JP4164638B2 - 反射防止膜形成組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は反射防止膜材料用組成物に関し、詳しくは半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、基板上に塗布されたフォトレジスト層への露光照射光の基板からの反射を軽減させる反射防止膜材料用組成物に関する。より詳細には波長157nmの露光照射光を用いて行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、基板からの反射光を効果的に吸収する高分子化合物組成物を含有する反射防止膜形成組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)からArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜(Bottom Anti−Reflective Coating:BARC)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。また、より短波長な光源であるF2エキシマレーザー(波長157nm)を用いたリソグラフィーによる微細加工に関する検討が行われるようになってきている。
【0003】
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機反射防止膜と、吸光性物質と高分子化合物とからなる有機反射防止膜が知られている。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、後者は特別の設備を必要としない点で有利とされ数多くの検討が行われている。例えば、米国特許第5919599号明細書に記載の架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、米国特許第5693691号明細書に記載の架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するノボラック樹脂型反射防止膜等が挙げられる。
【0004】
有機系反射防止膜用材料として望まれる物性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないこと(フォトレジスト溶剤に不溶であること)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜材料から上塗りフォトレジスト中への低分子拡散物がないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること、等があり、それらは例えばProc.SPIE,Vol.3678,174−185(1999)、Proc.SPIE,Vol.3678,800−809(1999)、やProc.SPIE,Vol.2195,225−229(1994)にも記載されている。
【0005】
ところで、これまでの反射防止膜の技術の検討は主として波長が365nm、248nm、193nmの照射光を用いたリソグラフィープロセスに関して行われてきていた。そして、そのような検討の中で各波長の光を効率良く吸収する吸光成分、吸光基が開発され、有機系反射防止膜組成物の一つの成分として利用されるようになってきている。例えば365nmの照射光については4−ヒドロキシアセトフェノンと4−メトキシベンズアルデヒドとの縮合によって生じたカルコン染料が有効であることが特表平11−511194号に記載されており、248nmの照射光については特定の構造を有するナフタレン基含有ポリマーが大きな吸光度を示すということが特開平10−186671号に記載されており、そして193nmの照射光についてはフェニル基単位を含む樹脂バインダー組成物が優れているということが特開2000−187331号に記載されている。
【0006】
さて近年、より短波長な光源であるF2エキシマレーザー(波長157nm)の照射光を用いたリソグラフィープロセスが、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を用いたプロセスの次世代の技術として捉えられるようになってきている。そのプロセスにより加工寸法100nm以下の微細加工が可能であると考えられており、現在、装置、材料等の面から開発研究が活発に行われている。しかしながら、材料についての研究の大部分はフォトレジストに関するものであり、有機系反射防止膜に関する研究についてはほとんど知られていないのが実情である。この理由としては波長157nmの光を効率良く吸収する成分、すなわち157nmに強い吸収帯を有する吸光成分がほとんど知られていなかったということがある。
【0007】
F2エキシマレーザー(波長157nm)の照射光を用いたリソグラフィープロセスでは、加工寸法が100nm以下となると考えられており、その為、アスペクト比の要求からフォトレジストは膜厚100〜300nmという従来に比べて薄膜で使用されると考えられている。そのような薄膜のフォトレジストと共に使用される有機系反射防止膜には、薄膜で使用できる、フォトレジストに対するドライエッチングの選択性が高い、ということが要求される。そして、有機系反射防止膜が30〜80nmという薄膜で使用できるためには、反射防止膜の減衰係数k値が大きいものであることが必要であると考えられている。PROLITH ver.5(Litho Tech Japan製:なお、フォトレジストの光学定数(屈折率、減衰係数)は予想されている理想的な値を使用)を用いたシミュレーションにおいて、下地基板をシリコンとした場合、膜厚が30〜80nmにある反射防止膜としては、その膜厚が第二極小膜厚(70nm程度)であるものを用いることができるが、この場合減衰係数k値が0.3〜0.6の範囲内で基板からの反射率2%以下という十分な反射防止効果を有する、という結果が得られる。また、同様なシミュレーションによれば、シリコンオキサイドを下地基板に用い、シリコンオキサイド膜厚を100nmから200nmで変動させた場合、反射防止膜の膜厚が70nmで十分な反射防止効果を得るためには0.4〜0.6の減衰係数k値が必要である、という結果となる。例えば、減衰係数k値が0.2の場合、基板からの反射率が5%から10%の間で変動し、減衰係数k値が0.4の場合、0〜5%で変動する。
【0008】
このように、十分な反射防止効果を得るためには減衰係数k値が望ましくは少なくとも0.25程度は必要であると考えられているが、そのような減衰係数k値を満足するような有機系反射防止膜材料はほとんど知られていなかった。
