクトルのIR部分において良好な吸収を有することは極めて有利である。ガラス組成物により多くの酸化鉄を加え、一方ガラス炉をより酸化環境において酸化鉄を酸化型にシフトさせることによって、これらの利点を得ることができる。これによってガラスのUV吸収が増加するであろう。さらに、酸化鉄をその色の濃い還元型から酸化型にシフトさせることによって、バッチにより多くの酸化鉄を加えてもUV線及びIR線の吸収をさらに改良することができる。ガラスの良好な可視光線透過率を維持しつつ、これらの全てを行うことができる。
【0005】
ガラス炉をより酸化環境にシフトするのに通常使用する方法は、炉中の溶融ガラスに追加の空気を供給することである。しかしながら、空気の量が増加すると望ましくない結果がいくつか生じる:すなわち、炉が冷却すること、炉の燃焼加熱が不十分となって燃料ガスの増加が必要となり、さらに増加した酸素によって燃焼生成物中の望ましくないNOx放出の形成が促進される可能性があること、である。
【0006】
硫酸ナトリウムはガラスから泡を除去するためにガラス溶融物に添加することが多い清澄剤であり、さらに酸化剤としても作用する。しかしながら、バッチを酸化するのに十分な量でガラスバッチの硫酸ナトリウムを増加させると、意図したより効果は少ない。過剰の硫酸ナトリウムにより、ガラス溶融物中の硫酸化物の溶解度が飽和に達した後は、望ましくないSOxを発生する可能性がある。無煙炭(還元剤)は、硫酸ナトリウムと共にガラス溶融物中で典型的に使用する他の材料である。これは硫酸ナトリウムを分解して、ガラスの一部となる酸化ナトリウムと溶融物中の泡を除去する清澄作用を生じる三酸化硫黄とにする。バッチから単に炭を除去することによってガラスバッチを酸化することができるが、次いで硫酸ナトリウムの分解には炉の温度を上昇させる必要があり、これによって炉の操作の効率性が失われる。一般的に、ガラス中の硫酸ナトリウムの量を増加させると酸化鉄の平衡は酸化にシフトするが、一方ガラスバッチ中の炭素濃度を増加させると酸化鉄の平衡は還元にシフトする。炉の温度も酸化鉄の平衡に影響する。温度を上昇させると酸化鉄は還元状態にシフトし、炉全体の温度を低下させると酸化鉄は酸化状態にシフトする。しかしながら、一般的には炉の温度を低下させると最終ガラス製品に欠陥を生じる可能性がある。
【0007】
使用されることが多くかつ周知の酸化剤である硝酸ナトリウムをガラスバッチに加えて、酸化鉄を酸化形態にシフトさせることができる。しかしながら、これはガラス溶融物の初期の段階においてのみ酸化剤として有用であり、酸化鉄の酸化還元平衡の制御を制限する。硝酸ナトリウムを使用することに消極的になる他の観点は、環境上望ましくない窒素酸化物の放出が生じるということである。従って、硝酸ナトリウムを使用して酸化還元平衡を酸化形態の酸化鉄にシフトさせることは、いくつかの理由から満足すべきものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の議論から、ガラスの溶融炉において特定の酸化条件を提供しかつ維持して酸化鉄の酸化還元比率を制御することは非常な困難を伴うことが理解できる。これらの困難を回避するために、セリウム、チタン、バナジウム及びクロムのUV吸収性酸化物をガラスバッチに添加してガラスのUV吸収を増加させることが多い。しかしながら、これらを使用する場合、これらはガラス中に非常に少量含まれ、UVに関する改良は限られたものになる。非常に少量しか使用しない理由の一つは、これらの添加剤が非常に高価なことである。特に酸化セリウムは、ガラス製品の紫外線吸収を適切に改良するのに十分な量で使用した場合、バッチのコストが2倍以上になる。二酸化チタンは酸化セリウムより安価ではあるが、酸化鉄より高価である。酸化クロムも非常に少量使用しなければならないが、その理由は、酸化クロムの酸化形態はスペクトルの紫外部を吸収する一方、クロムの還元形態はスペクトルの可視部を吸収し、それによって可視透過率を減少させかつガラス製品に濃い色を生じさせるからである。酸化バナジウムも炉の耐火性を低下させることが知られている。