JP4185329B2 - Evacuation simulation system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、避難シミュレーションシステムに関し、特に模式図を入力することにより、自動的に避難時間および滞留面積のシミュレーションを行うことができる避難シミュレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物等の建築確認の際に、避難時間が許容時間内に収まること、および避難経路の収容面積が十分であるを示す資料の提出(防災計画書)を求められる場合があり、建築設計業者は指針に基づき、手作業でデータを作成して提出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方式においては、指針に精通した熟練者が必要であり、避難時間を求める作業も繁雑であるという問題点があった。
この発明は、上記したような従来技術の問題点を解決し、熟練者でなくとも模式図を入力するだけで、自動的に指針に従った避難時間および必要滞留面積のシミュレーションを行うことができる避難シミュレーションシステムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の避難シミュレーションシステムは、対象とする場所の避難経路を示す模式図を入力する手段と、入力された模式図に基づき避難シミュレーションを行い、少なくとも避難時間と最大滞留人数を算出する手段と、避難シミュレーションの結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0005】
この発明によれば、使用者が避難シミュレーションを行う場所の模式図を作成して、パラメータを入力または変更することにより、システムが自動的に指針に沿った避難のシミュレーションを行い、評価結果を出力することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。図2は、本発明のシステムのプログラムを実行するパソコン30のハードウェア構成を示すブロック図である。パソコンのCPU31は、ROM32あるいはRAM33に記憶された後述する本発明のプログラムを実行する。HDD(ハードディスクドライブ)I/F34は本発明のプログラムや各種データを記憶し、CD-ROMI/F35、FDD(フレキシブルディスクドライブ)I/F36は記録媒体からデータの読み出しあるいは書き込みを行う。USBI/F37はキーボード42、マウス43、プリンタ44との通信を行い、ビデオI/F38はディスプレイ41へ画面表示信号を出力する。この他LAN等の通信I/Fを備えてもよい。なお、これは一例であり、周知の任意のコンピュータにおいて本発明を実施可能である。
【0007】
図1は、本発明のシステムの処理の概要を示すフローチャートである。S10においては、居室もしくは階の避難経路を示す模式図を入力、又は外部ファイルから読み込み、必要な編集を行なう。S11においては、模式図の情報を用いて避難計算を行なう。S12においては、避難計算の結果を参照して、避難の評価表および避難計算グラフを表示・印刷する。
【0008】
図3は、図1のS10の模式図入力処理を示すフローチャートである。S20においては、使用者の操作に基づいて居室等のノードを画面上に配置する、または既存データをファイルから読み込む。S21においては、各ノードの計算パラメータ等の属性を入力または編集/更新する。S22においては、ノード間の接続関係を設定または変更する。
【0009】
避難計算を行うためには、先ず、避難者の在室場所から避難先(直通階段や地上)までの避難経路を示す模式図を作成する必要がある。図14(a)は、3つの居室(居室A,BおよびC)から二つの階段(階段AおよびB)までの避難経路を示した模式図の例を示す説明図である。
【0010】
この模式図は、従来より防災計画書の一部として記載さるべき避難計画の中で、避難時間および避難通路の必要滞留面積の計算と評価の根拠として使用されている図と同等のものである。
避難計算に用いる模式図に含まれる要素(以下「模式図ノード」もしくは単に「ノード」とよぶ)には、次の表1に示すようなものがある。
【0011】
【表1】
【0012】
避難計算を行うための避難経路とするには、これらノード間を互いに結び付ける必要がある。因みに、模式図上では、この接続関係はノード間を結ぶ線分(折れ線)として表現される。
これら模式図ノードおよびその接続関係の情報を用いて「新・建築防災計画指針」(以下単に「指針」ともよぶ)に示された避難計算グラフによる避難計算(居室避難計算および階避難計算)を行うことができる。
【0013】
なお、階避難計算では、避難時間(階避難時間および廊下避難時間)の合否を判定する基準となる「許容避難時間」を計算するため、対象とする階の総床面積の入力も必要になる。
一方の居室避難計算では、模式図に含まれる居室ノードの面積を合算することにより、許容避難時間の算定に必要となる居室の総床面積を得られるので、別途これを入力する必要は無い。
【0014】
プログラム上は、表1に示した避難計算に必要となる情報以外に、模式図を画面上に配置・表示するための情報として、各ノードには、そのXY座標(左上隅のXY座標)と縦横サイズを持っている。また、座標とサイズの単位は、メッシュを単位とするものである。また、模式図の印刷との関係で、ページの二次元IDを持ち、ノードが所属するページが判別可能にしてある。先に述べたノードの配置位置座標は、その属すページ内の座標になっている。
【0015】
ノード間の接続関係は、避難計算の過程で模式図を走査するため、上流・下流双方向の接続情報を各ノードに保持する。表2に、各々のノード種別ごとの下流と上流への接続情報を示す(ここで下流とは避難者が流れる方向であり、上流とはその逆方向である。)。
【0016】
【表2】
【0017】
表2の中で「への参照」とは、「一つのノードへの参照」を意味しており、また、「への参照リスト」とは、「二つ以上の複数ノードへの参照」を意味している。
因みに、「居室(室内ゾーン)」は、避難者が在室する場所であり、避難系路上で最も上流のノードである故、その上流への接続情報を持たない。逆に、「避難先」は、避難系路上で最も下流のノードであるので、その下流への接続情報を持たない。
【0018】
また、「合流」は、ネックへ合流してくる上流からの複数の避難経路(居室もしくは歩行経路)への参照をリストとして持ち、「分岐」は、ネックから分岐していく下流の複数の歩行経路への参照をリストとして持っている。
【0019】
「居室(室内ゾーン)」については、図14(b)の様に、別の居室を通って避難すべき居室(「居室内居室」とよばれる)が存在し得ることを考慮しなければならない。この場合は、外側の居室の出口への避難において、室内で合流が発生するので、居室ノードの下流に接続するノードは、ネックとなる出口扉のみならず、合流ノードの場合もある。
【0020】
「合流」とは、「複数の避難経路がネックへ合流する」ことであるので、これに接続すべき上流ノードが複数存在する。従って、接続する上流ノードへの参照は、配列もしくはリストの形式で保持する必要がある。逆に、下流に接続されるべきものは合流先になる一つのネックであるので、下流への唯一つの参照を保持すれば良い。
【0021】
「分岐」とは、「ネックから下流へ複数の避難経路に分岐する」ことであるので、これに接続すべき下流ノードが複数存在する。従って、接続する下流ノードへの参照は、配列もしくはリストの形式で保持する必要がある。
【0022】
逆に、上流に接続されるべきものは分岐元となる一つのネックであるので、上流への唯一つの参照を保持すれば良い。もう一つ合流と異なる点は、分岐の場合は、各々の分岐先への分岐比率が必要になることである。また、特定の分岐先への比率を取得する便宜を考えると、参照と分岐比率を対にして、配列またはリストに格納しておくのが良い。
【0023】
なお、分岐比率の代わりに、分岐する人数を使うことも可能であるが、上流の避難人数や接続関係の変更が生じた時、それに伴い自動的に下流の分岐人数を保守することは、殆ど無理である故、分岐への比率を持つ方が合理的である。ただし、表示については、分かり易くするため、分岐先ごとに、上流からの避難者人数合計と比率から分岐人数を計算して表示する。
【0024】
避難計算は、避難先となる模式図ノードから始めて、ノード間の接続を上流へ向かって遡りながら、上流ノードへ計算を依頼することで上流からの避難者の流入を取得して、それを下流への流出として戻すという事を再起的に行うことにより実行される。
【0025】
避難先となるノードは一般には複数存在する。例えば、階避難計算の場合は、避難先となる複数の直通階段や地上への出口が存在し得る(通路での二方向避難を確保すべきであるので寧ろ普通)。これら避難先ノード各々について、上記の再起処理を行えば、全ての計算を行うことができる。
【0026】
図4は、S11の避難計算処理を示すフローチャートである。S30においては、避難の最終ゴール(避難先)となるべきノードの設定や旧計算結果のクリアなど避難計算の準備をしておく。S31においては、階避難か否かが判定され、肯定の場合にはS32に移行する。S32においては、出火室とそれ以外の居室での避難開始時間を算定し、模式図に含まれる全ての居室ノードにその時間を設定する。
【0027】
S33においては、未計算の避難先ノードを一つ選び、これを当該避難先とする。S34においては、模式図を参照し、当該避難先への経路を上流へ辿りながら、各々のネックでの滞留計算を行なう。S38においては、当該避難先をカレントノードに設定して、その計算処理を呼び出す。S36においては、計算済みフラグをONに設定する。S37においては、全て終了したか否かが判定され、否定の場合にはS33に戻って処理を繰り返す。
【0028】
ネック以外のノードでは、直上のノードへ計算を依頼し、それが終了したら自身の計算済みフラグをONにすることのみ行っている。従って、避難計算における本質的部分は、「ネック」における滞留計算の部分にあると言っても良い。
【0029】
ネックにおける滞留計算とは、以下の処理を行うことである。
▲1▼上流からの当該ネックへの避難者の流入(実際はネックを出口とする室への流入)の時系列データを取得
▲2▼当該ネックへの避難者到着の時系列データを計算
▲3▼当該ネックからの避難者流出の時系列データを計算
ここで言う「滞留」とは、▲1▼流入と▲3▼流出の差を意味し、その最大値と一人当たり必要滞留面積を乗じたものがそのネックでの必要滞留面積である。また、▲3▼流出は、当該ネックからその下流への流入になる。何れの計算結果も、ネック中に保存され、後に避難計算を評価したり、避難計算グラフを表示したりする時に、必要に応じてこの結果が参照される。
【0030】
なお、分岐や合流を含むために、計算過程で同じノードが何度も参照されることがあり、単純に行うと効率が悪いため、各ノードには計算済みかどうかのフラグを持つ事とし、一度計算されるとそのフラグをONにして、二度以上そのノードについて計算しないようにする。このようにしておけば、一度計算されると、不必要にその上流へ模式図を辿る事も無くなる。
【0031】
図5、6のフローチャートに示す様に、避難計算は、ゴールとなる避難先ノードを基点として、与えられた模式図を順次上流に遡るようにして行なわれる。因みに、計算自体は、逆に上流の方から下流に向かって行われる。
【0032】
図5、6は、S38のカレントノード避難計算処理を示すフローチャート(1)および(2)である。S40においては、計算済みか否かが判定され、未計算の場合にはS41に移行する。S41においては、避難先/歩行経路または分岐であるか否かが判定され、肯定の場合にはS42に移行する。
【0033】
