JP4187999B2 - 熱線遮蔽樹脂シート材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の屋根や壁、アーケード、天井ドームなどや、車両の窓などの開口部に利用され、可視光透過性が良好で且つ熱線遮蔽性に優れ、しかも耐衝撃性や耐水性にも優れた熱線遮蔽樹脂シート材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種建築物や車両の窓などのいわゆる開口部は、太陽光線を取り入れるために透明なガラス板や樹脂板で構成されている。しかし、太陽光線には可視光線の他に紫外線や赤外線が含まれ、特に赤外線のうち800〜2500nmの近赤外線は熱線と呼ばれ、開口部分から進入することにより室内の温度を上昇させる原因となる。
【0003】
そこで近年では、各種建築物や車両の窓材などとして、可視光線を十分に取り入れながら熱線を遮蔽して、明るさを維持しつつ同時に室内の温度上昇を抑制する熱線遮蔽材が検討され、そのための各種手段が提案されている。
【0004】
例えば、特開昭61−277437号公報には、透明樹脂フィルムに金属を蒸着してなる熱線反射フィルムを、ガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板などの透明基材に接着した熱線遮蔽板が提案されている。しかし、この熱反射フィルム自体が非常に高価であるばかりでなく、接着工程等の煩雑な工程を要するため、非常に高コストとなる欠点があつた。また、透明基材と熱反射フィルムの接着性が良くないので、経時変化により熱反射フィルムの剥離が生じるといった問題を有していた。
【0005】
また、透明基材表面に金属や金属酸化物を直接蒸着してなる熱線遮蔽板も数多く提案されているが、高真空や精度の高い雰囲気制御が必要な蒸着装置を使用しなければならないため、量産性が悪く、汎用性に乏しいうえ、熱線遮蔽板も非常に高価であるという問題があった。
【0006】
尚、本発明者らは、例えば特開平11−181336号公報、特開2000−96034号公報、特開2000−169765号公報などに、熱線遮蔽成分として六ホウ化物微粒子単独、或いは六ホウ化物微粒子とITO微粒子及び/又はATO微粒子を各種バインダーに含有させた熱線遮蔽用塗布液、並びにこの塗布液を透明基材の表面上に塗布した後、硬化させて得られる熱線遮蔽膜を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
熱線遮蔽の手段として、上記した透明基材上に熱線反射フィルムや熱線遮蔽膜を施す方法以外にも、例えば特開平5−78544号公報や特開平2−173060号公報には、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透明な樹脂に、熱線反射粒子として酸化チタンで被覆したマイカを練り込で形成した熱線遮蔽板が提案されている。
【0008】
しかしながら、この熱線遮蔽板では、熱線遮蔽性能を高めるために熱線反射粒子を多量に添加する必要があり、そのため熱線反射粒子の添加量を増大すると可視光線透過性が低下してしまうという問題があった。逆に熱線反射粒子の添加量を少なくすると、可視光線透過性は高まるものの熱線遮蔽性が低下するため、熱線遮蔽性と可視光線透過性を同時に満足させることは困難であった。更に、熱線反射粒子を多量に配合すると、基材である透明樹脂の物性、殊に耐衝撃性や靭性が低下するという強度面の欠点も有していた。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、煩雑な製法や高コストの物理成膜法を用いずに簡便な方法で製造することができ、優れた可視光線透過性を維持すると同時に高い熱線遮蔽性を発揮することができ、しかも耐衝撃性など強度面でも優れた熱線遮蔽材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、熱線遮蔽効果を有する成分として自由電子を多量に保有する六ホウ化物微粒子に着目し、この微粒子をポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの透明な樹脂に分散させることによって、可視光領域に透過率の極大を持つと共に、近赤外域に強い吸収を発現して透過率の極小を有する熱線遮蔽樹脂シート材を開発し、本発明を完成したものである。
【0011】
即ち、本発明が提供する熱線遮蔽樹脂シート材は、単層の熱線遮蔽樹脂シート材であって、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂中に、熱線遮蔽成分として、六ホウ化物微粒子とITO微粒子又はATO微粒子が分散されていることを特徴とするものである。
【0012】
尚、上記本発明の熱線遮蔽樹脂シート材に用いる六ホウ化物は、具体的には、LaB6、CeB6、PrB6、NdB6、GdB6、TbB6、DyB6、HoB6、YB6、SmB6、EuB6、ErB6、TmB6、YbB6、LuB6、SrB6及びCaB6の群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。また、前記六ホウ化物微粒子、ITO微粒子、及びATO微粒子は、その平均粒径がいずれも200nm以下であることが好ましい。
