JP4180885B2 - 近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法 - Google Patents
近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4180885B2 JP4180885B2 JP2002326709A JP2002326709A JP4180885B2 JP 4180885 B2 JP4180885 B2 JP 4180885B2 JP 2002326709 A JP2002326709 A JP 2002326709A JP 2002326709 A JP2002326709 A JP 2002326709A JP 4180885 B2 JP4180885 B2 JP 4180885B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light propagating
- probe
- propagating body
- light
- tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01Q—SCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
- G01Q60/00—Particular types of SPM [Scanning Probe Microscopy] or microscopes; Essential components thereof
- G01Q60/18—SNOM [Scanning Near-Field Optical Microscopy] or apparatus therefor, e.g. SNOM probes
- G01Q60/22—Probes, their manufacture, or their related instrumentation, e.g. holders
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y20/00—Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y35/00—Methods or apparatus for measurement or analysis of nanostructures
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/24—Coupling light guides
- G02B6/26—Optical coupling means
- G02B6/262—Optical details of coupling light into, or out of, or between fibre ends, e.g. special fibre end shapes or associated optical elements
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Radiology & Medical Imaging (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Microscoopes, Condenser (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブ顕微鏡の1つであり計測物質の微細領域での光学特性を計測する近視野顕微鏡に使用する光伝搬体プローブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子間力顕微鏡(AFM)、走査型トンネル顕微鏡(STM)に代表される走査型プローブ顕微鏡は、試料表面の微細な形状を観察することができることから広く普及している。しかし、従来のAFMおよびSTMは、試料表面の高分解能な形状観察には適しているが、試料の物理的および化学的性質を測定することはできない。この試料の性質を観察する手段として近接場光が用いられている。
【0003】
例えば、先端が尖鋭化された光媒体からなるプローブを光の波長以下まで測定試料に近づけることによって、試料の光学特性や形状を測定しようという試みがあり、いくつかの近接場光顕微鏡が提案されている。この一つの装置として、試料の裏面からレーザー光を試料裏面で全反射するように照射して、試料表面にもれだすエバネッセント光を微動機構を有する光ファイバープローブの先端を近接させることによって検出して、一定のエバネッセント光を検出するようにプローブを走査するかあるいはプローブを水平に走査してエバネッセント光の強度変化を測定することによって、表面形状を観察する装置が提案されている。
【0004】
また、試料に対して垂直に保持した光ファイバープローブの先端を試料表面に対して水平に振動させ、試料表面とプローブ先端の摩擦によって生じる振動の振幅の変化を光ファイバー先端から照射され試料を透過したレーザー光の光軸のズレとして検出し、試料を微動機構で動かすことによって、プローブ先端と試料表面の間隔を一定に保ち、微動機構に入力した信号強度から表面形状を検出するとともに試料の光透過性の測定を行う装置が提案されている。
【0005】
これらの近接場顕微鏡に使用される光ファイバープローブは直線状であり、その形態や製造方法は様々なものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。図18にその一例を示す。コア201、クラッド202からなる光ファイバー先端部はクラッド202の外周からコア201の中心にかけて円錐状に先鋭化されている。先鋭部203の表面には遮光性の被覆層204を有し、先鋭部203の先端に開口部205を有している。
【0006】
一方、鈎状に成形した光ファイバープローブをAFMのカンチレバーとして使用し、AFM動作すると同時に、光ファイバープローブの先端から試料にレーザー光を照射し、表面形状を検出するとともに試料の光学特性の測定を行う走査型近視野原子間力顕微鏡が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
国際公開WO95/33207(第16−17頁、第4図)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−174542号公報(第18図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図18に示した直線状の光ファイバープローブを用いる近接場顕微鏡のうち、エバネッセント光を用いてプローブ先端と試料表面の距離制御を行う装置の場合、光強度を試料の高さ方向の情報として用いるため、試料の高さ方向の光強度変化と試料の光吸収による光強度変化を分離することができないという欠点があり、試料の物理的および化学的な性質を測定する手段として利用することは難しい。また、試料表面の凹凸が激しい場合には、光は、試料裏面で全反射せずに透過する場合があり、これらの透過光が、試料表面上で干渉を起こし、測定に支障をきたす場合がある。
【0010】
また、プローブを水平に振動させる装置の場合、プローブ先端が横方向に振動するため、特に、試料表面の凹凸が激しい場合などでは、横方向の分解能の向上には限界がある。
【0011】
それに対し、鈎状に成形した光ファイバープローブをAFMのカンチレバーとして用いる走査型近視野原子間力顕微鏡の場合、試料の光透過性や導電性の有無にかかわらず、試料の表面形状および光特性の測定を高解像度で観察することが可能であると考えられる。
【0012】
ここで、図18に示した直線状の光ファイバープローブは、直線状であることから、先鋭部203を比較的容易に成形することが可能である。また、遮光性の被覆204や開口部205は回転蒸着法により最低1回の蒸着で形成可能である。一方、走査型近視野原子間力顕微鏡に用いられる鈎状の光ファイバープローブは、高度な鈎状の成形技術が必要とされることに加え、鈎状形状に対する遮光性被覆の形成、開口の形成、AFM動作させるための反射平面の形成など、直線状のプローブと比較して多くの技術が要求される。従って、製造工程は複雑であり、再現性の確保が難しく、また製造コストの低減が難しいという問題があった。
【0013】
そこで本発明の目的は、高性能であり、製作し易く、形状再現性の良い近視野顕微鏡用プローブの製造方法を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法は、端部に光を透過する透過口を有し、透過口部を除く先端部に金属膜被覆を有する光伝搬体からなり、透過口部が先鋭な先端部となるように構成され、先端部近傍において鈎状の形状を有し、試料面に対して垂直方向に変位可能なバネ性を有するカンチレバーとして機能し、鈎状部分に対して先端部の反対側に先端部の位置検出を光学的に行うため反射面を有する近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法であり、光伝搬体を先鋭化する工程と、光伝搬体を鈎状に成形する工程と、反射面を形成する工程と、透過口を形成する金属膜被覆工程と、透過口部をレジスト材で保護する工程と、鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程と、レジスト材を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
この製造方法によると、高性能な鈎状の光伝搬体プローブを容易に再現性良く製造することが可能となる。
【0016】
また、本発明の近視野顕微鏡用伝搬体プローブの製造工程は、その主要な工程を、光伝搬体を先鋭化する工程、光伝搬体を鈎状に成形する工程、透過口を形成する金属膜被覆工程、透過口部をレジスト材で保護する工程、反射面を形成する工程、鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程、レジスト材を除去する工程の順に行うことを特徴とする。
【0017】