S42においては、カレントノードの上流ノードの避難計算を呼び出す(再起的呼び出しにより、上流ノードが一時的にカレントになる)。S43においては、合流か否かが判定され、肯定の場合にはS44に移行する。S44においては、上流ノードリストから順次ノードを選定する。S45においては、選択したノードの避難計算を呼び出す(上流ノードが一時的にカレントになる)。S46においては、全て終了したか否かが判定され、否定の場合にはS44に戻る。
【0034】
S47においては、ネックか否かが判定され、S48においては、ネックの上流ノードの避難計算を呼び出す(上流ノードが一時的にカレントになる)。S49においては、上流からの流入を取得し、このネックでの滞留計算を行なう。S50においては、計算済みフラグをONに設定して、呼び出し元(下流ノード)の避難計算に戻る。
【0035】
図5、6のフローチャートで「上流ノード避難計算」と書かれている部分は、処理対象ノードは変化するが、同じ内容の処理の再起的呼び出しを意味している。(実際のプログラミングでは、ノード種別ごとに定義されたメソッドの呼び出しである。)したがって、その呼び出しから戻った時点では、上流のノードについて全ての計算が終了している。
【0036】
ここで図5、6フローチャートに従って、模式図がどのように辿られるかを、図14(a)に例示した模式図について見てみる。先ず、避難先となる模式図ノードは、「階段A」と「階段B」の二つであるが、例えば、この順で模式図を辿ることにした場合、「階段A」からの走査は、階段A → 扉KA → 歩行経路(4m) →扉R1 → 歩行経路(12m)→ 扉A → 居室A →歩行経路(9m) → 扉B → 居室Bという順序で行なわれる。一方の「階段B」からの走査は、階段B → 扉KB → 歩行経路(4m) → 扉R2 → 歩行経路(7m)→ 扉B → 歩行経路(6m) → 扉C → 居室Cという順序で行なわれる。
【0037】
前述した如く、ネック以外のノードでは、注目するものは殆ど無く、主に模式図を上流に辿ることしか行なわないが、ネックに辿り着いた時は、上流からの流入を取得して、その流入に基づいてネックでの滞留計算を行なわねばならない。
【0038】
図7は、S49のネックの滞留計算処理を示すフローチャートである。S60においては、上流の避難経路から当該ネックへの流入を得るため上流ノードの流出速度計算(S61)を呼び出す。S61においては、指定ノードからその下流への流出速度を計算する(流入速度関数の配列が得られる)。ネックの直接上流になるノードは、居室、歩行経路および合流の3種であり、ここでは直接には、これらどれかのノードから取得する。しかし、それを通して、間接的に更に上流のネックや分岐も関係する。
【0039】
S62においては、得られた流入速度関数(通常複数)と当該ネックの通過能力(人/秒)に基づき、滞留計算を行ない、当該ネックからの流出速度関数および当該ネックでの最大滞留人数を求める。S63においては、滞留計算の結果を、当該ネックの結果保存用変数に格納する。
【0040】
図8、9、10は、S61の流出速度の計算処理を示すフローチャート(1)、(2)および(3)である。S70においては、居室か否かが判定され、居室の場合にはS71に移行する。S71においては、次のようなパルス関数を流出(流入)速度関数として生成する。
区間:避難開始時刻 〜 避難開始時刻 +l/v(秒)、速度:N*v/l(人/秒)
但しN:在室人数、l:歩行距離、v:歩行速度である。
そして、生成した関数を結果配列に格納する。但し、N=0もしくはv=0の場合は、流出が無いとして、結果配列にNull(ゼロ)を格納する。
【0041】
S72においては、ネックであるか否かが判定され、ネックの場合にはS73に移行する。S73においては、計算済みの滞留計算結果からこのネックの流出速度関数を取得し、流入速度関数に変換して、結果配列に格納する。ただし、流出が無い場合は、結果配列にNullを格納する。
【0042】
S74においては、合流であるか否かが判定され、合流の場合にはS75に移行する。S75においては、上流ノードリストから順次ノードを1つ選定する。S76においては、選定したノードの流出速度計算を呼び出す。S77においては、得られた流入速度関数を結果配列に追加格納する。S78においては、全て終了したか否かが判定され、否定の場合にはS75に戻る。
【0043】
S79においては、歩行経路であるか否かが判定され、歩行経路の場合にはS80に移行する。S80においては、上流は歩行経路またはネックか否かが判定され、肯定の場合にはS81に移行する。S81においては、上流ノードの流出速度計算を呼び出す。S82においては、分岐ノードの流出速度計算を呼び出し、当該歩行経路への分岐流入を得る。
【0044】
S83においては、得られた流入速度関数の歩行時間に、自身の所要歩行時間を加算する。(所要歩行時間分の遅延を加える)
S84においては、得られた流入速度関数を結果配列に格納する。ただし、流出が無い場合は、結果配列にNullを格納する。
【0045】
S85においては、分岐元となる上流ネックの流出速度計算を呼び出し、分岐前のトータル流出(流入)速度関数を得る。なお、ここに至るのは処理対象が分岐ノードの場合であり、呼び出し元の下流ノードは、歩行経路の筈である。S86においては、呼び出し元歩行経路への流入速度関数を計算する。即ち、(1)呼び出し元歩行経路への分岐比率を分岐リストから取得する。(2)ネックからの流出(流入)速度関数を、分岐比率でスケーリングした流入速度関数を生成する。S87においては、得られた流入速度関数を結果配列に格納する。ただし、流出が無い場合は、結果配列にNullを格納する。
【0046】
上記フローに示したように、ネックの上流が合流ノードである場合は、複数の経路からの流入があるので、一般には、複数の流入を考慮してネックの滞留計算を行なう必要がある。
【0047】
ネックの滞留計算を行う前処理として、先ず、ネックの上流からの流入を得るため、そのネックの上流ノードからの流出速度(下流への人の流れ)を計算する必要がある。実際は、当該ネックの直接の上流ノードに、それを求めることを依頼し、返されたものを自身への流入とする。
なお、この直前に上流ノードの計算をコールしている故、上流ノードでは全ての計算が終了しているので、上流からの当該ネックへの流入を得るための準備が整っている。
【0048】
ここでの基本的な考え方は、依頼された上流ノードが自身で決定できない場合、さらに上流ノードにそれを依頼し、その返された結果を下流へ返すというものである。この時必要なら得られたものに加工を加えることもある。また、自身の情報に基いて計算できるなら、それを呼び出し元へ返す。
【0049】
自分自身の情報から計算できるノードは以下の2種類のノードである。
▲1▼居室(室内ゾーン):在室人数、室内歩行距離(最大値)、室内歩行速度、避難開始時間から計算できる。
【0050】
▲2▼ネック:計算済みの滞留計算結果データに含まれる流出速度関数から直接計算できる。
【0051】
したがって、これらのノードでは、それ以上上流への探査は行われない。これ以外のノードでは、その上流ノードから流出速度(下流から見れば流入速度)を得ることになる。
【0052】
図8、9および10の処理内容の詳細をノードの種類ごとに整理して表3に示す。なお、表3の中で「滞留計算が行われていない」と書かれている部分があるが、これまで示したフローの中から呼び出される限り未計算ということはない。
【0053】
【表3】
【0054】
指針による避難計算では、居室からの流出の計算は、表3に示した方法により行なうが、合理的な根拠があり、有限時間の変域を持つ階段関数として表現可能である限り、他の計算方法を採用しても、避難計算は支障なく行うことが可能である。居室からの人の流出は、避難経路に沿って順次出口となる避難先へ伝播していく源流となるものである。この流れは、途中のネックで合流したり分岐したりしながら、避難経路上を伝播する。模式図は、この源流からの人の流れを表現したものである。
【0055】
各ネックでの避難終了時刻(ネックからその先に流出し終わる時刻)は、流出速度関数の関数値が0となる最後の時刻である。流入や到着は、合流する避難経路の歩行速度や歩行距離などによって、途中で途切れることもあり、その結果流出も途中で途切れて0となる時間帯が存在し得る。従って、避難終了時刻を知るためには、流出速度が最後に0となる時刻を探す。流出速度関数は、時刻と流れ(人/秒)の配列として表現されているので、その末尾の時刻を取得すれば、それが該当するネックでの避難終了時刻である。
【0056】
階避難では、「階段への避難(流入)完了」、または「階段附室への避難(流入)完了」を以って避難の終了とするため、先ずは、この条件に該当するネックノード(仮に「ゴール」とよぶ)を探す必要がある。これを検索する手順は、概ね次のとおりである。
【0057】
▲1▼出口(階の避難先)の上流ネック(階段入り口扉、地上への出口扉)が、附室からのものでないなら、それをゴールとする。
▲2▼上記のネックが附室からのものなら、更に上流を探しこのネックに隣接したネックを探す。(附室内に合流がある場合複数見つかる。)
図14(a)に例示した模式図では、「扉R1」と「扉R2」の二つの附室への入り口扉が、階避難のゴールに該当し、ここでの流出終了時刻(附室への流入完了時刻)が、この階の階避難終了時刻である。
【0058】
階避難時間は、出火から避難終了までの時間であるため、値として避難終了時刻そのものになる。(時刻は出火時点を0としたものである)なお、図14(a)に例示した模式図の様に、複数の該当ネックがある場合は、それぞれの避難終了時間を評価しなければならない。
【0059】
廊下避難時間という概念は、階の外まで(直通階段、階段附室または地上)避難する途中の通路で、煙に曝される危険性が無いかを評価するための時間である。それぞれの避難者が、仮に居室の外までは避難できても、途中の通路で煙に曝される可能性があるのである。
【0060】
廊下避難時間を求めるためには、階避難のゴールからその上流へ廊下を遡って、通路最上流のネックを検索する必要がある。具体的には、それぞれのゴールを基点にして、居室からのネックが見つかるまで、模式図を上流へ遡り、居室からのネックの手前のネックを探すことである。
【0061】
廊下避難時間は、次の計算式で算定される時間間隔である。
Max(ゴールでの避難終了時刻 ― 通路最上流のネックでの流入開始時刻)
因みに、ここで言う流入開始時刻は、ネックの流入合成関数の最初の時刻である。なお、ゴールの上流に避難経路の合流がある場合、それらを全て検索する必要があるので、上記の式では、複数の通路最上流ネックが見つかる可能性を考慮して、見つかったネックについてのMax値を採用する。
【0062】
居室避難では、「出火室の外への避難完了」を以って、居室避難の終了とするので、模式図の末端にあるネックノードを検索すれば良い。(このノードは居室避難における避難先ノードでもある。)居室避難時間は、これらネックのうち最後の避難終了時刻とすれば良い。因みに、居室避難では、廊下避難時間という概念は無いのでこれを計算する必要はない。
【0063】
指針により定められた許容避難時間の算定方法は、次の表4に示す通りである。
【0064】
【表4】
【0065】
ネックの滞留計算を行なうと、そこでの最大滞留人数が得られるが、この人数を収容するための十分な面積が、そのネックを有す室(室内ネックの場合はその部分の領域)に確保されていることを確認しなければならない。なお、必要滞留面積の計算は、次の計算式で計算される値である。
【0066】
必要滞留面積(m2)=最大滞留人数(人) × 1人当たり必要滞留面積(m2/人)
上記の1人当たり必要滞留面積は、指針では次のとおり定められる値が使われる。廊下などの第一次安全区画における1人当たり必要滞留面積は、0.3(m2/人)であり、附室やバルコニーなどの第二次安全区画における1人当たり必要滞留面積は0.2(m2/人)である。