【0013】
上記本発明の熱線遮蔽樹脂シート材において、熱線遮蔽成分としてはLaB 6 微粒子とITO微粒子又はATO微粒子との組み合わせが特に好ましい。LaB 6 微粒子とITO微粒子が分散している場合、LaB 6 微粒子:ITO微粒子の重量比は0 . 6:99 . 4〜90:10の範囲であり、熱線遮蔽成分(LaB 6 微粒子+ITO微粒子)の含有量は熱線遮蔽樹脂シート材1m 2 当たり1 . 20〜5 . 79gである。また、LaB 6 微粒子とATO微粒子が分散している場合は、LaB 6 微粒子:ATO微粒子の重量比は0 . 2:99 . 8〜90:10の範囲であり、熱線遮蔽成分(LaB 6 微粒子+ATO微粒子)の含有量が熱線遮蔽樹脂シート材1m 2 当たり5 . 55〜18 . 70gである。
【0014】
上記本発明の熱線遮蔽樹脂シート材は、その熱線遮蔽樹脂シート材の少なくとも一表面に、紫外線吸収剤を含む樹脂被膜が形成されていても良い。
【0015】
本発明は、また、熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法を提供するものである。即ち、本発明の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法は、熱線遮蔽成分として、六ホウ化物微粒子とITO微粒子又はATO微粒子とを溶剤中に分散して熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液を製造する工程と、該熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液をポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂と混合して、熱線遮蔽成分微粒子が樹脂中に均一に分散した混合物を得る工程と、該混合物を成形して単層の熱線遮蔽樹脂シート材を製造する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
上記本発明の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法では、熱線遮蔽成分としてLaB 6 微粒子とITO微粒子又はATO微粒子との組み合わせが特に好ましい。LaB 6 微粒子とITO微粒子の場合は、熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液のLaB 6 微粒子:ITO微粒子の重量比を0 . 6:99 . 4〜90:10の範囲とし、熱線遮蔽成分(LaB 6 微粒子+ITO微粒子)の含有量を熱線遮蔽樹脂シート材1m 2 当たり1 . 20〜5 . 79gとする。また、LaB 6 微粒子とATO微粒子の場合には、熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液のLaB 6 微粒子:ATO微粒子の重量比を0 . 2:99 . 8〜90:10の範囲とし、熱線遮蔽成分(LaB 6 微粒子+ATO微粒子)の含有量は熱線遮蔽樹脂シート材1m 2 当たり5 . 55〜18 . 70gとする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の熱線遮蔽樹脂シート材は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂のような透明な樹脂基材中に、熱線遮蔽成分として六ホウ化物微粒子を単独で分散させるか、又は六ホウ化物微粒子と共にITO微粒子やATO微粒子を組合せて分散させたものであって、用途に応じて板状、フィルム状、球面状などの任意の形状に形成することができる。
【0019】
かかる熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法は、熱線遮蔽成分の微粒子を樹脂中に均一に分散できる方法であれば任意に選択できる。例えば、上記微粒子を樹脂に直接添加し、均一に溶融混合する方法を用いることができる。特に、溶剤中に熱線遮蔽成分の微粒子を分散させた添加液を作製し、この添加液を樹脂又は樹脂原料と混合した成形用組成物を用いて樹脂シートを成形する方法が簡単であり好ましい。
【0020】
熱線遮蔽成分として使用される六ホウ化物微粒子としては、6ホウ化ランタン(LaB6)、6ホウ化セリウム(CeB6)、6ホウ化プラセオジム(PrB6)、6ホウ化ネオジム(NdB6)、6ホウ化ガドリニウム(GdB6)、6ホウ化テルビウム(TbB6)、6ホウ化ディスプロシウム(DyB6)、6ホウ化ホルミウム(HoB6)、6ホウ化イットリウム(YB6)、6ホウ化サマリウム(SmB6)、6ホウ化ユーロピウム(EuB6)、6ホウ化エルビウム(ErB6)、6ホウ化ツリウム(TmB6)、6ホウ化イッテルビウム(YbB6)、6ホウ化ルテチウム(LuB6)、6ホウ化ストロンチウム(SrB6)、6ホウ化カルシウム(CaB6)、6ホウ化ランタンセリウム((La,Ce)B)6)などが、その代表的なものとして挙げられる。