従って、これらの添加剤を使用して得ることができるUV吸収における改良は商業的に制限される。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明において、緑色ガラス組成物のUV及びIR吸収特性を改良し、一方所望の可視光線透過率を維持する独特なかつ商業的に望ましい方法が開示される。望ましい態様の教示に従うと、マンガン化合物、例えば二酸化マンガンを酸化鉄と共にガラスに添加する。二酸化マンガンは、硝酸ナトリウムのような先行技術の酸化剤の欠点を回避する優れたかつ高価でないガラスの酸化剤であることが見出された。
【0010】
本発明の他の観点において、クロムの使用を排除することによって緑色ガラスの色調が得られる。本発明は緑色ソーダ−石灰−シリカガラス組成物であって、これは熱を吸収し、紫外線の吸収が改良され、ガラス溶融物にマンガン化合物を含みガラス組成物バッチを酸化炉条件に強く向けさせて溶融物中の酸化鉄をその酸化形態に向けさせる。本発明の態様に従って製造したガラス製品は4.0mmの厚さで以下のスペクトル特性を有する:光源Aを使用する光透過率(LTA)が15〜45%で、かつ300〜400ナノメートルの範囲にわたって測定して13%より低い紫外(UV)透過率。一般に、着色剤の量が増加すると、%LTA及び%UV透過率が低下する。同様に、所与のガラス組成物の厚さが増加すると、厚いガラスの透過率が減少する。好ましくは、4mmのガラス厚さにおける主波長は494〜563ナノメートルである。
【0011】
本発明の他の観点に従うと、それはソーダ−石灰−シリカ緑色ガラス組成物の紫外線透過率を改良し一方で中間可視光透過率を低く維持する方法であって、ガラス組成物の溶融工程において酸化鉄と共にマンガン化合物を含むことによって酸化鉄を着色剤として使用する方法である。本方法は上記のガラス組成物になる成分を混合することを含む。
【0012】
本発明のこれらの利点及び他の利点は詳細な記載から明らかとなろう。
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の説明及び添付の図面から明らかとなろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下の好ましい態様の記載は単に事実上典型例であり、本発明を制限し、その適用又は使用を制限する意図は全くない。
【0014】
自動車及び建築工業で使用されかつ板ガラス法で便宜に製造されるソーダ−石灰−シリカ板ガラスは、一般に表Iに示される以下の基本的な組成が特徴であり、成分の量は全ガラス組成物の質量百分率に基づいている。
表 I
Figure 0004195595
【0015】
本明細書で使用する全ての“質量%”の値は最終のガラス組成物の全質量に基づくものである。好ましい態様に従うと、本発明では鉄、マンガン、セレン及びコバルトの形態にある多数の紫外線及び赤外線照射吸収性材料を上記の基本組成に添加する。
【0016】
さらに、基本に加えて着色成分を含む緑色ガラスの組成は本質的に以下を含む:(i)Fe23として1.3%より多く3.0質量%までの全酸化鉄;(ii)MnO2の形態にある0.4%より多く1.5%までのマンガン化合物;(iii)酸化コバルトとして0.0075%〜0.03%のコバルト;及び(iv)任意に好ましくは0.0025%までのいずれかの酸化セレン。本技術分野で公知であるように、溶融及び精製助剤はガラス製造に通常含まれており、本発明でも使用することができる。ガラスから泡を除去するのに一般に使用する精製助剤は硫酸ナトリウムであり、ガラス中でSO3となる。
【0017】
本発明の態様に従って製造したガラス製品は4.0mmの厚さにおいて以下のスペクトル特性を有する:光源Aを使用する光透過率(LTA)が15〜45%でかつ300〜400ナノメートルの範囲にわたって測定した紫外線(UV)透過率が13%より小さい。本明細書の全ての実施例でこの範囲をUV透過率について使用する。IR透過率は約4〜26%の範囲であり、IR透過率を760〜2120ナノメートルにわたって測定する。Fe23としての全酸化鉄は1.3〜3.0質量%、より好ましくは1.5〜3.0質量%の量で本発明の組成物中に存在する。
