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JP4178849B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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JP4178849B2
JP4178849B2 JP2002184948A JP2002184948A JP4178849B2 JP 4178849 B2 JP4178849 B2 JP 4178849B2 JP 2002184948 A JP2002184948 A JP 2002184948A JP 2002184948 A JP2002184948 A JP 2002184948A JP 4178849 B2 JP4178849 B2 JP 4178849B2
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邦夫 岡本
哲斉 尾崎
工藤  弘康
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素と酸素との化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池システムに関するもので、車両、船舶及びポータブル発電器等の移動体に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水素と空気(酸素)との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池システムが知られている。燃料電池では、発電に伴い内部で水分が発生する。また、高分子型電解質膜を有する固体高分子型燃料電池では、電解質膜の導電性を向上させる目的で、外部から水分供給が行われている。冬期等の低温環境下では、これらの燃料電池内に存在する水分が凍結してしまい、燃料電池が始動しないあるいは出力が低下するという問題がある。
【0003】
このため、例えば電気自動車に搭載される燃料電池システムでは、予め外部の熱源(商用電源等)を用いて電気ヒータで燃料電池を保温しておく方法や、加熱ヒータを車両に搭載して始動時に燃料電池を昇温する方法等がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、外部電源を用いる方法では、停車場所が限定されてしまうため、ユーザの利便性が悪くなるという問題がある。また、加熱ヒータを車両に搭載する方法では、短時間で燃料電池の昇温させるためには大容量のヒータが必要となるため、車両への搭載性の面で不利であった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、低温環境下において小型の熱源を用いて燃料電池を短時間で始動可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、積層された複数のセル(10a)を有するとともに、前記セルにて水素と酸素とを電気化学反応させて電力を得る燃料電池(10)と、前記複数のセル(10a)のそれぞれに対して熱媒体を循環させる熱媒体循環経路(20)と、前記熱媒体循環経路(20)に循環する前記熱媒体の流量を制御する熱媒体循環手段(24)と、前記熱媒体を加熱する加熱手段(32)と、前記熱媒体循環経路(20)に設けられ、前記熱媒体を前記複数のセル(10a)のそれぞれにおいて一部の部位のみを循環させ、他の部位をバイパスさせるバイパス経路(30)と、前記バイパス経路(30)または前記熱媒体循環経路(20)の少なくとも一方に、前記熱媒体のバイパス流量を制御する流路制御手段(31)とを備える燃料電池システムであって、前記燃料電池(10)を暖機運転する際に、前記複数のセル(10a)のすべてにおける一部の部位を集中的に加熱することを特徴としている。
【0007】
このように、暖機運転時に燃料電池(10)の一部の部位を集中的に加熱することで一部の部位において発電を可能とし、一部の部位での発電による自己発熱を利用して残りの部位の加熱を行うことができる。これにより、暖機運転に必要な熱量が小さくなるので、低温環境下において小型の熱源により燃料電池を短時間で起動させることができる。
【0009】
請求項1の構成により、バイパス経路(30)により燃料電池(10)の一部のみに加熱された熱媒体を循環させて部分的な加熱を行うことができる。また、燃料電池(10)の一部で発電が開始された後は、熱媒体を燃料電池全体に循環させることで、発電により生じた熱を燃料電池全体に伝えて燃料電池全体を加熱することができる。このような構成によれば、従来より燃料電池システムに備えられている冷却システムにわずかな構成要素を付加するだけで、燃料電池の部分的な加熱を行うことができる。
【0010】
また、請求項に記載の発明では、前記燃料電池(10)における集中的に加熱される部位の温度(Tfc)を検出する温度検出手段(33)を備え、前記温度検出手段(33)により検出された燃料電池温度(Tfc)に基づいて、前記加熱手段(32)による前記熱媒体の加熱量の制御、前記熱媒体循環手段(24)による前記熱媒体の循環量の制御、および前記流路制御手段(31)によるバイパス流量の制御を行うことを特徴としている。
【0011】
具体的には、請求項に記載の発明のように、前記燃料電池(10)の暖機運転を行う際に、前記燃料電池温度(Tfc)が所定温度(Tfb)より低い場合には、前記熱媒体のすべてを前記バイパス経路(30)に循環させて、前記熱媒体を前記複数のセル(10a)のそれぞれにおける一部の部位のみに循環させ、前記燃料電池温度(Tfc)が前記所定温度(Tfb)より高い場合には、前記複数のセル(10a)のそれぞれに水素および酸素の供給を行うとともに、前記燃料電池温度(Tfc)に基づき前記バイパス流量を調整することで、前記セル(10a)の他の部位に対する前記熱媒体の循環量を調整することができる。
【0012】
また、請求項に記載の発明では、前記複数のセル(10a)のそれぞれにおいて、水素あるいは酸素の出口側近傍より前記熱媒体が流入し、水素あるいは酸素の入口側近傍より前記熱媒体が流出することを特徴としている。これにより、電気化学反応により生成する生成水が、水素あるいは酸素の出口側近傍にて低温環境下で凍結することを防止できる。
【0013】
また、請求項に記載の発明では、前記複数のセル(10a)のそれぞれにおいて、水素あるいは酸素の入口側近傍より前記熱媒体が流入し、水素あるいは酸素の出口側近傍より前記熱媒体が流出することを特徴としている。これにより、加湿水素あるいは加湿酸素に含まれる水分が、水素あるいは酸素の入口側近傍にて低温環境下で凍結することを防止できる。
【0014】
また、請求項に記載の発明では、前記バイパス経路(30)により、前記熱媒体を前記複数のセル(10a)のそれぞれにおける一部の部位のみを循環させている場合に、前記熱媒体の流れ方向を切り替える熱媒体流れ方向切替手段(34〜36、25)を備えることを特徴としている。
【0015】
これにより、暖機運転をする際に、積層されたセル(10a)間で温度分布が生じることを防止できる。
【0016】
また、請求項に記載の発明では、前記セル(10a)内において、前記セル(10a)に供給される酸素の流れ方向を切り替える酸素流れ方向切替手段(16〜18)を備えることを特徴としている。
【0017】
燃料電池に供給される酸素は比較的高温となっているので、このように酸素流れ方向を切り替えることで、酸素排出部近傍において発生する水分の凍結を防止できる。
【0018】
また、請求項に記載の発明では、前記セル(10a)内において、前記セル(10a)に供給される水素の流れ方向を切り替える水素流れ方向切替手段を備えることを特徴としている。
【0019】
燃料電池に供給される水素は比較的高温となっているので、このように水素流れ方向を切り替えることで、水素排出部近傍において発生する水分の凍結を防止できる。
【0020】
また、請求項に記載の発明では熱媒体循環経路(20)に設けられ、熱媒体を冷却する冷却手段(21)と、熱媒体循環経路(20)において熱媒体冷却手段(21)と並列的に設けられた加熱経路(26)と、熱媒体の流路を、冷却手段(21)あるいは加熱手段(32)に切り替える流路切替手段(27)とを備え、加熱手段(32)は、加熱経路(26)に設けられており、流路切替手段(27)により、暖機運転時には加熱手段(32)に熱媒体を循環させ、通常運転時には冷却手段(21)に熱媒体を循環させることを特徴としている。
【0021】
これにより、通常運転時には熱媒体が加熱手段(32)を通過しないので、暖機運転終了後に熱媒体循環経路(20)で圧力損失が増加するのを防ぐことができ、熱媒体を循環させるための補機類の消費電力増加を防止できる。
【0022】
また、請求項10に記載の発明では、バイパス経路(30)に循環する前記熱媒体の流量を制御するバイパス経路熱媒体循環手段(38)を備え、流路制御手段は、バイパス経路熱媒体循環手段(38)であることを特徴としている。このように、熱媒体循環手段(24)に加えてバイパス経路熱媒体循環手段(38)を設けることで、熱媒体の流量制御性を向上させることができる。
【0023】
また、請求項11に記載の発明では、燃料電池(10)における集中的に加熱される部位の燃料電池部分温度(Tfc)を検出する第1の温度検出手段(33と、燃料電池(10)全体の燃料電池全体温度(Tfo)を検出する第2の温度検出手段(25)とを備え、燃料電池部分温度(Tfc)および燃料電池全体温度(Tfo)に基づいて、加熱手段(32)による熱媒体の加熱量の制御、第1の熱媒体循環手段(24)による熱媒体循環量の制御、およびバイパス経路熱媒体循環手段(24)による熱媒体循環量の制御を行うことを特徴としている。
【0024】