【0021】
また、使用する六ホウ化物微粒子は、その表面が酸化していないことが好ましいが、通常は僅かに酸化していることが多く、また微粒子の分散工程で表面の酸化が起こることはある程度避けられないが、その場合でも熱線遮蔽効果を発現する有効性に変わりはない。また、ホウ化物微粒子は結晶としての完全性が高いほど大きい熱線遮蔽効果が得られるが、結晶性が低くX線回折でブロードな回折ピークを生じるようなものであっても、微粒子内部の基本的な結合が各金属とホウ素の結合から成り立っているものであるならば、熱線遮蔽効果を発現することができる。
【0022】
これらの六ホウ化物微粒子は灰黒色、茶黒色、緑黒色などに着色した粉末であるが、可視光波長に比べて十分小さな粒径で樹脂シート中に分散させた状態においては、十分高い赤外光遮蔽性を保持しながら、樹脂シートには可視光透過性が得られる。この理由は詳細には理解されていないが、これら微粒子中の自由電子の量が多く、微粒子内部及び表面の自由電子によるバンド間での間接遷移の吸収エネルギーが可視光領域から近赤外光領域の付近にあるため、この波長領域の熱線が選択的に反射・吸収されるものと考えられる。
【0023】
具体的には、六ホウ化物微粒子を十分細かく且つ均一に分散した樹脂シートでは、透過率が波長400nm〜700nmの間に極大値を且つ波長700nm〜1800nmの間に極小値を持ち、更にこれらの透過率の極大値と極小値の差が15ポイント以上であることが観察される。可視光波長が380nm〜780nmであり、視感度が550nm付近をピークとする釣鐘型であることを考慮すると、六ホウ化物微粒子を分散させた樹脂シートは可視光を有効に透過し、それ以外の熱線を有効に反射・吸収することが分る。
【0024】
また、六ホウ化物微粒子と組合せて用いるITO微粒子やATO微粒子は、可視光領域で光の吸収や反射がほとんど無く、1000nm以上の領域でプラズマ共鳴に由来する反射・吸収が大きい。尚、これらの透過プロファイルでは、近赤外領域で長波長側に向かうに従って透過率が減少する。一方、六ホウ化物の透過プロファイルでは、上述のごとく1000nm付近に極小値をもち、それより長波長側では徐々に透過率の上昇を示す。このため、六ホウ化物とITOやATOとを組合せて使用することにより、可視光透過率は減少させずに、近赤外領域の熱線を遮蔽することが可能となり、それぞれ単独で使用するよりも熱線遮蔽特性が向上する。
【0025】
使用する六ホウ化物微粒子の平均粒径は200nm以下が好ましい。平均粒径が200nmよりも大きくなると、分散液中では微粒子同士の凝集が強くなって微粒子の沈降原因となるうえ、樹脂中では光散乱源となって樹脂シートが曇って見えるようになってしまうからである。ITO微粒子やATO微粒子の微粒子も、上記と同様の理由で平均粒径200nm以下が好ましい。尚、透光性屋根材などでは、透明性よりも不透明な光透過性を要求されることがあり、その場合は粒径を大きくして散乱を助長する構成が望ましいが、粒径が大きすぎると赤外吸収能そのものも減衰するため、やはり200nm以下の平均粒径が好ましい。
【0026】
六ホウ化物微粒子の単位重量当たりの熱線遮蔽能力は非常に高く、ITO微粒子やATO微粒子と比較して30分の1以下の使用量で同等の効果を発揮する。従って、六ホウ化物微粒子を用いることによって、少量でも好ましい熱線遮蔽効果が得られるうえ、ITO微粒子やATO微粒子と併用した場合にはこれらの微粒子を削減してコスト低下を図ることが可能となる。また、全微粒子の使用量を大幅に削減できるので、基材である樹脂の物性、特に耐衝撃強度や靭性の低下を防ぐことができる。
【0027】
尚、樹脂シート材への六ホウ化物微粒子の含有量、あるいは併用するITO微粒子やATO微粒子の含有量を制御することにより、可視光領域の吸収を自由に制御でき、明るさの調製や、プライバシー保護などへの応用も可能である。
【0028】
熱線遮蔽性能はシート単位面積当たりの熱線遮蔽成分の含有量で決まってくるが、熱線遮蔽成分の樹脂に対する含有量は、必要とする光学特性や樹脂シート材の強度特性などに応じて定めることが必要である。例えば、光学特性を満足する熱線遮蔽成分含有量であっても、樹脂シート材が薄くなってくると摩耗強度や耐衝撃性が低下する。また、樹脂シート材表面に熱線遮蔽成分の浮き出しが生じ、外観を損ねる可能性がある。従って、樹脂シート材が薄い場合、具体的には厚さ20〜30μm程度であっても、上記不都合が生じないように、熱線遮蔽成分の含有量は樹脂シート材1m2当たり0.05〜19gの範囲であることが好ましい。一方、樹脂シート材が厚くなると熱線遮蔽成分をより多く含有させることが可能となるが、樹脂シート材の厚さが3〜5mm程度に厚くなると、熱線遮蔽成分含有量が上記19g/m2を超えたとき可視光透過性が低下する可能性が出てくる。
【0029】
六ホウ化物微粒子とITO微粒子及び/又はATO微粒子を併用する場合の割合は、六ホウ化物微粒子:(ITO微粒子及び/又はATO微粒子)の重量比で、0.1:99.9〜90:10の範囲が望ましい。この範囲よりも六ホウ化物微粒子が少ないと、全微粒子の使用量を余り削減できずコスト削減効果が小さくなり、熱線遮蔽特性も悪くなる。また、この範囲よりも六ホウ化物微粒子が多い場合には、ITOやATOの添加効果が無視できるほど小さくなってしまう。尚、同じ光学特性の場合、六ホウ化物微粒子の含有量を多くするほど、ITO微粒子及びATO微粒子の使用量を低減でき、コストの削減効果が大きくなる。