かかる事情により、波長157nmの照射光を用いたリソグラフィープロセスにおいても、基板からの反射光を効率良く吸収し、優れた反射光防止効果を有する有機系反射防止膜の開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は短波長の光、特に波長157nmの光に強い吸収を有する反射防止膜形成組成物に関するものである。また、本発明は、F2エキシマレーザー(波長157nm)の照射光を使用して行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いることのできる反射防止膜形成組成物を提供することである。また本発明は、F2エキシマレーザー(波長157nm)の照射光を微細加工に使用する際に基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさない、リソグラフィー用反射防止膜を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1観点として、炭素炭素三重結合を含有する繰り返し単位構造及び架橋形成置換基を含有する繰り返し単位構造を有する高分子化合物を含むことを特徴とする反射防止膜形成組成物、第2観点として、前記高分子化合物が少なくとも式(1):
【化5】
(式中、R1、R2、R3は各々独立で水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子を表し、Xは−O−、−(O=)C−、−(O=)CO−、−OC(=O)−またはフェニレン基を表し、Yは直接結合もしくは−CH2−、−CH(−OH)−、−C(=O)−、−O−、−NH−および−S−からなる群から選ばれる少なくとも一つの連結基を表し、Zは水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1ないし5のアルキル基または、少なくとも一つの不飽和結合を含む炭素原子数3ないし10である不飽和炭化水素基を表し、nは1ないし5000の数である。)の単位構造を有するものである第1観点に記載の反射防止膜形成組成物、第3観点として、前記高分子化合物が少なくとも式(2):
【化6】
(式中、A1は−O−、−(O=)C−、−CH2−、−CH(−OH)−、およびフェニレン基からなる群から選ばれる少なくとも一つの連結基を表し、A2は水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1ないし5のアルキル基を表し、nは1ないし5000の数である。)の単位構造を有するものである第1観点に記載の反射防止膜形成組成物、第4観点として、前記高分子化合物が少なくとも式(3):
【化7】
(式中、A1、A2は請求項4に記載のものと同義であり、R4は水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、nは1ないし5000の数である。)の単位構造を有するものである第1観点に記載の反射防止膜形成組成物、第5観点として、前記高分子化合物が少なくとも式(4):
【化8】
(式中、B1、B2、B3、B4は各々独立で−O−、−(O=)C−、−CH2−、−CH(−OH)−、−NH−および−S−からなる群から選ばれる少なくとも一つの連結基を表し、Arはフェニレン基またはナフチレン基を表し、nは1ないし5000の数である。)の単位構造を有するものである第1観点に記載の反射防止膜形成組成物、第6観点として、前記高分子化合物の重量平均分子量が700〜1000000である第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、第7観点として、架橋剤成分を更に含む第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物、第8観点として、第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成することにより得られる半導体装置の製造に用いる反射防止膜の形成方法、である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、炭素炭素三重結合を含有する繰り返し単位構造を有する高分子化合物を含むことを特徴とする反射防止膜形成組成物に関するものである。そして、短波長の照射光、特にF2エキシマレーザー(波長157nm)の照射光を使用して行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いることのできる反射防止膜形成組成物に関するものである。
【0012】
本発明の反射防止膜形成組成物は、基本的に炭素炭素三重結合を含有する繰り返し単位構造を有する高分子化合物及び溶剤からなるもの、又は、炭素炭素三重結合を含有する繰り返し単位構造と架橋形成置換基を含有する繰り返し単位構造とを有する高分子化合物及び溶剤からなるものであり、任意成分として架橋触媒、界面活性剤等を含有するものである。本発明の反射防止膜形成組成物の固形分は、0.1〜50質量%である、好ましくは0.5〜30質量%である。
【0013】
前記炭素炭素三重結合を含有する高分子化合物の分子量は、使用する塗布溶剤、溶液粘度、膜形状などにより変動するが、重量平均分子量として700〜1000000、好ましくは700〜500000さらに好ましくは900〜300000である。
【0014】
本発明の前記の高分子化合物は、それを構成する主鎖及び/又は側鎖に少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含有しているものである。また前記の高分子化合物は架橋形成置換基を含むことができる。そのような架橋形成置換基としてはアミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基などが挙げられ、これらの置換基は高分子化合物の主鎖及び/又は側鎖に導入されているものである。そして、導入されている架橋形成置換基の種類は1種でも2種以上であってもよい。これらの架橋形成置換基は、本発明の反射防止膜形成組成物中に架橋剤成分が含まれている場合にはその架橋剤成分と加熱焼成時に架橋形成反応を起こすことができるものである。そしてこのような架橋形成は、焼成により形成される反射防止膜とその上に塗布されるフォトレジストとの間のインターミキシングを防ぐ効果を有するものである。
【0015】
前記の炭素炭素三重結合を含有する高分子化合物は、炭素炭素三重結合を有する単位モノマーの重合反応、炭素炭素三重結合を有する単位モノマーと炭素炭素三重結合を有さない単位モノマーの重合反応によって合成することができ、又、炭素炭素三重結合を有さない単位モノマーの重合反応によって得られたポリマーに炭素炭素三重結合を有する化合物を反応させることによっても合成することができる。さらに、炭素炭素三重結合を有する単位モノマーの重合反応、炭素炭素三重結合を有する単位モノマーと炭素炭素三重結合を有さない単位モノマーの重合反応によって得られたポリマーに炭素炭素三重結合を有する化合物又は炭素炭素三重結合を有さない化合物を反応させることによっても合成することができる。このような、重合反応によって得られたポリマーに炭素炭素三重結合を有する又は有さない化合物を反応させることにより、高分子化合物の構成結合数に占める炭素炭素三重結合の割合を調整することが可能である。
【0016】
重合反応に用いられる単位モノマーは同種のものでもよいが、2種以上の単位モノマーを用いることもできる。単位モノマーより形成される高分子化合物は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、縮合重合などの方法により合成することができる。その形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合など種々の方法が可能である。
【0017】
炭素炭素三重結合を有する単位モノマーとしては、例えば、各々炭素炭素三重結合を含有するアクリル酸エステル類、アクリル酸アミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、スチレン類、ビニルフェノール類、無水マレイン酸類、マレイミド類等の付加重合性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。又、各々炭素炭素三重結合を含有する、ジカルボン酸化合物類、ジヒドロキシ化合物類、ジアミノ化合物類、ジエポキシ化合物類、ジイソシアネート化合物類、酸二無水物化合物類、ジチオール化合物類、フェノール化合物類等の縮合重合可能な化合物を挙げることもできる。
【0018】
炭素炭素三重結合を有さない単位モノマーとしては、例えば、各々炭素炭素三重結合を含有するアクリル酸エステル類、アクリル酸アミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、スチレン類、ビニルフェノール類、無水マレイン酸類、マレイミド類等の付加重合性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。又、各々炭素炭素三重結合を含有する、ジカルボン酸化合物類、ジヒドロキシ化合物類、ジアミノ化合物類、ジエポキシ化合物類、ジイソシアネート化合物類、酸二無水物化合物類、ジチオール化合物類、フェノール化合物類等の縮合重合可能な化合物を挙げることもできる。
【0019】
炭素炭素三重結合を有さない単位モノマーの重合反応によって得られたポリマーに反応させる炭素炭素三重結合を有する化合物としては、該ポリマーと反応可能なものであれば用いることができる。例えば、該ポリマー中に水酸基が存在する場合であれば、各々炭素炭素三重結合を含有する、酸塩化物類、エポキシ化合物類、イソシアネート化合物類等を挙げることができる。該ポリマー中にエポキシ基が存在する場合であれば、各々炭素炭素三重結合を含有する、ヒドロキシ化合物類、カルボン酸化合物類、チオール化合物類等を挙げることができ、該ポリマー中に酸無水物部分が存在する場合であれば、各々炭素炭素三重結合を含有する、ヒドロキシ化合物類、アミノ化合物類、チオール化合物類等を挙げることができる。又、該ポリマー中にカルボキシル基が存在する場合であれば、各々炭素炭素三重結合を含有する、ヒドロキシ化合物類、アミノ化合物類、チオール化合物類、エポキシ化合物類等を挙げることができる。
【0020】
このような高分子化合物としては、例えば、各々炭素炭素三重結合を含有している、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸アミド、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリビニルフェノール等を挙げることができ、これらは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。又、各々炭素炭素三重結合を含有している、アクリル酸エステル類とスチレン類のコポリマー、アクリル酸エステル類とメタクリル酸エステル類のコポリマー、アクリル酸エステル類とビニルエーテル類のコポリマー、アクリル酸エステル類とビニルエステル類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とスチレン類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とメタクリル酸アミド類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とビニルエーテル類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とビニルアルコール類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とビニルエステル類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とビニルフェノール類のコポリマー、ビニルエーテル類とスチレン類のコポリマー、ビニルアルコール類とスチレン類のコポリマー、メタクリル酸エステル類とスチレン類とビニルアルコール類のターポリマー、アクリル酸エステル類とスチレン類とビニルエステル類のターポリマー、アクリル酸エステル類とメタクリル酸エステル類とビニルエステル類のターポリマー、メタクリル酸エステル類とビニルエステル類とビニルアルコール類のターポリマー等も挙げることができる。各々ハロゲン原子を含有している、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレア、ポリイミド、ノボラック樹脂なども挙げることができる。又、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリルといった単位モノマーを含んだ炭素炭素三重結合を含有している高分子化合物も挙げることができる。
【0021】
本発明における好ましい高分子化合物として、一般式(1)で表される単位構造を有する高分子化合物を挙げることもできる。式(1)において、R1、R2、R3は水素原子、メチル基、エチル基またはハロゲン原子を表し、Xは−O−、−(O=)C−、−(O=)CO−、−OC(=O)−またはフェニレン基を表し、Yは直接結合もしくは−CH2−、−CH(−OH)−、−C(=O)−、−O−、−NH−および−S−からなる群から選ばれる少なくとも一つの連結基を表し、Zは水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1ないし5のアルキル基または、少なくとも一つの不飽和結合を含む炭素原子数3ないし10である不飽和炭化水素基を表す。R1、R2、R3としては水素原子、メチル基が好ましく、Zとしては水素原子、メチル基が好ましいものとして挙げられる。また、重合度nは、好ましくは1ないし5000である。
【0022】
式(1)におけるX及びYとしては、下記の[1−1]〜[1−7]を好ましいものとして挙げることができる。
【化9】
【0023】
また、本発明における好ましい高分子化合物として、一般式(2)、(3)、(4)で表される単位構造を有する高分子化合物を挙げることもできる。
【0024】
式(2)においてA1は−O−、−(O=)C−、−CH2−、−CH(−OH)−、およびフェニレン基からなる群から選ばれる少なくとも一つの連結基を表し、A2は水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1ないし5のアルキル基を表す。A2としては水素原子、メチル基が好ましいものとして挙げられる。また、重合度nは、好ましくは1ないし5000である。
【0025】
式(3)においてA1、A2は前記したものと同義であり、R4は水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。R4としては水素原子、メチル基、臭素原子が好ましいものとして挙げられる。また、重合度nは、好ましくは1ないし5000である。
【0026】
式(4)においてB1、B2、B3、B4は各々独立で−O−、−(O=)C−、−CH2−、−CH(−OH)−、−NH−および−S−からなる群から選ばれる少なくとも一つの連結基を表し、Arはフェニレン基またはナフチレン基を表す。また、重合度nは、好ましくは1ないし5000である。
【0027】
以下に、本発明における高分子化合物の具体例(下記式[2−1]〜[2−8])を示すが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない(式中p、qは高分子化合物に含まれる該構成単位モノマーのモル比を表し、p+q=1である)。
【化10】
【化11】
【0028】
本発明の反射防止膜形成組成物は、上塗りするフォトレジストとのインターミキシングを防ぐ意味で、塗布後加熱により架橋させることが好ましく、本発明の反射防止膜形成組成物はさらに架橋剤成分を含むことができる。その架橋剤としては、メチロール基、メトキシメチル基といった架橋形成置換基を有するメラミン系化合物や置換尿素系化合物や、エポキシ基を含有する高分子化合物等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコウリル、またはメトキシメチル化メラミンなどの化合物であり、特に好ましくは、テトラメトキシメチルグリコールウリル、またはヘキサメトキシメチルメラミンである。架橋剤の添加量は、使用する塗布溶剤、使用する下地基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全組成物100質量%に対して0.001〜20質量%、好ましくは 0.01〜15質量%、さらに好ましくは0.05〜10質量%である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、前記本発明の高分子化合物中に架橋形成置換基が存在する場合は、それらの架橋形成置換基と架橋反応を起こすことができる。
【0029】
本発明では前記架橋反応を促進するための触媒として、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸などの酸性化合物又は/及び、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシラート、2−ニトロベンジルトシラート等の熱酸発生剤を添加する事が出来る。配合量は全固形分100質量%当たり、0.01〜3質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。
【0030】
本発明の反射防止膜形成組成物は、リソグラフィー工程で上層に被覆されるフォトレジストとの酸性度を一致させる為に、光酸発生剤を添加する事が出来る。好ましい光酸発生剤としては、例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類、ベンゾイントシレート、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等のスルホン酸系光酸発生剤類等が挙げられる。上記光酸発生剤は全固形分100質量%当たり0.01〜3質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。
【0031】
本発明の反射防止膜形成組成物には、上記以外に必要に応じて更なる吸光剤、レオロジー調整剤、接着補助剤、界面活性剤などを添加することができる。
更なる吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や「染料便覧」(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Disperse Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124;C.I.Disperse Orange1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73;C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210;C.I.Disperse Violet 43;C.I.Disperse Blue 96;C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163;C.I.Solvent Orange2及び45;C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49;C.I.Pigment Green 10;C.I.Pigment Brown 2等を好適に用いることができる。上記吸光剤は通常、リソグラフィー用反射防止膜材料の全組成物100質量%に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下の割合で配合される。
【0032】