具体的には、請求項12に記載の発明のように、燃料電池部分温度(Tfc)が所定温度(Tfb)より低い場合には、熱媒体循環経路(20)およびバイパス経路(30)における熱媒体流量を一致させ、熱媒体のすべてをバイパス経路(30)に循環させて、燃料電池(10)の一部を集中的に加熱し、燃料電池部分温度(Tfc)が所定温度(Tfb)より高い場合には、複数のセル(10a)のそれぞれに水素および酸素を供給を行うとともに、燃料電池(10)に流入する熱媒体の温度を所定温度(Tfi)に保つように、燃料電池(10)の他の部位に対する熱媒体の循環量を調整することができる。
【0025】
また、請求項13に記載の発明では、第1の温度検出手段および第2の温度検出手段は、熱媒体循環経路(20)におけるバイパス経路(30)の合流点の下流側に設けられた1つの温度検出手段(25)からなることを特徴としている。これにより、システム構成を簡素化することができる。
【0026】
また、請求項14に記載の発明では、熱媒体循環手段(24)が循環させることができる熱媒体の最低流量と、バイパス経路熱媒体循環手段(38)が循環させることができる熱媒体の最大流量とが一致していることを特徴としている。このように、バイパス経路熱媒体循環手段(38)は、熱媒体循環手段(24)に比較して小容量のものを用いることができる。
【0027】
また、請求項15に記載の発明では、加熱手段(32)は、熱媒体循環経路(20)における熱媒体循環手段(24)と燃料電池(10)との間に配置されていることを特徴としている。これにより、加熱手段(32)にて加熱された熱媒体が熱媒体循環手段(24)を通過して熱が奪われることを防止できる。
【0028】
また、請求項16に記載の発明では、加熱手段(32)は、燃料電池(10)の熱媒体入口近傍に配置されていることを特徴としている。これにより、熱のロスを最小限に抑えることができ、燃料電池(10)を加熱する際の熱効率を向上させることができる。
【0029】
また、請求項17に記載の発明では、熱媒体循環経路(20)から分岐した後に再合流する加熱バイパス経路(40)を備え、加熱手段(32)は加熱バイパス経路(40)に設けられていることを特徴としている。
【0030】
これにより、熱媒体循環経路(20)に加熱手段(32)を設ける場合にも、加熱手段(32)で熱媒体を加熱する必要がない場合には、熱媒体を加熱手段(32)をバイパスさせることができる。従って、大流量の熱媒体を循環させても、加熱手段(32)による圧力損失を防ぐことができる。また、加熱手段(32)に大流量の熱媒体が流れるのを防ぐことができるので、加熱手段(32)の耐久性を向上させることができる。
【0031】
また、請求項18に記載の発明では、加熱バイパス経路(40)が熱媒体循環経路(20)に再合流する箇所には加熱手段(32)に流れる熱媒体の流量を調整可能な流量調整手段(41)が設けられていることを特徴としている。これにより、熱媒体の加熱温度を調整することができ、燃料電池(10)の加熱温度を調整することができる。
【0032】
また、請求項19に記載の発明では、バイパス経路(30)は、熱媒体循環経路(20)の燃料電池(10)の熱媒体流入側における熱媒体循環手段(24)の上流側に接続されていることを特徴としている。これにより、請求項16〜19と同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、請求項20に記載の発明では、バイパス経路(30)は、熱媒体循環経路(20)の燃料電池(10)の熱媒体流出側と交差しており、バイパス経路(30)と熱媒体循環経路(20)の燃料電池(10)の熱媒体流出側との交差点には四方弁(42)が設けられ、四方弁(42)は、熱媒体循環経路(20)あるいはバイパス経路(30)を流れる熱媒体の流路を熱媒体循環経路(20)あるいはバイパス経路(30)に切り替えることができることを特徴としている。
【0034】
これにより、熱媒体の流路を任意に切り替えることができるとともに、バイパス経路(30)の熱媒体循環手段(38)を省略することができる。
【0035】
また、請求項21に記載の発明では、バイパス経路(30)の配管径は、熱媒体循環経路(20)の配管径より小さいことを特徴としている。これにより、バイパス経路(30)に流れる熱媒体流量を少なくすることができ、暖機運転に用いられる熱媒体の熱容量を小さくすることができる。従って、暖機運転時に熱媒体を早期に昇温することができ、燃料電池(10)の暖機時間を短縮することができる。
【0036】
また、請求項22に記載の発明ではバイパス経路(30)に設けられ、熱媒体を循環させるバイパス経路熱媒体循環手段(38)を備え、加熱手段(32)は、前記バイパス経路(30)に設けられており、流路制御手段は、バイパス経路熱媒体循環手段(38)であり、熱媒体循環手段(24)による熱媒体循環流量およびバイパス経路熱媒体循環手段(38)による熱媒体循環流量を制御することにより、熱媒体循環経路(20)およびバイパス経路(30)に循環する熱媒体流量を制御することを特徴としている。
【0037】
このような構成により、燃料電池(10)の一部を集中的に加熱する際に、熱媒体が循環する経路が短くなるので、一部加熱を行う時間を短くすることができる。
【0038】
また、請求項24に記載の発明では、複数のセル(10a)のそれぞれに対して熱媒体を循環させる熱媒体循環経路(20)と、熱媒体循環手段(20)に熱媒体を循環させる熱媒体循環手段(24)と、複数のセル(10a)のすべてにおける一部の部位を直接的に加熱する加熱手段(37)を備えることを特徴としている。このように、セル(10a)を直接的に加熱する場合であっても、熱媒体を介して加熱する場合と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、請求項23に記載の発明では、燃料電池(10)にて発電した電力を熱エネルギに変換して熱媒体を加熱する電気式加熱手段(39)を備えていることを特徴としている。このように燃料電池(10)の発電電力を利用することで、より早期に燃料電池(10)の暖機運転を完了することができる。
【0040】
また、請求項24に記載の発明では、複数のセル(10a)のすべてにおける一部の部位を集中的に加熱する際に、燃料電池(10)における水素が供給される水素極あるいは酸素が供給される酸素極の少なくとも一方に、水素および酸素の混合ガスを供給することを特徴としている。
【0041】
燃料電池(10)の水素極および酸素極には、通常Ptからなる触媒が担持されている。このため、水素および空気の混合気が導入されることにより水素が触媒燃焼する。これにより得られる発熱を利用して燃料電池(10)を効率よく部分的に加熱することができる。
【0042】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を適用した第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本第1実施形態の燃料電池システムは、燃料電池を電源として走行する電気自動車(燃料電池車両)に適用したものである。
【0044】
図1は、本第1実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。図1に示すように、本第1実施形態の燃料電池システムは、燃料電池10、水素供給装置11、空気供給装置12、加熱冷却システム20〜33、制御部100等を備えている。
【0045】
燃料電池(FCスタック)10は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生するものである。本第1実施形態では燃料電池10として固体高分子電解質型燃料電池を用いており、基本単位となるセル10aが複数積層されて構成されている。各セル10aは、電解質膜が一対の電極で挟まれた構成となっている。燃料電池10では、水素および空気(酸素)が供給されることにより、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
(水素極側)H2→2H++2e-
(酸素極側)2H++1/2O2 +2e-→H2
燃料電池10には、発電した電力を取り出すための電極10b、10cが設けられている。発電した電力は、インバータ(電力変換手段)11を介して図示しない走行用モータを駆動するための負荷電力、あるいは図示しない2次電池の充電等に用いられる。
【0046】
燃料電池10には、水素供給装置12より水素が供給され、空気供給装置13から酸素を含んだ空気が供給されるように構成されている。水素供給装置12としては、例えば改質装置あるいは水素貯蔵タンクを用いることができ、空気供給装置13としては、例えば断熱圧縮機であるエアコンプレッサを用いることができる。燃料電池10に供給された空気のうち反応に用いられなかった未反応空気は、排ガスとして燃料電池10より排出される。燃料電池10に供給された水素のうち反応に用いられなかった未反応水素は、図示を省略しているが、循環され再利用される。
【0047】
発電時の化学反応のために、燃料電池10内部の電解質膜が水分を含んだ状態にしておく必要がある。このため、図示しない加湿器等により予め加湿された水素および空気が燃料電池10に供給され、燃料電池10内の電解質膜が加湿される。
【0048】
また、本第1実施形態の燃料電池システムでは、外気温を検出するための外気温センサ14が設けられている。
【0049】
燃料電池10では、発電の際の化学反応により水分および熱が発生する。燃料電池10は発電効率のために運転中一定温度(例えば80℃程度)に維持する必要がある。このため、燃料電池システムには、熱媒体を用いて燃料電池10で発生した熱を系外に放出する冷却システム20〜25が設けられている。なお、本第1実施形態では、熱媒体として低温環境下で凍結しない不凍液冷却水を用いている。
【0050】
冷却システムには、冷却水を燃料電池10に循環させるための熱媒体循環経路20、冷却水を冷却するための熱交換手段であるラジエータ21が設けられている。燃料電池10を通過した冷却水は熱媒体流路20を介してラジエータ21に循環し、ここで外気(大気)と熱交換され冷却される。冷却水は、燃料電池10を構成する各セル10aの内部を循環するように構成されている。
【0051】