【0030】
熱線遮蔽成分の樹脂への分散方法は、微粒子を均一に樹脂に分散できる方法であれば特に限定されないが、微粒子を任意の溶剤に分散した添加液を用いる方法が好ましい。具体的には、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用い、上記微粒子を任意の溶剤に分散して熱線遮蔽樹脂シート製造用の添加液とする。
【0031】
熱線遮蔽樹脂シート材製造用の添加液に用いる分散溶剤としては、特に限定されるものではなく、配合する樹脂、樹脂シート材を形成する条件などに合わせて選択可能であり、一般的な有機溶剤が使用可能である。また、必要に応じて酸やアルカリを添加してpHを調整しても良い。更に、樹脂中の微粒子の分散安定性を一層向上させるために、各種の界面活性剤、カップリング剤などを分散剤として添加することも可能である。
【0032】
上記の添加液を用いて熱線遮蔽樹脂シート材を製造するには、一般的には、その添加液を基材となる樹脂に添加し、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機、及びバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、一軸押出機、二軸押出機などの混練機で均一に溶融混合する方法を用いて、樹脂中に微粒子が均一に分散した混合物を調整する。
【0033】
基材となる樹脂がポリカーボネート樹脂の場合には、樹脂の原料となる2価フェノール類に添加液を添加し、公知の方法で均一に混合し、ホスゲンで例示されるカーボネート前駆体と反応させることによっても、樹脂に微粒子を均一に分散した混合物を調整することができる。また、アクリル樹脂の場合は、アクリル樹脂の原料となるメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどに添加液を添加し、同様に公知の方法で均一に混合し、懸濁重合や塊状重合など公知の方法で重合させることによって、アクリル樹脂に微粒子を均一に分散した混合物を調整することができる。
【0034】
更に、添加液の溶剤を公知の方法で除去し、得られた粉末を樹脂に添加して、均一に溶融混合する方法によっても、樹脂に微粒子を均一に分散した混合物を調整することができる。
【0035】
本発明の樹脂シート材は、上記のごとく樹脂に微粒子を均一に分散させた混合物を、射出成形、押出成形、圧縮成形などの公知の成形方法によって、平面状や曲面状に成形することにより作製することができる。また、樹脂に微粒子を均一に分散した混合物を造粒装置により一旦ペレット化した後、同様の方法で樹脂シート材を作製することもできる。尚、樹脂シート材の厚さは、厚い板状から薄いフィルム状まで必要に応じて任意の厚さに調整することが可能である。
【0036】
上記樹脂シート材の表面には、更に熱線遮蔽膜や紫外線吸収膜を形成しても良い。例えば、樹脂シート材上に、六ホウ化物微粒子やITO微粒子やATO微粒子を各種バインダーに分散させた塗布液を塗布し、表面上に更に熱線遮蔽膜を形成することもできる。また、上記樹脂シート材上に、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤を各種バインダーに溶解させた塗布液を塗布し、硬化させて紫外線吸収膜を形成することができる。この紫外線吸収膜の形成により、樹脂シート材の耐侯性を向上させることが可能である。
【0037】
尚、樹脂シート材の基材となるポリカーボネート樹脂は、2価フェノール類とカーボネート系前駆体とを、溶液法又は熔融法で反応させることによって得られるものである。2価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が代表例として挙げられる。また、好ましい2価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、特にビスフェノールAを主成分とするものが好ましい。
【0038】
また、アクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートを主原料とし、必要に応じて必要に応じて炭素数炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を共重合成分として用いた重合体又は共重合体が用いられる。また、更に多段で重合したアクリル樹脂を用いることもできる。
【0039】
このように、熱線遮蔽成分として近赤外領域に強い吸収を持つ六ホウ化物微粒子を樹脂に均一に分散させ、シート状に形成することで、高コストの物理成膜法や複雑な接着工程を用いずに、熱線遮蔽機能を有し、且つ可視光域に高い透過性能を有する熱線遮蔽樹脂シート材を提供することが可能である。
【0040】