レオロジー調整剤は、主に反射防止膜形成組成物の流動性を向上させ、特にベーク工程において、ホール内部への反射防止膜形成組成物の充填性を高めるための目的で添加される。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸誘導体、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸誘導体、またはノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸誘導体を挙げることができる。これらのレオロジー調整剤は、リソグラフィー用反射防止膜材料の全組成物100質量%に対して通常30質量%未満の割合で配合される。
【0033】
接着補助剤は、主に基板あるいはレジストと反射防止膜形成組成物の密着性を向上させ、特に現像においてレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環状化合物や、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。これらの接着補助剤は、リソグラフィー用反射防止膜の全組成物100質量%に対して通常5質量%未満、好ましくは2質量%未満の割合で配合される。
【0034】
本発明の反射防止膜形成組成物には、ピンホールやストレーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、メガフアツクF171、F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料の全組成物100質量%当たり通常0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
【0035】
本発明で、上記ポリマーを溶解させる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトシキ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、または2種以上の組合せで使用される。
【0036】
さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。これらの溶剤の中でプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、及びシクロヘキサノンがレベリング性の向上に対して好ましい。
【0037】
本発明の反射防止膜形成組成物より作製した反射防止膜は、半導体製造のリソグラフィープロセスで用いられる照射光、特に波長157nmの照射光を効率よく吸収する性質を有している。該反射防止膜は、その減衰係数k値が0.2〜0.5の範囲にあり、そして、k値が0.25〜0.40であるものが好ましいものである。
【0038】
本発明における反射防止膜の上層に塗布されるフォトレジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用できる。光酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーからなる化学増幅型レジスト、アルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤と酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、光酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物からなる化学増幅型レジストなどがある。Proc.SPIE,Vol.3999,330−334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357−364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365−374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることもできる。
【0039】
本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料を使用して形成した反射防止膜を有するポジ型フォトレジストの現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジーn−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンである。
【0040】
次に本発明のフォトレジストパターン形成法について説明すると、精密集積回路素子の製造に使用される基板(例えばシリコン/二酸化シリコン被覆、ガラス基板、ITO基板などの透明基板)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により反射防止膜形成組成物を塗布後、ベークして硬化させ反射防止膜を作成する。ここで、反射防止膜の膜厚としては0.01〜3.0μmが好ましい。また塗布後ベークする条件としては80〜250℃で1〜120分間である。その後フォトレジストを塗布し、所定のマスクを通して露光し、現像、リンス、乾燥することにより良好なフォトレジストパターンを得ることができる。必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行うこともできる。そして、フォトレジストが前記工程により現像除去された部分の反射防止膜をドライエッチングにより除去し、所望のパターンを基板上に形成することができる。
【0041】
本発明の炭素炭素三重結合を含有する繰り返し単位構造を有する高分子化合物を含む反射防止膜形成組成物より作製した反射防止膜は、波長157nmの照射光を効率よく吸収する性質を有している。その為、基板からの反射光の防止効果が高く、その結果、上層のフォトレジストパターンを良好に形成することができるものである。
さらに、本発明のリソグラフィー用反射防止膜材料は、プロセス条件によっては、反射光を防止する機能と、更には基板とフォトレジストとの相互作用の防止或いは、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する膜としての使用が可能である。
【0042】
以下、本発明を実施例、比較例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0043】
【実施例】
合成例1