この製造方法によると、形成した透過口部を直ちに保護するため透過口部に異物が付着したり、透過口部を破損したりすることを防止でき、また、反射面は透過口を形成する成膜工程よりも後に行うので、反射面に付着した被覆膜による反射面の表面粗さ増大を防止することができる。
【0018】
また、反射面を形成する工程は、透過口部をレジスト材で保護する工程の前に行うこともできる。さらに、反射面を形成する工程は、透過口を形成する金属膜被覆工程の前に行うことも可能である。
【0019】
光伝搬体を先鋭化する工程は、一対のバネ機構により光伝搬体に張力を加え、炭酸ガスレーザー光をレンズにより集光して照射し、光伝搬体を局所的に加熱して引張破断させる。この工程はカメラ装置で観察子ながら炭酸ガスレーザー光の出力を調整して行う。その後、湿式の化学エッチングにより先端部を整形する手順を含むことを特徴とする。
【0020】
このとき、一対のバネ機構は、それぞれのバネ定数または初期張力を独立に調整可能なバネ機構であり、それぞれのバネ定数または初期張力を独立に調整する手順を含むこととした。
【0021】
炭酸ガスレーザー光の集光レンズは、例えばジンクセレン(ZnSe)を材料とするシリンドリカルレンズでも球面レンズでも良い。このとき、シリンドリカルレンズを用いた方が光軸に対する光伝搬体の高さ調整が容易である。光伝搬体は、集光レンズの焦点位置、または焦点位置の前後に調整して配置される。
【0022】
炭酸ガスレーザー光は、光伝搬体が所定の伸びとなるまでは光伝搬体が緩やかな伸びを示す程度の比較的小さい出力で照射したのち、出力を増加させて破断させる。この出力の増加は一定速度としてもよい。
【0023】
前記湿式の化学エッチングは、引張破断された光伝搬体を、フッ化水素酸を主成分とするエッチング液に浸漬して先端部をさらに先鋭化させる手順を含むことを特徴とする。この時、エッチング液としてはこのフッ化水素酸を主成分とする第1の溶液層と、第1の溶液層より比重が小さく、互いに反応かつ混合しない第2の溶液層からなるエッチング方式を用いることもできる。ただし、この2層エッチング方式を用いた場合は、第2の溶液層を構成する材料を溶解し、かつ水溶性を有する有機溶媒を用いて、光伝搬体の洗浄を行うと、より効果的な洗浄が可能である。
【0024】
また、エッチング液は一定温度となるように温度制御されている方がより安定したエッチングを行うことが可能である。
【0025】
これらの光伝搬体の先鋭化工程によれば、精度の高い先鋭端を再現性良く形成することが可能である。
【0026】
光伝搬体を先鋭化する別の工程は、フッ化水素酸を主成分とする第1の溶液層と、第1の溶液層より比重が小さく、第1の溶液層とは互いに反応かつ混合しない第2の溶液層からなるエッチング液に、前記光伝搬体を浸漬する手順を含むことを特徴とする。このエッチング液は一定温度となるように温度管理されている。またエッチングは除振台上で行われる。ただし、この2層エッチング方式を用いた場合は、第2の溶液層を構成する材料を溶解し、かつ水溶性を有する有機溶媒を用いて、光伝搬体の洗浄を行うと、より効果的な洗浄が可能である。
【0027】
これらの光伝搬体の先鋭化工程によれば、エッチング工程のみで精度の高い先鋭端を再現性良く形成することが可能である。
【0028】
また、伝搬体を先鋭化する工程は、光伝搬体中にある円筒状の細長い空洞欠陥の有無を検査する工程を含むことを特徴とする。この検査工程は、光透過性の2枚のガラス板の間に光伝搬体を配置し、2枚のガラス板間を光伝搬体の屈折率と同等の屈折率を有する透明な液体で満たした後、光伝搬体を光学顕微鏡で観察する手順により行うことができる。顕微鏡観察は暗視野観察を用いることが望ましい。
【0029】
この欠陥検査工程を含む先鋭化工程によれば、欠陥に起因する先鋭形状の不良を防止し、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0030】
伝搬体を鈎状に成形する工程は、先鋭化した光伝搬体の先端近傍の所望の位置に炭酸ガスレーザー光を照射する工程である。この光伝搬体を鈎状に成形する工程は、カメラ装置を用いて同時観察し、鈎状の曲がり角度を画像より判断して、炭酸ガスレーザー光の照射を制御することにより、より形状再現性の良い鈎形状を作製することが可能となる。
【0031】
反射面を形成する工程は、光伝搬体を先鋭化する工程と、光伝搬体を鈎状に成形する工程を行い、先鋭化され、かつ鈎状に成形された光伝搬体の鈎状部分に対して先端部の反対側を、回転する研磨板に押し当てて機械研磨する工程であり、押し当ては光伝搬体自体の弾性を利用して行われることを特徴とする。この光伝搬体を機械研磨する工程は、光伝搬体を所定の長さ突出させて、研磨板の表面に対して第1の角度で研磨用ステージに固定し、研磨用ステージと研磨板を相対的に近接させ、光伝搬体の研磨部位を研磨板に接触させ、さらに研磨用ステージと研磨板を相対的に近接させ、光伝搬体の研磨部位を研磨板の表面に対して第2の角度に保持する手順により行うことができる。このとき、光伝搬体を突出させる所定の長さは5mm以上50mm以下の範囲であり、第1の角度は2度以上60以下の範囲であり、第2の角度は0度以上かつ前記第1の角度より小さいことが望ましい。
【0032】
この反射面を形成する工程によれは、位置精度および角度精度、形状再現性の良い反射面を容易に形成することが可能である。
【0033】
湿式の化学エッチングは、炭酸ガスレーザー光を照射する光伝搬体の引張破断の後、光伝搬体を鈎状に成形する工程の前に行うことができる。また光伝搬体を鈎状に成形する工程の後に行っても良い。
【0034】
透過口を形成する金属膜被覆工程は、光伝搬体を回転させながら蒸着を行う回転蒸着ジグを用いた真空蒸着工程であり、回転蒸着ジグは、その回転軸が先鋭化され鈎状に成形された光伝搬体の先端部の中心軸と同一、または略平行となるように光伝搬体を保持する構造であることを特徴とする。この真空蒸着工程は2回に分けて行うこともできる。このとき、1回目の真空蒸着と2回目の真空蒸着の間は、真空槽を一度大気に開放するか、真空排気を停止し、所望の圧力になるまで酸素ガスを導入して一定時間放置する工程である。
【0035】
この金属膜形成工程によれば、光学的なバックラウンドに影響する欠陥の少ない平滑な遮光膜を被覆することが可能であり、また再現性良く透過口を形成することができる。
【0036】
鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程は、光伝搬体を回転させながら蒸着を行う回転蒸着ジグを用いた真空蒸着工程であり、回転蒸着ジグは、その回転軸が鈎状部から後方のバネ機能部の中心軸と同一、または略平行となるように光伝搬体を保持する構造であることを特徴とする。
【0037】
また、鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する別の工程は、鈎状部から後方のバネ機能部の中心軸まわりの少なくとも2方向以上から真空蒸着、またはスパッタによって金属膜を成膜する工程であり、成膜用の光伝搬体固定ジグは、光伝搬体を、鈎状部から後方の直線部分の中心軸まわりに容易に回転可能な構造であることを特徴とする。
【0038】
これらの金属膜被覆工程によれば、容易にバネ機能部を金属膜被覆することが可能である。これらの回転蒸着では回転蒸着ジグの回転速度は毎分30回転から1000回転の範囲とするのが望ましい。
【0039】
金属膜被覆の材料としては、アルミニウム、アルミニウム−シリコン合金、金、銀のいずれか、または銀/金、クロム/金、アルミニウム/金、アルミニウム−シリコン合金/金のいずれかの2層構造を用いることができる。また、アルミニウム−シリコン合金は、シリコンの組成が重量比率で0.5パーセントから2パーセントの範囲が望ましい。
【0040】
金属膜被覆の膜厚は30nmから1000nmで選択される。また成膜速度は、毎秒5nm以上が選択されるが、毎秒10nmから100nmの範囲とした方が、より平滑な金属膜被覆が得られる。
【0041】
透過口部をレジスト材で保護する工程は、平板に前記レジスト材を微量滴下し、レジスト材の表面張力自体で盛り上がった部分に対し、透過口部を精密ステージを用いて5μmから200μm挿入する手順を含むことを特徴とする。透過口部をレジスト材で保護することにより、鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程において、透過口に金属膜が堆積するのを防止することができ、また物理的な損傷から先端部を保護することができる。
【0042】
この工程によれば、透過口部を損傷させることなく確実に透過口部を被覆することができる。この工程は顕微鏡でプローブ先端部を観察しながら行うと確実性が向上する。
【0043】
レジスト材は、酢酸ブチル、酢酸エチル、ニトロセルロースのいずれかを主成分とする樹脂材料が望ましい。このとき、レジスト材の除去は、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする洗浄液を用いた超音波洗浄が効果的である。
【0044】
これら一連の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブ製造工程では、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする洗浄液を用いた超音波洗浄により光伝搬体表面に付着した微小な異物を除去する手順を含むことを特徴とする。また、光伝搬体のハンドリングは、静電気防止手段を用いた環境下において行われることを特徴とする。静電気防止手段としては、イオナイザー、帯電防止シート、光伝搬体保管用金属ケース、湿度コントロールのいずれか、または全部が使用される。
【0045】
この洗浄および静電気防止手段により、異物に起因する金属膜被覆の不良を防止でき、分解能が高く、またもれ光に起因するバックグラウンド光の小さい高性能な光伝搬体プローブを製造することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0047】