また、熱線遮蔽成分として、六ホウ化物微粒子をATO微粒子やITO微粒子と併用して樹脂に分散させた熱線遮蔽樹脂シート材では、それぞれの微粒子を単独で使用した場合よりも熱線遮蔽特性を向上させると共に、ATOやITOのみの場合に比べて高価なATOやITOの使用量を減少させ、材料コストの低減を図ることが可能である。
【0041】
更に、六ホウ化物微粒子は耐水性が低いため、水分の影響を受けて劣化し、光学特性が変化するという欠点があるが、本発明の六ホウ化物微粒子を樹脂に分散させた樹脂シート材は六ホウ化物微粒子が水と接触することを遮断でき、光学特性の変化を防止することができる。
【0042】
【実施例】
実施例1
平均粒径67nmのLaB6微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、直径4mmのジルコニアボールを用いて100時間ボールミル混合して、添加液(A1液)100gを作製した。また、平均粒径80nmのITO微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、同様にボールミル混合して、添加液(B1液)100gを作製した。更に、平均粒径55nmのATO微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、同様にボールミル混合して、添加液(C1液)100gを作製した。
【0043】
次に、上記のA1液とB1液を混合してポリカーボネート用添加液を調整し、この添加液をポリカーボネート樹脂にITO濃度が0.155重量%、LaB6濃度が0.00097重量%となるように添加し、ブレンダー、二軸押出機で均一に熔融混合した後、Tダイを用いて厚さ3mmに押出成形し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料1)を作製した。
【0044】
上記と同様の方法で、A1液とポリカーボネート樹脂、及び必要に応じてB液又はC液を用いて、それぞれ下記表1の試料2〜10に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料2〜10)を得た。
【0045】
得られた試料1〜10の各熱線遮蔽ポリカーボネートシート材について、それぞれ分光特性を日立製作所製の分光光度計U−4000を用いて測定し、JISR3106に従って可視光透過率と、熱線遮蔽性能を示す日射透過率とを算出し、得られた結果を下記表1に示した。
【0046】
比較例1
実施例1と同様の方法で、ただしA1液は使用せず、B1液又はC1液と、ポリカーボネート樹脂を下記表1の試料11〜12に示す組成となるように混合し、ITO又はATO微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料11〜12)を得た。これらの熱線遮蔽ポリカーボネートシート材についても、実施例1と同様に評価した結果を、下記表1に併せて示した。
【0047】
実施例2
上記実施例1の試料2の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(LaB6とITO併用)の表面に、紫外線吸収膜を形成した。即ち、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティー製:商品名チヌビン384)2重量%、アクリル樹脂10重量部、トルエン88重量部を混合して塗布液を作製した。この塗布液15gをスピンコーターで試料2のシート上に塗布し、100℃の電気炉に入れて30分間加熱して紫外線吸収膜を形成した。
【0048】
得られた紫外線吸収膜付きの熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料13)についても、実施例1と同様に評価を行い、その結果を下記表1に示した。
【0049】
比較例2
上記実施例1と同様の方法で、A1液、C1液、ポリカーボネート樹脂を下記表1の試料14に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料14)を得た。
【0050】
得られた試料14の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材は、熱線遮蔽微粒子の含有量が多すぎるため表面に熱線遮蔽成分の浮き出しが見られ、シート全体が白く曇っていた。この試料14の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材についても、実施例1と同様に評価した結果を、下記表1に併せて示した。
【0051】
【表1】
【0052】
上記表1の結果から、熱線遮蔽成分としてLaB6を微量添加することにより、従来のITO又はATOの特性に比べて、可視光透過率を下げることなく、日射透過率を同等又はそれ以下に減少させ得ることが分る。しかも、この効果はITO又はATOの添加なしでも得られ、またITO又はATOを併用する場合にはその添加量を大幅に削減できることが分る。
【0053】
例えば、本発明例の試料2と比較例の試料11を対比すると、試料2のシート材ではLaB6を膜中の全微粒子の1.39重量%添加したことによって、可視光透過率は78%に維持したまま、日射透過率を試料11よりも3ポイント以上低下させ、更にITO添加量を半分以下に削減することができた。