プロパルギルメタクリレート3.59g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート4.17gをエチルラクテート22gに溶解させ、窒素雰囲気とした。溶液を70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.233gをエチルラクテート10gに溶解した溶液を滴下した。窒素雰囲気下24時間反応させ具体例[2−1]の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量Mw59000であった。
【0044】
合成例2
プロパルギルメタクリレート7.52g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート2.18gをエチルラクテート30gに溶解させ、窒素雰囲気とした。溶液を70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル0.29gをエチルラクテート10gに溶解した溶液を滴下した。窒素雰囲気下24時間反応させ具体例[2−1]の高分子化合物の溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量Mw290000であった。
【0045】
合成例3
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート60gをプロピレングリコールモノメチルエーテル242gに溶解させた後、70℃まで昇温させた。その後、反応液を70℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル0.6gを添加し、70℃で24時間反応させポリ2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの溶液を得た。得られた高分子化合物のGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は50000であった。
【0046】
実施例1
上記合成例1で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gとp−トルエンスルホン酸0.05gを混合し、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテル56.7gを加え溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0047】
実施例2
上記合成例2で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gとp−トルエンスルホン酸0.05gを混合し、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテル56.7gを加え溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0048】
比較例1
上記合成例3で得た高分子化合物2gを有する溶液10gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.5gとp−トルエンスルホン酸0.05gを混合し、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテル56.7gを加え溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜溶液を調製した。
【0049】
フォトレジスト溶剤への溶出試験
実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をレジストに使用する溶剤、乳酸エチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルに浸漬し、その溶剤に不溶であることを確認した。
【0050】
フォトレジストとのインターミキシングの試験
実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。このリソグラフィー用反射防止膜の上層に、市販のフォトレジスト溶液(シプレー社製、商品名APEX−E等)をスピナーを用いて塗布した。ホットプレート上で90℃1分間加熱し、フォトレジストを露光後、露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を90℃1.5分間行った。フォトレジストを現像させた後反射防止膜の膜厚を測定し、その膜厚に変化がないことより、実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液から得たリソグラフィー用反射防止膜とフォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないことを確認した。
【0051】
光学パラメーターの試験
実施例1、2及び比較例1で調製した反射防止膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.06μm)を形成した。そして、これらの反射防止膜を分光エリプソメーター(J.A. Woollam社製、VUV−VASE VU−302)を用い、波長157nmでの屈折率n値及び減衰係数k値を測定した。評価の結果を下記表1に示した。
【表1】
これにより本発明の反射防止膜材料は、波長157nmの光に対して十分に高い減衰係数k値をもち、それにより、優れたボトム型有機系反射防止膜を提供することができるといえる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、波長157nmの光に強い吸収を有する反射防止膜を形成する為の組成物である。得られた反射防止膜は、基板からの反射光を効率よく吸収するものである。
本発明により、F2エキシマレーザー(波長157nm)の照射光を微細加工に使用する際の基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさない、リソグラフィー用反射防止膜形成組成物を提供することができる。
Claims (8)
- 炭素炭素三重結合を含有する繰り返し単位構造及び架橋形成置換基を含有する繰り返し単位構造を有する高分子化合物を含むことを特徴とする反射防止膜形成組成物。
- 前記高分子化合物が少なくとも式(1):
- 前記高分子化合物の重量平均分子量が700〜1000000である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
- 架橋剤成分を更に含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し焼成することにより得られる半導体装置の製造に用いる反射防止膜の形成方法。
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