【0018】
先に述べたように、ガラス溶融物中で酸化鉄は二つの形態で存在する。酸化鉄の酸化形態はUV光を吸収し、酸化鉄の還元形態は赤外線を吸収し、従ってガラス製品を透過によってそれらの透過率は低下する。本発明では、ガラス溶融物中の酸化条件を増強するためにマンガン化合物をガラス組成物に添加する。
【0019】
本発明の組成物においてマンガン化合物はMnO2に基づいて0.40〜1.5質量%の量で存在する。マンガン化合物を種々の形態でバッチのガラス成分に添加することができ、例えばMnO2、Mn34、MnO、MnCO3、MnSO4、MnF2、MnCl2等の形態にあることができるが、これに限定されない。これらの化合物の混合物も使用できることが理解されるであろう。マンガン化合物、例えば二酸化マンガンは酸化鉄に酸化剤として作用して、酸化鉄の酸化還元平衡をその酸化形態、Fe23にシフトさせる。二酸化マンガンと酸化鉄はガラス溶融物中で以下の反応に従って相互に反応する:
2MnO2+2FeO←→Mn23+Fe23 式1
Mn23+2FeO←→2MnO+Fe23 式2
【0020】
従って、二酸化マンガンをガラスバッチに添加すると、式1の平衡は右にシフトする。さらに、式2に示すように反応が進行して右にシフトし、正味の結果としてさらなる酸化鉄が酸化形態(Fe23)にシフトし、一方酸化マンガンはその還元形態(無色)MnO形態になる。Mn23を当初のバッチ成分として使用する場合、反応は式2に従う。酸化鉄を含むガラスバッチに添加する場合、マンガン化合物は還元されてその無色の形態になり、同様に酸化鉄は色の濃い還元形態(FeO)からシフトし、さらなる酸化鉄をバッチに添加して紫外線及び赤外線の両者の吸収を増加し、一方同時に高い可視透過率を維持することができる。好ましくはバッチ中に酸化マンガン又は炭酸マンガンを使用することが最も望ましい。
【0021】
ガラス工業で公知であるように、ソーダ−石灰−シリカガラス組成物を製造する場合、一般に二酸化チタンが不純物として原材料、例えば砂、ドロマイト又は石灰石から混入する。一般的に存在する不純物の量は、原材料に依存し、通常約0.015〜約0.05質量%の範囲である。ガラス溶融物に着色剤として意図的に酸化チタンを添加しない場合でも、典型的には約0.02質量%の酸化チタンがガラス中に存在する。他のUV吸収剤を添加して所望のUV特性を有するガラスを得ることができる。これらのUV吸収剤はセレン、酸化コバルトの形態にあるコバルトを含むことができる。しかしながら、本発明のガラスは酸化鉄の酸化部分に基づいており、これは二酸化マンガンが鉄の平衡をシフトさせた場合に増加し、セレンの添加によりUV吸収がさらに増強される。他のUV吸収剤、例えばセリウム、チタン、クロム又はバナジウム酸化物は所望の効果を得るために必要ではない。
【0022】
以下の表IIは、本発明に従う緑色ガラス組成物の態様を形成するのに好適に使用される成分を挙げている。
表 II
Figure 0004195595
【0023】
表IIIは上記のバッチから製造したガラス組成物の得られた酸化物の範囲の好ましい範囲を示す。
表 III
Figure 0004195595
【0024】
表IVは本発明の好ましいガラス特性を示す。
表 IV
Figure 0004195595
LTA>25%の場合、%LTA/%UVの比率≧3.0;
LTA<25%の場合、%LTA/%UVの比率≧5.0
LTA=15〜25%の場合、UV<10%@4.0mm
【0025】
図1に示すように、着色ガラスの色は多角形ABCDAの内部の色度座標によって規定され、該色度座標は以下のとおりである:
Figure 0004195595
【0026】
参照番号10で示している小さい多角形は好ましい色の領域を表し、参照番号12で示す大きい多角形は本発明の色の領域の全範囲を表す。
【0027】