図2は、セル10aを水素、空気供給方向から見た側面図である。図2に示すように、本第1実施形態では冷却水入口は空気出口側近傍に設けられ、冷却水出口は空気入口側近傍に設けられている。図2の破線で示すように、冷却水はセル10a内部に流入し内部を蛇行した後にセル10aから流出する。
【0052】
また、冷却システムには、冷却水をラジエータ21をバイパスさせるためのラジエータバイパス経路22、ラジエータ21への冷却水流量を調整する温調弁23、冷却水を循環させる熱媒体循環手段としてのウォータポンプ(W/P)24、燃料電池10を通過した冷却水の温度を検出する温度センサ25が設けられている。
【0053】
さらに、本第1実施形態の燃料電池システムでは、低温環境下における燃料電池10の早期始動のために燃料電池10を昇温させる昇温システム30〜33が設けられている。本第1実施形態における昇温システムは、上記冷却システムと一体的に設けられている。
【0054】
主経路である熱媒体循環経路20には、冷却水を積層されたセル10aのすべてにおける一部の部位のみを循環させ、他の部位をバイパスさせるバイパス経路30が設けられている。バイパス経路30には、バイパス経路30を開閉する流路制御弁(流路制御手段)31が設けられている。流路制御弁31の開度を制御することで、バイパス経路30に流れる冷却水量を調整することができる。
【0055】
具体的には、燃料電池10内部よりバイパス経路30側の方が圧力損失が小さいため、流路制御弁31の開度を大きくすることで、バイパス経路30側に流れる冷却水流量が多くなり、流路制御弁31を全開にすることで、すべての冷却水をバイパス経路30に循環させることができる。逆に、流路制御弁31の開度を小さくすることで、燃料電池10全体に循環する冷却水量を多くすることができ、流路制御弁31を全閉することで、すべての冷却水を燃料電池10に循環させることができる。
【0056】
本第1実施形態では、熱媒体経路20における燃料電池10の上流側に冷却水を加熱するためのヒータ(加熱手段)32が設けられている。ヒータ32は電気式ヒータあるいは燃焼式ヒータ等を用いることができる。本第1実施形態のように、ヒータ32を燃料電池10の冷却水入口近傍に設ける場合には熱のロスが少なく、燃料電池10を加熱する際の熱効率を向上させることができる。
【0057】
バイパス経路30における燃料電池10出口近傍には、燃料電池10を通過した冷却水の温度を検出する温度センサ33が設けられている。この温度センサ33により冷却水温度を検出することで、燃料電池10のうち加熱された冷却水にて昇温された部位の温度Tfcを間接的に検出することができる。
【0058】
本第1実施形態の燃料電池システムには、各種制御を行う制御部100が設けられている。制御部100には、外気温センサ14、温度センサ25、33等からセンサ信号が入力され、インバータ11、水素供給装置12、空気供給装置13、温調弁23、ウォータポンプ24、流路制御弁31、ヒータ32等に制御信号を出力するように構成されている。
【0059】
次に、上記構成の燃料電池システムの低温環境下での始動時の作動について図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0060】
まず、燃料電池バイパス温度Tfb、ラジエータバイパス温度Trbを設定する(ステップS10)。燃料電池バイパス温度Tfbは、燃料電池10の発電が可能となる温度である。本第1実施形態では、燃料電池バイパス温度Tfbを例えば0℃に設定している。ラジエータバイパス温度Trbは、ラジエータ21による冷却水の冷却を開始する温度であり、燃料電池10の暖機が終了する温度である。本第1実施形態では、ラジエータバイパス温度Trbを例えば70℃に設定している。
【0061】
次に、温度センサ33により燃料電池温度Tfcを検出し、外気温センサ14により外気温Tatmを検出する(ステップS11)。そして、燃料電池温度Tfcが燃料電池バイパス温度Tfbより低いか否かを判定する(ステップS12)。
【0062】
この結果、TfcがTfbより低い場合(Tfc<Tfb)には、燃料電池10が発電不可能な状態である。このため、燃料電池10の一部を発電可能な温度まで昇温させる部分暖機運転を行う。
【0063】
まず、温調弁23および流路制御弁31を全開に設定する(ステップS13)。次に、燃料電池温度Tfc、外気温Tatm等に基づいて、ヒータ32による冷却水の加熱量、ウォータポンプ24による冷却水流量を算出する(ステップS14)。具体的には、外気温Tatmが低い場合あるいは燃料電池温度Tfcが低い場合には、多くの熱量が必要であるので、ヒータ32による加熱量を多くし、ウォータポンプ24による冷却水流量を多くする。
【0064】
次に、ステップS14で決定した加熱量に基づいてヒータ32の加熱制御を行い、冷却水流量に基づいてウォータポンプ24の回転数制御を行う(ステップS15)。ヒータ32により加熱された冷却水が、燃料電池10内を循環する。このとき、流路制御弁31が全開となっているので、上述のように冷却水は燃料電池10の一部の部位のみを循環する。
【0065】
これにより、燃料電池10を構成する各セル10aにおいて、発電面の一部のみに冷却水を循環させることができる。本第1実施形態では、燃料電池10内部における図1中の上方側のみに冷却水が循環する。この結果、燃料電池10のうち冷却水が循環する部位の近傍のみを集中的に昇温させることができる。燃料電池温度Tfcが燃料電池バイパス温度Tfbより高くなるまで、上記ステップS13〜15を繰り返し行う。
【0066】
上記ステップS12で、燃料電池温度Tfcが燃料電池バイパス温度Tfbを上まわっている場合には、燃料電池10の一部が発電可能な状態であると判断できる。このため、燃料電池10の一部で発電を開始し、発電による自己発熱を利用して燃料電池10全体を昇温させる全体暖機運転を行う。この全体暖機運転は、燃料電池温度Tfcがラジエータバイパス温度Trbに達するまで行う(ステップS16)。
【0067】
まず、温調弁23を全開に設定し、燃料電池温度Tfcに基づいて流路制御弁31の開度を制御する(ステップS17)。具体的には、燃料電池温度Tfcが高くなるほど流路制御弁31の開度を小さく設定し、燃料電池10内部に循環する冷却水量を増加させる。
【0068】
次に、水素供給装置12から燃料電池10への水素の供給を開始し、空気供給装置13から燃料電池10への空気の供給を開始する(ステップS18)。これにより、燃料電池10では上記ステップS13〜S15で昇温された部位において発電が開始する。燃料電池10では、発電が開始した部位で発熱が生じる。次に、上記ステップS14、15と同様に、ヒータ32の加熱制御、ウォータポンプ24の回転数制御を行う。
【0069】
このとき、冷却水が燃料電池10内部に循環するように設定されているので、発電により生じた熱は、燃料電池10内部を循環する冷却水により、燃料電池10全体に伝えられる。これにより、燃料電池10の一部における発電に伴う自己発熱を有効に利用して、燃料電池10全体の暖機を行うことができる。また、燃料電池10全体に冷却水を循環させることで、発熱より過剰に燃料電池の温度が上昇することを防止できる。
【0070】
上記ステップS16で燃料電池温度Tfcがラジエータバイパス温度Trbを上まわっていると判定された場合には、燃料電池10全体で暖機が終了して燃料電池10全体で発電が可能であると判断できる。この場合には、以下の手順で定常運転時の制御を行う。
【0071】
まず、流路制御弁31を全閉とし、燃料電池温度Tfcに基づいて温調弁23の開度を制御する(ステップS19)。具体的には、燃料電池温度Tfcが高くなるほど温調弁23の開度を小さく設定し、ラジエータ21に流れる冷却水量を増加させる。流路制御弁31を全閉とすることで、すべての冷却水が燃料電池10内部に流れる。次に、水素供給装置12より燃料電池10に水素を供給し、空気供給装置13より燃料電池10に空気を供給する(ステップS20)。
【0072】
次に、ヒータ32による加熱を停止し(ステップS21)、燃料電池温度Tfcに基づいて熱媒体循環経路20を循環する冷却水流量を設定し、ウォータポンプの回転数を制御する(ステップS22、23)。これにより、燃料電池10を発電効率のよい所定温度(70〜80℃程度)に保持することができる。
【0073】
以上、本第1実施形態によれば、燃料電池10の一部を集中的に加熱することで、燃料電池10を構成する各セル10aにおいて最低限の発電面積を確保することができる。これにより、各セル10aにおける発電可能な部位にて発電を開始し、発電による自己発熱を利用して燃料電池10全体の暖機を完了させることができる。
【0074】
このような構成によれば、燃料電池10の一部を加熱するだけでよいので加熱手段による加熱容量を低減できる。このため、小さな熱源を用いて低温環境下において燃料電池を短時間で始動させ、安定した出力を得ることができる。
【0075】
また、燃料電池10内部において電気化学反応により発生した生成水は、図2中斜線で示すように各セル10aの空気出口側近傍に溜まる。このため、本第1実施形態のように、各セル10aにおける空気出口側近傍から冷却水を流入させることで、加熱された冷却水が流入する空気出口近傍を優先的に加熱することができる。これにより、空気出口近傍に溜まる水分が低温環境下で凍結することを有効に防止することができる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4、図5に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態に比較して部分暖機運転時に燃料電池10を循環する冷却水の流れ方向を切り替えることができる熱媒体流れ方向切替手段が設けられている点で異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図4は、本第2実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示している。図4に示すように、本第2実施形態では、冷却水循環経路20とバイパス経路30とを接続するサブバイパス経路34が設けられている。また、冷却水循環経路20とサブバイパス経路34との接続部、バイパス経路30とサブバイパス経路34との接続部には、それぞれ流路切替弁35、36が設けられている。サブバイパス経路34の内部には、互いに交差する2つの流路が設けられている。