図1に本発明の第1の実施の形態に係る近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法のフロー図を示す。また、図2に本発明の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法によって製造される近視野顕微鏡用プローブの構成を表す斜視図を、図3に近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの縦断面図を示す。光伝搬体プローブ6は、光を伝搬するコア2およびコア2とは屈折率の異なるクラッド3で構成される光ファイバー1で形成されている。光ファイバー1は先鋭化され、また鈎状に成形されている。鈎状部の背の部分には、バネ機能部10のたわみによる光伝搬体プローブ6の先端部の変位を、AFM装置に用いられている光てこ方式によって検出するための反射面5が形成されている。さらにバネ機能部10の後方にはプローブ固定体4が配置されている。光ファイバー1の先端部は先鋭化された先鋭部7を有し、透過口部8を除く周囲は金属膜被覆9によって被覆されている構成である。
【0048】
図1に示した光伝搬体プローブの製造方法は、光ファイバー1に先鋭部7を形成する光伝搬体を先鋭化する工程S1、先鋭部7近傍を鈎状に成形する光伝搬体を鈎状に成形する工程S2、先端部7に透過口8を形成する透過口を形成する金属膜被覆工程S3、透過口部8をレジスト材で保護する透過口部をレジスト材で保護する工程S4、光てこ用の反射面5を形成する反射面を形成する工程S5、鈎状部から後方のバネ機能部10に金属膜被覆を形成するバネ機能部を金属膜被覆する工程S6、透過口部8を保護するレジスト材を除去するレジスト材を除去する工程S7で構成され、また図1に記載の順序で行われる。
【0049】
この光伝搬体プローブの製造方法によれば、高性能な鈎状の光伝搬体プローブ6を容易に再現性良く製造することが可能となる。また、形成した透過口部8を直ちに保護するため、その後の製造手順において透過口部8に異物が付着したり、透過口部8を破損したりすることを防止でき、また、反射面を形成する工程S5は透過口を形成する金属膜形被覆工程S3よりも後に行うので、反射面を形成する工程S5にて反射面に付着した被覆膜による反射面の表面粗さ増大を防止することができる。
【0050】
図4に本発明の第2の実施の形態に係る近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法のフロー図を示す。第1の実施の形態とは、透過口部をレジスト材で保護する工程S4と反射面を形成する工程S5の順序が入れ替わっている点が異なる。即ち、光伝搬体プローブ6は、光伝搬体を先鋭化する工程S1、光伝搬体を鈎状に成形する工程S2、透過口を形成する金属膜被覆工程S3、反射面を形成する工程S5、透過口部をレジスト材で保護する工程S4、バネ機能部を金属膜被覆する工程S6、レジスト材を除去する工程S7の工程順序で製造することもできる。
【0051】
この光伝搬体プローブの製造方法によれば、反射面を形成する工程S5よりも、透過口部をレジスト材で保護する工程S4が後になるため、反射面を形成する工程S5においては保護の効果をおよぼさないが、第1の実施の形態と同様に高性能な鈎状の光伝搬体プローブ6を容易に再現性良く製造することが可能となる。
【0052】
図5に本発明の第3の実施の形態に係る近視野野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法のフロー図を示す。第1の実施の形態とは、反射面を形成する工程S5が光伝搬体を鈎状に成形する工程S2の直後に行われる点が異なる。即ち、光伝搬体プローブ6は、光伝搬体を先鋭化する工程S1、光伝搬体を鈎状に成形する工程S2、反射面を形成する工程S5、透過口を形成する金属膜被覆工程S3、透過口部をレジスト材で保護する工程S4、バネ機能部を金属膜被覆する工程S6、レジスト材を除去する工程S7の工程順序で製造することもできる。
【0053】
この光伝搬体プローブの製造方法によれば、第1の実施の形態と同様に高性能な鈎状の光伝搬体プローブ6を容易に再現性良く製造することが可能となる。また、光ファイバー1自体を成形する工程を先行して終了させ、あとの工程は成膜に係わる工程のみとすることがでる。従って、類似工程を集約して製造を行うことが可能となるため、効率的に製造を行うことが可能となる。
【0054】
次に光伝搬体プローブ6の製造工程について詳細に説明する。
【0055】
光ファイバー1としては、例えば使用波長域に適合したコア径を持つ、クラッド径125μmのシングルモードファイバーが用いられる。光ファイバー1は誘電体であり、静電気により空気中の異物を吸着しやすいため、以下に説明する光伝搬体プローブの製造工程は全般に渡って静電気を防止した環境下で行われるのが望ましい。具体的には、作業環境に一般にイオナイザーと呼ばれる静電気除去ブロワー、および帯電防止シートを用い、湿度コントロールを行うとともに、製造工程中の光伝搬体の保管は帯電しない金属ケースを用いることなどが有効である。
【0056】
光ファイバー1の末端から2cmから10cm程度、合成樹脂の被覆を取り除き、アルコール等の有機溶媒を含浸させた無塵ワイパー等で拭き取り清浄にする。このとき、合成樹脂の被覆を取り除いた部分をアルコール、アセトン等の有機溶媒で超音波洗浄することでより効果的に清浄にできる。特に、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする有機溶媒を用いた超音波洗浄は、微細な異物を取り除く点で有効である。
【0057】
はじめに、光ファイバーの欠陥検査を行う。市販されている光ファイバーのクラッド3には円筒状の空洞欠陥が存在する場合がある。この欠陥が先鋭部7に存在すると金属膜被覆9に欠陥を引き起こし、結果的に光の漏れを生じさせて著しく分解能を低下させてしまう。
【0058】
図6に円筒状の空洞欠陥検査試料の構成を示した。顕微鏡観察用スライドグラスなどの第1のガラス板21上に検査対象の合成樹脂被覆を除去した光ファイバー1を配置し、光ファイバー1と同等の屈折率を有する屈折率マッチングオイル23を滴下し、さらにスライドガラスやカバーガラスなどの第2のガラス板22を配置する。このとき光ファイバー1は複数本配置した方が検査効率は高い。この試料を光学顕微鏡で観察すると、マッチングオイル23が光ファイバー1の周囲を満たしているため光ファイバー1の表面反射の影響を少なくして光ファイバー内部を観察することが可能である。特に、暗視野観察を用いれば、空洞欠陥の外形を鮮明に観察することが可能である。この欠陥検査は、実際にプローブを製造する光ファイバー自体の先端について行うのが望ましいが、この種の欠陥は数10cmから数m程度の距離に渡っていることが多いため、実際に製造する部分の近傍数mmから数10mmを切り取って検査試料としても良い。
【0059】
次に光ファイバー1の被覆部分にプローブ固定体4を設置する。
【0060】
図7にプローブ固定体部分の構成を表す断面図を示した。プローブ固定体4は光ファイバー1のハンドリングや、プローブの長さ、または回転方向の基準面として機能する。例えば光ファイバー1の被覆径に合わせたV溝34を有する支持体31に光ファイバー1を設置し、押さえ板32によって光ファイバー1を押さえてプローブ固定体4とする。このとき、光ファイバー1の被覆端33はプローブ固定体4の端面4aと同一か、プローブ固定体4の長さの1/2程度内側の範囲にあるのが望ましい。この被覆端33の配置により、支持体31と押さえ板32のズレによる光ファイバー1のベンディングを防止し、プローブ固定体4の基準面31aと光ファイバー1を略平行に配置することが可能である。また、光ファイバーの被覆径に合わせた貫通穴を有する部品に光ファイバー1を通し、接着することによっても実施可能である。ここでは、光ファイバー1の被覆部分に固定体4を配置する手順を示したが、固定体4は光ファイバー1のクラッド3に直接配置してもよい。
【0061】
光伝搬体を先鋭化する工程S1は、炭酸ガスレーザーを用いた熱引張方法と、フッ化水素酸を主成分とする化学エッチング方法が可能である。まず、炭酸ガスレーザーを用いた熱引張方法に関して説明する。
【0062】
図8は炭酸ガスレーザーを用いた熱引張装置の構成を表す概要図である。光ファイバー1の固定体4は第1のスライダー41上に配置されたX軸ステージ48に固定されている。光ファイバー1の先端は第2のスライダー42に固定されている。第1のスライダー41および第2のスライダー42にはそれぞれ第1のバネ機構43および第2のバネ機構44が配置されている。バネ機構には引張力調整機構47が取り付けられている。2つのバネ機構43、44により光ファイバー1に張力が与えられる。初期状態では第1、第2のスライダー41、42はストッパー45によって中央部に固定されている。それぞれのスライダーに加える張力は第1のバネ機構43および第2のバネ機構44のバネ定数の選択や、張力調整機構47を用いて引張力を調整することで独立に調整することが可能である。張力調整機構47は例えば送りネジ機構により第1のバネ機構43または第2のバネ機構44の固定端位置を調整する機構である。炭酸ガスレーザー光49は集光レンズ46により集光され、焦点位置付近に設置した光ファイバー1に照射される。集光レンズ46は炭酸ガスレーザー光49に対して透明な材料、例えばジンクセレン(ZnSe)を材料とするシリンドリカルレンズが用いられる。シリンドリカルレンズの焦線は光ファイバー1を横断する方向、即ち図8の紙面に垂直な方向が選択される。シリンドリカルレンズを用いた場合は、焦線が光ファイバー1を横断するため、光軸の調整が容易となる。また、集光レンズ46として球面レンズを用いることもできる。球面レンズを用いた場合は、炭酸ガスレーザー光49のエネルギーをより効率良く光ファイバー1上に集中させることができ、効率よく光ファイバー1を加熱することが可能である。
【0063】