【0067】
滞留面積の評価は、この必要滞留面積と、ネックに設定された設計面積を、比較して次の条件が成立するか否か判定する。
設計面積 ≧ 必要滞留面積
なお、設計面積が設定されていない(0m2)ネックについては、この評価は行なわない。ただし、避難のゴールとなるネックは、これに拘わらず、無条件に滞留面積の評価を行なう。
【0068】
因みに、この評価でNGとなるという事の意味は、そのネックの前に避難者が溢れて、上流からの避難者の流入に支障を来すという事である。滞留計算を行う過程では、これを一応無視して(面積が充分大きいと仮定することと同等)、上流からの流入をそのまま採用し、一通り最後まで計算が行われる。全ての計算が終了した後、各ネックの滞留計算結果を参照して、そこから最大滞留人数を取得し上記の判定を行なっている。
【0069】
したがって、滞留面積評価でNGとなる様な事態が、どれかのネックで生じている事は、建築設計上の問題も孕むと同時に、避難計算で得られた通りの流れで、避難が行なえることを保証できないという事でもある。逆に言えば、このような箇所が無くなるように、各設計値を決めるということが避難計算を行う目的である。
【0070】
指針による階避難計算においては、最初に出火室とそれ以外の居室での避難開始時間を算定しておく必要がある。(S32でこれを行なっている。)
居室避難計算については、避難開始から避難終了までの時間を問題とするためこれは不要である。
出火室となる居室とその室を通り避難する室(居室内居室)の避難開始時間は、同じ値を採用することになっており、且つ、その計算には、出火室とその居室内居室の総床面積を求める必要がある。
【0071】
出火室の居室内居室となる部分を検索するためには、出火室からの出口扉に合流する避難経路を上流に辿り、居室ノードを見つける必要がある。(模式図画面上では、出火室の居室内居室には左上隅に黄色の△マークが表示される。)図14(b)の場合、出火室とその居室内居室の総床面積は、次のように計算される。
総床面積(m2)=80m2(居室A)+170m2(居室B)=250m2
なお、模式図において、避難先に至る避難経路上に出火室が存在しないような場合があるが、この場合は前述のような方法を用いることはできないので、避難先ノードには、出火室の面積を直接設定することが可能にしてある。
【0072】
模式図中にこの様な避難経路が存在するというのは、階避難計算では、出火室からの避難経路と全く繋がりの無い居室からの避難経路も、同時に評価の対象とせねばならないからである。
避難計算内で行なわれるネックの滞留計算の結果には、次の表6に示す内容が含まれている。
【0073】
【表6】
【0074】
当該ネックに対する避難計算グラフは、上記の計算結果から簡単に表示することが出来る。すなわち、それぞれの速度関数を積分すれば、対応する累計人数の時系列グラフ(単純増加の折れ線グラフ)が得られ、流入合成と流出の累計人数時系列グラフの差が最大になるところを調べれば、最大滞留人数を得ることが出来る。
【0075】
なお、この計算結果は、各々のネックの情報として、その滞留計算終了時に格納される。したがって、全体の計算を終了した時点で、任意のネックの滞留計算結果を参照することができ、各々のネックでの避難計算グラフを表示して確認する事が可能である。
【0076】
図12は、速度関数およびその合成を示す説明図である。流入、到着および流出の3つの速度関数は、「時刻を変数とする単位時間当たりの流れ(通過人数)(人/秒)の階段関数」として表現するものとする。このようにしておけば、流入と到着の合成は単純に区間値の足し算になる。また、指針の避難計算では、それぞれデジタルに流れの速度が変化することになっているので、累計人数によるよりも、速度による流れの表現が自然でもある。
【0077】
各々の流れは、有限の時間の内で起こるため、開始時刻より以前のデータ(流れ0)を持つ必要が無い故、正の値で始まり0で終わる階段関数を用いる。また、流れの逆流は無いものとして扱うので、関数の値は常に0以上であるとする。
【0078】
流入速度関数は前述した速度関数であるが、避難計算や表示処理の便宜のため、前述の関数に次の情報を付加したものである。
▲1▼流入元になるノードへの参照:流入元の名称を表示する、対応するノードを参照するなどの目的に使用する。
▲2▼ネックに至る歩行時間:この時間分をシフトするとネックへの到着速度関数が得られる。これにより個々の流入について、それに対応した到着速度関数を別に持つ必要がない。
【0079】
図15は、本発明のシステムによる評価結果(避難時間と必要滞留面積の評価)の出力表示例を示す説明図である。模式図から計算された居室避難および階避難の評価結果は、表形式で避難先ごとに表示される。(図15は、階避難の例で、階段Aと階段Bが避難先になっている)。図15の表内に表示された「避難時間」と「最大滞留人数」は、図16および図17に例示した避難計算グラフから求められる値である。また、避難時間の判定基準となる許容避難時間は、階避難の場合は、当該階の総床面積から指針に示される算定式で計算された値である。一方、居室避難の場合は、居室内居室を含む居室の面積を使用して同様に計算される値である。(表4を参照)
【0080】
図16は、評価の根拠となる避難計算グラフの表示例(1)を示す説明図である。これは階段Aの前室である附室Aへの入り口扉(扉R1)についての避難計算グラフである。図では、当該ネック扉R1のネック通過能力(単位時間当たりの通過可能人数)が充分大く、ネックへ到着した避難者が、そのまま通過できるため、到着と流出が一致している。また、到着が途中で途切れるので、流出も途中で途切れる結果になっている。
【0081】
ここで模式図を修正して、当該ネック扉R1の幅を1.2mから0.7mに変更して、再度避難計算を行って、避難計算グラフを表示すると、次の図17のような結果が表示される。図17は、この場合の評価の根拠となる避難計算グラフの表示例(2)を示す説明図である。
【0082】
今度は、扉R1のネック通過能力が低下したため、流出が暫く到着に追付けない時間帯が生じている。その結果、流出の途中での途切れは、0.06秒間とほぼ無くなっている。また、最大滞留人数は、15人から17.4人に増加し、その発生時刻も変化した。しかし、最終的には、流出が到着に追付くため、廊下避難時間と階避難時間に変化は無い。
【0083】
実際上は適切を欠くが、更に扉幅を小さくすると、到着に流出が追付くことができず、避難時間が長くなってしまう。このような変化は、居室からの避難者の人数増加や居室出口幅の増加などによっても生じる。
【0084】
次に、ネックの滞留計算についてその詳細を説明する。一つのネック(扉と室内ネック)に注目して見ると、滞留計算を行なうための避難計算グラフ作成の流れは次のようになる。
【0085】
図11は、S62のネック滞留計算処理を示すフローチャートである。S90においては、当該ネックの幅と流動係数からネック通過能力(人/秒)を計算する。S91においては、当該ネックへの全流入を一つに合成した流入速度関数を計算する。S92においては、到着合成を計算する。即ち、(1)当該ネックへの全流入の各々の到着速度関数を計算する。(2)全到着を一つに合成した到着速度関数を計算する。
【0086】
S93においては、求められらた到着合成とネック通過能力から、当該ネックからの流出速度関数を計算する。S94においては、流入合成と流出を比較して最大滞留人数とその発生時刻を計算する。
【0087】
複数の入り口からの流入がある場合は、ネックの滞留計算を行なう前処理として、それらを合成しなければならない。図12(b)は、二つの速度関数の合成関数のイメージを示す説明図である。基本的には、図に示したように区間値の加算合成である。
【0088】
図13は、到達速度関数および累計人数の時系列グラフの導出を示す説明図である。到着速度関数は、入り口からネックまでの歩行距離およびその間の歩行速度を用いて、流入速度関数から生成することができる。(図13(a)を参照)つまり、ネックまでの歩行時間分だけ流入速度関数をシフトしたものが、その流入に対応する到着速度関数である。(流入速度関数には、付加情報としてこの歩行時間を持っている。)
【0089】
流入の合成は、それぞれの入り口からの流入速度関数をそのまま合成すれば良いが、到着の合成については、入り口ごとに流入速度関数に上記の時間(歩行時間)分のシフトを施した結果を合成することが必要である。(これを「到着合成」ともいう)
【0090】
図13(b)は、速度関数からの累計人数グラフの導出を示す説明図である。流入、到着および流出の現在までの累計人数を得るには、それぞれの速度関数を現在時刻まで積分すれば良い。
時間当たりの通過人数を関数値としているので、図に示すように、任意の時刻の累計人数は、高々区間数個の矩形面積を加算することで求めることができる。また、人数は有限であり何れ必ず終了すべきだから、流入、到着および流出の各速度関数は、その末尾の区間での値は0でなければならない。
【0091】
ネックからの流出速度関数は、複数の入り口からの到着を合成した到着速度関数(「到着合成」ともいう)と、当該ネックの単位時間当たり通過可能人数(以下「ネック通過能力」という)から生成することができる。
なお、アルゴリズム構築の基本は、「流出が到着の人数を超えないこと、および、ネック通過能力を超えない最大の速度で流出すること」である。
【0092】
▲1▼流出人数が到着人数を下回っている間は、追付くまでネック通過能力で流出する。
▲2▼流出人数が到着人数に追付いた場合は、次に到着速度が変化するまで現在の到着速度で流出する。従って、この間は流出と到着が一致して推移する。なお、追付いた時刻が到着完了以後であれば、その時点でネックからの流出も終了する。
【0093】
▲3▼到着と流出とが一致した状態で、到着速度の変化時刻に達した場合は、次の到着速度とネック通過能力のうち小さい方の速度で流出する。因みに、最初はこの状態から始まるが、現在時刻は到着開始時刻であり、流出と到着の累計人数は共に0人の状態にある。
【0094】
到着速度がネック通過能力以下の場合は、到着速度が再び変化するまで、到着そのまま流出していくので、滞留が発生することなく、到着と流出が一致した状態を維持したまま推移する。
一方、到着速度がネック通過能力を上回る場合は、ネック通過能力でしか流出できないので、その直後から滞留が発生して、流出が到着に追いついていない状態(前0092項▲1▼)へ遷移する。
なお、到着完了時刻に達したのであれば、前0092項▲2▼と同様に同時にネックからの流出も終了する。
【0095】
以上に述べた流出速度関数の生成過程をアルゴリズム化するために、次のような状態を導入する(表5)。また、状態遷移の制御、および流出速度関数の生成に関わる計算に必要な状態変数を同じ表5に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
図18は、流出速度関数の生成過程内の状態遷移を示す説明図であり、前述した状態と状態変数を用いて、流出速度関数生成過程での状態の遷移条件および遷移を示す。各状態は円と記号で表現し、状態間の遷移は矢印で示している。また、下線付き太字は状態遷移の発火条件を示している。なお、条件が書かれていないものは、残りの条件もしくは無条件の遷移である。
状態遷移に伴う状態変数の変化は、←記号を使用して、左辺に状態変数、右辺に新しい値を示すことで表現している。また、記号T*は、流出人数が到着人数に追付く時刻を表している。
【0098】
流出速度関数への出力は、前項の状態遷移図上で、次に示す流出速度更新ステートメントのタイミングで行なう。(時刻はその時点のT値である。)
V ← X
すなわち、次の4つのタイミングで流出速度関数へ流出速度を出力する。