【0078】
これらのサブバイパス経路34、流路切替弁35、36が熱媒体流れ方向切替手段を構成している。また、本第2実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池10の出力電力を検出する電力センサ(電力検出手段)15が備えられている。
【0079】
次に、本第2実施形態の燃料電池システムの部分暖機運転時における冷却水の流れ方向の切り替え制御について説明する。
【0080】
まず、流路切替弁34、35は閉じた状態にして、サブバイパス経路34に冷却水が流れない状態にしておく。ヒータ32により加熱された冷却水は、図4中破線矢印で示すように順方向(図中左→右)に循環し、燃料電池10内部を図中左側から右側に循環する。これにより、燃料電池10の一部が集中的に加熱される。
【0081】
このとき、冷却水は、積層された各セル10aを順番に通過するため、冷却水が流入する側に位置するセル10aが優先的に加熱され、冷却水が流出する側に位置するセル10aの加熱が遅れる。この結果、各セル10a間で温度分布が生じることとなる。このような各セル10a間における温度分布は、燃料電池10の出力電力の低下をもたらす。このため、本第2実施形態では、燃料電池温度Tfcが所定温度以上となった場合に、冷却水の流れ方向を切り替えるように構成している。
【0082】
図5は、冷却水の流れ方向を切り替えた場合の冷却水流れ方向を示している。流路切替弁35、36を開いてサブバイパス経路34に冷却水が流れるようにすることで、図5に示すように冷却水はサブバイパス経路34内で交差し、燃料電池10に逆方向(図中右→左)に循環する。これにより、冷却水の出入り口を反転させ、部分暖機運転の際に各セル10aを均一に暖機することができ、各セル10a間で温度分布が生じて出力電力が低下することを防止できる。
【0083】
また、本第2実施形態では、燃料電池温度Tfcに基づいて冷却水の流れ方向を切り替えるように構成したが、これに限らず、燃料電池10の出力電力の低下に基づいて冷却水流れ方向を切り替えるように構成することもできる。具体的には、各セル10a間で温度分布が生じ、電力センサ15により検出した燃料電池10の出力電力が所定電力以下に低下した場合に、冷却水の流れ方向を反転させる。
【0084】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第2実施形態に比較して、熱媒体流れ方向切替手段として熱媒体の流れ方向を切り替え可能な熱媒体循環手段を用いている点で異なるものである。上記第各実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
図6は、本第3実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示している。図6に示すように、本第3実施形態では、熱媒体循環手段として冷却水の流れ方向を切り替え可能なウォータポンプ25を用いている。このウォータポンプ25は、冷却水の入口側および吐出側を反転することができるように構成されている。本第3実施形態では、ウォータポンプ25が熱媒体流れ方向切替手段を構成している。
【0086】
このようなウォータポンプ25を用い、燃料電池温度Tfcが所定温度以上となった場合、あるいは燃料電池10の出力電力が所定電力以下となった場合に、冷却水の流れ方向を切り替えることで、上記第2実施形態と同様に、部分暖機運転をする際に各セル10aを均一に暖機することができ、各セル10a間で温度分布が生じて出力電力が低下することを防止できる。
【0087】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7、図8に基づいて説明する。図4は上記第1実施形態に比較して、燃料電池10に供給される空気の流れ方向を切り替えることができる空気流れ方向切替手段(酸素流れ方向切替手段)が設けられている点で異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
図7は、本第4実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示している。図7では、図1で示した加熱冷却システムの図示を省略している。
【0089】
図7に示すように、本第4実施形態では、燃料電池10に空気が供給される空気供給経路と、燃料電池10から未反応酸素を含む排ガスが排出される空気排出経路とを接続する空気バイパス経路16が設けられている。空気バイパス経路16と空気供給経路との接続点、空気バイパス経路16と空気排出経路との接続点には、それぞれ流路切替弁17、18が設けられている。
【0090】
これらの空気バイパス経路16、流路切替弁17、18は、図4で示した上記第2実施形態のサブバイパス経路34、流路切替弁35、36と同様の構成となっている。本第4実施形態では、空気バイパス経路16、流路切替弁17、18が空気流れ方向切替手段を構成している。
【0091】
次に、本第4実施形態の燃料電池システムの空気の流れ方向の切り替え制御について説明する。
【0092】
まず、流路切替弁17、18は閉じた状態にして、空気バイパス経路16に空気が流れない状態にしておく。空気供給装置12より供給された空気は、図7中破線矢印で示すように流れる。空気は各セル10a内部を図4中下方から上方に向けて流れる。
【0093】
空気供給装置12は断熱圧縮機であるコンプレッサが用いられているので、燃料電池10に供給される空気は比較的高温となっている。このため、燃料電池10を構成する各セル10では、空気が流入する側(図4中下方側)が高温空気により優先的に加熱されることとなる。このため、個々のセル10aにおいて温度分布が生じ、空気供給側が過剰に温度上昇する場合がある。
【0094】
そこで、本第4実施形態では、燃料電池温度Tfcが所定温度以上となった場合に、燃料電池10への空気供給方向を切り替えている。図8は、空気供給方向を切り替えた場合の空気流れ方向を示している。流路切替弁17、18を開いて空気バイパス経路16に冷却水が流れるようにすることで、図8に示すように冷却水は空気バイパス経路16内で交差し、各セル10aにおける空気流入側と空気流出側が反転する。これにより、各セル10aにおいて空気流入側の温度が過剰に上昇するのを防止することができる。
【0095】
また、各セル10a内部では、電気化学反応により発生した生成水が空気流出側に溜まり、低温環境下において凍結する場合がある。しかしながら、本第4実施形態のように、各セル10aにおける空気流入側と空気流出側を切り替えることで、生成水が溜まっている部位に高温空気を流入させることができ、セル10a内部での生成水の凍結を防止することができる。
【0096】
また、本第4実施形態では、燃料電池温度Tfcに基づいて空気の流れ方向を切り替えるように構成したが、これに限らず、燃料電池10の出力電力の低下に基づいて空気流れ方向を切り替えるように構成することもできる。具体的には、電力センサ15により検出した燃料電池10の出力電力が所定電力以下に低下した場合に、空気の流れ方向を反転させる。
【0097】
また、本第4実施形態で説明した空気流れ方向切替手段と同様の構成で、燃料電池10に供給される水素の流れ方向を切り替える水素流れ方向切替手段を設けた場合にも、空気流れ方向切替手段を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0098】
すなわち、電気化学反応により生成する生成水の一部は、セル10a内の電解質膜中を拡散して、水素出口近傍にも溜まる。また、燃料電池10に供給される水素は比較的高温となっている。このため、燃料電池10に対する水素供給方向を反転させることで、水素出口近傍において水分が凍結するのを防止することができる。
【0099】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図9に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第1実施形態に比較して、暖機運転に用いられる加熱手段が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
図9は、本第5実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示す斜視図である。本第5実施形態では、冷却水を加熱して暖機運転を行う加熱システム30〜33は設けられておらず、図9に示すように、暖機運転時に燃料電池10の一部の部位を加熱する加熱手段としてヒータ37が設けられている。このヒータ37は、熱媒体を介することなく燃料電池10を直接的に加熱するように構成されている。なお、ヒータ37としては、電気式ヒータや燃焼式ヒータ等を用いることができ、本第5実施形態では電気式ヒータを用いている。
【0101】
図9に示すように、本第5実施形態の電気式ヒータ37は、燃料電池10を構成するすべてのセル10aに部分的に接触するように配置されている。電気式ヒータ37は、2次電池19等の補助電源や燃料電池10の発電電力により作動する。燃料電池10が発電不可能な部分暖機運転時には、2次電池19よりヒータ37に電力供給し、燃料電池10が部分的に発電可能な全体暖機運転時には、燃料電池10よりヒータ37に電力供給するように構成できる。
【0102】