光ファイバー1に張力を加えた状態で炭酸ガスレーザー光49の出力を上昇させると、光ファイバー1の炭酸ガスレーザー光49が照射されている部分に加熱の軟化によるくびれが生じてくる。図9に光ファイバー1のくびれた様子の模式図を示した。(a)は両端の引張力が等しい場合、即ち第1のバネ機構43と第2のバネ機構44のバネ定数が同一、または張力調整機構47により張力を対称とした場合である。(b)は両端の引張力が異なる場合、即ち第1のバネ機構43と第2のバネ機構44のバネ定数が異なるか、張力調整機構47により張力を非対称とした場合である。である。引張力が等しい場合、炭酸ガスレーザー光49は常に光ファイバー1上の同一の位置に照射されるため、対称なくびれを生じる。一方、張力が異なる場合、光ファイバー1の伸びに応じて引張力がバランスする方向に第1のスライダー41および第2のスライダー42が移動するため、くびれが非対称となる。従って、この工程において張力を調整することで、先鋭部7の長さを調整することが可能である。また、集光レンズ46の位置を光軸方向に調整し、光ファイバー1の位置を焦点の前後にずらすことにより、光ファイバー1に照射される炭酸ガスレーザー光49のビームサイズを変化させることができる。照射範囲が大きい場合、光ファイバー1の軟化する部分が広範囲となり、先鋭部7が長く形成される。即ち、集光レンズ46の位置調整によっても先鋭部7の長さを調整することが可能である。
【0064】
光フィバー1のくびれが所望の外径となるまで比較的小さい一定出力でゆっくり引張したのち、レーザー出力を増加させて破断させる。この出力の増加は、例えば時間に対して一定割合で出力を増加させる、即ち一定速度で増加させる。この出力の増加により、破断時の光ファイバー1の軟化具合と引張速度を調整することができ、結果的に破断径をコントロールすることができる。
【0065】
この引張の様子は、たとえば顕微鏡にCCDカメラを搭載したカメラ装置(図示せず)を用いて容易に、かつ安全に観察し、コントロールすることが可能である。
【0066】
引張破断により先鋭化した光ファイバー1は、鈎状に成形される。鈎状に成形する工程S2は、炭酸ガスレーザー光を鈎状成形部分に照射する工程である。
【0067】
図10に鈎状成形工程を表す成形装置の配置図を示した。図10は図8に示した炭酸ガスレーザーを用いた熱引張装置を用い、光ファイバー1を引張破断したのち、光ファイバー1をX軸ステージに設置したまま、第1のスライダー41を初期位置に戻した状態を示している。X軸ステージを用いて光ファイバー1の位置を調整し、先鋭化した先端から0.1mmから1.5mmの部分に炭酸ガスレーザー光49を照射して、変形させる前を0゜としたとき、60゜から90゜程度の鈎状の形状に変形させる。レーザー光の当たる側がその裏側に対して、熱の吸収量が多いため、軟化にともなう表面張力により、光ファイバー1の先端は炭酸ガスレーザー光49の当たる方向に折れ曲がっていく。このとき、プローブ固定体4の基準面31aをレーザー光に直角に設置し、レーザー光からプローブ固定体4の端面までの距離を一定とする。この場合、この工程により、プローブ固定体4の端面から鈎状部分までの距離を一定にでき、曲げる方向をプローブ固定体4の基準面31aと直角にすることができる。鈎状形状の曲率は、照射する炭酸ガスレーザー光49のビームサイズで調整することが可能である。即ち、集光レンズ46を用いない場合は、例えば曲率半径0.5mmから2mm程度となり、集光レンズ46を使用した場合は曲率半径が0.5mm以下となる。この鈎状成形工程は、炭酸ガスレーザーを用いた熱引張の工程と同様に、CCDカメラを搭載したカメラ装置で安全に観察しながら、コントロールされる。
【0068】
この鈎状に成形する工程によれば、容易にかつ形状精度良く光ファイバー1の先端付近を鈎状の形状に成形することが可能である。
【0069】
この鈎状に成形する工程は、通常は炭酸ガスレーザーを用いた熱引張工程の直後に行われるが、次に説明する湿式の化学エッチングのあとに行っても良い。
【0070】
引張破断した光ファイバー1は先端径が100nmから300nm程度となる。この先端は、湿式の化学エッチングにより100nm以下に先鋭化させる。エッチング液は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、水の混合液を用い、エッチング液に光ファイバー1を所望の時間浸漬したのち、純水洗浄を行う。浸漬時間は要求される先端径やエッチング液の濃度により異なる。また、エッチング液は組成により、光ファイバーのコア2とクラッド3のエッチング速度が異なるが、先端部が先鋭化される条件の組成比が用いられる。例えば、50%フッ化水素酸、40%フッ化アンモニウム、水の組成比が2:1:13のエッチング液を用い、1分から10分のエッチングが行われる。
【0071】
エッチング液は恒温循環水槽の水を用いたウォータージャケットなどを使用して、室温付近、または室温以下の一定温度に温度制御されるのが望ましい。
【0072】
このフッ化水素酸を主成分とするエッチング液を第1の溶液層とした場合に、第1の溶液層の上に第2の溶液層を配置したエッチング液を用いることもできる。図11に2層エッチング液を用いた湿式の化学エッチングの様子を模式的に示した。第2の溶液層52は第1の溶液層51より比重が小さく、第1の溶液層51とは互いに反応かつ混合しない材料が用いられる。光ファイバー1の先端部は第1の溶液層51に挿入されエッチングされる。第2の溶液層52としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの有機溶媒や、鉱物油、植物油、化学合成油などの油脂類が用いられる。第2の溶液層を用いることで、有害なフッ化水素酸が大気中に蒸発するのを防止でき、かつ蒸発によりエッチング液の組成が変化するのを防止できる。この場合も、エッチング液は恒温循環水槽の水を用いたウォータージャケットなどを使用して、室温付近に温度制御されるのが望ましい。
【0073】
光ファイバー1は、2層エッチング液を用いて所定時間エッチングを行ったあと、直ちに有機溶媒洗浄、水洗の順で洗浄される。有機溶媒は光ファイバー1に付着した第2の溶液層52の材料を洗浄するためのものであり、アセトン、アルコール類などが用いられるが、第2の溶液層52の材料を溶解し、かつ水溶性を有する他の有機溶媒を用いることもできる。
【0074】
図8の説明では炭酸ガスレーザーを用いた熱引張による先鋭化工程を示したが、光伝搬体を先鋭化する工程S1はフッ化水素酸を主成分とする化学エッチング法とすることもできる。
【0075】
図12に化学エッチングによる先鋭化の工程を表す模式図を示した。(a)はエッチング装置の構成を表す模式図、(b)は先鋭化部分の拡大模式図である。第1の溶液層61はフッ化水素酸を主成分とするエッチング液、第2の溶液層62は第1の溶液層61より比重が小さく、第1の溶液層61とは互いに反応かつ混合しない材料が用いられる。プローブ固定体4を配置する工程まで終了した光ファイバー1はエッチングジグ64に取り付けられる。エッチングジグ64は例えばZ軸移動機構により上下可能な構造であり、光ファイバー1をエッチング液に出し入れできる。エッチングジグ64には、あらかじめプローブ長の基準となる長さ基準ワイヤー63を設置しておく。光ファイバー1は長さ基準ワイヤー63より数mm長くなるように準備する。エッチングジグ64を静かに下降させ、光ファイバー1が第1の溶液層61に挿入され、長さ基準ワイヤー63が第1の溶液層61と第2の溶液層62の界面に達した位置で、エッチングジグ63の下降を停止する。長さ基準ワイヤー63が第1の溶液層61と第2の溶液層62の界面に達した位置は、基準ワイヤー63が界面に達するとメニスカスが形成されるので、注意深く観察することで判別可能である。必要に応じて実体顕微鏡などの作動距離の比較的大きい拡大鏡を使用することで容易に観察可能である。
【0076】
先鋭化されるエッチングの様子は図12(b)に示される通りである。光ファイバー1の第1の溶液層61と第2の溶液層62の界面にメニスカスが形成される。このとき、光ファイバー1の第1の溶液層側はエッチングされ、徐々に細径化される。細径化にともないメニスカスの高さが減少するため、光ファイバー1は自動的にテーパー状となり、先鋭部7が形成される。第1の溶液層61に浸漬されている部分が完全にエッチングされたところでエッチングを終了する。
【0077】
第1の溶液層61の材料としては、50%濃度のフッ化水素酸や、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合液が用いられる。また、第2の溶液層62の材料としては、図11の実施の形態に関する説明と同様に、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの有機溶媒や、鉱物油、植物油、化学合成油などの油脂類などが用いられる。第2の溶液層62は、光ファイバー1が挿入された時、エッチングを進行させる第1の溶液層との界面にメニスカスを形成するほか、フッ化水素酸の蒸発を防ぐ役割も果たす。長さ基準ワイヤー63は、金線、白金線など、フッ化水素酸および有機溶媒に対する薬品耐性を有する材料が用いられる。
【0078】
エッチング液は恒温循環水槽の水を用いたウォータージャケットなどを使用して、室温付近、または室温以下の一定温度に温度制御されるのが望ましい。また、光ファイバー1は、エッチングを行ったあと、直ちに有機溶媒洗浄、水洗の順で洗浄される。さらに、このエッチングは、空気バネ式の除振台等を用いることにより、安定したエッチング形状再現性が得られる。
【0079】
光ファイバー1はエッチングジグ64に複数本取り付け、一度にエッチングされるのが、製造効率上は望ましい。
【0080】
透過口を形成する金属膜被覆工程S3およびバネ機能部を金属膜被覆する工程S6は、回転蒸着方法による金属膜の被覆工程である。
【0081】
図13は透過口8を形成する金属膜被覆工程を示した図であり、回転蒸着用のジグに、光ファイバー1を設置した状態を表している。回転板71には光ファイバー取り付けアーム72が設置されている。光ファイバー取り付けアーム先端部分は、光ファイバー1の鈎状の形成角度と同一角度に折り曲げられている。光ファイバー1はプローブ固定体4を用いて光ファイバー取り付けアームに固定される。このとき、鈎状部の先端は、回転板の回転中心軸と同一、または中心付近に略平行に配置される。光ファイバーの設置本数は1本から数10本である。1回の蒸着本数はできるだけ多い方が、製造効率上は望ましい。
【0082】