本発明の利点を示すために、全ての実施例で詳細に説明したガラス溶融物を実験室で以下の手順に従って製造した:バッチを秤量し、高さ約5.08cm(2インチ)で内径約5.08cm(2インチ)のガラスジャーに入れタービュラ(Turbula)ミキサー上で10分間乾燥混合し、乾燥したバッチを高さ5.08cm(2インチ)頂部の内径6.35cm(2.5インチ)で内径が4.445cm(1.75インチ)の基部に向かって傾斜している80%白金/20%ロジウムるつぼに入れた。るつぼ中の乾燥バッチに4.5mlの量の水を加え、金属スプーンで撹拌する。このような製造の後、6個の異なるバッチの群をガス/空気燃焼炉中で同時に1427℃(2600°F)で1時間溶融し、各るつぼを炉から順次取りだし、フリットにする。ガラスをフリット化する工程は白金/ロジウムるつぼの内部を溶融ガラスで被覆し、次いでるつぼを冷水に浸漬することも含む。
【0028】
水からるつぼを取り出し、水切りを行い、割れたガラス粒子をるつぼの側面から剥がし、るつぼの内部で機械的に混合する。同様の方法で6個の試料をフリット化し、全てのるつぼを炉に戻してさらに1時間1427℃(2600°F)で加熱し、フリット化工程を繰り返す。2回のフリット化工程の後で、るつぼを炉に戻して4時間1427℃(2600°F)で加熱する。各るつぼを順次炉から取り出し、各溶融ガラス試料を内径が6.35cm(2.5インチ)のグラファイトの鋳型に注入する。各ガラスを徐冷し、ラベルを付け、アニーリング炉に入れ、ここで温度を566℃(1050°F)まで急激に上昇させ、2時間維持し、次いで炉を密閉して徐冷し、14時間又はそれより後で試料を取り出す。試料を粉砕し研磨して約4.0mmの厚さとし、次いで各試料についてスペクトル特性を測定する。
【0029】
上記の手順で製造した実験室の溶融物は全て以下の基本組成を使用している:100gの砂、32.22gのソーダ灰、8.81gの石灰石、23.09gのドロマイト、1.5gの硫酸ナトリウム、0.075gのカルボサイト(carbocite)、2.64gの霞石閃長石、及びバッチの残部はベンガラ、二酸化マンガン、酸化コバルト及び任意にいくつかの実施例の溶融物におけるセレン。
【0030】
表Vは%LTAが高くかつ%UVが5〜12%の範囲にあるガラスを示す。表Vは、一定量のMnO2(0.50質量%)を種々の濃度のFe23に添加した場合の紫外線吸収の変化を示す。本発明のガラス組成物について、表IVの結果は、一定量のMnO2質量%(濃度)を有するガラスにおいてFe23の量を増加させると、対応して%LTA/%UVの比率が増加することを示す。
表 V
Figure 0004195595
【0031】
表VIは、18〜30%LTAかつ3%又はそれより小さい非常に低いUV透過を有するガラスを示す。二酸化マンガンの添加が本発明の酸化鉄を含むガラスの紫外線吸収を顕著に改良することが直ちに分かる。最も好ましくは、ガラスの紫外線吸収の顕著な改良に加えて、本発明はガラスの可視光線の透過率も改良し、このことは%LTAの増加により裏付けられている。実施例6に見られるように、MnO2の量が増加するとFe23の量も増加している。しかしながら、UV透過率が1%まで減少しかつ%LTA/%UVが高い(18)と、これによってガラスの色を区別するために高い刺激純度が必要となる。
表 VI
Figure 0004195595
【0032】
表VIIは少量のセレンが色、UV透過率及び%LTA/%UVの比率に与える影響を示す。
表 VII
Figure 0004195595
【0033】
表VIIの実施例15は、本発明のこれらの態様のうちで最も高いFe23及びセレンの濃度を示しており、これは22.4%という高い刺激純度によって裏付けられるようにガラスの色が非常に濃いからである。
【0034】
本発明の実施例に従って製造するガラス組成物のいずれも高価な酸化セリウム、酸化チタン及び五酸化バナジウムを使用していないことに留意すべきである。酸化条件又は所望の色を提供するいずれの化合物を使用する必要もなく、マグネシウム化合物のみを使用して、酸化鉄を酸化できることは予期せざることでありかつ最も望ましいことである。二酸化マンガンのようなマンガン化合物は相対的に高価ではないということによって、本発明が商業的にさらに望ましいものとなる。酸化鉄を酸化してUV吸収を改良する一方、還元マグネシウム化合物の色が薄くなるために高い可視透明率を維持できることにより、本発明に予期せざるかつ望ましい観点が追加される。
