JP4172842B2 - コンドロイチナーゼ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンドロイチナーゼを含む医薬組成物、及び該医薬組成物からなる椎間板ヘルニアの処置剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンドロイチナーゼABC(Chondroitinase ABC)〔EC 4.2.2.4〕は、グリコサミノグリカンを不飽和オリゴ糖および不飽和二糖に分解する作用を有し、哺乳動物軟骨由来のコンドロイチン硫酸A、鮫軟骨由来のコンドロイチン硫酸Cおよび哺乳動物皮膚由来のコンドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)の分解を強力に触媒し、ヒアルロン酸の分解に対しては弱く触媒する酵素である。
【0003】
本酵素は、動物組織からグリコサミノグリカンを除去したり、組織中のグリコサミノグリカンを同定するための研究用試薬として、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)等の細菌が産生する酵素が製品化されている。
【0004】
一方、ヒトの腰痛の病因として区分される椎間板ヘルニア症の治療に、植物パパイヤ由来の蛋白分解酵素、例えばキモパパインや、バクテリア由来のコラゲナーゼ等を、ヘルニア症患者の椎間板に注入し、髄核部分を溶解する椎間板溶解療法(ID療法)が開発され、欧米においては、キモパパインが医薬品(商品名、キモダイアクチン)として市販されている。
【0005】
しかしながら、上記蛋白分解酵素を用いるID療法は、脊椎・椎間板のヘルニア部分のみならず、周辺の構造組織の蛋白部分をも分解し、神経麻痺や、アレルギー発現等の副作用を生じやすいという欠点がある。
【0006】
近年、コンドロイチナーゼABCまたはコンドロイチナーゼACを椎間板に直接投与して椎間板ヘルニアを治療する試みが行なわれており、椎間板ヘルニアの治療薬としての用途が期待されている〔米国特許第4696816号明細書、 Clinical Orthopaedics, 253,301-308(1990)参照〕。
【0007】
コンドロイチナーゼを含有する組成物については、特開平4−330280号公報、特開平6−135851号公報、特開平6−153947号公報、特開平7−67642号公報等に記載されており、例えば、特開平4−330280号公報には、デキストラン類、サッカロース、ラクトース、マルトース、マンニトール、キシリトール、ソルビトールおよび血清アルブミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の添加成分を含有する乾燥した安定化コンドロイチナーゼABCが開示されている。また、特開平6−153947号公報には、極めて精製度が高く、安定性の高い精製コンドロイチナーゼABC及びそれを含む医薬組成物について記載されている。さらに、WO93/00807パンフレットには、コンドロイチナーゼについて具体的には記載されていないが、バイオマテリアル(酵素を含む)を凍結し乾燥するために適した、バイオマテリアル、ポリエチレングリコールおよび糖(サッカロースを含む)からなる組成物が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
コンドロイチナーゼは不安定な物質であり、上記文献等に記載の方法に従い、通常の医薬担体を用いて凍結乾燥物、液剤等の形態に製剤化した場合、製剤化の際または長期保存により酵素活性が徐々に低下するという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、製剤化の際または長期保存しても酵素活性の低下の極めて少なくコンドロイチナーゼ含有医薬組成物を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、コンドロイチナーゼと医薬担体とから調製される医薬組成物において、酵素活性の低下をもたらす因子について種々検討を行なった結果、医薬担体中の還元性不純物が大きく影響していることをつきとめ、本発明を完成するに至った。
【0011】
かくして、本発明は、コンドロイチナーゼ及び医薬担体を含有し、該医薬担体1gあたりに含有される還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以下であることを特徴とする医薬組成物(以下、「本発明医薬組成物」という)を提供するものである。
【0012】
本発明はまた、該医薬組成物からなる椎間板ヘルニアの処置剤(以下、「本発明処置剤」ともいう)を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明医薬組成物及び処置剤についてさらに詳細に説明する。
【0014】
コンドロイチナーゼ:
本発明医薬組成物で用いるコンドロイチナーゼは、コンドロイチン硫酸を分解する酵素である限り特に限定されるものではない。コンドロイチナーゼとして、具体的には、コンドロイチナーゼABC(Proteus vulgaris由来;特開平6−153947号公報、T. Yamagata, H. Saito, O. Habuchi, S. Suzuki, J. Biol. Chem., 243, 1523(1968)、S. Suzuki, H. Saito, T. Yamagata, K. Anno, N. Seno, Y. Kawai, T. Furuhashi, J. Biol. Chem., 243, 1543(1968))、コンドロイチナーゼAC(Flavobacterium heparinum由来;T. Yamagata, H. Saito, O. Habuchi, S. Suzuki, J. Biol. Chem., 243, 1523(1968))、コンドロイチナーゼACII(Arthrobacter aurescens由来;K. Hiyama, S. Okada, J. Biol. Chem.,250, 1824 (1975)、K. Hiyama, S. Okada, J. Biochem.(Tokyo), 80, 1201(1976))、コンドロイチナーゼACIII(Flavobacterium sp. Hp102由来;宮園博文、菊池博、吉田圭一、森川清志、徳安清親、生化学、61、1023(1989))、コンドロイチナーゼB(Flavobacterium heparinum由来;Y. M. Michelacci, C. P. Dietrich, Biochem. Biophys. Res. Commun.,56, 973(1974)、Y. M. Michelacci, C. P. Dietrich, Biochem. J., 151, 121(1975)、前山賢一、多和田明、上野暁子、吉田圭一、生化学、57, 1189(1985))、コンドロイチナーゼC(Flavobacterium sp. Hp102由来;宮園博文、菊池博、吉田圭一、森川清志、徳安清親、生化学、61、1023(1989))等が知られており、これらのコンドロイチナーゼのいずれをも用いることができる。