光ファイバー1を設置した回転蒸着ジグは、回転機構を有する真空蒸着装置に取り付けられ、回転させながら所望の材料が所望の膜厚に真空蒸着される。このとき、蒸着角度Aは先端部の向いている方向に対し、20度から90度の範囲で選択される。蒸着膜厚は遮光に必要な膜厚、具体的には30nmから1000nm、蒸着速度は毎秒5nm以上、望ましくは10nmから100nmの高速蒸着とするのがより表面粗さの小さい平滑な金属膜を形成するうえで有効である。また、回転ジグの回転速度は毎分30回転から1000回転の範囲で選択される。
【0083】
この透過口を形成する金属膜被覆工程によれば、微小な透過口8を形成できるとともに、高速蒸着、高速回転により欠陥の少ない平滑な金属膜被覆を形成することができる。
【0084】
また、透過口8を形成する金属膜被覆工程は全膜厚を2回に分けて蒸着することで、ピンホール等の欠陥の発生を防止することができる。このとき、一回目の蒸着のあと、真空槽を一度大気に開放するか、真空排気を停止し、所望の圧力まで酸素を導入し一定時間放置した後、再び真空排気して2回目の蒸着を行う。
【0085】
この工程によれば、金属膜の結晶成長に不連続面を生じさせることができ、グレイン成長を抑止することが可能である。従って、より平滑なピンホールの少ない金属膜を形成することが可能であり、分解能が高く、バックグラウンドの低い高性能な光伝搬体プローブを製造することが可能となる。
【0086】
金属膜の材料としては、アルミニウム、アルミニウム−シリコン合金、金、銀などの金属材料が用いられる。また、2回に分けて蒸着する場合は、同一材料の2層構造が用いられるほか、銀/金、クロム/金、アルミニウム/金、アルミニウム−シリコン合金/金のいずれかの積層構造も用いられる。
【0087】
図14はバネ機能部10を金属膜被覆する工程を示した図であり、回転蒸着用のジグに透過口部をレジスト材で保護された光ファイバー1を設置した状態を表している。回転板71には光ファイバー取り付けアーム73が設置されている。図13に示した実施の形態とは、光ファイバー取り付けアーム73の形状が異なり、バネ機能部は、回転板の回転中心軸と同一、または中心付近に略平行に配置される。蒸着方法、材料などの詳細は図13の説明と変わるところはない。
【0088】
図15はバネ機能部10を金属膜被覆する別の工程を示した図であり、成膜用ジグに透過口部をレジスト材で保護された光ファイバー1を設置した状態を表している。光ファイバー1はプローブ固定体4を使って、プローブ支持台81に固定される。プローブ支持台81には中心軸82が取り付けられ、さらに中心軸82は軸固定機構部83に固定されている。光ファイバー1のバネ機能部10と中心軸82は同一直線状、または略平行に配置されており、光ファイバー1を中心軸82を回転軸として回転させて固定することができる。従って、任意の角度から成膜可能となる。この成膜方法は、真空蒸着に利用可能であるほか、真空槽内の空間が限られているスパッタ装置の利用に向いている。この成膜ジグを使用し、バネ機能部10まわりの少なくとも2方向から、望ましくは3方向以上から成膜することにより良好な金属膜被覆が形成できる。スパッタ装置を利用すれば、蒸着による成膜が難しい高融点金属や、合金の成膜が可能である。
【0089】
反射面を形成する工程S5は、鈎状に成形された光ファイバー1を機械研磨する工程である。
【0090】
図16 は反射面を形成する工程を表した図であり、( a ) は研磨開始前の状態、( b ) は研磨中の状態を表している。先鋭化され鈎状に成形された光ファイバー1 は、プローブ固定体4 で、先端部が上を向く方向に研磨用ステージ92 に固定される。研磨用ステージ92 はZ 軸移動機構93 で上下できる構成となっている。光ファイバー1 と、円盤状の回転研磨板91 の研磨面に対する角度A は、2 度から60 度の角度に設置される。Z 軸移動機構93 により研磨ステージ92 を下げていくと、光ファイバー1 の鈎状部の背面が研磨板に接触し、さらに研磨ステージ92 を下げると、バネ機能部10 が撓んで研磨圧力が発生する。回転研磨板91 の研磨面と光ファイバーの研磨部位の角度B が所望の角度、例えば0 度以上かつ角度A 以下となる位置で研磨ステージを固定し、一定時間研磨を行う。角度B 、即ち反射面5 の角度は0 . 5 度から5 度程度が選択される。回転研磨板は湿式が用いられるが、鏡面が得られる方式であれば、乾式も用いることができる。研磨圧力を発生させるバネ機能部10 のバネ定数は、ばね機能部の長さ、即ちプローブ固定体4 の設置位置により選択される。具体的には、光伝搬体プローブを使用する装置の仕様や蒸着装置の構造など、様々な項目に対応できるように設計されるが、たとえば5 m m から50 m m 程度である。回転研磨板91 の回転方向は、研磨方向がプローブ固定体4 から先端へ向かう方向が選択される。この研磨方向は光ファイバー1 に圧縮応力( 挫屈) を生じさせない方向である。
【0091】
次に、透過口部をレジスト材で保護する工程S4の詳細を説明する。
【0092】
図17は、透過口部をレジスト材で保護する工程を表した図である。平板状の基板101にレジスト材102が滴下され、表面張力により半球状となっている。少なくとも透過口を形成する金属膜被覆工程を終えた光ファイバー1は、プローブ固定体4でZ軸移動機構104を有するプローブステージ103に固定される。光ファイバー1の先端部を顕微鏡で観察しながら、徐々にプローブステージ103を下降させ、光ファイバー1の先鋭部7の先端から5μmから200μmがレジスト材102に挿入された時点でプローブステージ103を上昇させる。この工程により、光ファイバーの先端部にのみレジスト材102を被覆することができる。1回の工程で十分な被覆が得られない場合は、顕微鏡で観察しながら所望の被覆が得られるまで先鋭部7をレジスト材102に挿入、引き上げを繰り返し行う。基板101としては、例えば入手が容易な顕微鏡用のスライドグラスが用いられる。また、レジスト材102としては、酢酸ブチル、酢酸エチル、ニトロセルロースを主成分とする樹脂材料が用いられるが、半導体製造工程で用いられるフォトレジスト、ワックス剤などを用いることも可能である。
【0093】
この透過口部をレジスト材で保護する工程によれば、透過口部を損傷させることなく確実に透過口部を被覆することができる。また、レジスト材102は極微量の使い捨てとなるため、揮発成分の多い樹脂剤を使用する場合でも、経時的に濃度が変化することなく安定した被覆を行うことができる。
【0094】
レジスト材はプローブ先端を被覆したまま、バネ機能部を金属膜被覆する工程を行うため、蒸着時の熱などによる変質の可能性がある。レジスト材を除去する工程S7は、有機溶媒の超音波洗浄によりレジスト材を除去する工程である。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする有機溶媒が用いられるが、レジスト材を除去可能であればアルコール、アセトンなどの有機溶媒も使用可能である。
【0095】
以上、近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法を説明した。なお、光ファイバーは誘電体であるため、静電気により微細な異物を吸着しやすい。これに対し、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする有機溶媒による超音波洗浄は微小な異物の除去を効果的に行うことができる。従って、本実施の形態で説明した各工程において、必要に応じてN−メチル−2−ピロリドンを主成分とする有機溶媒による超音波洗浄を行うことが望ましい。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光伝搬体プローブの製造工程を、光伝搬体を先鋭化する工程、光伝搬体を鈎状に成形する工程、透過口を形成する金属膜被覆工程、透過口部をレジスト材で保護する工程、反射面を形成する工程、鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程、レジスト材を除去する工程で構成することにより、工程順序を一部変更しても、高性能な鈎状の光伝搬体プローブを容易に再現性良く製造することが可能となる。
【0097】
また、光伝搬体を先鋭化する工程は、炭酸ガスレーザーを用いた熱引張工程により行うことができ、精度の高い先鋭端を再現性良く形成することが可能である。
【0098】
また、光伝搬体を先鋭化する工程は、化学エッチング工程により行うことができ、エッチング液をフッ化水素酸を主成分とする溶液層と、比重の小さい有機溶媒または油脂の液層で構成することにより、再現性良くエッチングできることに加え、フッ化水素酸の蒸発を防止することができ、製造工程の安全性が高くなる。
【0099】
また、光伝搬体中にある円筒状の細長い空洞欠陥の有無を検査する工程を行うことにより、欠陥に起因する光伝搬体プローブの不良発生を防止することが可能であり、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0100】
伝搬体を鈎状に成形する工程は、先鋭化した光伝搬体の先端近傍の所望の位置に炭酸ガスレーザー光を照射する工程とすることにより、形状再現性の良い鈎形状を作製することが可能となる。
【0101】
さらに、反射面を形成する工程は、光伝搬体の鈎状部分に対して先端部の反対側を、回転する研磨板に押し当てて機械研磨する工程であり、押し当ては光伝搬体自体の弾性を利用して行うことにより、位置精度および角度精度、形状再現性の良い反射面を容易に形成することが可能である。
【0102】
また、透過口を形成する金属膜被覆工程は、光伝搬体を回転させながら蒸着を行う回転蒸着ジグを用いた真空蒸着工程であり、回転蒸着ジグは、その回転軸が先鋭化され鈎状に成形された光伝搬体の先端部の中心軸と同一、または略平行となるように光伝搬体を保持する構造とすることにより、容易に透過口を形成することができる。また、真空蒸着工程は2回に分けて行い、1回目の真空蒸着と2回目の真空蒸着の間は、真空槽を一度大気に開放するか、真空排気を停止し、所望の圧力になるまで酸素ガスを導入して一定時間放置することにより、光学的なバックラウンドに影響する欠陥の少ない平滑な遮光膜を被覆することが可能であり、また再現性良く透過口を形成することが可能となる。