【0035】
図1及び上記の実施例から分かるように、本発明に従うガラスは、ガラスにおけるブラックバンド(black band)に対する必要性を排除できる非常に低いUV吸収を用意する。さらに、緑色を得るために高価でない酸化剤を使用する。さらにこのような緑色を得るためにクロムを使用することはない。
【0036】
先の記載及び図面及び特許請求の範囲から当業者は、特許請求の範囲に規定する本発明の範囲から離れずに本発明の好ましい態様を変更し変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うガラスの色度座標を図示したもの。

Claims (22)

  1. 基本組成及び着色剤を有し、該着色剤が着色ガラスの質量で以下から成る組成を有する、自動車に使用する着色ガラス:
    Fe23として1.3〜3.0質量%の酸化鉄;
    MnO2として0.4〜1.5質量%の酸化マンガン;
    Coとして0.0075〜0.03質量%の酸化コバルト;
    任意に0.0025質量%までのセレン;及び
    ここで、4mmのコントロール厚さにおいて着色ガラスが光源Aを使用して15.0%〜45.0%の光透過率を有し、紫外線透過率は13.0%より小さく、光源Aを使用する光透過率が25%より小さい場合に光透過率の紫外線透過率に対する比率が5に等しいか又はそれより大きく;
    着色ガラスの色が多角形ABCDA内の以下の色度座標によって規定される:
    x y
    A 0.292 0.319
    B 0.25 0.33
    C 0.34 0.41
    D 0.325 0.36。
  2. 多角形ABCDA内の好ましい色度座標が以下のものである、請求項1に記載の着色ガラス:
    x y
    A 0.293 0.32
    B 0.26 0.332
    C 0.308 0.376
    D 0.309 0.34
  3. 多角形ABCDA内で規定される色が緑色である、請求項1に記載の着色ガラス。
  4. 着色ガラスが4mmのコントロール厚さにおいて光源Aを使用して15.0%〜24.0%の光透過率を有し、紫外線透過率が10.0%より小さい、請求項1の着色ガラス。
  5. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて4.0%〜26.0%の範囲の赤外線透過率を有する、請求項1の着色ガラス。
  6. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて4%〜25%の範囲の刺激純度を有する、請求項1の着色ガラス。
  7. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて494〜563ナノメートルの範囲の主波長を有する、請求項1の着色ガラス。
  8. 基本組成が着色ガラスの質量で以下を含む組成を有する、請求項1の着色ガラス:
    70〜74%SiO2
    10〜18%Na2O;
    7〜15%CaO;
    0〜10%MgO;
    0〜5%Al23;及び
    0〜5%K2O。
  9. 基本組成及び着色剤を有し、該着色剤が着色ガラスの質量で以下から成る組成を有する、自動車に使用する着色ガラス:
    Fe23として1.3〜3.0質量%の酸化鉄;
    MnO2として0.4〜1.5質量%の酸化マンガン;
    Coとして0.00075〜0.025質量%の酸化コバルト;
    任意に0.0025質量%までのセレン;及び
    ここで、4mmのコントロール厚さにおいて着色ガラスが光源Aを使用して15.0%〜45.0%の光透過率を有し、紫外線透過率は13.0%より小さく、光源Aを使用する光透過率が25%より小さい場合に光透過率の紫外線透過率に対する比率が5に等しいか又はそれより大きく;