【0099】
▲1▼状態ON1で自己遷移するとき V ← Va(I)
▲2▼状態ON1から状態UDへ遷移するとき V ← Vo
▲3▼状態ON2から状態ON1へ遷移するとき V ← Va(I)
▲4▼状態Eへ遷移するとき V ← 0 (流出終了なので速度は0となる)。
【0100】
上記の内で、▲3▼のケースでは、ちょうど到着速度が変化する時刻に流出が追いついた場合には注意が必要である。その場合は▲3▼の状態ON2から状態ON1に遷移するとき、流出速度関数へ流出速度を出力する必要が無い。つまり、出力してもその速度が維持される時間は0秒である。
また、このような状況を考慮すると、▲2▼の状態ON1から状態UDへ遷移するときも、直前の流出速度と同じになる場合、つまり、ネック通過能力と同じ値なら、流出速度関数へ新たに流出速度を出力する必要は無い。
【0101】
最大滞留人数とは、当該ネックを有する室に流入して、未だネックから流出していない人数の最大値である。したがって、流入速度関数から得られる流入人数累計と、流出速度関数から得られる流出人数累計の間の各時刻での差の最大値を求めればよい。また、そのときの時刻が求めるべきその最大滞留発生時刻である。
【0102】
先ず、特別なケースとして、流出が開始される時刻が、全避難者が流入を完了した以後である場合、最大滞留人数は流入の合計人数であり、その時刻は流入完了の時刻である。これ以外の場合は、流入と流出に時間的重なりがあるので、その間での差を考慮する必要がある。
【0103】
指針に従う計算では、流入も流出も速度がデジタル的に変化するため、上記の図のように、避難計算グラフ上で累計人数が双方とも折れ線になるので、この二つの累計人数の差を調べるには、何れか一方の速度が変化する時刻で行なえば良い。このようにして求めた差の最大値が、最大滞留人数で、そのときの時刻が最大滞留の発生時刻である。
【0104】
調べるべき時刻は、両端を含め流出開始から流入終了までの間で速度が変化する時刻である。つまり、流入完了後は、流出と流入の差は、小さくなることがあっても大きくなることはない。また、流入開始から到着開始までは、逆に、差が大きくなることはあっても小さくなることはない。
【0105】
図19は、最大滞留人数の計算を行なうべき時刻の範囲を示す説明図である。塗りつぶした範囲が計算すべき範囲であるが、実際は、矢印で示した速度変化の時刻で、流入と流出の累計人数の差を計算すれば良い。従って、最大滞留の発生時刻もこれらの速度変化時刻の何れかである。(速度関数の各時刻にもなる。)図19の場合は、時刻t1〜t7の間の7箇所で流入と流出の差を測定することになる。因みに、この場合は時刻t7で最大滞留が発生している。なお、前述の様に、流入と流出とが重なる時間帯がない場合は、最大滞留時刻は流入終了時刻であり、最大滞留人数は避難者累計人数に等しくなる。
【0106】
居室は避難者が常時存在する場所では、その室内に均一に人が分散して存在するものと考えて避難計算を行なう。従って、出口扉の付近に避難者が常に存在するものとして扱うことになる。すなわち、避難開始と同時に到着と流出が始まることになる。
ただし、避難開始と同時に在室者全員が出口付近に到着するというのではなく、最も遠い避難者が出口に到着するまでの間、一定の時間当たり人数で到着するものとする。
【0107】
また、避難開始と同時に出口からの流出も始まるので、計算上の流入と到着は同じになる。これは即ち、これまで述べた意味で言えば、流入口とネック(流出口)との距離が0と見なすということである。
【0108】
図20は、居室の到着(流入)速度関数のイメージを示す説明図である。前述したように、居室出口からの流出は、上記のように計算された到着速度関数と、居室出口の単位時間当たり通過可能人数(ネック通過能力)から計算することになる。指針による計算では、その出口から最遠の避難者が出口に到着するまでの間、その出口へ避難する領域の避難者が一様にその出口に到着するものとして扱うが、根拠があればそれ以外の速度関数を使用することは可能である。つまり、有限時間帯の階段関数になる限り計算は正常に行なうことが可能である。
【0109】
他の室からの避難者が当該室を経由して避難することがない場合の避難計算グラフを検討してみると以下のようになる。
先ず、居室出口のネック通過能力が、室内からの到着速度を下回る場合は、流出の速度はネック通過能力に制約され、室内に滞留が発生することになる。図21は、ネック通過能力が到着速度を下回る場合の避難計算グラフを示す説明図である。この場合の流出終了時刻は、室内歩行時間によらず、出口(ネック)通過時間に制約されて定まる。
流出終了時刻 = 避難開始時間 + 出口通過時間
【0110】
一方、居室出口のネック通過能力が、室内からの到着速度を上回る場合は、室内に滞留が発生せず到着そのまま流出する。図22は、ネック通過能力が到着速度を上回る場合の避難計算グラフを示す説明図である。この場合の流出終了時刻は、出口通過時間にはよらず、最遠の避難者の歩行時間に制約されて定まる。
流出終了時刻 = 避難開始時間 + 最遠の避難者の歩行時間
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、建築物内の避難経路を示す模式図(居室、歩行経路、ネック(出口扉、室内ネック)および出口を順次接続したもの)を入力する手段と、入力された模式図に基づき、少なくとも避難時間と最大滞留人数を算出する避難シミュレーション手段と、避難シミュレーションの結果を出力する出力手段とを備えているので、使用者が対象とする場所の模式図を作成して、各ノードのパラメータを入力および変更することにより、システムが自動的に指針に沿った避難のシミュレーションを行い、評価結果を出力することができ、熟練者でなくとも容易に避難時間と通路(ネックを有す室)の必要滞留面積のシミュレーションを行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの処理の概要を示すフローチャートである。
【図2】本発明のシステムのプログラムを実行するパソコン30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1のS10の模式図入力処理を示すフローチャートである。
【図4】S11の避難計算処理を示すフローチャートである。
【図5】S38のカレントノード避難計算処理を示すフローチャート(1)である。
【図6】S38のカレントノード避難計算処理を示すフローチャート(2)である。
【図7】S49のネックの滞留計算処理を示すフローチャートである。
【図8】S61の流出速度の計算処理を示すフローチャート(1)である。
【図9】S61の流出速度の計算処理を示すフローチャート(2)である。
【図10】S61の流出速度の計算処理を示すフローチャート(3)である。
【図11】S62のネック滞留計算処理を示すフローチャートである。
【図12】速度関数およびその合成を示す説明図である。
【図13】到着速度関数および累計人数グラフの導出を示す説明図である。
【図14】3つの居室(居室A,BおよびC)から二つの階段(階段AおよびB)までの避難経路、および出火室に居室内居室を含む場合の避難経路を示した模式図の例を示す説明図である。
【図15】本発明のシステムによる評価結果の出力表示例を示す説明図である。
【図16】評価の根拠となる避難計算グラフの表示例(1)を示す説明図である。
【図17】評価の根拠となる避難計算グラフの表示例(2)を示す説明図である。
【図18】流出速度関数の生成過程の状態遷移を示す説明図である。
【図19】最大滞留人数の計算を行なうべき時刻の範囲を示す説明図である。
【図20】居室出口への到着(流入)速度関数のイメージを示す説明図である。
【図21】居室出口の通過能力が到着速度を下回る場合の各速度関数と居室出口での避難計算グラフを示す説明図である。
【図22】居室出口の通過能力が到着速度を上回る場合の各速度関数と居室出口での避難計算グラフを示す説明図である。
【符号の説明】
30…パソコン、41…ディスプレイ、42…キーボード、43…マウス、44…プリンタ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an evacuation simulation system, and more particularly to an evacuation simulation system that can automatically simulate an evacuation time and a staying area by inputting a schematic diagram.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when building confirmation of buildings, etc., it may be required to submit materials (disaster prevention plan) indicating that the evacuation time is within the allowable time and that the evacuation route has sufficient accommodation area, and the architectural design Based on the guidelines, vendors created and submitted data manually.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional method, there is a problem that an expert who is familiar with the guidelines is required, and the work for obtaining the evacuation time is complicated.
The present invention solves the problems of the prior art as described above, and even if it is not a skilled person, it is possible to automatically simulate the evacuation time and the necessary staying area according to the guidelines only by inputting a schematic diagram. The purpose is to provide an evacuation simulation system.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The evacuation simulation system of the present invention includes means for inputting a schematic diagram showing an evacuation route of a target location, means for performing an evacuation simulation based on the input schematic diagram, and calculating at least an evacuation time and a maximum staying number of people, And an output means for outputting a result of the evacuation simulation.