【0103】
また、鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程は、光伝搬体を回転させながら蒸着を行う回転蒸着ジグを用いた真空蒸着工程または、バネ機能部の中心軸まわりの少なくとも2方向以上から成膜する工程であり、これらの金属膜被覆工程によれば、容易にバネ機能部を金属膜被覆することが可能である。
【0104】
さらに、透過口部をレジスト材で保護する工程は、平板にレジスト材を微量滴下し、レジスト材の表面張力自体で盛り上がった部分に対し、透過口部を精密ステージを用いて挿入することにより、透過口部を損傷させることなく確実に透過口部を被覆することが可能となる。
【0105】
また、レジスト材の除去は、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする洗浄液を用いた超音波洗浄を用いることにより、効果的にレジスト材を除去することが可能である。
【0106】
また、光伝搬体のハンドリングは、イオナイザー、帯電防止シート、光伝搬体保管用金属ケース、湿度コントロールなどの静電気防止手段を用いることにより、異物に起因する金属膜被覆の不良を防止でき、分解能が高く、またバックグラウンドの小さい高性能な光伝搬体プローブを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る近視野野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法のフロー図である。
【図2】本発明の近視野野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法によって製造される近視野顕微鏡用プローブの構成を表す斜視図である。
【図3】図2に示す近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る近視野野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法のフロー図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る近視野野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法のフロー図である。
【図6】本発明の円筒状の空洞欠陥検査試料の構成図である。
【図7】本発明のプローブ固定体部分の構成を表す断面図である。
【図8】本発明の炭酸ガスレーザーを用いた熱引張装置の構成を表す概要図である。
【図9】本発明により製造する光ファイバーのくびれた様子の模式図である。
【図10】本発明の鈎状成形工程を表す成形装置の配置図である。
【図11】本発明の2層エッチング液を用いた湿式の化学エッチングの模式図である。
【図12】本発明の化学エッチングによる先鋭化の工程を表す模式図である。
【図13】本発明の透過口を形成する金属膜被覆工程を示した図である。
【図14】本発明のバネ機能部を金属膜被覆する工程を示した図である。
【図15】本発明のバネ機能部を金属膜被覆する別の工程を示した図である。
【図16】本発明の反射面を形成する工程を表した図である。
【図17】本発明の透過口部をレジスト材で保護する工程を表した図である。
【図18】従来例による光ファイバープローブの構成を表した図である。
【符号の説明】
S1 光伝搬体を先鋭化する工程
S2 光伝搬体を鈎状に成形する工程
S3 透過口を形成する金属膜被覆工程
S4 透過口部をレジスト材で保護する工程
S5 反射面を形成する工程
S6 バネ機能部を金属膜被覆する工程
S7 レジスト材を除去する工程
1 光ファイバー
2 コア
3 クラッド
4 プローブ固定体
4a プローブ固定体の端面
5 反射面
6 光伝搬体プローブ
7 先鋭部
8 透過口部
9 金蔵膜被覆
21 第1のガラス板
22 第2のガラス板
23 屈折率マッチングオイル
31 支持体
31a プローブ固定体の基準面
32 押さえ板
33 被覆端
34 V溝
41 第1のスライダー
42 第2のスライダー
43 第1のバネ機構
44 第2のバネ機構
45 ストッパー
46 集光レンズ
47 張力調整機構
48 X軸ステージ
49 炭酸ガスレーザー光
51 第1の溶液層
52 第2の溶液層
61 第1の溶液層
62 第2の溶液層
63 長さ基準ワイヤー
64 エッチングジグ
71 回転板
72 光ファイバー取り付けアーム
73 光ファイバー取り付けアーム
81 プローブ支持台
82 中心軸
83 軸固定機構部
91 円盤状の回転研磨板
92 研磨用ステージ
93 Z軸移動機構
101 平板状の基板
102 レジスト材
103 プローブステージ
104 Z軸移動機構
201 コア
202 クラッド
203 先鋭部
204 被覆層
205 開口部
Claims (26)
- 端部に光を透過する透過口と、該透過口部を除く先端部に金属膜被覆とを有し、中心部のコアと該コアの周囲のクラッドを有する光伝搬体からなり、透過口部が先鋭な先端部となるように構成され、前記先端部近傍において鈎状の形状を有し、試料面に対して垂直方向に変位可能なバネ性を有するカンチレバーとして機能し、前記鈎状部分に対して前記先端部の反対側に前記先端部の位置検出を光学的に行うため反射面を有する近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法であり、
一対のバネ機構により前記光伝搬体に張力を加えて炭酸ガスレーザー光をレンズにより集光して照射することで前記光伝搬体を局所的に加熱して引張破断することによって前記光伝搬体を局所的にクラッドの外周からコアの中心にかけて円錐状に先鋭化する工程と、
該先鋭化した前記光伝搬体の先端付近の所望部に炭酸ガスレーザー光をレンズにより集光して照射することにより鈎状に成形する工程と、
前記光伝搬体の前記鈎状部分に対して前記先端部の反対側のクラッド部を、回転する研磨板に対して前記光伝搬体自体の弾性を利用して押し当てて機械研磨することにより前記鈎状の曲部から後方のバネ機能部のうち少なくとも一部に前記反射面を形成する工程と、
前記透過口を形成する金属膜被覆工程と、
前記透過口部をレジスト材で保護する工程と、
前記鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程と、前記レジスト材を除去する工程とを含むことを特徴とする近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。 - 端部に光を透過する透過口と、該透過口部を除く先端部に金属膜被覆とを有し、中心部のコアと該コアの周囲のクラッドを有する光伝搬体からなり、透過口部が先鋭な先端部となるように構成され、前記先端部近傍において鈎状の形状を有し、試料面に対して垂直方向に変位可能なバネ性を有するカンチレバーとして機能し、前記鈎状部分に対して前記先端部の反対側に前記先端部の位置検出を光学的に行うため反射面を有する近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法であり、
フッ化水素酸を主成分とする第1の溶液層と、該第1の溶液層より比重が小さく、該第1の溶液層と相互に反応かつ混合しない第2の溶液層からなるエッチング液に浸漬することで前記光伝搬体を局所的にクラッドの外周からコアの中心にかけて円錐状に先鋭化する工程と、
該先鋭化した前記光伝搬体の先端付近の所望部に炭酸ガスレーザー光をレンズにより集光して照射することにより鈎状に成形する工程と、
前記光伝搬体の前記鈎状部分に対して前記先端部の反対側のクラッド部を、回転する研磨板に対して前記光伝搬体自体の弾性を利用して押し当てて機械研磨することにより前記鈎状の曲部から後方のバネ機能部のうち少なくとも一部に前記反射面を形成する工程と、
前記透過口を形成する金属膜被覆工程と、
前記透過口部をレジスト材で保護する工程と、
前記鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程と、前記レジスト材を除去する工程とを含むことを特徴とする近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。 - 端部に光を透過する透過口と、該透過口部を除く先端部に金属膜被覆とを有し、中心部のコアと該コアの周囲のクラッドを有する光伝搬体からなり、透過口部が先鋭な先端部となるように構成され、前記先端部近傍において鈎状の形状を有し、試料面に対して垂直方向に変位可能なバネ性を有するカンチレバーとして機能し、前記鈎状部分に対して前記先端部の反対側に前記先端部の位置検出を光学的に行うため反射面を有する近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法であり、
前記光伝搬体を局所的にクラッドの外周からコアの中心にかけて円錐状に先鋭化する工程と、
前記光伝搬体を鈎状に成形する工程と、
前記鈎状の曲部から後方のバネ機能部のうち少なくとも一部に前記反射面を形成する工程と、
前記透過口を形成する金属膜被覆工程と、
前記透過口部をレジスト材で保護する工程と、
前記鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程と、前記レジスト材を除去する工程とを含み、
