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JP4163557B2 - プラスチック光ファイバ素線の製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバ素線の製造方法 Download PDF

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JP4163557B2
JP4163557B2 JP2003159081A JP2003159081A JP4163557B2 JP 4163557 B2 JP4163557 B2 JP 4163557B2 JP 2003159081 A JP2003159081 A JP 2003159081A JP 2003159081 A JP2003159081 A JP 2003159081A JP 4163557 B2 JP4163557 B2 JP 4163557B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用配線、FA機器配線、家庭内機器配線などで、油脂類やワックスや潤滑剤、可塑剤、石油類などの薬品との接触の可能性のあるところでも使用することができるプラスチック光ファイバケーブルに用いるプラスチック光ファイバ素線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、プラスチック光ファイバ裸線は、物理的あるいは化学的な損傷を防止するために裸線の外側に被覆樹脂層を設けたプラスチック光ファイバ素線として使用される。
【0003】
たとえば、耐熱性に優れたプラスチック光ファイバとして、芯をポリメチルメタクリレート系樹脂(以下、PMMA系樹脂ともいう。)とし、鞘樹脂をビニリデンフロライド系樹脂とするプラスチック光ファイバ裸線の上に、含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆したプラスチック光ファイバ素線が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の実施例においては、該含フッ素ポリオレフィン樹脂として、フッ化ビニリデン樹脂であるKYNAR740(融点170℃、ペンウオルト社製)と軟質含フッ素ポリオレフィン樹脂であるセフラルソフトG150またはセフラルソフトG180(ともに融点165℃、セントラル硝子社製)の混合物が記載されている。
【0004】
また、耐熱性及び耐薬品性に優れたプラスチック光ファイバとして、芯樹脂をPMMA系樹脂とし、鞘樹脂をビニリデンフロライド、テトロフロロエチレン、ヘキサフロロプロペンの特定組成の共重合体とするプラスチック光ファイバ裸線の上に、融点が120℃以上のビニリデンフロライド系樹脂、ナイロン12、またはナイロン11からなる保護層を設けたプラスチック光ファイバ、及び、その外側にポリエチレンやポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ナイロン、ポリプロピレン等のジャケットを施したケーブルが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の実施例1においては、該保護層として、融点127℃のビニリデンフロライド系樹脂及び融点178℃のナイロン12樹脂が記載されている。
【0005】
車載用配線、FA機器配線、家庭内機器配線としてプラスチック光ファイバが使用される場合は、該プラスチック光ファイバの周りには、様々な化学物質を含む部材が配置されうる。プラスチック光ファイバはこれらに接触しうるので、不用意に配線を行うと、該化学物質によってプラスチック光ファイバの劣化が生じ、伝送損失が大きくなったり、断線に至ったりする障害を受ける事がある。
【0006】
プラスチック光ファイバに影響を及ぼしうる化学物質としては、アルコール類や塩ビの可塑剤などが知られているが、その他にも、油脂類、ワックス、潤滑剤、可塑剤、石油類などの化学物質については注意が必要である。そのため、上述のような用途においては、プラスチック光ファイバを使用する前に該プラスチック光ファイバが接触する可能性のある全ての化学物質との適合性評価をすることが必要であり、この評価作業は大きな負担となっている。
【0007】
上述の特許文献1,2に記載されたビニリデンフロライド系樹脂は、プラスチック光ファイバ裸線の被覆層としては耐薬品性にすぐれたものであるが、用途によっては耐薬品性が不十分なこともありうる。そのほか、長期使用中に新たに持ち込まれる部材がプラスチック光ファイバに有害な化学物質を含むこともありうるため、プラスチック光ファイバの用途拡大にあたっては化学物質に対する万能の耐薬品性を備えたものが望まれるようになってきた。
【0008】