上記構成の燃料電池システムは、以下のように作動する。まず、ヒータ37により燃料電池10の一部を集中的に加熱して部分暖機運転を行う。このとき、冷却水は循環させない。燃料電池温度Tfcが所定温度以上となったら、燃料電池10への水素と空気の供給を開始するとともに、冷却水の循環を開始して全体暖機運転を行う。これにより、燃料電池10の一部において発電により生じた自己発熱を利用して、燃料電池10全体の暖機を行うことができる。このような構成によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0103】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図10、図11に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第1実施形態に比較して、暖機運転に用いられる加熱手段の配置および流路制御手段の構成が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0104】
図10は、本第6実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。上記第1実施形態では、熱源となるヒータ32を加熱対象である燃料電池10への伝熱効率を向上させるために燃料電池10の直近に設置していた。しかしながら、暖機運転終了後にも冷却水がヒータ32を通過するため経路の圧力損失を招き、熱媒体を循環させるための機器の消費電力が大きくなり効率が低下する。
【0105】
そこで、図10に示すように本第6実施形態では、熱媒体循環経路20にヒータ32を備える加熱経路26がラジエータ21と並列的に設けられている。熱媒体循環経路20におけるヒータ32側とラジエータ21側の合流点には、流路切替手段としての三方弁27が設けられている。三方弁27を切り替えることにより、冷却水の流路をラジエータ21側あるいはヒータ32側に切り替えることができる。
【0106】
バイパス経路20の燃料電池10出口近傍には第1の温度センサ33が配置され、熱媒体循環経路20の燃料電池10出口近傍には第2の温度センサ25が配置され、熱媒体循環経路20の燃料電池10入口近傍には第3の温度センサ28が配置されている。第1の温度センサ33では、燃料電池10の集中的に加熱される部位の燃料電池部分温度Tfcを間接的に検出でき、第2の温度センサ25では、燃料電池全体温度Tfcoを間接的に検出できる。
【0107】
本第6実施形態では、パイパス経路30に熱媒体循環手段としてのウォータポンプ(W/P)38が設けられている。このパイパス経路30に設けられたパイパス経路ポンプ38の回転数を制御することにより、バイパス経路30を循環する冷却水の流量を制御できる。
【0108】
パイパス経路ポンプ38はバイパス経路30のみに冷却水を循環させることができればよいので、熱媒体循環経路20に設けられた熱媒体循環経路ポンプ24に比較して小容量のポンプを用いることができる。例えば、バイパス経路ポンプ38の規格流量(最大流量)と熱媒体循環経路ポンプ24の最低流量とが一致するように2つのポンプの容量を選択することができる。
【0109】
以下、本第6実施形態の燃料電池システムの作動を図11に基づいて説明する。図11は、本第6実施形態の燃料電池システムの制御タイムチャートである。
【0110】
図11中、時間t0からt1の間では燃料電池10の一部が発電可能温度である燃料電池バイパス温度Tfbになるまで燃料電池10の昇温を行い、時間t1からt2の間では燃料電池10全体が燃料電池バイパス温度Tfbになるまで燃料電池10の昇温を行い、時間t2からt3の間では燃料電池10全体が暖機終了温度であるラジエータバイパス温度Trbになるまで燃料電池10の昇温を行う。
【0111】
まず、三方弁27を加熱経路26側に切り替え、ヒータ32をオンにする。同時にウォータポンプ24、38を作動させ、熱媒体循環経路20の冷却水循環量とバイパス経路30の冷却水循環量とが一致するように、2つのウォータポンプ24、38の回転数を制御する。これにより、ヒータ32にて加熱されたすべての冷却水がバイパス経路30に流れ、燃料電池10の一部の部位のみが集中的に加熱される。
【0112】
第2温度センサ33にて検出した燃料電池部分温度Tfcが燃料電池バイパス温度Tfbになるまで、バイパス経路30に冷却水を循環させて燃料電池10の一部を集中的に加熱する。燃料電池バイパス温度Tfbは、燃料電池10内部で生成した水が凍結しない温度、例えば5℃以上に設定することが望ましい。
【0113】
燃料電池部分温度Tfcが燃料電池バイパス温度Tfbまで昇温したら、燃料電池10に水素および空気(酸素)の供給を開始して燃料電池10の一部で発電を開始する。そして、熱媒体循環経路ポンプ24の回転数を制御し、燃料電池10内部を流れる冷却水量を制御する。この際、バイパス経路ポンプ38の回転数は一定に保ってバイパス経路30の冷却水流量を一定とすることで、熱媒体循環経路20とバイパス経路30を流れる冷却水流量の差により、燃料電池10内部に流れる冷却水量を制御することができる。
【0114】
そして、熱媒体循環経路ポンプ24の回転数を増加させ、温度センサ28で検出する燃料電池10に流入する冷却水温度が所定温度Tfiとなるように、熱媒体経路20を循環する冷却水流量を増加させる。所定温度Tfiは、上記燃料電池バイパス温度Tfbと同様、燃料電池内部で生成した水が凍結しない温度、例えば5℃とすればよい。また、燃料電池10の発電開始後は、発電に伴う燃料電池10の自己発熱を考慮し、所定温度Tfiをある程度下げ、例えば−5℃程度に設定しても良い。これにより、同一の投入熱量において冷却水の流量を大きくできるため、よりセル面内の広範囲に熱を伝えることが可能となり、早期暖機を図ることができる。
【0115】
第3温度センサ25で検出した燃料電池全体温度Tfcoが、第2温度センサ33で検出した燃料電池部分温度Tfcを上回った場合には、燃料電池10全体で発電可能であると判断できるので、バイパス経路ポンプ38を停止し、熱媒体循環経路ポンプ24のみを作動させる。これにより、すべての冷却水が燃料電池10内部に循環し、燃料電池10全体がさらに昇温する。その後、ヒータ32をオフする。
【0116】
燃料電池全体温度Tfcoがラジエータバイパス温度Trbまで昇温した場合には、冷却水がラジエータ21に流れるように三方弁27を切り換える。これにより、暖機運転を終了して定常運転を行うことができる。
【0117】
以上の本第6実施形態の構成によれば、熱媒体を加熱する加熱手段としてのヒータ32がラジエータ21と並列的に設けられているので、定常運転時には熱媒体がヒータ32を通過することがない。従って、定常運転時における熱媒体経路20の圧力損失を最小限に抑えることができ、冷却水を循環させるための補機類の消費電力増加を防止できる。
【0118】
また、本第6実施形態では、バイパス経路30に熱媒体循環手段としてのウォータポンプ38を設けているので、流路制御弁を設ける場合に比較して、熱媒体流量の制御性を向上させることができる。また、本第6実施形態では、既存のウォータポンプを用いることができ、バイパス経路30に適合した流路制御弁を新規に用意するよりコスト面でも有利である。
【0119】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図12、図13に基づいて説明する。本第7実施形態は、上記第6実施形態に比較して、燃料電池の発電電力を利用した加熱手段が追加されている点が異なるものである。上記第6実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
図12は、本第7実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。図12に示すように、加熱経路26には電気ヒータ39が設けられている。電気ヒータ39は、燃料電池10から供給される電力で加熱経路26を流れる冷却水を加熱するものである。
【0121】
燃料電池10にて発電された電力は、インバータ11により走行用の主機モータや周辺補機の動力、2次電池の充電等に消費される。しかし、暖機時には一般的に停車状態にあることや、低温時においては、電池の充電能力に制限があるため、それほど大きな電力を消費できない場合がある。そこで、本第7実施形態では電力を熱エネルギに変換する電気ヒータ39を設け、その熱を利用して冷却水の加熱を行うように構成することで、燃料電池10の早期暖機を可能としている。
【0122】
図13は、本第7実施形態の燃料電池システムの制御タイムチャートである。図13に示すように、燃料電池部分温度Tfb1が燃料電池バイパス温度Tfbまで昇温し燃料電池10での発電が開始されたら、燃料電池10で発電された電力を電気ヒータ39に供給する。冷却水は、ヒータ32に加えて電気ヒータ39によっても加熱される。この結果、冷却水への投入熱量が大きくなり、燃料電池10内部に流す冷却水流量を大きくすることができる。これにより、より早期に暖機を行うことが可能となる。
【0123】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図14、図15に基づいて説明する。上記第7実施形態に比較して、温度センサを1つ減らしている点が異なる。上記第7実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0124】
図14は、本第8実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。図14に示すように、本第8実施形態では、燃料電池バイパス経路30における燃料電池10出口近傍の温度センサ33を省略しているとともに、熱媒体循環経路20の燃料電池10出口近傍に設けられた第3温度センサ25を、バイパス経路30との合流点より下流側に設けている。
【0125】
これにより、本第8実施形態の第3温度センサ25は、冷却水をバイパス経路30のみに流して燃料電池10の一部を集中的に加熱している場合には、燃料電池部分温度Tfcを検出できる。また、燃料電池10全体に冷却水を流した場合には、第3温度センサ25で燃料電池全体温度Tfcoを検出できる。従って、ヒータ32に流れる流量、ヒータ32の熱量、温度センサ25の検出温度に基づいて、燃料電池10への投入温度を一定に保つような冷却水流量条件を算出することができる。