前記光伝搬体を先鋭化する工程は、一対のバネ機構により前記光伝搬体に張力を加え、炭酸ガスレーザー光をレンズにより集光して照射することで前記光伝搬体を局所的に加熱して引張破断させた後、湿式の化学エッチングにより前記先端部を整形する手順を含むことを特徴とする近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。 - 前記一対のバネ機構は、それぞれのバネ定数または初期張力を独立に調整可能なバネ機構であり、それぞれのバネ定数または初期張力を独立に調整する手順を含むことを特徴とする請求項1又は3のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記炭酸ガスレーザー光を集光する前記レンズはシリンドリカルレンズであり、前記炭酸ガスレーザー光を線焦点が前記光伝搬体を横断する方向に集光するとともに、前記光伝搬体の位置を焦点または焦点の前後に調整する手順を含むことを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記炭酸ガスレーザー光を集光する前記レンズは球面レンズであり、前記炭酸ガスレーザー光を集光するとともに、前記光伝搬体の位置を焦点または焦点の前後に調整する手順を含むことを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記炭酸ガスレーザー光は、前記光伝搬体が所定の伸びとなるまでは前記光伝搬体が緩やかな伸びを示す程度の比較的小さい出力で照射したのち、出力を増加させて破断させる手順を含むことを特徴とする請求項1又は3〜6のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記出力を増加させて破断させる手順において、前記炭酸ガスレーザーの出力は一定速度で増加させることを特徴とする請求項7に記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記炭酸ガスレーザー光を照射して前記光伝搬体を引張破断させる工程は、カメラ装置を用いて同時観察され、光軸の確認や前記光伝搬体の伸びの状態がモニターされることを特徴とする請求項1又は3〜8のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記湿式の化学エッチングは、引張破断された前記光伝搬体を、フッ化水素酸を主成分とするエッチング液に浸漬して前記先端部をさらに先鋭化させる手順を含むことを特徴とする請求項3に記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記湿式の化学エッチングは、引張破断された前記光伝搬体を、フッ化水素酸を主成分とする第1の溶液層と、該記第1の溶液層より比重が小さく、該記第1の溶液層と相互に反応かつ混合しない第2の溶液層からなるエッチング液に浸漬することで前記光伝搬体の前記先端部をさらに先鋭化させる手順を含むことを特徴とする請求項3又は10のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記光伝搬体を先鋭化する工程は、前記光伝搬体の少なくとも先鋭部中にある円筒状の空洞欠陥の有無を検査する工程を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記空洞欠陥の有無を検査する工程は、光透過性の2枚のガラス板の間に前記光伝搬体を配置し、さらに前記2枚のガラス板間を前記光伝搬体の屈折率と同等の屈折率を有する透明な液体で満たした後、前記光伝搬体を光学顕微鏡で観察する手順を含むことを特徴とする請求項12に記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記空洞欠陥の有無を検査する工程における前記光学顕微鏡を用いた前記光伝搬体の観察は、暗視野観察により行われることを特徴とする請求項12又は13に記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記光伝搬体を機械研磨する工程は、前記光伝搬体を所定の長さ突出させて、前記研磨板の表面に対して第1の角度で研磨用ステージに固定し、前記研磨用ステージと前記研磨板を相対的に近接させ、前記光伝搬体の研磨部位を前記研磨板に接触させ、さらに前記研磨用ステージと前記研磨板を相対的に近接させ、前記光伝搬体の前記研磨部位を前記研磨板の表面に対して第2の角度に保持する手順を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記所定の長さは5mm以上50mm以下の範囲であり、前記第1の角度は2度以上60以下の範囲であり、前記第2の角度は0度以上かつ前記第1の角度より小さいことを特徴とする請求項15に記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記透過口を形成する金属膜被覆工程は、前記光伝搬体を回転させながら蒸着を行う回転蒸着ジグを用いた真空蒸着工程であり、前記回転蒸着ジグは、その回転軸が先鋭化され鈎状に成形された前記光伝搬体の前記先端部の中心軸と同一、または略平行となるように前記光伝搬体を保持する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記透過口を形成する金属膜被覆工程は、所望の膜厚の前記金属膜被覆を少なくとも2 回に分けて蒸着する工程であり、1 回目の蒸着を行い、真空槽を大気に解放し、2 回目の蒸着を行う手順を含むことを特徴とする請求項1〜3または請求項17のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記透過口を形成する金属膜被覆工程は、所望の膜厚の前記金属膜被覆を少なくとも2 回に分けて蒸着する工程であり、1 回目の蒸着を行い、真空排気を停止して真空槽に所望の圧力まで酸素ガスを導入し、再び真空排気して2 回目の蒸着を行う手順を含むことを特徴とする請求項1〜3または17のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程は、前記光伝搬体を回転させながら蒸着を行う回転蒸着ジグを用いた真空蒸着工程であり、前記回転蒸着ジグは、その回転軸が前記鈎状部から後方のバネ機能部の中心軸と同一、または略平行となるように前記光伝搬体を保持する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記鈎状部から後方のバネ機能部を金属膜被覆する工程は、前記鈎状部から後方のバネ機能部の中心軸まわりの少なくとも2方向以上から真空蒸着、またはスパッタによって金属膜を成膜する工程であり、成膜用の前記光伝搬体固定ジグは、前記光伝搬体を、前記鈎状部から後方の直線部分の中心軸まわりに容易に回転可能な構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記金属膜被覆は、重量比率で0.5〜2%のシリコンを組成に含むアルミニウム− シリコン合金を含む膜であることを特徴とする請求項1〜3,17〜21のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記金属膜被覆の膜厚は30nm 〜1000nmのであることを特徴とする請求項1 〜3または請求項17〜22のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記真空蒸着工程は、成膜速度が毎秒5nm〜100nmであることを特徴とする請求項17〜23のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記真空蒸着工程は、前記回転蒸着ジグの回転速度が毎分30回転から1000回転の範囲であることを特徴とする請求項17〜20および請求項22〜24のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
- 前記透過口部をレジスト材で保護する工程は、平板に前記レジスト材を微量滴下し、前記レジスト材の表面張力自体で盛り上がった部分に対し、前記透過口部を精密ステージを用いて5〜200μm 挿入する手順を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002326709A JP4180885B2 (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | 近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法 |
US10/692,345 US7282157B2 (en) | 2002-11-11 | 2003-10-23 | Method of manufacturing light-propagating probe for near-field microscope |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002326709A JP4180885B2 (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | 近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004163147A JP2004163147A (ja) | 2004-06-10 |
JP4180885B2 true JP4180885B2 (ja) | 2008-11-12 |
Family
ID=32652546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002326709A Expired - Fee Related JP4180885B2 (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | 近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7282157B2 (ja) |
JP (1) | JP4180885B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8601608B2 (en) * | 2005-03-31 | 2013-12-03 | Japan Science And Technology Agency | Cantilever for scanning probe microscope and scanning probe microscope equipped with it |
WO2006116738A1 (en) * | 2005-04-27 | 2006-11-02 | University Of Maryland | Optical fiber probe tips and methods for fabricating same |
