JP4155455B2 - 物品の移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばリンゴ、梨、トマト等の農産物を選別包装する農産物の選別包装施設において好ましく用いられるもので、容器内に収容されて持ち込まれた農産物等の物品を、処理コンベアに設けられた各載せ部に移載する物品の移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容器としてのコンテナ内に収容された農産物等の物品を処理コンベアとしての選別コンベア上に自動的に移載する装置としては、特許文献1〜特許文献3に示すものが知られている。先ず、特許文献1に示す長もの野菜選別機の供給部構造は、コンテナ内の多数の胡瓜を複数の吸着パッドにより吸着して取上げ、次いで吸着パッドの吸着作用を解除して胡瓜を中継体に移し、これら中継体を選別コンベア上に移動させると共に、選別コンベアの搬送方向に隔離させて選別コンベア上に回動させることにより、中継体上の胡瓜を選別コンベア上に移載するようにしたものである。
【0003】
また、特許文献2に示す鶏卵等の被処理物の移替装置は、多列の個別収容座を有する供給コンベアから放出される卵を回動受け台で受け取った後、選別コンベアへ移し替えるまでの区間で回動受け台を選別コンベアと並行に同方向に移動させ、回動受け台と選別コンベアの支持台が並列した際に、回動受け台を回動させることにより、回動受け台上の卵を選別コンベア上に移し替えるようにしたものである。さらに、特許文献3に示す物品運搬用の容器及びその容器を用いた物品供給装置は、大・中・小別の容器を、大・中・小別の専用の積み替え装置に振分けて、それぞれ専用の積み替え装置で該当の容器内から物品を取り出してトレイ上に移し替えるようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−81052号公報
【特許文献2】
特公平6−59931号公報
【特許文献3】
特開2002−210418号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示す装置の場合は、吸着して取上げた胡瓜を中継体の動作で放出させることにより選別コンベア上に搬送方向に隔離して供給するため、装置の構成が複雑になると共に胡瓜の選別コンベア上での姿勢が変わる場合がある。また、中継体と選別コンベアとをそれぞれ別々に駆動させるため、高速搬送する選別コンベアには適さず、処理能力を十分に高めることが困難であると共に、コンテナ内の胡瓜が吸着パッドと一対一に対応しないため、胡瓜が中継体に確実に載らなかったり吸着ミスが発生し易く、移載作業の確実性に欠け、結果として選別コンベア上での充填率の低下を招き易い等の問題点を有している。
【0006】
また、特許文献2に示す装置の場合は、供給コンベアから放出される卵を受け取る回動受け台が、次位コンベアに対してさらに回動して移載される構造であるため、被処理物の表面が柔らかな果実等では傷みが発生し、被処理物が卵等のように表皮が比較的硬い物に特定され易い。また、供給コンベア上で搬送されてくる卵が回動することによって、その姿勢が変わったり飛び跳ねる場合があるため、安定した移載が困難であると共に、供給コンベアの処理速度に限界があり、特許文献1に示す装置と同様に、高速化には不適である等の問題点を有している。
【0007】
さらに、特許文献3に示す装置の場合は、大・中・小別の容器に専用の積み替え装置を必要とするため、装置自体が大型化し、例えば選別包装施設等への設置時の、設置スペースの省スペース化を図ることが困難であると共に、コスト高になり易い等の問題点を有している。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、コンテナ内に収容された物品の数や配列等の情報に応じて専用の取上げ移載装置を設けることなく対応可能な汎用性の高い物品の移載装置を提供することにある。また、他の目的は、前記目的に加え、連続で搬送される物品を処理コンベア上に確実に移載すると共に、高速処理化に容易に対応したり、コンテナ内の物品をその姿勢を変えることなく処理コンベア上に確実に移載する物品の移載装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品を1個宛収容する載置手段がそれぞれ所定の配列で形成され一列分の物品の収容個数が異なる複数の種類の容器と、該複数の種類の容器を混在して搬送し、該容器を所定の取上げ位置で待機手段により待機させる容器搬送コンベアと、該待機手段で待機された容器内から物品を保持して取上げ該取上げた物品を処理コンベアの各載せ部に移載する取上げ移載装置と、を備えた物品の移載装置であって、前記取上げ移載装置は、容器内の物品を取上げる複数の保持部を処理コンベアの搬送方向に沿って前後一対の二組のみ備え、一個の容器内の一列の物品に対して一方の組の複数の保持部で取上げた後に当該列の残りの物品を他方の組の複数の保持部で取上げる第1の取上げ移載形態と、連接した2個の容器内の同列の物品を前記二組の複数の保持部で一括して取上げる第2の取上げ移載形態とに、前記待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて、変更可能に設けられていることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、物品がその各載置手段に1個宛載置収容され一列分の収容個数の異なる複数種類の容器は、容器搬送コンベアで混在して搬送されて待機手段で待機され、この容器内の物品が、複数の保持部を処理コンベアの搬送方向に沿って前後一対の二組のみ備える取上げ移載装置の保持部によって取上げられて処理コンベアの例えば受皿等の載せ部に移載される。この物品の待機手段から処理コンベアへの移載時に、取上げ移載装置による物品の取上げ移載形態が、1個の容器内の一列の物品に対して一方の組の複数の保持部で取上げた後に当該列の残りの物品を他方の組の複数の保持部で取上げる第1の取上げ移載形態と、連接した2個の容器内の同列の物品を二組の複数の保持部で一括して取上げる第2の取上げ移載形態とに、待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて変更される。これにより、待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて取上げ移載装置を第1、第2のいずれかの取上げ移載形態で作動できて、取上げ移載装置が特定の取上げ移載形態に限定されることがなくなり、汎用性の高い移載装置が得られる。更に、待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて、取上げ移載装置が1個の容器あるいは2個の容器内の物品を取上げ移載することから、例えば容器内に収容される個数が少ない比較的大きな部類に属する物品は2個の容器からそれぞれ移載でき、また、容器内に収容される個数が多い比較的小さな部類に属する物品は1個の容器から取上げ移載できて、物品の収容個数に応じ効率的な移載作業を行うことができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、前記取上げ移載装置が、取上げた物品を処理コンベアの各載せ部に移載する際に、該取上げた物品を処理コンベアの載せ部と同期移送させることを特徴とする。このように構成することにより、取上げ移載装置が取上げた物品を処理コンベアの載せ部と同期移送させつつその載せ部に移載することから、取上げた複数の物品間の間隔寸法を処理コンベアの載せ部間の間隔寸法に容易に一致させつつ移載できて、容器内の物品の処理コンベアへの移載が確実かつスムーズに行える。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、前記取上げ移載装置の二組の複数の保持部が、処理コンベアの搬送方向、該搬送方向と直交する横方向及び高さ方向に移動可能に設けられると共に、該各組の複数の保持部間の間隔寸法が搬送方向に変更可能であることを特徴とする。