【0126】
図15は、本第8実施形態の燃料電池システムの作動を示すタイムチャートである。図15に示すように、燃料電池10の一部を集中的に加熱している際に、温度センサ25にて検出した冷却水温度が燃料電池バイパス温度Tfbを上回ったら、燃料電池10全体に冷却が循環するようにして、燃料電池10全体を加熱する。
【0127】
その後、燃料電池10の全体を加熱するために一旦低下した温度センサ25の検出温度が、再び燃料電池バイパス温度Tfbを上回ったら、燃料電池全体が発電可能であると判断することができる。
【0128】
以上のような構成によっても、上記第7実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに、温度センサの数を減らすことにより、システム構成を簡素化することができる。
【0129】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図16、図17に基づいて説明する。本第9実施形態は、上記第6実施形態に比較して、加熱手段であるヒータ32の設置位置が異なるものである。上記第6実施形態と同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0130】
図16は、本第9実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。図16に示すように、バイパス経路30は、熱媒体循環経路20におけるウォータポンプ24の下流側であって燃料電池10の上流側で合流している。バイパス経路30には、ウォータポンプ38の下流側にヒータ32が設けられている。このような構成により、燃料電池10の一部を集中的に加熱する場合には、冷却水はバイパス経路ポンプ38→ヒータ32→燃料電池10の一部部位の順に循環する。
【0131】
また、熱媒体循環経路20には、冷却水をラジエータ21をバイパスさせるためのラジエータバイパス経路22、ラジエータ21への冷却水流量を調整する温調弁23が設けられている。
【0132】
図17は、本第9実施形態の燃料電池システムの制御タイムチャートを示している。図17に示すように、t0からt1まではバイパス経路ポンプ38のみを作動させ、t1からt2まではバイパス経路ポンプ38に加えて熱媒体循環経路ポンプ24を作動させ、t2以降は熱媒体循環経路ポンプ24のみを作動させる。
【0133】
このような構成によっても上記第6実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本第9実施形態の構成では、燃料電池10の一部を集中的に加熱させる際に、熱媒体が循環する経路が短くなるので、一部加熱を行う時間を短くすることができる。
【0134】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について図18〜図20に基づいて説明する。本第10実施形態は、上記第1実施形態に比較して、燃料電池10に供給される水素および空気(酸素)がそれぞれ混合して供給される点で異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0135】
図18は、本第10実施形態の燃料電池システムの主要部の構成を示している。図18では、図1で示した加熱冷却システムの図示を省略している。
【0136】
図18に示すように、本第10実施形態では、水素供給装置12から燃料電池10に水素が供給される水素供給経路12aに、空気供給装置13から混合用空気が供給される混合用空気経路13bが接続している。また、空気供給装置13から燃料電池10に空気が供給される空気供給経路13aに、水素供給装置12から混合用水素が供給される混合用水素経路12bが接続している。
【0137】
このような構成により、燃料電池10の暖機運転を行う際に水素供給経路12aを流れる水素に混合用空気経路13bより混合用空気を供給することで、燃料電池10の水素極には、水素と空気の混合ガスが導入される。また、燃料電池10の酸素極でも同様に、空気と水素の混合ガスが導入される。
【0138】
燃料電池10の水素極および酸素極には、通常Ptからなる触媒が担持されている。このため、水素および空気の混合ガスが導入されることにより、水素が触媒燃焼し、これにより得られる発熱を利用して燃料電池10を部分的に加熱することができる。
【0139】
図19は、本第10実施形態の燃料電池システムの制御タイムチャートを示している。図19に示すように、t0からt1までの燃料電池10の一部を集中的に加熱する際に、燃料電池10の水素極および酸素極には、水素と空気(酸素)の混合ガスが導入される。
【0140】
図20は燃料電池10のセル面における加熱状態を示しており、(a)は水素極側を示し、(b)は酸素極側を示している。図20に示すように、水素および空気の混合ガスが、それぞれ水素極および酸素極の入口近傍にて触媒により燃焼反応することにより、加熱領域Zが形成されている。
【0141】
t0における燃料電池10の温度により、加熱領域Zの広がりは変わるが、供給水素流量VMO/混合用空気流量VGHおよび供給空気流量VMH/混合用水素流量VGOを制御することにより、加熱領域Zを所定の範囲に制御することが可能である。
【0142】
次に、時間t1において燃料電池10の部分的な加熱が完了した後、この加熱領域Zにて発電を開始することにより、反応面領域を拡大させていく。この際、混合水素流量VMHおよび混合空気流量VMOをゼロとして、供給水素流量VGHおよび供給空気流量VGOを増加させながら制御を行っていく。
【0143】
以上のように触媒燃焼反応を利用することによって、燃料電池10の部分的な加熱を効率よく行うことができる。
【0144】
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について図21に基づいて説明する。
【0145】
図21は、本第11実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。本第11実施形態の燃料電池システムでは、図10にて示した上記第6実施形態の燃料電池システムに対して、燃料電池10の冷却水出口近傍に逆止弁29が設けられている。逆止弁29は、熱媒体循環経路20における燃料電池10の下流側であって、バイパス経路30との合流点より上流側に設けられている。
【0146】
また、バイパス経路30の配管は、熱媒体循環経路20の配管より径が小さいものを用いている。本第11実施形態では、熱媒体循環経路20に直径30mm程度の配管を用い、バイパス経路30には直径15mm程度の配管を用いている。
【0147】
このような構成により、暖機運転時に冷却水をバイパス経路30に循環させた際に、冷却水がバイパス経路30から熱媒体循環経路20を介して燃料電池10出口側に逆流するのを防ぐことができる。
【0148】
また、バイパス経路30の配管径を小さくすることで、バイパス経路30の冷却水量を少なくすることができ、暖機運転に用いられる冷却水の熱容量を小さくすることができる。これにより、暖機運転時に冷却水を早期に昇温することができ、燃料電池10の暖機時間を短縮することができる。
【0149】
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について図22に基づいて説明する。
【0150】
図22は、本第12実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。本第12実施形態の燃料電池システムでは、図16にて示した上記第9実施形態の燃料電池システムに対して、上記第11実施形態と同様の逆止弁29が設けられおり、さらにウォータポンプ24の位置が変更されている。ウォータポンプ24は、熱媒体循環経路20における燃料電池10の上流側であって、バイパス経路30との合流点より下流側に設けられている。
【0151】
このような構成により、暖機運転時に燃料電池10の一部を集中的に加熱している際に、2つのウォータポンプ24、38を用いて冷却水を循環させることができる。冷却水として一般的な不凍液を用いた場合、例えば−30℃といった低温環境下では冷却水の粘性が高くなり、ポンプの負荷が大きくなる。このような場合に、2つのウォータポンプ24、38を作動させることで、ポンプ能力を増大させることができる。
【0152】
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態について図23に基づいて説明する。
【0153】
図23は、本第13実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。本第13実施形態の燃料電池システムでは、図22にて示した上記第12実施形態の燃料電池システムに対して、ヒータ32の位置を変更している。
【0154】
本第13実施形態のヒータ32は、熱媒体循環経路20におけるバイパス経路30の合流点より下流側であって、ウォータポンプ24と燃料電池10との間に設けられている。本第13実施形態では、熱媒体循環経路20から分岐して再合流する加熱バイパス経路40が設けられており、ヒータ32はこの加熱バイパス経路40に設けられている。熱媒体循環系路20と加熱バイパス経路40との再合流点には、加熱バイパス経路40側と熱媒体循環経路20側に流れる冷却水量を調整可能な流量調整弁41が設けられている。
【0155】
このような構成により、暖機運転時には流量調整弁41にて冷却水がヒータ32に流れるようにして冷却水を加熱し、燃料電池10を昇温することができる。このとき、流量調整弁41にてヒータ32に流れる冷却水量を調整することで、冷却水の加熱温度を調整することができ、燃料電池10の加熱温度を調整することができる。また、ヒータ32はウォータポンプ24の下流側に設けられているので、ヒータ32にて加熱された冷却水が熱容量の大きいウォータポンプ24を通過して熱が奪われるのを防ぐことができる。
【0156】
通常運転時には、流量調整弁41にて冷却水が熱媒体循環経路20に流れるようにすることで、燃料電池10の冷却のために大流量(例えば100リットル/分)の冷却水を循環させても、ヒータ32による圧力損失を防ぐことができる。また、ヒータ32に大流量の冷却水が流れるのを防ぐことができ、ヒータ32の耐久性を向上させることができる。
【0157】
(第14実施形態)
次に、本発明の第14実施形態について図24に基づいて説明する。
【0158】
図24は、本第14実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。本第14実施形態の燃料電池システムでは、図22にて示した上記第12実施形態の燃料電池システムに対して、四方弁42が設けられている。
【0159】
本第14実施形態のバイパス経路30は、燃料電池10の上流側で熱媒体循環経路20に合流する前に、燃料電池10の下流側で熱媒体循環経路20と接続している。バイパス経路30と熱媒体循環経路20における燃料電池10の下流側との接続点には、四方弁42が設けられている。この四方弁42は、熱媒体循環経路20あるいはバイパス経路30を流れる冷却水流路を、熱媒体循環経路20あるいはバイパス経路30に切り替えることができる。
【0160】
このような構成により、暖機運転時には、四方弁42により燃料電池10→バイパス経路30→ヒータ32→ウォータポンプ24とする閉回路を形成することで、燃料電池10を暖機する。
【0161】
次に、燃料電池10が発電可能温度以上となった場合はヒータ32を停止し、四方弁42により燃料電池10→熱媒体循環経路20→四方弁42→バイパス経路30→ヒータ32→ウォータポンプ24とする閉回路を形成し、燃料電池10の発電を開始する。これにより、燃料電池10の自己発熱を利用して燃料電池10の昇温を促進することができる。
【0162】
次に、燃料電池10の温度が上昇し冷却が必要となった場合は、四方弁42により燃料電池10→熱媒体循環経路20→ラジエータ21→ウォータポンプ24とする閉回路を形成する。これにより、燃料電池10を冷却することができる。
【0163】
以上の構成により、バイパス経路30と熱媒体循環経路20における燃料電池10の下流側との接続点に四方弁42を設けることで、冷却水の流路を任意に切り替えることができるとともに、バイパス経路30のウォータポンプ38を省略することができる。
【0164】
(第15実施形態)
次に、本発明の第15実施形態について図25に基づいて説明する。
【0165】
図25は、本第15実施形態の燃料電池システムの全体構成を示している。本第15実施形態の燃料電池システムでは、図24にて示した上記第14実施形態の燃料電池システムに対して、図23で示した上記第13実施形態と同様にヒータ32の位置が変更されている。このような構成により、上記第13実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0166】
(他の実施形態)
なお、上記第1実施形態では、冷却水温度を検出する温度センサ33で間接的に燃料電池温度Tfcを検出するように構成したが、これに限らず、燃料電池10のうち部分暖機運転時に集中的に加熱される部位に温度センサを設け、直接的に燃料電池温度Tfcを検出するように構成してもよい。
【0167】
また、上記第1実施形態では、図2に基づいて説明したように、各セル10aにおいて空気出口側近傍から冷却水を流入させ、空気入口側近傍から冷却水を周出させるように構成したが、これに限らず、冷却水の流入側と流出側を逆に構成することもできる。このような構成によれば、空気入口近傍において、加湿された空気に含まれる水分が低温環境下で凍結するのを防止することができる。
【0168】
また、図26に示すように、各セル10aにおいて水素出口近傍より冷却水を流入させ、水素入口近傍より冷却水を流出させるように構成することもできる。電気化学反応により生成する生成水の一部は、セル10a内の電解質膜中を拡散して、水素出口近傍にも溜まる。従って、水素出口近傍より加熱された冷却水を流入させることで、低温環境下で水素出口近傍において水分が凍結するのを防止できる。
【0169】
さらに、水素入口近傍より冷却水を流入させ、水素出口近傍より冷却水を流出させるように構成することもできる。このような構成によれば、水素入口近傍において、加湿された水素に含まれる水分が低温環境下で凍結するのを防止することができる。
【0170】
また、図1で示した上記第1実施形態では、ヒータ32を熱媒体循環経路20上に設けたが、これに限らず、バイパス経路30上に設けてもよい。
【0171】
また、図1で示した上記第1実施形態では、熱媒体をバイパス経路30に循環させる流量を調整する流路制御弁31をバイパス経路30に設けたが、これに限らず、熱媒体循環経路20に設けてもよい。例えば、熱媒体循環経路20における燃料電池10の出口付近に流路制御弁を設けた場合には、流路制御弁の開度を小さくすることで、バイパス経路30に循環する熱媒体流量を多くすることができる。
【0172】
また、図1で示した上記第1実施形態の構成において、バイパス経路30を設けない場合であっても、部分暖機運転を行う際に、ヒータ32で加熱された冷却水の流量を小さくすることで、燃料電池10の一部を集中的に加熱することが可能となる。
【0173】
すなわち、ウォータポンプ24による冷却水流量を小さくすることで、ヒータ32で加熱された冷却水が各セル10a内部をゆっくり流れ、燃料電池10を構成する各セル10aの一部が集中的に加熱されることとなる。これにより、上記第1実施形態において、部分暖機運転時にバイパス経路30を介して冷却水を燃料電池10の一部を循環させた場合と同様の効果を得ることができる。
【0174】
また、上記第10実施形態では、燃料電池10の水素極および酸素極の双方に水素および空気酸素の混合ガスを供給するように構成したが、これに限らず
、水素極あるいは酸素極のいずれか一方だけに混合ガスを供給するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】燃料電池を構成するセルの側面図である。
【図3】第1実施形態の燃料電池システムの作動を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態の燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図5】図4において冷却水流れ方向を切り替えた場合を示す概念図である。
【図6】第3実施形態の燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図7】第4実施形態の燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図8】図7において空気流れ方向を切り替えた場合を示す概念図である。
【図9】第5実施形態の燃料電池システムの主要部構成を示す斜視図である。
【図10】第6実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図11】図10の燃料電池システムの制御タイムチャートである
【図12】第7実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図13】図12の燃料電池システムの制御タイムチャートである
【図14】第8実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図15】図14の燃料電池システムの制御タイムチャートである
【図16】第9実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図17】図16の燃料電池システムの制御タイムチャートである
【図18】第10実施形態の燃料電池システムの主要部構成を示す概念図である。
【図19】図18の燃料電池システムの制御タイムチャートである
【図20】図18の燃料電池システムのセルの側面図である。
【図21】第11実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図22】第12実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図23】第13実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図24】第14実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図25】第15実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す概念図である。
【図26】セル内部における冷却水流れ方向の変形例を示すセルの側面図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、11…インバータ(電力変換手段)、12…水素供給装置、13…空気供給装置、20…熱媒体循環経路、21…ラジエータ、22…ラジエータバイパス経路、23…温調弁、24…ウォータポンプ(熱媒体循環手段)、30…バイパス経路、31…流路制御弁、32…ヒータ(加熱手段)、33…温度センサ、38…ウォータポンプ(熱媒体循環手段)、100…制御部。

Claims (24)

  1. 積層された複数のセル(10a)を有するとともに、前記セルにて水素と酸素とを電気化学反応させて電力を得る燃料電池(10)と、
    前記複数のセル(10a)のそれぞれに対して熱媒体を循環させる熱媒体循環経路(20)と、
    前記熱媒体循環経路(20)に循環する前記熱媒体の流量を制御する熱媒体循環手段(24)と、
    前記熱媒体を加熱する加熱手段(32)と、
    前記熱媒体循環経路(20)に設けられ、前記熱媒体を前記複数のセル(10a)のそれぞれにおいて一部の部位のみを循環させ、他の部位をバイパスさせるバイパス経路(30)と、