JP4544150B2 (ja) * | 2005-12-16 | 2010-09-15 | トヨタ自動車株式会社 | 近接場光プローブ |
JP5220559B2 (ja) * | 2008-11-06 | 2013-06-26 | 本田技研工業株式会社 | ペダルブラケットの固定構造 |
US9977050B2 (en) * | 2009-11-06 | 2018-05-22 | Swisslitho Ag | Wear-less operation of a material surface with a scanning probe microscope |
WO2011103562A1 (en) * | 2010-02-22 | 2011-08-25 | University Of Houston | Neutral particle nanopatterning for nonplanar multimodal neural probes |
CN103757675B (zh) * | 2014-01-20 | 2016-05-11 | 厦门大学 | 一种afm硅针尖脉冲电镀纳米厚度致密金薄膜方法 |
KR20220034494A (ko) | 2020-09-11 | 2022-03-18 | 삼성전자주식회사 | 근접장 검출용 프로브 및 이를 포함하는 근접장 검출 시스템 |
CN113091588B (zh) * | 2021-04-27 | 2023-01-24 | 重庆大学 | 一种基于涂层应变测量的弹簧位移测量系统和方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3982943A (en) * | 1974-03-05 | 1976-09-28 | Ibm Corporation | Lift-off method of fabricating thin films and a structure utilizable as a lift-off mask |
JP3825568B2 (ja) * | 1998-02-23 | 2006-09-27 | エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 | 近接場光顕微鏡用プローブとその製造方法および走査型近接場光顕微鏡 |
JP3764816B2 (ja) * | 1998-03-23 | 2006-04-12 | エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 | フラミンゴ型光プローブおよびフラミンゴ型光プローブ製造方法と走査型プローブ顕微鏡 |
WO2001044777A1 (fr) * | 1999-12-16 | 2001-06-21 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Procede de detection des defauts des fibres optiques |
JP2002162332A (ja) * | 2000-11-27 | 2002-06-07 | Canon Inc | 近接場光プローブの作製方法と近接場光プローブの作製装置、及び近接場光プローブ、近接場光学顕微鏡、近接場光微細加工装置、近接場光記録再生装置 |
-
2002
- 2002-11-11 JP JP2002326709A patent/JP4180885B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2003
- 2003-10-23 US US10/692,345 patent/US7282157B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US7282157B2 (en) | 2007-10-16 |
US20040126073A1 (en) | 2004-07-01 |
JP2004163147A (ja) | 2004-06-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4812046B2 (ja) | 光導波路プローブの製造方法 | |
JP3278164B2 (ja) | 光ファイバ及びその製造方法 | |
EP0701102B1 (en) | Combined scanning near-field optical and atomic-force microscope with observing function in liquid | |
JP4180885B2 (ja) | 近視野顕微鏡用光伝搬体プローブの製造方法 | |
US6285811B1 (en) | Near-field optical microscope with infrared fiber probe | |
JP2001272285A (ja) | 光ファイバの残留応力及び光弾性効果測定のための測定装置及びその方法 | |
US7933482B2 (en) | Optical fiber probe tips and methods for fabricating same | |
US6104030A (en) | Optical probe having tapered wave guide and scanning near-field optical microscope utilizing optical probe | |
US10989867B2 (en) | Microsphere based patterning of metal optic/plasmonic sensors including fiber based sensors | |
Unger et al. | Etched chalcogenide fibers for near-field infrared scanning microscopy | |
JP2001208671A (ja) | 光ファイバープローブおよび微小開口付カンチレバーと、それらの開口形成方法 | |
JP2001305072A (ja) | 基板の欠陥検出方法及び装置 | |
CN102279007A (zh) | 光纤耦合波导光栅传感器及其制备方法 | |
EP0874216B1 (en) | Optical probe, method of manufacturing an optical probe, and scanning probe microscope | |
EP1567458A1 (en) | Integrated simulation fabrication and characterization of micro and nano optical elements | |
JP3825568B2 (ja) | 近接場光顕微鏡用プローブとその製造方法および走査型近接場光顕微鏡 | |
EP1148371B1 (en) | Manufacturing method for an optical waveguide probe in a scanning near field optical microscope | |
US20060042321A1 (en) | Integrated simulation fabrication and characterization of micro and nano optical elements | |
JP4183684B2 (ja) | 近接場光学顕微鏡用のプローブとその製造方法 | |
US20210124270A1 (en) | Method of mitigating defects on an optical surface and mirror formed by same | |
JP2006514274A (ja) | 散乱光を抑制した近接場光学顕微鏡プローブおよびその製造方法 | |
JP2004325222A (ja) | 光ファイバプローブの製造方法 | |
Mu | SiN Drum Resonator Fabrication and Integrated Actuation Using Substrate Capacitors | |
JP3260300B2 (ja) | 光ファイバープローブ及びその製造方法 | |
JPH1026628A (ja) | キャピラリ及びその製造方法並びにこれを用いた走査型近接場顕微鏡 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20040309 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040616 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050714 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080318 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080424 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080527 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080724 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20080731 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080826 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080828 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20091108 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |