JP4170116B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛剤組成物に関し、詳しくは、使用時における刺激臭がなく臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、かつ毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れた染毛剤組成物に関する。尚、本発明においては、染毛剤組成物とは、酸化染毛剤組成物、及び酸化染料を含まない場合においては、脱色剤を包含したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、使用時における刺激臭がなく臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、かつ毛髪損傷が少なく、毛髪のコンディショニング効果を向上させる方法として、アルカリ剤にアンモニアと炭酸アンモニウム及び/又は炭酸水素アンモニウムを組み合わせて使用する方法(特許文献1参照)、アルカリ剤にアンモニアと塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムまたは硝酸アンモニウムを組み合わせて使用する方法(特許文献2参照)、アルカリ剤にアンモニアとトリエタノールアミン、ジエタノールアミンを組み合わせて使用する方法(特許文献3参照)、モノエタノールアミンとアンモニアとカチオン化ポリマーとアンモニウム塩及び/又はアルカノールアミン塩を組み合わせて使用する方法(特許文献4参照)、アルカリ剤にアンモニアと不揮発性アルカリを特定の混合比で使用する方法(特許文献5参照)、アンモニア又はアンモニウム塩と炭酸イオンを組み合わせて使用する方法(特許文献6参照)、アンモニアとアンモニウム塩と遷移金属塩とキレート剤を組み合わせて使用する方法(特許文献7、8参照)、アンモニアとアンモニウム塩と炭酸塩を組み合わせて使用する方法(特許文献9参照)、アルカリ剤にアンモニアとイソプロパノールアミンを組み合わせて使用する方法(特許文献10参照)、アルカリ剤にアンモニアとアルカリ金属の炭酸塩を組み合わせて使用する方法(特許文献11参照)など試みられてきた。
【0003】
また、アルカリ剤に炭酸塩と刺激臭を発しないアルカリ剤を組み合わせて使用する方法(特許文献12参照)、アルカリ剤に炭酸塩のみを使用する方法(特許文献13,14参照)、ヒドロキシカルボン酸(塩)とモノエタノールアミンを組み合わせて使用する方法(特許文献15参照)、モノイソプロパノールアミンを使用する方法(特許文献16,17,18参照)なども試みられてきた。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−155108号公報
【特許文献2】
特開平1−165514号公報
【特許文献3】
特開平1−213220号公報
【特許文献4】
特開平10−45547号公報
【特許文献5】
特開平9−255541号公報
【特許文献6】
特開平11−343219号公報
【特許文献7】
特開2001−158722号公報
【特許文献8】
特開2002−179539号公報
【特許文献9】
特開2001−206825号公報
【特許文献10】
特開2001−288053号公報
【特許文献11】
特開2001−328926号公報
【特許文献12】
特開平3−170413号公報
【特許文献13】
特開昭63−139115号公報
【特許文献14】
特開昭63−174917号公報
【特許文献15】
特開2000−351718号公報
【特許文献16】
特開2000−264822号公報
【特許文献17】
特開2000−336020号公報
【特許文献18】
特開2001−122743号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1〜11においては、特にアンモニアが必須成分であったため、刺激臭があり、臭いの面で満足のゆくものではなかった。また、上記特許文献12〜18では、臭いの面では改善されたが、有機アミン類や炭酸塩などではアンモニアを使用した場合に比べて染色性や染色堅牢性が劣り、また十分な毛髪損傷防止や毛髪のコンディショニング効果も得られていなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、使用時における刺激臭がなく臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、かつ毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れた染毛剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、上記課題を解消すべく鋭意検討を行った結果、不揮発性アミン類、無機酸系アンモニウム塩、及び中性アミノ酸又はその塩類を含有する後述の染毛剤組成物が、使用時における刺激臭がなく臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、かつ毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、下記成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とする染毛剤組成物である。
(A)不揮発性アミン類
(B)無機酸系アンモニウム塩
(C)中性アミノ酸又はその塩類
【0009】
好ましくは、(A)不揮発性アミン類がモノエタノールアミンであり、使用時における濃度が0.1〜10質量%である前記染毛剤組成物、(B)無機酸系アンモニウム塩が炭酸アンモニウム及び/又は炭酸水素アンモニウムである前記染毛剤組成物、(C)中性アミノ酸が、グリシン、アラニン、プロリンから選ばれる1種以上からなる前記染毛剤組成物である。より好ましくは更に、(D)シリコーン誘導体、ペプチド誘導体、両性ポリマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する前記染毛剤組成物にある。また、両性ポリマーは塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸からなる共重合体、又は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリルアミドからなる共重合体、又は、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムとアクリル酸とアクリル酸メチルからなる共重合体であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下、詳述する。
【0011】
本発明に用いられる不揮発性アミン類は、25℃、1気圧下において、固体〜液体状態にあるアミン類を言う。例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。これらの中でも染色性及び染色堅牢性の良好なモノエタノールアミンが好ましい。
【0012】
不揮発性アミン類の配合量は、使用時における濃度が0.1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜5質量%である。当該範囲内であれば、染色性が良好であり、また著しい毛髪の損傷を生ずることがない。
【0013】
本発明に用いられる無機酸系アンモニウム塩は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。無機酸系アンモニウム塩を用いることで、臭いの面で改良されるとともに、染色性及び染色堅牢性が向上する。これらの中でも染色性及び染色堅牢性の点から炭酸アンモニウム及び/又は炭酸水素アンモニウムを用いるのが好ましい。特にモノエタノールアミンと、炭酸アンモニウム及び/又は炭酸水素アンモニウムとを併用すると染色性及び染色堅牢性が著しく向上するため好ましい。
【0014】
無機酸系アンモニウム塩の配合量は、使用時における濃度が0.025〜2.5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.25〜1.5質量%である。当該範囲内であれば、染色性及び染色堅牢性が良好であり、また著しい毛髪の損傷を生ずることがない。
【0015】
本発明に用いられる中性アミノ酸は、等電点が5〜6.5のアミノ酸を言う。例えば、グリシン、トリメチルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、グルタミン等が挙げられる。これらの中性アミノ酸は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの塩類も用いることができる。これらの中でも水溶解性の高いグリシン、アラニン、プロリンから選ばれる中性アミノ酸が製造上好ましい。
【0016】
これら中性アミノ酸又はその塩類の配合量は、使用時における濃度が0.001〜0.5質量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%である。当該範囲内であれば、染色性及び染色堅牢性が良好であり、著しい毛髪の損傷を生ずることがなく、十分なコンディショニング効果が得られる。
【0017】
本発明に用いられるシリコーン誘導体の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレン変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等が挙げられ、特に好ましくはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンである。本発明に用いられるシリコーン誘導体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、好ましくは25℃における粘度が10,000mm2/s以下、さらに好ましくは5000mm2/s以下の低分子量のシリコーン誘導体を用いることが、乳化安定性の点から好ましい。しかし、25℃における粘度が10,000mm2/sを越える高分子量のものを配合する場合であっても、粘度が10,000mm2/s以下の低分子量のものと併せて配合することで乳化安定性が良好となり、好適に配合することができる。
【0018】
これらシリコーン誘導体の配合量は、使用時における濃度が0.05〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは0.4〜6質量%である。当該範囲内であれば、使用感が良好で、ぱさつき感が生じず、十分なコンディショニング効果が得られる。
【0019】
本発明に用いられるペプチド誘導体のタンパク源となるタンパク質としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン、ケラチン、絹フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、鶏等の卵の卵黄タンパク、卵白タンパク等の動物由来のものや、大豆、アーモンド、小麦、ビール粕、トウモロコシ、米、米糠、イモ類、綿実、エンドウ豆、カラス麦の蛋白質等の植物由来のもの、さらには、サッカロミセス属、カンディタ属、エンドミコプシス属の酵母菌や、ビール酵母菌、清酒酵母菌より分離した酵母蛋白質、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離したタンパク等の微生物由来のものが挙げられる。
【0020】
これらのペプチド誘導体は、使用性を損なわない範囲で十分なコンディショニング効果を与えるためには、これらペプチド誘導体のうちでも、特に動物又は植物より得られるコラーゲン、ケラチン、コンキオリン、絹フィブロイン、小麦蛋白質、大豆蛋白質等の蛋白質加水分解物又はこれらのカチオン化物、アシル化物、アルキルエステル化物、シリル化物等の誘導体が望ましく、その分子量は、特に規定されるものではないが、GPCカラム分析法による平均分子量50〜50,000のものが好ましく、さらに平均分子量200〜10,000のものが好ましい。これらのペプチド誘導体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、好ましい配合量は、使用時における濃度として、乾燥物換算で0.0001〜10%、より好ましくは0.001〜5%である。当該範囲内であれば、乾燥後ごわつき感を生じることがなく、十分なコンディショニング効果を得ることができるためである。
【0021】
本発明に用いられる両性ポリマーとしては、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー(ダイアフォーマーシリーズ、三菱化学製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸/アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。特にコンディショニング効果の点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸/アクリル酸メチル共重合体(商品名:マーコート280、295、3330、3331、3333、2001[オンデオ・ナルコ社製])が好ましく用いられ、さらに好ましくは塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体が用いられる。
【0022】
これらの両性ポリマーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は染毛剤組成物中に純分として0.1〜5質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜3質量%である。当該範囲内であれば、良好なコンディショニング効果を得ることができるため好ましい。
【0023】
本発明の染毛剤組成物には、酸化染料として5−アミノオルトクレゾール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、3,3’−イミノジフェノール、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール、塩酸2,4−ジアミノフェノール、塩酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸ニトロパラフェニレンジアミン、塩酸パラフェニレンジアミン、塩酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、塩酸メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、酢酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、1,4−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、ニトロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラメチルアミノフェノール、ピクラミン酸、ピクラミン酸ナトリウム、N,N−ビス(4−アミノフェニル)−2,5−ジアミノ−1,4−キノンジイミン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、N−フェニルパラフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、硫酸5−アミノオルトクレゾール、硫酸2−アミノ−5−ニトロフェノール、硫酸オルトアミノフェノール、硫酸オルトクロルパラフェニレンジアミン、硫酸4,4’−ジアミノジフェニルアミン、硫酸2,4−ジアミノフェノール、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、硫酸ニトロパラフェニレンジアミン、硫酸パラアミノフェノール、硫酸パラニトロオルトフェニレンジアミン、硫酸パラニトロメタフェニレンジアミン、硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸パラメチルアミノフェノール、硫酸N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、硫酸メタアミノフェノール、硫酸メタフェニレンジアミン、カテコール、ジフェニルアミン、α−ナフトール、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、レゾルシン等を配合することができる。これらの酸化染料を1種又は2種以上混合して用いてもよく、その配合量は、使用時における濃度が0.001質量%未満であると十分な染毛効果が得られず、また、10質量%を越えても染色性の向上が得られないため、使用時における濃度は0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがさらに好ましい。
【0024】
本発明の染毛剤組成物には、酸化剤として特に限定することなく公知のものを広く使用できる。例えば、過酸化水素、過硫酸塩、過ホウ酸塩、臭素酸塩、過ヨウ素酸塩、過酸化尿素塩等が挙げられ、例えば、過酸化水素ナトリウム、過酸化アンモニウム、過酸化カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸アンモニウム、過ホウ酸カリウム、過炭酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム等があげられる。上記酸化剤は1種または2種以上混合して用いてもよい。
【0025】
本発明の染毛剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他のアルカリ剤、炭化水素類、ロウ類、動植物油脂、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマー、高級アルコール類、高級脂肪酸類、低級アルコール類、有機溶剤又は浸透促進剤、多価アルコール類、エステル類、エーテル類、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、pH調整剤、各種植物抽出物、生薬抽出物、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等を適宜配合することが可能である。
【0026】
本発明の染毛剤組成物は、特に限定されるものではなく、種々の剤型のものが対象となる。例えば、使用時に水と混合して用いる1剤型のもの、アルカリ剤を含む第1剤と酸化剤を含む第2剤とを組み合わせて用いる2剤型のもの、又は前述の第1剤と第2剤及び過硫酸塩を有効成分とした第3剤もしくは過硫酸塩を有効成分として含まない第3剤とを組み合わせて用いる3剤型のものなどが挙げられる。また、2剤型以上を用いる場合のそれらの混合比は、本発明の効果である使用感、染色性、または垂れ落ちや使用性等において不都合がなければ、特に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に先立ち、実施例で用いた評価法を説明する。
【0028】
(1)官能試験(臭い)
実施例、比較例に基づき調製された第1剤40gを下記の酸化剤を含む第2剤40mLに加えて振盪混合し、混合液を30gの白髪人毛の毛束に塗布し、それぞれの毛束の臭いについて20名の被験者によって評価した。評価基準は以下の通りである。
【0029】
乳液状第2剤(酸化剤) 質量%
過酸化水素水(35%) 16.0
セタノール 1.2
セチル硫酸ナトリウム 0.15
パルミチン酸イソプロピル 0.15
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.1
ポリオキシエチレン(30)セチルエーテル 0.2
ミツロウ 0.1
フェナセチン 0.05
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
リン酸二ナトリウム pH3となる量
精製水で100%とする。
【0030】
臭い評価基準
○:良好 刺激臭がないと答えた被験者が15名以上
△:普通 刺激臭がないと答えた被験者が5名以上15名未満
×:悪い 刺激臭がないと答えた被験者が5名未満
【0031】
(2)染色試験
実施例、比較例に基づき調製された第1剤40gを上記の酸化剤を含む第2剤40mLに加えて振盪混合し、混合液を30gの白髪人毛の毛束に塗布し、室温で30分放置してから洗浄し、風乾した。それぞれの毛束について、20名の被験者によって目視により染色状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
【0032】
染色性評価基準
○:良好 染色性が良いと答えた被験者が15名以上
△:普通 染色性が良いと答えた被験者が5名以上15名未満
×:悪い 染色性が良いと答えた被験者が5名未満
【0033】
(3)染色堅牢性試験
実施例、比較例に基づき調製された第1剤40gを上記の酸化剤を含む第2剤40mLに加えて振盪混合し、混合液を30gの白髪人毛の毛束2本に塗布し、室温で30分放置してから洗浄し、風乾した。その後、2本のうち1本の毛束を市販のシャンプーで洗浄、風乾を繰り返しで30回行った。シャンプー処理した毛束とシャンプー処理していない毛束を、20名の被験者によって目視により染色状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
【0034】
染色堅牢性評価基準
○:良好 染色状態に違いがないと答えた被験者が15名以上
△:普通 染色状態に違いがないと答えた被験者が5名以上15名未満
×:悪い 染色状態に違いがないと答えた被験者が5名未満
【0035】
(4)官能試験(毛髪ダメージ・なめらかさ)
染色堅牢性試験を行った毛束のうち、繰り返しシャンプー処理していない毛束を用いて、20名の被験者によって触診により毛髪の傷み具合、毛髪のなめらかさ等の感触を評価した。評価の基準は以下の通りである。
【0036】
毛髪ダメージ評価基準
○:良好 毛髪が傷んでいないと答えた被験者が15名以上
△:普通 毛髪が傷んでいないと答えた被験者が7名以上15名未満
×:悪い 毛髪が傷んでいないと答えた被験者が7名未満
【0037】
なめらかさ評価基準
○:良好 なめらかであると答えた被験者が15名以上
△:普通 なめらかであると答えた被験者が7名以上15名未満
×:悪い なめらかであると答えた被験者が7名未満
【0038】
実施例1〜5及び比較例1〜8の染毛剤組成物を調製し、前記試験を実施した。表1にそれぞれの組成及び試験結果を示した。表中の処方の単位はすべて質量%である。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から明らかなように、本発明の染毛剤組成物は、使用時における臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れていることが認められた。
【0041】
不揮発性アミン類は、アンモニアを用いた場合と比較すると刺激臭が少なく、臭いの面で良好な成分ではあったが、染色性及び染色堅牢性において、劣るという問題を有していた(比較例1)。不揮発性アミン類と、炭酸水素アンモニウム、中性アミノ酸とを併用することにより、染色性及び染色堅牢性が著しく向上した(実施例1〜5)。
【0042】
実施例6
第1剤(脱色剤) 質量%
モノエタノールアミン 5.0
炭酸アンモニウム 1.5
グリシン 0.1
L−アラニン 0.1
L−プロリン 0.1
ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル
(5E.O.) 5.0
ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル
(12E.O.) 15.0
イソプロパノール 10.0
オレイン酸 5.0
オレイルアルコール 6.0
オクチルドデカノール 1.0
モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 5.0
プロピレングリコール 10.0
塩化アンモニウム 0.5
亜硫酸ナトリウム 1.0
エデト酸二ナトリウム 0.2
ローヤルゼリーエキス(商品名:ローヤルゼリー抽出液
[丸善製薬社製]) 0.1
ポリエーテル変性シリコーン(商品名:KF−6011
[信越化学工業社製]) 0.1
大豆蛋白加水分解物(商品名:プロモイスWS[成和化
成社製]) 0.5
海藻エキス(商品名:カイソウ抽出物[丸善製薬社製]) 0.1
混合植物抽出液(1) 0.1
混合植物抽出液(3) 0.1
混合植物抽出液(6) 0.1
ホホバ油 0.1
香料 0.3
精製水 残 余
尚、混合植物抽出液(1)、混合植物抽出液(3)、混合植物抽出液(6)は、「化粧品種別配合成分規格」(厚生省薬務局審査課監修、薬事日報社平成9年発行)に収載されている。
【0043】
実施例6記載の配合組成で透明液状脱色剤第1剤を調製したところ粘度40mPa・s、pH10.0の脱色剤が得られた。前記乳液状第2剤(粘度1500mPa・s)を用いて第1剤と第2剤を1:1の割合で混合したところ、混合時粘度5000mPa・s、pH9.5の混合液が得られた。この混合液を使用したところ、使用時における刺激臭がなく臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れていることが認められた。
【0044】
実施例7(染毛剤)
第1剤 質量%
モノエタノールアミン 3.5
炭酸水素アンモニウム 1.0
グリシン 0.01
L−プロリン 0.01
L−アラニン 0.01
ジメチルポリシロキサン(10mm2/s;25℃) 0.5
小麦加水分解物(商品名:GLUADIN W20
[コグニス社製]) 0.5
加水分解シルク液(商品名:プロモイスシルク−1000
[成和化成社製]) 0.5
水溶性コラーゲン液(3)(商品名:ネプチゲンN
[一丸ファルコス社製]) 0.1
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体液
(商品名:マーコート295[オンデオ・ナルコ社製]) 2.0
セタノール 7.0
パラフィン 0.5
ワセリン 1.0
ミツロウ 0.5
植物性スクワラン 0.1
ツバキ油 0.1
セチル硫酸ナトリウム 0.2
ポリオキシエチレン(12)セチルエーテル 1.0
ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル 1.5
プロピレングリコール 9.0
パラフェニレンジアミン 0.6
パラアミノフェノール 0.5
メタアミノフェノール 0.1
チオグリコール酸アンモニウム液 0.4
亜硫酸ナトリウム 0.2
L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム 0.01
アスコルビン酸 0.01
エデト酸二ナトリウム 0.1
D−パントテニルアルコール 0.1
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.01
L−アルギニン 0.1
スギナエキス(商品名:スギナ抽出液BG[丸善製薬社製]) 0.1
ウスベニアオイエキス(商品名:ウスベニアオイ抽出液BG
[丸善製薬社製]) 0.1
カワラヨモギエキス(商品名:インチンコウ抽出液BG
[丸善製薬社製]) 0.1
ショウブ根エキス(商品名:ショウブ抽出液[丸善製薬社製]) 0.1
ユキノシタエキス(商品名:ユキノシタ抽出液BG
[丸善製薬社製]) 0.1
サボンソウエキス(商品名:サボンソウ抽出液BG
[丸善製薬社製]) 0.1
ニンジンエキス(商品名:ニンジンエキスBG[丸善製薬社製]) 0.1
ムラサキセンブリエキス(商品名:ムラサキセンブリ抽出液
[丸善製薬社製]) 0.1
香料 0.3
精製水 残 余
第2剤 質量%
過酸化水素水(35%) 16.0
セタノール 6.0
流動パラフィン 4.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
エデト酸二ナトリウム 0.1
フェナセチン 0.1
酒石酸 0.1
ピロリン酸ナトリウム pH3となる量
精製水 残 余
【0045】
実施例7記載の配合組成で染毛剤を調製したところ粘度12000mPa・s、pH9.8の第1剤及び粘度8000mPa・sの第2剤が得られた。第1剤と第2剤とを1:1の割合で混合したところ、混合時粘度10000mPa・s、pH9.3の混合液が得られた。この混合液を使用したところ、使用時における臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れていることが認められた。
【0046】
尚、上記の処方にて用いた香料は下記のものである。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の染毛剤組成物は、使用時における臭いが良好で、染色性及び染色堅牢性にも優れ、毛髪損傷が極めて少なく、毛髪のコンディショニング効果に優れた染毛剤組成物を提供することができる。
Claims (3)
- 下記成分(A)、(B)及び(C)を含有し、アンモニアを配合しないことを特徴とする染毛剤組成物。
(A)使用時における濃度が1〜5質量%であるモノエタノールアミン
(B)炭酸アンモニウム及び/又は炭酸水素アンモニウム
(C)グリシン、アラニン、プロリンから選ばれる1種又は2種以上である中性アミノ酸又はその塩類 - 更に、(D)シリコーン誘導体、ペプチド誘導体、両性ポリマーからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1に記載の染毛剤組成物。
- 請求項2に記載の両性ポリマーが塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸からなる共重合体、又は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸とアクリルアミドからなる共重合体、又は、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムとアクリル酸とアクリル酸メチルからなる共重合体である染毛剤組成物。
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