    前記バイパス経路(30)または前記熱媒体循環経路(20)の少なくとも一方に、前記熱媒体のバイパス流量を制御する流路制御手段(31、38)とを備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池(10)を暖機運転する際に、前記複数のセル(10a)のすべてにおける一部の部位を集中的に加熱することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池(10)における集中的に加熱される部位の温度(Tfc)を検出する温度検出手段(33)を備え、
    前記温度検出手段(33)により検出された燃料電池温度(Tfc)に基づいて、前記加熱手段(32)による前記熱媒体の加熱量の制御、前記熱媒体循環手段(24)による前記熱媒体の循環量の制御、および前記流路制御手段(31)によるバイパス流量の制御を行うことを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池(10)の暖機運転を行う際に、
    前記燃料電池温度(Tfc)が所定温度(Tfb)より低い場合には、前記熱媒体のすべてを前記バイパス経路(30)に循環させて、前記熱媒体を前記複数のセル(10a)のそれぞれにおける一部の部位のみに循環させ、
    前記燃料電池温度(Tfc)が前記所定温度(Tfb)より高い場合には、前記複数のセル(10a)のそれぞれに水素および酸素の供給を行うとともに、前記燃料電池温度(Tfc)に基づき前記バイパス流量を調整することで、前記セル(10a)の他の部位に対する前記熱媒体の循環量を調整することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  4. 前記複数のセル(10a)のそれぞれにおいて、水素あるいは酸素の出口側近傍より前記熱媒体が流入し、水素あるいは酸素の入口側近傍より前記熱媒体が流出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記複数のセル(10a)のそれぞれにおいて、水素あるいは酸素の入口側近傍より前記熱媒体が流入し、水素あるいは酸素の出口側近傍より前記熱媒体が流出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記バイパス経路(30)により、前記熱媒体を前記複数のセル(10a)のそれぞれにおける一部の部位のみを循環させている場合に、前記熱媒体の流れ方向を切り替える熱媒体流れ方向切替手段(34〜36、25)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記セル(10a)内において、前記セル(10a)に供給される酸素の流れ方向を切り替える酸素流れ方向切替手段(16〜18)を備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記セル(10a)内において、前記セル(10a)に供給される水素の流れ方向を切り替える水素流れ方向切替手段を備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  9. 前記熱媒体循環経路(20)に設けられ、前記熱媒体を冷却する冷却手段(21)と、
    前記熱媒体循環経路(20)において前記熱媒体冷却手段(21)と並列的に設けられた加熱経路(26)と、
    前記熱媒体の流路を、前記冷却手段(21)あるいは前記加熱手段(32)に切り替える流路切替手段(27)とを備え、
    前記加熱手段(32)は、前記加熱経路(26)に設けられており、
    前記流路切替手段(27)により、暖機運転時には前記加熱手段(32)に前記熱媒体を循環させ、通常運転時には前記冷却手段(21)に前記熱媒体を循環させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  10. 前記バイパス経路(30)に循環する前記熱媒体の流量を制御するバイパス経路熱媒体循環手段(38)を備え
    前記流路制御手段は、前記バイパス経路熱媒体循環手段(38)であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池(10)における集中的に加熱される部位の燃料電池部分温度(Tfc)を検出する第1の温度検出手段(33)と、前記燃料電池(10)全体の燃料電池全体温度(Tfo)を検出する第2の温度検出手段(25)とを備え、
    前記燃料電池部分温度(Tfc)および前記燃料電池全体温度(Tfo)に基づいて、前記加熱手段(32)による前記熱媒体の加熱量の制御、前記熱媒体循環手段(24)による熱媒体循環量の制御、および前記バイパス経路熱媒体循環手段(38)による熱媒体循環量の制御を行うことを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記燃料電池部分温度(Tfc)が所定温度(Tfb)より低い場合には、前記熱媒体循環経路(20)および前記バイパス経路(30)における熱媒体流量を一致させ、前記熱媒体のすべてを前記バイパス経路(30)に循環させて、前記燃料電池(10)の一部を集中的に加熱し、
    前記燃料電池部分温度(Tfc)が所定温度(Tfb)より高い場合には、前記複数のセル(10a)のそれぞれに水素および酸素を供給を行うとともに、前記燃料電池(10)に流入する前記熱媒体の温度を所定温度(Tfi)に保つように、前記燃料電池(10)の他の部位に対する前記熱媒体の循環量を調整することを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
  13. 前記第1の温度検出手段および前記第2の温度検出手段は、前記熱媒体循環経路(20)における前記バイパス経路(30)の合流点の下流側に設けられた1つの温度検出手段(25)からなることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の燃料電池システム。
  14. 前記熱媒体循環手段(24)が循環させることができる前記熱媒体の最低流量と、前記バイパス経路熱媒体循環手段(38)が循環させることができる前記熱媒体の最大流量とが一致していることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  15. 前記加熱手段(32)は、前記熱媒体循環経路(20)における前記熱媒体循環手段(24)と前記燃料電池(10)との間に配置されていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  16. 前記加熱手段(32)は、前記燃料電池(10)の熱媒体入口近傍に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の燃料電池システム。
  17. 前記熱媒体循環経路(20)から分岐した後に再合流する加熱バイパス経路(40)を備え、前記加熱手段(32)は前記加熱バイパス経路(40)に設けられていることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の燃料電池システム。
  18. 前記加熱バイパス経路(40)が前記熱媒体循環経路(20)に再合流する箇所には前記加熱手段(32)に流れる前記熱媒体の流量を調整可能な流量調整手段(41)が設けられていることを特徴とする請求項15ないし17のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  19. 前記バイパス経路(30)は、前記熱媒体循環経路(20)の前記燃料電池(10)の熱媒体流入側における前記熱媒体循環手段(24)の上流側に接続されていることを特徴とする請求項15ないし18のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  20. 前記バイパス経路(30)は、前記熱媒体循環経路(20)の前記燃料電池(10)の熱媒体流出側と交差しており、前記バイパス経路(30)と前記熱媒体循環経路(20)の前記燃料電池(10)の熱媒体流出側との交差点には四方弁(42)が設けられ、前記四方弁(42)は、前記熱媒体循環経路(20)あるいは前記バイパス経路(30)を流れる前記熱媒体の流路を前記熱媒体循環経路(20)あるいは前記バイパス経路(30)に切り替えることができることを特徴とする請求項19に記載の燃料電池システム。
  21. 前記バイパス経路(30)の配管径は、前記熱媒体循環経路(20)の配管径より小さいことを特徴とする請求項ないし20のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  22. 前記バイパス経路(30)に設けられ、前記熱媒体を循環させるバイパス経路熱媒体循環手段(38)を備え、
    前記加熱手段(32)は、前記バイパス経路(30)に設けられており、
    前記流路制御手段は、前記バイパス経路熱媒体循環手段(38)であり、
    前記熱媒体循環手段(24)による熱媒体循環流量および前記バイパス経路熱媒体循環手段(38)による熱媒体循環流量を制御することにより、前記熱媒体循環経路(20)および前記バイパス経路(30)に循環する熱媒体流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  23. 前記燃料電池(10)にて発電した電力を熱エネルギに変換して前記熱媒体を加熱する電気式加熱手段(39)を備えていることを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  24. 前記複数のセル(10a)のすべてにおける一部の部位を集中的に加熱する際に、前記燃料電池(10)における水素が供給される水素極あるいは酸素が供給される酸素極の少なくとも一方に、水素および酸素の混合ガスを供給することを特徴とする請求項1ないし23のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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