[0005]
According to the present invention, a schematic diagram of a place where a user performs an evacuation simulation is created, and parameters are input or changed, so that the system automatically performs an evacuation simulation according to a guideline and outputs an evaluation result. can do.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 2 is a block diagram showing a hardware configuration of the personal computer 30 that executes the system program of the present invention. The CPU 31 of the personal computer executes a program of the present invention described later stored in the
[0007]
FIG. 1 is a flowchart showing an outline of the processing of the system of the present invention. In S10, a schematic diagram showing the evacuation route of a room or floor is input or read from an external file, and necessary edits are performed. In S11, evacuation calculation is performed using the information in the schematic diagram. In S12, referring to the result of the evacuation calculation, an evacuation evaluation table and an evacuation calculation graph are displayed and printed.
[0008]
FIG. 3 is a flowchart showing a schematic diagram input process of S10 of FIG. In S20, a node such as a living room is arranged on the screen based on a user's operation, or existing data is read from a file. In S21, attributes such as calculation parameters of each node are input or edited / updated. In S22, the connection relationship between the nodes is set or changed.
[0009]
In order to perform evacuation calculation, it is first necessary to create a schematic diagram showing an evacuation route from an evacuee's room location to an evacuation destination (direct stairs or the ground). FIG. 14A is an explanatory diagram showing an example of a schematic diagram showing an evacuation route from three rooms (rooms A, B and C) to two stairs (stairs A and B).
[0010]
This schematic diagram is equivalent to the figure that has been used as the basis for calculating and evaluating the evacuation time and the required residence area of the evacuation passage in the evacuation plan that should be described as part of the disaster prevention plan. .
Elements included in the schematic diagram used for the evacuation calculation (hereinafter referred to as “schematic diagram node” or simply “node”) include those shown in Table 1 below.
[0011]
[Table 1]
[0012]
In order to make an evacuation route for evacuation calculation, these nodes need to be linked to each other. Incidentally, on the schematic diagram, this connection relationship is expressed as a line segment (a broken line) connecting the nodes.
Evacuation calculations (room evacuation calculation and floor evacuation calculation) using the evacuation calculation graph shown in the “New Building Disaster Prevention Planning Guidelines” (hereinafter also referred to simply as “Guidelines”) using these schematic diagram nodes and their connection relation information. It can be carried out.
[0013]
In addition, the floor evacuation calculation calculates the “allowable evacuation time”, which is a criterion for determining whether or not the evacuation time (floor evacuation time and corridor evacuation time) is acceptable, so it is necessary to input the total floor area of the target floor .
In one room evacuation calculation, the total floor area of the room required for calculating the allowable evacuation time can be obtained by adding up the areas of the room nodes included in the schematic diagram, so there is no need to input this separately.
[0014]
In the program, in addition to the information required for the evacuation calculation shown in Table 1, each node has its XY coordinates (XY coordinates in the upper left corner) as information for placing and displaying the schematic diagram on the screen. Has vertical and horizontal sizes. The unit of coordinates and size is in units of mesh. Also, in relation to the printing of the schematic diagram, it has a two-dimensional ID of the page, and the page to which the node belongs can be identified. The arrangement position coordinates of the node described above are the coordinates in the page to which the node belongs.
[0015]
Since the connection relationship between the nodes scans the schematic diagram in the process of evacuation calculation, both upstream and downstream connection information is held in each node. Table 2 shows downstream and upstream connection information for each node type (here, downstream is the direction in which the evacuees flow, and upstream is the opposite direction).
[0016]
[Table 2]
[0017]
In Table 2, “reference to” means “reference to one node”, and “reference list to” refers to “reference to two or more nodes”. I mean.
Incidentally, the “room (indoor zone)” is a place where the evacuees are present and is the most upstream node on the evacuation route, and therefore does not have connection information to the upstream. Conversely, since the “evacuation destination” is the most downstream node on the evacuation route, it does not have connection information to the downstream side.
[0018]
“Merging” has a list of references to multiple evacuation routes (rooms or walking routes) from the upstream that merge to the neck, and “Branch” is a plurality of downstream walking that branches from the neck. Has a list of references to the route.
[0019]
Regarding “room (indoor zone)”, it must be considered that there may be a room to be evacuated through another room (called “room in the room”) as shown in FIG. 14B. . In this case, since merging occurs indoors in evacuation to the exit of the outside living room, the node connected downstream of the living room node may be not only the exit door serving as a neck but also a merging node.
[0020]
“Merging” means “a plurality of evacuation routes merge to the neck”, and there are a plurality of upstream nodes to be connected to this. Therefore, a reference to the upstream node to be connected must be held in the form of an array or a list. Conversely, since what is to be connected downstream is one neck that becomes the destination of the merge, only one reference to the downstream needs to be maintained.
[0021]
“Branch” means “branch from a neck to a plurality of evacuation routes downstream”, and there are a plurality of downstream nodes to be connected to this. Therefore, the reference to the downstream node to be connected must be held in the form of an array or a list.
[0022]
Conversely, since what is to be connected upstream is one neck that becomes a branching source, only one reference to the upstream needs to be maintained. Another difference from the merge is that in the case of branching, a branching ratio to each branch destination is required. For convenience of obtaining the ratio to a specific branch destination, it is preferable to store the reference and branch ratio in pairs in an array or list.
[0023]
In addition, it is possible to use the number of people to branch instead of the branching ratio. However, when the upstream evacuation number or connection changes occur, it is almost impossible to automatically maintain the downstream branching number accordingly. Because it is impossible, it is more reasonable to have a ratio to branching. However, for the sake of easy understanding, the number of branches is calculated and displayed from the total number of evacuees from the upstream and the ratio for each branch destination.
[0024]
The evacuation calculation starts with the schematic diagram node that is the evacuation destination, and the upstream node is requested to calculate the inflow of the refugee from the upstream by tracing the connection between the nodes upstream, and then the downstream node It is executed by recursively doing the return as an outflow to.
[0025]
There are generally a plurality of nodes as evacuation destinations. For example, in the case of floor evacuation calculation, there may be a plurality of direct stairs and exits to the ground as evacuation destinations (usually because it is necessary to secure two-way evacuation in the passage). For each of these evacuation destination nodes, all calculations can be performed by performing the above restart process.
[0026]
FIG. 4 is a flowchart showing the evacuation calculation process of S11. In S30, preparation for evacuation calculation is made, such as setting a node to be the final goal (evacuation destination) of evacuation and clearing the old calculation result. In S31, it is determined whether or not the floor is evacuated. If the result is affirmative, the process proceeds to S32. In S32, the evacuation start time in the fire room and other rooms is calculated, and the time is set for all room nodes included in the schematic diagram.
[0027]
In S33, an uncalculated evacuation destination node is selected and set as the evacuation destination. In S34, referring to the schematic diagram, the stay calculation at each neck is performed while following the route to the evacuation destination upstream. In S38, the evacuation destination is set as the current node, and the calculation process is called. In S36, the calculated flag is set to ON. In S37, it is determined whether or not all the processes have been completed. If negative, the process returns to S33 and the process is repeated.
[0028]
In the nodes other than the neck, the calculation is requested to the node immediately above, and when the calculation is completed, only the calculated flag is turned ON. Therefore, it can be said that the essential part in the evacuation calculation is the part of the stay calculation in the “neck”.
[0029]
The stay calculation at the neck is to perform the following processing.
(1) Acquire time-series data of the inflow of evacuees from the upstream to the relevant neck (actually, the inflow into the room with the neck as the exit)
(2) Calculate time-series data of arrival of evacuees at the neck
(3) Calculate time series data of evacuees outflow from the relevant neck
“Residence” here means the difference between (1) inflow and (3) outflow, and the product of the maximum value and the necessary retention area per person is the necessary retention area at the neck. In addition, (3) the outflow is an inflow from the neck to the downstream. Any calculation result is stored in the neck, and this result is referred to as necessary when the evacuation calculation is evaluated later or the evacuation calculation graph is displayed.
[0030]
In addition, since the same node may be referred to many times in the calculation process because it includes branching and merging, since it is inefficient if simply done, each node has a flag indicating whether it has been calculated, Once it is calculated, the flag is turned on so that the node is not calculated more than once. In this way, once calculated, the schematic diagram is not unnecessarily traced upstream.
[0031]
As shown in the flowcharts of FIGS. 5 and 6, the evacuation calculation is performed such that the given schematic diagram is sequentially traced upstream, with the evacuation destination node as the goal as a base point. Incidentally, the calculation itself is performed from upstream to downstream.
[0032]
5 and 6 are flowcharts (1) and (2) showing the current node evacuation calculation process of S38. In S40, it is determined whether or not the calculation has been completed. If it has not been calculated, the process proceeds to S41. In S41, it is determined whether it is an evacuation destination / walking route or a branch, and if affirmative, the process proceeds to S42.
[0033]
In S42, the evacuation calculation of the upstream node of the current node is called (the upstream node temporarily becomes current by the recursive call). In S43, it is determined whether or not they are merged. If the result is affirmative, the process proceeds to S44. In S44, nodes are sequentially selected from the upstream node list. In S45, the evacuation calculation of the selected node is called (upstream node temporarily becomes current). In S46, it is determined whether or not all the processes have been completed, and in the case of negative, the process returns to S44.
[0034]
In S47, it is determined whether or not it is a neck. In S48, the evacuation calculation of the upstream node of the neck is called (the upstream node temporarily becomes current). In S49, the inflow from the upstream is acquired, and the stay calculation at this neck is performed. In S50, the calculated flag is set to ON, and the process returns to the caller (downstream node) evacuation calculation.
[0035]
The portion written as “upstream node evacuation calculation” in the flowcharts of FIGS. 5 and 6 means a recursive call of the process having the same contents although the process target node changes. (In actual programming, it is a method call defined for each node type.) Therefore, when returning from the call, all calculations for the upstream node are completed.
[0036]
Here, how the schematic diagram is traced according to the flowcharts of FIGS. 5 and 6 will be described with reference to the schematic diagram illustrated in FIG. First, there are two schematic diagram nodes as evacuation destinations, “Stair A” and “Stair B”. For example, when the schematic diagram is followed in this order, scanning from “Stair A” Stairs A → Door KA → Walking route (4m) → Door R1 → Walking route (12m) → Door A → Living room A → Walking route (9m) → Door B → Living room B On the other hand, scanning from "Stair B" is performed in the order of Stair B → Door KB → Walking route (4m) → Door R2 → Walking route (7m) → Door B → Walking route (6m) → Door C → Living room C It is.
[0037]
As mentioned above, there is almost nothing to pay attention to at nodes other than the neck, and only the schematic diagram is traced upstream, but when the neck is reached, the inflow from the upstream is acquired and the inflow is obtained. Based on the above, the stay at the neck must be calculated.
[0038]
FIG. 7 is a flowchart showing the neck retention calculation process in S49. In S60, the upstream node outflow speed calculation (S61) is called to obtain the inflow from the upstream evacuation route to the neck. In S61, the outflow speed from the designated node to the downstream is calculated (an array of inflow speed functions is obtained). There are three types of nodes that are directly upstream of the neck: a living room, a walking path, and a merge, and here, the nodes are obtained directly from any one of these nodes. But through it, indirectly more upstream necks and branches are also involved.
[0039]
In S62, the residence calculation is performed based on the obtained inflow rate function (usually plural) and the passing ability (person / second) of the neck, and the outflow rate function from the neck and the maximum staying number of people at the neck are obtained. . In S63, the result of the stay calculation is stored in the result storage variable at the neck.
[0040]
8, 9, and 10 are flowcharts (1), (2), and (3) showing the calculation process of the outflow speed of S61. In S70, it is determined whether or not it is a living room. If it is a living room, the process proceeds to S71. In S71, the following pulse function is generated as an outflow (inflow) velocity function.
Section: Evacuation start time-Evacuation start time + l / v (seconds), Speed: N * v / l (person / second)
N: number of people in the room, l: walking distance, v: walking speed.
Then, the generated function is stored in the result array. However, if N = 0 or v = 0, it is assumed that there is no outflow, and Null (zero) is stored in the result array.
[0041]
In S72, it is determined whether or not it is a neck, and if it is a neck, the process proceeds to S73. In S73, the outflow rate function of this neck is acquired from the calculated stay calculation result, converted into the inflow rate function, and stored in the result array. However, if there is no outflow, Null is stored in the result array.
[0042]
In S74, it is determined whether or not it is a merge, and in the case of a merge, the process proceeds to S75. In S75, one node is sequentially selected from the upstream node list. In S76, the flow rate calculation of the selected node is called. In S77, the obtained inflow velocity function is additionally stored in the result array. In S78, it is determined whether or not all the processes have been completed. If negative, the process returns to S75.
[0043]
In S79, it is determined whether or not the route is a walking route. If the route is a walking route, the process proceeds to S80. In S80, it is determined whether the upstream is a walking route or a neck, and if the result is affirmative, the flow proceeds to S81. In S81, upstream node outflow rate calculation is called. In S82, the branch node outflow speed calculation is called to obtain the branch inflow to the walking route.
[0044]
In S83, the required walking time of itself is added to the walking time of the obtained inflow velocity function. (Add delay for the required walking time)
In S84, the obtained inflow velocity function is stored in the result array. However, if there is no outflow, Null is stored in the result array.
[0045]
In S85, the flow rate calculation of the upstream neck as the branch source is called to obtain the total flow rate (inflow) velocity function before branching. This is reached when the processing target is a branch node, and the downstream node of the caller is a trap of the walking route. In S86, an inflow velocity function to the caller walking route is calculated. That is, (1) The branching ratio to the caller walking route is acquired from the branch list. (2) Generate an inflow velocity function that scales the outflow (inflow) velocity function from the neck by the branching ratio. In S87, the obtained inflow velocity function is stored in the result array. However, if there is no outflow, Null is stored in the result array.
[0046]
As shown in the above flow, when the upstream of the neck is a merging node, there are inflows from a plurality of routes, and therefore it is generally necessary to calculate the stay of the neck in consideration of the plurality of inflows.
[0047]
As pre-processing for calculating the stay of the neck, first, in order to obtain the inflow from the upstream of the neck, it is necessary to calculate the outflow speed (the human flow downstream) from the upstream node of the neck. In practice, it asks the immediate upstream node of the neck to ask for it, and the returned one is the inflow to itself.
Since the calculation of the upstream node is called immediately before this, all the calculations are completed in the upstream node, so that the preparation for obtaining the inflow from the upstream to the neck is ready.
[0048]
The basic idea here is that when the requested upstream node cannot be determined by itself, it further requests the upstream node and returns the returned result downstream. At this time, processing may be added to the obtained one if necessary. If it can be calculated based on its own information, it returns it to the caller.
[0049]
There are the following two types of nodes that can be calculated from own information.
(1) Living room (indoor zone): Calculated from the number of people in the room, indoor walking distance (maximum value), indoor walking speed, and evacuation start time.
[0050]
(2) Neck: Can be calculated directly from the outflow rate function included in the already calculated residence calculation result data.
[0051]
Therefore, no further exploration is performed at these nodes. In other nodes, the outflow speed (inflow speed as viewed from the downstream) is obtained from the upstream node.
[0052]
Details of the processing contents of FIGS. 8, 9 and 10 are shown in Table 3 organized by node type. Although there is a portion in Table 3 that “Stillness calculation is not performed”, it is not uncalculated as long as it is called from the flow shown so far.
[0053]
[Table 3]
[0054]
In the evacuation calculation based on the guideline, the outflow from the room is calculated by the method shown in Table 3. However, as long as there is a rational basis and it can be expressed as a step function with a finite time range, other calculations Even if the method is adopted, evacuation calculation can be performed without any problem. The outflow of people from the living room is a source that propagates along the evacuation route to the evacuation destination that is the exit. This flow propagates on the evacuation route while merging or branching at a neck in the middle. The schematic diagram represents the flow of people from this source.
[0055]
The evacuation end time at each neck (the time when the spill ends after the neck) is the last time when the function value of the spill speed function becomes zero. The inflow and arrival may be interrupted on the way depending on the walking speed and walking distance of the evacuation route to be joined, and as a result, there may be a time zone in which the outflow is interrupted and becomes zero. Therefore, in order to know the evacuation end time, the time when the outflow speed finally becomes 0 is searched. Since the outflow speed function is expressed as an array of time and flow (person / second), if the end time is obtained, it is the evacuation end time at the corresponding neck.
[0056]
In the floor evacuation, the evacuation ends with "Evacuation (inflow) completion to the stairs" or "Evacuation (inflow) completion to the stairs room". First, the neck node ( It is necessary to search for “goal”. The procedure for searching for this is as follows.
[0057]
(1) If the upstream neck (stairs entrance door, exit door to the ground) of the exit (evacuation destination on the floor) is not from the attached room, that is the goal.
(2) If the above neck is from the attached room, look further upstream to find the neck adjacent to this neck. (If there is a merge in the attached room, you will find several.)
In the schematic diagram illustrated in FIG. 14 (a), the entrance doors to the two annex rooms “door R1” and “door R2” correspond to the goal of floor evacuation, and the outflow end time here (to the annex room) Is the floor evacuation end time of this floor.
[0058]
Since the floor evacuation time is the time from the start of fire to the end of evacuation, the value is the evacuation end time itself. (The time is set to 0 when the fire breaks out.) As shown in the schematic diagram illustrated in FIG. 14A, when there are a plurality of relevant necks, the evacuation end time must be evaluated.
[0059]
The concept of corridor evacuation time is a time for evaluating whether there is no danger of being exposed to smoke in a passage on the way to the outside of the floor (direct staircase, staircase attached room or ground). Even if each evacuee can evacuate to the outside of the room, they may be exposed to smoke in the way.
[0060]
In order to obtain the corridor evacuation time, it is necessary to go up the corridor upstream from the goal of the floor evacuation and search for the neck at the top of the corridor. Specifically, using each goal as a starting point, until the neck from the living room is found, go up the schematic diagram and search for the neck before the neck from the living room.
[0061]
Corridor evacuation time is a time interval calculated by the following formula.
Max (evacuation end time at the goal-inflow start time at the neck of the uppermost passage)
Incidentally, the inflow start time mentioned here is the first time of the neck inflow synthesis function. If there is a merge of evacuation routes upstream of the goal, it is necessary to search all of them, so the above formula considers the possibility that multiple uppermost flow path necks will be found, and Max for the found necks. Adopt value.
[0062]
In the room evacuation, the room evacuation is completed by “completion of evacuation outside the fire room”, and therefore the neck node at the end of the schematic diagram may be searched. (This node is also the evacuation destination node in the room evacuation.) The room evacuation time may be the last evacuation end time of these necks. By the way, there is no concept of corridor evacuation time in evacuation, so there is no need to calculate this.
[0063]
The calculation method of the allowable evacuation time determined by the guidelines is as shown in Table 4 below.
[0064]
[Table 4]
[0065]
When the neck retention calculation is performed, the maximum number of people staying there can be obtained, but a sufficient area to accommodate this number is secured in the room with the neck (in the case of an indoor neck, the area of that part). You must make sure that In addition, calculation of a required residence area is a value calculated with the following formula.
[0066]
Required residence area (m2) = Maximum number of people (persons) × Required residence area per person (m2/Man)
The required residence area per person is determined as follows in the guidelines. The required residence area per person in the primary safety zone such as a corridor is 0.3 (m2Per person) and the required area per person in the secondary safety zone such as an attached room or balcony is 0.2 (m)2/ Person).
[0067]
In the evaluation of the staying area, this required staying area is compared with the design area set in the neck to determine whether or not the following condition is satisfied.
Design area ≥ Required retention area
The design area is not set (0m2) This evaluation is not performed for the neck. However, the neck that becomes the goal of evacuation is unconditionally evaluated for the staying area.
[0068]
By the way, the meaning of being NG in this evaluation is that the evacuees overflow before the bottleneck and hinder the inflow of evacuees from the upstream. In the process of performing the stay calculation, this is ignored for the time being (equivalent to assuming that the area is sufficiently large), the inflow from the upstream is adopted as it is, and the calculation is performed to the end. After all calculations are completed, the result of the stay calculation for each neck is referred to, the maximum staying number is acquired from the result, and the above determination is performed.
[0069]
Therefore, it is possible to evacuate according to the flow obtained by the evacuation calculation at the same time that there is a problem in the architectural design that the situation that becomes NG in the evaluation of the staying area is caused by any of the bottlenecks. It is also not possible to guarantee that. In other words, the purpose of performing the evacuation calculation is to determine each design value so that there is no such part.