【0054】
実施例3
上記実施例1の試料4の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材について、耐水性試験を実施した。即ち、試料4のシート材を水に10日間浸した後、実施例1と同様にして再び光学特性を測定したところ、可視光透過率は78%及び日射透過率は57.5%であり、光学特性の変化は全く見られなかった。
【0055】
実施例4
平均粒径85nmのCeB6微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、直径4mmのジルコニアボールを用いて100時間ボールミル混合して、添加液(D1液)100gを作製した。上記実施例1と同様の方法により、D1液、B1液、ポリカーボネート樹脂を下記表2の試料15に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料15)を得た。
【0056】
また、上記CeB6微粒子の代りに、PrB6微粒子、NdB6微粒子、GdB6微粒子、YB6微粒子、SmB6微粒子、又はEuB6微粒子を用い、上記と同様にそれぞれ添加液を作製した。これらの添加液を、ポリカーボネート樹脂、及び必要に応じてB1液又はC1液と下記表2の試料16〜21に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料16〜21)を作製した。
【0057】
得られた試料15〜21の各熱線遮蔽ポリカーボネートシート材について、実施例1と同様に評価した結果を、下記表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】
熱線遮蔽成分のLaB6微粒子の代りに、CeB6微粒子、PrB6微粒子、NdB6微粒子、GdB6微粒子、YB6微粒子、SmB6微粒子、EuB6微粒子などの六ホウ化物微粒子を用いても、優れた可視光線透過性と熱線遮蔽効果が得られることが分る。
【0060】
実施例5
平均粒径67nmのLaB6微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、直径4mmのジルコニアボールを用いて100時間ボールミル混合して、添加液(A2液)100gを作製した。また、平均粒径80nmのITO微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、同様にボールミル混合して、添加液(B2液)100gを作製した。更に、平均粒径55nmのATO微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、同様にボールミル混合して、添加液(C2液)100gを作製した。
【0061】
次に、上記のA2液とB2液を混合してアクリル用添加液を調整し、この添加液をアクリル樹脂にITO濃度が0.13重量%、LaB6濃度が0.0012重量%となるように添加し、ブレンダー、二軸押出機で均一に熔融混合した後、Tダイを用いて厚さ3mmに押出成形し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材(試料22)を作製した。
【0062】
上記と同様の方法で、A2液と、アクリル樹脂、及び必要に応じてB2液又はC2液を用いて、下記表3の試料23〜31に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材(試料23〜31)を作製した。
【0063】
得られた試料22〜31の各熱線遮蔽アクリルシート材について、それぞれ分光特性を日立製作所製の分光光度計U−4000を用いて測定し、JIS R3106に従って可視光透過率と、熱線遮蔽性能を示す日射透過率とを算出し、得られた結果を下記表3に示した。
【0064】
比較例3
上記実施例5と同様の方法で、ただしA2液は使用せず、B2液又はC2液とアクリル樹脂を下記表3の試料32〜33に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材(試料32〜33)を得た。これらの熱線遮蔽アクリオルシート材についても、実施例5と同様に評価した結果を、下記表3に併せて示した。
【0065】
実施例6
上記実施例5のA2液とB2液を混合した添加液を、アクリル樹脂にITO濃度が0.094重量%、LaB6濃度が0.0012重量%となるように添加し、ブレンダーで均一に熔融混合した後、Tダイを用いて厚さ3mmに押出成形することにより、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材を作製した。
【0066】
この熱線遮蔽アクリルシート材の一表面に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャリティー製:商品名チヌビン384)2重量%、アクリル樹脂10重量部、トルエン88重量部を混合した塗布液15gをスピンコーターで塗布し、100℃の電気炉に入れて30分間加熱して紫外線吸収膜を形成した。
【0067】