    着色ガラスの色が多角形ABCDA内の以下の色度座標によって規定される: x y
    A 0.292 0.319
    B 0.25 0.33
    C 0.34 0.41
    D 0.325 0.36
  10. 多角形ABCDA内の好ましい色度座標が以下のものである、請求項9に記載の着色ガラス:
    x y
    A 0.293 0.32
    B 0.26 0.332
    C 0.308 0.376
    D 0.309 0.34
  11. 多角形ABCDA内で規定される色が緑色である、請求項9に記載の着色ガラス。
  12. 着色ガラスが4mmのコントロール厚さにおいて光源Aを使用して15.0%〜24.0%の光透過率を有し、紫外線透過率が10.0%より小さい、請求項9の着色ガラス。
  13. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて4.0%〜26.0%の範囲の赤外線透過率を有する、請求項9の着色ガラス。
  14. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて4%〜25%の範囲の刺激純度を有する、請求項9の着色ガラス。
  15. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて494〜563ナノメートルの範囲の主波長を有する、請求項9の着色ガラス。
  16. 基本組成が以下を含む組成を有する、請求項9の着色ガラス:
    70〜74%SiO2
    10〜18%Na2O;
    7〜15%CaO;
    0〜10%MgO;
    0〜5%Al23;及び
    0〜5%K2O。
  17. 基本組成及び着色剤を有する自動車に使用する着色ガラスであって、
    基本組成が着色ガラスの質量で70〜71%SiO2、12〜13%Na2O、7〜8%CaO、3〜4%MgO、0〜1%Al23、1%K2Oを含む組成を有し;
    着色剤が着色ガラスの質量でFe23として1.3〜3.0質量%の酸化鉄;MnO2として0.4〜1.5質量%の酸化マンガン;Coとして0.00075〜0.025質量%の酸化コバルト;任意に0.0025質量%までのセレンを含む組成を有し;
    着色ガラスが4mmのコントロール厚さにおいて光源Aを使用して15.0%〜45.0%の光透過率を有し、紫外線透過率は13.0%より小さく、光源Aを使用する光透過率が25%より小さい場合に光透過率の紫外線透過率に対する比率が5に等しいか又はそれより大きく;
    着色ガラスが4mmのコントロール厚さにおいて4.0%〜26.0%の範囲の赤外線透過率を有し;
    着色ガラスの色が多角形ABCDA内の以下の色度座標によって規定される: x y
    A 0.292 0.319
    B 0.25 0.33
    C 0.34 0.41
    D 0.325 0.36。
  18. 多角形ABCDA内の好ましい色度座標が以下のものである、請求項17に記載の着色ガラス:
    x y
    A 0.293 0.32
    B 0.26 0.332
    C 0.308 0.376
    D 0.309 0.34
  19. 多角形ABCDA内で規定される色が緑色である、請求項17に記載の着色ガラス。
  20. 着色ガラスが4mmのコントロール厚さにおいて光源Aを使用して15.0%〜24.0%の光透過率を有し、紫外線透過率が10.0%より小さい、請求項17の着色ガラス。
  21. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて4%〜25%の範囲の刺激純度を有する、請求項17の着色ガラス。
  22. 着色ガラスが4mmの厚さにおいて494〜563ナノメートルの範囲の主波長を有する、請求項17の着色ガラス。
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