【0015】
また、下記の理化学的性質を有するコンドロイチナーゼを用いることもできる(生化学, 67,737(1995)参照)。
【0016】
▲1▼作用:
グリコサミノグリカンのN−アセチルヘキソサミニド結合を加水分解する。
【0017】
コンドロイチン硫酸への作用の結果、主に12〜16糖の飽和型コンドロイチン硫酸オリゴ糖を生成する。
【0018】
▲2▼基質特異性:
pH5において、コンドロイチン硫酸に作用し、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸及びヘパリンには作用しない。
【0019】
pH3.5において、コンドロイチン硫酸及びヒアルロン酸に作用する。
【0020】
▲3▼至適反応pH:
pH5付近(基質:サメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸(平均分子量44000)、緩衝液:0.15M NaClを含む50mM クエン酸−Na2HPO4緩衝液、温度:37℃)
▲4▼等電点:
pH5付近
▲5▼分子量:
末端にアリル基を有するコンドロイチン硫酸鎖を共重合させたポリアクリルアミドゲルを用いたドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(ザイモグラフィー;Anal. Biochem. 225, 333-340(1995))において、約36kDaである。
【0021】
▲6▼エンド型酵素である。
【0022】
▲7▼ヒト由来である。
【0023】
この酵素は、例えば、ヒトの胃癌周辺組織から、通常の酵素の抽出、精製方法によって得ることができる。抽出方法として具体的には、例えば、ハサミ等による細片化、ホモジナイズ、音波処理、浸透ショック法、凍結融解法等の細胞破砕・抽出法による抽出、界面活性剤抽出等や、これらの組合わせ等の処理操作が挙げられるが、ハサミで組織を細片化する方法が特に好ましい。また、精製方法として具体的には、例えば、硫酸アンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による塩析、遠心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過法、ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法、ザイモグラフィー等や、これらの組合わせ等の処理操作が挙げられるが、ザイモグラフィー(Anal. Biochem. 225, 333-340(1995))が特に好ましい。
【0024】
また、この酵素は、ヘパリン−セファロース(Heparin-Sepharose;ファルマシア製)に吸着させることができるので、ヘパリンをリガンドとする担体を用いたクロマトグラフィーによって精製することもできる。
【0025】
さらに、この酵素の遺伝子をそれ自体既知の方法に従ってクローニングし、適当な宿主に導入して、発現させることにより、上記の理化学的性状を有するコンドロイチナーゼを得ることもできる。例えば、当該酵素の特異的コンドロイチン硫酸分解活性を指標に用い、ヒトDNAライブラリーからこの酵素をコードするDNAを単離し、これを遺伝子組換え技術によりベクターに入れ、宿主細胞に導入し発現させることにより、この酵素を得ることができる。また、クローニングは、この酵素に特異的な抗体を作成し該抗体を用いて行うこともできる。あるいは、この酵素のN末端側のアミノ酸配列を決定し、この配列から推定されるヌクレオチド配列を有するDNAまたはオリゴヌクレオチドをプローブとしてクローニングを行うこともできる。発現した酵素は上記のような抽出・精製方法を用いて回収できる。
【0026】
さらに、下記の理化学的性質を有するコンドロイチナーゼを用いることもできる(J. Biol. Chem., 272, 9123-9130(1997)参照)。
【0027】
▲1▼作用:
(1)グリコサミノグリカンのN−アセチルヘキソサミニド結合を分解し、完全に分解すると実質的に不飽和型グリコサミノグリカン二糖のみを生成する。
【0028】
(2)エキソ型酵素である。
【0029】
▲2▼基質特異性:
コンドロイチン、コンドロイチン 4−硫酸、コンドロイチン 6−硫酸、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E、デルマタン硫酸、コンドロイチン 6−硫酸六糖、コンドロイチン 6−硫酸四糖、およびコンドロイチン硫酸プロテオグリカンのコンドロイチン硫酸鎖部分のいずれにも作用する。
【0030】
ケラタン硫酸、ヘパリンおよびヘパラン硫酸には作用しない。
【0031】
▲3▼分子量:
還元条件下におけるSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、約105kDa。
【0032】
▲4▼アミノ酸組成:
このコンドロイチナーゼの酸加水分解物のアミノ酸分析により、シスチンが検出される。このことは、このコンドロイチナーゼにはシステイン残基および/またはシスチン残基が含有されていることを示している。
【0033】
▲5▼N末端アミノ酸:
N末端アミノ酸はロイシンである。
【0034】
▲6▼等電点:
pH約8.45(等電点電気泳動法)
▲7▼至適温度:
40℃付近(基質:コンドロイチン6−硫酸、緩衝液:トリス−塩酸(Tris-HCl)緩衝液、pH:8.0)
▲8▼至適反応pH:
pH8付近(基質:コンドロイチン6−硫酸、緩衝液:Tris-HCl緩衝液、温度:37℃)
この酵素は、コンドロイチン硫酸ABC エキソリアーゼ(chondroitin sulfate ABC exolyase)またはエキソコンドロイチナーゼABC(exochondroitinase ABC)として知られており、その製造方法等も知られている(A. Hamai, N. Hashimoto, H. Mochizuki, F. Kato, Y. Makiguchi, K. Horie and S. Suzuki, J. Biol. Chem.,272, 9123-9130(1997))。
【0035】
これら各種のコンドロイチナーゼは、あくまで例示であり、本発明はかかるコンドロイチナーゼに限定されるものではない。なお、本発明において用いるコンドロイチナーゼは、1種類のコンドロイチナーゼであってもよく、あるいは複数種のコンドロイチナーゼの組み合わせであってもよく、本明細書において単に「コンドロイチナーゼ」という場合には、これら両方の意味を包含する。
【0036】
本発明においては、特に、コンドロイチナーゼABCを用いることが好ましい。また、コンドロイチナーゼABCの中でも、特に、Proteus vulgaris由来のコンドロイチナーゼABCを用いることが好ましい。
【0037】
コンドロイチナーゼは、医薬として使用できる程度に精製され、医薬として混入が許容されない物質を実質的に含まない酵素であることが好ましい。すなわち、コンドロイチナーゼは、300U/mg蛋白以上の酵素比活性を有する精製されたコンドロイチナーゼであることが好ましく、300U/mg蛋白以上の酵素比活性を有し、エンドトキシンを実質的に含まず、核酸、プロテアーゼ含量が検出限界以下である精製されたコンドロイチナーゼがより好ましく、このような特性をもつ精製されたコンドロイチナーゼABCが特に好ましい。なお、本明細書において、コンドロイチナ−ゼの1単位(U)は、至適pHおよび至適温度付近の条件において、コンドロイチン硫酸から1分間に1マイクロモルの反応生成物を遊離させるのに必要な酵素量である。例えば、コンドロイチナーゼABCにおいては、pH8.0、37℃で1分間にコンドロイチン硫酸から1マイクロモルの不飽和二糖を遊離させるのに必要な酵素量である。酵素比活性が300U/mg 蛋白以上であるコンドロイチナーゼを使用することにより、注射用医薬品として生体内に投与した際に周辺組織に影響を与えること無く、目的部位(例えばヘルニア症の哺乳動物、好ましくはヒトの椎間板)のプロテオグリカンを適切に分解することができ、安全性と有効性が高い医薬とすることができる。
【0038】
本発明医薬組成物で用いるコンドロイチナーゼとして最も好ましいものは、次の性質を有する精製されたコンドロイチナーゼABCである。
【0039】
(i) 分子量が、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)による測定(還元及び非還元のいずれにおいても)及びゲル濾過法による測定において約 100,000ダルトンである。
【0040】
(ii) 等電点が約pH 8.2及び約pH 8.5である。
【0041】
(iii) 至適pHは 8.0〜8.2(基質:コンドロイチン硫酸C,緩衝液:トリス−塩酸緩衝液) 、至適温度は37℃である。
【0042】
(iv) Zn2+、Ni2+、Fe3+、及びCu2+によって活性が阻害される。
【0043】
(v) N末端アミノ酸がアラニンであり、C末端アミノ酸がプロリンである。
【0044】
(vi) SDS-PAGEにより単一のバンドを示し、高速液体クロマトグラフィー (ゲル濾過およびカチオン交換) においても単一のピークを示す。
【0045】
(vii) エンドトキシンを実質的に含まず、核酸、プロテアーゼ含量は検出限界以下である。
【0046】
(viii)結晶化し得る。
【0047】
(ix) 比活性が300U/mg 以上である。
【0048】
このようなコンドロイチナーゼABCは、例えば、特開平6−153947号公報に記載の方法で得ることができる。
【0049】
医薬担体:
本発明医薬組成物における医薬担体としては、該医薬担体1gあたりに含有される還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下であるものが使用され、さらに、過酸化物含量が20ppm以下、特に18.5ppm以下であるものがより好ましい。また、本発明医薬組成物に使用される医薬担体は、活性炭処理されたものであることが好ましい。
【0050】
ここで、「0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法」は、医薬担体2gを25mLの温水に溶解させ、希硫酸25mLとフェロイン(トリス(1,10−フェナントロリン)鉄(II)錯体:[Fe(C12H8N2)3]2+)0.1mLを加え、0.01Nのアンモニウムセリウムニトレートで、赤色から青緑色に変色し30秒維持するまで滴定する方法である。滴定に要した0.01N アンモニウムセリウムニトレートの体積を求め、これを医薬担体1gあたりの滴定量に換算することによって還元性不純物の量を求めることができる。
【0051】
医薬担体としては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤、無痛化剤等、通常医薬に用いられる添加剤が例示される。
【0052】
本発明医薬組成物で用いる医薬担体は、医薬として使用できる程度の純度であり、医薬として混入が許容されない物質を実質的に含まないものが好ましい。そのような医薬担体として具体的には、例えば、デキストラン、サッカロース、ラクトース、マルトース、キシロース、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、イノシトール、血清アルブミン、ゼラチン、クレアチニン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)などが挙げられる。
【0053】
上記のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート(polysorbate))としては、ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキシドの重合度約20)のモノラウレート、モノパルミテート、モノオレエート、モノステアレート、トリオレエート等を挙げることができ、市販品としては、ポリソルベート80 (ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20 E.O.))、ポリソルベート60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20 E.O.))、ポリソルべート40(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート (20 E.O.))、ポリソルベート20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20 E.O.))、ポリソルベート21, 81, 65, 85等を例示することができる(ここで20 E.O. とは、ポリオキシエチレン部分のエチレンオキシドの重合度が約20であることを意味する)。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、市販品のHCO−10、HCO−50、HCO−60(日光ケミカルズ)等を例示することができる。また、ショ糖脂肪酸エステルとしては、市販品のDKエステルF−160(第一工業製薬(株))、リヨウトーシユガーエステル(三菱化学フーズ)等を例示することができる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポロキサマー(poloxamer))としては、市販品のプルロニックF−68(旭電化工業(株))等を例示することができる。
【0054】
また、緩衝剤としては生理学上許容されるものであればよく、特に限定されるものではなく、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、アミノ酢酸、安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、エタノールアミン、アルギニン、エチレンジアミン等の1種以上を含有する緩衝剤が例示される。
【0055】
本発明医薬組成物においては、これら医薬担体を適宜組合わせて用いることができる。その中でも、ポリエチレングリコール及び/又はサッカロース、またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、特にポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20 E.O.)が好ましい。
【0056】
なかでもポリエチレングリコールは、凍結乾燥形態で本発明医薬組成物を提供する際、凍結乾燥後のコンドロイチナーゼの酵素活性低下を抑え、凍結乾燥物中の水分含量を低く保持することができ、凍結乾燥物を再溶解した時に澄明でかつ異物が存在せず、凍結乾燥後のケーキ形状が良好であり、また、凍結乾燥物の長期間保存によるコンドロイチナーゼの酵素活性低下が比較的少ないという効果を有する点から好適である。
【0057】
また、ポリエチレングリコールとサッカロースとの混合物は、凍結乾燥形態で本発明医薬組成物を提供する際、凍結乾燥後のコンドロイチナーゼの酵素活性低下を抑え、凍結乾燥物中の水分含量を低く保持することができ、凍結乾燥物を再溶解した時に澄明でかつ異物が存在せず、凍結乾燥後のケーキ形状が良好であり、また、凍結乾燥物の長期間保存によるコンドロイチナーゼの酵素活性低下が非常に少ないという効果を有する点から、特に好ましい。
【0058】
上記の場合に用いうるポリエチレングリコールとしては、該ポリエチレングリコール1gあたりに含有される還元性不純物の量が0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下のものである限り特に限定されないが、さらに、過酸化物含量が20ppm以下、特に18.5ppm以下であるものを用いることがより好ましい。
【0059】
また、ポリエチレングリコールは平均分子量が200〜25000であるものが好ましく、さらには常温で固体であるもの、例えば、平均分子量が2000〜9000であるものがより好ましく、2000〜4000であるものが特に好ましく、3000〜4000であるものが極めて好ましい。平均分子量が3000〜4000であるポリエチレングリコールとしては、例えば平均分子量3250、3350および4000のものを例示することができる。
【0060】
サッカロースもまた、該サッカロース1gあたりに含有される還元性不純物の量が0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下であるものを使用する。さらに、サッカロース中の過酸化物含量が20ppm以下、特に18.5ppm以下であるものを用いることがより好ましい。
【0061】
なお、市販のサッカロースは、エンドトキシン含量が一般に高いことが本発明者らにより確かめられているので、活性炭処理等により10%(w/w)サッカロース溶液中におけるエンドトキシン濃度が0.03EU/mL以下、望ましくは0.01EU/mL以下、より一層望ましくは0.006EU/mL以下となるように処理することが好ましい。
【0062】
サッカロース中のエンドトキシン濃度は、それ自体既知のエンドトキシンの測定法を用いて測定することができるが、カブトガニ・アメボサイト・ライセート成分を用いるリムルス試験法が好ましい。リムルス試験法に用いるリムルス試薬としては、エンドトキシン特異的リムルス試薬を用いることが好ましい。リムルス試薬としては、例えば次に挙げる市販のリムルス試薬を用いることができる;トキシカラーシステムLS−6,LS−20,LS−200、エンドスペシーES−6,エンドスペシーES−200(以上、生化学工業株式会社販売)、リムルスES−IIテストワコー,リムルスES−IIシングルテストワコー,リムルスES−IIIテストワコー,リムルスES−Jテストワコー(以上、和光純薬工業株式会社販売)。
【0063】
医薬担体としてポリエチレングリコール及び/又はサッカロースを用いる場合、ポリエチレングリコール/サッカロースの重量比が一般に0/1〜10/1程度となるように配合することが好ましく、また、医薬担体としてポリエチレングリコールとサッカロースとの混合物を用いる場合、ポリエチレングリコール/サッカロースの重量比が1/10〜10/1程度となるように配合することが好ましく、1.5/1〜3/1程度となるように配合することがより好ましく、2/1程度となるように配合することが特に好ましい。
【0064】
またこの場合、ポリエチレングリコールとサッカロースの混合物中の還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として、該混合物1gあたり0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下となるようにすることが重要であり、さらに、ポリエチレングリコールとサッカロースの混合物中の過酸化物含量が20ppm以下、特に18.5ppm以下となるようにすることがより好ましい。
【0065】
医薬担体としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いる場合、該エステル1gあたりに含有される還元性不純物の量が0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用する。さらに該エステル中の過酸化物含量が20ppm以下、特に18.5ppm以下であるものを用いることがより好ましい。
【0066】
医薬担体中の過酸化物含量は、医薬担体1gを正確にはかりとり、蒸留水を加えて10mLとし、すなわち10%(w/v)水溶液とし、この水溶液0.8mLに20%(v/v)硫酸0.25mLと1M TiSO4(BDH製)0.15mLを加え、408nmの紫外部吸収を測定し、その後既知濃度のH2O2を用いて作成した検量線を基に、H2O2濃度を算出する方法によって測定することができる。
【0067】
本発明医薬組成物において使用することを望む医薬担体中の還元性不純物の量及び/又は過酸化物含量は、例えば、医薬担体を常法により活性炭で処理することにより低減させることができる。また、過酸化物含量は医薬担体を加熱処理することによっても低減させることができる。
【0068】
本発明医薬組成物中のコンドロイチナーゼと医薬担体の配合比率は特に限定されるものではなく、投与量や本発明医薬組成物の形態等に応じて、当業者が適宜決定することができる。例えば、本発明組成物を凍結乾燥状態で提供(保存)する場合、本発明組成物中のコンドロイチナーゼの含量は、凍結乾燥ケーキの形状が維持できる程度とすることが好ましい。
【0069】
本発明医薬組成物の調製は、コンドロイチナーゼ及び前記の如き医薬担体を用いそれ自体既知の方法を用いて行なうことができる。また、本発明医薬組成物は、溶液状態、凍結状態、乾燥状態のいずれの状態であってもよい。
【0070】
本発明医薬組成物を溶液状態で提供する場合は、例えば、pHを調整した緩衝液を用意し、それに前述のコンドロイチナーゼおよび医薬担体を添加して、コンドロイチナーゼを5U/mL以上、好ましくは10〜400U/mL含有する溶液とし、必要に応じて濾過滅菌を行うことによって製造することができる。
【0071】
本発明医薬組成物を凍結状態で提供する場合は、例えば、上記した溶液状態の本発明医薬組成物を、例えば−80 〜−18℃で凍結させることにより製造することができる。
【0072】
本発明医薬組成物を乾燥状態で提供する場合は、例えば、上記した溶液状態の本発明医薬組成物を、凍結乾燥法等の非加熱条件で乾燥処理することよって製造することができる。
【0073】
これらの中で、本発明医薬組成物の好ましい状態は乾燥状態であり、より好ましくは凍結乾燥状態、すなわち凍結乾燥物である。
【0074】
本発明医薬組成物は溶液状態(本発明医薬組成物が凍結状態である場合は、凍結前および融解後の溶液状態、本発明医薬組成物が凍結乾燥組成物である場合は、凍結乾燥前および溶媒添加による再溶解後の溶液状態)で、通常、pH5〜9、好ましくは6〜8を示すように調整することが望ましい。このために本発明組成物には、通常、該pH領域に維持可能な緩衝剤が配合される。該緩衝剤としては生理学上許容されるものであればよく、特に限定されず、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、アミノ酢酸、安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、エタノールアミン、アルギニン、エチレンジアミンまたはそれらの混合物が例示される。特にリン酸塩緩衝液(剤)が好ましい。これらの緩衝剤によって本発明医薬組成物を溶液状態においてpH領域を5〜9、好ましくは6〜8に調整、保持することができる。なお、pHが5より低い場合および9より高い場合には、コンドロイチナーゼが失活したり、溶液状態で不溶物が生成することがある。また、本発明医薬組成物中の緩衝剤の濃度は1mM以上、好ましくは10〜50mMとすることができる。本発明医薬組成物は、緩衝剤のほかに、等張化のために必要な成分(塩化ナトリウムなどの塩類、糖類など)や、保存剤、無痛化剤等を含有していてもよい。
【0075】
本発明医薬組成物は、そのまま医薬品として投与するための最終剤形として用いることができ、あるいは他の最終剤形医薬品、例えば、液剤、凍結乾燥剤等
の原料として使用することもできる。
【0076】
本発明医薬組成物は、コンドロイチナーゼを有効成分とする注射用製剤として主に使用される。本発明医薬組成物を溶液状態の注射用製剤として提供する場合、前記の方法で製造される溶液状態の本発明医薬組成物を、アンプル、バイアル、注射用シリンジ等の適当な容器に充填・密封し、そのまま流通させあるいは保存し、注射剤として投与に供することができる。
【0077】
本発明医薬組成物を凍結状態の注射用製剤として提供する場合、アンプル、バイアル、注射用シリンジ等の適当な容器中に、前記の方法で製造される凍結状態の本発明医薬組成物を密封状態で保持させて、流通させあるいは保存し、投与前に融解させて注射剤として投与に供することができる。
【0078】
なお、流通や保存は−80〜−25℃の温度で行うことが好ましい。
【0079】
また、本発明医薬組成物を乾燥状態の注射用製剤として提供する場合、アンプル、バイアル、注射用シリンジ等の適当な容器中に前記の方法で製造される乾燥状態の本発明医薬組成物を密封状態で保持させて、流通させあるいは保存し、投与前に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液またはソルビトール水溶液等で溶解し、注射剤として投与に供することができる。乾燥状態の本発明医薬組成物は、溶解用の溶媒とセットで提供してもよい。
【0080】
以上に述べた注射用製剤の中でも、乾燥状態のものが好ましく、凍結乾燥状態のものがより好ましい。すなわち、本発明医薬組成物は注射用凍結乾燥組成物の形態であることが特に好ましい。
【0081】
アンプル、バイアル、注射用シリンジ等の適当な容器に本発明組成物を充填あるいは密封する際、本発明医薬組成物の化学反応、特に酸化を防ぐために、窒素ガスや希ガス等の不活性ガスを共に充填あるいは密封することが好ましい。
【0082】
本発明医薬組成物を充填・密封することができるアンプル、バイアル、注射用シリンジ等の容器の材質は、本発明医薬組成物に影響を与えず、製剤学上許容される材質であれば特に限定されないが、ガラスであることが好ましい。
【0083】
注射用凍結乾燥組成物として提供される本発明医薬組成物は、凍結乾燥前後でコンドロイチナーゼの酵素活性の低下が極めて少ないという特徴がある。具体的には、本発明医薬組成物は、凍結乾燥前のコンドロイチナーゼの酵素活性に対する凍結乾燥後のコンドロイチナーゼの酵素活性を90%以上に保持することができる。コンドロイチナーゼの酵素活性の測定方法としては、例えば、コンドロイチン硫酸を基質にして、コンドロイチナーゼを37℃で作用させた時に生成する紫外部に顕著な吸収を有する不飽和二糖類を吸光光度法(例えば232nmの吸光度)で測定することにより求めることができる。
【0084】
また、注射用凍結乾燥組成物の形態で提供される本発明医薬組成物の場合、一般に水分含量が低いほど凍結乾燥製剤の安定性が向上すると考えられていること、および凍結乾燥製剤の水分含量としては3%(w/w)以下を目標に設定することが製剤学上通常行われていることから、本発明の注射用凍結乾燥組成物中の水分含量もまた、3%(w/w)以下とすることが好ましい。水分含量は、例えば、サンプルを以下の条件で加熱し、加熱前後の重量をマイクロ天秤で測り、減少した重量を水分量とする(加熱条件:サンプルを25℃から105℃まで、2.5℃/分で加熱し、105℃に達したら20分間105℃で保持する)乾燥減量法(TG法)、あるいはサンプルをメタノール中で3分間撹拌し、水分を抽出し、抽出された水分に電量滴定を行い、要した電気量(クーロン)から水分量を換算するカールフィッシャー法で測定することができる。
【0085】
注射用凍結乾燥組成物の形態で提供される本発明医薬組成物は、該凍結乾燥組成物を生理食塩水で溶解した時に、澄明でありかつ異物が存在しないものであることが好ましい。澄明であることおよび異物が存在しないことは、肉眼による観察により容易に判定することができる。
【0086】
注射用凍結乾燥組成物の形態で提供される本発明医薬組成物は、常温で長期間保存しても、コンドロイチナーゼの酵素活性の低下が極めて少ないという利点がある。例えば、本発明医薬組成物は、窒素充填したガラス容器内で40℃で30日間保存した場合、保存開始時のコンドロイチナーゼの酵素活性の90%以上を保持することが可能である。
【0087】
本発明医薬組成物は、例えば椎間板ヘルニアの処置に使用することができ、これにより本発明処置剤が提供される。本発処置剤は、注射剤としてヘルニア症の哺乳動物、好ましくはヒトの椎間板に注入し、髄核を溶解して治療する椎間板溶解療法に用いることができる。投与量は、症状、年令等によって個別に設定されるべきものであり、特に限定されないが、コンドロイチナーゼとしてコンドロイチナーゼABCを用いる場合、通常、1回0.1〜100U程度を注入することができる。
【0088】
【実施例】
次に、コンドロイチナーゼABCを含有する本発明医薬組成物に関する実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、該実施例は本発明の単なる例示であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0089】
実施例で用いるコンドロイチナーゼABCは、特開平6−153947号公報に記載の方法で製造したものである。
【0090】
このコンドロイチナーゼABCは、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)おいて単一のバンドを示し、また、高速液体クロマトグラフィー(ゲル濾過およびカチオン交換)においても単一のピークを示した。これらの結果から、このコンドロイチナーゼABCは完全に精製されているものであることが確認された。
【0091】
このコンドロイチナーゼABC 100Uあたりのエンドトキシン含量は、トキシカラーシステム(生化学工業株式会社製)を用いて測定した結果、3.4pg(0.00986EU;EUはエンドトキシン単位を意味し、1pg=0.0029EUである)と極めて微量であり、エンドトキシンを実質的に含有していなかった。
【0092】
このコンドロイチナーゼABC中の核酸(DNA)の量を、スレッシュホールド法(DNA測定装置:スレッシュホールド(モレキュラーデバイス社製))で測定したが、DNAは検出されなかった。
【0093】
このコンドロイチナーゼABC中のプロテアーゼを、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)-カゼインを基質として測定した結果、プロテアーゼは検出されなかった。
【0094】
コンドロイチナーゼABCの酵素活性は以下の方法で測定した。
【0095】
コンドロイチン硫酸C 1.2mgを基質にして、50mM酢酸ナトリウムを含有する50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8)とカゼイン10μgに、酵素試料(コンドロイチナーゼABC)を加え、37℃で10分間反応させ、pH1.8の0.05M塩酸を加えて反応を止め、紫外部(232nm)の吸光度で測定した。一方、対照として熱変性させた酵素試料を上記組成の基質溶液中に保持し、同様の処理を行って232nmにおける吸収を測定した。コンドロイチナーゼABCの作用により生成する不飽和二糖の量は、対照に対する吸収の増加から計算した。なお、2-アセトアミド-2-デオキシ-3-0-(β-D-グルコ-4-エンピラノシルウロン酸)-6-0-スルフォ-D-ガラクトースのミリモル分子吸光係数を5.5とし、1単位(U) の酵素量は、上記反応条件下において1分間に不飽和二糖を1マイクロモル遊離する反応を触媒する酵素量と定義した。
【0096】
この結果、このコンドロイチナーゼABCは300U/mg蛋白以上の比活性を有することが確認された。
【0097】
実施例1:コンドロイチナーゼABCとポリソルベート80とからなる本発明医薬組成物の調製
ポリソルベート80を複数の製造元から入手し、前述の方法でポリソルベート801g中の還元性不純物の量および過酸化物濃度を測定した。
【0098】
その後、20mM リン酸緩衝液(pH7)に、塩化ナトリウム(0.75%)、前記の高度に精製されたコンドロイチナーゼABC(比活性350U/mg;終濃度25U/mL)およびポリソルベート80(0.15%(w/w))を溶解して組成物(溶液)を調製し、メンブランフィルター(ポアサイズ 0.22μm;マイレックスGV,MILLIPORE製)を使用して濾過滅菌を行い、滅菌済みのガラスアンプルに2mLづつ充填し、熔閉した。
【0099】
熔閉したガラスアンプルを、25℃下で1ヶ月保存し、下記の方法で評価を行った。
【0100】
評価方法:
(1)性状:白色および黒色の紙をバックにして、白色光源の直下約1000ルクスの明るさの位置で肉眼で観察した。
【0101】
(2)コンドロイチナーゼABCの酵素活性測定:前記した酵素活性の測定方法における「酵素試料」として、保存前の溶液または保存後の溶液を用いて測定を行った。
【0102】
保存前の溶液(Pre溶液)の酵素活性に対する保存後の溶液(Post溶液)の酵素活性の割合を次式により算出し、25℃、1ヶ月の保存による酵素活性の変化を比較した。
【0103】
[Post溶液の酵素活性/Pre溶液の酵素活性]× 100(%)
この結果を「安定性」として、医薬担体(ポリソルベート80)1g中の還元性不純物質量および過酸化物濃度の測定結果と併せて表1に示す。なお、表1中の「N/T」は測定していないことを示す。
【0104】
【表1】
【0105】
この結果、医薬担体(ポリソルベート80)1g中の還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量が0.4mL以下である医薬組成物(表1中A〜G)は、液体で25℃、1ヶ月保存後も60%以上の活性を有していた。
【0106】
これに対し、医薬担体(ポリソルベート80)1g中の還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量が0.4mL以上である医薬組成物(表1中H〜L)は、液体で25℃、1ヶ月保存後の活性は40%以下であった。
【0107】
なお、25℃で1ヶ月保存後、全ての試料は無色透明で、不溶性異物の生成は認められなかった。
【0108】
実施例2: 活性炭処理による還元性不純物の量および過酸化物濃度の低減効果
上記表1中の製品Bのポリソルベート80および製品Lのポリソルベート80を用いて、ポリソルベート80の活性炭処理による効果を調べた。
【0109】
製品Bおよび製品Lのポリソルベート80各10gを水に溶解して100mLとした後、250℃、5時間加熱処理した活性炭10gをそれぞれ加え、室温下、30分間攪拌した後、活性炭を濾過して取除き、ポリソルベート80の活性炭処理物を得た。
【0110】
かくして得られたポリソルベート80について、活性炭処理前後の還元性不純物含量および過酸化物含量を測定(いずれも前述と同様の方法で測定)し、実施例1に記載の組成で組成物を調製し、25℃、1ヶ月保存後のコンドロイチナーゼABCの安定性を調べた。その結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】
この結果から、活性炭処理によって還元性不純物の量および過酸化物含量が低下することが示された。特に活性炭処理による還元性不純物の量の低下が顕著であった。
【0113】
また、活性炭処理したポリソルベート80を用いて調製した医薬組成物は、活性炭処理しないポリソルベート80を用いて調製した医薬組成物に比べて、コンドロイチナーゼABC活性が安定に保持されることが示された。
【0114】
実施例3: コンドロイチナーゼABCおよびポリエチレングリコールからなる本発明医薬組成物(凍結乾燥品)の調製
(1)本実施例で用いたポリエチレングリコール
ポリエチレングリコール4000(PEG4000、平均分子量2600〜3800;和光純薬工業株式会社製、一級、Lot. No. CAE0369)をエンドトキシンフリーの蒸留水(注射用水)に溶解し、この水溶液を活性炭で処理して、還元性不純物の量および過酸化物含量を前述の方法で測定した結果、4%(w/v)ポリエチレングリコール溶液中の還元性不純物の量は滴定量で0mLであり、6.66%(w/v)ポリエチレングリコール溶液中の過酸化物含量は検出限界以下(0.0017%(w/v)以下)であった。
【0115】
(2)試験方法
(安定性試験)
10mM リン酸緩衝液(pH7)に、コンドロイチナーゼABC(終濃度20U/mL)およびポリエチレングリコール4000(終濃度1%(w/w))を溶解し、1バイアルあたり1mLで分注し(コンドロイチナーゼABCとして20U/バイアルとなる)、凍結乾燥した。凍結乾燥は、室温から−45℃まで冷却凍結後、減圧下(60 mTorr)で12時間一次乾燥し、次に25℃まで昇温(12時間)し、25℃で10時間二次乾燥した。乾燥後、窒素ガスで復圧し、打栓した。
【0116】
次に、下記の方法に従い、「凍結乾燥前の溶液の酵素活性」に対する「凍結乾燥物を40℃下で30日間保存した後に再溶解した溶液の酵素活性」の割合を求めた。凍結乾燥後のコンドロイチナーゼの酵素活性(以下、「コンドロイチナーゼの酵素活性」を単に「酵素活性」ともいうこともある)、ケーキ形状、再溶解性および水分含量について評価した。
【0117】
酵素活性は、前記した酵素活性の測定方法に従い、酵素試料として凍結乾燥前の溶液または凍結乾燥後に生理食塩水で再溶解した溶液を用いて測定を行った。
【0118】
凍結乾燥前の溶液(Pre-FD 溶液)の酵素活性に対する凍結乾燥後に再溶解した溶液(Post-FD溶液)の酵素活性の割合を次式により算出し、凍結乾燥時およびその後の保存時の酵素活性の変化を比較した。
【0119】
[Post-FD の酵素活性/Pre-FD の酵素活性]× 100(%)
ケーキ形状は、肉眼で観察して、凍結乾燥後の乾燥ケーキの形状が良好な錠剤状のケーキであったものを「良」、凍結乾燥後の乾燥ケーキの形状が良好な錠剤状のケーキでなかったものを「不良」とした。
【0120】
再溶解性は、凍結乾燥後、生理食塩水 2mLで再溶解した時の溶解性および溶解後の液の性状を観察することにより判断した。具体的には、生理食塩水を添加してから1分以内で溶解することを確認した上で、溶解後の液に、肉眼で観察して不溶性異物を認めたものを「+」、澄明であり、異物を認めなかったものを「−」とした。また水分含量は前述のカールフィッシャー法により測定した。
【0121】
(3)結果
コンドロイチナーゼABCおよびポリエチレングリコール4000の組み合わせからなる凍結乾燥物の安定性試験(40 ℃保存、30日間)の結果、コンドロイチナーゼABCおよびポリエチレングリコール4000の組み合わせからなる凍結乾燥組成物は、40 ℃下で30日間保存しても酵素活性の低下が少なく(Pre-FD 溶液の酵素活性に対するPost-FDの酵素活性の割合76.1%)、極めて安定に保持されることが示された。
【0122】
また、凍結乾燥物の水分含量は3%(w/w)以下と低く、ケーキ形状も「良」であり、再溶解性も「−」であった。
【0123】
実施例4: コンドロイチナーゼABC、ポリエチレングリコールおよびサッカロースからなる本発明医薬組成物(凍結乾燥品)の調製
(1)本実施例で用いたポリエチレングリコール
実施例3と同様に、ポリエチレングリコール4000を活性炭処理したものを使用した。
【0124】
(2)本実施例で用いたサッカロース
サッカロース(精製白糖;大日本明治製糖株式会社製、Lot.No.910403)をエンドトキシンフリーの蒸留水(注射用水)に10%(w/w)となるように溶解し、該水溶液中のエンドトキシン濃度を、トキシカラーシステム(生化学工業株式会社製)で測定した結果、6.66EU/mL(2296.49 pg/mL)であった。この水溶液を活性炭で処理し、再度エンドトキシン濃度を同様に測定した結果、0.001 EU/mL(0.43 pg/mL)であった。また、この活性炭処理したサッカロース中の過酸化物含量および還元性不純物含量を、前述の方法で測定した結果、4%(w/v)サッカロース溶液中の還元性不純物の量は滴定量で0mLであり、6.66%(w/v)サッカロース溶液中から過酸化物は検出されなかった。
【0125】
(3)試験方法
(3-1)予備試験
予備試験として、まずコンドロイチナーゼABCを添加しない医薬担体のみの試料を調製して、凍結乾燥物の形状を検討した。具体的には、10 mM リン酸緩衝液(pH 7)に医薬担体としてサッカロースとポリエチレングリコール4000を表3に示す割合で配合して溶解し、凍結乾燥したものを試料として、凍結乾燥後のケーキ形状を評価した。
【0126】
【表3】
【0127】
凍結乾燥は、室温から−45℃まで冷却凍結後、減圧下(60 mTorr)で12時間一次乾燥し、次に25℃まで昇温(12時間)し、25℃で10時間二次乾燥することにより行った。凍結乾燥後、窒素ガスで復圧し、打栓した。
【0128】
この結果、サッカロースとポリエチレングリコール4000の配合比が1/2のものは、溶け戻り(メルトバック)、崩壊および収縮を生じなかった。
【0129】
(3-2)本試験(安定性試験)
10mM リン酸緩衝液(pH7)に、コンドロイチナーゼABC(終濃度20U/mL)、サッカロース(終濃度1%(w/w))およびポリエチレングリコール4000(終濃度2%(w/w))を溶解し、1バイアルあたり0.5mLで分注し(コンドロイチナーゼABCとして10U/バイアルとなる)、凍結乾燥した。凍結乾燥は、室温から−45℃まで冷却凍結後、減圧下(60 mTorr)で12時間一次乾燥し、次に25℃まで昇温(12時間)し、25℃で10時間二次乾燥することにより行った。乾燥後、窒素ガスで復圧し、打栓した。
【0130】
これ以降の試験は、実施例3に記載された「安定性試験」と同様の方法で行い、評価した。
【0131】
(4)結果
コンドロイチナーゼABC、サッカロースおよびポリエチレングリコール4000の組み合わせからなる凍結乾燥物の安定性試験(40 ℃保存、30日間)の結果、コンドロイチナーゼABC、サッカロースおよびポリエチレングリコール4000の組み合わせからなる凍結乾燥組成物は、40 ℃下で30日間保存してもほとんど酵素活性の低下が見られず(Pre-FD 溶液の酵素活性に対するPost-FDの酵素活性の割合90.9%)、極めて安定に保持されることが示された。
【0132】
また、凍結乾燥物の水分含量は1.5%(w/w)以下と低く、ケーキ形状も「良」であり、再溶解性も「−」であった。
【0133】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明医薬組成物は、コンドロイチナーゼ、好ましくは比活性が高く高純度に精製されたコンドロイチナーゼと、還元性不純物濃度が0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として1gあたり0.4mL以下でありかつ望ましくは過酸化物濃度が20ppm以下である医薬担体とからなる。
【0134】
本発明は、このような組成物構成を選択することにより、長期間保存した後のコンドロイチナーゼの酵素活性の低下が極めて少ない医薬組成物を提供することができる。さらに、本発明医薬組成物を用いることにより、長期保存が可能、取扱いが容易、安全かつ有効な医薬品、特に椎間板ヘルニアの処置剤を提供することができる。
Claims (15)
- コンドロイチナーゼ、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、サッカロース、ポリエチレングリコール、及びサッカロースとポリエチレングリコールとの混合物よりなる群から選ばれる医薬担体を含有し、該医薬担体1gあたりに含有される還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以下であることを特徴とする、医薬組成物。
- 医薬担体1gあたりに含有される還元性不純物の量が、0 . 01Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.36mL以下であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
- 医薬担体の過酸化物含量が20ppm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- 医薬担体の過酸化物含量が18.5ppm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
- 医薬担体が活性炭処理されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 医薬担体がサッカロース及び/又はポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールの平均分子量が2000〜4000であることを特徴とする、請求項6に記載の医薬組成物。
- 医薬担体がポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
- 医薬担体がサッカロースとポリエチレングリコールの混合物であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールとサッカロースの配合比がポリエチレングリコール/サッカロースの重量比で0/1〜10/1であることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。
- 凍結乾燥物の形態である請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 医薬担体がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- コンドロイチナーゼがコンドロイチナーゼABCであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- コンドロイチナーゼABCの比活性が300U/mg蛋白以上であることを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物からなる椎間板ヘルニアの処置剤。
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-
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