このように構成することにより、容器内の物品を取上げる二組の複数の保持部が、搬送方向に対してX、Y、Zの3方向に移動すると共に各組の各保持部間の間隔寸法が搬送方向に可変されることから、保持部を容器内の物品の収容位置に応じて所定位置に容易に移動させることができて、取上げ移載装置の各種容器への対応が的確に行える。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記容器の内部に収容される物品の一列分の個数及び列数を検出可能な検出手段を有することを特徴とし、この場合、請求項5に記載の発明のように、前記検出手段で検出された容器内の一列分の物品の収容個数に応じて、前記取上げ移載装置による取上げ移載形態が変更されることが好ましい。このように構成することにより、検出手段で容器内に収容される物品の一列分の個数及び列数が検出されることから、この一列分の物品の収容個数の検出信号を利用して取上げ移載装置を所定の取上げ移載形態に自動的に設定変更でき、該装置による各種物品の移載作業の省力化が図れる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、前記処理コンベアが、物品を計測する選別コンベアであることを特徴する。このように構成することにより、取上げ移載装置で取上げられた物品が、処理コンベアとしての選別コンベア上に移載されることから、選別コンベアの各載せ部に物品を例えば空きを生じることなく確実に移載できて、選別作業の効率アップが図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明に係わる物品の移載装置の一実施形態を示し、図1が該移載装置を農産物選別装置に適用した場合の全体構成を示す概略平面図、図2〜図6がその取上げ移載装置を示す図、図7及び図8がその移送装置部分を示す図、図9が容器としてのコンテナを示す図である。
【0019】
図1において、農産物選別装置1は、上面計測に適した多数の受皿3(図2参照)を有する処理コンベアとしてのバケット式コンベアからなる複数条(図では2条)の選別コンベア2を有し、この各選別コンベア2の上流側には、供給装置1aがそれぞれ配置されている。この供給装置1aは、選別コンベア2の搬送方向イに沿って略連続する状態で設けられた自動供給部4と手載せ供給部5を有し、この供給装置1aの選別コンベア2の自動供給部4及び手載せ供給部5の搬送方向イの例えば左側には、農産物Wが収容された容器としてのコンテナ6を搬送するコンテナ搬送コンベア7が隣接状態で並設配置され、また選別コンベア2の搬送方向イの例えば右側には、所定の作業空間8を有して分岐コンテナ搬送コンベア9が配置されている。
【0020】
前記コンテナ搬送コンベア7には、自動供給部4の取上げ位置に例えば昇降動作可能な一対のストッパ10a、10b等からなる待機手段10が設けられている。また、コンテナ搬送コンベア7の自動供給部4より上流側には分岐部11が設けられ、この分岐部11には、分岐コンテナ搬送コンベア9の上流側が連結され、該分岐コンテナ搬送コンベア9の直線状の下流側が前記手載せ供給部5まで延設されている。なお、複数条のコンテナ搬送コンベア7は、その下流側が空コンテナ搬送コンベア12にそれぞれ連結されており、この空コンテナ搬送コンベア12により空のコンテナ6が選別包装施設の図示しない空コンテナ保管場所に搬送されて保管されるようになっている。
【0021】
また、選別コンベア2の下流側には、上面計測装置13がそれぞれ設けられると共に、この上面計測装置13の下流側の選別コンベア2の終端部には、下面計測装置64を備えた後述する移送装置14を介してフリートレイ15を搬送する搬送コンベア16の上流側がそれぞれ連結されている。そして、この搬送コンベア16の下流側は合流部17で合流されて、内部品質検査装置18を備えた搬送コンベア19の上流側に連結され、この搬送コンベア19の下流側が図示しない仕分け部に連結されている。
【0022】
前記自動供給部4は、コンテナ6内の農産物Wを、後述する第1の取上げ移載形態と第2の取上げ移載形態とで取上げて受皿3上に移載する取上げ移載装置21を備えている。この取上げ移載装置21は、図2〜図4に示すように、上下方向に配設された移動フレーム23や水平方向に配設されたパンタグラフ支持部材22等からなる移動手段を有し、移動フレーム23の下端に選別コンベア2の搬送方向イに沿って所定長さで水平状態のパンタグラフ支持部材22が固定されている。そして、パンタグラフ支持部材22は、搬送方向イと同一方向(X軸方向という)と搬送方向イと直交する方向(Y軸方向という)及び高さ方向(Z軸方向という)にそれぞれ移動可能に構成されている。
【0023】
すなわち、移動フレーム23は、上下方向に所定の長さを有し、その下端にパンタグラフ支持部材22が固定されると共に、その高さ方向の所定位置がZ軸ガイド39によってX軸フレーム24に上下動可能に支持されている。また、X軸フレーム24には、前記Z軸ガイド39が固着されたX軸ガイド26が摺動するX軸レール27が設けられると共に、その長手方向の両端部がY軸レール28によってY軸フレーム25に移動可能に支持されている。このY軸フレーム25には、その長手方向に沿って前記Y軸レール28がそれぞれ摺動するY軸ガイド29がそれぞれ設けられると共に、機枠30の上面に水平状態で固定されている。
【0024】
そして、移動フレーム23の上端に設けたZ軸モータ31が回転することにより、その移動フレーム23がZ軸方向に移動し、また、X軸フレーム24の一端部に設けたX軸モータ32が回転することにより、前記Z軸ガイド39がX軸方向に移動し、Y軸フレーム25の一端部に設けたY軸モータ33が回転することにより、前記Y軸ガイド29がY軸方向に移動するようになっており、各モータ31〜33の回転を適宜に制御することにより、移動フレーム23がX軸、Y軸及びZ軸の三方向に所定距離移動し得るように構成されている。
【0025】
前記パンタグラフ支持部材22の下面には、搬送方向イに沿って前後一対のパンタグラフ34、35が支持されている。前後の各パンタグラフ34、35は、上下一対の伸縮杆36a、36bの例えば5個の交点に、垂直方向に配置されたシリンダ37の上部がそれぞれ固定され、この各シリンダ37の上下動可能なピストンロッド37aの下端には保持部としての吸着盤38がそれぞれ取り付けられている。なお、吸着盤38の他に多数の爪等を駆動装置により開閉させて保持部を構成することもできる。
【0026】
また、前方のパンタグラフ34の最後部のシリンダ37と後方のパンタグラフ35の最前部のシリンダ37は、パンタグラフ支持部材22にそれぞれ固定的に配置されると共に、これらのシリンダ37間の間隔寸法L1(図2参照)が、連設する2個のコンテナ6の載置手段65間の間隔寸法L2(図2参照)に一致するように設定されている。なお、2個のコンテナ6を連設(接触)した時の間隔寸法L2が、シリンダ37の間隔寸法L1より狭い場合には、2個のコンテナ6の間にL1=L2となるためのスペーサ(図示せず)を搬送面上に出没式に設けることもできる。
【0027】
さらに、図5及び図6に示すように、前後のパンタグラフ34、35の各シリンダ37の上部には、シリンダ固定板40を介してガイド41がそれぞれ設けられ、このガイド41がパンタグラフ支持部材22の下面に固定されたレール42に摺動している。また、前方のパンタグラフ34の最前部のシリンダ37と後方のパンタグラフ35の最後部のシリンダ37のシリンダ固定板40のベルト固定部40aには、無端状のベルト43が固定され、このベルト43は、前記移動フレーム23の下部に設けられた拡開モータ44の駆動プーリ45に巻回されると共に、該駆動プーリ45の下部やパンタグラフ支持部材22の長手方向の端部下面等に回転可能に配置された合計5個の従動プーリ46にそれぞれ巻回されている。
【0028】
これにより、拡開モータ44が所定方向に回転して駆動プーリ45が回転することにより、ベルト43が所定方向に移動して、該ベルト43が固定されている前後のパンタグラフ34、35の最前部及び最後部のシリンダ37を所定方向に移動させる。この最前部及び最後部のシリンダ37の移動で、伸縮杆36a、36bで連結されている他のシリンダ37も伸縮杆36a、36bの伸縮動作と連動して同方向に移動し、各パンタグラフ34、35の合計5個のシリンダ37(吸着盤38)間の間隔寸法L4(図3参照)が可変されることになる。
【0029】
なお、前後のパンタグラフ34、35の各シリンダ37間の間隔寸法L4は、初期状態(縮小した状態)では後述するコンテナ6内の隣接する載置手段65間の間隔寸法L5(図9参照)と同一に設定され得るように構成され、拡開した状態では選別コンベア2の受皿3間の間隔寸法L3と同一に設定され得るようになっている。そして、具体的には、選別コンベア2の受皿3間の間隔寸法をL3(図2参照)とした場合に、寸法L1=L2=L3=L4=190.5mmでL5=100mmに設定される。
【0030】
そして、自動供給部4の取上げ移載装置21は、図1に示すように、制御装置48に接続されて該制御装置48の制御信号により各モータ31〜33、44が適宜に回転動作するようになっている。すなわち、制御装置48の制御信号でZ軸モータ31が回転すると移動フレーム23すなわちパンタグラフ支持部材22が上下方向に移動して、各シリンダ37の吸着盤38でコンテナ6内の農産物Wを吸着させたり吸着した農産物Wを受皿3上に載せると共に、制御装置48の制御信号でY軸モータ33が回転すると移動フレーム23がY軸方向に移動して、図4の実線位置と二点鎖線位置等に設定されるようになっている。
【0031】
また、制御装置48の制御信号で拡開モータ44が回転すると各パンタグラフ34、35のシリンダ37が搬送方向イに拡開動作すると共に、この拡開動作と関連付けて制御装置48の制御信号でX軸モータ32が回転して移動フレーム23が搬送方向イに移動し、シリンダ37すなわち吸着盤38が加速されて、選別コンベア2の搬送速度に同期し、吸着盤38間の間隔寸法L4が選別コンベア2の前後の受皿3間の間隔寸法L3に合致し得るようになっている。なお、制御装置48には、その制御信号で昇降動作するコンテナ搬送コンベア7の前記待機手段10の各ストッパ10a、10bが接続されている。
【0032】
前記手載せ供給部5は、図1に示すように、分岐コンテナ搬送コンベア9の下流側に選別コンベア2方向に向けて複数条(図では3条)設けられた作業コンベア49(もしくは作業台)を有している。そして、この作業コンベア49の側方に前記作業空間8が形成され、この各作業空間8内に作業者Mがそれぞれ位置して、作業コンベア49上のコンテナ6内から農産物Wを取り出し、この農産物Wを選別コンベア2上の農産物Wが載せられていない受皿3に手作業で載せる作業(手載せ供給作業という)を行うようになっている。
【0033】
この手載せ供給部5の分岐コンテナ搬送コンベア9の所定位置には、該コンベア9で搬送されてくるコンテナ6を停止させるストッパ50が例えば昇降動作可能に設けられ、このストッパ50の上流側の所定位置には、ストッパ50で停止されたコンテナ6の有無を検知するコンテナ検知センサ51が配置されている。このコンテナ検知センサ51は、前記制御装置48に接続されて、各分岐コンテナ搬送コンベア9上のコンテナ6の例えば有無状態が検知されて、その信号が制御装置48に入力されるようになっている。
【0034】
また、コンテナ搬送コンベア7の前記分岐部11には制御装置48の制御信号で作動する分岐装置52と、コンテナ搬送コンベア7で搬送されてくるコンテナ6の側壁6b外面に貼付等され当該コンテナ6内の農産物Wの情報を示す識別子(例えばバーコードやIDタグ等)を読み取る読取装置53が設けられている。この読取装置53で読み取られた農産物Wの情報が制御装置48に入力されて、例えば分岐装置52の作動が制御されるようになっている。
【0035】
また、自動供給部4の取上げ移載装置21は、制御装置48に接続された図示しない入力装置により、その能力が例えば最大能力とこれより所定値低い固定能力との2つの移載能力に設定されるようになっている。すなわち、最大能力とは、取上げ移載装置21で自動供給のみを行った場合の移載能力であり、選別コンベア2の各受皿3への農産物Wの充填率が例えば100%(もしくは選別コンベア2の選別に最適な最大充填率となる移載能力)に設定される。この場合は、選別コンベア2の全ての受皿3上に農産物Wが自動的に載せられるように取上げ移載装置21が動作することになる。
【0036】
また、固定能力は、自動供給と手載せ供給とが併用される場合に選別コンベア2の受皿3に所定の空きが生じるように設定するものであり、分岐装置52によって手載せ供給部5に分岐供給されるコンテナ6の数が、例えば所定数(1個でも可)になった時に取上げ移載装置21の移載能力を低減制御するものである。この時の固定能力とは、最大の移載能力100%に対して所定値低い例えば70%の固定値の移載能力をいい、その固定値は70%に限定されるものではなく例えば50%であってもよい。
【0037】
また、前記取上げ移載装置21の移載能力の設定は、上記した最大能力とこれより低い固定能力との設定の他に、最大能力とこれより低い可変能力とに設定することもできる。この場合の可変能力とは、手載せ供給部5に分岐供給されたコンテナ6の量(所定時間当たりの個数)に基づいて、取上げ移載装置21の移載能力を複数種類に可変(例えば手載せ供給部5への供給量が少ない場合は100%→80%に可変し、手載せ供給部5への供給量が中位の場合は100%→60%に可変し、手載せ供給部5への供給量が多い場合は100%→50%に可変)するものである。なお、移載能力の設定は、3種類の例に限らず、農産物の品種、品目、品質等に応じて4種類以上に設定可能に設けることもできるし、その充填率の値も適宜に増減できる。
【0038】
前記移送装置14は、農産物Wを選別コンベア2から搬送コンベア16へ移載するもので、図7及び図8に示すように、枠状に形成された機枠54上部に平面視で略楕円形状の搬送路55を形成する無端状の移動体56を有し、この移動体56にはパイプ状の吸引管57が所定間隔で複数個取り付けられている。この吸引管57は、垂直状態で上下動可能に配設され、上部に位置する一方の端部が図示しない吸引装置に連結され、下部に位置する他方の端部には吸着盤58が取り付けられると共に、その上端部に設けられたローラ59が、機枠54に固定されたガイド60に摺動することにより、上下動しつつ前記搬送路55に沿って移動するようになっている。
【0039】
すなわち、ガイド60に、搬送路55の左右直線部に位置する部分が低く、搬送路55の円弧部に位置する部分が高い連続したガイド面を形成し、このガイド60に沿ってローラ59が移動することにより、吸着盤58がガイド60のガイド面の高さに応じて上下動する。これにより、左右の直線部で吸着盤58により選別コンベア2の受皿3上の農産物Wを吸着したり、吸着されている農産物Wを搬送コンベア16のフリートレイ15上に載せるようになっている。
【0040】
また、この移送装置14の搬送路55の上流側の円弧部下方には、下面計測装置64が配置され、その計測カバー61内には撮像装置62及び反射鏡63が配設されている。そして、撮像装置62で照射される光が反射鏡63で反射されて計測カバー61の上部に設けた計測孔61aから、その上面側が吸着盤58で吸着されている農産物Wの下面に照射されると共に、照射されて農産物Wの下面で反射された光が撮像装置62で集光されるようになっている。これにより、撮像装置62で農産物Wの下面の状態が計測され、この計測データが図示しない計測制御装置に出力されることになる。
【0041】
なお、前記選別コンベア2の下流側に設けられる上面計測装置13も、下面計測装置64と同様の撮像装置等を有しており、受皿3上に載せられた農産物Wの上面や側面の例えば5画面を計測するようになっている。また、前記内部品質検査装置18は、フリートレイ15上の農産物Wに所定の光を照射しその透過光を測定することにより、農産物Wの内部品質を計測するようになっている。
【0042】
この上面計測装置13や内部品質検査装置18の計測信号も、図示しない前記計測制御装置に入力されて、下面計測データと併せて農産物Wの等級や階級が自動的に判定され、この判定信号が前記仕分け部で使用されることになる。この時、選別コンベア2の受皿3が上面計測に適した形状に設定されていることから、農産物Wの上面計測が精度良く行われ、また下面計測装置64により農産物Wの露出状態の下面が精度良く計測されることになり、結果として農産物Wの高精度な計測が可能になる。
【0043】
ここで、上記農産物選別装置1で使用されるコンテナ6の一例を図9に基づいて説明する。図9に示すコンテナ6は、樹脂成型によって平面視長方形状に形成され、その底壁6aには一列4個×5の合計20個の農産物Wの載置手段65が形成されている。この載置手段65は、その略円形の外周縁65aの5箇所に中心方向に向けて一定幅で張り出した2つの載置部65b、65cが形成され、この2つの載置部65b、65cと前記外周縁65aによって一つの載置手段65に3つの載置部65a〜65cが形成されている。
【0044】
そして、この各載置手段65に設けられた3種類の載置部65a〜65cで農産物Wの外周面が支持されることにより、図9(b)に示すように、大玉農産物Waから中玉農産物Wb及び小玉農産物Wcの少なくとも3種類の農産物Wが収容されるように形成されている。これにより、各コンテナ6内に、取上げ移載装置21で取上げ移載が可能なサイズとして、大玉農産物Waから小玉農産物Wcを混在して収容することもできるし、それぞれ同一の大きさに揃えて収容することもできる。
【0045】
なお、コンテナ6は、図9に示すように、例えばその短方向の側壁6bが突き合わされた状態で2個一組として扱われ、前記自動供給部4の取上げ移載装置21で前後のコンテナ6に収容されている一列5個合計10個の農産物Wが後述する如く一括して取上げられて移載される。この時、前方のコンテナ6の最後部の載置手段65の中心位置と後方のコンテナ6の最前部の載置手段65の中心位置間の間隔寸法L2が、前述したように取上げ移載装置21のシリンダ37間の前記間隔寸法L1に一致するように設定されている。
【0046】
次に、上記供給装置1aの動作の一例を各図を参照し、かつ農産物Wがリンゴで取上げ移載装置21による移載能力が前述した最大能力とこれより低い固定能力の2つであり、かつ使用するコンテナ6が図9に示すコンテナ6である場合を例にして説明する。先ず、取上げ移載装置21の移載能力を、最大能力で選別コンベア2への充填率を例えば100%に設定し、固定能力を70%に設定する。この時、取上げ移載装置21は、自動供給のみの場合、すなわち手載せ供給するものが無い場合は、最大能力(充填率100%)の移載能力で動作するように設定され、手載せ供給と併用する場合、すなわち手載せ供給するものがありかつこれを手載せ供給する際には、その移載能力が前記70%に低減されるように制御され、さらにこの70%の移載能力の状態で手載せ供給するためのコンテナ6が無い場合または少ない場合は、再び前記最大能力の100%の移載能力に制御されるようになっている。
【0047】
このような設定状態で、コンテナ搬送コンベア7上を搬送されてくるコンテナ6の側壁6b外面に設けられた識別子が前記読取装置53で読み取られると、この読取装置53で読み取ったリンゴの情報に基づき、制御装置48の制御信号で分岐部11の分岐装置52が所定状態で作動する。この時、読取装置53で読み取られる情報としては、自動供給用の取上げ移載装置21で取上げ可能な例えば大玉、中玉、小玉のリンゴであるという情報Aと、手載せ供給用の特大玉や極小玉のリンゴであるという情報Bとが使用され、情報Aのコンテナ6の場合は、分岐装置52が作動せず分岐部11をそのまま通過して自動供給部4に供給される。また、情報Bのコンテナ6の場合は、制御装置48の制御信号で分岐装置52が作動して当該情報Bのリンゴが収容されたコンテナ6が分岐コンテナ搬送コンベア9上に押し出されて分岐される。この分岐されるコンテナ6、すなわち手載せ供給部5に供給されるリンゴとしては、前記取上げ移載装置21による自動供給がし難い特大玉や極小玉のリンゴの他に、変形したリンゴ等が好ましい。
【0048】
そして、自動供給部4に供給された情報Aのリンゴが収容されたコンテナ6は、コンテナ搬送コンベア7に設けられている待機手段10の各ストッパ10a、10bによって停止させられる。この時、前後一対のストッパ10a、10bの適宜の昇降動作により、下流側のストッパ10aで2個のコンテナ6が搬送方向イに密着した状態で、下流側のストッパ10a位置すなわち取上げ位置に待機させられる。この状態で、取上げ移載装置21の動作により、連設された2個のコンテナ6から各コンテナ6内のリンゴが、それぞれ略同時に取上げ移載される前記第2の取上げ移載形態によって、選別コンベア2の受皿3上に移載される。
【0049】
すなわち、先ず、取上げ移載装置21の移動フレーム23が、制御装置48の制御信号により初期位置である取上げ位置の上方の初期高さ位置(前後のパンタグラフ34、35間の間隔寸法L1と連設する2個のコンテナ6の載置手段65間の間隔寸法L2とが一致する位置)に設定されると共に、前後のパンタグラフ34、35の各シリンダ37(吸着盤38)の間隔寸法L4がコンテナ6内の載置手段65間の間隔寸法L5と同一でかつコンテナ6の4列の載置手段65のうち搬送方向イの最も左側の列に対応した位置に設定される。
【0050】
そしてこの状態で、制御装置48の制御信号によるZ軸モータ31の回転(例えば正転)で、移動フレーム23が所定距離下降し、各吸着盤38がコンテナ6内のリンゴの上表面に接触し、この接触状態で図示しない吸引装置を作動させることにより、吸着盤38がリンゴの上表面に吸着する。この時、前方のパンタグラフ34の5個の吸着盤38が前方のコンテナ6の最左列の列状の5個のリンゴの上表面に略同時に吸着すると共に、後方のパンタグラフ35の5個の吸着盤38が後方のコンテナ6の最左列の列状の5個のリンゴの上表面に略同時に、すなわち前後のパンタグラフ34、35で前後のコンテナ6内の合計10個のリンゴが略同時に吸着されることになる。
【0051】
各吸着盤38が各コンテナ6内のリンゴの上表面に吸着すると、制御装置48によるZ軸モータ31の回転(例えば逆転)で、移動フレーム23が初期高さ位置まで上昇し、この初期高さ位置でY軸モータ33が回転(正転)することにより、移動フレーム23がY軸ガイド29とY軸レール28によってY軸方向に移動し、選別コンベア2の上方位置で停止する。そして、この位置で制御装置48により拡開モータ44が回転(正転)することにより、パンタグラフ34、35の各シリンダ37が図2の拡開方向(X軸方向)すなわち搬送方向イに移動すると共に、X軸モータ32が回転(正転)して移動フレーム23自体も搬送方向イに移動する。
【0052】
このパンタグラフ34、35の拡開動作と移動フレーム23の移動とにより、パンタグラフ34、35の各吸着盤38が加速されて、前後の吸着盤38間の間隔寸法L4が選別コンベア2の前後の受皿3間の間隔寸法L3と同一となり、この状態が所定時間維持されて移動することで、吸着盤38が選別コンベア2の搬送動作と同期した状態となる。この同期した状態において、制御装置48によりZ軸モータ31が回転(正転)することにより、移動フレーム23が所定距離下降して各吸着盤38に吸着されているリンゴが選別コンベア2の受皿3上に位置し、この位置で吸着盤38による吸着作用が解除されることにより、リンゴが受皿3上に移載される。
【0053】
なお、この例では、パンタグラフ34、35の拡開動作と移動フレーム23の移動動作とを選別コンベア2の搬送動作に同期させた状態で、移動フレーム23を下降動作させたが、拡開動作と移動動作及び下降動作を制御装置48の制御信号により略同時(並行)に実行して、各パンタグラフ34、35の吸着盤38を選別コンベア2の搬送動作と同期させるようにしても良い。
【0054】
そして、選別コンベア2の各受皿3上にリンゴを移載した吸着盤38は、制御装置48によりZ軸モータ31が回転(逆転)することにより、移動フレーム23が初期高さ位置まで上昇して選別コンベア2上から退去する。また、この位置で、制御装置48により拡開モータ44が回転(逆転)して各パンタグラフ34、35のシリンダ37の間隔寸法L4が収縮されて元の位置に復帰すると共に、X軸モータ32が回転(逆転)することにより移動フレーム23がX軸の元位置方向に移動する。さらに、この位置で、Y軸モータ33が回転(逆転)することにより、移動フレーム23がY軸方向に移動して、各パンタグラフ34、35の吸着盤38がコンテナ6の最左列から2列目のリンゴの上方位置に設定される。
【0055】
これらの一連のサイクル動作により、連設された2個のコンテナ6の最左列の合計10個のリンゴの各コンテナ6から選別コンベア2への移載作業が終了し、この動作をコンテナ6の載置手段65の列数である4回繰り返す。これにより、2個一組のコンテナ6内の合計40個のリンゴが、取上げ移載装置21の前記第2の取上げ移載形態で選別コンベア2の受皿3上に空きが発生することなく移載され、選別コンベア2の各受皿3へのリンゴの充填率が最大である100%に設定されることになる。なお、取上げ移載装置21の移載能力が最大能力の場合、選別コンベア2における農産物Wの選別に最適な充填率を確保するための移載能力であれば良く、選別コンベア2自体の種類や農産物Wの種類により、適宜に設定される。また、この取上げ移載装置21の最大能力は、コンテナ搬送コンベア7で搬送される全てのコンテナ6内のリンゴが、取上げ移載し易い大玉、中玉、小玉の場合に適用することが好ましい。
【0056】
一方、分岐装置52が作動して情報Bのリンゴ入りのコンテナ6が、分岐コンテナ搬送コンベア9上に供給されストッパ50で所定数停止されて貯留されると共に、このコンテナ6が所定のタイミングで作業コンベア49上に供給されると、該作業コンベア49に対応して配置された作業者Mによりコンテナ6内のリンゴの手載せ供給作業が開始される。この手載せ供給作業の際に、作業者Mによる図示しない入力装置の操作で取上げ移載装置21の移載能力が70%(固定能力)に低減される。これにより、選別コンベア2の受皿3に所定の空きが生じることになり、作業者Mはこの空きの受皿3にリンゴを手載せ供給できることになる。
【0057】
また、手載せ供給するコンテナ6が無くなった時、あるいは少なくなった時には、前記図示しない入力装置の操作により取上げ移載装置21の移載能力が再び100%(最大能力)にアップされる。これにより、自動供給作業と手載せ供給作業とが効率的に行え、選別コンベア2の受皿3に手載せ用のリンゴと自動供給用のリンゴとを高い充填率で供給することができて、以後の計測作業や仕分け作業等の処理能率の向上が図れることになる。
【0058】
なお、前述の移載能力を70%(固定能力)に低減させた場合の取上げ移載装置21の動作は、前述した最大能力の場合と同様にして行われるが、その能力は、取上げ移載装置21の例えばインターバル等を制御装置48で遅く制御すること等により行われ、選別コンベア2の受皿3上に所定の率で空きが発生するように移載される。また、以上の例においては、手載せ供給する際に、作業者Mにより手載せ用のコンテナ6の存在を確認した後に取上げ移載装置21の能力を70%(固定能力)に低減させるようにしたが、例えば分岐コンテナ搬送コンベア9上に供給されたコンテナ6を検知する前記コンテナ検知センサ521等により、コンテナ6の数が所定数となったことを検知して取上げ移載装置21の能力を自動的に70%に低減させるようにしてもよい。
【0059】
また、以上の例においては、取上げ移載装置21の能力が最大能力とこれより低い固定能力とに設定される場合としたが、例えば最大能力とこれより低い可変能力とに設定することもできる。この場合、分岐コンテナ搬送コンベア9上のコンテナ6は、その下流側に搬送されてストッパ50で停止させられ、この停止されたコンテナ6が前記コンテナ検知センサ51により逐次検知される。この検知信号が制御装置48に入力されることにより、分岐されたコンテナ6の数が計数され、この計数値に基づいて制御装置48で取上げ移載装置21の移載能力が可変設定される。すなわち、手載せ供給用の情報Bのリンゴ入りのコンテナ6の数に応じて、取上げ移載装置21の動作が制御されて、選別コンベア2の受皿3への充填率が80%とか60%とか50%に自動設定(自動可変)される。
【0060】
なお、この可変能力の場合も、取上げ移載装置21の動作は、前述した最大能力や固定能力の場合と略同様にして行われる。そして、移載能力が可変能力の場合は、自動供給部4による自動供給と手載せ供給部5による手載せ供給とが併用されつつ、手載せ供給部5に分岐されるコンテナ数に応じて自動供給される充填率が自動的に変更されることになり、搬送されてくるリンゴの情報に応じて自動供給作業と手載せ供給作業とが一層効率的に運用されることになる。
【0061】
なお、以上の例においては、自動供給用及び手載せ供給用のコンテナ6がランダムに搬送され、該コンテナ6のコンテナ搬送コンベア7の分岐部11による分岐を、コンテナ6に設けられた識別子を読取装置53で読み取り、その読み取り結果に基づいて行い、特大玉や極小玉のリンゴを収容させたコンテナ6を手載せ供給部5に供給し、取上げ移載装置21で取上げ移載が可能なサイズのリンゴを収容したコンテナ6を自動供給部4に供給するようにしたが、例えば作業者Mによりコンテナ6内のリンゴが自動供給用か手載せ供給用かを判別して分岐を行う構成しても良い。また、分岐コンテナ搬送コンベア9のストッパ50で停止されたコンテナ6の各作業コンベア49への供給も、自動供給に限らず作業者Mによる手作業で行うこともできる。
【0062】
また、本例のように農産物Wがリンゴの場合には、その大きさによって自動供給と手載せ供給とに分岐するように設定できるが、例えばトマト等の農産物においては、取上げ移載がし難い過熟果(柔らかく傷み易いもの)や変形果等を、手載せ供給部5で手載せ供給するように設定しても良く、農産物Wの品目、品種または品質等の情報に応じて、自動供給作業に適さないものを手載せ供給部5に供給する構成とすることもできる。
【0063】
そして、全てのリンゴが取上げ移載されて空となったコンテナ搬送コンベア7上の2個一組のコンテナ6は、制御装置48による下流側のストッパ10aの下降動作でコンテナ搬送コンベア7の下流側に搬送されて空コンテナ搬送コンベア12で下流側の保管場所等に搬送され、手載せ供給部5の作業コンベア49上で空となったコンテナ6は、例えば適宜の作業者Mによって空コンテナ搬送コンベア12上に載置されて下流側に搬送される。そして、コンテナ搬送コンベア7の空きとなった取上げ位置には、上流側のストッパ10bの下降動作で次の2個一組のコンテナ6が供給され、このコンテナ6内のリンゴが前述した2個一組のコンテナ6と同様に選別コンベア2上に移載される。
【0064】
つまり、上記供給装置1aの場合、自動供給部4の取上げ移載装置21により、例えば取上げ移載がし易い大玉、中玉、小玉のリンゴを選別コンベア2の受皿3に第2の取上げ移載形態によって自動的に供給(移載)し、取上げ移載装置21により取上げ移載がし難い極小玉や特大玉のリンゴを手載せ供給部5で作業者Mによって選別コンベア2の空いている受皿3上に手載せ供給することができて、全てのサイズのリンゴを対象とすることにより生じる取上げ移載装置21の取上げ移載ミス等が作業者Mによる手作業でカバーされることになる。
【0065】
また、この供給装置1aの場合、取上げ移載装置21による自動供給と手載せ供給とが併用できる他に、取上げ移載装置21の移載能力を最大能力に設定することで、自動供給部4による充填率を例えば最大100%に設定可能であることから、自動供給のみでも使用できるし、例えば自動供給部4を休止すれば、全てのリンゴを手載せ供給部5を使用して手載せ供給のみで使用することも可能である。
【0066】
以上が連設された2個の各コンテナ6内から複数の農産物Wを同時にそれぞれ取上げる第2の取上げ移載形態の説明である。次に、待機手段10で待機された1個のコンテナ6内から複数の農産物Wを取上げる前記第1の取上げ移載形態を、図10〜図14に基づいて説明する。先ず、この第1の取上げ移載形態の場合は、例えば図14に示すコンテナが使用される。すなわち、図14に示すコンテナ6は、その底壁6aに一列10個×7の合計70個の農産物Wの載置手段65が形成されており、この各載置手段65も、図9に示すコンテナ6と同様に3つの載置部65a〜65cを有している。