得られた紫外線吸収膜付き熱線遮蔽ポリカーボネートシート材(試料34)について、実施例5と同様に評価を行い、その結果を下記表3に示した。
【0068】
比較例4
上記実施例5と同様の方法で、A2液、C2液、アクリル樹脂を下記表3の試料35に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材(試料35)を得た。
【0069】
得られた試料35の熱線遮蔽アクリルシート材は、熱線遮蔽成分の含有量が多すぎるため表面に熱線遮蔽成分の浮き出しが見られ、シート全体が白く曇っていた。この試料35の熱線遮蔽アクリルシート材についても、実施例5と同様に評価した結果を、下記表3に併せて示した。
【0070】
【表3】
【0071】
上記表3の結果から、アクリル樹脂に熱線遮蔽成分としてLaB6を微量添加することにより、従来のITO又はATOの特性に比べて、可視光透過率を下げることなく、日射透過率を同等又はそれ以下に減少させ得ることが分る。しかも、この効果はITO又はATOの添加なしでも得られ、またITO又はATOを併用する場合にはその添加量を大幅に削減できることが分る。
【0072】
例えば、本発明例の試料23と比較例の試料32とを対比すると、試料23のシート材では、LaB6微粒子を膜中の全微粒子の2.03重量%添加したことにより、可視光透過率は78%に維持したまま、日射透過率を比較例の試料32よりも3ポイント程度低下させ、更にITO添加量を半分以下に低減することができた。
【0073】
実施例7
上記実施例5の試料25の熱線遮蔽アクリルシート材について、耐水性試験を実施した。即ち、試料25のシート材を水に10日間浸した後、実施例1と同様にして再び光学特性を測定したところ、可視光透過率は78%及び日射透過率は56.9%であり、光学特性の変化は全く見られなかった。
【0074】
実施例8
平均粒径85nmのCeB6微粒子20g、トルエン70g、水及び適量の分散剤を混合し、直径4mmのジルコニアボールを用いて100時間ボールミル混合して、添加液(D2液)100gを作製した。上記実施例5と同様の方法により、D2液、B2液、アクリル樹脂を下記表4の試料36に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材(試料36)を作製した。
【0075】
また、上記CeB6微粒子の代りに、PrB6微粒子、NdB6微粒子、GdB6微粒子、YB6微粒子、SmB6微粒子、EuB6微粒子を用い、上記と同様にそれぞれ添加液を作製した。これらの添加液を、アクリル樹脂、及び必要に応じてB2液又はC2液と、下記表4の試料37〜42に示す組成になるように混合し、熱線遮蔽微粒子が全体に均一に分散した熱線遮蔽アクリルシート材(試料37〜42)を作製した。
【0076】
得られた試料36〜42の各熱線遮蔽アクリルシート材について、実施例5と同様に評価した結果を、下記表4に示した。
【0077】
【表4】
【0078】
実施例9
上記実施例1における試料10の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材、熱線遮蔽成分量が過多な試料14の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材、及び熱線遮蔽成分を含有しないポリカーボネートシート材(試料43)について、それぞれASTM D−256(アイゾットノッチ付き)に従ってアイゾット衝撃強度の測定を行った。得られた結果を下記表5に示した。
【0079】
【表5】
【0080】
本発明の試料10の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材は、試料43の熱線遮蔽成分を含有しないポリカーボネートシート材と同等の耐衝撃性を有することが分る。しかし、比較例である熱線遮蔽成分量が過多な試料14の熱線遮蔽ポリカーボネートシート材では、上記試料10及び試料43に比べて耐衝撃性が著しく低下した。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、高コストの物理成膜法や煩雑な接着工程を用いずに、六ホウ化物微粒子を樹脂に均一に分散するという簡便な方法で製造することができ、高い熱線遮蔽機能を有すると同時に、可視光域に優れた透過性能を有する熱線遮蔽樹脂シート材を提供することができる。しかも、この熱線遮蔽樹脂シート材は、六ホウ化物微粒子が樹脂中に分散して包み込まれているため、六ホウ化物微粒子と水との接触が遮断され、耐水性にも優れている。
【0082】
また、近赤外領域に強い吸収を持つ六ホウ化物微粒子を用いることにより、少ない熱線遮蔽成分量で高い熱線遮蔽効果が得られ、ATO微粒子やITO微粒子と併用する場合でもその使用量を減少させ、材料コストを低減させることができる。更に、熱線遮蔽成分の全微粒子量を大幅に削減できるので、基材である樹脂の物性、特に耐衝撃強度や靭性の低下を防ぐことができる。
【0083】
従って、本発明の熱線遮蔽樹脂シートは、建築物や自動車の窓のような開口部に適用することにより、開口部から入る太陽エネルギーを遮蔽することができるので、冷房負荷や人の熱暑感を軽減する効果があり、省エネルギーの点からも極めて有用である。
Claims (9)
- 単層の熱線遮蔽樹脂シート材であって、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂中に、熱線遮蔽成分のLaB 6 微粒子とITO微粒子がLaB 6 微粒子:ITO微粒子の重量比で0 . 6:99 . 4〜90:10の範囲で分散され、該熱線遮蔽成分の含有量が熱線遮蔽樹脂シート材1m2当たり1 . 20〜5 . 79gであることを特徴とする熱線遮蔽樹脂シート材。
- 単層の熱線遮蔽樹脂シート材であって、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂中に、熱線遮蔽成分のLaB 6 微粒子とATO微粒子がLaB 6 微粒子:ATO微粒子の重量比で0 . 2:99 . 8〜90:10の範囲で分散され、該熱線遮蔽成分の含有量が熱線遮蔽樹脂シート材1m 2 当たり5 . 55〜18 . 70gであることを特徴とする熱線遮蔽樹脂シート材。
- 前記LaB 6 微粒子、ITO微粒子、及びATO微粒子は、その平均粒径がいずれも200nm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱線遮蔽樹脂シート材。
- 前記単層の熱線遮蔽樹脂シート材の少なくとも一表面に、紫外線吸収剤を含む樹脂被膜が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱線遮蔽樹脂シート材。
- 単層の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法であって、熱線遮蔽成分のLaB 6 微粒子とITO微粒子を、LaB 6 微粒子:ITO微粒子の重量比で0 . 6:99 . 4〜90:10の範囲となるように溶剤中に分散して熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液を製造する工程と、該熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液をポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂と混合して熱線遮蔽成分微粒子が樹脂中に均一に分散した混合物を得る工程と、該混合物を熱線遮蔽成分の含有量が熱線遮蔽樹脂シート材1m 2 当たり1 . 20〜5 . 79gとなるように成形して、単層の熱線遮蔽樹脂シート材を製造する工程とを有することを特徴とする熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法。
- 単層の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法であって、熱線遮蔽成分のLaB 6 微粒子とATO微粒子を、LaB 6 微粒子:ATO微粒子の重量比で0 . 2:99 . 8〜90:10の範囲となるように溶剤中に分散して熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液を製造する工程と、該熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液をポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂と混合して熱線遮蔽成分微粒子が樹脂中に均一に分散した混合物を得る工程と、該混合物を熱線遮蔽成分の含有量が熱線遮蔽樹脂シート材1m2当たり5 . 55〜18 . 70gとなるように成形して、単層の熱線遮蔽樹脂シート材を製造する工程とを有することを特徴とする熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法。
- 前記熱線遮蔽成分微粒子が樹脂中に均一に分散した混合物を得る工程において、前記熱線遮蔽樹脂シート材製造用添加液をポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂の樹脂原料と混合して反応処理を行い、生成したポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂中に熱線遮蔽成分微粒子が均一に分散した混合物を得ることを特徴とする、請求項5又は6に記載の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法。
- 前記熱線遮蔽成分微粒子が樹脂中に均一に分散した混合物を得る工程の後、該混合物を造粒し、ペレット化する工程を有することを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法。
- 前記LaB 6 微粒子、ITO微粒子、及びATO微粒子は、その平均粒径がいずれも200nm以下であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の熱線遮蔽樹脂シート材の製造方法。
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