[0070]
In the floor evacuation calculation based on the guidelines, it is necessary to first calculate the evacuation start time in the fire room and other rooms. (This is done in S32.)
For room evacuation calculation, this is not necessary because the time from the start of evacuation to the end of evacuation is a problem.
The same value is used for the evacuation start time of the room that becomes the fire room and the room that evacuates through the room (the room in the room). It is necessary to determine the total floor area.
[0071]
In order to search for the part of the fire room that becomes the living room room, it is necessary to follow the evacuation route joining the exit door from the fire room upstream and find the room node. (On the schematic screen, a yellow triangle mark is displayed in the upper left corner of the room in the fire room.) In the case of FIG. 14B, the total floor area of the fire room and the room in the room is It is calculated as follows.
Total floor area (m2) = 80m2(Room A) + 170m2(Room B) = 250m2
In the schematic diagram, there is a case where the fire chamber does not exist on the evacuation route to the evacuation destination. In this case, since the method as described above cannot be used, the evacuation destination node includes the fire chamber. The area can be set directly.
[0072]
The reason why such an evacuation route exists in the schematic diagram is that, in the floor evacuation calculation, an evacuation route from a living room that has no connection with the evacuation route from the fire room must be evaluated at the same time.
The results shown in the following Table 6 are included in the result of the neck retention calculation performed within the evacuation calculation.
[0073]
[Table 6]
[0074]
The evacuation calculation graph for the neck can be easily displayed from the above calculation result. That is, by integrating each speed function, a time series graph of the corresponding cumulative number of people (simple increase line graph) can be obtained, and if the difference between the inflow composition and the cumulative number of people outflow time series graph is examined, The maximum staying number of people can be obtained.
[0075]
This calculation result is stored as information on each neck at the end of the stay calculation. Therefore, when the entire calculation is completed, the residence calculation result of an arbitrary neck can be referred to, and the evacuation calculation graph at each neck can be displayed and confirmed.
[0076]
FIG. 12 is an explanatory diagram showing the speed function and its synthesis. The three velocity functions of inflow, arrival, and outflow are expressed as “step function of flow (number of people passing) (person / second) per unit time with time as a variable”. In this way, the combination of inflow and arrival is simply the addition of interval values. Moreover, in the evacuation calculation of the pointer, since the flow speed is changed digitally, the expression of the flow by the speed is natural rather than by the cumulative number of people.
[0077]
Since each flow occurs within a finite time, it is not necessary to have data before the start time (flow 0), so a step function that starts with a positive value and ends with 0 is used. In addition, since it is assumed that there is no backflow of the flow, the value of the function is always 0 or more.
[0078]
The inflow speed function is the speed function described above, but the following information is added to the above function for convenience of evacuation calculation and display processing.
(1) Reference to a node that becomes an inflow source: Used to display the name of an inflow source or to refer to a corresponding node.
(2) Walking time to reach the neck: Shifting this amount of time gives the arrival speed function at the neck. This eliminates the need for a separate arrival rate function for each inflow.
[0079]
FIG. 15 is an explanatory diagram showing an output display example of evaluation results (evaluation of evacuation time and required staying area) by the system of the present invention. The evaluation results of room evacuation and floor evacuation calculated from the schematic diagram are displayed for each evacuation destination in a table format. (FIG. 15 is an example of floor evacuation, where stairs A and B are evacuation destinations). “Evacuation time” and “maximum staying number of people” displayed in the table of FIG. 15 are values obtained from the evacuation calculation graphs illustrated in FIGS. 16 and 17. In addition, the allowable evacuation time that is a criterion for evacuation time is a value calculated by the calculation formula shown in the guideline from the total floor area of the floor in the case of floor evacuation. On the other hand, in the case of room evacuation, the value is similarly calculated using the area of the room including the room in the room. (See Table 4)
[0080]
FIG. 16 is an explanatory diagram showing a display example (1) of an evacuation calculation graph that is a basis for evaluation. This is an evacuation calculation graph for the entrance door (door R1) to Annex A, which is the front room of Stair A. In the figure, the neck door R1 has a sufficiently large neck passage capacity (the number of people that can pass per unit time), and an evacuee who arrives at the neck can pass through as it is, so arrival and outflow coincide. Moreover, since the arrival is interrupted on the way, the outflow is also interrupted on the way.
[0081]
Here, when the schematic diagram is modified, the width of the neck door R1 is changed from 1.2 m to 0.7 m, the evacuation calculation is performed again, and the evacuation calculation graph is displayed, the result as shown in FIG. Is displayed. FIG. 17 is an explanatory diagram showing a display example (2) of the evacuation calculation graph that is the basis for the evaluation in this case.
[0082]
This time, because the ability of the door R1 to pass through the neck has declined, there is a time period during which spills cannot keep up with arrival. As a result, there was almost no interruption in the middle of the outflow for 0.06 seconds. In addition, the maximum number of people stayed increased from 15 to 17.4, and the time of occurrence also changed. Eventually, however, there will be no change in corridor evacuation time and floor evacuation time because the spill will catch up with arrival.
[0083]
In practice, this is not appropriate, but if the door width is further reduced, it will not be possible to catch a spill on arrival and the evacuation time will be longer. Such a change also occurs due to an increase in the number of evacuees from the room or an increase in the width of the room exit.
[0084]
Next, details of the neck retention calculation will be described. Focusing on one neck (door and room neck), the flow of creating an evacuation calculation graph for performing stay calculation is as follows.
[0085]
FIG. 11 is a flowchart showing the neck stay calculation process in S62. In S90, the neck passage capacity (person / second) is calculated from the neck width and flow coefficient. In S91, an inflow velocity function is calculated by combining all inflows into the neck. In S92, the arrival composition is calculated. (1) The arrival speed function of each of the total inflows into the neck is calculated. (2) Calculate the arrival speed function combining all arrivals.
[0086]
In S93, an outflow rate function from the neck is calculated from the obtained arrival composition and neck passing ability. In S94, the inflow composition and the outflow are compared to calculate the maximum staying number of people and the time of occurrence.
[0087]
When there are inflows from a plurality of entrances, they must be synthesized as pre-processing for calculating the stay of the neck. FIG. 12B is an explanatory diagram showing an image of a composite function of two velocity functions. Basically, as shown in the figure, the interval value is added and combined.
[0088]
FIG. 13 is an explanatory diagram showing the derivation of the time series graph of the arrival speed function and the cumulative number of people. The arrival speed function can be generated from the inflow speed function using the walking distance from the entrance to the neck and the walking speed therebetween. In other words, the arrival speed function corresponding to the inflow is obtained by shifting the inflow speed function by the walking time to the neck. (The inflow velocity function has this walking time as additional information.)
[0089]
For inflow composition, it is only necessary to synthesize the inflow velocity function from each entrance as it is, but for arrival composition, the inflow velocity function for each entrance is shifted by the time (walking time). It is necessary to. (This is also called “arrival synthesis”)
[0090]
FIG. 13B is an explanatory diagram showing the derivation of the cumulative number of people graph from the speed function. In order to obtain the cumulative number of inflows, arrivals and outflows up to the present time, the respective speed functions may be integrated up to the current time.
Since the number of passing people per time is a function value, as shown in the figure, the cumulative number of people at an arbitrary time can be obtained by adding at most several rectangular areas. In addition, since the number of people is limited and should always be terminated, each of the inflow, arrival, and outflow speed functions must have a value of 0 in the last section.
[0091]
The outflow velocity function from the neck is generated from the arrival velocity function that combines arrivals from multiple entrances (also referred to as “arrival synthesis”) and the number of people that can pass through the neck per unit time (hereinafter referred to as “neck passage ability”). can do.
Note that the basics of the algorithm construction are “the outflow does not exceed the number of arrivals and the outflow at the maximum speed that does not exceed the neck passage ability”.
[0092]
(1) While the number of outflows is less than the number of arrivals, it will flow out with the ability to pass through the neck until it catches up.
(2) If the number of outflows catches up with the number of arrivals, it will flow out at the current arrival speed until the next arrival speed changes. Therefore, the outflow and the arrival are in agreement during this period. If the catch-up time is after completion of arrival, outflow from the neck ends at that time.
[0093]
(3) When the arrival speed changes when the arrival and outflow coincide with each other, the outflow flows at the smaller of the next arrival speed and the neck passing ability. Incidentally, although it starts from this state at the beginning, the current time is the arrival start time, and the total number of outflows and arrivals is 0.
[0094]
When the arrival speed is less than the neck passage ability, the arrival flows out as it is until the arrival speed changes again. Therefore, the arrival and the outflow are kept unchanged without staying.
On the other hand, when the arrival speed exceeds the neck passing ability, it can flow out only by the neck passing ability, so that the stagnation occurs immediately after that, and the transition is made to the state where the outflow does not catch up with the arrival (previous item (1)). .
If the arrival completion time has been reached, the outflow from the neck ends at the same time as in the previous 0092 (2).
[0095]
In order to algorithmize the generation process of the outflow velocity function described above, the following states are introduced (Table 5). Table 5 shows the state variables necessary for the calculation related to the control of the state transition and the generation of the outflow rate function.
[0096]
[Table 5]
[0097]
FIG. 18 is an explanatory diagram showing state transitions in the outflow rate function generation process, and shows state transition conditions and transitions in the outflow rate function generation process using the states and state variables described above. Each state is represented by a circle and a symbol, and transitions between the states are indicated by arrows. The underlined bold letters indicate the state transition firing conditions. Note that what is not written in the condition is the remaining condition or unconditional transition.
The change of the state variable accompanying the state transition is expressed by using the ← symbol to indicate the state variable on the left side and the new value on the right side. The symbol T * represents the time when the number of outflows follows the number of arrivals.
[0098]
The output to the outflow rate function is performed at the timing of the following outflow rate update statement on the state transition diagram in the previous section. (The time is the T value at that time.)
V ← X
That is, the outflow speed is output to the outflow speed function at the following four timings.
[0099]
(1) When self-transition occurs in state ON1, V ← Va (I)
(2) When transitioning from state ON1 to state UD V ← Vo
(3) When transitioning from state ON2 to state ON1 V ← Va (I)
(4) When transitioning to state E V ← 0 (The speed will be 0 because outflow is complete).