被覆層に耐熱性と耐薬品性に優れた含フッ素ポリオレフィン樹脂を用いたプラスチック光ファイバとしては、FEP(四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンの共重合体)のチューブの中でメチルメタクリレート(以下、MMAともいう。)モノマーと多官能モノマーを重合させることによって製造された耐熱プラスチック光ファイバが知られている(非特許文献1参照)。これは高融点の含フッ素ポリオレフィン樹脂をプラスチック光ファイバ裸線に溶融被覆する方法を取らない製法である。しかしながら、この製法では生産性が低いという問題があり、この製法で製造されたプラスチック光ファイバには延伸がかけられていないためファイバの破断伸び率が低いという性能上の問題もあった。
【0009】
【特許文献1】
特許第2951677号公報
【特許文献2】
特開平11−160552号公報
【非特許文献1】
POFコンソーシアム編「プラスチック光ファイバー」共立出版、1997年12月25日、p.111
【0010】
本発明は耐薬品性を大幅に向上させたプラスチック光ファイバ素線の製造方法を提供する事を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐薬品性のより優れたプラスチック光ファイバを求め、フッ素樹脂の中ではビニリデンフロライド系樹脂より耐薬品性に優れていると言われている融点が250℃から320℃の含フッ素ポリオレフィン樹脂、例えば、融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、融点が260℃〜280℃のテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとの共重合体、あるいは融点が250℃〜270℃のテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体などをプラスチック光ファイバ裸線に被覆することに思い至った。
【0012】
しかしながら、これらの樹脂は融点が著しく高いため、プラスチック光ファイバ裸線の樹脂被覆方法として従来知られている方法では被覆することはできなかった。
【0013】
これに対して、プラスチック光ファイバ裸線の外側に、ポリエチレン樹脂等を断熱層として厚く被覆した上で、高融点の含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆することも考えられる。このようなプラスチック光ファイバケーブルは勿論有益ではあるが、被覆回数が増えること、及び、被覆外径が大きくなった分高価な高融点の含フッ素ポリオレフィン樹脂を多く使用することのため、コストアップとなるのが問題であった。
【0014】
検討した結果、通常プラスチック光ファイバの被覆に用いる条件とは大きく異なる特殊な条件の製法によって高融点の含フッ素ポリオレフィン樹脂をプラスチック光ファイバ裸線上に被覆することが可能であり、その結果得られたプラスチック光ファイバ素線が好ましい耐薬品性を実際に発現することを見いだし、本発明に至った。
【0018】
発明のプラスチック光ファイバ素線の製造方法は、ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯の外側に透明フッ素樹脂からなる少なくとも1層以上の鞘樹脂層を有してなるプラスチック光ファイバ裸線、または、該プラスチック光ファイバ裸線の外側に該鞘樹脂層に接してビニリデンフロライド系樹脂からなる1〜30μmの厚さの保護層を有してなるプラスチック光ファイバ補強裸線のいずれかの裸線上に、該裸線に接して融点が250℃〜320℃の含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆するにあたって、該含フッ素ポリオレフィン樹脂が、融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、あるいは融点が250℃〜270℃のテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体であり、該裸線の外径の1.5倍から10倍の内径を有するニップルの中を該裸線を通過させつつ、溶融させた該含フッ素ポリオレフィン樹脂をチュービング方式で2〜50μmの厚みになるように被覆することを特徴とする。
【0019】
本発明のプラスチック光ファイバ素線の製造方法は、前記ニップルが、前記溶融させた含フッ素ポリオレフィン樹脂と接する先端部分に空洞部を有する、および/または前記溶融させた含フッ素ポリオレフィン樹脂と接する先端部分に断熱材が埋め込まれていることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のプラスチック光ファイバ素線は、図1に示したように、内側から、芯1、鞘樹脂層2、被覆樹脂層4の3層、または、芯1、鞘樹脂層2、保護層3、被覆樹脂層4の4層からなる。以下では、芯1と鞘樹脂層2を含めてプラスチック光ファイバ裸線と呼び、芯1と鞘樹脂層2と保護層3を含めてプラスチック光ファイバ補強裸線と呼び、プラスチック光ファイバ裸線とプラスチック光ファイバ補強裸線とをあわせて単に裸線と呼ぶ。鞘樹脂層2は外層になるほど屈折率が小さくなる複数の層からなっていてもよい。また、被覆樹脂層4の外側にさらに外被覆層を設けても良い。
【0021】
本発明において、芯1を構成する芯樹脂はPMMA系樹脂であり、MMAの単独重合体であるPMMA樹脂、あるいは、MMA成分が80質量%以上の共重合体のいずれかを意味する。
【0022】
また、鞘樹脂は透明フッ素樹脂であり、フッ化メタクリレート系重合体やビニリデンフロライド系樹脂をいう。
【0023】
フッ化メタクリレート系重合体とは、フルオロアルキルメタクリレートとフルオロアルキルアクリレートや、アルファフロロフロロアルキルアクリレートなどのフッ素を含有するアクリレートモノマーないしはメタクリレートモノマーと、メチルメタクリレートなどの共重合可能な炭化水素系のモノマーとの共重合体のことである。
【0024】
一方ビニリデンフロライド系樹脂とは、ビニリデンフロライドの単独重合体、あるいは少なくともビニリデンフロライドと、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロペン、トリフロロエチレン、ヘキサフロロアセトン、パーフロロアルキルビニルエーテル、クロロトリフロロエチレン、エチレン、プロピレンからなる群から選択される少なくとも一種類以上のモノマーとの共重合体、あるいは、これらのビニリデンフロライド成分を含む重合体とPMMAとのアロイなどをいう。
【0025】
鞘樹脂層2が1層の場合は、ビニリデンフロライド系樹脂であることが高温での被覆に耐えやすい点で好ましい。また、鞘樹脂層2が二層以上の場合は、外側の層を構成する鞘樹脂の屈折率が順次低くなるように構成するとファイバを曲げた時の光量損失を少なくできるので好ましく、鞘樹脂層2が1層の場合と同様の理由で、最外層を構成する鞘樹脂はビニリデンフロライド系樹脂であることが好ましい。
【0026】
保護層3は機械物性、耐熱性、光遮蔽性等の機能を付与するために、鞘樹脂層2の外側に接して保護層3を設ける場合、高温での被覆に耐えやすい点でビニリデンフロライド系樹脂であることが好ましい。尚、本発明において、保護層3は、屈折率が内側の鞘樹脂層2の屈折率より高い、不透明、着色したの少なくともいずれかの条件を満たすビニリデンフロライド系樹脂である点で透明なビニリデンフロライド系樹脂である鞘樹脂層2とは異なる。
【0027】
ここで、プラスチック光ファイバ裸線の最外層を構成する鞘樹脂、またはプラスチック光ファイバ補強裸線の保護層を構成する樹脂(以下、最外層樹脂という。)は、少なくともテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとビニリデンフロライドを含有する共重合体で、テトラフロロエチレン成分が20〜72モル%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜25モル%,ビニリデンフロライド成分が20〜72モル%である共重合体が好ましい。この共重合体は、含フッ素ポリオレフィン樹脂の被覆時の対熱損傷が少ないのと、本質的にDOP(フタル酸ジオクチル)などの可塑剤に対して断線が起こりにくいという特長があるので好ましい。そして、高温の含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆する時の熱損傷が小さく、かつ樹脂自体の耐薬品性にも優れている点で、融点が140℃以上の共重合体がより好ましい。
【0028】
なお、ここで、少なくともテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとビニリデンフロライドを含有する共重合体とは、テトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとビニリデンフロライドの3成分だけの共重合は勿論のこと、これらの3成分共重合体の持つ本質的な特長を悪くさせない範囲で、さらに第4成分以上のモノマーを含むことを排除しないことを意味するが、テトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとビニリデンフロライドを合計で90モル%以上含有することが好ましい。
【0029】
上記の裸線の外径は0.5mmから1.5mmの範囲内が好ましく、0.9mmから1.2mmの範囲内がより好ましい。そのうち芯1の直径を1000μmとすると、鞘樹脂層2の厚さは、一層の場合でも多層の場合でも、一層あたりの厚さは1μm〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。また保護層3の厚さは、1μm〜30μmであり、5〜20μmが好ましい。そして鞘樹脂層2と保護層3の合計の厚さは3〜50μmの範囲内が好ましく、5〜30μmの範囲内がより好ましい。
【0030】
本発明における裸線は複合紡糸によって製造する。複合紡糸とは、溶融した芯樹脂と溶融した鞘樹脂を複合紡糸ダイに導入して同心円状の糸状に成型する方法であり、芯樹脂の周りの鞘樹脂層は一層である場合でも、2層以上の鞘樹脂層を有し、鞘樹脂層の屈折率が外側ほど段階的に低くなるように多層化した場合でもいずれでもよい。複合紡糸ダイからとり出されたファイバは、延伸熱処理をへて冷却されることによって、機械的強度と熱収縮の規制された裸線となる。裸線の破断伸び率は50%以上になって、非常に可撓性のあるものである。
【0031】
本発明のプラスチック光ファイバ素線は、裸線の外側に、裸線に接して、融点が250℃〜320℃の含フッ素ポリオレフィン樹脂、好ましくは融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなる2μm〜50μmの厚さの被覆樹脂層を有する。
【0032】
本発明のプラスチック光ファイバ素線は、裸線に、クロスヘッドダイを通して融点が250℃から320℃の含フッ素ポリオレフィン樹脂(以下、高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂ともいう。)を溶融させて2μm〜50μmの厚さに被覆することにより製造することができる。
【0033】
従来、芯樹脂をPMMA系樹脂とする裸線に、このような高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂を直接溶融被覆することは、行われていなかった。その理由は、PMMA系樹脂の処理可能な温度よりはるかに高い温度でなければ高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂の成型ができなかったためである。
【0034】
例えば高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂を薄く被覆する方法として、前述した複合紡糸を行なおうとすると、全ての樹脂を高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂の溶融成型温度である320〜380℃程度で処理しなければならない。しかしながら、この処理温度は芯樹脂であるPMMA系樹脂の熱分解が許容できる成型温度である300℃を超えるので、樹脂が発泡したり残存モノマー濃度が高くなるという問題が発生して、採用することができなかった。
【0035】
そこで、本発明者は、裸線をまず製造し、後付けで高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆する方法を検討した。そして、ニップルに裸線を通しクロスヘッドダイから高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂をプレッシャー方式やチュービング方式によって供給して被覆することを試みたが、高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂で被覆可能な温度では、裸線が糸切れして被覆することができなかった。
【0036】
本発明者らは、裸線の上に直接高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆すべく鋭意検討の結果、いくつかの要件を組み合わせることによりそれを可能とした。それらの要件を順次説明する。
【0037】
第1に、被覆条件として、ニップルの内径を十分大きくすることが必要であり、そのために、ダイ、ニップルの組み合わせによって決まる引き落とし倍率を十分に高くする。
【0038】
図2は、本発明の製法を説明するための概略断面図である。図2において、5はダイ、6はニップル、7は断熱部、8は裸線、9は被覆層樹脂、10はプラスチック光ファイバ素線である。
【0039】
本発明の製法では、被覆のための成型に、ニップル6の先端部をダイ5の中にチューブ状に挿入した形で成型するチュービング方式を使い、引き落とし倍率を100倍から2000倍程度に大きく取ることが好ましく、特に好ましくはニップル6の先端部の外径を大きくして引き落とし倍率を200倍から1000倍程度にする。
【0040】
ここで引き落とし倍率とは、(1)式のFにより定義される。
F=(dD 2−dT 2)/(dJ 2−dP 2) :(1)式
(dDはダイの穴の内径、dTはニップルの先端部の外径、dJはプラスチック光ファイバ素線の外径、dPはプラスチック光ファイバ裸線の外径である。)
【0041】
従来の裸線の被覆においては、芯樹脂の偏芯による被覆樹脂層の厚みばらつきを防ぐために、好ましいニップル内径は該裸線の外径より少々大きい1.2倍程度に設定されるものであった。しかしながら、本発明においては、ニップルの内径は、裸線の外径の1.5倍から10倍であり、好ましくは2倍から5倍である。ニップルの内径が裸線の外径の1.5倍未満では、裸線がニップルの中を通るときにニップル内壁に接触して糸切れを起こす可能性があるので好ましくない。また、10倍より大きい場合は、溶融した被覆樹脂が過度に冷却され被覆が困難に成るので好ましくない。
【0042】
本発明においては、裸線を非常に高温のニップルの中を通過させる必要があるので、裸線にかかる張力の影響が非常に大きい。裸線を大きな内径のニップルの中央部に揺らぎ無く通過させるには、裸線にかける張力を強くしてピンと張ればよいのだが、それでは裸線はのびてしまう。逆に裸線にかける張力が弱いと、ニップル内のファイバの位置が揺らぎ、伝送損失の増加や線径の不安定さを引き起こすという問題がある。裸線を安定に引き取ることのみならず、被覆樹脂による張力変動を小さくする必要から、温度変化に対して比較的安定な流動特性を有する含フッ素ポリオレフィン樹脂を、被覆樹脂層の厚みが2〜50μmと薄く被覆することによって、本発明のプラスチック光ファイバ素線が製造できることを見出した。
【0043】
本発明において、さらに好ましいニップル構造は、図2に示すように、ニップル6先端部に熱伝導率を低下させるための断熱部7、具体的には空洞部を有するか、ガラス繊維や炭素繊維などのニップルを構成する金属に比して熱伝導率の低い材料が部分充填されているかによって、ニップルに高温の溶融樹脂の熱が効率的に伝わらないように工夫したものである。該ニップル構造を採用することで、ニップルから光ファイバ裸線への熱輻射が抑えられるので、銅線などとは異なり高温雰囲気で腰の無くなる裸線をより安定化させるのでより好ましい。
【0044】
第2に、上述のような高い引き落とし倍率での被覆を可能にするためには、被覆樹脂の成型性の面での選定も重要である。従来の裸線の被覆では、大きな引き落とし倍率を有する外径の大きなニップルを用いて被覆する事例は知られていなかった。
【0045】
本発明において、裸線の被覆に使用される高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂の選定の要件は耐薬品性と成型性であった。
【0046】
耐薬品性について言えば、多方面の薬品に対し最も高い耐薬品性を示すのは融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体であり、それに次いでは、融点が260℃〜280℃のテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとの共重合体である。
【0047】
これらの二つの樹脂にくらべて、DOPなど芳香族溶剤に対する耐薬品性には劣るが、ビニリデンフロライド樹脂等のその他の含フッ素ポリオレフィン樹脂に比べれば格段に優れた耐薬品性を示すのが、融点が250℃〜270℃のテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体であり、これらの3種類の樹脂が本発明で使用可能な高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂である。
【0048】
ついで、成型性である。特に本発明では高い引き落とし倍率で樹脂を引き落としながら被覆し、裸線に影響を与えないために、非常に流動性が優れている事が必要である。その点で、融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体は成型温度は350〜390℃と高温であるが、流動性が非常に優れているので好ましい。
【0049】
融点が260℃〜280℃のテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンとの共重合体は、成型温度は340℃〜380℃であるが、樹脂の温度に対する流動性が変化しやすく、成型しづらいのが難点である。融点が250℃〜270℃のテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体は成型温度が320℃〜340℃と低く、樹脂の流動性も安定しているので、成型性は好ましい。上述した耐薬品性と成型性とを総合的に考え、これらの3種類の樹脂の中でもっとも優れているのは、融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体である。
【0050】
さて、裸線の芯はPMMA系樹脂でできているため、高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂の溶融成型温度320〜380℃の雰囲気では裸線がやわらかくなり、小さな張力で伸びてしまうため被覆が非常に困難であることが判明した。検討した結果、被覆樹脂層の厚さを十分小さくすることによって被覆が可能となることが判明した。本発明において被覆樹脂層の厚さは2μmから50μmである。被覆樹脂層の厚さが50μmを超えると、熱容量が大きくなりすぎ、高温の被覆樹脂が裸線に接触したとき、鞘樹脂層の構造に不整がでて伝送損失が大きくなる恐れがある。また、大きい引き落とし倍率のため、分厚い被覆樹脂が引き落とされるときに張力がかかり、裸線が伸びてしまうため好ましくない。一方被覆樹脂の厚さが2μm未満であると耐薬品性に対する効果が小さくなる。好ましい厚さは7μmから30μmである。
【0051】
さて、裸線の上に、融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体や、融点が260℃〜280℃のテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペン共重合体などの高融点含フッ素ポリオレフィン樹脂を薄く被覆したプラスチック光ファイバ素線は、単独で耐薬品性に優れたプラスチック光ファイバとして使用する事ができる。しかしながら、一般的なひっかき傷や、踏みつけ損傷から守り、小さな傷が起因となる、集中的な薬品等の侵入などを防ぐために、その外側に肉厚の熱可塑性樹脂(以下、外被覆樹脂という。)で被覆することがより好ましい。
【0052】
このための外被覆樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩ビ、ポリウレタン樹脂、ナイロン12やナイロン11やナイロン6−12、ソフトナイロンと呼ばれるポリエーテルポリアミド樹脂、ポリエーテルエステルポリアミド樹脂、ビニリデンフロライド系樹脂などを被覆することができる。
【0053】
本発明のプラスチック光ファイバ素線を用いたプラスチック光ファイバケーブルは、色々な薬品類に対しても総合的に耐薬品性に優れた特長を発揮するのが特長である。とはいうものの、使用環境によっては、外被覆樹脂と相乗的に効果を発揮する。例えば自動車用途の場合ではナイロン12の外被覆樹脂を付与すると耐熱性と、機械強度を向上させ、耐ガソリン性、耐機械油性の面で特に好ましい。
【0054】
エアコンの室外機配線の用途では、カーボンブラックを入れた耐候性に優れた、水酸化マグネシウムで難燃化したポリエチレン系樹脂を外被覆樹脂として用いるのが、特に好ましい。エアコンの室外機の配線は、長年の習慣として、冷媒の配管と、電気配線、制御配線が、断熱材とともに、灰色の塩ビテープで束ねられているが、該塩ビテープにはDOPが多量に含有されたものが使用されている。本発明のプラスチック光ファイバ素線をエアコン室外機用の制御配線として用いることにより、DOP及びシールパテの中の薬品との影響を抑えることができる。
【0055】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【0056】
なお、伝送損失値の測定は特に方法の記載のない限り、波長650nmの光源を用いて、入射開口数0.15、ファイバ長52m−2mまたは50m−2mのカットバック法で行った。また、破断強度及び破断伸び率の測定は、チャック間距離100mm、引っ張り速度100mm/分の条件で室温下で評価した。
【0057】
<実施例1>
芯樹脂として、屈折率nd20=1.492のPMMA樹脂であってメルトフローインデックスが230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で、2.5g/10分であるものを用いた。鞘樹脂として、ビニリデンフロライド40モル%、テトロフロロエチレン48モル%、ヘキサフロロプロペン12モル%からなる共重合体であって、230℃、3.8Kg荷重におけるメルトフローインデックスが7g/10分、屈折率が1.36で、融点155℃の樹脂を用いた。
【0058】
PMMA樹脂は押出機からダイ供給口迄の樹脂温度を210℃と低めにし、鞘樹脂は押出機から複合紡糸ダイに供給する前に275℃に昇温した。複合紡糸ダイの温度は265℃とし、PMMA樹脂の滞留時間は1分で紡糸をおこなった。得られた直径1.41mmのストランドは線引き速度15m/minで、温度300℃の延伸塔で2倍に延伸しさらに300℃のアニール塔で熱処理し芯の直径980μm、鞘樹脂層の外径1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。この裸線の伝送損失は135dB/kmであった。
【0059】
ついで該プラスチック光ファイバ裸線に、テトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(ダイキン工業株式会社製、商品名「ネオフロンPFA樹脂AP−201」、融点300℃〜310℃)を被覆樹脂として、ニップルとダイからなるクロスヘッドダイつきの押出機で被覆した。
【0060】
クロスヘッドダイの構造は、ダイの穴の内径が10mm、ニップルの先端平行部分の外径が9.6mm、ニップルの先端部の内径を2mmとした。そして、ニップル先端部に0.5mmの幅の空洞部を設けた。引き落とし倍率は196倍である。押し出し機先端の樹脂温度は380℃とし、このニップルに上述のプラスチック光ファイバ裸線を、50m/分の速度で通過させ、プラスチック光ファイバ裸線の上に被覆樹脂層の厚みが10μmになるように被覆したプラスチック光ファイバ素線を得た。
【0061】
本プラスチック光ファイバ素線の伝送損失は140dB/kmであり、裸線に比べて殆ど伝送損失は増加しなかった。本プラスチック光ファイバ素線の破断強度100.9N(10.3Kgf)、破断伸度85%であり、十分な伸度を示した。
【0062】
次に本プラスチック光ファイバの裸線と素線について、エタノールに対するクラックの起こりやすさを調べた。それぞれのファイバを直径20mmの棒に5回巻きつけた状態で、エタノール中に24時間浸漬し、カールを解いて、破断伸び率を測定した。裸線は、4.9N(0.5Kgf)の荷重がかかった時点で伸ばし始めと同時に断線したが、素線は、破断強度99.0N(10.1Kgf)で、90%の伸びを示し、殆ど影響を受けていないことがわかった。
【0063】
次に、本プラスチック光ファイバ素線に外被覆を行ってケーブルを製造した。外被覆樹脂として、カーボンブラック入りのポリエチレン樹脂で、難燃剤として水酸化マグネシウムと赤燐を含む樹脂を用いた。この外被覆樹脂をプレッシャーニップル付のクロスヘッドダイを介して被覆することによって、外径2.2mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。
【0064】
こうして製造したプラスチック光ファイバケーブルを3mとり、その中間点を直径20mmの棒に5回巻き付けDOPとエタノール50重量%ずつの混合液に浸漬して50℃に500時間保ち経時変化をみた。まず伝送性能については、650nmのLED光付のテスタで光パワーを測定し、該混合液に浸漬前の値が、−19.3dBmに対して、500時間後の値は−19.8dBmでほとんど変わらなかった。さらに、該混合液に浸漬した、棒に巻き付けた部分を引き延ばし、破断伸び率を測定したところ120%と十分な伸びが観測され、DOPやエタノールで生じる様なストレスクラックの兆候はみられなかった。
【0065】
<実施例2>
実施例1のプラスチック光ファイバ素線を用い、その上にカーボンブラックで黒色に着色したナイロン12樹脂を外被覆し、外径2.2mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。
【0066】
混合液をガソリンとエタノール50重量%ずつの混合液とし、保持温度を23℃とした以外は、実施例1と同様にして経時変化をみた。伝送性能については、混合液に浸漬前の値が、−19.3dBmに対して、500時間後の値は−19.5dBmでほとんど変わらなかった。
【0067】
<比較例1>
芯樹脂として、実施例1で用いたPMMA樹脂を用いた。鞘樹脂として、ビニリデンフロライド57モル%、テトロフロロエチレン31モル%、ヘキサフロロプロペン12モル%からなる、屈折率が1.364で23℃におけるシヨアD硬度(ASTMD2240)の値が40の鞘樹脂を用いた。被覆樹脂としてビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンを80モル対20モルの比で共重合させた樹脂を用いた。この被覆樹脂の融点は127℃であった。
【0068】
これらの芯樹脂、鞘樹脂、被覆樹脂の3つの樹脂を3層複合紡糸ダイに導入し、得られるストランドを2倍で延伸し、さらにアニール処理して、芯の直径970μm、鞘樹脂層の外径985μm、素線の外径1000μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。
【0069】
このプラスチック光ファイバ素線にナイロン12の外被覆を行い、2.2mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。このプラスチック光ファイバケーブルの伝送損失値は125dB/kmであった。
【0070】
また、実施例2と同様にして経時変化をみたところ、浸漬前の光パワーが−19.3dBmであったのに対し、−32dBmに悪化した。破断伸びは30%であった。
【0071】
<比較例2>
芯樹脂がPMMA樹脂で鞘樹脂がビニリデンフロライドとトリフロロエチレンとヘキサフロロアセトン共重合体から成る直径1mmのプラスチック光ファイバ裸線(旭化成株式会社製、商品名「ルミナスFB−1000」)に、実施例1で用いた被覆樹脂を被覆する試みを行なった。
【0072】
チュービング方式によって被覆を行なおうとして、通常プラスチック光ファイバの被覆に用いている内径1.25mmのニップルを用いた。しかし、ダイスの温度を360℃近辺に昇温すると、ニップルの中をプラスチック光ファイバ裸線に被覆樹脂を被覆しないうちはどうにか糸切れをせずに走行させることができるが、被覆樹脂を流すや否や断線して、被覆を行なうことができなかった。
【0073】
<比較例3>
実施例1において、被覆樹脂層の厚さが55μmになるように被覆を行なっ以外は実施例1と同様にしてプラスチック光ファイバ素線を得た。プラスチック光ファイバ素線の直径は900μmから1100μmに大きく変動した。そしてこのプラスチック光ファイバの伝送損失は900dB/kmであり、使用に耐えるものではなかった。
【0074】
<実施例3>
芯樹脂として、実施例1で用いたPMMA樹脂を用いた。鞘樹脂として、ビニリデンフロライド59モル%、テトロフロロエチレン30モル%、ヘキサフロロプロペン11モル%からなる、融点127℃の共重合体樹脂を用いて、保護層樹脂としてビニリデンフロライド80モル%、テトラフロロエチレン20モル%からなる共重合体で屈折率1.403の樹脂を用いて、複合紡糸により芯の直径960μm、鞘樹脂層の外径980μm、保護層の外径1.0mmのプラスチック光ファイバ補強裸線を得た。このプラスチック光ファイバ補強裸線の伝送損失は126dB/kmであった。
【0075】
ついで、実施例1と同様にして、プラスチック光ファイバ補強裸線の上に被覆樹脂層の厚みが10μmになるように被覆したプラスチック光ファイバ素線を得た。本プラスチック光ファイバ素線の伝送損失は260dB/kmであった。
【0076】
次に、実施例1と同様にしてエタノールに対するクラックの起こりやすさを調べた。裸線は、4.9N(0.5Kgf)の荷重がかかった時点で伸ばし始めと同時に断線したが、素線は、破断強度99.0N(10.1Kgf)で、100%の伸びを示し、殆ど影響を受けていないことがわかった。
【0077】
<実施例4>
芯樹脂として、実施例1で用いたPMMA樹脂を用いた。鞘樹脂として、17FMA40重量%、4FMA30重量%、3FMA20重量%、MMA10重量%からなる屈折率1.41のフッ化メタクリレート系樹脂を用いて、複合紡糸により直径1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。このプラスチック光ファイバの裸線の伝送損失は125dB/kmであった。
【0078】
ついで、実施例1と同様にして、プラスチック光ファイバ裸線の上に被覆樹脂層の厚みが10μmになるように被覆したプラスチック光ファイバ素線を得た。本プラスチック光ファイバ素線の伝送損失は450dB/kmであった。
【0079】
次に、実施例1と同様にしてエタノールに対するクラックの起こりやすさを調べた。裸線は、4.9N(0.5Kgf)の荷重がかかった時点で伸ばし始めと同時に断線したが、素線は、破断強度88.2N(9.0Kgf)で、60%の伸びを示し、殆ど影響を受けていないことがわかった。
【0080】
<実施例5>
芯樹脂として、実施例1で用いたPMMA樹脂を用いた。鞘樹脂として、第1鞘樹脂層に実施例4で用いたフッ化メタクリレート系樹脂を用い、第2鞘樹脂層に実施例1で鞘樹脂として用いた透明フッ素樹脂を用いた。これらの樹脂を複合紡糸により芯の直径0.96mm、第1鞘樹脂層の外径0.98mm、第2鞘樹脂層の外径1.00mmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。このプラスチック光ファイバの裸線の伝送損失は127dB/kmであった。
【0081】
ついで、実施例1と同様にして、プラスチック光ファイバ裸線の上に被覆樹脂層の厚みが10μmになるように被覆したプラスチック光ファイバ素線を得た。本プラスチック光ファイバ素線の伝送損失は130dB/kmと低損失であった。
【0082】
次に、実施例1と同様にしてエタノールに対するクラックの起こりやすさを調べた。裸線は、4.9N(0.5Kgf)の荷重がかかった時点で伸ばし始めと同時に断線したが、素線は、破断強度96.0N(9.8Kgf)で、80%の伸びを示し、殆ど影響を受けていないことがわかった。
【0083】
以上説明のように、本発明によって、耐薬品性を大幅に向上させたプラスチック光ファイバ素線の製造方法を提供する事ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバ素線の例を示す断面図である。
【図2】本発明の製法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 芯
2 鞘樹脂層
3 保護層
4 被覆樹脂層
5 ダイ
6 ニップル
7 断熱部
8 プラスチック光ファイバ裸線
9 被覆層樹脂
10 プラスチック光ファイバ素線

Claims (2)

  1. ポリメチルメタクリレート系樹脂からなる芯の外側に透明フッ素樹脂からなる少なくとも1層以上の鞘樹脂層を有してなるプラスチック光ファイバ裸線、または、該プラスチック光ファイバ裸線の外側に該鞘樹脂層に接してビニリデンフロライド系樹脂からなる1〜30μmの厚さの保護層を有してなるプラスチック光ファイバ補強裸線のいずれかの裸線上に、該裸線に接して融点が250℃〜320℃の含フッ素ポリオレフィン樹脂を被覆するにあたって、該含フッ素ポリオレフィン樹脂が、融点が290℃〜320℃のテトラフロロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、あるいは融点が250℃〜270℃のテトラフロロエチレンとエチレンとの共重合体であり、該裸線の外径の1.5倍から10倍の内径を有するニップルの中を該裸線を通過させつつ、溶融させた該含フッ素ポリオレフィン樹脂をチュービング方式で2〜50μmの厚みになるように被覆することを特徴とするプラスチック光ファイバ素線の製造方法。
  2. 前記ニップルが、前記溶融させた含フッ素ポリオレフィン樹脂と接する先端部分に空洞部を有する、および/または前記溶融させた含フッ素ポリオレフィン樹脂と接する先端部分に断熱材が埋め込まれていることを特徴とする請求項に記載のプラスチック光ファイバ素線の製造方法。
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