【0067】
そして、待機手段10のストッパ10aにより1個のコンテナ6が待機させられ、このコンテナ6内の農産物Wが前後のパンタグラフ34、35で5個ずつ列状に一括しかつ略連続状態で取上げ移載される。すなわち、図10に示すように、コンテナ搬送コンベア7の取上げ位置に一列に10個の載置手段65を有する一個のコンテナ6を、待機手段10のストッパ10aの上昇動作で停止させて待機させる。この時、コンテナ6内の列状の10個の農産物Wのうち前方5個の農産物Wの上方に前方のパンタグラフ34を位置させると共に、5個の農産物W(載置手段65)間の間隔寸法L5にパンタグラフ34の吸着盤38間の間隔寸法L4を一致させた状態とする。
【0068】
そして、この状態で、先ず、図11に示すように、移動フレーム23を所定距離下降させると共に、前方のパンタグラフ34のシリンダ37を作動させてそのピストロンロッド37aを進出させ吸着盤38を下降させて農産物Wの上表面に吸着させる。また、この時、後方のパンタグラフ35の各シリンダ37は、そのピストンロッド37aが後退位置に設定されてコンテナ6への干渉が防止されている。
【0069】
次に、前方のパンタグラフ34の各吸着盤38で前方5個の農産物Wを吸着したら、図12に示すように、前方のパンタグラフ34のピストンロッド37aを後退(上昇)させると共に、移動フレーム23を前方(X軸方向)に移動させて後方のパンタグラフ35をコンテナ6の後方5個の農産物W上に位置させる。そして、この状態で、後方のパンタグラフ35のシリンダ37を作動させそのピストンロッド37aを進出させて吸着盤38を後方5個の農産物Wの上表面に吸着させる。
【0070】
後方のパンタグラフ35で後方5個の農産物Wを吸着したら、図13に示すように、後方のパンタグラフ35のシリンダ37のピストンロッド37aを後退させ、前後のパンタグラフ34、35の農産物Wが吸着された吸着盤38の位置を同一高さ位置に設定すると共に移動フレーム23を上昇させる。そして、上記実施形態と同様に、この位置で拡開モータ44を作動させて前後のパンタグラフ34、35の各シリンダ37を拡開動作させると共に、移動フレーム23をX軸方向に移動させて、吸着盤38の拡開動作と選別コンベア2の搬送動作とを同期させ、各吸着盤38間の間隔寸法L4と選別コンベア2の受皿3間の間隔寸法L3とが一致した位置で吸着盤38に吸着されている農産物Wを受皿3上に移載する。
【0071】
これにより、前後のパンタグラフ34、35の連続した下降(吸着)・上昇・下降(吸着解除)動作で、コンテナ6内の一列10個の農産物Wが受皿3上に移載され、この動作をコンテナ6の列数である例えば7回繰り返すことにより、1個のコンテナ6内の合計70個の全てのリンゴが選別コンベア2の受皿3に、取上げ移載装置21の第1の取上げ移載形態によって取上げ移載されることになる。
【0072】
なお、以上のようにコンテナ6が1個の場合、前後のパンタグラフ34、35のシリンダ37間の間隔寸法L1が、コンテナ6内の農産物W間の間隔寸法L5と一致していなくても、前後のパンタグラフ34、35を択一的に作動させることにより、1個のコンテナ6内の1列10個の農産物Wを効率的に取上げることができる。また、この取上げ移載装置21においては、前後のパンタグラフ34、35を択一的に作動させることができることから、前述したように、待機手段10で待機された1個のコンテナ6のリンゴを第1の取上げ移載形態で取上げ移載できる他に、前述した第2の取上げ移載形態のように、待機手段10で2個のコンテナ6を待機させて、これらの各コンテナ6内のリンゴを取上げ移載することもできる。
【0073】
この場合は、前後のパンタグラフ34、35の合計10個の吸着盤38で先ず前方のコンテナ6内の一列10個のリンゴを取上げ移載し、その後、前方のコンテナ6内のリンゴを全て取上げ移載した後に後方のコンテナ6内のリンゴを取上げ移載するか、あるいは、前方のコンテナ6の一列10個のリンゴを取上げ移載した後に、後方のコンテナ6の同じ列の一例10個のリンゴを取上げ移載する。
【0074】
このように、上記実施形態の取上げ移載装置21においては、移動フレーム23等の移動手段の移動動作や前後一対のパンタグラフ34、35の各吸着盤38の拡開動作等を、例えば前記コンテナ6に設けられた識別子の情報を読取装置53で読み取ったコンテナ6内の農産物Wの情報(収容された農産物の一列分の個数や列数等の収容状態)等に基づき、制御装置48の制御信号で適宜に制御することによって、載置手段65の数や形状が各種形態を示すコンテナ6内に列状に収容された農産物Wを、第2の取上げ移載形態により連設された2個のコンテナ6毎に所定個数ずつ列状に取上げ移載したり、あるいは第1の取上げ移載形態により1個のコンテナ6毎に所定個数ずつ列状に取上げ移載することができる。
【0075】
特に、取上げ移載装置21の取上げ移載形態が、待機手段10上のコンテナ6の待機数やコンテナ6内の農産物Wの各種情報等に基づいて、第1の取上げ移載形態と第2の取上げ移載形態とを選択して行うことができるため、例えば図2に示すように、一列で5個の農産物Wが載せられる大きさのコンテナ6と、図11に示すように、一列で10個の農産物Wが載せられる大きさのコンテナ6とを載置手段65を変更することで併用することができ、待機手段10で待機されるコンテナ6の形態やその内部の農産物Wの個数等に応じて、所定の取上げ移載形態を選択使用することができる。その結果、従来の特許文献1に示すように、農産物Wの数や配列に応じた専用の取上げ移載装置を設置することなく、一つの取上げ移載装置21で各種個数の農産物W入りコンテナ6の取上げ移載作業を自動的に行うことができ、汎用性に優れた取上げ移載装置21が得られると共に、専用の取上げ移載装置をそれぞれ設置する必要がなくなり、選別包装施設への取上げ移載装置21の設置の効率化や省スペース化を図ることが可能になる。
【0076】
また、待機手段10で待機されるコンテナ6が2個の場合であっても1個の場合であっても、この待機形態に応じて取上げ移載装置21を第2の取上げ移載形態あるいは第1の取上げ移載形態で動作させてコンテナ6内の農産物Wを取上げ移載することができるため、例えば図9に示すように、形状が比較的大きく1個のコンテナ6内に収容される個数が少ない農産物W等の場合は、コンテナを2個一組として第2の取上げ移載形態で取上げ移載し、例えば図14に示すように、形状が小さく1個のコンテナ6内に多数収容される農産物W等の場合は、1個のコンテナ6から第1の取上げ移載形態で取上げ移載できる。その結果、農産物W等の収容個数に応じて一度に扱うコンテナ6数を最適数に設定して、効率的な取上げ移載作業が可能になると共にその処理能力の向上が図れ、選別コンベア2上の充填率を選別に最適な例えば100%に容易に確保できて、農産物選別装置1の高速処理化等にも容易に対応できる。
【0077】
また、コンテナ6内の複数の農産物Wを同時に取上げる複数の吸着盤38が、移動フレーム23によってX、Y、Z方向に移動可能に配置されると共に、各吸着盤38がパンタグラフ34、35により拡開動作可能に構成されているため、各吸着盤38の位置をコンテナ6の各載置手段65の位置に一対一に設定できて、各種収容個数で収容された各種コンテナ6に的確に対応することが可能になり、取上げ移載装置21の汎用性を一層高めることができる。
【0078】
さらに、取上げ移載装置21のパンタグラフ支持部材22を支持する移動フレーム23がX,Y、Z軸の三方向に移動可能に配設されると共に、パンタグラフ支持部材22に前後のパンタグラフ34、35の吸着盤38が拡開方向にそれぞれ移動可能に設けられているため、移動フレーム23の搬送方向イへの移動とパンタグラフ34、35の拡開動作を関連付けることにより、パンタグラフ34、35の各吸着盤38の拡開速度を加速させて選別コンベア2の搬送動作と同期させることができる。
【0079】