[0100]
Of the above, in the case of (3), caution is required when the outflow catches up at the time when the arrival speed changes. In that case, it is not necessary to output the outflow speed to the outflow speed function when the state transitions from the state ON2 to the state ON1 in (3). In other words, the time during which the speed is maintained even when output is 0 seconds.
Also, considering this situation, when the transition from state ON1 to state UD in (2) is the same as the previous outflow velocity, that is, the same value as the neck passage ability, the outflow velocity function is updated. There is no need to output the outflow speed.
[0101]
The maximum staying number of people is the maximum value of the number of people who have flown into the room having the neck and have not yet flown out of the neck. Therefore, the maximum value of the difference at each time between the cumulative number of inflows obtained from the inflow rate function and the total number of outflows obtained from the outflow rate function may be obtained. In addition, the time at that time is the maximum retention occurrence time to be obtained.
[0102]
First, as a special case, when the time when the outflow is started is after all the evacuees have completed the inflow, the maximum staying number is the total number of inflows, and that time is the time when the inflow is completed. In other cases, there is a time overlap between inflow and outflow, so the difference between them must be taken into account.
[0103]
In the calculation according to the guidelines, the speed of both inflow and outflow changes digitally, so the cumulative number of people on the evacuation calculation graph is both a broken line as shown in the above figure, so to check the difference between these two cumulative numbers May be performed at the time at which one of the speeds changes. The maximum value of the difference thus obtained is the maximum staying number of people, and the time at that time is the maximum staying occurrence time.
[0104]
The time to check is the time at which the speed changes from the start of outflow to the end of inflow including both ends. That is, after the inflow is completed, the difference between the outflow and the inflow does not increase even if it decreases. On the other hand, from the start of inflow to the start of arrival, conversely, even if the difference increases, it does not decrease.
[0105]
FIG. 19 is an explanatory diagram showing a time range in which the maximum staying number of people should be calculated. The filled range is the range to be calculated. Actually, the difference between the cumulative number of inflows and outflows may be calculated at the time of the speed change indicated by the arrow. Accordingly, the occurrence time of the maximum residence is one of these speed change times. (This is also the time of the speed function.) In the case of FIG. 19, the difference between the inflow and the outflow is measured at seven points between times t1 and t7. Incidentally, in this case, the maximum retention occurs at time t7. As described above, when there is no time zone where inflow and outflow overlap, the maximum residence time is the inflow end time, and the maximum residence number is equal to the cumulative number of evacuees.
[0106]
The evacuation calculation is performed assuming that the living room is a place where refugees are always present, and that people are uniformly distributed in the room. Accordingly, it is assumed that an evacuee is always present near the exit door. In other words, arrival and outflow will begin at the same time as evacuation begins.
However, it is assumed that not all the occupants arrive near the exit at the same time as the evacuation starts, but a certain number of people per hour arrive until the farthest evacuees arrive at the exit.
[0107]
In addition, since the outflow from the exit begins at the same time as evacuation starts, the calculation inflow and arrival are the same. That is, in the sense described above, the distance between the inlet and the neck (outlet) is regarded as zero.
[0108]
FIG. 20 is an explanatory diagram showing an image of the arrival (inflow) speed function of the living room. As described above, the outflow from the room exit is calculated from the arrival speed function calculated as described above and the number of people who can pass through the room exit per unit time (neck passage ability). In the calculation based on the guidelines, it is assumed that the refugees in the area evacuating to the exit reach the exit uniformly until the farthest refugee arrives at the exit. It is possible to use a speed function other than. That is, as long as the step function is a finite time zone, the calculation can be performed normally.
[0109]
Examining the evacuation calculation graph when an evacuee from another room does not evacuate via the room, it is as follows.
First, when the neck passage ability at the exit of the living room is lower than the arrival speed from the room, the outflow speed is restricted by the neck passage ability, and stagnation occurs in the room. FIG. 21 is an explanatory diagram illustrating an evacuation calculation graph when the neck passage ability is lower than the arrival speed. The outflow end time in this case is determined by being restricted by the exit (neck) passage time, regardless of the indoor walking time.
Outflow end time = Evacuation start time + Exit passage time
[0110]
On the other hand, when the neck passage ability at the exit of the living room exceeds the arrival speed from the room, the room does not stay and flows out as it is. FIG. 22 is an explanatory diagram illustrating an evacuation calculation graph when the neck passage ability exceeds the arrival speed. The outflow end time in this case is determined not by the exit passage time but by the walking time of the farthest evacuees.
Outflow end time = Evacuation start time + Farest evacuee walking time
[0111]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a schematic diagram showing a evacuation route in a building (room, walking route, neck (exit door, indoor neck) and outlet sequentially connected), Based on the input schematic diagram, it has at least an evacuation simulation means for calculating the evacuation time and the maximum staying number of people, and an output means for outputting the result of the evacuation simulation. By creating and inputting and changing the parameters of each node, the system can automatically perform evacuation simulations according to the guidelines and output the evaluation results. There is an effect that it is possible to perform a simulation of a necessary staying area of a passage (a chamber having a neck).
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing an outline of processing of a system of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a hardware configuration of a personal computer 30 that executes a system program of the present invention.
FIG. 3 is a flowchart showing a schematic diagram input process in S10 of FIG. 1;
FIG. 4 is a flowchart showing evacuation calculation processing in S11.
FIG. 5 is a flowchart (1) showing a current node evacuation calculation process in S38;
FIG. 6 is a flowchart (2) showing a current node evacuation calculation process in S38;
FIG. 7 is a flowchart showing a neck retention calculation process in S49.
FIG. 8 is a flowchart (1) showing a calculation process of the outflow speed of S61.
FIG. 9 is a flowchart (2) showing the calculation process of the outflow speed of S61.
FIG. 10 is a flowchart (3) showing the calculation process of the outflow speed of S61.
FIG. 11 is a flowchart showing a neck stay calculation process in S62.
FIG. 12 is an explanatory diagram showing a velocity function and its synthesis.
FIG. 13 is an explanatory diagram showing the derivation of the arrival speed function and the cumulative number of people graph.
FIG. 14 is a schematic diagram showing an evacuation route from three living rooms (rooms A, B and C) to two stairs (stairs A and B), and an evacuation route when the fire room includes a room in the room. It is explanatory drawing which shows.
FIG. 15 is an explanatory diagram showing an example of an output display of evaluation results by the system of the present invention.
FIG. 16 is an explanatory view showing a display example (1) of an evacuation calculation graph as a basis for evaluation;
FIG. 17 is an explanatory diagram showing a display example (2) of an evacuation calculation graph as a basis for evaluation;
FIG. 18 is an explanatory diagram showing state transitions in the generation process of the outflow velocity function.
FIG. 19 is an explanatory diagram showing a time range in which the maximum staying number of people should be calculated.
FIG. 20 is an explanatory diagram showing an image of an arrival (inflow) speed function at a room exit.
FIG. 21 is an explanatory diagram showing each speed function and an evacuation calculation graph at the room exit when the passing ability at the room exit is lower than the arrival speed.
FIG. 22 is an explanatory diagram showing each speed function and an evacuation calculation graph at the room exit when the passing ability at the room exit exceeds the arrival speed.
[Explanation of symbols]
30 ... PC, 41 ... display, 42 ... keyboard, 43 ... mouse, 44 ... printer
Claims (2)
居室、ネック、歩行経路、避難先、合流、分岐を含むノードおよび各ノード間を接続する線分を用いて対象とする場所の避難経路を示す模式図を入力すると共に、各ノードにおける上流および下流方向のノードの接続情報を入力し、更に前記居室ノードについて在室人数、室内歩行距離の情報を入力する入力手段、
ネック以外の任意のノードにおいて、入力されたノードの情報に基づき、前記接続情報を参照することにより上流ノードが存在することが判明した場合には、全ての直接の上流ノードからの時間毎の流出人数を表す流出関数を合成して当該ノードへの流入関数を求め、また前記在室人数、室内歩行距離の情報から当該ノードから発生する避難者の流出関数を求め、更に当該ノードから発生する避難者の流出関数および前記上流ノードからの流入関数を合成して当該ノードからの流出関数を求めるノード避難計算手段、
任意のネックノードにおいて、入力されたノードの情報に基づき、前記接続情報を参照することにより全ての直接の上流ノードからの時間毎の流出人数を表す流出関数を合成して当該ネックノードへの流入関数を求め、前記流入関数および予め設定されている当該ネックノードの単位時間当たりの通過可能人数情報に基づいて当該ネックノードからの流出関数を求め、更に、前記流入関数、流出関数を積分した値の差から当該ネックノードにおける時間毎の滞留人数を求め、更に滞留人数の最大値を求めるネック避難計算手段、
前記最大滞留人数に予め設定されている一人当たりの必要面積を乗じた値が予め設定されている当該ネックを有する室の面積より大きい場合に不可と判定する判定手段、
最も遅く流出関数が0になった避難先ノードの時間である避難時間および上記判定手段の判定結果を出力する出力手段
として機能させるためのプログラムを実装したことを特徴とする避難シミュレーションシステム。On the computer,
Enter a schematic diagram showing the evacuation route of the target place using the line segment connecting the nodes and the nodes including the room, neck, walking route, evacuation destination, confluence, and branch, and upstream and downstream at each node Input means for inputting direction node connection information, and further inputting information on the number of people in the room and the indoor walking distance for the room node ,
In any node other than the neck, if it is determined that there is an upstream node by referring to the connection information based on the input node information, outflows from all direct upstream nodes by time The inflow function to the node is obtained by combining the outflow functions representing the number of people, the outflow function of the evacuees generated from the node is obtained from the information on the number of people in the room and the indoor walking distance, and the evacuation generated from the node node evacuation calculating means which calculates the flow function from the node the flow function from the outflow function and the upstream node's synthesized and,
In any neck nodes, based on the information of the input nodes, the flow of by combining the outflow function representing the outflow number of times each from all direct upstream node by referring to the connection information to the neck node A function is obtained, an outflow function from the neck node is obtained based on the inflow function and a preset number of passable number information per unit time of the neck node, and a value obtained by integrating the inflow function and the outflow function Neck evacuation calculation means for obtaining the number of people staying at each time at the neck node from the difference, and further obtaining the maximum value of the number of people staying,
A determination unit that determines that the maximum residence number is determined to be impossible when a value obtained by multiplying a preset required area per person is larger than a preset area of the room having the neck,
An evacuation simulation system comprising a program for functioning as an evacuation time that is the time of an evacuation destination node having the latest outflow function of 0 and an output unit that outputs the determination result of the determination unit.
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