その結果、搬送方向イに隣接する各吸着盤38間の間隔寸法L4を選別コンベア2の前後の受皿3間の間隔寸法L3に一致(同期)させつつ所定距離併走させることができて、各吸着盤38に吸着されている農産物Wを選別コンベア2の受皿3上に確実に移載させることができ、コンテナ6内の農産物Wを受皿3上に短時間かつスムーズに移載できると共に、より多種類のコンテナ6等に一層的確に対応することが可能になる。
【0080】
また、各吸着盤38間の間隔寸法L4が各吸着盤38自体の拡開動作と移動フレーム23の移動動作とによって加速されつつ行われるため、各吸着盤38を素早く所定の間隔寸法L4位置まで拡開動作させることができて、各吸着盤38で取上げられた農産物Wの各受皿3上への移載が一層確実かつスムーズに行えると共に、吸着盤38の受皿3に対する同期移送する距離を短くすることができて、取上げ移載装置21の機長を短くできる等、取上げ移載装置21自体の小型化を図ること等が可能になる。
【0081】
さらに、各吸着盤38間の間隔寸法L4が変更可能に構成されると共に、その間隔寸法L4を少なくともコンテナ6内の各載置手段65間の間隔寸法L5と選別コンベア2の受皿3間の間隔寸法L3に略同一に設定可能であるため、農産物W吸着時の各吸着盤38間のピッチとコンテナ6の載置手段65間のピッチ、あるいは拡開後の移載時の各吸着盤38間のピッチと選別コンベア2の受皿3間のピッチを確実に合致させることができて、コンテナ6内の各載置手段65から選別コンベア2の各受皿3上に複数の農産物Wを同時かつ確実に移載できる。また同時に、その各載置手段65間の間隔寸法L5が異なる各種形態のコンテナ6や、受皿3間の間隔寸法L3が異なる各種選別コンベア2等にも的確に対応することも可能になる。
【0082】
また、取上げ移載装置21をコンテナ検知センサ51の検知信号でその移載能力が自動変更されるように構成することにより、コンテナ搬送コンベア7で搬送されてくるコンテナ6に応じて取上げ移載装置21を所定の移載能力に自動設定することができ、移載作業の自動化が図れ、操作性や処理能力に優れた取上げ移載装置21を容易に得ることが可能になる。
【0083】
また、前後のコンテナ6を2個一組として取り扱う第2の取上げ移載形態の場合に、前後のコンテナ6の最も近い載置手段65間の間隔寸法L2と、前後のパンタグラフ34、35の最も近いシリンダ37間の間隔寸法L1を略同一に設定しているため、搬送方向イに連続した状態の2個のコンテナ6内の例えば合計10個の農産物Wを前後一対の複数の吸着盤38で略同時に取上げ移載でき、例えば農産物Wを1個のコンテナ6毎に取上げ移載する場合に比較して、その能率を倍にアップすることができると共に、この状態を初期位置に設定することで、以後の各吸着盤38の拡開動作等を容易に行うことができて、例えばその制御の簡略化等を図ることもできる。
【0084】
またさらに、前後一対のパンタグラフ34、35の各吸着盤38によって農産物Wが一個ずつ吸着されて移載されるため、従来の特許文献2に示す装置に比較して、コンテナ6内の農産物Wの姿勢を変えることなく、そのままの姿勢でかつ農産物Wを傷付けること等なく所定の受皿3に確実に移載することができる。その結果、表皮の硬さ等に係わらず各種農産物の取上げ移載に適用できる取上げ移載装置21を得ることが可能になる。
【0085】
また、容器としてのコンテナ6の載置手段65に3種類の載置部65a〜65cを設け、各載置部65a〜65cに大きさの異なる農産物Wを載置できるように構成しているため、一つのコンテナ6で複数の大きさの農産物Wや複数種の農産物を収容できて、コンテナ6を各種農産物に適用できる等その汎用性の向上が図れると共に、小玉から大玉までの各種大きさを有する特定の農産物の取上げ移載作業を一層効率的に行うことが可能になる。
【0086】
また、この取上げ移載装置21を使用した上記供給装置1aにあっては、次のような作用効果を奏することができる。すなわち、各供給装置1aに自動供給部4と手載せ供給部5とがそれぞれ設けられているため、自動供給部4の取上げ移載装置21の作動によりコンテナ6内の農産物Wを選別コンベア2の受皿6に自動供給することができると共に、手載せ供給部5により作業者Mの手作業で空いた受皿3上に農産物Wを載せることができる。そのため、例えば自動供給作業に適さない特大玉や極小玉の農産物Wを手載せ供給部5で手載せ供給作業し、自動供給に適した大玉・中玉・小玉の農産物Wを自動供給することができて、全ての大きさの農産物Wを一つの供給装置1aで選別コンベア2に供給することができる。
【0087】
また、自動供給部4の取上げ移載装置21を制御装置48で所定に制御することにより、該取上げ移載装置21を最大100%の充填率で稼働することができるため、例えば充填率を100%に維持した状態で自動供給部4のみによる自動供給作業を行うことができる。また、一つの選別コンベア2に設けられる供給装置1aで自動供給と手載せ供給とが併用可能に構成されているため、農産物Wの品種あるいは性質等に応じてその供給作業を手載せ供給作業と自動供給とに使い分けする必要がなくなり、例えば表皮の難さ等に係わらず、農産物Wの他に梨や桃等の全ての農産物を一つの選別コンベア2に流すことができる。その結果、選別包装施設に特定の農産物Wに対応する専用の選別コンベア2等をそれぞれ設ける必要がなくなり、施設の設備の無駄の発生防止を図ることができると共に、コストパフォーマンスを高めかつ選別コストの低減化をも同時に図ること等が可能になる。
【0088】
またさらに、選別コンベア2の受皿3が農産物Wの上面計測に適した形状に設定されているため、農産物Wの上面側を精度良く計測できると共に、下面計測装置14で農産物Wの下面側を精度良く計測でき、これらのことから、農産物Wの表面品質や外形形状等を高精度に計測できて、選別精度の向上等を図ることができる。また、コンテナ搬送コンベア7の分岐装置52が制御装置48の制御信号で作動して、充填率に応じて例えば所定の情報の農産物Wが収容されたコンテナ6を分岐コンテナ搬送コンベア9上に供給することができるため、手載せ供給作業用のコンテナ6を自動分岐することができると共に、作業コンベア2上にコンテナ6を自動供給することもできる。これらのことから、計測精度の向上や手載せ作業の効率化を含め、従来の各装置に比較して農産物Wの供給作業の大幅な省力化を図ることが可能になる。
【0089】
なお、本実施例の取上げ移載装置21は、それぞれ5個の吸着盤38を備えた前後のパンタグラフ34、35を一括あるいは択一的に作動するように構成したが、この吸着盤38の数は限定するものではなく、この吸着盤38は、採用される複数のコンテナ6の中で、一列に配置された載置手段65が最も多い数を備えていればよい。また、吸着盤38を使用しない場合にはシリンダ37のピストンロッド37aを後退(退避)させればよい。
【0090】
また、前記取上げ移載装置21は、複数の吸着盤38を前後のパンタグラフ34、35で2組にわけて構成したが、図示しないが、前記移動フレーム23に例えば10個の吸着盤38をX軸方向にそれぞれ単独で移動させ得る駆動手段(パルスモータ等)により、10個の吸着盤38を第1の取上げ移載形態と、第2の取上げ移載形態とにそれぞれ対応することもできる。
【0091】
またさらに、農産物Wが移載されて搬送される選別コンベア2としてバケット式コンベアに代えて、搬送面と受皿3とが連結されていないいわゆるフリートレイ式コンベアを採用してもよい。選別コンベア2にフリートレイ式を採用すれば、農産物Wの取上げ移載時に受皿3を停止させて移載することもできるし、バケット式と同様に搬送中に移載することもでき、選別コンベア2の能力あるいは選別対象物の種類、計測方法等に応じて適宜選択することができる。
【0093】
また、上記実施形態においては、コンテナ搬送コンベア7の下流側に一対のストッパ10a、10bを設けることで、コンテナ搬送コンベア7上に待機手段10を形成したが、本発明の待機手段10はこれに限定されるものでもなく、例えばコンテナ搬送コンベア7の取上げ位置に該搬送コンベア7とは別形態のコンベア等からなる待機手段を連設しても良く、取上げ移載装置21の形態等に応じて適宜の待機手段を採用することができる。
【0094】
さらに、上記実施形態においては、物品が農産物Wである場合について説明したが、本発明は所定の容器内に複数個収容される工業製品、部品等の他の適宜の物品にも適用することができるし、パンタグラフ34、35の配設位置も一例であって、容器等の大きさ等に応じて適宜に設定する等、本発明の各発明に係わる要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、容器内の物品を取上げる複数の保持部を処理コンベアの搬送方向に沿って前後一対の二組のみ備える取上げ移載装置による物品の取上げ移載形態が、1個の容器内の一列の物品に対して一方の組の複数の保持部で取上げた後に当該列の残りの物品を他方の組の複数の保持部で取上げる第1の取上げ移載形態と、連接した2個の容器内の同列の物品を二組の複数の保持部で一括して取上げる第2の取上げ移載形態とに、待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて変更可能であるため、待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて取上げ移載装置を第1、第2のいずれかの取上げ移載形態で作動できて、取上げ移載装置が特定の取上げ移載形態に限定されることがなくなり、汎用性の高い移載装置を得ることができる。更に、待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて、取上げ移載装置が1個の容器あるいは2個の容器内の物品を取上げ移載することから、例えば容器内に収容される個数が少ない比較的大きな部類に属する物品は2個の容器からそれぞれ移載でき、また、容器内に収容される個数が多い比較的小さな部類に属する物品は1個の容器から取上げ移載できて、物品の収容個数に応じ効率的な移載作業を行うことができる。
【0099】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、取上げ移載装置が、取上げた物品を処理コンベアの各載せ部に移載する際に、該取上げた物品を処理コンベアの載せ部と同期移送するため、取上げた複数の物品間の間隔寸法を処理コンベアの各載せ部間の間隔寸法に容易に一致させつつ移載できて、容器内の物品の処理コンベアへの移載を確実かつスムーズに行うことができる。
【0100】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、容器内の物品を取上げる取上げ移載装置の二組の複数の保持部が、搬送方向に対してX、Y、Zの3方向に移動すると共に各組の各保持部間の間隔寸法が搬送方向に可変されるため、保持部を容器内の物品の収容位置に応じて所定位置に容易に移動させることができて、取上げ移載装置の各種容器への対応を的確に行うことができる。
【0101】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、容器の内部に収容される物品の一列分の個数及び列数を検出可能な検出手段を有するため、検出手段のこの一列分の物品の収容個数の検出信号を利用して、例えば取上げ移載装置を所定の取上げ移載形態に設定変更できて、各種収容状態の物品の取上げ移載に容易に適用することができる。
【0102】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、検出手段で検出された容器内の一列分の物品の収容個数に応じて取上げ移載装置による取上げ移載形態が自動変更されるため、取上げ移載装置による各種物品の取上げ移載作業の省力化を図ることができる。
【0103】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5に記載の発明の効果に加え、処理コンベアが物品を計測して選別する選別コンベアであるため、選別コンベアの各載せ部に物品を例えば空きを生じることなく確実に移載することができて、選別作業の効率アップが図れる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる移載装置の一実施形態を適用した農産物選別装置の概略平面図
【図2】同その取上げ移載装置の側面図
【図3】同その動作説明図
【図4】同取上げ移載装置の正面図
【図5】同図2のA−A線矢視図
【図6】同図2のB−B線矢視図
【図7】同移送装置部分の平面図
【図8】同図7のC−C線矢視図
【図9】同コンテナの(a)が平面図、(b)が断面図
【図10】同取上げ移載装置の変形動作例を示す側面図
【図11】同その動作説明図
【図12】同他の動作説明図
【図13】同さらに他の動作説明図
【図14】同コンテナの変形例の(a)が平面図、(b)が断面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・農産物選別装置
1a・・・・・・・供給装置
2・・・・・・・・選別コンベア
3・・・・・・・・受皿
4・・・・・・・・自動供給部
5・・・・・・・・手載せ供給部
6・・・・・・・・コンテナ
7・・・・・・・・コンテナ搬送コンベア
9・・・・・・・・分岐コンテナ搬送コンベア
10・・・・・・・待機手段
10a、10b・・ストッパ
11・・・・・・・分岐部
13・・・・・・・上面計測装置
14・・・・・・・移送装置
15・・・・・・・フリートレイ
16・・・・・・・搬送コンベア
21・・・・・・・取上げ移載装置
22・・・・・・・パンタグラフ支持部材
23・・・・・・・移動フレーム
34、35・・・・パンタグラフ
37・・・・・・・シリンダ
38・・・・・・・吸着盤
48・・・・・・・制御装置
49・・・・・・・作業コンベア
51・・・・・・・コンテナ検知センサ
52・・・・・・・分岐装置
53・・・・・・・読取装置
62・・・・・・・撮像装置
63・・・・・・・反射鏡
64・・・・・・・下面計測装置
65・・・・・・・載置手段
65a〜65c・・載置部
W・・・・・・・・農産物
Claims (6)
- 物品を1個宛収容する載置手段がそれぞれ所定の配列で形成され一列分の物品の収容個数が異なる複数の種類の容器と、該複数の種類の容器を混在して搬送し、該容器を所定の取上げ位置で待機手段により待機させる容器搬送コンベアと、該待機手段で待機された容器内から物品を保持して取上げ該取上げた物品を処理コンベアの各載せ部に移載する取上げ移載装置と、を備えた物品の移載装置であって、
前記取上げ移載装置は、容器内の物品を取上げる複数の保持部を処理コンベアの搬送方向に沿って前後一対の二組のみ備え、1個の容器内の一列の物品に対して一方の組の複数の保持部で取上げた後に当該列の残りの物品を他方の組の複数の保持部で取上げる第1の取上げ移載形態と、連接した2個の容器内の同列の物品を前記二組の複数の保持部で一括して取上げる第2の取上げ移載形態とに、前記待機手段で待機された各容器内の一列分の物品の収容個数に応じて、変更可能に設けられていることを特徴とする物品の移載装置。 - 前記取上げ移載装置は、取上げた物品を処理コンベアの各載せ部に移載する際に、該取上げた物品を処理コンベアの載せ部と同期移送させることを特徴とする請求項1に記載の物品の移載装置。
- 前記取上げ移載装置の二組の複数の保持部は、処理コンベアの搬送方向、該搬送方向と直交する横方向及び高さ方向に移動可能に設けられると共に、該各組の複数の保持部間の間隔寸法が搬送方向に変更可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の物品の移載装置。
- 前記容器の内部に収容される物品の一列分の個数及び列数を検出可能な検出手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の物品の移載装置。
- 前記検出手段で検出された容器内の一列分の物品の収容個数に応じて、前記取上げ移載装置による取上げ移載形態が変更されることを特徴とする請求項4に記載の物品の移載装置。
- 前記処理コンベアは、物品を計測する選別コンベアであることを特徴する請求項1ないし5のいずれかに記載の物品の移載装置。
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